JP2010185102A - 機械構造用鋼およびその製造方法ならびに機械構造用部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷間加工性を保持させつつ、切削処理性にも優れる機械構造用鋼およびその製造方法ならびに機械構造用部品を提供する。
【解決手段】C:0.005〜0.045質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Mn:0.4〜1質量%、P:0.05質量%以下、S:0.005〜0.05質量%、Al:0.01〜0.06質量%、N:0.009〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、N固溶量は0.0085質量%以上であり、フェライト相の組織分率が、90%以上であり、全組織中の酸化物系介在物1個あたりの平均面積が2.5μm以下、且つ、1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数が、0.25mm当たり70個以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、冷間加工により機械構造用部品に製造される機械構造用鋼およびその製造方法ならびに機械構造用部品に関する。
自動車等の機械構造用部品であるボルト・ナット、ピニオンギヤ、ステアリングシャフト、バルブリフター、コモンレール等は、近年、軽量化のために高強度化が要求されている。
一方、自動車用変速機や差動装置等の各種歯車伝達装置に利用されるクランクシャフト、コンロッド、トランスミッションギヤ等の機械構造用部品は、一般に、鋼材に熱間鍛造等の熱間加工を施した後、切削加工を施すことによって最終形状に仕上げられる。このような機械構造用部品においても、製造工程におけるCO2の排出量削減のため、熱間加工に代えて冷間加工による鍛造で製造することが要求されている。
冷間加工は、熱間加工と異なり高温下での工程ではないため、冷却による形状、寸法の変化が小さいためこれらの精度がよいという利点がある。一方、熱間加工に比べて変形抵抗が高く変形能が小さいため、加工時に鋼材や金型に割れが発生し易いという難点がある。冷間加工により製造される機械構造用部品には、加工性を低下させないことが必要である。
また、冷間加工技術の進歩に伴って、切削加工時の切削代は減少する傾向が見られる。その結果として、切削による切り込みが小さくなると、切り屑は伸び易くなって絡まり易くなり、それが原因となって切削製品の表面品質が劣化したり、更には自動切削運転の停止を余儀なくさせられたりする等といった切り屑処理性の問題が生じてくる。しかも、冷間加工により加工硬化した後では、切削加工時の剪断角が大きくなって切り屑は更に薄くなり、切り屑処理性の低下が一層顕著になってくる。そのため、焼入焼戻し等の熱処理を施さずに冷間加工してから切削加工を行なう場合には、切り屑処理性の改善が大きな課題となる。
そこで、一般的な切り屑処理性を改善する手段の一つとして、Sを多量に添加することにより、軟質介在物であるMnSの生成を促進させる方法がある。MnSを増加させることで、MnSが応力集中源としての働きが顕著となり、切り屑が分断し易くなる。例えば、特許文献1では、所定元素を所定量含有し、Mn、Cr、S、Oの含有量を所定の関係に規定した高硫黄快削鋼が提案されている。本発明では、Sの含有率を高めつつも、粗大な硫化物を抑制することで被削性を最大化させている。
また、特許文献2では、所定元素を所定量含有し、非金属介在物としてB系介在物を含まず、C系介在物が非金属介在物中に占める割合を1%以上70%未満とした冷間鍛造性及び被削性に優れた鋼材が開示されている。本発明では、切り屑処理性(工具の摩耗特性)に悪影響を及ぼすAlを単独で生成させないために、Caを添加させ、且つ良好な冷間鍛造性を得るために、CとSの範囲を限定している。
さらに、特許文献3では、所定元素を所定量含有し、且つ、Al/N:2.0〜15.0を満足し、快削元素を含まないことを特徴とする快削鋼が開示されている。本発明では、S含有量を低減させ、且つ、AlとNの含有量を所定の範囲に限定することで、鋼中にAlNを析出させ、切削中の潤滑効果を発揮させている。
特開2005−307243号公報 特開2002−322535号公報 特開2003−226932号公報
しかしながら、前記した技術に関しては、以下に示す問題がある。
特許文献1に記載の高硫黄快削鋼では、硫化物系介在物を球状化・微細分散させるため、Sを多量添加させ、且つ、Mn、S、Cr、O量が所定の範囲となるように決定されている。しかし、これらの元素は、介在物形成に使われない分は鋼中に固溶し、鋼材を固溶強化させるため、固溶強化によって冷間加工時の変形抵抗が増大し、冷間加工性が劣化する懸念がある。また、生成するMnSが鋼材の欠陥ともなってしまうため、鋼材の耐食性や、熱間あるいは冷間加工性が劣化するという問題がある。さらに、MnS等の硫化物は軟質であるがゆえに鍛伸方向(圧延方向)に伸張し易く、材料強度に異方性を生じさせる原因にもなる。
また、特許文献2に記載の鋼材では、良好な被削性、冷間鍛造性は確保できるものの、冷間鍛造後の部品強度は加工硬化に応じた強度となる。そのため、部品の軽量化、高強度化を図るには、熱処理を付与する必要があり、製造コストが増加すると共に、CO削減に貢献できないという問題がある。さらに、特許文献3に記載の快削鋼では、AlNによる工具保護効果は認められると予測されるが、切り屑処理性、冷間加工性の改善効果は、十分ではないという問題がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷間加工性を保持させつつ、切削処理性にも優れる機械構造用鋼、および、その製造方法、ならびに、その機械構造用鋼を加工してなる機械構造用部品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため、以下の事項について検討した。
冷間加工性(冷間鍛造性)を向上させるためには、変形時の応力集中の起点である硬質相(マルテンサイト、パーライト、ベイナイト等)と軟質相(フェライト)との界面を減らせばよい。しかし、硬質相を減らすと、鋼が軟らかくなって、切り屑が長くつながり易く、すなわち、切り屑分断性が低下し、切り屑処理性が劣化する。このように、冷間加工性と切り屑処理性は相反する性質を持つ。
