JP2010180718A - ディーゼルエンジンの燃焼制御装置及び燃焼制御方法 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃焼制御装置及び燃焼制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃焼モードを移行させるときに、燃焼音が一時的に大きくなるのを防止し、且つ煤の増加を防止することができるディーゼルエンジンの燃焼制御装置及び燃焼制御方法を提供する。
【解決手段】ECU47は、ディーゼルエンジン1の負荷の変化に応じて燃焼室7内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つ燃料噴射タイミングを第1のタイミングと第2のタイミングの間で徐々に移行させて、移行経路L2に沿って拡散燃焼モードと予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路L2上の点P2と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、点P2よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼制御装置及び燃焼制御方法に関し、特に、拡散燃焼モードと予混合燃焼モードの2つの燃焼モードでディーゼルエンジンを制御する燃焼制御装置及び燃焼制御方法に関する。
従来から、ディーゼルエンジンの負荷に応じて、ディーゼルエンジンの燃焼室内での燃料の燃焼形態を制御するディーゼルエンジンの制御装置が知られている。燃料の燃焼形態としては、燃焼室内に燃料を噴射しながら燃料を燃焼させる拡散燃焼モードと、燃料を着火する前に燃焼室内で燃料を混合させる予混合燃焼モードがある。そしてこのようなディーゼルエンジンの制御装置は、ディーゼルエンジンの負荷に応じてこれらの燃焼モードを切り替えるようになっており、エンジンが高負荷下にあるときは拡散燃焼モードを用い、一方でエンジンが低負荷下にあるときは予混合燃焼モードを用いるようになっている。
このようなディーゼルエンジンの制御装置としては、燃焼モードを一方の燃焼モードから他方の燃焼モードに切り替えるときに、ディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するタイミングや量、及び燃焼室内の酸素濃度を制御して、窒素酸化物(NOx)、煤(Soot)、騒音(NVH:Noise Vibration Harshness)等の発生を抑制するものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2007−162544号公報
しかしながら、特許文献1のディーゼルエンジン制御装置では、例えば車両の加速時にエンジンの負荷が増加して、燃焼形態を予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させている間に燃焼室内の酸素濃度が過剰となってしまう。そして燃焼室内の酸素濃度が過剰となると、燃焼室内での燃焼が急峻になり、燃焼室内での燃料の燃焼音が一時的に大きくなってしまい、ドライバに違和感を与えるという問題があった。一方で、燃焼形態を拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させている間の燃焼音の増加を防ぐために、燃焼室内の酸素濃度を低下させると、煤が増加してしまうという問題があった。
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、拡散燃焼モードと予混合燃焼モードとの間で燃焼モードを移行させるときに、燃焼音が一時的に大きくなるのを防止し、且つ煤の増加を防止することができるディーゼルエンジンの燃焼制御装置及び燃焼制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングで当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングよりも早い第2のタイミングで燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードでディーゼルエンジンを制御するようになったディーゼルエンジンの燃焼制御装置であって、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御手段を備え、この燃焼モード制御手段は、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つ燃料噴射タイミングを第1のタイミングと第2のタイミングの間で徐々に移行させて、予め決定された移行経路に沿って拡散燃焼モードと予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、燃焼モード制御手段によって、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つ燃料噴射タイミングを第1のタイミングと第2のタイミングの間で徐々に移行させることができ、これにより、燃焼モードを予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間で往来させることができる。そして燃焼モード制御手段は、予め決定された移行経路に沿って燃焼モードを2つのモードの間で往来させるようになっている。また、この移行経路は、移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるようなっている。そして燃焼モード制御手段が、このような移行経路に沿って燃焼モードを移行させることによって、例えばエンジンの負荷が増加して、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行するときに、所定点の前では、酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を大きくし、所定点を越えた後に酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を小さくするようになる。これにより、所定点の前での酸素過剰状態による燃焼音の増加を防ぐことができ、且つ所定点の後での酸素不足状態による煤の増加を防ぐことができる。
