JP2004052502A - 建築物における天井の構築方法及び天井・屋根構造の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】起立部11と、該起立部11の下端に形成される下フランジ12とを備える構造材1を適宜間隔で配設し、隣接する構造材1,1の下フランジ12,12間に天井構築材2(2a,2b,2c)を上方から配置することにより天井を構築する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、足場等を構築する必要がなく、天井の敷設工事と屋根工事を同時に行うことができ、全体の工事期間を短縮することができる建築物における天井の構築方法及び天井・屋根構造の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物における天井は、H鋼等の構造材から支持材(吊り部材)を吊り下げて構築する方法が多く採用されている。詳しくは、室内側にて天井材を取り付けるフレーム材等を枠組みし、そのフレーム材等を吊るための支持材(吊り部材)を室内側から構造材の下方近傍まで支え持った状態で構造材に取り付けて施工される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の施工法では、天井材やフレーム材等を構造材の下方近傍まで支え持つ必要があるため、室内側に足場等を立設するための作業スペースが必要であった。そのため、費用も時間(工期)もかかり、その上、足場等を設置することで、建築物自体の室内側での作業も制限を受け、室内側での作業が制限を受けたり、足場の撤去まで実施できない場合もあった。
そこで本発明は、足場等を構築する必要がなく、屋根工事と併せて天井の敷設工事を実施でき、費用も削減でき、全体の工期も短縮することができる天井の構築方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、起立部と、該起立部の下端に形成される下フランジとを備える構造材を適宜間隔で配設し、隣接する構造材の下フランジ間に天井構築材を上方から配置することにより天井を構築することを特徴とする特徴とする建築物における天井の構築方法に関するものである。
【0005】
また、本発明は、起立部と、該起立部の下端に形成される下フランジとを備える構造材を適宜間隔で配設し、隣接する構造材の下フランジ間に天井構築材を上方から配置することにより天井を構築すると共に、構造材の起立部若しくは該起立部の上端に形成される上フランジに屋根材を直接若しくは支持部材を介して屋根構造を構築することを特徴とする天井・屋根構造の施工方法をも提案するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる構造材1、天井構築材2について図1の実施例に基づいて説明する。尚、図示実施例では化粧部21の形状の異なる天井材を2a、2bという符号にて区別したが、このような天井材2a,2bばかりでなく、木毛セメント板、あるいは発泡ポリスチレン等からなる断熱、吸音、遮音、防耐火、マイナスイオン発生等の機能性を有する壁材2c、及び該壁材2c等を支持するワイヤー、ジョイナー等の支持材を含めて天井構築材2と総称する。また、天井構造においては、室内側、即ち下面側が見えるため、その裏面側とは屋外側を指すが、屋根構造は屋外側、即ち上面側が見えるため、その裏面側とは室内側を指す。そのため、以下の説明では両者を混同しないように下面側であるか上面側であるか、或いは屋外側であるか室内側であるかを括弧内に示した。
【0007】
本発明に用いる構造材1は、起立部11と、その下端に形成される下フランジ12とを備える構成である。
この構造材1は、複数の軽量型鋼を溶接やボルト締め等により一体に形成したものでも良いし、軽量型鋼そのものを構造材として良いし、或いはアルミの押出成形体でも良いし、図1の実施例のように亜鉛メッキ鋼板をロール成形したものでも良い。
【0008】