そこで、冷間加工性と切り屑分断性を両立させるため、酸化物系介在物と共に、硫化物系介在物のサイズを小さくし、鋼中に均一分散させればよいと考え、C(炭素)量を低C域に制限することとした。これにより、溶鋼が凝固するまでの温度域を狭幅化することができ、介在物が大きく成長する前に凝固させることができ、同時に硬質相も低減することができる。続いて、切削時には発熱が生じることから、軟質な鋼自身を硬く、脆化させればよいと考え、鋼中にNを多量に添加し、熱処理によって固溶N(固溶状態としてのN)量を増加させることとした。その結果、一般的な炭素鋼よりも切り屑が分断し易くなり、且つ冷間加工性は全く劣化しないことが明らかとなった。更に固溶Nによる動的ひずみ時効と静的ひずみ時効によって、冷間加工後は加工硬化以上に部品強度を向上させることができ、冷間加工性、冷間加工後強度、切り屑処理性(切り屑分断性)の全てに優れた機械構造用鋼(鋼材)の発明に至ることができた。
すなわち、本発明に係る機械構造用鋼は、C:0.005〜0.045質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Mn:0.4〜1質量%、P:0.05質量%以下、S:0.005〜0.05質量%、Al:0.01〜0.06質量%、N:0.009〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、N固溶量は0.0085質量%以上であり、フェライト相の組織分率が、90%以上であり、全組織中の酸化物系介在物1個あたりの平均面積が2.5μm以下、且つ、1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数が、0.25mm当たり70個以下であることを特徴とする。
このように、極低炭素鋼とすることにより、主組織をフェライト相として冷間加工性を付与することができる。そして、溶製中の脱酸、脱硫のためにMnを添加し、一方、脱酸元素であるSiは冷間加工性を低下させないように、同じく脱酸元素であるAlはNの固溶量を低減させないように、それぞれ微量の添加とする。また、Nを十分に固溶させることで、軟質のフェライト組織を、冷間加工後に加工硬化分以上に強度を増加させることができる。また、Sを適量添加することで、冷間加工性と被削性のバランスが向上する。さらに、介在物の平均面積等を所定に規定することで、切り屑処理性が向上する。
また、本発明に係る機械構造用鋼において、前記組成がさらに、Cr:2質量%以下、およびMo:2質量%以下のうち1種以上を含有してもよい。
Cr,Moを添加することにより、機械構造用鋼の冷間加工性および冷間加工後の硬さが向上する。
また、本発明に係る機械構造用鋼において、前記組成がさらに、Ti:0.2質量%以下、Nb:0.2質量%以下、およびV:0.2質量%以下のうち1種以上を含有してもよい。
Ti,Nb,Vを添加することにより、これらの窒素化合物が形成されて機械構造用鋼の冷間加工後の靭性が高くなり、耐割れ性が向上する。
また、本発明に係る機械構造用鋼において、前記組成がさらに、B:0.005質量%以下を含有してもよい。
Bを添加することにより、不可避的に含有されるPのフェライト粒界偏析による粒界強度の低下が抑制される。
また、本発明に係る機械構造用鋼において、前記組成がさらに、Cu:5質量%以下、Ni:5質量%以下、およびCo:5質量%以下のうち1種以上を含有してもよい。
Cu,Ni,Coを添加することにより、機械構造用鋼のひずみ時効を促進させて冷間加工後の強度が向上する。
また、本発明に係る機械構造用鋼において、前記組成がさらに、Ca:0.05質量%以下、REM:0.05質量%以下、Mg:0.02質量%以下、Li:0.02質量%以下、Pb:0.5質量%以下、およびBi:0.5質量%以下のうち1種以上を含有してもよい。
これらの元素を添加することにより、機械構造用鋼の冷間加工性および冷間加工後の被削性が向上する。
本発明に係る機械構造用鋼の製造方法は、前記記載の組成を有する合金を溶解する溶解工程と、前記溶解工程で溶解された溶解物を鋳造する鋳造工程と、前記鋳造工程で鋳造された鋳塊を、1000〜1200℃で圧延または鍛造することで熱間加工する熱間加工工程と、前記熱間加工工程で熱間加工された熱間加工材を、200〜1000℃の温度域において、2.5℃/s以上の冷却速度で冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする。
このような機械構造用鋼の製造方法によれば、冷間加工性および切り屑処理性に優れた前記記載の機械構造用鋼が製造される。
本発明に係る機械構造用部品は、前記記載の機械構造用鋼を、開始温度200℃未満で冷間加工して製造されたことを特徴とする。
このような機械構造用部品は、良好な強度および硬度を有するものである。
本発明の機械構造用鋼は、冷間加工性を十分に有し、またある程度の大きさの鋼材に容易に製造可能である。さらに、超硬工具あるいはコーティングを施した工具等による切削を行った時の切り屑処理性に優れるため、切削製品の表面品質が劣化することがなく、切削加工の自動化をより安定的に実施することができる。
また、本発明の機械構造用鋼の製造方法では、前記したような、冷間加工性および切り屑処理性に優れた機械構造用鋼を製造することができる。
さらに、本発明の機械構造用部品は、本発明の機械構造用鋼を用いて冷間加工したものであり、冷間加工時に割れが発生せず、歩留まりが向上し、また、所要の強度および硬度を示すものである。そのため、部品の軽量化を可能とするものである。
本発明の一部の実施例および比較例において、部品強度(加工後硬さ)と最大変形抵抗との関係を示すグラフである。
次に、本発明に係る機械構造用鋼およびその製造方法ならびに機械構造用部品について詳細に説明する。
≪機械構造用鋼≫
機械構造用鋼は、所定量のC、Si、Mn、P、S、Al、Nを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。さらに必要に応じて、他の成分を含有してもよい。
そして、固溶Nが所定量以上であり、フェライト相の組織分率、全組織中の酸化物系介在物1個あたりの平均面積、および、1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数を所定に規定したものである。
以下、具体的に説明する。
<C:0.005〜0.045質量%>
Cは、フェライト単相とするため、極力低減する必要がある。ただし、Cが極端に少ないと、溶製中の脱酸が困難になる。すなわち、C量が0.005質量%未満では、溶製時にガス欠陥が発生し易くなり、歩留まりが劣化する。したがって、C量は、0.005質量%以上とする。なお、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは、0.015質量%以上である。また、本発明の機械構造用鋼の場合、C量が0.045質量%までは、実質的にフェライト単相の粒界に微細セメンタイトがわずかに存在する組織となる。しかし、C量が0.045質量%を超えると、セメンタイトがパーライトを形成するようになり、フェライト−パーライトの複相組織となる。パーライトは硬質相であるため、被削性、冷間加工性を劣化させる。また、溶鋼の凝固が完了するまでに、より時間がかかり、介在物が成長してしまう。したがって、C量は、0.045質量%以下とする。なお、好ましくは、0.043質量%以下、より好ましくは、0.04質量%以下である。
