JP2010179352A - T形鋼の製造設備及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】T形鋼のフランジの先端の内側角部及び外側角部の双方にRを形成することができる熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法を提供する。
【解決手段】熱間圧延によるT形鋼の製造設備1において、エッジャ圧延機5が、フランジ22の先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部57Aを少なくとも有する第1の孔型58Aと、フランジ22の先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部57B及びフランジ22の先端の外側角部を圧下する円弧形状の外側角部59Bを少なくとも有する第2の孔型58Bとを備えた上下の水平ロール51a、51bを有する。更に第1の孔型58A及び第2の孔型58Bのそれぞれが粗ユニバーサル圧延機4のミルセンターに位置するようにエッジャ圧延機5をロール軸方向に移動させる移動手段7を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法に関する。
図7にT形鋼の断面形状を示す。T形鋼20は、ウェブ21とフランジ22とからなる断面がT字状の形鋼であり、造船や橋梁等の分野で広く使用され、その用途や使用条件、使用箇所等によって様々な寸法の製品が製造されている。
通常用いられるT形鋼20の寸法は、ウェブ高さ:200〜1000mm程度、ウェブ厚:8〜25mm程度、ウェブ内法寸法:190〜980mm程度、フランジ幅:80〜400mm程度、フランジ厚:12〜40mm程度である。さらに、造船用として用いられるT形鋼20の場合には、ウェブ高さはフランジ幅の2倍以上であることが多い。
造船用などのT形鋼20は、防錆を目的として塗装が施される場合が多い。T形鋼20のフランジ22の先端形状やフランジ22とウェブ21とが交差する部分の形状が直角である場合には、角の部分で塗料が薄くなって塗装が剥げ落ちやすくなるという問題が生じるため、塗料の付着性の向上や剥げ落ちの防止のために、T形鋼20のフランジ22の先端やフランジ22とウェブ21とが交差する部分の角部にR(丸み)が形成されていることが望ましい。ここで、フランジ22の先端の内側と外側とはそれぞれRが形成されなければならず、またそれらの半径は同一の場合ばかりではなく、図7に拡大して示すように異なる半径R1,R2とする場合がある。
T形鋼20は、図8に示すように、ウェブ21とフランジ22とを溶接して製造されることが一般的である。しかし、その場合には、フランジ22に使用される鋼板は四隅の角が直角であるため、塗装を施す用途では何らかの方法で先端の角部にR(丸み)を付与する必要がある。これに対して、圧延にてT形鋼20を一体成形する場合には、圧延中にフランジ22の先端にRを形成することができる可能性があると考えられる。
T形鋼20を圧延で製造する技術の例としては、ウェブ厚、フランジ厚、ウェブ高さおよびフランジ幅が様々な寸法のT形鋼を効率よく製造するため、ユニバーサル圧延機を中間圧延工程と仕上圧延工程に1基ずつ配置した熱間圧延設備が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図10に熱間圧延設備の一例を示す。
この熱間圧延設備101は、加熱炉(図示せず)から搬出された素材鋼片を往復圧延して断面略T字形に粗成形する粗造形圧延機102と、この粗造形圧延機102により略T字形状に粗成形したT形鋼片(図9参照)を略製品寸法のT形鋼に成形するための中間圧延機群103と、略製品寸法に成形されたT形鋼を製品寸法に成形する仕上ユニバーサル圧延機106とを備えている。中間圧延機群103は、粗ユニバーサル圧延機104と粗ユニバーサル圧延機104の下流に設置されたエッジャ圧延機105とを備えている。
粗造形圧延機102による圧延工程が粗造形圧延工程であり、図11(A)に粗造形圧延機102の構成を模式的に示す。粗造形圧延機102は、3組の孔型を形成した上ロール102a及び下ロール102bを備えている。そして、粗造形圧延機102は、これらの孔型で素材鋼片を順次圧延し、図9に示すウェブ21及びフランジ22からなる被圧延材(T形鋼片)Hを得るようになっている。
また、中間圧延機群103を構成する粗ユニバーサル圧延機104及びエッジャ圧延機105による圧延工程が中間圧延工程であり、図11(B)に粗ユニバーサル圧延機104の構成を、図11(C)にエッジャ圧延機105の構成を模式的に示す。粗ユニバーサル圧延機104は、図11(B)に示すように一対の水平ロール141a,141bと、一対の竪ロール142a,142bとを備えている。エッジャ圧延機105は、図11(C)に示すように、それぞれが大径ロール部153と小径ロール部154とを有する一対の水平ロール151a,151bを有している。粗造形圧延工程で得られた被圧延材(T形鋼片)Hは、粗造形圧延機102の下流側に設置された中間圧延機群103を構成する粗ユニバーサル圧延機104及びエッジャ圧延機105によりウェブ21とフランジ22の厚みが減じられるとともにフランジ22のフランジ幅が調整された被圧延材(略製品寸法のT形鋼)Hとなる。この際に、水平ロール141a,141bのロール開度を調整することによってロール交換を行わずとも種々のウェブ厚に調整でき、また一対の竪ロール142a,142bのロール開度を調整することによって種々のフランジ厚に調整できる。さらに、一対の水平ロール151a,151bの小径部154間の間隔を調整することでフランジ幅を調整できる。
更に、仕上ユニバーサル圧延機106による圧延工程が仕上圧延工程であり、図11(D)に仕上ユニバーサル圧延機の構成を模式的に示す。仕上ユニバーサル圧延機106は、図11(D)に示すように、一対の水平ロール161a,161bと、一対の竪ロール162a,162bとを備えている。そして、中間圧延工程で得られた被圧延材Hは、仕上ユニバーサル圧延機106によりフランジ22が垂直に立てられて製品断面形状となる。
