JP2010180959A - 免震装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸方向と直交する面内で互いに交差する2方向の独立した加振力が作用した場合、それによる局部剪断歪み抑え耐久性を向上することのできる免震装置を提供する。
【解決手段】免震装置10において、各ゴム層1は、同心円で区切られた複数のゴム部材3、4で構成され、互いに隣接するゴム部材3、4は、内側のゴム部材3の弾性係数が低く、外側のゴム部材4の弾性係数が高い。
【選択図】図3
【解決手段】免震装置10において、各ゴム層1は、同心円で区切られた複数のゴム部材3、4で構成され、互いに隣接するゴム部材3、4は、内側のゴム部材3の弾性係数が低く、外側のゴム部材4の弾性係数が高い。
【選択図】図3
Description
本発明は、円板状のゴム層と剛性板とを軸方向に交互に積層してなる免震装置に関し、特に、軸方向と直交する2方向の加振入力に対して高い耐久性を確保することができるものに関する。
従来から、地震などによって建物等に加わる加振力を減衰するとともにその衝撃を和らげるために、これらの建物を支持する、円板状のゴム層と剛性板とを軸方向に交互に積層した免震装置が用いられている。
このような免震装置(例えば、特許文献1参照。)は、軸方向と直交する面内で互いに交差する2方向の独立した加振力が作用した場合、図1に斜視図で、図2に平面図でそれぞれ模式的に示すように、R方向の第1の加振力によってR方向に変形した状態の免震装置に、R方向と交差する方向の加振力Fが作用したとき、R方向の変形量Lと、加振力FのR方向に直角の方向θの成分Fθとの積のねじりモーメントが作用し、これによって、単純に1方向Rの加振力が作用する場合に対比して局部剪断歪みが増加し、免震装置の終局性能、すなわち、破断歪みの低下に繋がることがわかってきた。なお、図1において、符号91はゴム層、符号2は鉄板等の剛性板、そして、符号6はゴム層と剛性板を交互に積層した積層体の軸方向両側端に設けられ、免震装置を地盤側および建物側に取り付けるためのフランジである。また、図2において、曲線Qは、免震装置が変形する際の下側フランジに対する上側フランジの移動軌跡を表す。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、軸方向と直交する面内で互いに交差する2方向の独立した加振力が作用した場合、それによる局部剪断歪みを抑え耐久性を向上することのできる免震装置を提供することを目的とする。
本発明は、複数枚の円板状のゴム層と複数枚の剛性板とを軸方向に交互に積層してなる免震装置において、各ゴム層は、同心円で区切られた複数のゴム部材で構成され、互いに隣接するゴム部材は、内側のゴム部材の弾性係数が低く、外側のゴム部材の弾性係数が高いことを特徴とする免震装置である。
本発明によると、上記のような構成により、その衝撃吸収力をさほど犠牲にすることなく、2方向の独立した加振入力に対する耐久性を大幅に向上させることができる。
本発明の実施形態について図に基づいて説明する。図3は、免震装置を加振入力がない状態において示す軸心を通る断面を示す断面図であり、図4は、図3のA−A矢視に対応する断面図である。免震装置10は、上下のフランジ6の間に、それぞれ複数枚の円板状のゴム層1と剛性板2とを軸方向に交互に積層してなり、その特徴として、各ゴム層1は、同心円で区切られた複数(図3、4の場合は2個)のゴム部材3、4で構成され、互いに隣接するゴム部材3、4は、内側のゴム部材の弾性係数が低く、外側のゴム部材の弾性係数が高いものとなっている。
なお、ゴム層1と剛性板2とを軸方向に交互に積層した積層体の半径方向外側を覆う外皮ゴム5を設けてもよい。
この構成による効果を次に説明する。水平入力に対して、外からの衝撃を吸収する性能は、ゴム層1全体の弾性係数が低ければ低いほど高くなるが、ゴム層が弾性係数の異なる複数のゴム部材よりなっている場合、ゴム層全体の弾性係数は、それらのゴム部材の弾性係数の、各面積で重み付けした加重平均で表される。すなわち、各ゴム部材の剪断弾性係数をGi(i=1,2・・・・,n)とし、各ゴム部材が占める部分の面積をSi(i=1,2・・・・,n)とし、ゴム層全体の面積をSとすると、ゴム層全体の剪断弾性係数は、式(1)で表される。
