JP2010180592A - 防犯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の防犯性の向上とプライバシー確保との両立を図る。
【解決手段】建物10には、建物本体11と仕切り壁14との間に、水平方向に屋外に開放された開放空間としてのオープンスペースA0が設けられている。また、建物本体11と仕切り壁14との屋外側端部又は同端部付近に、建物外部からオープンスペースA0への視線を遮断可能なシャッタ装置20(開閉装置)が設けられている。本防犯システムにおいてコントローラは、シャッタ装置20の開閉状態を検出するとともに、オープンスペースA0における人の有無を検出する。また、コントローラは、シャッタ装置20の開閉状態の検出結果及びオープンスペースA0での人検出結果に基づいてシャッタ装置20の開閉制御を実施する。
【選択図】図4

Description

本発明は、防犯システムに関する。
従来、サービスヤードや中庭などの屋外スペースが建物本体に隣接して設けられたものがあり、かかる構成により、比較的狭小な敷地内に建物が構築されている所謂都市型住宅において、限られた敷地を最大限に生かしつつ住居等の建物における開放性を確保することが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、外部居住空間としてのサービスヤードが一階に設けられた住宅において、そのサービスヤードの周囲に目隠し構造物を設置することが開示されている。この目隠し構造物は可動式であり、必要に応じてサービスヤードの周囲に配置できるようになっている。すなわち、サービスヤードを開放的な空間として利用したい場合には、目隠し構造物を収納して建物と建物外部との開口部を広くするようにする。一方、サービスヤードを閉鎖的な空間として利用したい場合には、目隠し構造物を周囲に配置して建物外部からの視線を遮るようにする。目隠し構造物により閉鎖的な空間が形成された場合、目隠し構造物の存在により住人のプライバシーが確保されるとともに、建物外部からの不審者の侵入を抑制する効果が期待される。
特開2003−41866号公報
しかしながら、目隠し構造物を屋外スペースの周囲に配置して閉鎖的な空間を形成した場合、その目隠し構造物により屋外スペースにおいてプライバシー確保と不審者侵入の抑制とを図ることができる反面、一旦不審者が侵入してしまった場合には、目隠し構造物により建物外部から屋外スペースへの視線が遮断されてしまう。そのため、屋外スペースに侵入した不審者を建物外部から発見することが困難になるおそれがある。つまり、目隠し構造物により屋外スペースに建物外部からの死角が形成されてしまい、不審者にとって絶好の隠れ場になることが考えられる。
本発明は、上記事象に鑑みなされたものであり、建物の防犯性の向上とプライバシー確保との両立を図ることができる防犯システムを提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、互いに離間しかつ対向して設けられる2つの壁部間に、水平方向に屋外に開放された開放空間が設けられ、前記壁部の屋外側端部又は同端部付近(換言すると、開放空間と建物外部空間との境界部又はその付近)に、建物外部から前記開放空間への視線を遮断可能な開閉装置が設けられた建物に適用され、前記開閉装置の開閉状態を検出する開閉検出手段と、前記開放空間における人の有無を検出する人検出手段と、前記開閉検出手段による前記開閉装置の開閉状態の検出結果及び前記人検出手段による人検出結果に基づいて前記開閉装置の開閉制御を実施する開閉制御手段と、を備えることを特徴とする。
建物に、例えば中庭(内庭)などの開放空間を設けることで、比較的密集して設けられる所謂都市型住宅において建物の開放性が確保される反面、その開放空間の周囲が壁等に取り囲まれているために防犯性が低下することが懸念される。すなわち、開放空間の周囲の壁等により建物外部からの視線が遮断されるため、開放空間の中の様子を建物外部から見ることができない。そのため、開放空間に不審者が侵入した場合、その不審者を発見するのが困難になることが考えられる。その一方で、開放空間の少なくとも一部を建物外部と常に連通した状態にしておくと、建物外部からの視線が通過されるため、その開放空間や建物本体の中の様子が外部に曝け出されてしまい、住人のプライバシーの確保が困難になることが考えられる。
その点に鑑み、本発明は、建物外部から開放空間への視線を遮断可能な開閉装置を備える構成において、開閉装置の開閉状態と開放空間の滞在者の有無に基づいて開閉装置の開閉制御を実施する。こうすれば、建物外部から開放空間への視線を、開閉装置の開閉状態及び開放空間の滞在者の有無に応じて積極的に通過させ又は遮断することができる。これにより、防犯性向上とプライバシー確保との両立を図ることができる。