また、本発明において、好ましくは、移行経路上には、所定点よりも拡散燃焼モード側にあり、燃焼モードを予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるときにNOxの増加を避けるように、酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合を大きくするためのNOx回避点があり、燃焼モード制御手段は、所定点と予混合燃焼モードの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点とNOx回避点との間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっている。
また、本発明において、好ましくは、移行経路は、予混合燃焼モードと所定点の間において傾きを有する。
このように構成された本発明によれば、移行経路における所定点と予混合燃焼モードの間に傾きがあるので、燃焼モードを予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるときの初期段階において燃料噴射タイミングの移行率が0となるのを防止することができ、これにより、燃焼モードの移行の初期段階において、酸素濃度の増加によって燃料噴射タイミングに対する適切な空燃比よりも空燃比が上昇するのを防止することができる。
また、本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングよりも早い第2のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードでディーゼルエンジンを制御するようになったディーゼルエンジンの燃焼制御装置であって、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御手段を備え、この燃焼モード制御手段は、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つパイロット噴射とメイン噴射のタイミングを徐々に変化させることでパイロット噴射とメイン噴射の燃料噴射間隔を徐々に変化させて、予め決定された移行経路に沿って拡散燃焼モードと予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、燃焼モード制御手段によって、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つパイロット噴射とメイン噴射のタイミングを徐々に変化させることでパイロット噴射とメイン噴射の燃料噴射間隔を徐々に変化させることができ、これにより、燃焼モードを予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間で往来させることができる。そして燃焼モード制御手段は、予め決定された移行経路に沿って燃焼モードを2つのモードの間で往来させるようになっている。また、この移行経路は、移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合よりも大きくなるようなっている。そして燃焼モード制御手段が、このような移行経路に沿って燃焼モードを移行させることによって、例えばエンジンの負荷が増加して、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行するときに、所定点の前では、酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を大きくし、所定点を越えた後に酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を小さくするようになる。これにより、所定点の前での酸素過剰状態による燃焼音の増加を防ぐことができ、且つ所定点の後での酸素不足状態による煤の増加を防ぐことができる。
また、本発明において、好ましくは、燃焼モード制御手段は、パイロット噴射とメイン噴射との間隔が、予混合燃焼モードの側よりも拡散燃焼モードの側で広くなるように燃料噴射のタイミングを制御するようになっている。
また、本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングで当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングよりも早い第2のタイミングで燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードでディーゼルエンジンを制御するためのディーゼルエンジンの燃焼制御方法であって、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御工程を備え、この燃焼モード制御工程では、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つ燃料噴射タイミングを第1のタイミングと第2のタイミングの間で徐々に移行させて、予め決定された移行経路に沿って拡散燃焼モードと予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、燃焼モード制御工程において、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つ燃料噴射タイミングを第1のタイミングと第2のタイミングの間で徐々に移行させることができ、これにより、燃焼モードを予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間で往来させることができる。