JP2010183860A - 常温型アスパラギン酸脱水素酵素およびl−アスパラギン酸製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(A)又は(B)に示すタンパク質。(A)特定の配列を有するタンパク質。(B)上記記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。
【選択図】なし
Description
AfAspDHは、安定性はきわめて高いが、酵素活性は高くなく、特に常温における還元活性が低いという問題点があった。ここで、オキサロ酢酸は高温で不安定であるため、反応系の温度を高めるには限界があるという原理的な問題点があった。また、BsAspDHについては、常温で比較的高い活性を示すが、安定性が低く、また、オキサロ酢酸以外にピルビン酸にも反応性を示すという問題点があった。
JMP134)に実際にAspDHが存在することを見いだし本発明を完成するに至った
1.:
下記(A)又は(B)に示すタンパク質。
(A)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(B)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。
下記(A)又は(B)に示すタンパク質をコードするDNA。
(A)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(B)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。
下記(C)又は(D)に示すタンパク質。
(C)配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(D)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。
下記(C)又は(D)に示すタンパク質をコードするDNA。
(C)配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(D)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。
上記2.又は上記4.に記載のDNAによりコードされるタンパク質が発現可能な形態で導入された細菌。
なお、細菌の例として、大腸菌、枯草菌、放線菌などを挙げることができる。
上記5.に記載の細菌を培地で培養し、アスパラギン酸脱水素酵素を発現させ、該培養物よりアスパラギン酸脱水素酵素を採取することを特徴とするアスパラギン酸脱水素酵素の製造方法。
なお、採取の際には、例えば、トルエンで膜透過処理を施しても良い。
原料として、フマル酸およびアンモニウム塩、または、フマル酸アンモニウム、を供給し、触媒として、フマラーゼ、リンゴ酸脱水素酵素、並びに、上記1.若しくは上記3.に記載のアスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質、上記5.に記載の細菌、又は、上記6.に記載の製造方法により製造されたアスパラギン酸脱水素酵素を加え、L−アスパラギン酸を得ることを特徴とするL−アスパラギン酸製造方法。
なお、大腸菌由来のリンゴ酸脱水素酵素はL−アスパラギン酸を分解する性質があるため、L−アスパラギン酸を分解する性質のない枯草菌(Bacillus subtillis)由来のリンゴ酸脱水素酵素を添加しても良い。
原料として、コハク酸、クエン酸、および/または、グルコース、並びに、尿素その他の窒素源を供給し、上記2.又は上記4.に記載のDNAによりコードされるタンパク質が発現可能な形態で導入された細菌を用いた発酵法によりL−アスパラギン酸を得ることを特徴とするL−アスパラギン酸製造方法。
図1は、AfAspDHとのアミノ酸配列の相同性検索の結果である。ここでは、相同性検索の結果に基づき、シュードモナス・エルギノーザ PA01(Pseudomonas aeruginosa PA01:配列番号1)、ラルストーニア・ユートロファ JMP134(Ralstonia
eutropha JMP134:配列番号3)および、ブラジリゾビウム・ジャポニクム USDA 110(Bradyrhizobium
japonicum USDA 110:配列番号5)を用いて、クローニングをおこない、単離した後、大腸菌内での発現を試みた。
〔PaeAspDHのクローニング:染色体DNAの調製〕
Pseudomonas aeruginosa PA01由来想定上AspDH遺伝子(以降においてpaasdと適宜表記するものとする)をクローニングするため、Pseudomonas
aeruginosa PA01を1/10 LB培地3 ml で30℃、18〜20 hr振とう培養を行い、遠心(15000rpm,
5分)にて集菌後、CTAB(hexadecyltrimethylammonium bromide)法(Nucleic
Acids Research, 8, 4321-4325, 1980)を用いて染色体DNAの調製を行った。
次に、目的遺伝子(paasd)の塩基配列情報に基づきプライマーをデザインし、PCRを用いてpaasd DNA断片の増幅を行った。なお、配列番号7にセンスプライマーを、配列番号8にアンチセンスプライマーの遺伝子配列を示す。
