JP2016056538A - 天井用ランナー及び軽量鉄骨天井構造 - Google Patents

天井用ランナー及び軽量鉄骨天井構造 Download PDF

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Abstract

【課題】天井用ランナーの機能を確保しつつ施工性を向上させるとともに、重量を低減してコストパフォーマンスの高い天井用ランナー及びそれを用いた軽量鉄骨天井構造を提供する。
【解決手段】軽量鉄骨の天井に用いられ、横方向を長手方向として内壁に取り付けられる天井用ランナーであって、鉛直断面において、横方向に延伸する下辺部R11と、この下辺部R11から上方へ延伸する側辺部R12と、この側辺部R12の上端から連続し、横方向へ突出する屈曲加工部R13と、を備える。また、屈曲加工部R13は、野縁N1の長手方向端部が当接する部分が長手方向に沿って曲面加工されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量鉄骨の天井に用いられ、横方向を長手方向として内壁に取り付けられる天井用ランナー及びそれを用いた軽量鉄骨天井構造に関し、より詳細には、上辺部を無くすとともに側辺部上端の形状を工夫することにより剛性を高め、野縁の長手方向の端部を係止して天井材をビス止めする際の反力を得ることのできる天井用ランナー及びそれを用いた軽量鉄骨天井構造に関する。
従来、住宅やオフィスビルなどの天井構造としては、軽量鉄骨(LGS:Light gauge steel)などからなる下地材に石膏ボードを貼り付け、ビス止めする軽量鉄骨の天井構造が知られている。
この種の軽量鉄骨天井構造は、一般には、図10に示すように、上階の床スラブや屋根などの支持材から吊り下がる吊りボルトに、野縁受けであるC形チャンネルがハンガーにより取り付けられ、このC形チャンネルに、野縁であるシングルバーやダブルバーがクリップ(図示せず)で掛け止められ、これらの野縁に、石膏ボードなどの天井ボード(図示せず)がビス止めされた構造となっている。
しかしながら、天井スパンが比較的短い場合や壁際の天井ボードの固定を強化したい場合などは、一般に壁用の軽量鉄骨下地として用いられるランナーが内壁の側面に止め付けられ、内壁に止め付けられたランナー間に、角スタッドやダブルバーなどの野縁が嵌め込まれ、これらの野縁に天井ボードがビス止めされた、いわゆるブリッジ工法やT字工法による軽量鉄骨天井構造も知られている。
例えば、特許文献1には、野縁2の両端部が、内壁に取り付けたランナー7で支持されるとともに、野縁2の中間部が、C形チャンネル(野縁受け3)やハンガーを介して、上階の床スラブなどから垂下する吊りボルト(吊り金具5)に支持された、いわゆるT字工法による軽量鉄骨天井構造及び一般的な従来のランナー7が開示されている(特許文献1の図面の図1等参照)。
しかし、特許文献1に記載の従来のランナー7は、元来、スタッドを嵌め込む汎用品の壁用ランナーを天井構造に転用したものであり、スタッド等を嵌め込んだ際に左右にガタ付かないように断面コの字状の開口端が基端側より狭まっている。このため、軽量鉄骨天井を組み立てる際に、野縁や野縁受けを差し込むのが困難で、作業性が悪いという問題があった。
また、特許文献2には、空調ダクトや電気配線ラックなどが障害となって内壁際に吊りボルト(ボルト50)が設置できない場合、壁際のC形チャンネル(野縁受け40)端部を固定するとともに、壁際に設置される野縁を兼用するランナ野縁10及びそのランナ野縁10を用いた軽量鉄骨天井構造が開示されている(特許文献2の図面の図1等参照)。
しかし、特許文献2に記載のランナ野縁10は、形状が複雑で加工費等で単価が高くなるとともに、ランナ野縁10を壁にビス止めしたうえ、ビス止めしたランナ野縁10に野縁受け40を差し込んで、その野縁受け40を吊りボルト50ごとに高さ調整してハンガー(受け金具51)で固定しなければならず、作業性が良くないという問題があった。