本発明において、前記開閉制御手段は、前記開閉検出手段により前記開閉装置が閉鎖状態であることが検出される第1条件、及び前記人検出手段により前記開放空間に人有りと検出される第2条件が成立している場合に前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態にするのが好ましい。開閉装置により建物外部から開放空間への視線が遮断され、かつ開放空間に人が滞在している場合に、開閉装置を閉鎖状態から開放状態に変更することにより、開放空間に潜む不審者の姿を建物外部に曝け出すことができる。これにより、防犯性を向上させることができる。
本発明において、前記建物は、前記開放空間を囲む壁部に設けられ該開放空間と屋内とを連通する窓設備と、同窓設備の施解錠を行うための施錠装置とを有し、前記窓設備の施解錠状態を検出する施解錠検出手段を備え、前記開閉制御手段は、前記第1条件及び前記第2条件に加え、前記施解錠検出手段により前記窓設備が施錠状態であることが検出される第3条件が成立している場合に前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態にしてもよい。開放空間に面する窓設備が施錠状態であるのにもかかわらず開放空間に進入者が存在している場合、その進入者は不審者である可能性が高い。したがって、窓設備が施錠状態の場合に開閉装置を閉鎖状態から開放状態に変更するという要件を加えることにより、住人等といった開放空間への進入が許容されている者に対する過度の警戒を抑制しつつ不審者に対する警戒を十分に行うことができる。
本発明において、前記開放空間を囲む壁部に設けられ該開放空間と屋内とを連通する窓設備から屋内へ侵入しようとしている者の有無を検出する侵入者検出手段を備え、前記開閉制御手段は、前記第1条件及び前記第2条件に加え、前記侵入者検出手段により前記窓設備から侵入しようとしている者が検出される第4条件が成立している場合に前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態にしてもよい。窓設備から屋内に侵入しようとする者に対して開閉装置による威嚇を行うことにより、開放空間への進入が許容されている者(住人等)に対する過度の警戒を抑制しつつ不審者に対する警戒を十分に行うことができる。
本発明において、前記開放空間を囲む壁部に設けられ該開放空間と屋内とを連通する窓設備に、前記開放空間から建物内部への視線を遮断可能な窓部開閉装置が設けられており、前記開閉制御手段は、前記第1条件及び前記第2条件が成立している場合に前記窓部開閉装置を閉鎖状態にしてもよい。この構成によれば、内部開閉装置が閉鎖状態になることにより、開放空間の滞在者が建物開口部から建物内に侵入するのを抑制することができ、これにより、防犯性を高めることができる。
本発明において、前記開閉装置は、電動式のシャッタカーテンにより建物外部から前記開放空間への視線を遮断するシャッタ装置であり、前記開閉制御手段は、前記開閉装置の開閉制御として、前記シャッタカーテンの閉鎖状態と開放状態とを切り替えるのが好ましい。シャッタカーテンが閉鎖状態であると、開放空間の中の様子を建物外部から視認できないところ、シャッタカーテンを開放状態とすることにより、開放空間の様子を視認することができ、開放空間内の不審者を外部に曝すことができる。また、シャッタカーテンを閉鎖状態から開放状態に切り替えることにより、開放性の高い空間を容易にかつ速やかに作り出すことができ、不審者に対する威嚇効果を好適に得ることができる。
本発明において、前記開閉装置は、同開閉装置の少なくとも一部が複数のスラットからなるルーバとして構成されており、前記開閉制御手段は、前記開閉装置の開閉制御として前記スラットの開度を変更してもよい。この構成によれば、開閉装置の開閉状態と開放空間における滞在者の有無に基づいてスラットの開度が変更されるため、建物外部から開放空間への視線を、開閉装置の開閉状態及び開放空間における滞在者の有無に応じて積極的に通過させ又は遮断することができる。その結果、防犯性を向上させることができる。
開閉装置が複数のスラットを備える構成において、前記開閉制御手段は、前記開閉検出手段により前記開閉装置が閉鎖状態であることが検出される第1条件、及び前記人検出手段により前記開放空間に人有りと検出される第2条件が成立している場合に前記スラットの開度を開側に変更するとよい。この構成によれば、開閉装置により建物外部から開放空間への視線が遮断され、かつ開放空間に人が滞在している場合にスラットを開側に変更することにより、スラット間の隙間から開放空間に潜む不審者の姿を建物外部に曝け出すことができる。
防犯システムを備える建物の概略を示す外観斜視図。 建物の概略を示す平面図。(a)は一階部分を示し、(b)は二階部分を示す。 シャッタ装置の概略構成及び本防犯システムの電気的構成を示す図。 シャッタカーテンの各種形態を説明するための模式図。(a)はシャッタカーテンの閉鎖状態を示し、(b)はシャッタカーテンの開放状態を示す。 シャッタ防犯処理の処理手順を示すフローチャート。 他の実施形態の図。 他の実施形態の図。