<Si:0.005〜0.05質量%>
Siは、溶製中の脱酸元素として有効な元素である。ただし、Si量が0.005質量%未満では、脱酸の効果が発揮されず、溶製時にガス欠陥が発生し易くなり、そこを起点に割れが発生し易くなる。したがって、Si量は、0.005質量%以上とする。なお、好ましくは、0.007質量%以上、より好ましくは、0.01質量%以上である。一方、Siは、フェライト相を固溶強化させるため、変形抵抗の増大、冷間加工性の低下を生じさせる。Si量が0.05質量%を超えると、その傾向が顕著に見られはじめる。したがって、Si量は、0.05質量%以下とする。なお、好ましくは、0.04質量%以下、より好ましくは、0.03質量%以下である。
<Mn:0.4〜1質量%>
Mnは、溶製中の脱酸、脱硫元素として有効な元素である。また、Sと結合することで機械構造用鋼の変形能を向上させることができ、フェライト相を固溶強化させる効果を有している。ただし、Mn量が0.4質量%未満では、脱酸、脱硫の効果が十分に発揮できず、冷間加工性が低下しはじめる。したがって、Mn量は、0.4質量%以上とする。なお、好ましくは、0.42質量%以上、より好ましくは、0.45質量%以上である。一方、Mn量が1質量%を超えると、固溶強化による変形抵抗が顕著に増大するため、冷間加工性を低下させる。したがって、Mn量は、1質量%以下とする。なお、好ましくは、0.98質量%以下、より好ましくは、0.95質量%以下である。
<P:0.05質量%以下>
Pは、不可避的に不純物として含有する元素であるが、Pは、フェライト粒界に偏析し、冷間加工性を劣化させる。また、Pはフェライトを固溶強化させ、変形抵抗を増大させる。従って、冷間加工性の観点からは極力低減することが望ましいが、極端な低減は製鋼コストの増加を招く。また、0質量%とすることは製造上困難である。したがって、P量は、0.05質量%以下(0質量%を含まない)とする。なお、好ましくは、0.04質量%以下、より好ましくは、0.03質量%以下である。
<S:0.005〜0.05質量%>
Sは、不可避的に不純物として含有する元素であるが、Feと結合すると、FeSとして粒界上に膜状に析出するため、冷間加工性を劣化させる。従って、全量をMnと結合させ、MnSとして析出させる必要がある。ただし、S量が0.005質量%未満では、被削性が劣化する。したがって、S量は、0.005質量%以上とする。なお、好ましくは、0.007質量%以上、より好ましくは、0.01質量%以上である。一方、S量が0.05質量%を超えると、MnSの析出量が増えるため、被削性は向上するが、冷間加工性が劣化する。したがって、S量は、0.05質量%以下とする。なお、好ましくは、0.04質量%以下、より好ましくは、0.03質量%以下である。このようにして、冷間加工性と被削性のバランスを考慮して、Sの上下限量を定めた。
<Al:0.01〜0.06質量%>
Alは、溶製中の脱酸元素として有効な元素である。ただし、Al量が0.01質量%未満では、溶製中の脱酸が不十分となり、ガス欠陥が生じ易くなる。したがって、Al量は、0.01質量%以上とする。なお、好ましくは、0.015質量%以上、より好ましくは、0.02質量%以上である。一方、Al量が0.06質量%を超えると、溶製中にAlが生成し易くなり、被削性が劣化する。また、Nと結合してAlNを形成するため、N固溶量を減少させ、冷間加工後の部品強度を低下させる。したがって、Al量は、0.06質量%以下とする。なお、好ましくは、0.055質量%以下、より好ましくは、0.05質量%以下である。
<N:0.009〜0.02質量%>
本発明に係る機械構造用鋼において、N(窒素)は鋼中に固溶して、後記するように機械構造用鋼を冷間加工(冷間鍛造)した後の強度を向上させる。ただし、N量が0.009質量%未満では、このN固溶量を十分に得られない。したがって、N量は、0.009質量%以上とする。なお、好ましくは、0.0095質量%以上、より好ましくは、0.01質量%以上である。一方、N量が0.02質量%を超えると、N固溶量が過剰になって冷間加工性を劣化させる。したがって、N量は、0.02質量%以下とする。なお、好ましくは、0.018質量%以下、より好ましくは、0.016質量%以下とする。なお、Nは鋼の溶融工程で大気中から不可避的に混入するため、精錬工程で調整してN含有量を制御することができる。また、成分として含有される金属元素(例えばMn)の窒素化合物を添加してもよい。
機械構造用鋼は、さらに必要に応じて、以下の成分を含有してもよい。
<Cr:2質量%以下、およびMo:2質量%以下のうち1種以上>
Cr、Moは、冷間加工後の部品強度と冷間加工性を向上させる効果を有するので、所定量に限って選択的に添加することが可能である。ただし、Cr、Mo量は、それぞれ2質量%を超えると、変形抵抗が増大し、かえって冷間加工性が劣化する。したがって、Cr、Mo量は、それぞれ2質量%以下(0質量%を含まない)とする。なお、好ましくは、1.5質量%以下、より好ましくは、1質量%以下である。一方、Cr、Mo添加の効果を得るため、Cr量は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、Mo量は、0.04質量%以上が好ましく、0.12質量%以上がより好ましい。
<Ti:0.2質量%以下、Nb:0.2質量%以下、およびV:0.2質量%以下のうち1種以上>
Ti、Nb、Vは、Nと結合することでN化合物を形成して結晶粒を微細化させ、冷間加工後に得られる部品の靭性を高め、耐割れ性を向上させるために有効な元素である。ただし、これらの元素は、Nとの親和力が強いため、それぞれ0.2質量%を超えると、N化合物が過剰に形成され、N固溶量が低減してしまう。したがって、Ti、Nb、V量は、それぞれ0.2質量%以下(0質量%を含まない)とする。なお、好ましくは、0.15質量%以下、より好ましくは、0.1質量%以下である。一方、Ti、Nb、V添加の効果を得るため、Ti、Nb、V量は、それぞれ、0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がより好ましく、0.003質量%以上がさらに好ましい。
<B:0.005質量%以下>
Bは、フェライト粒界に集まる傾向があり、Pのフェライト粒界偏析による粒界強度の低下を抑制するのに有効である。ただし、Bは、Nとの親和力が強いため、0.005質量%を超えると、BNを形成し、N固溶量が低減すると共に、フェライト粒界に過剰に偏析したBNは粒界強度を低減させる。したがって、B量は、0.005質量%以下(0質量%を含まない)とする。なお、好ましくは、0.0035質量%以下、より好ましくは、0.002質量%以下である。一方、B添加の効果を得るため、B量は、0.0002質量%以上が好ましく、0.0004質量%以上がより好ましく、0.0006質量%以上がさらに好ましい。