また、前述のような従来のランナーに対する単価削減要請も強く、鋼材使用量(鋼材重量)を低減してコストパフォーマンスの高いランナーの開発も切望されていた。
特開2002−276068号公報 特開2012−136833号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、天井用ランナーの機能を確保しつつ施工性を向上させるとともに、重量を低減してコストパフォーマンスの高い天井用ランナー及びそれを用いた軽量鉄骨天井構造を提供することにある。
第1発明に係る天井用ランナーは、軽量鉄骨の天井に用いられ、横方向を長手方向として内壁に取り付けられる天井用ランナーであって、鉛直断面において、横方向に延伸する下辺部と、この下辺部から上方へ延伸する側辺部と、この側辺部の上端から連続し、横方向に突出する屈曲加工部と、を備えることを特徴とする。
第2発明に係る天井用ランナーは、第1発明に係る天井用ランナーにおいて、前記屈曲加工部は、野縁の長手方向端部が当接する部分が長手方向に沿って曲面加工されていることを特徴とする。
第3発明に係る天井用ランナーは、第1発明又は第2発明に係る天井用ランナーにおいて、前記屈曲加工部は、前記側辺部の上端に長手方向に沿って連続する円筒状に曲面加工されていることを特徴とする。
第4発明に係る天井用ランナーは、第1発明乃至第3発明のいずれかの発明に係る天井用ランナーにおいて、前記下辺部及び/又は前記側辺部は、剛性を高めるため、エンボス加工されていることを特徴とする。
第5発明に係る軽量鉄骨天井構造は、請求項1乃至4のいずれかに記載の天井用ランナーが用いられていることを特徴とする。
第1発明〜第5発明によれば、天井用ランナーの上辺部を廃し、側辺部の上端から連続し、横方向に突出する屈曲加工部を設けたので、ビス止め等、従来機能上固定することのない上辺部を無くして全体重量を低減することができるとともに、屈曲加工部によりランナー全体の剛性低下を防いで、野縁に天井ボードをビス止めする際の適切な反力を得ることができる。このため、第1発明〜第5発明によれば、軽量鉄骨からなる天井の組立作業の作業効率を向上させることができるとともに、従来の上辺部を廃することで重量低減による部材コストの低廉化を実現することができコストパフォーマンスが向上する。
特に、第2発明、第3発明によれば、屈曲加工部の野縁の長手方向端部が当接する部分が長手方向に沿って連続的に曲面状又は円筒状に加工されているので、野縁を当該天井用ランナーに差し込むのが容易であり、軽量鉄骨天井の組立作業の作業性が向上する。また、第2発明、第3発明によれば、屈曲加工部を曲面、又は円筒状に加工することにより天井用ランナーの剛性を確保することができるとともに、重量低減によるコスト削減を図ることができる。
特に、第4発明によれば、同重量のまま、さらにランナー全体の剛性を高めることができ、長尺なランナーを壁に止め付ける際の作業性が向上する。
特に、第5発明によれば、前記作用効果を軽量鉄骨天井構造において発揮することができ、軽量鉄骨天井構造全体の組立作業性及びコストパフォーマンスが向上する。
本発明の第1実施形態に係る天井用ランナーを長手方向の中間を省略した状態で示す斜視図である。 同上の天井用ランナーを長手方向と直交する鉛直断面で切断した状態で示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る軽量鉄骨構造を中間省略して内壁付近の構造を主に示す鉛直断面図である。 本発明の第2実施形態に係る天井用ランナーを長手方向の中間を省略した状態で示す斜視図である。 同上の天井用ランナーを長手方向と直交する鉛直断面で切断した状態で示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る天井用ランナーを長手方向の中間を省略した状態で示す斜視図である。 同上の天井用ランナーを長手方向と直交する鉛直断面で切断した状態で示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る天井用ランナーを長手方向の中間を省略した状態で示す斜視図である。 同上の天井用ランナーを長手方向と直交する鉛直断面で切断した状態で示す断面図である。 従来の軽量鉄骨天井構造を示す見上げ斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