そして燃焼モード制御工程では、予め決定された移行経路に沿って燃焼モードを2つのモードの間で往来させるようになっている。また、この移行経路は、移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるようなっている。そして燃焼モード制御工程において、このような移行経路に沿って燃焼モードを移行させることによって、例えばエンジンの負荷が増加して、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行するときに、所定点の前では、酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を大きくし、所定点を越えた後に酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を小さくするようになる。これにより、所定点の前での酸素過剰状態による燃焼音の増加を防ぐことができ、且つ所定点の後での酸素不足状態による煤の増加を防ぐことができる。
また、本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングよりも早い第2のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードでディーゼルエンジンを制御するようになったディーゼルエンジンの燃焼制御方法であって、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御工程を備え、この燃焼モード制御工程では、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つパイロット噴射とメイン噴射のタイミングを徐々に変化させることでパイロット噴射とメイン噴射の燃料噴射間隔を徐々に変化させて、予め決定された移行経路に沿って拡散燃焼モードと予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、燃焼モード制御工程において、ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度と第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つパイロット噴射とメイン噴射のタイミングを徐々に変化させることでパイロット噴射とメイン噴射の燃料噴射間隔を徐々に変化させることができ、これにより、燃焼モードを予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間で往来させることができる。そして燃焼モード制御工程では、予め決定された移行経路に沿って燃焼モードを2つのモードの間で往来させるようになっている。また、この移行経路は、移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合よりも大きくなるようなっている。そして燃焼モード制御工程において、このような移行経路に沿って燃焼モードを移行させることによって、例えばエンジンの負荷が増加して、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行するときに、所定点の前では、酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を大きくし、所定点を越えた後に酸素濃度の移行率に対する噴射タイミングの移行率を小さくするようになる。これにより、所定点の前での酸素過剰状態による燃焼音の増加を防ぐことができ、且つ所定点の後での酸素不足状態による煤の増加を防ぐことができる。
このように本発明によれば、拡散燃焼モードと予混合燃焼モードとの間で燃焼モードを移行させるときに、燃焼音が一時的に大きくなるのを防止し、且つ煤の増加を防止することができる。
本発明の実施形態によるディーゼルエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムを示す概略図である。 本発明の実施形態による、ディーゼルエンジンの状態に応じた、インジェクタの燃料噴射モードを示すマップである。 本発明の実施形態による、各燃焼モードを実行しているときの燃焼室内の酸素濃度の目標値を示すグラフである。 本発明の実施形態による、インジェクタのパイロット噴射とメイン噴射の噴射量とそのタイミングの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態によって、燃料噴射モードを予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間で移行させるときのマップである。 図5のマップの変形例である。 本発明の実施形態によって燃焼モードを移行させるときのECUの一連の処理を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による自動車の燃焼制御装置について説明する。図1は、ディーゼルエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムを示す概略図である。
図1に示すように、エンジンシステムは、ディーゼルエンジン1と、このディーゼルエンジン1から延びる吸気通路3及び排気通路5を有する。ディーゼルエンジン1は、多気筒式のディーゼルエンジンであり、燃焼室7と、この燃焼室7内で運動するピストン9と、所定のタイミングで燃焼室7内に燃料を噴射するインジェクタ11を備える。そして燃焼室7と吸気通路3の間には、吸気バルブ13が設けられており、さらに燃焼室7と排気通路5の間には、排気バルブ15が設けられている。