以下に、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に、本実施形態の防犯システムを備える二階建て建物の概要を示す。なお、図1は、建物の外観斜視図であり、図2のうち(a)は建物の一階部分の平面図であり、(b)は建物の二階部分の平面図である。
図1に示すように、建物10は二階建て住宅として構築されており、居住空間を形成する建物本体11には玄関12や窓部13などが設けられている。また、建物10は、建物本体11に対面して立設する仕切り壁14を備えている。建物本体11と仕切り壁14との間には、例えば中庭(内庭)などとして利用される非居住空間としてのオープンスペースA0が形成されている。
本実施形態においてオープンスペースA0は、高さ方向及び水平方向に屋外に開放された空間になっており、建物本体11の一階部分と仕切り壁14との間の領域が中庭A1になっている(図2(a)参照)。中庭A1について本実施形態では、住人によって多目的に利用されるスペースになっており、例えば娯楽や植栽、物干し場、駐車などに利用される。中庭A1は、建物本体11の一階部分に設けられた例えば腰高窓などの窓部13aに面しており、この窓部13aにおいて、施錠装置18aにより施解錠可能な引き違い式のガラス戸が配置されている。
一方、建物本体11の二階部分と仕切り壁14との間の領域には、図2(b)に示すように、オープンスペースA0の一部に、建物本体11の外壁よりも張り出した屋外床よりなるバルコニー15が設けられており、屋外床、腰壁16及び仕切り壁14に囲まれた空間(バルコニー空間A2)に、人が存在可能なスペースが形成されている。バルコニー15は、建物本体11の二階部分に設けられた例えば掃出窓などの窓部13bに面しており、この窓部13bにおいて、施錠装置18bにより施解錠可能な引き違い式のガラス戸が配置されている。なお、オープンスペースA0の二階部分は、バルコニー15を除くスペースが吹き抜けになっており、中庭A1と建物10上方の空間とが連通した状態になっている。
オープンスペースA0の正面と背面には、図2(a)及び(b)に示すように、建物本体11と仕切り壁14の端部とを挟む空間に開口部17a,17bがそれぞれ形成されており、開口部17a,17bを通じて建物外部の地上面から中庭A1への人の出入りが可能になっている。この開口部17a,17b、すなわち建物本体11及び仕切り壁14の屋外側端部には、電動式のシャッタ装置20が各々設けられている。シャッタ装置20は、開口部17a,17bにおいて、一階部分と二階部分とにそれぞれ別個に設けられており、一階部分の開閉と二階部分の開閉とを独立して実施できるようになっている。すなわち、本実施形態では、オープンスペースA0の正面一階部分及び二階部分、背面一階部分及び二階部分の合計4箇所にシャッタ装置20(20a1,20a2,20b1,20b2)が設けられており、各々のシャッタ装置20a1,20a2,20b1,20b2が独立して開閉制御される。
シャッタ装置20(20a1,20a2,20b1,20b2)の具体的構成について説明する。なお、以下、4つのシャッタ装置20a1,20a2,20b1,20b2の全部を示す場合に便宜上シャッタ装置20と記載する。
図3は、シャッタ装置20の概略構成及び本防犯システムの電気的構成を示す図である。図3に示すように、シャッタ装置20は、開口部17a,17bに取り付けられたシャッタケース21と、シャッタケース21内に巻き取られた状態で収納されるシャッタカーテン22とが設けられている。また、シャッタカーテン22にはモータ等の駆動装置23が連結されており、その駆動装置23の駆動によりシャッタカーテン22が上下移動される。つまり、シャッタ装置20によれば、シャッタカーテン22がシャッタケース21から引き出されることにより開口部17a,17bが閉鎖され、シャッタカーテン22がシャッタケース21内に巻き取られることにより開口部17a,17bが開放される。
次に、本防犯システムの電気的構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、本防犯システムには、シャッタ装置20の他に、シャッタカーテン22の開閉状態を検出する開閉センサ24や、人の有無を検出する人感センサ25などの各種センサが設けられている。シャッタ装置20及び各種センサは、システム全体を制御するコントローラ30に電気的に接続されている。
詳細には、開閉センサ24は、シャッタカーテン22の開閉状態を示す検出信号をコントローラ30に逐次出力するものであり、例えば接触式やマグネット式のセンサとして構成されている。開閉センサ24は、開口部17a,17bの一階部分及び二階部分にそれぞれ設けられている。この開閉センサ24により、4つのシャッタ装置20におけるそれぞれのシャッタカーテン22が、シャッタケース21から引き出された閉鎖状態か、あるいはシャッタケース21内に巻き取られた開放状態かが個別に検出される。