<天井用ランナー>
先ず、図1、図2を用いて、本発明の一実施形態である第1実施形態に係る天井用ランナーについて、天井用ランナーを用いていわゆるブリッジ工法により軽量鉄骨天井を組み立てる場合で説明する。図1、図2に示すように、第1実施形態に係る天井用ランナーであるランナーR1は、薄鋼板から所定形状に加工された長尺材であり、内壁の壁面(側面)に沿って長手方向を水平にしてビスや釘等で固定され、一点鎖線で示す後述の野縁N1の一端をスライド可能に内包し、その野縁N1の一端を上下方向に拘束して壁に固定する機能を有した部材である。なお、図中のX方向が、ランナーR1の長手方向(軸方向)、Y方向が、ランナーR1の奥行方向、Z方向が、上下方向を示している(全図とも共通)。
本実施形態に係るランナーR1の材質は、耐食性を考量して亜鉛溶融めっき鋼板からなるが、めっきされていない通常の鋼板から構成されていても構わない。勿論、ランナーR1を構成する薄鋼板自体が、耐候性鋼やステンレス鋼であっても良い。
このランナーR1の形状は、鉛直断面において、横方向に延伸する平板状の下辺部R11と、この下辺部R11の長手方向に沿って連続し、そこから上方へ延伸する平板状の側辺部R12と、この側辺部R12の上端と長手方向に沿って連続し、そこから下辺部R11と所定間隔を置いて横方向へ突出する屈曲加工部R13と、を備えており、この屈曲加工部R13が、長手方向に沿って連続的に円筒状にロール加工により曲面加工されていることを特徴としている。
この屈曲加工部R13の円筒状の形状は、側辺部R12の上端部分の曲げ剛性を補って、ランナー全体の剛性を高めるとともに、ランナーR1に差し込まれる野縁N1の長手方向の端部を係止する機能を有している。また、下辺部R11と、屈曲加工部R13との離間距離は、野縁N1の長手方向の端部の高さに所定の遊び間隔を加えた距離となっている。
このように構成されたランナーR1によれば、従来の上辺部を廃して側辺部R12の上端と連続する屈曲加工部R13が円筒状となっているので、剛性を確保したまま、狭くて野縁を差し入れるのが困難であった断面コの字状の開口端を形成する屈曲加工部R13を従来の上辺部と比べて極力短くして、ランナー全体の重量を低減することができるとともに、解放されているため野縁を差し入れるのが容易となり、野縁をランナーに取り付ける際の作業性が向上する。
また、ランナーR1によれば、屈曲加工部R13の円筒状の外周面が、野縁N1の長手方向の端部の高さに所定の遊び間隔を加えた距離を置いて下辺部R11と離間しているので、屈曲加工部R13の円筒状の曲面形状により、野縁N1の長手方向の端部を案内して野縁N1を差し入れるのが容易であるとともに、後述の天井材B1を野縁N1にビス止めする際に、野縁N1の端部の上面を屈曲加工部R13の円筒外周面で掛け止めて、ビスを上方へ打ち込む際の反力を得ることができる。このため、さらに野縁をランナーに取り付ける際の作業性が向上する。
<軽量鉄骨天井構造>
次に、図3を用いて、本発明の一実施形態である第1実施形態に係る軽量鉄骨天井構造について説明する。軽量鉄骨天井構造T1は、水平方向を長手方向として内壁に取り付けられる前述の第1実施形態に係る複数のランナーR1と、これらのランナーR1間に架け渡される複数の野縁N1と、これらの野縁N1にビス等で取り付けられる複数の天井材B1などから構成されている。
(野縁)
この野縁N1は、亜鉛溶融めっき鋼板から断面長方形状に折曲加工された長尺材である、いわゆる角スタッドであり、長手方向の弱軸の曲げ剛性を向上させるために、鉛直断面の上下の長辺部にコルゲート加工が施されている(図1参照)。