一方、フランジを有する形鋼のフランジの先端角部にRを形成する技術としては、例えば特許文献2に開示されているH形鋼のフランジの先端角部にRを形成する方法と設備がある。この技術では、図12に示すように、素材鋼片を粗造形圧延機201によって略H形状の粗造形材H1に粗圧延し、続いて粗ユニバーサル圧延機203及びエッジャ圧延機204からなる中間圧延機群202によって、所定のウェブ厚とフランジ厚、フランジ幅の中間圧延材H2とし、続いて仕上ユニバーサル圧延機205で仕上圧延するH形鋼の製造方法において、エッジャ圧延機204のロールとして図13に示すようにフランジ22の先端の内側角部を圧下する角部を所定の円弧形状とした孔型を備えた上ロール204a及び下ロール204bを用いてフランジ22の先端の内側角部を円弧状に成形し、図12及び図14に示す中間圧延機群202と仕上ユニバーサル圧延機205の間に設けられ、孔型幅が可変の上ロール206a,206a及び下ロール206b,206bを有する圧延機206によってフランジ22の先端の外側角部を円弧状に形成した中間圧延材H3を得る。
また、特許文献3にはI形鋼のフランジ先端の外側角部にRを形成する方法として、仕上ユニバーサル圧延機の入側に、図15に示すような成形ローラ301,302,303,304を配置する技術が知られている。
さらに、特許文献4には、加熱炉から搬出された素材鋼片を往復圧延して断面略T字形に粗成形する粗造形圧延機(図示せず)と、この粗造形圧延機により略T字形状に粗成形したT形鋼片を略製品寸法のT形鋼に成形するための中間圧延機群(図示せず)と、略製品寸法に成形されたT形鋼を製品寸法に成形する仕上ユニバーサル圧延機(図示せず)とを備え、中間圧延機群が、粗ユニバーサル圧延機(図示せず)と粗ユニバーサル圧延機の下流に設置された図16に示すエッジャ圧延機401とを備えた熱間圧延設備が開示されている。ここで、エッジャ圧延機401を構成する上ロール401a及び下ロール401bには、フランジの板厚に応じた複数種類の孔型kal.1,kal.2,kal.3が設けられており、各孔型kal.1,kal.2,kal.3には、フランジ先端の面取り加工を行うために、外側角部に直線状のテーパを形成する外側テーパが設けられている。そして、製造するT形鋼の製品サイズに応じて各孔型kal.1,kal.2,kal.3の中から使用する孔型を選択し、圧延開始前に予め使用する孔型をパスセンターに移動させておくことが記載されている。
特公昭43−19671号公報 特許第4016818号公報 特開2002−301501号公報 特開2007−331027号公報
しかしながら、本発明者らの検討結果により、上述した従来技術を用いてT形鋼のフランジ先端の角部にRを形成しようとすると、以下のような問題があることが判明した。
即ち、特許文献2に記載した技術(図12参照)では、H形鋼のフランジの先端の内側角部のRをエッジャ圧延機204の上ロール204a及び下ロール204bで付与するようになっており(図13参照)、このフランジの先端の内側角部にRを付与する技術は、T形鋼にも適用可能であると考えられる。
しかしながら、フランジの先端の外側角部にRを図14に示す孔型幅が可変の上ロール206a,206a及び下ロール206b,206bを有する圧延機206によって付与する技術は、T形鋼に適用するのは困難であることが判明した。
H形鋼は、左右対称な断面形状をしており、左右にフランジを有するため、図14に示す孔型でフランジの先端の外側角部を圧下した場合に圧延材が四方から拘束され、円滑に圧延を行うことができる。これに対して、T形鋼の場合には、左右非対称な断面形状をしているため、図14に示す孔型でフランジの先端の外側角部を圧下した場合に反対側を拘束するロールがなく、被圧延材が逃げてしまってフランジの先端の外側角部を適切に圧下してRを形成することが難しいという問題が生じた。エッジャ圧延機によって圧延される被圧延材のフランジは外側に3°〜10°程度傾斜した状態で圧延されており、この傾きによりフランジの先端の外側角部を圧下する際には水平方向に被圧延材を押す力が不可避的に発生し、被圧延材がフランジと反対側の水平方向に逃げることになる。この問題は、特許文献3に開示されている成形ローラ301,302,303,304(図15参照)をT形鋼の圧延に適用する場合でも同様に生じる。
また、特許文献4に記載された熱間圧延設備では、エッジャ圧延機401の各孔型kal.1,kal.2,kal.3に、フランジの先端の外側角部に直線状のテーパを形成する外側テーパが設けられている。ここで、製造するT形鋼の製品サイズに応じてkal.1,kal.2,kal.3の中から選択された孔型を用いて複数パスの中間圧延が行われるが、圧延パス数が進むにつれてフランジ板厚は減少していくので、中間圧延最終パスでは被圧延材のフランジ外面は孔型面から大きく離隔する。したがって、孔型形状を工夫したとしても、フランジの外側角部には、直線状のテーパによる面取り加工は可能であるが、フランジ外面につながる滑らかなRを形成することができない。
従って、本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、T形鋼のフランジの先端の内側角部及び外側角部の双方にRを形成することができる熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に係るT形鋼の製造設備は、素材鋼片を断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延機と、該粗造形圧延機により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に圧延するための少なくとも一つの粗ユニバーサル圧延機及びエッジャ圧延機からなる中間圧延機群と、該中間圧延機群により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延機とを備えた熱間圧延によるT形鋼の製造設備において、前記エッジャ圧延機が、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部を少なくとも有する第1の孔型と、該第