一方、図2に示すように、上下のフランジ間でR方向にLだけ変位した上下のフランジ6間にR方向と直交する力Fθが作用したとき、これらの積で表されるモーメントが働き、このモーメントによって各ゴム層1には、その中心軸周りのねじり応力が作用する。このときのねじり剛性は一般的に、剪断弾性係数Gと断面二次モーメントIpの積で表され、複数の部材で成り立っている場合には、それぞれの積の和となる。すなわち、各ゴム部材の剪断弾性係数をGi(i=1,2・・・・,n)とし、各ゴム部材が占める部分の断面二次モーメントをIpi(i=1,2・・・・,n)ととすると、ゴム層全体のねじり剛性は、式(2)で表される。
したがって、半径方向内側のゴム部材よりも、断面二次モーメントのより大きい半径方向外側のゴム部材の剪断弾性係数を高めた方が、ゴム層全体のねじり剛性に寄与させることができる。
上記のことから、ゴム層1を、弾性係数の異なる複数のゴム部材で構成し、半径方向外側のゴム部材の弾性係数をその内側のゴム部材の弾性係数より高くすることで、ゴム層1全体の弾性係数の低下にさほど影響を及ぼすことなく、ねじり剛性を高めことができ、このことによって、ねじり変形を抑制して局部剪断歪みを抑え耐久性を向上することができる。
なお、具体的な各ゴム部材3、4の半径方向の幅は、要求されるゴム層全体の弾性係数、許容される局部剪断歪み、および、ゴム層1をゴム部材3、4の弾性係数によって決めることができる。
図5は、他の実施形態として、2より多い数のゴム部材をを用いた場合の例として、5種のゴム部材を同心円状に配置したゴム層を示す平面図でり、このゴム層20においてゴム部材11、12、13、14、15は相互に弾性係数が異なっており、これらのうちどの2つをとっても、例えば、ゴム部材12とゴム部材13とをとった場合、半径方向外側のゴム部材13の方が半径方向内側のゴム部材12よりも弾性係数が高くなるよう配置されている。
1 ゴム層
2 剛性板
3、4 ゴム部材
5 外皮ゴム
6 フランジ
10 免震装置
11、12、13、14、15 ゴム部材
20 ゴム層
2 剛性板
3、4 ゴム部材
5 外皮ゴム
6 フランジ
10 免震装置
11、12、13、14、15 ゴム部材
20 ゴム層
Claims (1)
- 複数枚の円板状のゴム層と複数枚の剛性板とを軸方向に交互に積層してなる免震装置において、各ゴム層は、同心円で区切られた複数のゴム部材で構成され、互いに隣接するゴム部材は、内側のゴム部材の弾性係数が低く、外側のゴム部材の弾性係数が高いことを特徴とする免震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009025143A JP2010180959A (ja) | 2009-02-05 | 2009-02-05 | 免震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009025143A JP2010180959A (ja) | 2009-02-05 | 2009-02-05 | 免震装置 |
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JP2010180959A true JP2010180959A (ja) | 2010-08-19 |
Family
ID=42762667
Family Applications (1)
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JP2009025143A Pending JP2010180959A (ja) | 2009-02-05 | 2009-02-05 | 免震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010180959A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017006981A1 (ja) * | 2015-07-08 | 2017-01-12 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 燃料タンク、エンジン及び刈払機 |
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2009
- 2009-02-05 JP JP2009025143A patent/JP2010180959A/ja active Pending
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