起立部11は、図1の実施例のように二重縦片状で隙間を有する構成としても良いし、単層板状に形成しても良い。そして、屋根構造を構成する屋根材、或いは吊子、タイトフレーム、垂木等の支持部材等の固定箇所として用いても良いし、図示しないが例えばL型のアングル材の縦片を起立部11の隙間に挿入して締着具などにて挟持状に固定し、これを側壁内に配される鋼材などに固定しても良いし、やはり図示しないが天井材の側端に形成される取付部を起立部11の隙間中に挿入して締着具などにて挟持状に固定しても良い。
また、起立部11には開口部(図示せず)を形成しても良い。この開口部は楕円形、円形等どのような形状でも良く、適宜間隔で設ければ良い。また、この開口部は、側壁内に配される鋼材などに固定するためのL型のアングル材の取付孔として用いても良いし、機能性を有する壁材や天井材などを支持したり取付強度を向上するための支持材を取り付ける取付孔として用いても良いし、照明や太陽電池等の電気配線、その他の配線・配管などを通すようにしても良い。
【0009】
下フランジ12は、左右の両方に延出するものが望ましく、後述する天井構築材2(天井材2a,2b及び壁材2c)の端部を支持する。さらに、この構造材1を側壁内に配される鋼材などに固定する際に、L型のアングル材を用いて固定しても良いし、この下フランジ12を直接固定しても良い。
【0010】
図示実施例では起立部11の上端に上フランジ13を設けたが、この上フランジは、図1の実施例のように左右の何れか一方(内側か外側)に延出するものでも良いし、両方に延出するものでも良く、屋根構造を構成する屋根材、或いは吊子、タイトフレーム、垂木等の支持部材等の固定箇所として用いても良い。尚、構造材1を屋根の傾斜勾配に直交するように配設する態様において、左右の何れか一方のみに上フランジ13を延出させる場合には、軒側に上フランジ13が延出するように配設する。
【0011】
本発明に用いる天井構築材2は、前記構造材1,1の下フランジ12,12間に上方から配置するものであって、前述のように天井材2a,2bばかりを指すものでなく、機能性を有する壁材2c、或いは該壁材2c等を支持する支持材を含めて天井構築材2と称するものであり、図示実施例では天井材2a,2bと壁材2cの合計3種の天井構築材2を組み合わせて用いたものである。即ち天井構造を構築するものであって、且つ下フランジ12,12間に上方から載置を含めた取り付けを実施可能であるものを天井構築材ということにする。
【0012】
ここで、天井材とは、複数の孔部211を有する化粧部21と、該化粧部21の側端に形成される取付部22とを備える構成のものと定義する。この天井材は、特にその素材構成を限定するものではないが、パンチングメタルや金属メッシュ等をロール成形等により適宜に成形したものを用いることができる。
【0013】
化粧部21は、パンチング、メッシュ等の孔部211が形成され、この孔部211は円孔、楕円孔、角孔など形状も、その大きさや配設密度も特に限定するものではなく、吸音性能や強度特性を考慮して適宜に選択することができる。
この化粧部21の裏面(上面=屋外側)には、不織布、紙等からなる通気性を有するシート材や成形体などの通気性材23を添わせたり、貼着するなどして添設しても良い。この場合、天井材2a,2bの屋外側に配される壁材2cなどが室内側から孔部211を通して見えなくなり(目隠し)、さらに壁材2cなどから発生する木毛等のかすやゴミが孔部211を通って室内側に落下することを防止できる。
また、化粧部21は、湾曲(円弧)状、山状、谷状、波状、フラット状等の任意の形状からなり、外側(室内側)に凸設していても内側に凸設していても良いが、表面積が大きい化粧部21は吸音性能がより優れている。尚、図1の実施例では、湾曲状の化粧部21aを有する天井材2aと、フラット状の化粧部21bを有する天井材2bの2種を交互に組み合わせて用いたが、1種のみを用いるようにしても良い。
さらに、化粧部21aのように湾曲状の化粧面を形成する(波状の化粧面を形成する場合も同様)方向は、図1の実施例のように構造材1の長さ方向に沿って形成しても良いが、これに限定するものではなく、例えば後述する図4の実施例のように長さ方向と交わる方向に形成しても良い。