1の孔型に対してロール軸方向に離隔した位置に位置し、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部を圧下する円弧形状の外側角部を少なくとも有する第2の孔型とを備えた上下の水平ロールを有し、更に前記第1の孔型及び前記第2の孔型のそれぞれが前記粗ユニバーサル圧延機のミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機をロール軸方向に移動させる移動手段を備えたことを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係るT形鋼の製造設備は、請求項1記載のT形鋼の製造設備において、前記第2の孔型が、前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じてそれぞれ異なる幅を有する複数の孔型を備え、該複数の孔型が前記ロール軸方向に沿って配置され、前記移動手段が前記第1の孔型及び前記複数の第2の孔型のそれぞれが前記粗ユニバーサル圧延機のミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機をロール軸方向に移動させることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係るT形鋼の製造方法は、素材鋼片を粗造形圧延機によって断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延工程と、該粗造形圧延工程により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を少なくとも一つの粗ユニバーサル圧延機及びエッジャ圧延機からなる中間圧延機群によって略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に複数パスの往復圧延で圧延する中間圧延工程と、該中間圧延工程により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を仕上圧延機によって製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延工程とを備えた、熱間圧延によるT形鋼の製造方法において、前記中間圧延工程では、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部を少なくとも有する第1の孔型と、該第1の孔型に対してロール軸方向に離隔した位置に位置し、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部を圧下する円弧形状の外側角部を少なくとも有する第2の孔型とを備えた上下の水平ロールを有する前記エッジャ圧延機によって、最終パス前のパスまでは、前記第1の孔型で前記被圧延材を圧延して前記フランジの先端の内側角部をR形状に成形し、最終パスでは、前記第2の孔型が前記粗ユニバーサル圧延機のミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機を移動手段によってロール軸方向に移動させて前記第2の孔型で前記被圧延材を圧延し、これにより前記フランジの先端の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部をそれぞれR形状に成形することを特徴としている。
加えて、本発明のうち請求項4に係るT形鋼の製造方法は、請求項3記載のT形鋼の製造方法において、前記第2の孔型が、前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じてそれぞれ異なる幅を有する複数の孔型を備え、該複数の孔型が前記ロール軸方向に沿って配置され、最終パスでは、所望の前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じた幅を有する前記第2の孔型が前記粗ユニバーサル圧延機のミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機を移動手段によってロール軸方向に移動させて前記第2の孔型で前記被圧延材を圧延し、これにより前記フランジの先端の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部をそれぞれR形状に成形することを特徴としている。
本発明のうち請求項1に係るT形鋼の製造設備及び請求項3に係るT形鋼の製造方法によれば、中間圧延工程において、エッジャ圧延機の第1の孔型で、最終パス前のパスまで被圧延材を圧延してフランジの先端の内側角部をR形状に成形し、最終パスでは、第2の孔型が粗ユニバーサル圧延機のミルセンターに位置するようにエッジャ圧延機を移動手段によってロール軸方向に移動させて第2の孔型で被圧延材を圧延し、これによりフランジの先端の内側角部及びフランジの先端の外側角部をそれぞれR形状に成形するので、T形鋼のフランジの先端の内側角部及び外側角部の双方にRを形成することができる熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法を提供できる。
また、本発明のうち請求項2に係るT形鋼の製造設備及び請求項4に係るT形鋼の製造方法によれば、請求項1記載のT形鋼の製造設備及び請求項3記載のT型鋼の製造方法において、前記第2の孔型が、前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じてそれぞれ異なる幅を有する複数の孔型を備え、該複数の孔型が前記ロール軸方向に沿って配置され、最終パスでは、所望の前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じた幅を有する前記第2の孔型が前記粗ユニバーサル圧延機のミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機を移動手段によってロール軸方向に移動させて前記第2の孔型で前記被圧延材を圧延し、これにより前記フランジの先端の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部をそれぞれR形状に成形するので、フランジ板厚の異なる複数のT形鋼のフランジの先端の内側角部及び外側角部の双方にRを形成することができる熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法を提供できる。