得られたPCR増幅産物(約804 bp)をアガロースゲル電気泳動で確認した後、エタノール沈殿法により精製した。これらのDNA断片を、それぞれpET11-aベクター(Novagen社製)のNdeIおよびBamHIサイトにライゲーションし、組み換えDNAを得た。得られた組み換えDNAを大腸菌(E. coli) BL-21コンピテントセル(STRATAGENE社製)に導入し形質転換した。形質転換株はLBプレート(アンピシリン、X-Gal、IPTG含有)上でホワイトコロニーを形成することで選択した。この形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、一部をNdeIおよびBamHIで制限酵素処理し、電気泳動によりインサートDNAを確認した。
〔ReuAspDHのクローニング:染色体DNAの調製〕
Ralstonia eutropha JMP134由来想定上AspDH遺伝子(以降においてreasdと適宜表記するものとする)をクローニングするため、Ralstonia eutropha
JMP134を1/10 LB培地3 ml で30℃、18〜20 hr振とう培養を行い、遠心(15000rpm, 5分)にて集菌後、CTAB法を用いて染色体DNAの調製を行った。
次に、目的遺伝子(reasd)の塩基配列情報に基づきプライマーをデザインし、PCRを用いてreasd DNA断片の増幅を行った。なお、配列番号9にセンスプライマーを、配列番号10にアンチセンスプライマーの遺伝子配列を示す。
得られたPCR増幅産物(約807 bp)をアガロースゲル電気泳動で確認した後、エタノール沈殿法により精製した。これらのDNA断片を、それぞれpColdIVベクター(タカラバイオ社製)のNdeIおよびHindIIIサイトにライゲーションし、組み換えDNAを得た。得られた組み換えDNAを大腸菌(E. coli) BL-21コンピテントセル(STRATAGENE社製)に導入し形質転換した。形質転換株はLBプレート(アンピシリン、X-Gal、IPTG含有)上でホワイトコロニーを形成することで選択した。この形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、一部をNdeIとHindIIIで制限酵素処理し、電気泳動によりインサートDNAを確認した。
Bradyrhizobium japonicum USDA 110由来想定上AspDH遺伝子(以降においてbjasdと適宜表記するものとする)をクローニングするため、Bradyrhizobium japonicum USDA 110を1/10 LB培地3 ml で30℃、18〜20 hr振とう培養を行い、遠心(15000rpm,
5分)にて集菌後、CTAB法を用いて染色体DNAの調製を行った。
次に、目的遺伝子(bjasd)の塩基配列情報に基づきプライマーをデザインし、PCRを用いてbjasd DNA断片の増幅を行った。なお、配列番号11にセンスプライマーを、配列番号12にアンチセンスプライマーの遺伝子配列を示す。
得られたPCR増幅産物(約843 bp)をアガロースゲル電気泳動で確認した後、エタノール沈殿法により精製した。これらのDNA断片を、それぞれpET11-aベクター(Novagen社製)のNdeIおよびBamHIサイトにライゲーションし、組み換えDNAを得た。得られた組み換えDNAを大腸菌(E. coli) BL-21コンピテントセル(STRATAGENE社製)に導入し形質転換した。 形質転換株はLBプレート(アンピシリン、X-Gal、IPTG含有)上でホワイトコロニーを形成することで選択した。この形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、一部をNdeIとBamHIで制限酵素処理し、電気泳動によりインサートDNAを確認した。
〔EcFumaraseのクローニング:染色体DNAの調製〕
後述するように、フマラーゼ(Fumarase)やリンゴ酸脱水素酵素(MDH)も導入した形質転換大腸菌を用いて、酵素法によるL−アスパラギン酸の製造を説明するので、ここで、そのクローニングについて言及しておく。
まず、Escherichia coli由来Fumarase遺伝子(以降においてfumCと適宜表記するものとする)をクローニングするため、Escherichia coli MV1184をLB培地3 ml で37℃、18〜20 hr振とう培養を行い、遠心(15000rpm,
5分)にて集菌後、CTAB法を用いて染色体DNAの調製を行った。
次に、KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)登録番号JW1603に記載の目的遺伝子(fumC)の塩基配列情報に基づきプライマーをデザインし、PCRを用いてfumC DNA断片の増幅を行った。
得られたPCR増幅産物(約1.4kb)をアガロースゲル電気泳動で確認した後、エタノール沈殿法により精製した。これらのDNA断片を、それぞれpKF18ベクター(タカラバイオ社製)のSacIおよびKpnIサイトにライゲーションし、組み換えDNAを得た。得られた組み換えDNAを大腸菌(E. coli) MV1184コンピテントセル(日本ジーン社製)に導入し形質転換した。形質転換株はLBプレート(カナマイシン、X-Gal、IPTG含有)上でホワイトコロニーを形成することで選択した。この形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、一部をSacIとKpnIで制限酵素処理し、電気泳動によりインサートDNAを確認した。大腸菌に導入したこのベクターをpKF18/fumCと適宜表記する。
〔BsMDHのクローニング:染色体DNAの調製〕
まず、Bacillus subtilis由来MDH遺伝子(以降においてmdhと適宜表記するものとする)をクローニングするため、Bacillus
