JP2010177387A - 不揮発性記憶装置および駆動方法 - Google Patents

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俊作 村岡
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Abstract

【課題】抵抗変化素子に対して効率のよい高抵抗化用の電圧印加ができる不揮発性記憶装置を提供する。
【解決手段】下部電極309aと上部電極309cと両電極間に与えられる極性の異なる電気的信号に基づいて可逆的に変化する抵抗変化層309bとからなる抵抗変化素子309と、トランジスタ317とを直列に接続してなるメモリセル300を備え、基板からNウェルとP型拡散層302bからなるダイオードを介して下部電極309aに電位を与え、ビット線BL0から上部電極309cに電位を与えることでデータの書き込みを行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化素子とトランジスタとで構成されたメモリセルを有する抵抗変化型不揮発性記憶装置に関する。
近年、抵抗変化素子を用いて構成されたメモリセルを有する不揮発性記憶装置の研究開発が進んでいる。抵抗変化素子とは、電気的信号によって抵抗値が可逆的に変化する性質を有し、さらにはこの抵抗値に対応したデータを、不揮発的に記憶することが可能な素子をいう。
抵抗変化素子を用いた不揮発性記憶装置として、直交するように配置されたビット線とワード線、ソース線との交点の位置に、MOSトランジスタと抵抗変化素子を直列に接続した、いわゆる1T1R型と呼ばれるメモリセルをマトリクス状にアレイ配置した不揮発性記憶装置が一般的に知られている。
特許文献1では、ペロブスカイト型結晶構造の酸化物を抵抗変化素子として用いた1T1R型メモリセルで構成された不揮発性記憶装置が示されている。
図33は、その中で示されているメモリセルの断面の模式図である。
メモリセル1011は、トランジスタ1006と抵抗変化素子1010とを電気的に直列に接続して形成されている。
トランジスタ1006は、半導体基板1001上に作製した第1の拡散層領域であるソース領域1002、第2の拡散層領域であるドレイン領域1003、およびゲート酸化膜1004上に形成されたゲート電極1005からなる。
抵抗変化素子1010は、電圧印加によって抵抗値が変化する可変抵抗層1008を、下部電極1007と上部電極1009との間に挟持してなる。
ドレイン領域1003と下部電極1007とは電気的に接続されている。
上部電極1009は、ビット線1012となる金属配線に接続され、ゲート電極1005はワード線に接続され、ソース領域1002はソース線1013となる金属配線に接続される。
ここでは、可変抵抗層1008に用いる材料としては、Pr1-xCaxMnO3、La1-xCaxMnO3(PCMO)などが開示されているが、電極材料に関しては特に言及されていない。
また、メモリセル1011への書き込み方法については、上部電極1009にVpp、ソース領域1002にVss、ゲート電極に所定の電圧振幅Vwpのパルス電圧を印加すると、低抵抗状態から高抵抗状態に変化し、逆に、上部電極1009にVss、ソース領域1002にVpp、ゲート電極に所定のVweのパルス電圧を印加すると、高抵抗状態から低抵抗状態に変化できることが開示されている。
特許文献2では、前述の電気的信号により抵抗変化が生じる抵抗変化素子とは抵抗変化の原理が異なる抵抗変化素子を用いた、1T1R型メモリセルで構成された不揮発性記憶装置が示されている。この記憶装置は、相変化メモリと呼ばれている。
図34は、特許文献2に開示される、相変化メモリの断面図である。
メモリセル1021は、記憶部1022とNMOSトランジスタ1027とを用いて、1T1R型で構成されている。NMOSトランジスタ1027は、ソースおよびドレインに対応するN型拡散層領域1029およびN型拡散層領域1030、ならびにそれらに挟まれたゲート電極1031からなる。
記憶部1022は、相変化素子1024を挟んで、上部側を第2メタル配線層1023、下部側をコンタクトビア1025、第1メタル配線層1026で形成され、NMOSトランジスタ1027のN型拡散層領域1029に繋がる。
NMOSトランジスタ1027の反対側のN型拡散層領域1030は、各配線層を介して第3メタル配線層1028に接続される。
ここでは第2メタル配線層1023がソース線、第3メタル配線層1028がビット線、NMOSトランジスタ1027のゲート電極1031がワード線に対応している。
