JP2010179857A - 自動変速機のパーキング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車レンジ以外のレンジから駐車レンジにシフトレバーを切り替える際のシフトトルクを常に略一定にすることができる自動変速機のパーキング装置を提供すること。
【解決手段】パーキング装置20は、パーキングポール23の係合部23cの係合歯23aがパーキングギヤ22の係合歯22aと係脱するようにパーキングポールを揺動可能に支承するとともに、パーキングポールがパーキングギヤの接線LL方向に移動可能にパーキングポールを支承する。パーキングポールが揺動して係合部の係合歯がパーキングギヤの係合歯と当接したとき、両係合歯の当接によって生じるパーキングギヤの外周面に接する接線の方向の分力により、パーキングポールは移動され、最終的に係合部の係合歯はパーキングギヤの係合溝に係合される。よって、シフトトルクを変化させていたカムスプリングが不要となるので、シフトフィーリングを高めることができる。
【選択図】図3
【解決手段】パーキング装置20は、パーキングポール23の係合部23cの係合歯23aがパーキングギヤ22の係合歯22aと係脱するようにパーキングポールを揺動可能に支承するとともに、パーキングポールがパーキングギヤの接線LL方向に移動可能にパーキングポールを支承する。パーキングポールが揺動して係合部の係合歯がパーキングギヤの係合歯と当接したとき、両係合歯の当接によって生じるパーキングギヤの外周面に接する接線の方向の分力により、パーキングポールは移動され、最終的に係合部の係合歯はパーキングギヤの係合溝に係合される。よって、シフトトルクを変化させていたカムスプリングが不要となるので、シフトフィーリングを高めることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動変速機のパーキング装置に関する。
自動変速機のパーキング装置は、自動変速機のケーシング内に回転自在に支持された出力軸の回転をパーキング時に抑止する機能を備えており、例えば特許文献1に示されているように、パーキングロッド、パーキングギヤ、パーキングポール及びカムを備えている。パーキングロッドは、シフトレバーの切り替えに連動してケーシング内にて出力軸の軸方向に往復動するように出力軸に平行に延在するように配設されている。パーキングギヤは、円盤状のギヤであり、出力軸が貫通して突出するケース後部の内壁面に近接して配設され、出力軸に一体的に回転するように取り付けられている。パーキングポールは、パーキングギヤのギヤ溝と係合可能な爪を有しており、出力軸と直交する平面に沿って揺動することにより爪がギヤ溝と係脱可能となるようにケーシング内に取り付けられている。
ケース後部側のパーキングロッドの端部には、嵌挿されるカムスプリングを受けるスプリング受けが突設され、このスプリング受けよりさらに先端側には、嵌挿されるカムの抜け留めとなるカムストッパが固着されている。カムは、小径部とそれに続くテーパ部及び大径部が形成されており、パーキングロッドの往復動に応じてパーキングポールと摺接してパーキングポールを揺動させるようにパーキングロッドの端部のカムスプリングとカムストッパとの間に嵌挿されている。このカムは、カムスプリングによりカムストッパ側に付勢されている。
一般的に、シフトレバーは、Pレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後退レンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)並びにDレンジ(前進レンジ)の各シフトポジションを有している。PレンジからPレンジ以外のレンジにシフトレバーを切り替えたときは、パーキングロッドはパーキング位置から非パーキング位置に移動し、カムはパーキングポールと摺接してカムの小径部がパーキングポールと接する。これにより、パーキングポールの爪がパーキングギヤのギヤ溝から外れた非係合状態となり、出力軸の回転が許容される。
一方、Pレンジ以外のレンジからPレンジにシフトレバーを切り替えたときは、パーキングロッドは非パーキング位置からパーキング位置に移動する。ここで、パーキングポールの爪の位置がパーキングギヤのギヤ溝の位置と一致しているときは、そのままカムのテーパ部はパーキングポールと摺接してパーキングポールをパーキングギヤ側に揺動し、最終的にカムの大径部がパーキングポールと接する。これにより、パーキングポールの爪がパーキングギヤのギヤ溝に係合した係合状態となり、出力軸の回転が抑止される。