<Cu:5質量%以下、Ni:5質量%以下、およびCo:5質量%以下のうち1種以上>
Cu、Ni、Coは、いずれも機械構造用鋼をひずみ時効させ、冷間加工後の部品強度を向上させるのに有効である。ただし、Cu、Ni、Co量は、それぞれ5質量%を超えると、効果が飽和し、また、冷間加工後の割れも促進される。なお、好ましくは、4質量%以下、より好ましくは、3質量%以下である。一方、Cu、Ni、Co添加の効果を得るため、Cu、Ni、Co量は、それぞれ、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。
<Ca:0.05質量%以下、REM:0.05質量%以下、Mg:0.02質量%以下、Li:0.02質量%以下、Pb:0.5質量%以下、およびBi:0.5質量%以下のうち1種以上>
Ca、REM(希土類金属元素)、Mg、Liは、MnS等の硫化物系介在物を球状化させ、鋼の冷間加工性を高めると共に、被削性向上に寄与する元素である。ただし、Ca、REMは、0.05質量%を超えて、Mg、Liは、0.02質量%を超えて過剰に添加しても、その効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できず経済的に不利である。したがって、Ca、REM量は、それぞれ、0.05質量%以下(0質量%を含まない)とする。なお、好ましくは、0.03質量%以下、より好ましくは、0.01質量%以下である。また、Mg、Li量は、それぞれ、0.02質量%以下(0質量%を含まない)とする。なお、好ましくは、0.01質量%以下、好ましくは、0.005質量%以下である。なお、希土類金属元素として具体的に、Ce,La,Nd等の元素が挙げられ、本明細書におけるREMの含有量とは、これらのすべての希土類金属元素の含有量の合計を指す。
また、Pb、Biは、被削性向上に寄与する元素である。ただし、Pb、Biは、0.5質量%を超えると、圧延疵等の製造上の問題を生じる。したがって、Pb、Bi量は、それぞれ、0.5質量%以下(0質量%を含まない)とする。なお、好ましくは、0.4質量%以下、より好ましくは、0.3質量%以下である。
一方、Ca、REM、Mg、Li、Pb、Bi添加の効果を得るため、Ca、REM量は、それぞれ、0.0005質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.0015質量%以上がさらに好ましい。Mg、Li量は、それぞれ、0.0001質量%以上が好ましく、0.0003質量%以上より好ましく、0.0005質量%以上がさらに好ましい。Pb、Bi量は、それぞれ、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましい。
<固溶N:0.0085質量%以上>
機械構造用鋼中に固溶したN(固溶N)は、冷間加工時に発生する動的ひずみ時効により多くの転位を導入させる。そして冷間加工後には、この導入された転位が加工発熱によって動き易くなった固溶Nによって固着されることで、静的ひずみ時効分の強化が付与され、加工硬化分以上に強度を増加させる。また、切り屑処理性向上にも有効である。N固溶量が0.0085質量%未満では、静的ひずみ時効による強度増加の効果を十分に得ることができない。また、切り屑がつながりやすくなるため、切り屑処理性が低下しやすい。したがって、N固溶量は、0.0085質量%以上とする。なお、好ましくは、0.009質量%以上、より好ましくは、0.0095質量%以上である。一方、N固溶量が過剰になると、静的ひずみ時効よりも動的ひずみ時効の影響が顕著になり、変形抵抗が増大すると共に冷間加工性が劣化する。N固溶量は前記組成におけるN含有量以下となるので、N固溶量の上限値は前記N含有量の上限値すなわち0.02質量%に収束される。このようなN固溶量は、前記のN含有量およびAl含有量のそれぞれの制限を満足し、かつ後記するように製造時の熱間加工(圧延、鍛造)温度、および冷却工程での冷却速度を制御することにより、制御される。
N固溶量の値は、JIS G 1228に準拠し、鋼中の全N量から全N化合物における窒素量を差し引くことで算出する。
鋼中の全N量の算出は、不活性ガス融解法−熱伝導度法を用いる。すなわち、供試鋼素材からサンプルを切り出し、サンプルをるつぼに入れ、不活性ガス気流中で融解してNを抽出し、熱伝導度セルに搬送して熱伝導度の変化を測定する。
鋼中の全N化合物における窒素量の算出は、アンモニア蒸留分離インドフェノール青吸光光度法を用いる。すなわち、供試鋼素材からサンプルを切り出し、10%AA系電解液(鋼表面に不働態皮膜を生成させない非水溶媒系の電解液であり、具体的には10%アセチルアセトン、10%塩化テトラメチルアンモニウム、残部:メタノール)中で、定電流電解を行なう。次に、約0.5gサンプルを溶解させ、不溶解残渣(N化合物)を穴サイズが0.1μmのポリカーボネート製のフィルタでろ過する。不溶解残渣を硫酸、硫酸カリウムおよび純Cuチップ中で加熱して分解し、ろ液に合わせる。この溶液を水酸化ナトリウムでアルカリ性にした後、水蒸気蒸留を行い、留出したアンモニアを希硫酸に吸収させる。そして、フェノール、次亜塩素酸ナトリウムおよびペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウムを加えて青色錯体を生成させ、光度計を用いて、その吸光度を測定する。
上記の方法によって求めた鋼中の全N量から全N化合物における窒素量を差し引くことで鋼中のN固溶量を算出する。
<フェライト相の組織分率:90%以上>
本発明に係る機械構造用鋼は、冷間加工性を付与するために軟質のフェライト相を主組織とする(実質的にフェライト単相)。フェライト単相とすることで、機械構造用鋼を冷間加工して機械構造用部品を製造する際に、組織全体が同時にかつ均一に変形・硬化するので、全体として変形抵抗の上昇が抑えられ、冷間加工性が劣化しない。また、検討の結果、必ずしも完全なフェライト単相組織でなくてもよく、全組織中のフェライト相の面積率(フェライト組織分率)が全組織に対して90%以上であればよい。一部粒界にセメンタイトが析出していても、それが球状化していれば冷間加工性を劣化させないためである。フェライト相の面積率が90%未満になると、フェライトとセメンタイトとの界面が割れの起点となり易く、冷間加工性が劣化する。したがって、フェライト組織分率は、90%以上とする。なお、好ましくは、93%以上、より好ましくは、95%以上である。