本発明に係るT形鋼の製造設備の実施形態の概略構成図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられる粗ユニバーサル圧延機を説明するための模式図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられるエッジャ圧延機を説明するための模式図である。 図3の矢印4で示す部分の拡大図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられる中間圧延機群を構成する粗ユニバーサル圧延機とエッジャ圧延機を平面側から見た概略図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられる仕上圧延機を説明するための模式図である。 T形鋼の断面図である。 ウェブとフランジとを溶接して製造したT形鋼の断面図である。 略T字断面形状のT形鋼片の断面図である。 従来のT形鋼の製造設備の一例を示す概略構成図である。 (A)は従来のT形鋼の製造設備に用いられる粗造形圧延機を説明するための模式図、(B)は従来のT形鋼の製造設備に用いられる粗ユニバーサル圧延機を説明するための模式図、(C)は従来のT形鋼の製造設備に用いられるエッジャ圧延機を説明するための模式図、(D)は従来のT形鋼の製造設備に用いられる仕上ユニバーサル圧延機を説明するための模式図である。 従来のフランジ先端R付H形鋼の製造設備の一例を示す概略構成図である。 図12におけるフランジ先端R付H形鋼の製造設備のエッジャ圧延機においてフランジ先端の内側角部にRを付与する方法を示す図である。 図12におけるフランジ先端R付H形鋼の製造設備の孔型可変圧延機においてフランジ先端の外側角部にRを付与する方法を示す図である。 従来のI形鋼フランジ先端の外側角部にRを付与する技術を示す図である。 従来のT形鋼の製造設備に用いられるエッジャ圧延機を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るT形鋼の製造設備の実施形態の概略構成図である。
図1に示すT形鋼の製造設備1は、上流側から下流側に向けて、即ち前段側から後段側に向けて粗造形圧延機2、中間圧延機群3、及び仕上圧延機6を順次配設してなる。
粗造形圧延機2は、加熱炉(図示せず)からテーブルローラ(図示せず)上を搬送された被圧延材(素材鋼片、図示せず)を往復圧延して断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材(T形鋼片、図9参照)Hに粗圧延する(粗造形圧延工程)。粗造形圧延機2としては、公知の設備が利用でき、例えば、孔型を有するロールが装備された二重式圧延機とする。
中間圧延機群3は、粗造形圧延機2の圧延方向後段に設置されており、粗造形圧延機2により粗圧延された断面略T字形のウェブ21及びフランジ22からなる被圧延材Hを略製品寸法のウェブ21及びフランジ22からなる被圧延材(図3における破線参照)Hに圧延する(中間圧延工程)。
この中間圧延機群3は、本実施形態においては、図2に示す粗ユニバーサル圧延機4と、この粗ユニバーサル圧延機4の後段に設置された図3に示すエッジャ圧延機5とで構成されている。中間圧延機群3は、図5に示すように、粗ユニバーサル圧延機4を圧延方向の前段に、エッジャ圧延機5を圧延方向の後段に設置してある。なお、粗ユニバーサル圧延機4は、エッジャ圧延機5の圧延方向前段に1台設置されているが、少なくとも1台設置されていればよく、図1に破線で示すようにエッジャ圧延機5の圧延方向後段にも設置して合計2台としてもよい。
ここで、粗ユニバーサル圧延機4は、図2に示すように、水平軸上を回転する上下一対の水平ロール41a,41bと、垂直軸上を回転する左右一対の竪ロール42a,42bとを有している。上下一対の水平ロール41a,41b及び右一対の竪ロール42a,42bは、それぞれ、対向配置されている。
粗ユニバーサル圧延機4では、水平ロール41a,41bにより被圧延材Hのウェブ21の高さ方向の全面を板厚方向に圧下し、竪ロール42aと水平ロール41a,41bの側面でフランジ22をその板厚方向に圧下する。
ウェブ21の板厚調整は、水平ロール41a,41bの開度調整で行い、フランジ22の板厚調整は、竪ロール42aと水平ロール41a,41bの側面との開度調整で行う。
また、エッジャ圧延機5は、図3に示すように、上下の水平ロール51a,51bを有する。上下の水平ロール51a,51bのそれぞれは、第1の大径ロール部52A、第1の小径ロール部53A、第2の大径ロール部52B、第2の小径ロール部53B、第3の大径ロール部52C、第3の小径ロール部53C、第4の大径ロール部52D、第4の小径ロール部53D、第5の大径ロール部52E、第5の小径ロール部53E及び第6の大径ロール部52Fをロール軸方向(水平軸方向)に沿って順次配設してなる。
そして、上水平ロール51aに設けられた第1の小径ロール部53Aと下水平ロール51bに設けられた第1の小径ロール部53Aとにより第1の孔型58Aが形成される。また、上水平ロール51aに設けられた第2の小径ロール部53Bと下水平ロール51bに設けられた第2の小径ロール部53B、上水平ロール51aに設けられた第3の小径ロール部53Cと下水平ロール51bに設けられた第3の小径ロール部53C、上水平ロール51aに設けられた第4の小径ロール部53Dと下水平ロール51bに設けられた第4の小径ロール部53D、及び上水平ロール51aに設けられた第5の小径ロール部53Eと下水平ロール51bに設けられた第5の小径ロール部53Eとにより、複数の第2の孔型58B、58C、58D、58Eが形成される。
ここで、第1乃至第5の大径ロール部52A、52B、52C、52D、52Eは、被圧延材Hのウェブ21を誘導する機能を有する。