吸気通路3は、外気を取り込み、ディーゼルエンジン1の燃焼室7に供給するようになっている。吸気通路3には、その上流側から、吸気量を調整するための吸気絞り弁17、ターボ過給機19のコンプレッサ21、インタークーラ23、及びインタークーラ(I/C)通路絞り弁25が設けられている。そして吸気通路3は、マニフォルド27を介してディーゼルエンジン1の燃焼室7の吸気側に連通されている。
排気通路5は、ディーゼルエンジン1の排気を車外に排出するようになっている。この排気通路5には、その上流側から、ターボ過給機19のタービン29、排気中のHC、CO、NOx、煤等を酸化するための酸化触媒31、及び排気中の粒子状物質(PM)を捕集するためのDPF(Diesel Particulate Filter)33が設けられている。
また、吸気通路3と排気通路5の間には、第1EGR通路35と、第2EGR通路37が設けられている。第1EGR通路35は、DPF33の下流側からターボ過給機19のコンプレッサ21の上流側に排気を還流させるようになっている。具体的には、この第1EGR通路35は、DPF33の下流側から、吸気絞り弁17とターボ過給機19のコンプレッサ21の間まで延びている。そして第1EGR通路35には、排気の温度を下げる第1EGRクーラ39、及び排気の還流量を調節するための第1EGRバルブ41が設けられている。そして第1EGR通路35は、ディーゼルエンジン1の負荷が比較的高い、即ち燃料噴射量の多い高負荷運転領域で使用される。燃料噴射量が多く排気熱量の大きい高負荷運転領域では、タービン29下流から排気を還流する第1EGR通路35を使用することで、タービン29の前後での温度差を高めて、第2EGR通路37の使用に対してタービン29の効率を向上させ、燃費を改善することができる。
第2EGR通路37は、ディーゼルエンジン1の下流側から上流側に排気を還流させるようになっている。具体的には、第2EGR通路37は、ディーゼルエンジン1とターボ過給機19のタービン29の間から、I/C通路絞り弁25とマニフォルド27の間まで延びる。そして第2EGR通路37には、排気の温度を下げる第2EGRクーラ43、及び排気の還流量を調節するための第2EGRバルブ45が設けられている。なお、第2EGRクーラ43を省略しても良い。
そしてECU47が、ディーゼルエンジン1の吸気、排気、及び燃料の噴射を制御するようになっている。具体的には、ECU47は、吸気絞り弁17、及びI/C通路絞り弁25の開度を制御することで、ディーゼルエンジン1への吸気量を制御する。また、ECU47は、第1EGRバルブ41と第2EGRバルブ45の開度を制御することでディーゼルエンジン1に還流されるEGR量を制御する。そしてECU47は、吸気絞り弁17、I/C通路絞り弁25、第1EGRバルブ41、及び第2EGRバルブ45の開度を制御することによって、燃焼室7内の酸素濃度を制御するようになっている。
また、ECU47は、インジェクタ11を制御することによって、燃焼室7内へ燃料を供給するタイミング及び量を制御するようになっている。ECU47による各制御は、ピストン9のクランク角(CA)を検出するためのクランク角センサ49、吸気の圧力状態を検出するための吸気圧センサ51、排気の酸素濃度を検出するためのO2センサ53、ディーゼルエンジン1に流入される空気流量を検出するエアフローセンサ55、ディーゼルエンジン1に流入される空気の温度を検出する吸気温度センサ57、及びアクセル(図示せず)の踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ59の検出結果に基づいて行われる。また、DPF33の近くには、DPF33の上流側と下流側の差圧を検出する差圧センサ61が設けられており、DPF33によって捕集されているPMの量を検出することができるようになっている。
図2は、ディーゼルエンジンの状態に応じた、インジェクタの燃料噴射モードを示すマップである。この図2に示すように、ディーゼルエンジン1は、ディーゼルエンジン負荷とディーゼルエンジン回転数に応じて、拡散燃焼モードと予混合燃焼モード(PCI燃焼モード)の2種類の燃料噴射モードの間を往来するようになっている。
拡散燃焼モードでは、ECU47は、燃焼室7の圧縮工程においてピストン9が上死点近傍にあるときに、燃焼室7内に燃料が噴射されるようにインジェクタ11を制御する。これにより、高温の燃焼室7内に燃料が噴射される。そしてこのとき燃焼室7内の燃料の濃度は不均一な雰囲気となっているので、インジェクタ11による燃料の噴射と、燃料の着火が並行して行われる。
一方で、予混合燃焼モードでは、ECU47は、拡散燃焼モードよりも早いタイミングで燃焼室7内に燃料が噴射されるようにインジェクタ11を制御する。そして予混合燃焼モードでは、燃料が着火する前に、燃料の噴射を終える。これにより、燃料が着火する前に、燃料が均一な雰囲気を作り出すことができ、燃料と空気の当量比を比較的低くして燃料の不完全燃焼、又は煤の発生を抑制することができる。この予混合燃焼モードは、燃料を均一にするための時間を確保する必要があるため、ディーゼルエンジン負荷が比較的低く、且つディーゼルエンジン回転数が比較的少ない場合に使用される。そしてECU47は、ディーゼルエンジン負荷とディーゼルエンジン回転数に応じて、燃料の噴射形態を予混合燃焼モードと、拡散燃焼モードの間で切り替えるようになっている。