人感センサ25は、検出エリア内での人の有無を示す人検出信号をコントローラ30に逐次出力するものであり、仕切り壁14や建物本体11の外壁に取り付けられた例えば赤外線センサとして構成されている。本実施形態では、中庭A1の全領域を人検出エリアとする第1センサ25aと、バルコニー空間A2を人検出エリアとする第2センサ25bとが設けられている。この第1センサ25aにより中庭A1での人の有無が検出され、第2センサ25bによりバルコニー15での人の有無が検出される。
コントローラ30は、シャッタ装置20におけるシャッタカーテン22の開閉制御を実施する。具体的には、コントローラ30は、開閉センサ24や人感センサ25等から各々検出信号を入力し、入力した各種検出信号に基づいてシャッタ装置20の駆動装置23にそれぞれ制御信号を出力する。これにより、駆動装置23が個別に駆動され、シャッタカーテン22の開閉状態が個別に制御される。
以下、シャッタカーテン22の開閉制御による防犯処理ついて詳細に説明する。
オープンスペースA0では、シャッタカーテン22が開放状態になることにより建物外部に対し水平方向に開放された空間となり、建物10において開放性が確保される。一方、シャッタカーテン22が閉鎖状態(全閉状態)になることにより、オープンスペースA0が、正面及び背面のシャッタカーテン22、建物本体11及び仕切り壁14によりその四方が取り囲まれる。これにより、オープンスペースA0に閉空間が形成され、その閉空間において住人のプライバシーが確保される。その反面、シャッタカーテン22により形成された閉空間の様子を建物外部から視認できなくなる。そのため、シャッタカーテン22が閉鎖状態にあるときに、不審者が、例えば建物本体11の屋根部を渡って降りてきたり、仕切り壁14を乗り越えたりすることにより中庭A1やバルコニー空間A2に侵入した場合、その不審者を建物外部から発見することができないおそれがある。すなわち、シャッタカーテン22によりオープンスペースA0が閉空間となることで、中庭A1やバルコニー空間A2が不審者にとって絶好の隠れ場となることが懸念される。更には、窓部13a,13bが不審者にとって建物本体11内への絶好の侵入場所になることも考えられる。
その一方で、シャッタカーテン22を開放状態にしたままにしてオープンスペースA0を常に建物外部と連通した状態にしておくと、建物外部からの視線が通過されるため、オープンスペースA0や建物本体11の中の様子が外部に曝け出されてしまう。かかる場合、住人のプライバシーの確保が困難になる。また、不審者が開口部17a,17bからオープンスペースA0の中に容易に侵入してしまい、防犯性の低下を招いてしまう。
そこで、本実施形態では、シャッタカーテン22が閉鎖状態であること(第1条件)、及び人感センサ25により人有りと検出されていること(第2条件)の両条件が成立した場合に、シャッタ装置20の駆動装置23を駆動してシャッタカーテン22を開放状態(全開状態)にする。これにより、オープンスペースA0において建物外部からの見通しが良好になるようにする。
図4は、シャッタカーテン22の各種形態を説明するための模式図である。図4のうち(a)はシャッタカーテン22の閉鎖状態を示し、(b)はシャッタカーテン22の開放状態を示す。
図4(a)に示すように、一階部分及び二階部分においてシャッタ装置20のシャッタカーテン22が閉鎖状態の場合、シャッタカーテン22によって建物外部からオープンスペースA0への視線が遮断されるため、オープンスペースA0の様子を建物外部から視認することができない。かかる場合、オープンスペースA0に不審者Pが侵入していたとしても、その不審者Pを建物外部から見付けることができない。
これに対し、中庭A1又はバルコニー空間A2に人有りと検出されている場合に、一階部分及び二階部分のシャッタカーテン22がシャッタケース21内に収納されて開放状態になると、図4(b)に示すように、建物外部からオープンスペースA0への視線が遮断されなくなるため、建物外部からオープンスペースA0を見通すことが可能になる。これにより、オープンスペースA0において建物外部からの視認性が良好になり、中庭A1やバルコニー空間A2に滞在する不審者Pを建物外部から容易に発見可能になる。また、シャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にすることにより不審者Pの意表を突くことができ、不審者に対する威嚇が可能になる。
なお、シャッタカーテン22を開放状態にする際、本実施形態では、全てのシャッタ装置20(20a1,20a2,20b1,20b2)のシャッタカーテン22を開放状態にする。これにより、建物10の開放性をできるだけ高くし、オープンスペースA0において不審者の隠れ場が形成されないようにする。