勿論、野縁N1は、めっきされていない通常の鋼板から構成されていても良いし、野縁N1が、耐候性鋼やステンレス鋼から構成されていても構わない。また、野縁は、図10に示したシングルバーやダブルバーであっても構わないし、角パイプのような部材であっても構わない。要するに、野縁は、後述の天井材を貼り付けることができる一定の幅と、一定のスパン天井材や自重を支えられる、所定の曲げ剛性を有した長尺材で、断面形状が、前述のランナーR1に嵌め込むことができるものであれば良い。
(天井材)
天井材B1は、火災時の難燃性(不燃性)を考慮して石膏ボードを基体とするボード材(板材)であり、下地材B11と化粧材B12の2層構造からなる。勿論、天井材B1は、1層構造でも良く、素材等や外観等も、設計に応じた面材が適宜選択されれば良い。
以上説明した軽量鉄骨天井構造T1によれば、ランナーR1の屈曲加工部R13が、下辺部R11と所定の間隔をおいて、円筒状に曲面加工されているので、従来の上辺部が無くなって狭かった天井用ランナーの上辺部と下辺部との間が解放されており、ランナーに野縁を差し入れる際に回し入れるようなことしなくてもよくなる。その上、屈曲加工部R13円筒状の曲面で野縁N1の長手方向の端部を案内して、野縁N1をランナーR1に差し込む作業が容易である。また、屈曲加工部R13により、天井材B1を野縁N1にビス止めする際に、野縁N1の端部の上面を屈曲加工部R13の円筒外周面で掛け止めて、ビスを上方へ打ち込む際の反力を得ることができる。このため、軽量鉄骨天井を組み立てる際の作業性が向上する。
その上、軽量鉄骨天井構造T1によれば、曲げ剛性を確保しつつランナーR1の上辺部を廃して部材の軽量化することができ、ひいては、ランナーR1部材単価を低減することができる。要するに、軽量鉄骨天井構造T1によれば、軽量鉄骨天井の組立作業の作業効率が向上するとともに、製品単価を低減することができるため、軽量鉄骨天井の施工費用(設置費用)を低減することができる。
[第2実施形態]
次に、図4、図5を用いて、本発明の一実施形態である第2実施形態に係る天井用ランナーであるランナーR2について説明する。第2実施形態に係るランナーR2が、第1実施形態に係るランナーR1と相違する点は、屈曲加工部の形状だけであるので、同一構成は、同一符号を付し、説明を省略する。また、ランナーR2を用いた第2実施形態に係る軽量鉄骨天井構造についても、ランナーR2を除く構成は、前述の軽量鉄骨天井構造T1ほとんど同じであるため説明を省略する。
本実施形態に係るランナーR2は、図4、図5に示すように、前述の下辺部R11と同形の下辺部R21と、前述の側辺部R12と同形の側辺部R22と、この側辺部R22の上端と長手方向に沿って連続し、そこから下辺部R21と所定間隔を置いて横方向へ突出する屈曲加工部R23と、を備えており、この屈曲加工部R23の野縁N1の長手方向端部と当接する部分が、長手方向に沿って連続的に半円筒状にロール加工により曲面加工されていることを特徴としている。
この屈曲加工部R13の半円筒状の形状は、正確には、側辺部R22の上端から鉛直断面において水平に伸びた後、半円筒状に半回転し、その後内壁に向けて水平に伸びた横U字状となっており、屈曲加工部R13と同様に、側辺部R22の上端部分の曲げ剛性を補って、ランナー全体の剛性を高めるとともに、ランナーR2に差し込まれる野縁N1の長手方向の端部を係止する機能を有している。また、下辺部R21と、屈曲加工部R23との離間距離は、野縁N1の長手方向の端部の高さに所定の遊び間隔を加えた距離となっている。
このように構成されたランナーR2によれば、屈曲加工部R23の野縁N1の長手方向端部と当接する部分が半円筒状となっているので、剛性を確保したまま、狭くて野縁を差し入れるのが困難であった断面コの字状の開口端を形成する上辺部を無くして、ランナー全体の重量を低減することができるとともに、解放されているため野縁を差し入れるのが容易となり、野縁をランナーに取り付ける際の作業性が向上する。