組織を判別する方法としては、光学顕微鏡での観察が一例として挙げられる。また、組織を観察する位置としては、機械構造用鋼の表面から機械構造用部品を製造する際の冷間加工方向(圧縮方向)の長さ(縮径して円柱形状に加工した場合は当該円柱の直径)の1/4の深さの位置が好ましく、その近傍の複数視野(例えば5視野)を観察して、得られた組織分率の平均で判定することができる。具体的には、機械構造用鋼を、前記観察位置を切断面に含むように切り出して、切断面を鏡面に研磨した後、ナイタール液(3%硝酸エタノール溶液)で腐食させ、腐食面を光学顕微鏡にて100倍程度で観察し、白く見える領域がフェライト相である。組織分率を求めるには、例えば、光学顕微鏡写真上からランダムに複数点(例えば100点)を選び、各点の組織を判別して、フェライト相の点数の全点数に対する百分率を算出すればよい。あるいは、光学顕微鏡写真を市販の画像解析ソフトで処理して白い領域の面積率を求めてもよい。
ここで、実質的にフェライト単相組織である場合、一般にフェライト相はパーライト、マルテンサイト等と比較して軟質であり、切り屑が非常につながり易くなる(切り屑処理性に関しては、フェライト単相よりも複相組織の方が優れている)。そこで、介在物について、以下のように規定することで切り屑処理性を向上させることができる。すなわち、本発明の機械構造用鋼においては、酸化物系介在物の平均面積を2.5μm以下とし、且つ0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数が、0.25mm当たり70個以下とすることで、切り屑が一定周期で分断するようになる。
<全組織中の酸化物系介在物1個あたりの平均面積が2.5μm以下>
酸化物系介在物1個あたりの平均面積が2.5μmを超えると、切削抵抗の変動が大きくなり、切り屑分断性が劣化する。したがって、当該平均面積は、2.5μm以下とする。なお、好ましくは、2.2μm以下、好ましくは、2.0μm以下である。
<1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数が、0.25mm当たり70個以下>
1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数が、0.25mm当たり70個を超えると、切り屑分断性が劣化し、切削抵抗が増大しはじめる。したがって、当該個数は、70個以下とする。なお、好ましくは、65個以下、より好ましくは、60個以下である。
介在物についての測定は、例えば、以下のように行うことができる。
熱間加工後のサンプルを円柱形の軸に沿って切断して樹脂に埋め込み、円柱形の直径Dの1/4位置かつ軸方向中央近傍を観察できるように切断面をエメリー紙およびダイヤモンドバフで鏡面に研磨する。次に、D/4位置を自動EPMA分析し、これにより、介在物の組成、位置、個数、介在物1個当たりの面積等を求める。
≪機械構造用鋼の製造方法≫
機械構造用鋼の製造方法は、溶解工程と、鋳造工程と、熱間加工工程と、冷却工程と、を含むものである。
以下、各工程について説明する。
<溶解工程>
溶解工程は、前記記載の組成を有する合金を溶解する工程である。
合金を溶解する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いればよい。例えば、真空誘導炉を用いることができる。
<鋳造工程>
鋳造工程は、前記溶解工程で溶解された溶解物を鋳造する工程である。
溶解物を鋳造する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いればよい。例えば、連続鋳造法や、半連続鋳造法を用いることができる。
<熱間加工工程>
熱間加工工程は、前記鋳造工程で鋳造された鋳塊を、1000〜1200℃で圧延または鍛造することで熱間加工する工程である。
熱間加工時にAlNが生成すると、N固溶量が低下し、所望の特性が得られなくなる。そこで、熱間加工時の温度を1000〜1200℃とすることで、溶製時に結合したAlとNを分離することができる。熱間加工時の温度が、1000℃未満では、AlNを十分に分解することができない。したがって、熱間加工時の温度は、1000℃以上とする。なお、好ましくは、1020℃以上、より好ましくは、1050℃以上である。一方、1200℃を超えると、AlNを分解するのには十分であるが、その効果が飽和して製造コストが増大する。したがって、熱間加工時の温度は、1200℃以下とする。なお、好ましくは、1180℃以下、より好ましくは、1150℃以下である。
なお、保持時間は、前記温度に達すればAlNは分解することができるので、製造条件に合わせて決定すればよい。
<冷却工程>
冷却工程は、前記熱間加工工程で熱間加工された熱間加工材を、200〜1000℃の温度域において、2.5℃/s以上の冷却速度で冷却する工程である。
熱間加工後の冷却の際、再びAlNが析出するのを抑制するためには、200〜1000℃の温度域、すなわち、1000℃の状態から200℃の状態まで冷却する際に、2.5℃/s以上の冷却速度で冷却する必要がある。AlNは、200〜1000℃の間でゆっくり冷却したり、保持したりすると、多く生成する。そのため、2.5℃/s未満の冷却速度では、AlNが析出し、N固溶量が低下してしまう。したがって、冷却速度は、2.5℃/s以上とする。なお、好ましくは、3℃/s以上、より好ましくは、3.5℃/s以上である。一方、上限は特に規定しないが、製造条件に合わせて適宜決定すればよい。なお、好ましくは、15℃/s以下、より好ましくは、10℃/s以下である。
本発明に係る機械構造用鋼の製造方法は、以上説明したとおりであるが、本発明を行うにあたり、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、例えば、鋳造工程と熱間加工工程の間に行う鍛造工程や、鋳塊や熱間加工材等を切断する切断工程や、ごみ等の不要物を除去する不要物除去工程等、他の工程を含めてもよい。
≪機械構造用部品≫
本発明に係る機械構造用部品は、前記機械構造用鋼を開始温度200℃未満で冷間加工(冷間鍛造)して製造される。開始温度が200℃以上で加工されると、強化が不十分になるからである。冷間加工後は、切削等、公知の方法で所望の形状に仕上げる。
以上のようにして得られる機械構造用部品は、前記機械構造用鋼を開始温度200℃未満で冷間加工(加工初期温度が200℃未満の状態から冷間加工)して部品とした後の部品強度と、冷間加工時の最大変形抵抗の関係が(1)式を満たすものである。
H≧(DR+200)/2.5 ・・・(1)
式(1)において、H:冷間加工後の部品強度(Hv)、DR:冷間加工時の最大変形抵抗(MPa)である。
この式(1)は、以下の理由に基づき構築したものである。