subtilis ATCC 23857をLB培地3 ml で37℃、18〜20 hr振とう培養を行い、遠心(15000rpm, 5分)にて集菌後、CTAB法を用いて染色体DNAの調製を行った。
次に、KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)登録番号BSU29120に記載の目的遺伝子(mdh)の塩基配列情報に基づきプライマーをデザインし、PCRを用いてmdh DNA断片の増幅を行った。
得られたPCR増幅産物(約939 bp)をアガロースゲル電気泳動で確認した後、エタノール沈殿法により精製した。これらのDNA断片を、それぞれpUC18ベクター(タカラバイオ社製)のBamHIおよびPstIサイトにライゲーションし、組み換えDNAを得た。得られた組み換えDNAを大腸菌(E. coli) MV1184コンピテントセル(日本ジーン社製)に導入し形質転換した。 形質転換株はLBプレート(アンピシリン、X-Gal、IPTG含有)上でホワイトコロニーを形成することで選択した。この形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、一部をSacIとKpnIで制限酵素処理し、電気泳動によりインサートDNAを確認した。大腸菌に導入したこのベクターをpUC18/mdhと適宜表記する。
クローニングより得られたpKF18/fumCとpUC18/mdhに対し、それぞれSacI・KpnIとBamHI・PstIで制限酵素処理し、得られたDNA断片を、それぞれpSTV28ベクター(タカラバイオ社製)のSacIおよびPstIサイトにライゲーションし、組み換えDNAを得た。得られた組み換えDNAを大腸菌(E. coli) MV1184コンピテントセル(日本ジーン社製)に導入し形質転換した。形質転換株はLBプレート(クロラムフェニコール、X-Gal、IPTG含有)上でホワイトコロニーを形成することで選択した。この形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、一部をSacI・KpnIとBamHI・PstIの各制限酵素で制限酵素処理し、電気泳動によりインサートDNAを確認した。大腸菌に導入したこのベクターをpSTV28/fumC-mdhと適宜表記する。
作製したpSTV28/fumC-mdh/MV1184形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、塩化カルシウム法により調製した大腸菌pET11-a/asd/BL-21コンピテントセルへ導入し、形質転換した。形質転換株はLBプレート(クロラムフェニコール、アンピシリン、X-Gal、IPTG含有)上でホワイトコロニーを形成することで選択した。この形質転換株からアルカリ-SDS法によりプラスミドDNAを調製し、電気泳動により各プラスミドの導入を確認した。
次に、得られた想定上PaeAspDH、想定上ReuAspDH、想定上BjaAspDHの酵素活性等を調べることとした。以降では、これらをまとめて、単に想定上AspDHと必要に応じて表記するものとする。
精製にあたっては、E.coli BL-21 /想定上AspDH酵素クローンを、50 mg/ml Amp 3 μl を含むLB培地3 ml で37℃、18〜20 hr振とう培養を行い、次いで50 mg/ml Amp 750 μl、1 M IPTG 150 μl を含むLB 培地750 ml にスケールアップし、18〜20
hr、37℃で振とう培養し、遠心7,000 rpm 15
min で集菌した。最終的には、図2に示した方法(イオン交換(DEAE)カラム工程、色素(Blue)カラム工程、ゲルろ過(Superdex)カラム工程)で精製した。図3に示すSDS-PAGE の結果からほぼ均一に精製されていることが確認された。
なお、この時点で酵素活性を測定したところ、想定上PaeAspDHおよび想定上ReuAspDHにはアスパラギン酸脱水素酵素活性が確認され、想定上BjaAspDHには酵素活性は見られなかった。よって、以降ではPaeAspDHおよびReuAspDHと表記し、まとめて表記する場合は、適宜AspDH酵素と表記するものとする。
次に、精製された変異酵素であるRaeAspDHおよびPaeAspDHの酵素化学的性質を調べた。
まず、AspDH酵素の反応至適温度の評価を行った。図4(a)のグラフは、各温度下で活性測定を行った際、最大活性を1とした場合の相対活性を示した図である。また、図4(b)のグラフは、各温度で20分間インキュベートした後の残存AspDH活性を、最大残存活性を1とした場合の相対活性を示した図である。
なお、活性測定ないし評価は以下に従った。
還元型補酵素NADHは340nmに吸収極大をもつ。このことを利用して反応時の340nmにおけるNADH(分子吸光係数6.2
mmol-1・cm-1)の吸収の増減を追跡することにより活性評価を行った。活性(Activity)の表示は、1 分間に1
μmol のNAD+あるいはNADHの生成を触媒する酵素量を1 unit と定義し、比活性は1 mg protein 当たりのunit 数でunits/(mg protein) と表した。
Laboratories, Hercules, CA)を用い、牛血清アルブミンを標準タンパク質として検量線を作成し、そのタンパク量を求めた。
次に、変異酵素について、Kinetic Parameter の解析を行った。具体的には、Kcatと Kmを求めた。また、Kcat
値は、酵素の代謝回転数(turn number)又は触媒定数と呼ばれ、酵素の活性部位が単位時間(通常1秒)ごとに触媒する反応回数(回転数)を表す。
