JP2010180693A - 杭の継手構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上杭1の下端と下杭2の上端とを突き合わせた状態で、上杭1の下端外周部と下杭2の上端外周部とに跨って外嵌自在な中リング10の外周部に、下側ほど小径の外テーパー面9を形成して、周方向に複数に分割して分割中リング10Aを形成し、杭の周方向に沿った溝5とその溝5に係合する係合凸部8とを、上杭1の下端外周部に対して中リング10の内周部、及び、下杭2の上端外周部に対して中リング10の内周部に、夫々振り分けて形成し、中リング10の外テーパー面9に外嵌自在な内テーパー面11を内周部に形成した外リング12を設け、中リング10に対する外リング12の抜け止めを行う抜け止め手段を設けてある。
【選択図】図1
Description
更に、中リングに対して外リングが抜け止め手段により抜け止めされるので、中リングから外リングが脱落するのを防止できる。
従って、上杭と下杭の連結は、現場での溶接を使わない機械的な連結で可能となるのみならず、その状態を、維持しやすくなった。
従って、簡単な構造と中リングに外リングを外嵌させるだけの簡単な操作で、杭の連結状態が維持できる。
従って、外リングによる中リング締め付け力を安定的に確保しながら、外リングが中リングから外れる虞を防止できる。
図1、図2に示すように、鋼管から成る上杭1と下杭2とを連結するに当たり、上杭1の下端外周部に周方向に沿った第1溝3を設けると共に、下杭2の上端外周部に周方向に沿った第2溝4を設け、第1溝3に係合する第1係合凸部6と第2溝4に係合する第2係合凸部7とを内周部に形成し、且つ、第2係合凸部7側ほど小径の外テーパー面9を外周部に形成した鋼製の中リング10を、周方向に複数に分割して分割中リング10Aを形成し、中リング10の外テーパー面9に外嵌自在な内テーパー面11を内周部に形成した一連の外リング12を鋼製で設け、上杭1の下端と下杭2の上端とを突き合わせて複数の分割中リング10Aを下端外周部と上端外周部とに亘って係合させた状態で、外リング12を中リング10に外嵌させることで、上杭1と下杭2とを連結する杭の継手構造を構成してある。
前記下杭2は、前記上杭1と同様に、鋼製の杭本体部13と、その杭本体部13の上端部に溶接により予め一体化してある鋼製の第2内リング部15とから構成し、その第2内リング部15に第2溝4が2本全周に形成してある。
そして、上杭1と下杭2を突き合わせる際には、一方の他端面部の回り止め用穴21に、予め回り止めピン20の大径部20Aを嵌入させて抜けにくくしておいて、他方の他端面部の回り止め用穴21に、回り止めピン20の小径部20Bを嵌合させることにより、上杭1と下杭2とを位置合わせするようにしてある。
これにより、上杭1と下杭2とは、相対的に軸心周りに回ることはなくなり、上杭1と下杭2とを軸心周りに一体的に駆動回転させながら立て込み作業をする時に有効になる。
また、溝5と係合凸部8とを中リング10に並べて設けると共に、それに対応する係合凸部8と溝5とを、第1内リング部14と第2内リング部15とに振り分けて設けてあっても良い。
図3に示すように、第1実施形態の構造に加えて、外リング12には、中リング10に対する外リング12の嵌め込み過ぎを阻止する拘束手段としてストッパー部19を、嵌め込み方向の後端部に、内側に向けて突出する状態で設けてある。これにより、外リング12の嵌合が進みすぎて中リング10を締め過ぎて、外リング12に過負荷がかかるのを防止するようにしてある。
図4に示すように、係止部17を抜け止め突起16が係合自在な凹部で形成して、中リング10の外周部で外リング12に対する嵌め込み方向の先端側に設けると共に、抜け止め突起16を外リング12の内周部で中リング10に対する嵌め込み方向の後端側に設け、中リング10の外周部で凹部よりも嵌め込み方向の先端側に、外テーパー面9よりも傾斜の急な案内ガイド部18を設け、中リング10に対する外リング12の嵌め込み過ぎを阻止するストッパー部19を、中リング10の嵌め込み方向の後端部に、外径側に突出させて設けてある。
係止部17を、外リング12又は中リング10の内の一方の嵌合方向の後端面に形成し、抜け止め突起16を、外リング12又は中リング10の内の他方の嵌合方向の先端側に設けてあってもよく、図5に示すように、この場合は、中リング10の上端面を係止部17に形成し、その係止部17に係止する抜け止め突起16を外リング12の上端側に形成し、突起案内ガイドを中リング10の上端側の周部に形成してある。
尚、ストッパー部19は、外リング12の下端部に配置してある。
前記中リング10に対する外リング12の抜け止めを行うための抜け止め手段として、前述の抜け止め突起16と係止部17の組み合わせに代えて、図17、図18に示す別実施形態では、外リング12の周部4箇所に貫通するメネジ孔25を設け、そのメネジ孔25に螺着自在なボルト26を設け、ボルト26の係止する係止部を中リング10の上端部に形成してある。
つまり、中リング10に対して外リング12を外嵌する際には、両者間には引っ掛かりなく相互にスムーズに嵌合でき、その嵌合後に、ボルト26をその先端部が外リング12のメネジ孔25を挿通するまで螺合させ、ボルト26の先端部を中リング10の上端部に係止させて、外リング12の確実な抜け止めを果たす。図中の27は、溶接時の裏当てリングである。