【0014】
取付部22は、隣接する構造材1,1の下フランジ12,12間に、上方から取り付けられるものであればどのような構成でも良い。例えば図1の実施例のように化粧部21の側縁を折り上げて水平状に延在させ、さらに先端を上方へ折り上げた形状とし、下フランジ12に載置する構成でも良いし、上方からの弾性嵌合、ビスやクリップ等による固定、接着固定、或いは構造材に爪等の係止片を設けて係止する等の多種の態様から意匠性、強度等を考慮して適宜選択すれば良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。また、図1の実施例では2種の天井材2a,2bの取付部22a,22bは全く同一であり、且つそれぞれ左右同一としたが、左右の取付構造(取付部)が異なっていても良い。例えば図1の実施例の場合では一方を載置のみとし、他方を載置し、且つ上方からのビス止め又は接着にて固定しても良い。
【0015】
また、壁材は、断熱、吸音、遮音、防耐火、マイナスイオン発生等の1つ以上の特性を有する板状成形体と定義する。したがって、グラスウール、木毛セメント板、発泡樹脂等からなるマット状又はボード状等の断熱材、吸音材、防火材、或いは各種素材を用いることができ、単一材質からなるものでも、異材質の積層体であっても良く、さらには硬質でも軟質であっても良く、その厚みについても適宜設定すればよい。
【0016】
図1の実施例に用いた壁材2cは、室内側へマイナスイオンを放出するマイナスイオン発生機能並びに遠赤外線を放射する遠赤外線放射機能を建材に付与した構成である。この壁材2cから発生するマイナスイオン及び遠赤外線は、天井材2a,2bに形成された複数の孔部211から室内側へ放出、放射される。
具体的にはアクリル酸の共重合エマルジョンを主成分とする水性塗料(元旦フューテック株式会社製フュアコートFX)に、導電材として粉末状炭素繊維(東レ株式会社製トスカ)を、水性塗料100重量部に対して10重量部添加すると共に、ガーネット5wt%とジルコニウム、バリウム、ランタン、セリウム、ネオジウム等の鉱物焼成による酸化物からなる励起材95wt%からなる混合微粉末(平均粒径5μm)を10重量部添加して充分に撹拌混合して作製した液状組成物を、元旦ビューティ工業株式会社社製元旦ボード40mm(木毛セメント板)にコーティングし、充分に乾燥させたものを用いた。
図示実施例では、このマイナスイオン発生建材である壁材2cを構造材1,1の下フランジ12,12間に架設状に載置させた。この下フランジ12には前述のように天井材2a,2bの取付部22a,22bを載置しているので、壁材2cをその上に架設(載置)すると、天井材2a,2bの取付部22a,22bは上下から挟着状に支持される。
【0017】
支持材は、前記壁材2c等を支持するものであって、特に図示しないが、下フランジ12に載置(取付)されるばかりでなく起立部11(の開口部)にも支持されるものでも良い。具体的に支持材は、複数のワイヤー、Tジョイナー、鋼棒材、フラットバー等を適宜間隔で配置するものであっても、金網、パンチングメタル、メッシュ(落下防止用ネット)等であっても良く、これらを組み合わせて用いても良い。特にTジョイナー、鋼棒材、フラットバー等は、壁材を支持するばかりでなく構造材1の強度を補う作用も果たすので、これらを用いること、或いはこれらと他の構成の支持材とを組み合わせて補強材として用いることが望ましい。
例えば図示実施例では、壁材2cの下面(室内側)又は上面(屋根側)、或いはその両方に、支持材として、複数のワイヤー、Tジョイナー、鋼棒材、フラットバー等を適宜間隔で配置したり、金網、パンチングメタル、メッシュ(落下防止用ネット)等を配設したり、これらを組み合わせて用いることにより、壁材2c及びその上面に配する断熱材7の撓み、変形、落下等を防止するようにしても良い。
【0018】
また、前記構造材1の上フランジ13には、屋根材3を直接若しくは吊子、タイトフレーム、垂木等の支持部材を介して屋根構造を構築するが、この屋根構造としては、縦葺き、横葺き、折板等の屋根構造でも良いし、太陽電池パネル、緑化構造であっても良く、その構成は特に限定するものではない。