一般に、冷間加工後の部品強度を高めようとすると、冷間加工時の変形抵抗も高くなる。従来品においては、例えば、冷間加工後の部品強度が250Hv程度のものでは、最大変形抵抗は、約500〜550MPa程度であり、部品強度が300Hv程度のものでは、最大変形抵抗は、低くても650MPa程度であり、部品強度が350Hv程度のものでは、最大変形抵抗は、低くても750MPa程度である。本発明においては、このような従来品に比べ、変形抵抗を抑制しつつ、部品強度を高める、すなわち、従来品よりも、冷間加工後の部品強度と冷間加工時の変形抵抗とのバランスに優れた機械構造用部品を得ることを目的とする。そこで、実験的なデータに基づき、部品強度と変形抵抗の関係について検討を重ねた結果、機械構造用鋼の成分組成や組織等を所定に規定し、この機械構造用鋼から得られる機械構造用部品が式(1)を満足することで、従来品よりも、冷間加工後の部品強度と冷間加工時の変形抵抗とのバランスに優れた機械構造用部品となることから、このような関係式とした。
機械構造用部品は、前記記載の機械構造用鋼を冷間加工して得られたものであるため、冷間加工時に割れが発生せず、歩留まりが向上し、また、所要の強度および硬度を示すものである。なお、機械構造用部品は、前記機械構造用鋼を開始温度200℃未満で冷間加工(冷間鍛造)して製造される。機械構造用鋼を製造する際の冷間加工と同様、200℃以上で加工されると、強化が不十分になるからである。冷間加工後は、切削等、公知の方法で所望の形状に仕上げる。
この冷間加工部品の具体例としては、ボルト・ナット、ピニオンギヤ、ステアリングシャフト、バルブリフター、コモンレール等を製造するための冷間加工用鋼、さらには、これまで熱間鍛造によって加工されていたクランクシャフト、コンロッド、トランスミッションギヤ等が挙げられる。本発明の機械構造用鋼は、冷間加工(冷間鍛造)によってこれらの冷間加工部品を製造する素材として有用である。また、冷間加工により製造するため、部品製造工程におけるCOの排出量を削減することができる。そして、これらの冷間加工部品は、軽量化しても所要の高強度を有するものである。
本発明は、以上説明したとおり、冷間加工によって部品加工する時の金型に加わる変形荷重(抵抗)と、加工後の部品強度のバランスに優れ、且つ超硬工具あるいはコーティングを施した工具による切削を行った時の切り屑処理性に優れる機械構造用鋼、および、その製造方法、ならびに、その機械構造用鋼を加工してなる機械構造用部品を提供するものであり、以下の効果を奏するものである。
(1)粗大で硬質な酸化物系介在物および硫化物系介在物を微細化させることによって、アブレーシブ摩耗の原因を低減し、工具への負担を低減することができる。(2)酸化物系および硫化物系介在物のサイズ変動を制限させることによって、切削時の切削抵抗の変動を抑制し、工具への負荷を更に軽減することができ、且つ、切り屑を安定的に分断することができる。(3)固溶Nを所定範囲に含有させ、C量を制限することで、実質的にフェライト単相組織とすることができ、これにより、切り屑を急速に動的ひずみ時効で脆化させ、切り屑を被削材から直ちに分離させることができる。(4)フェライト相の組織分率を制御することによって、ベイナイト、マルテンサイトといった硬質相に起因した切削抵抗の変動が生じず、終始一貫して切削工程を安定させることができる。(5)冷間加工後の部品強度は、加工時の動的ひずみ時効によって可動転位が大量に導入され、冷間加工後はそれらの転位が静的ひずみ時効によって固着されるため、加工硬化量以上の部品強度を得ることができる。
以下、本発明の実施例について、比較例と比較して具体的に説明する。
[第1実施例]
表1に記載の成分組成からなる供試材No.1〜33の供試鋼を調製し、この供試鋼150kgを真空誘導炉で溶解して、上面:φ245mm、下面:φ210mm×長さ480mmのインゴットに鋳造した。このインゴットを、1150〜1250℃で3hrのソーキングの後、155mm角の四角材に熱間鍛造して、長さ600mm程度に切断し、155mm角×600mm長さのビレットとした。次に、このビレットを、155mm角×200mm長さと、155mm角×400mm長さに切断して鋼片とし、それぞれをダミービレットに溶接した。
次に、155mm角×200mm長さの鋼片を、ダミービレットごと、表1に示す温度で加熱して、φ12mmの丸棒に圧延(熱間加工)し、表1に示す速度で冷却した。さらに、この丸棒を切断して、中心部からφ10×15mm長さの試験片を切り出した(試験片1)。
また、155mm角×400mm長さの鋼片を、ダミービレットごと、表1に示す温度で加熱して、φ80mmの丸棒に圧延(熱間加工)し、表1に示す速度で冷却した。さらに、この丸棒を切断して、中心部からφ80×30mm長さの試験片を切り出した(試験片2)。
さらに、N固溶量、フェライト相の組織分率(フェライト組織分率)、介在物の平均面積等について、以下の方法により測定した。
<N固溶量>
試験片から切り出したサンプルで、前記JIS G 1228に準拠する不活性ガス融解法−熱伝導度法およびアンモニア蒸留分離インドフェノール青吸光光度法にてN固溶量を測定した。
<フェライト組織分率の測定方法>
試験片の表面から円柱の直径Dの1/4の深さの位置(以下、D/4位置)かつ軸方向中央近傍を観察できるように、供試材を円柱の軸に沿って(半円柱形状に)切断して樹脂に埋め込み、切断面をエメリー紙およびダイヤモンドバフで鏡面に研磨し、ナイタール液(3%硝酸エタノール溶液)で腐食させた。腐食面を光学顕微鏡で観察して構成組織および結晶粒を判別した。組織解析は、100倍で5箇所(5視野)の写真を撮影し、これらの写真に対して、画像解析ソフト(Image Pro Plus、Media Cybernetics社製)を用いて画像を2値化して、白色の領域をフェライト相として各写真の面積率を算出し、5視野の平均値をフェライト組織分率とした。
<介在物についての測定方法>
試験片の表面から円柱のD/4位置かつ軸方向中央近傍を観察できるように、供試材を円柱の軸に沿って(半円柱形状に)切断して樹脂に埋め込み、切断面をエメリー紙およびダイヤモンドバフで鏡面に研磨した。次に、D/4位置について、自動EPMA分析(測定元素:N,Na,Mg,Al,Si,S,K,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe)を行った。これにより、介在物の組成、位置、個数、介在物1個当たりの面積を、それぞれ求めた。表1には、全組織中の酸化物系介在物1個あたりの平均面積(表中、酸化物系介在物の平均面積と記す)、および、1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数(表中、単位面積当たりの介在物の個数と記す)を示す。
Figure 2010185102
これらの試験片1について、冷間加工性の評価を行い、試験片2について、切り屑処理性の評価を行った。
<冷間加工性の評価>