次に、コントローラ30によって実行されるシャッタ装置20の開閉制御による防犯処理(シャッタ防犯処理)について図5のフローチャートを用いて説明する。この処理は、所定の時間周期で実行される。
図5において、まずステップS11では、開閉センサ24からの検出信号に基づいて第1条件が成立しているか否か、つまりシャッタカーテン22が閉鎖状態であるか否かを判定する。本実施形態では、いずれかのシャッタ装置20におけるシャッタカーテン22が閉鎖状態であれば、第1条件が成立しているものと判定する。第1条件が成立している場合には、ステップS12へ進み、人感センサ25(第1センサ25a及び第2センサ25b)からの人検出信号に基づいて第2条件が成立しているか否か、つまり中庭A1及びバルコニー空間A2のいずれかで人有りの旨の人検出がなされているか否かを判定する。第2条件が成立している場合には、ステップS13へ進み、閉鎖状態になっているシャッタカーテン22の駆動装置23を駆動することにより、そのシャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする。これにより、オープンスペースA0の全てのシャッタカーテン22が開放状態となり、オープンスペースA0の見通しが良好になる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
シャッタカーテン22が閉鎖状態であること(第1条件)、及び中庭A1又はバルコニー空間A2に侵入者ありと検出されていること(第2条件)が成立している場合にシャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする構成としたため、建物外部からオープンスペースA0への視線を、シャッタカーテン22の開閉状態と、中庭A1やバルコニー空間A2での滞在者の有無とに応じて積極的に通過させ又は遮断させることができる。つまり、シャッタカーテン22により建物外部からの視線が遮断され、かつオープンスペースA0に人が滞在している場合に、シャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態に変更することにより、中庭A1やバルコニー空間A2に潜む不審者の姿を建物外部に曝け出すことができる。
また、シャッタカーテン22の開閉状態とオープンスペースA0での滞在者の有無により必要に応じてシャッタカーテン22を開放状態にするため、シャッタカーテン22を常時開放状態にしておく必要もないし、常時閉鎖状態にしておく必要もない。したがって、住人の要求に応じてシャッタカーテン22の閉鎖状態と開放状態とを作り出すことができ、これにより、防犯性向上とプライバシー確保とを両立させることができる。
また、シャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態に切り替えるため、開放性の高い空間を容易にかつ速やかに作り出すことができ、不審者に対する威嚇効果が高い。また、シャッタカーテン22が巻き取られる際にシャッタカーテン22から音が発せられる場合には、その音により不審者を威嚇することができる。
閉鎖状態のシャッタカーテン22を開放状態にする際、全てのシャッタ装置20のシャッタカーテン22を開放状態にする構成としたため、建物10の開放性をできるだけ高くすることができ、不審者の発見を容易にすることができる。また、オープンスペースA0において不審者の隠れ場が形成されないようにすることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記の実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・第1条件及び第2条件に加え、更に、窓部13a,13bの施解錠状態に基づいてシャッタ装置20の開閉制御を実施する構成とする。このとき、窓部13a,13bが施錠状態であるとする第3条件が成立している場合にシャッタカーテン22を開放状態にするとよい。具体的には、コントローラ30は、窓部13a,13bの施錠装置18a,18bに電気的に接続されており(図3参照)、施錠装置18a,18bから入力される検出信号に基づいて施錠装置18a,18bの施解錠状態を識別する。そして、第1条件及び第2条件が成立し、かつ施錠装置18a,18bから施錠状態であることが入力されている場合(第3条件が成立している場合)に、シャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする。窓部13a,13bが施錠状態であるのにもかかわらずオープンスペースA0に進入者が存在している場合、その進入者は不審者である可能性が高い。したがって、第3条件を加えて開閉制御を実施することにより、住人等のオープンスペースA0への進入が許容されている者に対する過度の警戒を抑制しつつ不審者に対する警戒を十分に行うことができる。