【0019】
図1の実施例では構造材1の上フランジ13には断熱金具41が固定され、受材42を介して縦葺き折板である屋根材3を取り付け、屋根材3,3間にカバー材5を取り付けて屋根構造を形成した。
【0020】
図1の実施例に用いた屋根材3は、1つの谷部(平面部31)と、左右側縁に取付手段を有する成形部32とを備える縦葺き折板であって、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の表面化粧鋼板、ステンレス鋼板、ラミネート鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼及び非鉄金属、アルミ合金板、鉛板、亜鉛板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形やプレス成形、その他の手段で所定の形状に成形する。特に、面としての正負圧強度等を確保するために約0.8〜1.6mm程度の比較的厚い板厚が好ましい。
【0021】
図1の実施例に用いた断熱金具41は、受け金具42を上フランジ13に一体に固定するものであり、受け金具42、即ち屋根面を構成する屋根材3及びカバー材5からの熱を上フランジ13、即ち天井材2及び室内側へ伝達(伝熱)しないものを用いた。
【0022】
図1の実施例に用いた受け金具42は、屋根材3を保持するものであって、後述する屋根材3の寸法、所要強度等により通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成形され、それぞれ前後に左右対称形状に形成された受け部分が起立する断面U字状に成形されたピース材であり、底面部分で断熱金具41と接合されている。受け部分の左右側縁には、屋根材3の取付手段と弾性係合(嵌合)する被取付手段が設けられている。
【0023】
図1の実施例に用いたカバー材5は、前記屋根材3と同様の素材からなり、左右側縁に屋根材3に弾性嵌合するための取付手段が設けられている。
【0024】
さらに、屋根材3の裏面側、即ち壁材2cの上側(屋根側)に、構造材1の上半を覆うように断熱材7を配設した。
図1の実施例に用いた断熱材7は、非透水性材からなり、1つの山部71と、左右側縁に平坦部72を備える構成であって、非透水性の単一部材からなるものが望ましいが、表層が非透水性材であれば裏面側(室内側)に他の材料を積層してなる構成でも良い。非透水性の単一部材からなる断熱材7としては、主に比較的硬質の発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の発泡(独立発泡)樹脂からなる公知の非透水性材料が使用でき、積層材料としては、例えば表面側には非透水性の発泡樹脂材を、その裏面側(室内側)には吸水(保水)可能な発泡(連続発泡)樹脂材を積層した構成でも良い。
そして、断熱材7の山部71上に、隣接する屋根材3,3の側縁を、屋根材3の谷部(平面部31)裏面(下面)に、隣接する断熱材7,7の側縁(接続部分)をそれぞれ位置させて敷設した。そのため、屋根材3の側縁と断熱材7の側縁が鉛直方向のずれた位置に配置することになり、屋根材3の側縁から仮に雨水が浸入したとしても浸入水は断熱材7の側縁に至ることがなく、断熱材7の裏側(下側)へ回り込むことがない。また、屋根材を2重に構築して内側と外側の屋根材間に断熱材を介在させる構造ではないので、経済的にも優れている。
さらに、図示実施例の断熱材7の表面側には、排水溝73を形成し、側縁から裏面(下面)への水の回り込みを防ぐようにした。また、隣接する断熱材7,7が重合可能な重合部721及び被重合部722を設け、さらにこれらを重合させた重合部分内に排水用の空間部723が形成されるようにしたので、これら排水溝73及び空間部723にて極めて高い雨仕舞い性能を発揮するものとなり、断熱材7の裏面側(下面側=室内側)に雨水が至ることがない。
【0025】