図3は、各燃焼モードを実行しているときの燃焼室内の酸素濃度の目標値を示すグラフであり、このグラフでは、X軸に酸素濃度移行率を示し、Y軸に燃焼室内の酸素濃度を示す。この図に示すように、拡散燃焼モードを実行するときの酸素濃度C1は、予混合燃焼モードを実行するときの酸素濃度C2よりも高くなっている。これは、拡散燃焼モードを実行しているときには、酸素の当量比が高くなる(酸素が少なくなる)と、CO、HC、又は煤が発生し易くなるので、燃焼室7内に供給される酸素の濃度を、予混合燃焼モードを実行する場合よりも高くして、不完全燃焼を抑制する必要があるからである。そして、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行するときは、経路L1に沿って燃焼室7内の酸素濃度を徐々に高くし、一方で、拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行するときは、経路L1に沿って燃焼室7内の酸素濃度を徐々に低くする。そして何れの場合も、酸素濃度の移行の全過程においてほぼ同じ変化率で移行するようになっており、経路L1は、ほぼ直線となる。そして以下では、拡散燃焼モードにおける酸素濃度移行率を0.0とし、予混合燃焼モードにおける酸素濃度移行率を1.0とする。そして、拡散燃焼モードと、予混合燃焼モードの間における酸素濃度移行率を、それぞれ経路L1の傾きに応じて4分割し、それぞれの点を0.25,0.50,及び0.75として示す。
図4は、インジェクタによるパイロット噴射とメイン噴射の噴射量とそのタイミングの関係を示すグラフであり、このグラフでは、X軸方向にディーゼルエンジン1のピストン9のクランク角度(CA)を示し、Y軸方向に燃料噴射量を示す。さらにこのグラフでは、予混合燃焼モードにおける燃料の噴射形態を噴射形態移行率1.0とし、さらに拡散燃焼モードにおける燃料の噴射形態を噴射形態移行率0.0とする。そしてこの図に示すように、予混合燃焼モードにおけるパイロット噴射の燃料噴射量と、拡散燃焼モードにおけるパイロット噴射の燃料噴射量が異なる。一方で、予混合燃焼モードにおけるメイン噴射の燃料噴射量と、拡散燃焼モードにおけるメイン噴射の燃料噴射量も異なり、両燃焼モードで同一のトルクを発生するように燃料の総噴射量を調整している。図4に示す一例においては、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行するときは、パイロット噴射の燃料噴射量を徐々に減らしながら、メイン噴射の燃料噴射量を徐々に増やす。さらにこのとき、パイロット噴射及びメイン噴射のタイミングを徐々に遅らせ、且つパイロット噴射とメイン噴射の間隔を徐々に広げる。一方で、拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行するときは、パイロット噴射の燃料噴射量を徐々に増やしながら、メイン噴射の燃料噴射量を徐々に減らす。さらにこのときパイロット噴射及びメイン噴射のタイミングを徐々に早め、且つパイロット噴射とメイン噴射の間隔を徐々に狭める。そして、拡散燃焼モードと、予混合燃焼モードの間における噴射形態移行率及び燃料噴射間隔の変化率を、それぞれ噴射される燃料の量及びタイミングに応じて4分割し、それぞれの点を0.25,0.50,及び0.75として示す。
そしてECU47は、燃焼室7内へ供給される酸素の濃度を徐々に変化させて酸素濃度を移行させながら、酸素濃度移行率に応じて燃料噴射の量及びタイミングを制御することで、予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間をスムーズに移行できるような制御を行う。
図5は、燃料噴射モードを予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間で移行させるときのマップを示す。このマップは、燃料噴射形態を一定とし、燃焼室内の酸素濃度を段階的に変化させる実験を行い、各々の酸素濃度値におけるNOx、NVH、及びSootの測定結果を合成したものである。このマップでは、X軸方向に酸素濃度移行率を示し、Y軸方向に噴射形態移行率を示し、さらに点(X,Y)=(0,0)を拡散燃焼モードとし、点(X,Y)=(1,1)を予混合燃焼モードとする。また、この図に示すように、NOxは酸素量が多い(EGR率が低い)状態で発生し、NVHは噴射形態が予混合燃焼寄りのままEGR率が低下した場合に悪化し、Sootは噴射形態が拡散燃焼寄り且つ酸素濃度が予混合燃焼寄りの時増加し、HCは酸素濃度が予混合燃焼付近で噴射形態が拡散燃焼側に移行した時に増加する。そしてECU47は、酸素濃度移行率と噴射形態移行率との関係が、NOx、NVH、Soot、及びHCが総合的に少なくなるような移行経路L2に沿って移動するように、燃焼室7内の酸素濃度に応じて燃料噴射の量及びタイミングを制御して噴射形態移行率を変化させる。
先ず、拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行するときの噴射形態移行率と酸素濃度移行率の関係について詳述する。燃焼モードを拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させる場合、先ず、酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を多くし、これによりSootの増加を抑制することができる。そしてこの状態で、酸素濃度移行率が0.3付近に達すると、ECU47は、移行経路L2上の点P1において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を少なくする。この点P1は、において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を少なくしてもSootの増加が生じず、さらにNVHの増加を防ぐことができる。そして、燃焼モードを拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させるときは、移行経路L2上の点P1以降は、酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合が少なくなるように噴射形態移行率を制御して、NVHの増加を防ぐ。そして、この状態で、酸素濃度移行率が0.9付近に達すると、ECUは、移行経路L2上の点P2において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を多くする。