JP2010179830A - 空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

【課題】サイドウォール部に形成される表示媒体の数が増えてなお表示媒体の視認性を有利に向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部１と、このトレッド部１のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部２と、これらの各サイドウォール部２の半径方向内方に連続するビード部３とを具え、少なくとも一方のサイドウォール部２の外表面に、リッジ装飾体４と表示媒体５とのそれぞれを形成し、表示媒体５の一部をリッジ装飾体４内に入り込ませて配置し、その表示媒体５の輪郭線の外側隣接域を、リッジを設けない平滑領域６とし、表示媒体５の少なくとも縁部をサイドウォール部外表面から最も高く突出させて位置させるとともに、リッジ装飾体４の谷部を、サイドウォール部外表面に対して最も低く位置させてなることを特徴とする。
【選択図】図２

Description

本発明は、空気入りタイヤ、特に、サイドウォール部に形成される文字等の表示媒体の視認性を向上させた空気入りタイヤに関するものである。

空気入りタイヤのサイドウォール部に形成される、文字、図形および記号等の各個の表示媒体の視認性を向上させることに加え、空気入りタイヤの装飾効果を高めるため、サイドウォール部に設けたリッジ装飾体内に、表示媒体を配設することは従来から広く行われている。

例えば特許文献１には、タイヤの外表面に、ほぼ平行に直線状に延びる多数の小さなリッジを周方向に等間隔に設けて、環状に形成してなるリッジ装飾体の表面に、表示媒体を設け、この表示媒体の表面に、隣接するリッジとほぼ平行に直線状に延びる小さなリッジを周方向に等間隔に設け、該表示媒体に設けられたリッジの間隔と、リッジ装飾体に設けられたリッジの間隔とを異ならせることで、表示媒体にクラックが発生し難くし、また、表示媒体の視認性を高めたタイヤが提案されている。

しかるに、特許文献１に記載のタイヤでは、多種多様な表示媒体を必要とする場合や、タイヤの偏平率が小さく（偏平度が大きい）、サイドウォール部の表面積が小さい場合等には、限られた面積の装飾体の内部に、所要の表示媒体を収めるために、各表示媒体が小さくなり、その結果として視認性が低下するおそれがあった。

特開２００４−２２４３４２号公報

そこで、本発明は、サイドウォール部に形成される表示媒体の数が増えてなお表示媒体の視認性を有利に向上させることができる空気入りタイヤを提供する。

この発明にかかる空気入りタイヤは、トレッド部と、このトレッド部のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部と、これらの各サイドウォール部の半径方向内方に連続するビード部とを具え、少なくとも一方のサイドウォール部の外表面に、リッジ装飾体と表示媒体とのそれぞれを形成してなるものであって、表示媒体の一部をリッジ装飾体内に入り込ませて配置し、その表示媒体の輪郭線の外側隣接域を、リッジを設けない平滑領域とし、表示媒体の少なくとも縁部をサイドウォール部外表面から最も高く突出させて位置させるとともに、リッジ装飾体の谷部を、サイドウォール部外表面に対して最も低く位置させてなることを特徴とするものである。

ここで、サイドウォール部外表面からの高さとは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではＪＡＴＭＡ（日本自動車タイヤ協会） ＹＥＡＲ ＢＯＯＫ、欧州では、ＥＴＲＴＯ（Ｅｕｒｏｐｅａｎ Ｔｙｒｅ ａｎｄ Ｒｉｍ Ｔｅｃｈｎｉｃａｌ Ｏｒｇａｎｉｓａｔｉｏｎ） ＳＴＡＮＤＡＲＤ ＭＡＮＵＡＬ、米国ではＴＲＡ（ＴＨＥ ＴＩＲＥ ａｎｄ ＲＩＭ ＡＳＳＯＣＩＡＴＩＯＮ ＩＮＣ．）ＹＥＡＲ ＢＯＯＫ等に規定されたリムに、タイヤを組み付けて、そのタイヤに、ＪＡＴＭＡ等の規格で定められる、最高空気圧を充填した状態の下でタイヤのサイドウォール部表面から接線方向に測った距離をいうものとする。
また、表示媒体とは、各個の文字、図形および記号等をいうものとする。