このような各部材から構成される図1の天井構造(天井・屋根構造)は、適宜間隔で構造材1を配設した後、隣り合う構造材1,1の下フランジ12,12間に上方から天井材2a,2b及び壁材2cを取り付け、続いて構造材1の上フランジ13に断熱金具41を固定し、断熱材7を配し、断熱金具41に受け材42を取り付け、さらに屋根材3を敷設し、カバー材5を取り付けて施工される。そして、天井の構築を上方から、即ち構造材の上から実施できるので、室内側に足場等を構築する必要が無く、屋根工事と併せて天井の敷設工事を実施できるので、費用を削減でき、全体の工期短縮を図ることもできる。
【0026】
また、構造材1が屋根及び天井の兼用部材として用いられ、屋根構造の裏面側(室内側)に別途天井を構築するための部材を必要としないため、従来に比べて部材数が少なく、部材コスト、部材管理が容易である。
さらに、天井材2の化粧部21には多数の孔部211が形成されているので、優れた吸音性能を備え、その裏面(室内側)にマイナスイオン発生建材や遠赤外線放射材料などを配設した場合に、その放出や放射を妨げることなく室内側へ供給することができる。
【0027】
特に前記図1の実施例では、左右対称状の天井材2a,2bを用いたので、配設方法の制限を受けないものである。
また、化粧面の裏面側(屋外側)に通気性を有するシート材23を貼着したので、天井材2の屋外側に配される機能性材6が室内側から孔部211を通して見えなくなり(目隠し)、さらに機能性材6から発生する木毛等のかすやゴミが孔部211を通って室内側に落下しない。
【0028】
図2に示す実施例では、湾曲状の化粧部21aを有する天井材2aに代えて断面が角谷状の化粧部21dを有する天井材2dを用いた以外は前記図1の実施例とほぼ同様であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0029】
図3〜図5に示す各実施例は天井意匠のバリエーションを示すものであり、図3では天井材としては湾曲状の化粧部21eを有する天井材2eの1種のみを用い、図4では天井材としては断面が角谷状の化粧部21fを有する天井材2fの1種のみを用い、図5では天井材としては断面が角山状の化粧部21gを有する天井材2gと断面が角谷状の化粧部21hを有する天井材2hの2種を交互に組み合わせて用いた。尚、化粧部21g,21hに形成されるテーパ面は恰も連続しているかのように成形、接続されている。したがって、図3では湾曲面が連接された意匠を有する化粧面が形成され、図4では間隔の短い折れ波(ジグザグ)状の意匠を有する化粧面が形成され、図5では間隔の広い折れ波(ジグザグ)状の意匠を有する化粧面が形成されるものとなる。このように化粧面の意匠は、1種の天井材より形成されるものでも、異形状の2種(或いは3種以上)を組み合わせて創出されるものでも良く、簡単な構成で様々な天井の意匠を得ることができる。
また、これらの天井材2e〜2hの取付部22e〜22hは何れも構造材1の下フランジ12の下面に沿い、その先端を折り返して下フランジ12の上面に沿わせた(載置した)ものであり、室内側から構造材1が完全に見えないので、天井の意匠性はより向上する。
上記以外は前記図1の実施例とほぼ同様であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
図6に示す実施例では、天井材としては角波状の化粧部21iを有する天井材2iの1種のみを用いたものであるが、角波状の化粧面を形成する方向は、構造材1の長さ方向(図面では左右方向)と直交する方向(図面では前後方向)に架設した。即ちこの実施例では構造材1は屋根の傾斜と直交する横方向に敷設されているので、角波状の化粧面を形成する方向は屋根の傾斜に沿う方向となっている。このように構造材1の長さ方向と交わる方向に角波状の化粧面(湾曲状の化粧面を形成する場合も同様)を形成した場合、強度の向上を図ることができ、その直上に壁材2cを載置してもこれを受支することができる。
また、この実施例では構造材1の上フランジ13には、木毛セメント板等の下地材7’を介して流水部材43及び吊子44が、固定具45にて固定され、この吊子45に対して縦葺き外装材である屋根材3’が取り付けられ、その裏側(下側)には断熱材(バックアップ材)7”が配され、さらに隣接する屋根材3’,3’間を覆うカバー材5’が取り付けられている。