そして、第1の小径ロール部53Aの第1の孔型58Aを構成するロール表面55A、第2の小径ロール部53Bの第2の孔型58Bを構成するロール表面55B、第3の小径ロール部53Cの第3の孔型58Cを構成するロール表面55C、第4の小径ロール部53Dの第4の孔型58Dを構成するロール表面55D、及び第5の小径ロール部53Eの第5の孔型58Eを構成するロール表面55Eが被圧延材Hのフランジ22の先端面をその幅方向に圧下する。
第1の小径ロール部53Aのロール表面55Aと第1の大径ロール部52Aのロール表面、第2の小径ロール部53Bのロール表面55Bと第2の大径ロール部52Bのロール表面、第3の小径ロール部53Cのロール表面55Cと第3の大径ロール部52Cのロール表面、第4の小径ロール部53Dのロール表面55Dと第4の大径ロール部52Dのロール表面、及び第5の小径ロール部53Eのロール表面55Eと第5の大径ロール部52Eのロール表面との間には、それぞれ第1の側壁部54A、第2の側壁部54B、第3の側壁部54C、第4の側壁部54D、第5の側壁部54Dが設けられ、これら第1乃至第5の側壁部54A、54B、54C、54D、54Eが被圧延材Hのフランジ22の内面に接触し、被圧延材Hを誘導する機能を有する。
そして、第1の孔型58Aを構成する第1の側壁部54Aと第1の大径ロール部52Aのロール表面との間には、円弧形状の第1角部56Aが設けられている。また、複数の第2の孔型58B、58C、58D、58Eを構成する第2の側壁部54Bと第2の大径ロール部52Bのロール表面との間、第3の側壁部54Cと第3の大径ロール部52Cのロール表面との間、第4の側壁部54Dと第4の大径ロール部52Dのロール表面との間、及び第5の側壁部54Eと第5の大径ロール部52Eのロール表面との間には、それぞれ円弧形状の第2乃至第5角部56B、56C、56D、56Eが設けられている。
また、第1の孔型58Aを構成する第1の側壁部54Aと第1の小径ロール部53Aのロール表面55Aとの間には、被圧延材Hのフランジ22の先端の内側角部を圧下する円弧形状の第1内側角部57Aが設けられている。この第1内側角部57Aの半径R1E1(図3参照)は、製品となるT形鋼20のフランジ22の先端の内側角部の円弧半径R1と同じかやや大きな値とする。
なお、第1の孔型58Aにおいて、第1の小径ロール部53Aのロール表面55Aは、図3に示すように、被圧延材Hのフランジ22の先端面の幅よりも大きく形成され、第1の孔型58Aの断面積は被圧延材Hのフランジ22の部分の断面積よりもかなり大きな断面積を有している。すなわち、第1の孔型58Aは、T形鋼20の製品寸法のフランジ板厚によらず共通に用いられる。
また、複数の第2の孔型58B、58C、58D、58Eを構成する第2の側壁部54Bと第2の小径ロール部53Bのロール表面55Bとの間、第3の側壁部54Cと第3の小径ロール部53Cのロール表面55Cとの間、第4の側壁部54Dと第4の小径ロール部53Dのロール表面55Dとの間、及び第5の側壁部54Eと第5の小径ロール部53Eのロール表面55Eとの間には、それぞれ被圧延材Hのフランジ22の先端の内側角部を圧下する円弧形状の第2乃至第5内側角部57B、57C、57D、57Eが設けられている。これら第2乃至第5内側角部57B、57C、57D、57Eの円弧半径R1E2(図4参照)は、製品となるT形鋼20のフランジ22の先端の内側角部の円弧半径R1と同じかやや大きくかつ前記第1内側角部57Aの半径R1E1よりもやや小さい値とする。このように、第2乃至第5内側角部57B、57C、57D、57Eの半径R1E2は、製品となるT形鋼20のフランジ22の先端の内側角部の円弧半径R1と同じかやや大きくするのは、中間圧延工程の後に仕上ユニバーサル圧延機6でフランジ22が軽圧下される際に、円弧半径がやや小さくなる場合があるためであり、この円弧半径R1E2はR1よりも0〜30%大きな半径とするのが好ましい。この円弧半径R1E2は一般に2mm以上とする。これは、塗装目的で使用されるT形鋼20のフランジ22の先端に要求される円弧半径が2mm以上であることによる。また、フランジ22の先端の円弧半径の上限はフランジ厚の1/2までであることから、フランジ22の先端の内側角部57B、57C、57D、57Eの円弧半径R1E2はフランジ厚の1/2以下でよく、一般に15mm以下とすればよい。
また、複数の第2の孔型58B、58C、58D、58Eを構成する第2の小径ロール部53Bのロール表面55Bの第2内側角部57Bと反対端部、第3の小径ロール部53Cのロール表面55Cの第3内側角部57Cと反対端部、第4の小径ロール部53Dのロール表面55Dの第4内側角部57Dと反対端部、及び第5の小径ロール部53Eのロール表面55Eの第5内側角部57Eと反対端部には、それぞれ被圧延材Hのフランジ22の先端の外側角部を圧下する円弧形状の第2乃至第5外側角部59B、59C、59D、59Eが設けられている。これら第2乃至第5外側角部59B、59C、59D、59Eの円弧半径R2E(図4には第2外側角部59Bの円弧半径R2Eのみ図示)は、製品となるT形鋼20のフランジ22の先端の外側角部の円弧半径R2と同じかやや大きい値とする。これは、中間圧延工程の後に仕上ユニバーサル圧延機6でフランジ22が軽圧下される際に、円弧半径がやや小さくなる場合があるためであり、この円弧半径R2EはR2よりも0〜30%大きな半径とするのが好ましい。この円弧半径R2Eは一般に2mm以上とする。これは、塗装目的で使用されるT形鋼20のフランジ22の先端に要求される円弧半径が2mm以上であることによる。また、フランジ22の先端の円弧半径の上限はフランジ厚の1/2までであることから、フランジ22の先端の外側角部59B、59C、59D、59Eの円弧半径R1E2はフランジ厚の1/2以下でよく、一般に15mm以下とすればよい。
複数の第2の孔型58B、58C、58D、58Eを構成する第2の小径ロール部53Bのロール表面55Bの幅W1(図4参照、図4にはロール表面57Bの幅W1のみ示す)、第3の小径ロール部53Cのロール表面55Cの幅W2、第4の小径ロール部53Dのロール表面55Dの幅W3及び第5の小径ロール部53Eのロール表面55Eの幅W4は、それぞれT形鋼20の製品寸法のフランジ板厚(フランジ22の板厚)t1、t2、t3、t4に応じた幅に設定される。