・第1条件及び第2条件に加え、更に、建物本体11のうちオープンスペースA0に面して設けられた窓部13a,13bから建物本体11内に侵入しようとしている者が検出されていること(第4条件)が成立している場合にシャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする構成とする。窓部13a,13bから建物本体11に侵入しようとする者に対してシャッタ装置20の開閉制御による威嚇を行うことにより、オープンスペースA0への進入が許容されている者(住人等)に対する警告を行わないようにしつつ、同進入が許容されていない者(不審者)に対する警告を実施することができる。
具体的には、図6に示すように、窓部13a,13bの近傍領域を検出エリアとする人検出センサ41(侵入者検出手段)を設ける。人検出センサ41により人有りの検出がなされていない場合には、図6(a)に示すように、中庭A1又はバルコニー空間A2に侵入者ありと検出されているときであっても、シャッタカーテン22を閉鎖状態のままにする。一方、人検出センサ41により人有りの検出がなされた場合には、中庭A1又はバルコニー空間A2への侵入者Pが窓部13a,13bに近付いて建物本体11内に侵入しようとしている、つまり第4条件が成立していると判定し、図6(b)に示すように、シャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする。
あるいは、侵入者検出手段として、窓部13a,13bに人が接触したことを検出するタッチセンサや、窓部13a,13bが振動されたことを検出する振動センサを設け、それらのセンサに基づいて中庭A1又はバルコニー空間A2への侵入者が窓部13a,13bから建物本体11内に侵入しようとしているものと判断する。
なお、第4条件の成立状況に応じてシャッタ装置20の開閉制御を実施する構成において、更に第3条件の成立状況に応じて同開閉制御を実施するとよい。すなわち、窓部13a,13bが施錠状態であるのにもかかわらず、窓部13a,13bに接近したり接触したり、あるいは窓部13a,13bに振動を与えたりする者は不審者である可能性が高い。したがって、第1〜第4条件の全てが成立した場合にシャッタ装置20を閉鎖状態から開放状態にすることにより、住人に対する過度の警戒を抑制しつつ不審者に対する警戒を十分に行うといった効果を好適に実現できる。
・人感センサ25により人有りと検出された場合に、全てのシャッタカーテン22を開放状態にする構成としたが、一部のシャッタカーテン22を開放状態にする構成としてもよい。例えば、人感センサ25のうち第1センサ25aにより人有りと検出された場合に、一階部分のシャッタカーテン22だけを閉鎖状態から開放状態にする。一方、第2センサ25bにより人有りと検出された場合には、二階部分のシャッタカーテン22だけを閉鎖状態から開放状態にする。
・人感センサ25により人有りと検出された場合に一部のシャッタカーテン22を開放状態にする構成において、オープンスペースA0の正面側及び背面側のいずれかのシャッタ装置20のシャッタカーテン22のみを開放状態にする。例えば、オープンスペースA0の正面側の方が背面側よりも人通りが多いことを考慮し、オープンスペースA0の正面側のシャッタカーテン22のみを開放状態にする。
・開口部17a,17bにおいて一階部分と二階部分とにシャッタ装置20を別個に設ける構成としたが、これを変更し、一階部分及び二階部分のいずれかにシャッタ装置20を設ける構成とする。例えば、一階部分にのみシャッタ装置20を設けた場合、中庭A1の人の有無に基づいて同シャッタ装置20の開閉制御を実施する。一方、二階部分にのみシャッタ装置20設けた場合、バルコニー空間A2の人の有無に基づいて同シャッタ装置20の開閉制御を実施する。
あるいは、一階部分と二階部分との開閉を同時に実施可能な1つのシャッタ装置を開口部17a,17bに設ける構成としてもよい。かかる場合、例えば中庭A1及びバルコニー空間A2のいずれかで人有りと検出されたときに同シャッタ装置を開放状態にする。
・人感センサ25により人有りと検出されていることを条件にシャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする構成としたが、これを変更し、人感センサ25により人有りと検出された状態が所定時間継続した時点でシャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする構成とする。つまり、中庭A1又はバルコニー空間A2での滞在を許可する時間を定めておき、その滞在許可時間が経過した時点でシャッタカーテン22を開放状態にする。こうすることで、人感センサ25の誤検出に起因するシャッタ装置20の誤作動を抑制することができる。また、シャッタ装置20が過度に開閉制御されるのを抑制することができる。
