JP2010185220A - 建築物の外装構造 - Google Patents

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【課題】強固にフレーム材を取り付けて天井材や断熱材を支持させることができる建築物の外装構造を提供する。
【解決手段】本発明の建築物の外装構造は、形鋼からなる躯体7上にタイトフレーム4を固定して外装材6を敷設する建築物の外装構造において、躯体7の上フランジ71に、縦片部11を備える吊り金具1を吊り下げ固定し、前記縦片部11にウエブ部21の下端にフランジ部22を備える取付金具2を取り付け、前記取付金具2,2間に断熱材3を架設してなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、強固にフレーム材を取り付けて天井材や断熱材を支持させることができる建築物の外装構造に関する。
従来、母屋と呼ばれる構造材の上面にタイトフレームと称される支持部材を取り付けて金属製の縦葺き屋根板を敷設し、縦波状の屋根構造を構築する施工法が知られている。
この屋根構造は、全体厚み(高さ)が薄く、比較的施工が容易であるという利点を有しているが、構造材である形鋼に天井材や断熱材などを配設するためには、多種類の取付部材が必要であるため、部材管理の面で面倒となり、部材数が増加することで当然作業の手間もかかっていた。
例えばI(H)形鋼からなる構造材に、天井材を取り付ける場合には、上方に係止クリップ、下方に固定座板を形成した吊り金具を用い、構造材の上フランジに係止クリップを係止させ、固定座板を断面ハット状のフレーム材の頂部に固定した構造が提案されている(特許文献1)。
そして、この構造では、断面ハット状のフレーム材は、構造材の下フランジに端部が載置されて構造材と直交するように取り付けられ、隣接するフレーム材間には天井材が配され、該フレーム材の左右の鍔部上には天井材が載置され、天井材の表面を押さえる押さえ材をフレーム材の頂部に跨らせて固定した構造である。
特許第2963825号公報
しかしながら、前記特許文献1では、天井材の取付安定性は、フレーム材や押さえ材、吊り金具に依存しており、特に吊り金具とフレーム材との連結は、切り起こし片を挿通させて倒し込んで吊り下げ固定している構造であるため、強固な取付安定性が得られなかった。
そこで、本発明は、前述の従来方法(構造)における問題を生ずることがなく、強固にフレーム材を取り付けて天井材や断熱材を支持させることができる建築物の外装構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、形鋼からなる躯体上にタイトフレームを固定して外装材を敷設する建築物の外装構造において、躯体の上フランジに、縦片部を備える吊り金具を吊り下げ固定し、前記縦片部にウエブ部の下端にフランジ部を備える取付金具を取り付け、前記取付金具間に断熱材を架設してなることを特徴とする建築物の外装構造に関するものである。
さらに、本発明は、上記外装構造において、取付金具は、ウエブ部の上端に少なくとも左右方向の何れか一方を向く上フランジ部を有することを特徴とする建築物の外装構造をも提案する。
また、本発明は、上記外装構造において、取付金具のウエブ部は、隙間を介して対向する2片の縦片にて形成され、吊り金具の縦片部が前記ウエブ部の隙間に位置するように取り付けることを特徴とする建築物の外装構造をも提案する。
本発明の建築物の外装構造は、躯体(形鋼)の上フランジに吊り下げ固定した吊り金具の縦片部に取付金具のウエブ部を強固に取り付けることができ、該取付金具間に落とし込むだけで容易に断熱材を架設することができる。
また、取付金具に、少なくとも左右方向の何れか一方を向く上フランジ部を設けた場合には、取付金具自体の曲げ耐性が強くなり、さらに上フランジ部が断熱材の端縁上端を押さえる作用を行うため、断熱材の取り付け安定性が向上する。
また、取付金具のウエブ部が隙間を介して対向する2片の縦片にて形成される場合には、吊り金具の縦片部が前記ウエブ部の隙間に位置するように取り付けることができ、より容易に且つ安定に取付金具を取り付けることができる。