このようなタイヤにおいてより好ましくは、平滑領域の、サイドウォール部外表面に対する高さを、リッジ装飾体の谷部と表示媒体の少なくとも縁部との間の中間に位置させる。

本発明では、表示媒体の一部だけをリッジ装飾体内に入り込ませて配置して、表示媒体の残部をリッジ装飾体の外側に食み出させることで、リッジ装飾体の形成領域が狭くなってなお、各個の表示媒体には十分な大きさを付与することができ、また、その表示媒体の輪郭線の外側隣接域を、リッジを設けない平滑領域とするとともに、表示媒体の半径方向内方域または外方域に十分な面積の平滑領域を確保することにより、文字、図形および記号等の表示媒体の形成寸法と相俟って、リッジ装飾体から表示媒体を際立たせて、その表示媒体の視認性を高めることができる。

また、表示媒体の少なくとも縁部をサイドウォール部の外表面から最も高く突出させて位置させるとともに、リッジ装飾体の谷部を、サイドウォール部外表面に対して最も低く位置させることにより、表示媒体をさらに浮き出させて視認性を一層向上させるとともに、表示媒体の縁部の歪を抑制して、表示媒体の周りへのクラックの発生を防止することができる。

本発明の空気入りタイヤの一の実施形態を適用リムに組み付けた状態を示す側面図である。 図１の要部拡大斜視図である。 図２のＡ−Ａ線に沿う拡大端面図である。

以下に、図面を参照しながら本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。
図１は、本発明の空気入りタイヤの一の実施形態を適用リムに組み付けた状態を示す側面図であり、図２は、図１の要部拡大斜視図であり、図３は、図２のＡ−Ａ線に沿う拡大端面図である。

図中の１はトレッド部を、２はトレッド部１のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部を、そして３はサイドウォール部２の半径方向内方に連続するビード部をそれぞれ示す。

このタイヤのサイドウォール部２の外表面には、リッジ装飾体４を、円環の一部を切り欠き、その隣接域に略三角形状に切り抜いた、例えば、その外表面の１０〜１００％の範囲で設ける。

このリッジ装飾体４の表面には、ほぼ平行に直線状に延びる多数の小さなリッジをタイヤ周方向に等間隔で設ける。

そしてこの空気入りタイヤでは、文字、数字、記号または図形等の、各個の表示媒体５、図では「ＡＢＣＤＥＦＧ」の七文字の各表示媒体５の各々につき、一部をリッジ装飾体４内に入り込ませて配置して、各表示媒体５の残りの部分をリッジ装飾体４の半径方向内方に食み出させて配置する。そして、表示媒体の少なくとも縁部、図では表示媒体５の輪郭域の高さをサイドウォール部外表面から最も高く突出させ、リッジ装飾体４の谷部を、サイドウォール部外表面に対して最も低く位置させる。また各表示媒体５の輪郭線の外側隣接域には、リッジを設けない平滑領域６を設ける。

このリッジ装飾体４内には、表示媒体５の一部を配置するが、この表示媒体５の重なりは、例えば文字等の表示媒体５の集合全体のバランス、印象、視認性を向上できるように、また、タイヤのサイズやトレッドデザインあるいはその他サイドウォールに施された他のデザインとのバランスを考慮して任意に選択して配置することができる。
また、図では表示媒体５内にはリッジを設けない構成としたが、表示媒体５内にリッジを設けることもできる。

この空気入りタイヤでより好ましくは、平滑領域６の、サイドウォール部外表面に対する高さを、リッジ装飾体４の谷部と、表示媒体５の、図では表示媒体５の縁部との間の中間に位置させる。
この構成により、平滑領域６による、表示媒体５の視認性をより向上させることができる。

１ トレッド部
２ サイドウォール部
３ ビード部
４ リッジ装飾体
５ 表示媒体
６ 平滑領域

Claims (2)

1. トレッド部と、このトレッド部のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部と、これらの各サイドウォール部の半径方向内方に連続するビード部とを具え、少なくとも一方のサイドウォール部の外表面に、リッジ装飾体と表示媒体とのそれぞれを形成してなる空気入りタイヤにおいて、
   表示媒体の一部をリッジ装飾体内に入り込ませて配置し、その表示媒体の輪郭線の外側隣接域を、リッジを設けない平滑領域とし、表示媒体の少なくとも縁部をサイドウォール部外表面から最も高く突出させて位置させるとともに、リッジ装飾体の谷部を、サイドウォール部外表面に対して最も低く位置させてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
2. 平滑領域の、サイドウォール部外表面に対する高さを、リッジ装飾体の谷部と表示媒体の少なくとも縁部との間の中間に位置させてなる請求項１に記載の空気入りタイヤ。

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