また、パーキングポールの爪の位置がパーキングギヤのギヤ溝の位置と不一致であるときは、パーキングギヤのギヤ頂部にパーキングポールの爪が当接した状態となり、カムはパーキングポールと摺接することができない。このため、パーキングロッドのみが非パーキング位置からパーキング位置に移動し、カムは小径部がパーキングポールと接したままでカムスプリングを押し縮めていく。よって、カムスプリングの付勢力によってパーキングポールの爪をパーキングギヤのギヤ頂部に押接した、いわゆるパーキング待ち状態となる。そして、出力軸が少しだけ回転してパーキングギヤのギヤ溝の位置がパーキングポールの爪の位置と一致した場合には、カムのテーパ部はパーキングポールと摺接してパーキングポールをパーキングギヤ側に揺動し、最終的にカムの大径部がパーキングポールと接する。これにより、パーキングポールの爪がパーキングギヤのギヤ溝に係合した係合状態となり、出力軸の回転が抑止される。
上述した従来の自動変速機のパーキング装置では、Pレンジ以外のレンジからPレンジにシフトレバーを切り替える場合、パーキングポールの爪の位置がパーキングギヤのギヤ溝の位置と一致しているときと不一致であるときとではカムスプリングの荷重が異なる。すなわち、パーキングポールの爪の位置がパーキングギヤのギヤ溝の位置と不一致でパーキングギヤの頂部にパーキングポールの爪が当接した状態であるときに、Pレンジ以外のレンジからPレンジにシフトレバーを入れようとすると、カムスプリングを押し縮める荷重が通常のシフトトルクに加わる。逆に、Pレンジからシフトレバーを抜く場合にはカムスプリングがパーキングロッドを押返すことでシフトトルクを減らす働きをする。このように、Pレンジ以外のレンジからPレンジにシフトレバーを切り替える際のシフトトルクが変化してシフトフィーリングに違和感を覚える場合がある。
本発明の目的は、上述した問題を解消するためになされたもので、駐車レンジ以外のレンジから駐車レンジにシフトレバーを切り替える際のシフトトルクを常に略一定にすることができる自動変速機のパーキング装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、自動変速機のパーキング装置において、前記自動変速機のケーシング内に回転自在に支持された出力軸に平行に配設され、シフトレバーの切り替えに連動して前記出力軸の軸方向に往復動するパーキングロッドと、前記出力軸が貫通して突出する前記ケーシングの一壁部の内壁面に近接して配設され、前記出力軸と一体的に回転し尖頭状の係合歯が外周面に形成されたパーキングギヤと、前記ケーシング内に配置され前記パーキングギヤの係合歯と係脱可能に係合する尖頭状の係合歯が形成された係合部を有しており、前記出力軸と直交する平面内で揺動自在に支承されたパーキングポールと、前記係合部の係合歯が前記パーキングギヤの係合歯と係脱するように前記パーキングポールを揺動可能に支承するとともに、前記パーキングポールが前記パーキングギヤの接線方向に移動可能に前記パーキングポールを前記ケーシングに支承する支承機構と、前記係合部の係合歯が前記パーキングギヤの係合歯から離脱しているとき、前記パーキングポールを移動可能範囲の中立位置に維持するように前記支承機構に設けられた弾性部材と、前記パーキングロッドに設けられて該パーキングロッドの往復動に応じて前記パーキングポールを揺動させるカム機構と、を備えることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記支承機構には、対向配置された2つの前記弾性部材が設けられていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記支承機構は、前記パーキングポールの基端に嵌挿され前記ケーシングに前記パーキングギヤの接線方向に移動可能に設けられた揺動中心軸を備え、前記弾性部材は前記揺動中心軸と前記ケーシングに設けられた係止部との間に介在され前記揺動中心軸を前記移動可能範囲の中立位置に維持することである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記支承機構は、前記パーキングポールの基端に嵌挿され前記ケーシングに前記パーキングギヤの接線方向に移動可能に設けられた揺動中心軸を備え、前記弾性部材は前記揺動中心軸と前記ケーシングに設けられた係止部との間に介在され前記揺動中心軸を前記移動可能範囲の中立位置に維持することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、尖頭状の係合歯が外周面に形成されたパーキングギヤと、パーキングギヤの係合歯と係脱可能に係合する尖頭状の係合歯が形成された係合部を有しており、出力軸と直交する平面内で揺動自在に支承されたパーキングポールと、係合部の係合歯がパーキングギヤの係合歯と係脱するようにパーキングポールを揺動可能に支承するとともに、パーキングポールがパーキングギヤの接線方向に移動可能にパーキングポールを支承する支承機構と、を備えている。