また、ランナーR2によれば、屈曲加工部R23の半円筒状の外周面が、野縁N1の長手方向の端部の高さに所定の遊び間隔を加えた距離を置いて下辺部R21と離間しているので、屈曲加工部R23の半円筒状の曲面形状により、野縁N1の長手方向端部を案内して差し入れるのが容易であるとともに、天井材B1を野縁N1にビス止めする際に、野縁の該端部の上面を屈曲加工部R23の円筒外周面で掛け止めて、ビスを上方へ打ち込む際の反力を得ることができる。このため、さらに野縁をランナーに取り付ける際の作業性が向上する。
[第3実施形態]
次に、図6、図7を用いて、本発明の一実施形態である第3実施形態に係る天井用ランナーであるランナーR3について説明する。第3実施形態に係るランナーR3が、第1実施形態に係るランナーR1と相違する点は、下辺部の形状だけであるので、同一構成は、同一符号を付し、説明を省略する。また、ランナーR3を用いた第3実施形態に係る軽量鉄骨天井構造についても、ランナーR3を除く構成は、前述のほとんど同じであるため説明を省略する。
本実施形態に係るランナーR3は、図6、図7に示すように、前述の下辺部R11と同材からエンボス加工が施された水平方向に延びる略平板状の下辺部R31と、前述の側辺部R12と同形の側辺部R22と、前述の屈曲加工部13と同様の屈曲加工部33と、を備えており、この下辺部R31に、長手方向に沿った3本の長方形状のエンボス加工部31aが形成されているとともに、下辺部R31の長手方向に沿った端部に、折り曲げられた折曲部31bが形成されていることを特徴としている。
このエンボス加工部31aは、プレス加工により形成され、下辺部R31の平板状の着材から設置状態で上方に突出する長方形状の凸部であり、下辺部R31の曲げ剛性を高める機能を有している。また、下辺部R31と屈曲加工部R33との離間距離、即ち、エンボス加工部31aから屈曲加工部33までの離間距離が、野縁N1の長手方向の端部の高さに所定の遊び間隔を加えた距離となっている。
また、折曲部31bは、長手方向に沿った解放端を二つ折に折り曲げることにより、側辺部R32を背に下辺部R31の解放端が外側となるような曲げ応力に対して、断面2次モーメントを大きくして、効果的に曲げ剛性を高める機能を有しており、結果的に、ランナーR3の曲げ剛性を向上させることができる。
このように構成されたランナーR3によれば、プレス加工によりエンボス加工部31aが形成されているため、前述のR1の奏する作用効果に加え、重量を増加することなく、ランナーR3の曲げ剛性、特に、下辺部R31の曲げ剛性を高くすることができる。このため、ランナーR3を内壁に取り付けた際の下辺部R31の水平度が高く、野縁の端部を挿入し易く、さらに野縁をランナーに取り付ける際の作業性が向上する。そのうえ、ランナーR3によれば、下辺部R31の曲げ剛性が高いため、天井材をランナーR3の下辺部R31にビス止めする際にも作業性が向上する。
[第4実施形態]
次に、図8、図9を用いて、本発明の一実施形態である第4実施形態に係る天井用ランナーであるランナーR4について説明する。第4実施形態に係るランナーR4が、第1実施形態に係るランナーR1と相違する点は、寸法及び形状だけで材質等は同じ構成であるので、同一構成は、同一符号を付し、説明を省略する。また、ランナーR4を用いた第4実施形態に係る軽量鉄骨天井構造についても、ランナーR4を除く構成は、前述のほとんど同じであるため詳しい説明を省略するが、屈曲加工部と下辺部との離間距離が小さくなっている分、野縁の高さ寸法だけが、前述の野縁N1より低く(小さく)なった野縁N2となっている。
本実施形態に係るランナーR4は、図8、図9に示すように、鉛直断面において、横方向に延伸する平板状の下辺部R41と、この下辺部R41の長手方向に沿って連続し、そこから上方へ延伸する平板状の側辺部R42と、この側辺部R42の上端と長手方向に沿って連続し、そこから下辺部R41と所定間隔を置いて横方向へ突出する屈曲加工部R43と、を備えており、この屈曲加工部R43が、長手方向に沿って連続的に円筒状にロール加工により曲面加工されている。
また、下辺部R41、側辺部R42は、前述の下辺部R11、側辺部R12より、それぞれ、鉛直断面において短くなっているが、屈曲加工部R43の円筒状の曲面の曲率半径は、前述の屈曲加工部R13より大きくなっている。