(a)本発明の外装構造の一実施例を示す要部の正面図、(b)その側面図である。 (a)図1の外装構造に用いた取付金具の正面図、(b)断熱材の取付強度を向上する支持具の正面図、(c)その施工状態を示す正面図、(d)その側面図、(e)吊り金具の躯体への吊り下げ固定状態を示す正面図、(f)吊り金具の斜視図、(g)吊り金具の縦片部への取付金具の配設状態を示す側面図である。 (a)図1の外装構造に用いた外装材の正面図、(b)キャップ材の正面図、(c)保持部材の分解正面図、(d)その分解側面図である。 (a)本発明の別の一実施例を示す要部の正面図、(b)その側面図である。 (a)図4の外装構造に用いた取付金具の正面図、(b)支持具の正面図、(c)補強板材の正面図、(d)取付金具の施工状態を示す正面図、(e)その側面図、(f)吊り金具の躯体への吊り下げ固定状態を示す正面図、(g)吊り金具の斜視図、(h)吊り金具の縦片部への取付金具の配設状態を示すの側面図である。
本発明の外装構造は、母屋と呼ばれる構造材(躯体)上にタイトフレームを取り付けて金属製の縦葺き屋根板等の縦葺き外装材(以下、外装材という)を敷設して縦波状の屋根構造を構築する構造に適用されるものであって、前記躯体は、I(H)型等の形鋼からなる。
また、本発明の外装構造に用いられる吊り金具は、躯体の上フランジに吊り下げ固定されるものであって、長さ方向と直交する方向に縦片部を有する構成であれば特にそれ以外の構成を限定するものではない。
前記吊り下げ固定するための構成としては、後述する図示実施例のように、側方が開放する横溝に躯体の上フランジを位置させ、この状態でボルトの先端を上フランジに強固に押し当てて固定する方法(構造)を採るようにしてもよいし、特にこのような態様に限定するものではない。
また、本発明の外装構造に用いられる取付金具は、ウエブ部の下端に左右方向に延出するフランジ部を備える構成であれば特にそれ以外の構成を限定するものではない。例えばウエブ部の上端に少なくとも左右方向の何れか一方を向く上フランジ部を有する構成でもよく、その場合、取付金具自体の曲げ耐性が強くなり、さらに上フランジ部が断熱材の端縁上端を押さえる作用を行うため、断熱材の取り付け安定性が向上する。さらに、ウエブ部は、隙間を介して対向する2片の縦片にて形成される構成でもよく、その場合には、この隙間を補強板材を介在させる空間として用いることもできるし、前記吊り金具の縦片部を位置させる空間として用いてもよい。
すなわち前記ウエブ部は、単層板状に形成してもよいし、二重縦片状で隙間を有する構成としてもよく、前記隙間は、広くとも吊り金具の縦片部や補強板材などを挿入できる程度の幅が望ましい。
また、前記ウエブ部には開口部を形成してもよく、この開口部としては、楕円形、円形等どのような形状でもよく、適宜間隔で設ければよい。また、この開口部は、断熱材を支持したり取付強度を向上するための支持具を取り付ける取付孔として用いてもよいし、照明や太陽電池等の電気配線、その他の配線・配管などを通すようにしてもよい。
また、前記上フランジ部は、左右の両方に延出するものが望ましく、断熱材の端縁上端を押さえ支持するが、支持を安定にする構成を付加してもよい。
そして、この取付金具は、複数の軽量型鋼を溶接やボルト締め等により一体に形成したものでもよいし、軽量型鋼そのものを用いてもよいし、或いはアルミの押出成形体でもよいし、或いは後述する図示実施例のように亜鉛メッキ鋼板等の一枚の金属板材を折り曲げ加工して成形したものでもよい。
隣接する取付金具間に架設される断熱材は、特にその構成を限定するものではない。例えば単なるボード状でもよいし、木毛セメント板や発泡ポリスチレン等からなる吸音、遮音、防耐火、マイナスイオン発生等の特性を併せ持つ板状断熱材でもよく、これらの複数を適宜に組み合わせて用いてもよいし、これらを一体的に支持するワイヤー、ジョイナー等の支持材を含めて断熱材と総称する。パンチングメタルや金属メッシュ等をロール成形等により適宜に成形して各種の化粧部を備える構成でもよい。
図1に示す外装構造は、I型形鋼からなる躯体7の上フランジ71に、吊り金具1を吊り下げ固定し、前記吊り金具1の縦片部11には、断面略ユ字状の取付金具2を取り付け、前記取付金具2,2間に断熱材3を架設してなる構成である。
前記吊り金具1は、図2(e)〜(g)に示すように一枚の板状鋼材を折り曲げ成形してなる構成であって、二重縦片状の縦片部11の上端左右に、前後方向の一方が開放する横溝部12,12を形成した構成であり、横溝部12を形成する上辺13には、孔131が形成され、該孔131と連通するようにナット14が溶接され、これらナット14及び孔131を貫通するボルト15が取り付けられ、その下端が横溝部12内に臨んでいる。そのため、横溝部12内に躯体7の上フランジ71を位置させた状態でボルト15を締め付けると、ボルト15の下端が上フランジ71に当接し、ボルト15と上フランジ71、ずなわち吊り金具1と躯体7とが一体状に固定される。