・建物本体11と仕切り壁14との間の開口部17a,17bにシャッタ装置20を設け、そのシャッタ装置20におけるシャッタカーテン22の開閉制御を行う構成としたが、開口部17a,17b及びシャッタ装置20の数や設置場所については上記に限定しない。例えば、図7に示すように、建物本体11において対向する2つの外壁19,19間に、水平方向に屋外に開放された中庭A1が形成されている場合、その中庭A1の開口部17にシャッタ装置20を設置する。この構成においても上記実施形態と同様の効果が得られる。
・建物本体11においてオープンスペースA0に対面しない位置に設けられた建物開口部(例えば、玄関12や窓部13)からの侵入者の有無を検出する検出手段を設け、その検出手段により玄関12等からの侵入者有りと検出された場合にシャッタ装置20を開放状態にする構成とする。こうすることにより、建物外周からの侵入者に対しても威嚇することができる。
・人感センサ25として、オープンスペースA0の上部(例えば、建物本体11の屋根部近傍又は仕切り壁14の上端部近傍)を人検出エリアとする第3センサを設け、第3センサにより人有りの旨が検出された場合にシャッタ装置20を開放状態にする。建物本体11の屋根部からオープンスペースA0に進入する者や、仕切り壁14を乗り越えてオープンスペースA0に進入する者、つまりオープンスペースA0の上部からの進入者は、正規でない進入経路から建物本体11内に進入する者であり、建物本体11への進入が許容されていない者(不審者)である可能性が高い。したがって、オープンスペースA0の上部からの進入者の有無に基づいてシャッタ装置20の開閉制御を実施することにより、不審者に対する警戒を確実に行いつつ、住人に対する威嚇を抑制することができる。
・オープンスペースA0に対面する窓部13a,13bに、コントローラ30からの駆動信号に基づいて開閉可能なシャッタカーテンを有する窓シャッタ42(図7参照)を設け、開口部17a,17bに配置されたシャッタ装置20が閉鎖状態であり(第1条件)、かつオープンスペースA0で人有りの検出がなされている(第2条件)場合に窓シャッタ42を閉鎖状態にする。こうすることにより、中庭A1やバルコニー空間A2に滞在している不審者が、窓部13a,13bから建物本体11内へ侵入するのを好適に抑制することができる。
・窓部13a,13bに窓シャッタ42を備える構成において、開口部17a,17bからの侵入者を検出するセンサ等の検出手段を設け、その検出手段により開口部17からの侵入者有りと検出された場合に窓シャッタ42を閉鎖状態にする。
・シャッタ装置20のシャッタカーテン22を、複数のスラットが上下方向に配置されたルーバとして構成し、同スラットの回動角度をコントローラ30により調整可能にする。具体的には、スラットの回動を行うための駆動装置(モータ等)を設け、その駆動装置に対しコントローラ30が駆動信号を出力することにより、駆動装置を駆動してスラットの回動角度(傾斜角度)を調整する。かかる構成において、第1条件及び第2条件が成立している場合に、シャッタカーテン22を閉鎖状態から開放状態にする構成に代えてスラットの開き度合いを大きくする(遮蔽度を下げる)構成とする。具体的には、スラット間の隙間がゼロ又は最小(スラット開度範囲が予め定められている場合はその最小値)となる全閉状態のときに第1条件及び第2条件が成立している場合、シャッタカーテン22のスラットの開閉状態を、スラット間の隙間が最大(スラット開度範囲が予め定められている場合はその最大値)となる全開状態に変更する。こうすることにより、オープンスペースA0の様子を、スラット間の隙間を通じて建物外部から視認することができ、その結果、オープンスペースA0に侵入した不審者の発見を容易に行うことができる。
・シャッタカーテン22が複数のスラットからなるルーバとして構成されている場合、第1条件及び第2条件の成立結果に基づいてスラットの開閉状態を変更する際に、そのスラットの回動角度を、玄関12や窓部13の施解錠状態や時間帯、季節などに応じて変更する。例えば、玄関12や窓部13が施錠状態の場合には、解錠状態の場合に比べ、スラットの回動角度がより大きくなるようにする(遮蔽度がより小さくなるようにする)。
・オープンスペースA0への進入者が住人であることを識別可能な手段を設け、同進入者が住人であることが検出された場合には、第1条件及び第2条件の成立時であってもシャッタ装置20を閉鎖状態のままにする構成とする。具体的には、コントローラ30は、住人に携帯され固有の識別情報(ID情報)が記憶された電子キーとの間で無線通信が可能に構成されている。第1条件及び第2条件が成立している場合に電子キーからの受信情報(キーID)によるユーザ認証を行い、キーIDが正規IDであればその進入者が住人であると判定し、シャッタ装置20の閉鎖状態を維持する。一方、第1条件及び第2条件が成立している場合にキーIDが入力されないか、又はユーザ認証によりキーIDが正規IDでないと判定されれば、その進入者は不審者であると判定し、シャッタ装置20を閉鎖状態から開放状態に変更する。