各試験片(試験片1)を、1600tプレスを用い、端面を拘束した状態で、表3に示す開始温度で、ひずみ速度10/secの冷間鍛造により試験片の軸方向に80%まで圧縮して、機械構造用部品の加工試験品(冷間鍛造材)を作製した。なお、加工ひずみ速度は、加工中(塑性変形中)のひずみ速度の平均値とした。なお、圧縮率は、機械構造用鋼の圧縮方向長をH0、圧縮後(機械構造用部品)の圧縮方向長をHとして表したとき、(H0−H)/H0×100で算出される。そして、冷間鍛造時に、1600tプレスに付属のロードセルと変位計を用いて、変位抵抗−変位曲線を記録し、この曲線における変形抵抗の最大値を最大変形抵抗とした。また、冷間鍛造により割れの発生した冷間鍛造材を「×」、割れのない冷間鍛造材を「○」として、評価した。
得られた各加工試験品について、冷間加工後の強度として、冷間鍛造材のビッカース硬さを測定した。冷間鍛造材の円柱形の軸(冷間鍛造前の試験片の軸)に沿って切断して樹脂に埋め込んで試料として調整し、冷間鍛造材の円柱形の軸方向中央における直径の1/4位置の左右3点ずつ計6点のビッカース硬さ(Hv)を測定した。
<切り屑処理性の評価>
各試験片(試験片2)を、ドリル切削試験に供することで、切り屑処理性を評価した。
試験条件は、下記のとおりとした。
工具:SKH51、φ5.0mmストレートドリル
切削速度:10、15m/min
送り:0.1、0.2mm/rev
切削油:なし(乾式)
穴深さ:22(mm)未貫通穴
ドリル切削後、各条件における切り屑をそれぞれ100個ずつ採取し、表2に示す条件で切り屑を分類した。なお、表2では、代表して、供試材No.3、6、20、22、23、32について示している。各切り屑片の形態により、表に示す評価点に基づいて、4条件の評価点の平均を切り屑処理性指数とし、この値の大小で切り屑処理性の良否を判断した。切り屑処理性は、切り屑が短いほど高くなるように指数付けしてある。そして、切り屑処理性指数が90以下となると、4巻き以下、8巻き以下の切り屑が増加することから、90以上を切り屑処理性が良好「○」、90未満を切り屑処理性が不良「×」とした。
具体的には、切り屑形態が、1巻き以下は3点、4巻き以下は2点、8巻き以下は1点、8巻きを超えるものは0点とし、満点が100となるようにしている(切り屑形態が全て1巻き以下の場合が満点である)。例えば、表2に示すように、供試材No.20を例にとると、切削速度15m/min、送り0.2mm/revの鋼種の切り屑は1巻き以下が71個、4巻き以下が29個である。したがって、(71×3+29×2+0×1+0×0)÷3≒90.3となる。同様に、送り0.1mm/revも計算すると、約78.7となる。そして、平均は(90.3+78.7)÷2=84.5となる。同じように計算を進めると、切削速度15m/minと10m/minの平均は86.4となり、この値が供試材No.20の切り屑処理性指数となる。
これらの試験結果において、得られた加工試験品(供試材)について割れがなく、しかもビッカース硬さ(加工後硬さ)に対して変形抵抗が同じか、低い場合(具体的には、前記式(1)に示す条件を満足する場合)を、冷間加工性に優れたものと判定し、さらに切り屑処理性が良好な場合を、総合判定を「○」と表示した。一方、割れが生じた場合、ビッカース硬さに対して変形抵抗が高い場合、切り屑処理性が不良の場合のいずれか一つ以上に該当する場合は、総合判定を「×」と表示した。これらの結果を表3に示す。また、本発明の一部の実施例および比較例において、部品強度(加工後硬さ)と最大変形抵抗との関係を図1に示す。なお、図1において、判定式は、式(1)を示す。
Figure 2010185102
Figure 2010185102
表3に示すとおり、本発明の範囲を満たす供試材は、加工中は良好な冷間加工性を確保し、加工後は必要な硬度、強度を得ることができることが分かった。さらに、切り屑処理性に優れていることが分かった。すなわち、本発明の実施例(供試材No.1〜19)は、総合判定が「○」であり、得られた加工試験品について割れがなく、しかもビッカース硬さに対して低い変形抵抗を示し(具体的には、前記式(1)に示す条件を満足する)、優れた冷間加工性を示していると共に、優れた切り屑処理性を有している。
これに対して、前記のいずれかの条件を満足しない比較例(供試材No.20〜33)は、冷間加工性および/または切り屑処理性に劣るものであることが分かる。
すなわち、供試材No.20は、C含有量が多く、かつ全組織中の酸化物系介在物1個あたりの平均面積(以下、介在物の平均面積という)、1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数(以下、介在物の個数という)の条件を逸脱している例であり、加工後に割れが発生し、変形抵抗が大きく、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。また、切り屑処理性に劣っている。供試材No.21は、Si含有量が少ない例であり、加工後に割れが発生している。供試材No.22は、Si含有量が多い例であり、加工後に割れが発生し、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
供試材No.23は、Mn含有量が少ない例であり、加工後に割れが発生している。供試材No.24は、熱間加工後の冷却速度が低く、N固溶量が少ない例であり、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。また、切り屑処理性に劣っている。供試材No.25は、Mn含有量が多い例であり、加工後に割れが発生している。供試材No.26は、P含有量が多い例であり、加工後に割れが発生している。供試材No.27は、S含有量が多い例であり、加工後に割れが発生している。
供試材No.28は、Al含有量が多く、N固溶量が少ない例であり、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。また、切り屑処理性に劣っている。供試材No.29は、N含有量が少なく、熱間加工温度が低く、N固溶量が少ない例であり、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。また、切り屑処理性に劣っている。供試材No.30は、熱間加工温度が低く、N固溶量が少ない例であり、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。また、切り屑処理性に劣っている。