また、この吊り金具1の縦片部11の略中央には、後述する取付金具と固定するための固定具の取付孔111が設けられている。
前記吊り金具1の縦片部11に取り付ける取付金具2は、図2(a)に示すように二重縦片状で隙間211を有するウエブ部21の下端には左右方向に延出するフランジ部(便宜的に以下、下フランジ部という)22,22を備え、上端には左方向に延出する上フランジ部23を備える構成である。
また、前記ウエブ部21には、横方向に貫通する開口部212が図2(d)に示すように適宜間隔で設けられ、該開口部212には、図2(b)に示す支持具2Bや前記吊り金具1の縦片部11を固定するための固着具2Cが図2(c)、(d)に示すように取り付けられる。
なお、前記支持具2Bは、後述する断熱材3の取付強度を向上する短幅のピース材であって、金属メッシュからなる支持材3Bの端縁を係止する係止部24を備える。この係止部24は、配設時には単なる横片状のフランジであるが、支持材3Bの配設に伴ってオーバーハング状に屈曲されて図示する形状となったものである。
前記断熱材3は、単なるボード状であって、その下方に配される金属メッシュからなる支持材3Bを含めて断熱材と称する。図示実施例における断熱材3としては、前記取付金具2の高さとほぼ等しい厚みのものを用いた。そのため、前記取付金具2の上フランジ部23にて断熱材3の端縁上端を押さえる作用が果たされる。
前記タイトフレーム4は、図3(a)に示すように略門型の枠体であって、略中央の横片状の連結部41から左右に脚部42,42を有し、各脚部42の下端に下面が前記吊り金具1と接する固定部43が設けられている。そして、前記連結部41には、前面及び後面が対向する断面略U字状の受支材5がボルトナットにて留め付けられて保持部材を構成している。
前記タイトフレーム4は、例えば短幅の帯状鋼材を折り曲げ成形してなる枠体であり、前記受支材5は、略垂直状に起立する受支面50,50を前後に有するピース材である。
そして、受支材5の各受支面50の下方には、左右に張り出した部分が形成され、その下方が後述する外装材6の凸状嵌合部631が嵌合する被嵌合部51である。また、受支面50の上縁を前後方向に折り曲げて支持部(面)52とし、後述する外装材6の被覆嵌合部632の被嵌状の保持を安定に行えるようにしている。さらに、この受支面50の略中央上端には、前記外装材6の断面略U字状の係合部633を上方から嵌合可能な矩形状の溝部501が設けられている。
前記外装材6は、図3(c)に示すように略平坦状の面板部61の左右の側縁に左右対称の傾斜状の立ち上げ部62,62を有する構成であり、この立ち上げ部62には、前記保持部材(4,5)に嵌合状に取り付けるための成形部63が設けられている。具体的には成形部63には、面板部61側の高さの途中のみに、保持部材の被嵌合部51に嵌合保持される略く字状の凸状嵌合部631を備え、該凸状嵌合部631の上方に、保持部材の受支材5に被覆状に嵌合保持される被覆嵌合部632を備え、さらに被覆嵌合部132の先端には、保持部材の受支材5の略中央上端に形成された溝部501に上方から嵌合状に係合させる断面略U字状の係合部633を有する構成である。なお、前記凸状嵌合部631は、外側へ突出する形状を有するが、その裏面側の凹状嵌合受部634に後述するキャップ材8の折返し部82が嵌合する構成である。
この外装材6は、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼、非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは殆ど長尺なコイル状形態で供給される。そして、上記各種の長尺なコイル状の金属材料を定尺切断する等して、一定幅で所定長さの金属板材を作成し、これを成形材料としたものである。
前記外装材6と共に外装面を形成するキャップ材8は、図3(d)に示すように左右方向に隣接する外装材6,6の成形部63,63間に配設されるものであって、前記外装材6と同様な素材から成形されるものであり、略傘状の化粧部81の左右の側縁に設けた折返し部82を前記外装材6の凸状嵌合部631の裏面(凹状嵌合受部634)に嵌合させて取り付けられる。
これらの各部材を用いて図1の外装構造を施工するには、まず躯体7の上フランジ71に吊り金具1を配設した後、ボルト15を締め付けて固定する。