なお、各第1及び第2孔型(58A、58B、58C、58D、58E)の間隔、すなわち第2乃至第5の大径ロール部52B、52C、52D、52Eの幅は、被圧延材Hのウェブ高さよりも小さくてもよい。前述したように第1乃至第5の大径ロール部52A、52B、52C、52D、52Eは被圧延材Hのウェブ21を誘導する機能を有するが、第2の孔型58B、58C、58D、58Eは中間圧延の最終パスでのみ使用されるため、必ずしも被圧延材Hのウェブ21の全体を拘束しなくてもよい。従って、製造するT形鋼の製品サイズが多岐にわたる場合でも、上下の水平ロール51a,51bの限られたロール長さの中に、多数の第2の孔型を形成することができる。
そして、エッジャ圧延機5には、図5に示すように、エッジャ圧延機5をロール軸方向に移動させる移動手段としてのシリンダ7が設けられている。シリンダ7は、第1の孔型58A及び複数の第2の孔型58B、58C、58D、58Eのそれぞれが粗ユニバーサル圧延機4のミルセンターに位置するようにエッジャ圧延機5全体をロール軸方向に移動させる。
中間圧延工程では、粗ユニバーサル圧延機4とエッジャ圧延機5とにより往復圧延が行われ、複数のパスで被圧延材Hが所定の寸法まで圧延される。ここで、中間圧延工程においては、最終パスの前のパスまではエッジャ圧延機5の第1の孔型58Aが粗ユニバーサル圧延機4のミルセンターに位置しており、当該第1の孔型58Aで被圧延材Hの圧延を行って被圧延材Hのフランジ22の先端面及び被圧延材Hのフランジ22の先端の内側角部を圧下し、被圧延材Hのフランジ22の先端の内側角部をR形状に成形する。そして、最終パスでは、所望のT形鋼20の製品寸法のフランジ板厚t1、t2、t3、t4に応じた幅W1、W2、W3、W4を有する第2の孔型58B、58C、58D、58E(58B、58C、58D、58Eのうちのいずれか)が粗ユニバーサル圧延機4のミルセンターに位置するようにエッジャ圧延機5をシリンダ7によってロール軸方向に移動させ、当該第2の孔型58B、58C、58D、58Eで被圧延材Hを圧延する。これにより、被圧延材Hのフランジ22の先端面、被圧延材Hのフランジ22の先端の内側角部及び被圧延材Hのフランジ22の先端の外側角部を圧下し、被圧延材Hのフランジ22の先端の内側角部及びフランジ22の先端の外側角部をそれぞれR形状に成形する。
そして、仕上圧延機6は、中間圧延機群3の後方に設置され、中間圧延機群3により略製品寸法に圧延された被圧延材Hを製品寸法のウェブ21及びフランジ22からなるT形鋼20に仕上圧延する(仕上圧延工程)。これにより、図7に示すように、フランジ22の先端の内側角部の円弧半径をR1及びフランジ22の先端の外側角部の円弧半径をR2としたT形鋼20が製造される。
仕上圧延機6は、仕上ユニバーサル圧延機で構成されており、図6に示すように、水平軸上を回転する上下一対の水平ロール61a,61bと、垂直軸上を回転する左右一対の竪ロール62a,62bとを備えている。水平ロール61a,61bの側面はロール面と直交させる。
竪ロール62aで被圧延材Hのフランジ22を軽圧下圧延すると、ウェブ21に対してフランジ22が垂直に成形される。竪ロール62bを水平ロール61a,61bの、フランジ22と対向しない側の側面に押圧することで水平ロール61a,61bを軸方向に移動しないようにできる。
仕上ユニバーサル圧延機では、ウェブ21はほとんど圧下されないか、または、形・寸法を整える程度に軽圧下される。
なお、図5において、符号8はエッジャ圧延機5の前側に設置された鋼材誘導ガイドで、粗ユニバーサル圧延機4で圧延された被圧延材Hを粗ユニバーサル圧延機4のミルセンターに案内する機能を有する。
以上説明したように、本実施形態によれば、中間圧延工程において、エッジャ圧延機5の第1の孔型58Aで、最終パス前のパスまで被圧延材Hを圧延してフランジ22の先端の内側角部57AをR形状に成形し、最終パスでは、第2の孔型58B、58C、58D、58Eが粗ユニバーサル圧延機4のミルセンターに位置するようにエッジャ圧延機5をシリンダ7によってロール軸方向に移動させて第2の孔型58B、58C、58D、58Eで被圧延材Hを圧延し、これによりフランジ22の先端の内側角部57B、57C、57D、57E及びフランジ22の先端の外側角部59B、59C、589D、59EをR形状に成形するので、T形鋼のフランジの先端の内側角部及び外側角部の双方にRを形成することができる熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法を提供できる。
また、第2の孔型58B、58C、58D、58Eが、T形鋼20の製品寸法のフランジ板厚t1、t2、t3、t4に応じてそれぞれ異なる幅W1、W2、W3、W4を有する複数の孔型58B、58C、58D、58Eを備え、複数の孔型58B、58C、58D、58Eがロール軸方向に沿って配置され、最終パスでは、所望のT形鋼20の製品寸法のフランジ板厚t1、t2、t3、t4に応じた幅を有する第2の孔型58B、58C、58D、58E(58B、58C、58D、58Eのうちのいずれか一つ)が粗ユニバーサル圧延機4のミルセンターに位置するようにエッジャ圧延機5をシリンダ7によってロール軸方向に移動させて第2の孔型58B、58C、58D、58E(58B、58C、58D、58Eのうちのいずれか一つ)で被圧延材Hを圧延し、これによりフランジ22の先端の内側角部57B、57C、57D、57E及びフランジ22の先端の外側角部59B、59C、589D、59EをそれぞれR形状に成形する。このため、フランジ板厚の異なる複数のT形鋼のフランジの先端の内側角部及び外側角部の双方にRを形成することができる熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法を提供できる。
なお、本実施形態にあっては、第2の孔型58B、58C、58D、58Eを4つ設置してあるが、第2の孔型の数は少なくとも一つあればよく、所望のT形鋼製品寸法のフランジ板厚の種類に応じて設ければよい。