さらに、係合部の係合歯がパーキングギヤの係合歯から離脱しているとき、パーキングポールを移動可能範囲の中立位置に維持する弾性部材と、パーキングロッドの往復動に応じてパーキングポールを揺動させるカム機構と、を備えている。
シフトレバーをPレンジ以外のレンジからPレンジに切り替える場合に、パーキングポールの係合部の係合歯の位置がパーキングギヤの係合溝の位置と不一致であるときは、カム機構の移動によりパーキングポールが揺動したとき、係合部の係合歯はパーキングギヤの係合溝と係合せずにパーキングギヤの係合歯と当接する。しかし、両係合歯の当接によって生じるパーキングギヤの外周面に接する接線の方向の分力により、パーキングポールは弾性部材の弾性力に抗して移動され、最終的に係合部の係合歯はパーキングギヤの係合溝に係合される。よって、Pレンジ以外のレンジからPレンジにシフトレバーを切り替える際のシフトトルクを変化させていたカムスプリングが不要となるので、該シフトトルクを常に略一定にすることができ、シフトフィーリングを高めることができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、パーキングポールに掛かっていた外力が除去されると直に、対向配置された2つの弾性部材の作用により、パーキングポールを移動可能範囲の中立位置に復帰させることができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、支承機構は、パーキングポールの基端に嵌挿されケーシングにパーキングギヤの接線方向に移動可能に設けられた揺動中心軸を備え、弾性部材は揺動中心軸とケーシングに設けられた係止部との間に介在され揺動中心軸を移動可能範囲の中立位置に維持する。これにより、パーキングポールを滑らかに、かつ精度良く移動させることができる。
以下、本発明による一実施の形態の自動変速機のパーキング装置について図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、自動変速機10はケーシング11を備えており、このケーシング11は自動車の車体前後方向に沿って延在するように配置される、いわゆる縦置き型の自動変速機10のミッションケースである。ケーシング11内には、エンジン(図示省略)からの動力を入力する入力軸12と、入力軸12からエンジン10の動力を入力し変速して出力する変速機構13と、変速機構13からの変速された動力を駆動輪(図示省略)に出力する出力軸14が配設されている。入力軸12及び出力軸14は、ケーシング11の前後方向に延在して回転自在に支持されている。なお、入力軸12が配設されている側をケーシング11の前部といい、出力軸14が配設されている側をケーシング11の後部という。
シフトレバー15は、Pレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後退レンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)並びにDレンジ(前進レンジ)の各シフトポジションを有している。自動変速機10は、シフトレバー15がPレンジに切り替えられたときに、出力軸14の回転を抑止しパーキングロックを行うパーキング装置20を備えている。このパーキング装置20は、パーキングロッド21、パーキングギヤ22、パーキングポール23、支承機構24、弾性部材25及びカム機構26で概略構成されている。
パーキングロッド21は、ケーシング11内に出力軸14に平行に延在するように配設されている。パーキングロッド21の基端部21aは、ケーシング11の前部に前後方向に揺動自在に支持されたディテントレバー16の一端16aに連結されている。パーキングロッド21の先端部21bには、後述するカム26aが嵌挿されネジ止め、溶接等により固着されている。ディテントレバー16の他端16bの周縁には、ケーシング11に設けられたディテントスプリング11aに係脱可能に係合する複数の凹部が形成されている。これら凹部はシフトレバー15のシフト位置に対応して設けられており、図1にて右端の凹部がPレンジに対応しており、左端の凹部がDレンジに対応している。ディテントレバー16は、図2にて左右方向に延在しケーシング11の前部に回転自在に支持されたマニュアルシャフト17の一方端部に取り付けられている。マニュアルシャフト17の他方端部には、アウターレバー18が取り付けられており、アウターレバー18の先端は、シフトリンケージ19を介してシフトレバー15に連結されている。