Kcat=比活性×(1/60)×酵素の分子量×(1/1000)・・・(式2)
次に、各酵素を温度コントロールシステムJASCO PTC 343(日本分光社製)とJASCO J-720円二色性分散計(日本分光社製)を用いて222 nmにおける吸光度をモニタリングし、タンパク質の熱変性を測定した。図8に示したように、PaeAspDHとReuAspDHの50%変性温度は、同程度である。また、塩またはグリセロール存在下で50%変性温度がそれぞれ10℃以上上昇することから、条件によっては熱安定性をさらに高めることが可能となる。なお、図7には、これらの結果も反映させている。
次に、PaeAspDHおよびReuAspDHを用いたL−アスパラギン酸の生産方法について説明する。ここでは、酵素法と発酵法によるL−アスパラギン酸の生産について説明する。図9は、フマル酸を原料としたL−アスパラギン酸の反応図である。図示したように、原料として、フマル酸およびアンモニウム塩(例えば塩化アンモニウムあるいはフマル酸アンモニウム)を供給し、触媒として、上記説明したEcFum、BsMDH、および、PaeAspDH(またはReuAspDH)を加えることで、L−アスパラギン酸を生産可能となる。
以降では、PaeAspDHを用いた場合の工業的生産方法について述べるが、ReuAspDHを用いた場合も同様に工業生産可能である。
まず、単独でそれぞれEcFum、BsMDH、PaeAspDHを発現するリコンビナント大腸菌に図10で示すトルエン処理を行い、さまざまな組合せで混合した。これらに対し、フマル酸、L−リンゴ酸、または、DL−リンゴ酸を基質として加えて反応させ、生成したL−アスパラギン酸濃度を測定した。反応組成は図11に示したとおりである。結果を図12に示す。3酵素を混合し、基質をフマル酸とした場合に最も生成量が多くなることが確認できた。また、PaeAspDHを含む系で特に多量のL−アスパラギン酸生成が確認できることから、このL−アスパラギン酸生成はPaeAspDHによるものであるということが確認できた。
次に発酵法の検討をおこなった。
リコンビナント大腸菌(pET11a/paasd,pSTV28/fumC-mdh)をグルコースM9培地で24〜26時間培養後(37℃)、50
mMコハク酸および界面活性剤トリトンX-100を10
mg/mlの濃度で加えさらに6時間培養したところ、反応速度は51.2
mM/hr/g wetであり転換効率は61.6%という値が得られた。この結果から、本反応法はアスパラギン酸発酵生産に応用できる可能性が十分あるといえる。なお、原料として、コハク酸に代え、クエン酸やグルコースを用いても、L−アスパラギン酸の生成が認められた。特筆すべきは、原料(炭素源)がフマル酸でなく、コハク酸やクエン酸やグルコースであっても、L−アスパラギン酸の生成が認められる点であって、作成したリコンビナント大腸菌は、原料選択の自由度を高め発酵法による多様な工業的生産に適しているといえる。
Claims (8)
- 下記(A)又は(B)に示すタンパク質。
(A)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(B)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。 - 下記(A)又は(B)に示すタンパク質をコードするDNA。
(A)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(B)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。 - 下記(C)又は(D)に示すタンパク質。
(C)配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(D)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。 - 下記(C)又は(D)に示すタンパク質をコードするDNA。
(C)配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(D)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、アスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質。 - 請求項2又は請求項4に記載のDNAによりコードされるタンパク質が発現可能な形態で導入された細菌。
- 請求項5に記載の細菌を培地で培養し、アスパラギン酸脱水素酵素を発現させ、該培養物よりアスパラギン酸脱水素酵素を採取することを特徴とするアスパラギン酸脱水素酵素の製造方法。
- 原料として、フマル酸およびアンモニウム塩、または、フマル酸アンモニウム、を供給し、
触媒として、フマラーゼ、リンゴ酸脱水素酵素、並びに、
請求項1若しくは請求項3に記載のアスパラギン酸脱水素酵素活性を有するタンパク質、請求項5に記載の細菌、又は、請求項6に記載の製造方法により製造されたアスパラギン酸脱水素酵素を加え、
L−アスパラギン酸を得ることを特徴とするL−アスパラギン酸製造方法。 - 原料として、コハク酸、クエン酸、および/または、グルコース、並びに、尿素その他の窒素源を供給し、
請求項2又は請求項4に記載のDNAによりコードされるタンパク質が発現可能な形態で導入された細菌を用いた発酵法によりL−アスパラギン酸を得ることを特徴とするL−アスパラギン酸製造方法。
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