移行経路L2上の点P2において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を多くしてもNVHの増加が生じず、さらにHCの増加を防ぐことができる。そして、燃焼モードを拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させるときは、この点P2以降は、酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合が多くなるように噴射形態移行率を制御して、HCの増加を防ぐ。そしてこのとき、マップ上における点P2と予混合燃焼モードの間の酸素濃度移行率に対するタイミング移行率の割合が所定の傾斜を有しているのがよい。移行経路L2の予混合燃焼モード側の端部近傍を傾斜させることによって、燃焼モードを予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるときに、酸素濃度移行率だけが増加して、燃料噴射タイミングに対する適切な空燃比よりも燃焼室7内の空燃比が上昇するのを防止することができる。
次に、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行するときの噴射形態移行率と酸素濃度移行率の関係について詳述する。燃焼モードを予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させる場合、先ず、酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を多くし、これによりNVHの増加を抑制することができる。そしてこの状態で、酸素濃度移行率が0.9付近に達すると、ECU47は、点P2において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を少なくする。この点P2において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を少なくしてもNVHの増加が生じず、さらにSootの増加を防ぐことができる。そして、移行経路L2に沿って燃焼モードを予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるときは、この点P2以降は、酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合が少なくなるように噴射形態移行率を制御して、Sootの増加を防ぐ。そして、この状態で、酸素濃度移行率が0.3付近に達すると、ECUは、点P1において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を多くする。この点P1において酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合を多くしてもNOxの増加が生じず、さらにSootの増加を防ぐことができる。そして、燃焼モードを予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるときは、この点P1以降は、酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量の割合が多くなるように噴射形態移行率を制御して、NOxの増加を防ぐ。
上述のように、点P1は、拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させるときはSoot及びNVHの増加を防ぐことができ、且つ予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるときは、NOx及びSootの増加を防ぐことができる位置に設定される。さらに点P2は、拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させるときは、NVH及びHCの増加を防ぐことができ、且つ予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるときは、NVH及びSootの増加を防ぐことができる位置に設定される。そしてこのように点P2と予混合燃焼モードに移行するまでの間の酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量を、点P1と点P2の間の酸素濃度移行率の変化量に対する噴射形態移行率の変化量を大きくすることによって、予混合燃焼モードと拡散燃焼モードの間を移行する際に、NVHが大きくなるのを防止することができる。
図6は、図5のマップの変形例を示す。図6のマップでは、図5のマップと比較して、NOx及びNVHの領域が小さくなっており、その一方でSootの領域が大きくなっている。そしてECU47は、上記移行経路L2と同様の経路を示す移行経路L3に沿って、燃焼モードを移行させるようになっている。図6のマップは、インジェクタの燃料噴射圧を補正して、図5のマップを得たときよりも燃料噴射圧を低下させた結果、得られたマップである。燃料噴射圧を低下させると、燃料と空気の混合気形成速度が低下して、急峻な燃焼の原因となる混合気の局所的なストイキメオトリの発生を抑制することができ、NVHを減らすことができる。そして燃焼モードの移行時に燃料噴射圧を補正してNVHの領域を縮小させることで、燃焼モード移行時にNVHが増すのを防止することができ、燃焼モードの移行時にドライバに違和感を与えるのをより確実に防止することができる。そしてこのような処理は、特に、ディーゼルエンジン1の排気通路5に設けられたDPF33のPM捕集量が閾値に達していない状態で行われるのがよい。これによりSootの量が増したとしても、DPF33によってSootを捕集することができる。
図7は、燃焼モードを移行させるときのECUの一連の処理を示すフロー図である。尚、図7及び以下の説明において符号「S」は、「ステップ」を示す。