このような構成のパーキングロッド21は、シフトレバー15の切り替えに連動して軸方向に往復動するようになっている。例えば、シフトレバー15をPレンジ以外のレンジからPレンジに切り替えることにより、シフトリンケージ19を介してアウターレバー18を揺動させ、それに連動して揺動するディテントレバー16によってパーキングロッド21をケーシング11の前部側の非パーキング位置から後部側のパーキング位置に移動できる。一方、シフトレバー15をPレンジからPレンジ以外のレンジに切り替えることにより、パーキングロッド21をケーシング11の後部側のパーキング位置から前部側の非パーキング位置に移動できる。
パーキングギヤ22は、円盤状のギヤであり、出力軸14が貫通して突出するケーシング11の一壁部である後壁11bの内壁面に近接して配設され、出力軸14に固着され出力軸14と一体的に回転する。一般に縦置き型の自動変速機10においては出力軸14は自動変速機10の後方に配置されるため、パーキングギヤ22も出力軸14の位置に合わせて自動変速機10の後方側に配置されている。そして、図3に示すように、このパーキングギヤ22の外周面には、尖頭状の係合歯22aが等ピッチで形成されている。この係合歯22aは、三角形状に形成されており、隣接する係合歯22a間には、三角形状の係合溝22bが形成されている。係合歯22a(係合溝22b)は、後述するパーキングポール23の係合部23cに形成されている係合溝23b(係合歯23a)と係合可能となっている。この係合により出力軸14の回転が抑止される。
パーキングポール23は、パーキングギヤ22の径方向外側位置でパーキングギヤ22の外周面に沿って周方向に延在するように配置されている。パーキングポール23の略中央のパーキングギヤ22に対向する部分には、係合部23cが突設されている。この係合部23cの頂部には、図3に示すような尖頭状の係合歯23aが等ピッチで形成されている。この係合歯23aは、三角形状に形成されており、隣接する係合歯23a間には、三角形状の係合溝23bが形成されている。係合歯23a(係合溝23b)は、パーキングギヤ22の外周面に形成されている係合溝22b(係合歯22a)と係合可能となっている。
このパーキングポール23は、出力軸14と直交する平面内でパーキングギヤ22に接近及び離間する方向に揺動可能なように支承機構24によりケーシング11に支承されている。さらに、パーキングポール23は、係合部23cが係合するパーキングギヤ22の外周面に接する接線LLの方向に、少なくとも係合歯22a(係合溝22b)の1ピッチ分の僅少範囲だけ移動可能なように支承機構24によりケーシング11に支承されている。
支承機構24は、ケーシング11内に取り付けられた揺動中心軸24aと、この揺動中心軸24aに嵌挿されたスプリング24bとを備えている。揺動中心軸24aには、パーキングポール23の基端23dが嵌挿されており、パーキングポール23は、揺動中心軸24aを中心に揺動可能となっている。さらに、揺動中心軸24aは、上記接線方向に上記1ピッチ分だけ移動可能なようにケーシング11内に取り付けられており、パーキングポール23は、揺動中心軸24aと共に移動可能となっている。そして、パーキングポール23の揺動端には、パーキングポール23を揺動させるカム26aが当接する当接部23eが形成されている。スプリング24bの一端はケーシング11に係止され、他端はパーキングポール23に係止されている。このスプリング24bにより、パーキングポール23は、パーキングギヤ22から離間する方向(図2にて時計回り)に付勢されている。このとき、パーキングポール23は、当接部23eがカム26aもしくはパーキングロッド21の先端部21cに当接しているので、時計回りの揺動は規制されている。