・音や光などによる警告を発する警告手段を設け、第1条件及び第2条件の成立に伴いシャッタ装置20を開放状態にする場合に、警告手段により警告を発する構成としてもよい。
・開閉装置をシャッタ装置20として説明したが、屋外からオープンスペースA0への視線を遮断可能なものであればシャッタ装置20に限定しない。例えば、可動式の壁部材やドアなどとしてもよい。また、上下開閉するシャッタ装置20について説明したが、左右に開閉する横開閉式のシャッタ装置を本発明に適用してもよい。
10…建物、11…建物本体、13a,13b…窓部(窓設備)、14…仕切り壁(壁部)、17a,17b…開口部、18a,18b…施錠装置、20…シャッタ装置(開閉装置)、22…シャッタカーテン、24…開閉センサ(開閉検出手段)、25…人感センサ(人検出手段)、30…コントローラ(開閉制御手段、施解錠検出手段)、41…人検出センサ(侵入者検出手段)、42…窓シャッタ(窓部開閉装置)。

Claims (8)

  1. 互いに離間しかつ対向して設けられる2つの壁部間に、水平方向に屋外に開放された開放空間が設けられ、前記壁部の屋外側端部又は同端部付近に、建物外部から前記開放空間への視線を遮断可能な開閉装置が設けられた建物に適用され、
    前記開閉装置の開閉状態を検出する開閉検出手段と、
    前記開放空間における人の有無を検出する人検出手段と、
    前記開閉検出手段による前記開閉装置の開閉状態の検出結果及び前記人検出手段による人検出結果に基づいて前記開閉装置の開閉制御を実施する開閉制御手段と、
    を備えることを特徴とする防犯システム。
  2. 前記開閉制御手段は、前記開閉検出手段により前記開閉装置が閉鎖状態であることが検出される第1条件、及び前記人検出手段により前記開放空間に人有りと検出される第2条件が成立している場合に前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態にする請求項1に記載の防犯システム。
  3. 前記建物は、前記開放空間を囲む壁部に設けられ該開放空間と屋内とを連通する窓設備と、同窓設備の施解錠を行うための施錠装置とを有し、
    前記窓設備の施解錠状態を検出する施解錠検出手段を備え、
    前記開閉制御手段は、前記第1条件及び前記第2条件に加え、前記施解錠検出手段により前記窓設備が施錠状態であることが検出される第3条件が成立している場合に前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態にする請求項2に記載の防犯システム。
  4. 前記開放空間を囲む壁部に設けられ該開放空間と屋内とを連通する窓設備から屋内へ侵入しようとしている者の有無を検出する侵入者検出手段を備え、
    前記開閉制御手段は、前記第1条件及び前記第2条件に加え、前記侵入者検出手段により前記窓設備から侵入しようとしている者が検出される第4条件が成立している場合に前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態にする請求項2又は3に記載の防犯システム。
  5. 前記開放空間を囲む壁部に設けられ該開放空間と屋内とを連通する窓設備に、前記開放空間から建物内部への視線を遮断可能な窓部開閉装置が設けられており、
    前記開閉制御手段は、前記第1条件及び前記第2条件が成立している場合に前記窓部開閉装置を閉鎖状態にする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の防犯システム。
  6. 前記開閉装置は、電動式のシャッタカーテンにより建物外部から前記開放空間への視線を遮断するシャッタ装置であり、
    前記開閉制御手段は、前記開閉装置の開閉制御として、前記シャッタカーテンの閉鎖状態と開放状態とを切り替える請求項1乃至5のいずれか一項に記載の防犯システム。
  7. 前記開閉装置は、同開閉装置の少なくとも一部が複数のスラットからなるルーバとして構成されており、
    前記開閉制御手段は、前記開閉装置の開閉制御として前記スラットの開度を変更する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の防犯システム。
  8. 前記開閉制御手段は、前記開閉検出手段により前記開閉装置が閉鎖状態であることが検出される第1条件、及び前記人検出手段により前記開放空間に人有りと検出される第2条件が成立している場合に前記スラットの開度を開側に変更する請求項7に記載の防犯システム。
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