この下辺部R41には、基材から上方に突出する長方形状の複数のエンボス加工部41aがプレス加工により形成されているとともに、下辺部R41の長手方向に沿った端部に、折り曲げられた折曲部41bが形成されている。
その上、本実施形態に係る側辺部R42には、基材から奥行方向(Y方向)に突出するエンボス加工部42aがプレス加工により形成されている。このエンボス加工部42aにより突出した分だけ、少なくとも、本実施形態に係る屈曲加工部R43の円筒状の曲面の曲率は半径が大きくなり、野縁N2の端部の引っ掛かり代を取っている。但し、この屈曲加工部R43の円筒状の半径を大きくし過ぎると、ランナーの上辺部の重量削減効果が減少するため好ましくない。
このように構成されたランナーR4によれば、プレス加工によりエンボス加工部41a、エンボス加工部42aが形成されているため、重量を増加することなく、下辺部41、側辺部42の曲げ剛性を向上させることができる。つまり、前述のランナーR3よりさらに曲げ剛性を向上させることができる。このため、ランナーR4を内壁に取り付ける際の下辺部R41及び側辺部42の水平度が高く、野縁の端部を挿入し易くだけでなく、ランナーR4を内壁に取り付ける作業の作業性が向上する。そのうえ、ランナーR4によれば、下辺部R41の曲げ剛性が高いため、天井材をランナーR4の下辺部R41にビス止めする際にも作業性が向上する。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、上辺部に形成された曲面の曲率や側辺部、下辺部の奥行や水平幅などは、前述又は図示した形態に限られず、嵌め込む野縁の寸法や吊りボルトからの支持の有無等に応じて適宜設定すれば良いことは云うまでもない。また、屈曲加工部の曲面の曲率も一定ではなく、変化しても構わない。
なお、ランナーに嵌め込む部材を野縁と呼称したが、野縁を、床材を貼り付ける根太になぞらえて天井根太と称することもある。しかし、云うまでもなく、実質同じものを指している。また、いわゆるブリッジ工法による軽量鉄骨構造を例示して説明したが、背景技術で述べたT字工法による軽量鉄骨天井構造であっても構わない。その場合でも、前記実施形態で述べた作用効果を奏することは明らかである。
R1、R2、R3、R4 :ランナー(天井用ランナー)
R11、R21、R31、R41 :下辺部
R31a、R41a :エンボス加工部
R31b、R41b :折曲部
R12、R22、R32、R42 :側辺部
R42a :エンボス加工部
R13、R23、R33、R43 :屈曲加工部
N1、N2 :野縁
B1 :天井材
B11 :下地材
B12 :化粧材

Claims (5)

  1. 軽量鉄骨の天井に用いられ、横方向を長手方向として内壁に取り付けられる天井用ランナーであって、
    鉛直断面において、横方向に延伸する下辺部と、この下辺部から上方へ延伸する側辺部と、この側辺部の上端から連続し、横方向に突出する屈曲加工部と、を備えること
    を特徴とする天井用ランナー。
  2. 前記屈曲加工部は、野縁の長手方向端部が当接する部分が長手方向に沿って曲面加工されていること
    を特徴とする請求項1に記載の天井用ランナー。
  3. 前記屈曲加工部は、前記側辺部の上端に長手方向に沿って連続する円筒状に曲面加工されていること
    を特徴とする請求項2に記載の天井用ランナー。
  4. 前記下辺部及び/又は前記側辺部は、剛性を高めるため、エンボス加工されていること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の天井用ランナー。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の天井用ランナーが用いられていること
    を特徴とする軽量鉄骨天井構造。
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