支承機構24は、ケーシング11内に取り付けられた揺動中心軸24aと、この揺動中心軸24aに嵌挿されたスプリング24bとを備えている。揺動中心軸24aには、パーキングポール23の基端23dが嵌挿されており、パーキングポール23は、揺動中心軸24aを中心に揺動可能となっている。さらに、揺動中心軸24aは、上記接線方向に上記1ピッチ分だけ移動可能なようにケーシング11内に取り付けられており、パーキングポール23は、揺動中心軸24aと共に移動可能となっている。そして、パーキングポール23の揺動端には、パーキングポール23を揺動させるカム26aが当接する当接部23eが形成されている。スプリング24bの一端はケーシング11に係止され、他端はパーキングポール23に係止されている。このスプリング24bにより、パーキングポール23は、パーキングギヤ22から離間する方向(図2にて時計回り)に付勢されている。このとき、パーキングポール23は、当接部23eがカム26aもしくはパーキングロッド21の先端部21cに当接しているので、時計回りの揺動は規制されている。
また、揺動中心軸24aの周面の上記接線方向両側は、一対の弾性部材25により挟圧されている。一対の弾性部材25は、圧縮スプリング25aと、フランジ付ピン25bとを備えており、揺動中心軸24aを移動範囲における中立位置に維持できるように、ケーシング11の後壁11bから前部側に突設されたE字状の舌状突起(係止部)25cに取り付けられている。この舌状突起25cの中央の突起先端には、揺動中心軸24aの端部が取り付けられている。そして、舌状突起25cの両側の突起先端には、圧縮スプリング25aが嵌挿されたフランジ付ピン25bの後端が挿入され、該後端がEリング25dにより抜け留めされる穴25eが穿孔されている。これにより、パーキングポール23を上記接線LLの方向に滑らかに、かつ精度良く移動させることができる。なお、弾性部材25としてコイルスプリングの代わりに板バネやゴム等を使用しても良い。
カム機構26は、カム26aと、支持部材30とを備えている。カム26aは、パーキングロッド21の先端部21bに嵌挿されてネジ止め、溶接等により固着されている。このカム26aは、パーキングロッド21の往復動に応じてパーキングポール23の当接部23eと摺接してパーキングポール23を揺動する。カム26aは環状筒体であり、先端にいくにしたがって細くなる先細形状であって2段傾斜に形成されている。先端側の傾斜面26bは基端側の傾斜面26cより傾斜が大きくなるように設定されている。このカム26aの往復動によりパーキングポール23をパーキングギヤ22に揺動接近及び揺動離間することによって、パーキングポール23の係合部23cの係合歯23aをパーキングギヤ22の係合溝22bに係脱する。なお、パーキングロッド21のカム26aより先端側には、支持部材30のロッド先端ガイド部33に入出可能なガイド部21cが設けられている。
支持部材30は、パーキングロッド21の先端部21bを摺動自在に支持するものであり、ケーシング11の後壁11bの内壁面に近接して設けられた取付部11cにボルトにより螺着されている。この支持部材30は、板状のベース31を備えている。ベース31には、幅方向中央にケーシング11の前後方向に沿って延在する案内溝31aが凹設されている。案内溝31aはベース31の前端部から中央部まで形成されている。この案内溝31aは、カム26aの進退方向(パーキングロッド21の軸方向)の移動を案内するものである。ベース31には、シフトレバー15がPレンジに位置する場合に、カム26aが乗り上げてパーキングポール23をパーキングギヤ22に接近させる方向に揺動させるカム乗り上げ部32が凸設されている。カム乗り上げ部32は案内溝31aの後端に連続して形成されている。
ベース31の後端部には、カム乗り上げ部32の先端側に配設されて、シフトレバー15がPレンジに位置する場合に、パーキングロッド21のガイド部21cが進入して該ガイド部21cをガイドするロッド先端ガイド部33が設けられている。ロッド先端ガイド部33は、略U字状に形成され、入口部分は開口端が広い先細となっており、入口部分より奥は再び広くなっている。即ち、ロッド先端ガイド部33は、パーキングロッド21のガイド部21cの外径より若干広い開口端と、該該開口端から先細に連続する入口部分と該入口部分より広い空洞を備えている。これによれば、パーキングロッド21のガイド部21cは、ロッド先端ガイド部33内に進入する際に入口部分で二点支持されるため引っかかることなくスムーズに進入することができる。
ベース31の前端部には、カム乗り上げ部32の基端側に配設されて、シフトレバー15がRレンジ、Nレンジ及びDレンジに位置する場合に、カム26aが進入して該カム26aをガイドするカムガイド部34が設けられている。カムガイド部34は、ベース31の上面に形成された案内溝31aを覆うように形成されている。このように、支持部材30は、ベース31、ロッド先端ガイド部33及びカムガイド部34からなる一体構造体である。