尚、ボルト26が係止する中リング10の係止部は、図17に示す中リング10の上端面に限らず、図19に示すように、中リング10の外周部に設けたボルト26の凹入可能な係止凹部28であっても良い。
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記抜け止め突起16は、全周に亘って設ける以外に、周方向に不連続なイボ状に設けてあっても良い。
〈2〉 前記抜け止め突起16は、縦断面形状が台形以外に、半円形でもよく、図5に示すように、嵌め込み方向の先端側ほど後端側よりも緩傾斜の面にしてあってもよく、この場合、抜け止め突起16を凹部に入れやすく、しかも、はめ込みすぎを防止するストッパー部19としての機能も具備する。
〈3〉 前記杭本体部13は、鋼製に代えて、コンクリート製のものであっても良い。
〈4〉 前記係止部17と抜け止め突起16との係合部は、外リング12と中リング10の杭軸方向の中間位置にあってもよい。
〈5〉 前記係止部17と抜け止め突起16は、図6〜図16に示すように、凹部からなる係止部17と抜け止め突起16との組み合わせの他、嵌合方向の後端面からなる係止部17と抜け止め突起16との組み合わせを、外リング12と中リング10に別々に振り分けて設けてあればよい。
〈6〉 また、ストッパー部19は、図3,4,5,15,16に示すように、外リング12の後端部、中リング10の後端部に設けるものでもよい。
〈7〉 ストッパー部19とテーパー状の案内ガイド部18とは、どちらか一方だけを設けてあってもよく、又は、両方を設けてあっても良い。
〈8〉 前記抜け止め手段として、前記ボルト26に代えて、図20、図21に示すように、外リング12に形成した貫通孔28に貫通させる抜け止めピン29、30を設け、その抜け止めピン29が係止する係止部を中リング10の上端部に形成してあってもよく、図20の抜け止めピン29は、先端部に係止突起31を形成し、その係止突起31が係止する被係止段部32を中リング10に形成し、図21の抜け止めピン30は、先端部にスリット33を形成し、中リング10には、抜け止めピン30の先端部が嵌入可能な凹部34を形成すると共に、抜け止めピン30を凹部34に嵌入させるに伴ってスリット33を開ける突起35を、前記凹部34内に設けて、抜け止めピン30が抜けないように構成してある。そこで、前記ボルト26及び抜け止めピン29,30を嵌入具と総称する。
2 下杭
5 溝
8 係合凸部
9 外テーパー面
10 中リング
10A 分割中リング
11 内テーパー面
12 外リング
16 抜け止め突起
17 係止部
18 案内ガイド部
19 ストッパー部
Claims (8)
- 上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせた状態で、上杭の下端外周部と下杭の上端外周部とに跨って外嵌自在な中リングを設け、上杭及び下杭に外嵌した前記中リングの外周部に下側ほど小径の外テーパー面を形成すると共に、周方向に複数に分割して分割中リングを形成し、杭の周方向に沿った溝とその溝に係合する係合凸部とを、上杭の下端外周部に対して前記中リングの内周部、及び、下杭の上端外周部に対して前記中リングの内周部に、夫々振り分けて形成し、前記中リングの外テーパー面に外嵌自在な内テーパー面を内周部に形成した外リングを設け、上杭の下端と下杭の上端とを突き合わせて複数の分割中リングを下端外周部と上端外周部とに亘って係合させた状態で、前記外リングを前記中リングに外嵌させることで、上杭と下杭とを連結する杭の継手構造であって、前記中リングに対する前記外リングの抜け止めを行う抜け止め手段を設けてある杭の継手構造。
- 前記抜け止め手段を構成するのに、抜け止め突起とその抜け止め突起が係止する係止部とを、前記外リングと前記中リングとの夫々の杭軸心方向の一部に振り分けて設けてある請求項1に記載の杭の継手構造。
- 前記外リングと前記中リングとを、相互の嵌め込みに伴う上杭と下杭の連結強度が所定値になるような両者の嵌合位置で、前記係止部に前記抜け止め突起が係止するように設定してある請求項2に記載の杭の継手構造。
- 前記係止部を凹部で形成して、前記外リングと前記中リングの内の一方に設けると共に、前記抜け止め突起を前記外リングと前記中リングの内の他方に設けてある請求項3に記載の杭の継手構造。
- 前記係止部を、前記外リング又は前記中リングの内の一方の嵌合方向の後端面に形成し、前記抜け止め突起を、前記外リング又は前記中リングの内の他方に設けてある請求項3に記載の杭の継手構造。
- 前記抜け止め手段を構成するに、前記外リングに対して径方向に貫通する嵌入具を設け、前記嵌入具の係止する係止部を前記中リングに設けてある請求項1に記載の杭の継手構造。
- 前記中リングと前記外リングとの相互の嵌合に伴う両者間の締め込み過ぎを防止する拘束手段を設けてある請求項1〜6のいずれか1項に記載の杭の継手構造。
- 前記外リングの上端内周部または前記中リングの下端外周部に、前記外リングと前記中リングの相互の嵌合操作を案内する案内ガイド部を形成してある請求項1〜7のいずれか一項に記載の杭の継手構造。
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