供試材No.31は、N含有量が多い例であり、加工後に割れが発生している。供試材No.32は、C含有量、Si含有量が多く、N含有量、N固溶量が少なく、また、介在物の平均面積が大きく、介在物の個数が多く、フェライト組織分率が低い例であり、加工後に割れが発生し、変形抵抗が大きく、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。また、切り屑処理性に劣っている。なお、供試材No.32は、一般的なフェライト-パーライト鋼(S25C(フェライト分率:70〜80%))のため、フェライト組織分率が低いものである。供試材No.33は、N含有量、N固溶量が少ない例であり、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。また、切り屑処理性に劣っている。
[第2実施例]
表4に記載の成分組成からなる供試材No.34〜48の供試鋼を調製し、この供試鋼150kgを真空誘導炉で溶解して、上面:φ245mm×下面:φ210mm×長さ:480mmのインゴットに鋳造した。次に、それぞれのインゴットを鍛造(ソーキング:1250℃×3hr程度、鍛造加熱:1000℃×1hr程度)および切断し、150mm角×680mm長さの鋼片とした。この鋼片を、表4に示す温度で加熱して、φ80mmの丸棒に鍛造(熱間加工)した。さらに、この丸棒を350mm長さ程度毎に切断し、供試材とした。D/4位置からφ10mm×15mmの試験片を、また前記供試材の一部について、さらに中心部(円柱形の軸近傍)からφ20mm×30mm、φ30mm×45mmの試験片をそれぞれ切り出した。
なお、N固溶量は、前記第1実施例と同様の方法で測定した。
Figure 2010185102
得られた3種の試験片について、冷間加工性の評価を行った。評価方法は、前記第1実施例と同様である。なお、冷間鍛造開始温度(℃)は、全て20℃である。各加工品の加工条件、変形抵抗、割れの有無、および加工後の硬さを、表5に示す。また、一部の実施例と比較例における部品強度(加工後硬さ)と最大変形抵抗との関係を図1に示す。
Figure 2010185102
表5に示すとおり、本発明の範囲を満たす供試材は、部品サイズに依らず加工中は良好な冷間加工性を確保し、加工後は必要な硬度、強度を得ることができることが分かった。すなわち、本発明の実施例(供試材No.34〜43)は、総合判定が「○」であり、得られた加工試験品について割れがなく、しかもビッカース硬さに対して低い変形抵抗を示し(具体的には、前記式(1)に示す条件を満足する)、優れた冷間加工性を示している。
これに対して、前記のいずれかの条件を満足しない比較例(供試材No.44〜48)は、冷間加工性に劣るものであることが分かる。
すなわち、供試材No.44は、N含有量が少なく、N固溶量が少ない例であり、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
供試材No.45は、C含有量、S含有量が多く、また、フェライト組織分率が低い例であり、加工後に割れが発生し、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。供試材No.46は、C含有量が多い例であり、加工後に割れが発生し、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
供試材No.47は、Mn含有量が多く、Al含有量が少ない例であり、加工後に割れが発生している。供試材No.48は、N含有量、N固溶量が少ない例であり、式(1)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
以上、本発明に係る機械構造用鋼およびその製造方法ならびに機械構造用部品について最良の実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されるものではない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することができることはいうまでもない。

Claims (8)

  1. C:0.005〜0.045質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Mn:0.4〜1質量%、P:0.05質量%以下、S:0.005〜0.05質量%、Al:0.01〜0.06質量%、N:0.009〜0.02質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
    N固溶量は0.0085質量%以上であり、
    フェライト相の組織分率が、90%以上であり、
    全組織中の酸化物系介在物1個あたりの平均面積が2.5μm以下、且つ、
    1個あたりの平均面積が0.5μm以上の酸化物系および硫化物系介在物の個数が、0.25mm当たり70個以下であることを特徴とする機械構造用鋼。
  2. 前記組成がさらに、Cr:2質量%以下、およびMo:2質量%以下のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の機械構造用鋼。
  3. 前記組成がさらに、Ti:0.2質量%以下、Nb:0.2質量%以下、およびV:0.2質量%以下のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機械構造用鋼。
  4. 前記組成がさらに、B:0.005質量%以下を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の機械構造用鋼。
  5. 前記組成がさらに、Cu:5質量%以下、Ni:5質量%以下、およびCo:5質量%以下のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の機械構造用鋼。
  6. 前記組成がさらに、Ca:0.05質量%以下、REM:0.05質量%以下、Mg:0.02質量%以下、Li:0.02質量%以下、Pb:0.5質量%以下、およびBi:0.5質量%以下のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の機械構造用鋼。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の組成を有する合金を溶解する溶解工程と、
    前記溶解工程で溶解された溶解物を鋳造する鋳造工程と、
    前記鋳造工程で鋳造された鋳塊を、1000〜1200℃で圧延または鍛造することで熱間加工する熱間加工工程と、
    前記熱間加工工程で熱間加工された熱間加工材を、200〜1000℃の温度域において、2.5℃/s以上の冷却速度で冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする機械構造用鋼の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の機械構造用鋼を、開始温度200℃未満で冷間加工して製造されたことを特徴とする機械構造用部品。
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