一連の処理が開始すると、S1においてECU47は、燃焼モードの移行要求があったか否かを判断する。この処理は、ECU47が、アクセル開度センサ59の検出結果を読み込むことで行われる。そして、アクセルが所定量以上踏まれた場合には、ディーゼルエンジン1の負荷が低負荷状態から高負荷状態に移行するため、燃焼モードを予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させる旨の移行要求があったと判断する。また、所定量以上踏まれていたアクセルの踏み込み量が、所定量未満となった場合には、ディーゼルエンジン1の負荷が高負荷状態から低負荷状態に移行するため、燃焼モードを拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させる旨の移行要求があったと判断する。そして何れかの移行要求があった場合には、ECU47は、S2以降の処理を行う。
S2においてECU47は、燃料噴射圧を補正する。この処理は、ECU47が差圧センサ61の検出結果を読み込み、DPF33のPM捕集量が閾値に達していない場合に行われる。そしてこの処理は、ECU47が、インジェクタ11による燃料噴射時の燃料噴射圧を所定値まで低下させることで行われる。これにより、上述のようにマップ上のNVHの領域を小さくすることができる。
次にS3においてECU47は、酸素濃度移行率に基づいて、噴射形態移移行率を制御する。具体的にはS3においてECU47は、アクセルの踏み込み量が所定量未満から所定量以上に増加していた場合には、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに移行させるための処理を行い、アクセルの踏み込み量が所定量以上から所定量未満まで減少していた場合には、拡散燃焼モードから予混合燃焼モードに移行させるための処理を行う。この処理では、先ずECU47が、第1EGRバルブ41及び第2EGRバルブ45、及び吸気絞り弁17及びI/C通路絞り弁25の開度を制御して、ディーゼルエンジン1の燃焼室7内の酸素濃度を制御する。これにより、燃焼室7内の酸素濃度を徐々に移行させる。このときECU47は、移行する方向に応じて燃焼室7内の酸素濃度を高め、又は低めるように第1EGRバルブ41及び第2EGRバルブ45の開度を制御する。これと同時にECU47は、O2センサ53による排気通路5内の酸素濃度の検出結果、吸気絞り弁17の開度等に基づいて、燃焼室7内の現在の酸素濃度を予測する。そしてECU47は、マップを参照して予測した酸素濃度に対応する噴射形態移行率を選択する。そしてECU47は、クランク角センサ49を監視しながら選択された噴射形態移行率に対応する燃料の噴射形態が実行されるようにインジェクタ11を制御する。そしてこの処理は、S4において燃焼モードの移行が完了したと判断されるまで繰り返し行われる。そして燃焼モードの移行時には、上述のようにNVHが増加しないようになっているため、ドライバに違和感を与えない。
そしてS5においてECU47は、S2において補正した燃料噴射圧を初期化して、一連の処理を終了する。
このように、本発明の実施形態によれば、燃焼モードを拡散燃焼モードと予混合燃焼モードの間で移行させるときに、一時的にNVHが増加するのを防止することができ、これによりドライバに違和感を与えるのを防止することができる。
尚、上述の一連の処理では、S2において燃料噴射圧を補正し、さらにS5において燃料噴射圧を初期化するようにしたが、これらの処理を行わなくとも、上述の効果を得ることができる。また、上記実施形態では、排気通路5に設けられたO2センサ53の検出結果に基づいて燃焼室7内の酸素濃度を予測するようにしたが、マニフォルド27内に酸素濃度検出センサを設け、このセンサの検出結果をECU47が読み込むようにしてもよい。
1 ディーゼルエンジン
7 燃焼室
47 ECU
2,L3 移行経路

Claims (7)

  1. ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングで当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ前記第1のタイミングよりも早い第2のタイミングで前記燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードで前記ディーゼルエンジンを制御するようになったディーゼルエンジンの燃焼制御装置であって、
    前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御手段を備え、
    この燃焼モード制御手段は、前記ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度と前記第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つ燃料噴射タイミングを前記第1のタイミングと前記第2のタイミングの間で徐々に移行させて、予め決定された移行経路に沿って前記拡散燃焼モードと前記予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていること、
    を特徴とするディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  2. 前記移行経路上には、前記所定点よりも拡散燃焼モード側にあり、前記燃焼モードを前記予混合燃焼モードから前記拡散燃焼モードに移行させるときにNOxの増加を避けるように、酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合を大きくするためのNOx回避点があり、