Figure 2010179352
実施例1として、図1に示すT形鋼の製造設備1を用いて、表1に示すように、厚さ250mm、幅310mmの矩形断面を有するブルームから、ウェブ高さ300mm、フランジ幅125mm、ウェブ厚10mm、フランジ厚19mmを目標寸法とするT形鋼を圧延した。
粗造形圧延機2としては複数の孔型を設けた上下ロールを有する二重式圧延機を用いた。
中間圧延機群を構成する粗ユニバーサル圧延機4としては、図2に示す構造のものを用いた。水平ロール41a,41bとしては、側面の鉛直方向からの角度(鉛直方向線と水平ロール41a,41bの側面とのなす角度)が7°のものを用いた。左右の竪ロール42a,42bは対向するように配置し、断面形状においてロール面の幅方向中心を頂点とする、鉛直から角度7°傾いた斜辺を有する上下対称の山形形状とした。また、左右の竪ロール42a,42bのうち、水平ロール41a,41bの側面を押圧するものは、フランジ22の圧延で水平ロール41a,41bが水平軸方向に移動しないように、押圧力を調整した。
エッジャ圧延機5としては、図3に示す構造のものを用いた。
仕上圧延機6は、図6に示す構造の仕上ユニバーサル圧延機を用いた。
T形鋼の製造においては、最初に加熱炉で昇温したブルームを粗造形圧延機2で圧延し、図9に示すような略T字断面形状のT形鋼片とした。得られたT形鋼片は、表1に示すように、ウェブ厚48mm、フランジ厚80mm、ウェブ高さ365mm、フランジ幅163mmであった。
続いて、粗ユニバーサル圧延機4及びエッジャ圧延機5をこの順に上流側から下流側に向けて近接配置した中間圧延機群3で5パスの往復圧延を行って、粗ユニバーサル圧延機4ウェブ21とフランジ22の厚みを圧下し、エッジャ圧延機5でフランジ22の幅を圧下するとともに、フランジ22の先端の内側角部及びフランジ22の先端の外側角部をそれぞれR形状に成形した。ここで、表1に示すように、エッジャ圧延機5の第2孔型の内側角部の円弧半径R1E2を7mm、第2孔型の外側角部の円弧半径R2Eを3mmとし、第2孔型の幅wは20.1mmのものを選択して用いた。
最後に、仕上圧延機6で1パスの圧延を行い、フランジ22の傾斜を鉛直に整形した。なお、ウェブ21とフランジ22は軽圧下とした。
以上のように圧延したT形鋼20のフランジ22の先端の角部には、表1に示すように、外側で5〜7mm、内側で2〜3mmのRが形成されており、ほぼ目標どおりのRをフランジ22の先端に付与することができた。
実施例2として、図1に示すT形鋼の製造設備1を用いて、表1に示すように、厚さ250mm、幅310mmの矩形断面を有するブルームから、ウェブ高さ306mm、フランジ幅125mm、ウェブ厚10mm、フランジ厚25mmを目標寸法とするT形鋼を圧延した。
粗造形圧延機2としては複数の孔型を設けた上下ロールを有する二重式圧延機を用いた。
中間圧延機群を構成する粗ユニバーサル圧延機4としては、図2に示す構造のものを用いた。水平ロール41a,41bとしては、側面の鉛直方向からの角度(鉛直方向線と水平ロール41a,41bの側面とのなす角度)が7°のものを用いた。左右の竪ロール42a,42bは対向するように配置し、断面形状においてロール面の幅方向中心を頂点とする、鉛直から角度7°傾いた斜辺を有する上下対称の山形形状とした。また、左右の竪ロール42a,42bのうち、水平ロール41a,41bの側面を押圧するものは、フランジ22の圧延で水平ロール41a,41bが水平軸方向に移動しないように、押圧力を調整した。
エッジャ圧延機5としては、図3に示す構造のものを用いた。
仕上圧延機6は、図6に示す構造の仕上ユニバーサル圧延機を用いた。
T形鋼の製造においては、最初に加熱炉で昇温したブルームを粗造形圧延機2で圧延し、図9に示すような略T字断面形状のT形鋼片とした。得られたT形鋼片は、表1に示すように、ウェブ厚35mm、フランジ厚80mm、ウェブ高さ365mm、フランジ幅150mmであった。
続いて、粗ユニバーサル圧延機4及びエッジャ圧延機5をこの順に上流側から下流側に向けて近接配置した中間圧延機群3で5パスの往復圧延を行って、粗ユニバーサル圧延機4ウェブ21とフランジ22の厚みを圧下し、エッジャ圧延機5でフランジ22の幅を圧下するとともに、フランジ22の先端の内側角部及びフランジ22の先端の外側角部をそれぞれR形状に成形した。ここで、表1に示すように、エッジャ圧延機5の第2孔型の内側角部の円弧半径R1E2を7mm、第2孔型の外側角部の円弧半径R2Eを3mmとし、第2孔型の幅wは26.5mmのものを選択して用いた。
最後に、仕上圧延機6で1パスの圧延を行い、フランジ22の傾斜を鉛直に整形した。なお、ウェブ21とフランジ22は軽圧下とした。
以上のように圧延したT形鋼20のフランジ22の先端の角部には、表1に示すように、外側で5〜7mm、内側で2〜3mmのRが形成されており、ほぼ目標どおりのRをフランジ22の先端に付与することができた。
この実施例1及び実施例2からわかるように、本発明のT形鋼の製造設備及び製造方法を用いれば、塗装される用途に適したフランジ先端R付T形鋼を効率よくかつ低コストで大量に製造することが可能となる。
1 T形鋼の製造設備
2 粗造形圧延機
3 中間圧延機群
4 粗ユニバーサル圧延機
5 エッジャ圧延機
6 仕上圧延機(仕上ユニバーサル圧延機)
7 シリンダ(移動手段)
8 鋼材誘導ガイド
20 T形鋼
21 ウェブ
22 フランジ
41a,41b 水平ロール
42a,42b 竪ロール
51a,51b 水平ロール
52A 第1の大径ロール部
52B 第2の大径ロール部
52C 第3の大径ロール部
52D 第4の大径ロール部
52E 第5の大径ロール部
52F 第6の大径ロール部
53A 第1の小径ロール部
53B 第2の小径ロール部
53C 第3の小径ロール部
53D 第4の小径ロール部
53E 第5の小径ロール部
54A 第1の側壁部
54B 第2の側壁部
54C 第3の側壁部
54D 第4の側壁部
54E 第5の側壁部
55A,55B,55C,55D,55E ロール表面
56A 第1角部
56B 第2角部
56C 第3角部
56D 第4角部
56E 第5角部
57A 第1内側角部