【0031】
図7に示す実施例は天井材2の取付方法のバリエーションを示すものであり、図7ではフラット状の化粧部21jの左右の側端に非対称(異形状)の取付部22ja,22jbを形成した天井材2jを用いたものであり、一方の取付部22jaは、構造材1の下フランジ12を室内側から視覚的に隠す覆い部が形成され、それを折り返した水平片を下フランジ12上に載置するものであり、他方の取付部22jbは、フラット状の化粧部21jの側端を上方へ折り上げ、それを外方へ延材させた水平片を下フランジ12上に載置して上方からビス止めした。
【0032】
以上本発明を図面の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の建築物における天井の構築方法は、天井の構築を上方から、即ち構造材の上から実施できるので、室内側に足場等を構築する必要が無く、屋根工事と併せて天井の敷設工事を実施できるので、費用を削減でき、全体の工期短縮を図ることもできる。
【0034】
また、構造材が屋根及び天井の兼用部材として用いられ、従来のように屋根構造の裏面側(室内側)に別途天井を構築するための部材を必要としないため、従来に比べて部材数が少なく、部材コスト、部材管理が容易である。
【0035】
また、天井構築材として、少なくとも複数の孔部を有する化粧部、該化粧部の側端に形成される取付部を備える天井材を隣接する構造材の下フランジ間に配設した後、さらにマイナスイオン発生、断熱、吸音、遮音、防耐火等の特性を有する機能性壁材を架設した場合、機能性壁材が備える各種特性が孔部を通って室内側へ作用されると共に、下フランジに天井材の取付部を載置した態様において該取付部を機能性壁材の端縁が抑えて取付安定性が向上する作用も果たされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構築された天井(天井・屋根構造)の一実施例の一部を拡大して示す斜視図である。
【図2】本発明により構築された天井(天井・屋根構造)の他の一実施例の一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明により構築された天井(天井・屋根構造)の他の一実施例の一部を拡大して示す正面図である。
【図4】本発明により構築された天井(天井・屋根構造)の他の一実施例の一部を拡大して示す正面図である。
【図5】本発明により構築された天井(天井・屋根構造)の他の一実施例を示す正面図である。
【図6】本発明により構築された天井(天井・屋根構造)の他の一実施例を示す正面図である。
【図7】本発明により構築された天井(天井・屋根構造)の他の一実施例の一部を拡大して示す正面図である。
【符号の説明】
1 構造材
11 起立部
12 下フランジ
2 天井構築材
2a,2b,2d,2e,2f,2g,2h,2i,2j 天井材
2c 壁材
3 屋根材
5 カバー材
Claims (3)
- 起立部と、該起立部の下端に形成される下フランジとを備える構造材を適宜間隔で配設し、隣接する構造材の下フランジ間に天井構築材を上方から配置することにより天井を構築することを特徴とする建築物における天井の構築方法。
- 天井構築材として、少なくとも複数の孔部を有する化粧部、該化粧部の側端に形成される取付部を備える天井材を隣接する構造材の下フランジ間に配設した後、さらにマイナスイオン発生、断熱、吸音、遮音、防耐火等の特性を有する機能性壁材を架設することを特徴とする請求項1に記載の建築物における天井の構築方法。
- 起立部と、該起立部の下端に形成される下フランジとを備える構造材を適宜間隔で配設し、隣接する構造材の下フランジ間に天井構築材を上方から配置することにより天井を構築すると共に、構造材の起立部若しくはその上端に形成される上フランジに屋根材を直接若しくは支持部材を介して屋根構造を構築することを特徴とする天井・屋根構造の施工方法。
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