    前記燃焼モード制御手段は、前記所定点と予混合燃焼モードの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点と前記NOx回避点との間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっている請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  3. 前記移行経路は、予混合燃焼モードと前記所定点の間において傾きを有する請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  4. ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ前記第1のタイミングよりも早い第2のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って前記燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードで前記ディーゼルエンジンを制御するようになったディーゼルエンジンの燃焼制御装置であって、
    前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御手段を備え、
    この燃焼モード制御手段は、前記ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度と前記第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つパイロット噴射とメイン噴射のタイミングを徐々に変化させることでパイロット噴射とメイン噴射の燃料噴射間隔を徐々に変化させて、予め決定された移行経路に沿って前記拡散燃焼モードと前記予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていること、
    を特徴とするディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  5. 前記燃焼モード制御手段は、パイロット噴射とメイン噴射との間隔が、予混合燃焼モードの側よりも拡散燃焼モードの側で広くなるように燃料噴射のタイミングを制御するようになっている請求項4に記載のディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  6. ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングで当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ前記第1のタイミングよりも早い第2のタイミングで前記燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードで前記ディーゼルエンジンを制御するためのディーゼルエンジンの燃焼制御方法であって、
    前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御工程を備え、
    この燃焼モード制御工程では、前記ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度と前記第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つ燃料噴射タイミングを前記第1のタイミングと前記第2のタイミングの間で徐々に移行させて、予め決定された移行経路に沿って前記拡散燃焼モードと前記予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射タイミングの移行率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていること、
    を特徴とするディーゼルエンジンの燃焼制御方法。
  7. ディーゼルエンジンの燃焼室内の酸素濃度を第1の酸素濃度とし、且つ第1のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って当該燃焼室内に燃料を噴射する拡散燃焼モード、及び前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度よりも低い第2の酸素濃度とし、且つ前記第1のタイミングよりも早い第2のタイミングでパイロット噴射及びメイン噴射を行って前記燃焼室内に燃料を噴射する予混合燃焼モードの2つの燃焼モードで前記ディーゼルエンジンを制御するようになったディーゼルエンジンの燃焼制御方法であって、
    前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷以上の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを拡散燃焼モードとし、また、前記ディーゼルエンジンの負荷が所定負荷未満の場合に当該ディーゼルエンジンの燃焼モードを予混合燃焼モードとするように燃焼モードを制御する燃焼モード制御工程を備え、
    この燃焼モード制御工程では、前記ディーゼルエンジンの負荷の変化に応じて前記燃焼室内の酸素濃度を前記第1の酸素濃度と前記第2の酸素濃度との間で徐々に移行させ、且つパイロット噴射とメイン噴射のタイミングを徐々に変化させることでパイロット噴射とメイン噴射の燃料噴射間隔を徐々に変化させて、予め決定された移行経路に沿って前記拡散燃焼モードと前記予混合燃焼モードの間で燃焼モードを移行させるようになっており、さらに、この移行経路上の所定点と予混合燃焼モードとの間における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合が、当該所定点よりも拡散燃焼モードの側における酸素濃度の移行率に対する燃料噴射間隔の変化率の割合よりも大きくなるように燃焼モードを移行させるようになっていること、
    を特徴とするディーゼルエンジンの燃焼制御方法。
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