57B 第2内側角部
57C 第3内側角部
57D 第4内側角部
57E 第5内側角部
58A 第1の孔型
58B,58C,58D,58E 第2の孔型
59B 第2外側角部
59C 第3外側角部
59D 第4外側角部
59E 第5外側角部
61a,61b 水平ロール
62a,62b 竪ロール
101 T形鋼の製造設備
102 粗造形圧延機
102a 上ロール
102b 下ロール
103 中間圧延機群
104 粗ユニバーサル圧延機
141a,141b 水平ロール
142a,142b 竪ロール
105 エッジャ圧延機
151a,151b 水平ロール
153 大径ロール部
154 小径ロール部
106 仕上ユニバーサル圧延機
161a,161b 水平ロール
162a,162b 竪ロール
201 粗造形圧延機
202 中間圧延機群
203 粗ユニバーサル圧延機
204 エッジャ圧延機
204a,204b ロール
205 仕上ユニバーサル圧延機
206a,206b ロール
301,302,303,304 成形ローラ
401 エッジャ圧延機
401a,401b ロール
kal.1,kal.2,kal.3 孔型
H 被圧延材

Claims (4)

  1. 素材鋼片を断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延機と、該粗造形圧延機により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に圧延するための少なくとも一つの粗ユニバーサル圧延機及びエッジャ圧延機からなる中間圧延機群と、該中間圧延機群により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延機とを備えた熱間圧延によるT形鋼の製造設備において、
    前記エッジャ圧延機が、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部を少なくとも有する第1の孔型と、該第1の孔型に対してロール軸方向に離隔した位置に位置し、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部を圧下する円弧形状の外側角部を少なくとも有する第2の孔型とを備えた上下の水平ロールを有し、
    更に前記第1の孔型及び前記第2の孔型のそれぞれが前記粗ユニバーサルスタンドのミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機をロール軸方向に移動させる移動手段を備えたことを特徴とするT形鋼の製造設備。
  2. 前記第2の孔型が、前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じてそれぞれ異なる幅を有する複数の孔型を備え、該複数の孔型が前記ロール軸方向に沿って配置され、前記移動手段が前記第1の孔型及び前記複数の第2の孔型のそれぞれが前記粗ユニバーサルスタンドのミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機をロール軸方向に移動させることを特徴とする請求項1記載のT形鋼の製造設備。
  3. 素材鋼片を粗造形圧延機によって断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延工程と、該粗造形圧延工程により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を少なくとも一つの粗ユニバーサル圧延機及びエッジャ圧延機からなる中間圧延機群によって略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に複数パスの往復圧延で圧延する中間圧延工程と、該中間圧延工程により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を仕上圧延機によって製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延工程とを備えた、熱間圧延によるT形鋼の製造方法において、
    前記中間圧延工程では、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部を少なくとも有する第1の孔型と、該第1の孔型に対してロール軸方向に離隔した位置に位置し、前記フランジの先端の内側角部を圧下する円弧形状の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部を圧下する円弧形状の外側角部を少なくとも有する第2の孔型とを備えた上下の水平ロールを有する前記エッジャ圧延機によって、最終パス前のパスまでは、前記第1の孔型で前記被圧延材を圧延して前記フランジの先端の内側角部をR形状に成形し、最終パスでは、前記第2の孔型が前記粗ユニバーサルスタンドのミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機を移動手段によってロール軸方向に移動させて前記第2の孔型で前記被圧延材を圧延し、これにより前記フランジの先端の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部をそれぞれR形状に成形することを特徴とするT形鋼の製造方法。
  4. 前記第2の孔型が、前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じてそれぞれ異なる幅を有する複数の孔型を備え、該複数の孔型が前記ロール軸方向に沿って配置され、最終パスでは、所望の前記T形鋼の製品寸法のフランジ板厚に応じた幅を有する前記第2の孔型が前記粗ユニバーサルスタンドのミルセンターに位置するように前記エッジャ圧延機を移動手段によってロール軸方向に移動させて前記第2の孔型で前記被圧延材を圧延し、これにより前記フランジの先端の内側角部及び前記フランジの先端の外側角部をそれぞれR形状に成形することを特徴とする請求項3記載のT形鋼の製造方法。
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