以上のように構成された自動変速機10のパーキング装置20の作動について説明する。シフトレバー15によりPレンジ以外のレンジからPレンジに切り替えられたときは、パーキングロッド21が車両後方向に向けて非パーキング位置からパーキング位置に移動され、カム26aも車両後方向に移動される。ここで、パーキングポール23の係合部23cの係合歯23aの位置がパーキングギヤ22の係合溝22bの位置と一致しているときは、そのままカム26aが移動してカム乗り上げ部32に乗り上げ、カム26aの先端側の傾斜面26bに続いて基端側の傾斜面26cがパーキングポール23の当接部23eと摺接し、パーキングポール23をスプリング24bの付勢力に抗してパーキングギヤ22に接近する方向に揺動する。そして、最終的にカム26aの傾斜面26cの大径部がパーキングポール23の当接部23eと接する。これにより、パーキングポール23はスプリング24bの付勢力に抗してパーキングギヤ22に接近する方向に揺動され、パーキングポール23の係合部23cの係合歯23aがパーキングギヤ22の係合溝22bに係合され、出力軸14の回転が抑止される。このとき、パーキングロッド21のガイド部21cがロッド先端ガイド部33内に進入してロッド先端ガイド部33がガイド部21cをガイドする。
また、パーキングポール23の係合部23cの係合歯23aの位置がパーキングギヤ22の係合溝22bの位置と不一致であるときは、パーキングポール23をパーキングギヤ22に接近する方向に揺動する途中で、係合歯23aは係合溝22bと係合せずパーキングギヤ22の係合歯22aに当接した状態となる。しかし、両係合歯23a,22aの当接によって生じるパーキングギヤ22の外周面に接する接線LLの方向の分力により、パーキングポール23は弾性部材25の弾性力に抗して移動される。そして、係合歯23aは係合歯22aに沿って摺接され、最終的に係合歯23aは係合溝22bに係合される。これにより、従来のようないわゆるパーキング待ち状態となることは無く、出力軸14の回転が抑止される。なお、係合歯23a(係合溝22b)のピッチ幅を小さくすることによりパーキングポール23の移動幅も小さくすることができるので、係合速度を高めることができるが、係合強度が低下するため両者のバランスを考慮して上記ピッチ幅を決定する。
そして、シフトレバー15によりPレンジ以外のレンジからPレンジに切り替える際のシフトトルクを変化させていたカムスプリングが不要となるので、該シフトトルクを常に略一定にすることができ、シフトフィーリングを高めることができる。例えば図4のシフト角度とシフトトルクの関係図を参照して説明する。破線は、従来のシフトレバーをRレンジからPレンジに切り替えるときのシフト角度(17度から0度)とシフトトルクの関係を示す。一点鎖線は、従来のシフトレバーをPレンジからRレンジに切り替えるときのシフト角度(0度から17度)とシフトトルクの関係を示す。実線は、本実施形態のシフトレバーをRレンジからPレンジ及びPレンジからRレンジに切り替えるときのシフト角度(17度から0度、0度から17度)とシフトトルクの関係を示す。なお、RレンジからNレンジ、さらにDレンジに切り替えるときのシフト角度(17度から25度、25度から35度)及びその逆の切り替えのときのシフト角度とシフトトルクの関係は、従来及び本実施形態共に同一である。図4に示すように、シフトレバー15によりRレンジからPレンジに切り替えるとき(シフト角度が17度〜0度)、従来はパーキングポールの爪の位置がパーキングギヤのギヤ溝の位置と不一致であるときは圧縮コイルバネでなるカムスプリングを縮める必要があったため、破線に示すように目標値である2Nmを超えた3Nmとなっていた。しかし、本実施形態ではパーキングポール23の係合部23cの係合歯23aの位置がパーキングギヤ22の係合溝22bの位置と不一致であっても、カムスプリングを使用せずに係合歯23aを係合溝22bに係合させることができるので、実線で示すように目標値である±2Nm内となり、シフトトルクを常に略一定にすることができる。