次に、固定した吊り金具1の縦片部11に跨るように上方から取付金具2を配し、ウエブ部21の隙間211に縦片部11が位置するように配設した状態で、固着具2Cを用いて開口部212に取り付ける。
この取付金具2の別の開口部212には、支持具2Bを取り付けておき、この状態で隣接する取付金具2,2の下フランジ部22,22上に支持材3Bを配設し、この支持材3Bの端縁に係止するように支持具2Bの下フランジを屈曲して係止部24で係止させる。
その上に、断熱材3を載置する。
その後、固定した吊り金具1上にタイトフレーム4を固定し、その連結部41に受支材5をボルトナットで止め付ける。なお、これらのタイトフレーム4と受支材5は予め組み付けて保持部材の状態で吊り金具1上に固定するようにしてもよい。
そして、固定した保持部材に、外装材6を敷設し、キャップ材8を取り付けて外装構造を構築する。
このように施工される本発明の建築物の外装構造は、躯体(形鋼)7の上フランジ71に吊り下げ固定した吊り金具1の縦片部11に取付金具2のウエブ部21を強固に取り付けることができ、該取付金具2,2間に断熱材3を落とし込むだけで容易に架設することができる。そして、躯体7上には、タイトフレーム4を固定して外装材6を敷設することができる。
なお、躯体(形鋼)7上に図示しない連結用のボルトが突出していたとしても、それらを避けて吊り金具1を配置させることができる。
また、図示実施例では、取付金具2に、少なくとも左右方向の何れか一方を向く上フランジ部23を設けたため、取付金具2自体の曲げ耐性が強くなり、さらに上フランジ23部が断熱材3の端縁上端を押さえる作用を行うため、断熱材3の取り付け安定性が向上する。
また、図示実施例は、取付金具2のウエブ部21が隙間211を介して対向する2片の縦片にて形成されるため、吊り金具1の縦片部11が前記ウエブ部21の隙間211に位置するように取り付けることができ、より容易に且つ安定に取付金具2を取り付けることができる。
図4に示す外装構造は、躯体7に取り付ける各部材、吊り金具1、取付金具2、断熱材3、タイトフレーム4、受支材5、外装材6、キャップ材8については、以下に特記する以外の構成については同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
まず、取付金具2に関し、ウエブ部21の隙間211には、図5(c)に示す補強板材2Dを介在させるようにしてもよい。
また、吊り金具1の縦片部11について、前記取付金具2の隙間211に位置させるのではなく、図5(f)に示すようにウエブ部21の側面に沿わせるようにしてもよい。
そして、吊り金具1の縦片部11と取付金具2のウエブ部21の固定については、図5(h)に示すようにウエブ部21内に補強板材2Dが介在している位置にて縦片部11と固定具2Cにて固定するようにした。
1 吊り金具
11 縦片部
111 取付孔
12 横溝部
13 上辺
14 ナット
15 ボルト
2 取付金具
2B 支持具
2C 固着具
2D 補強板材
21 ウエブ部
211 隙間
212 開口部
22 (下)フランジ部
23 上フランジ部
24 係止部
3 断熱材
3B 支持材
4 タイトフレーム
41 連結部
42 脚部
43 固定部
5 受支材
50 受支面
501 溝部
51 被嵌合部
52 支持部(面)
6 外装材
61 面板部
62 立ち上げ部
63 成形部
631 凸状嵌合部
632 被覆嵌合部
633 係合部
634 凹状嵌合受部
7 躯体
8 キャップ材

Claims (3)

  1. 形鋼からなる躯体上にタイトフレームを固定して外装材を敷設する建築物の外装構造において、
    躯体の上フランジに、縦片部を備える吊り金具を固定し、前記縦片部にウエブ部の下端にフランジ部を備える取付金具を取り付け、前記取付金具間に断熱材を架設してなることを特徴とする建築物の外装構造。
  2. 取付金具は、ウエブ部の上端に少なくとも左右方向の何れか一方を向く上フランジ部を有することを特徴とする請求項1に記載の建築物の外装構造。
  3. 取付金具のウエブ部は、隙間を介して対向する2片の縦片にて形成され、吊り金具の縦片部が前記ウエブ部の隙間に位置するように取り付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築物の外装構造。
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