一方、シフトレバー15によりPレンジからPレンジ以外のレンジに切り替えられたときは、パーキングロッド21が車両前方向に向けてパーキング位置から非パーキング位置に移動され、カム26aも車両前方向に移動される。このとき、カム26aはカム乗り上げ部32から案内溝31aに落ちてカムガイド部34内に進入するので、このカムガイド部34がカム26aをガイドする。これにより、パーキングポール23はスプリング24bの付勢力によってパーキングギヤ22から離間する方向に揺動されて支持部材30に当接して位置決め固定される。これと同時に、パーキングポール23の係合部23cの係合歯23aとパーキングギヤ22の係合溝22bとの係合状態が解除され、出力軸14の回転が許容されると共に、一対の弾性部材25の作用によりパーキングポール23は中立位置に戻され維持される。
10…自動変速機、11…ケーシング、12…入力軸、13…変速機構、14…出力軸、15…シフトレバー、16…ディテントレバー、17…シャフト、18…アウターレバー、19…シフトリンケージ、20…パーキング装置、21…パーキングロッド、22…パーキングギヤ、22a…係合歯、22b…係合溝、23…パーキングポール、23a…係合歯、23b…係合溝、23c…係合部、24…支承機構、24a…揺動中心軸、25…弾性部材、26…カム機構、26a…カム、30…支持部材。
Claims (3)
- 自動変速機のパーキング装置において、
前記自動変速機のケーシング内に回転自在に支持された出力軸に平行に配設され、シフトレバーの切り替えに連動して前記出力軸の軸方向に往復動するパーキングロッドと、
前記出力軸が貫通して突出する前記ケーシングの一壁部の内壁面に近接して配設され、前記出力軸と一体的に回転し尖頭状の係合歯が外周面に形成されたパーキングギヤと、
前記ケーシング内に配置され前記パーキングギヤの係合歯と係脱可能に係合する尖頭状の係合歯が形成された係合部を有しており、前記出力軸と直交する平面内で揺動自在に支承されたパーキングポールと、
前記係合部の係合歯が前記パーキングギヤの係合歯と係脱するように前記パーキングポールを揺動可能に支承するとともに、前記パーキングポールが前記パーキングギヤの接線方向にで移動可能に前記パーキングポールを前記ケーシングに支承する支承機構と、
前記係合部の係合歯が前記パーキングギヤの係合歯から離脱しているとき、前記パーキングポールを移動可能範囲の中立位置に維持するように前記支承機構に設けられた弾性部材と、
前記パーキングロッドに設けられて該パーキングロッドの往復動に応じて前記パーキングポールを揺動させるカム機構と、を備えることを特徴とする自動変速機のパーキング装置。 - 請求項1において、前記支承機構には、対向配置された2つの前記弾性部材が設けられていることを特徴とする自動変速機のパーキング装置。
- 請求項1又は2において、前記支承機構は、前記パーキングポールの基端に嵌挿され前記ケーシングに前記パーキングギヤの接線方向に移動可能に設けられた揺動中心軸を備え、前記弾性部材は前記揺動中心軸と前記ケーシングに設けられた係止部との間に介在され前記揺動中心軸を前記移動可能範囲の中立位置に維持することを特徴とする自動変速機のパーキング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009026927A JP2010179857A (ja) | 2009-02-09 | 2009-02-09 | 自動変速機のパーキング装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009026927A JP2010179857A (ja) | 2009-02-09 | 2009-02-09 | 自動変速機のパーキング装置 |
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JP2010179857A true JP2010179857A (ja) | 2010-08-19 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104842972A (zh) * | 2014-02-14 | 2015-08-19 | 本田技研工业株式会社 | 动力传递装置 |
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2009
- 2009-02-09 JP JP2009026927A patent/JP2010179857A/ja active Pending
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CN104842972A (zh) * | 2014-02-14 | 2015-08-19 | 本田技研工业株式会社 | 动力传递装置 |
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