特開2005−25914号公報(図2) 特開2005−267837号公報(図6、図7)
本願発明者らは、抵抗変化型の不揮発性記憶装置の1つとして、遷移金属の酸素不足型の酸化物を抵抗変化層とする1T1R型メモリセルで構成された不揮発性記憶装置を検討している。
ここで、酸素不足型の酸化物とは、酸素が化学量論的組成から不足した酸化物をいう。遷移金属の1つであるTa(タンタル)の例で言えば、化学量論的な組成を有する酸化物としてTa25がある。このTa25では、O(酸素)がタンタルの2.5倍含まれており、酸素含有率で表現すると、71.4%である。この酸素含有率71.4%よりも酸素含有率が低くなった状態の酸化物、すなわちTaOxと表現したとき、0<x<2.5を満足する非化学量論的な組成を有するタンタル酸化物を、酸素不足型のタンタル酸化物と呼ぶ。
このような不揮発性記憶装置では、製造直後の抵抗変化素子に対して通常の使用時にデータを書き込む(抵抗状態を変化させる)ための電圧よりも高い電圧を印加することにより、抵抗変化素子を高抵抗化する初期化処理が行われることがある。
このとき、プロセス中のチャージングダメージなどにより、抵抗変化素子の製造直後の抵抗値が異常に低い場合、初期化処理のために特に高い電圧を印加する必要が生じる。
また、通常の使用において抵抗変化素子が低抵抗化と高抵抗化を繰り返すサイクリングと呼ばれる動作をするうちに、高抵抗状態での抵抗変化素子の抵抗値が下がっていくことがある。
この場合も、抵抗変化素子に対して、通常の使用において高抵抗化のために印加する電圧よりも高い電圧を印加することにより、所望の抵抗値を回復することができる。
このように、製造直後の抵抗変化素子の抵抗値を確実に初期化し、また通常の使用時に所望の抵抗値を回復するために、データの書き込みに通常用いられる電圧よりも高い電圧を、抵抗変化素子に対して一時的に印加することが有効である。
しかしながら、そのような高い電圧をトランジスタを介して抵抗変化素子(特に、低抵抗状態にある抵抗変化素子)に印加しようとすると、常時は必要のない大きな電流駆動能力をトランジスタに持たせなくてはならず、トランジスタが大型化し、高密度なメモリセルアレイを実現できないという問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、抵抗変化素子を用いた1T1R型の不揮発性記憶装置において、トランジスタを大型化することなく、通常のデータの書き込みに用いられる電圧よりも高い電圧を抵抗変化素子に対して印加できる不揮発性記憶装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の駆動方法は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第1導電型の不純物拡散層ウェルと、前記第1導電型の不純物拡散層ウェル内に形成された第2導電型の第1の不純物拡散層、ゲート電極、および前記ゲート電極を挟んで前記第2導電型の第1の不純物拡散層と反対側に形成された第2導電型の第2の不純物拡散層からなるトランジスタと、前記第2導電型の第1の不純物拡散層に接続された第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層からなる不揮発性記憶素子と、前記第1導電型の不純物拡散層ウェルに接続された基板端子とを備え、前記トランジスタと前記不揮発性記憶素子とでメモリセルを構成した不揮発性記憶装置の駆動方法であって、前記基板端子と前記第2電極との間に、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェルと前記第2導電型の前記第1の不純物拡散層との接合によってできる寄生ダイオードの順方向となる第1の電圧を印加するステップを含む。
この方法によれば、前記第1の電圧に応じた電流を前記基板端子から前記寄生ダイオードを介して前記抵抗変化素子に流すことができる。これにより、前記抵抗変化素子の抵抗状態を安定的に変化させるために用いられる、前記トランジスタの駆動能力を超えるような大電流を、前記トランジスタを大型化することなく供給可能となるので、メモリセルのサイズを最適化するために役立つ。
ここで、前記第1の電圧の印加に応じて、前記抵抗変化層の抵抗値が増加することが望ましい。
特に、前記抵抗変化素子の抵抗状態を初期化し、また所望の状態に回復させるために、前記抵抗変化素子に対して、通常の高抵抗化に用いられる電圧よりも大きな電圧を一時的に印加するとよいことが分かっている。前記抵抗変化素子に対して前記寄生ダイオードを介してそのような電圧を印加することにより、前記トランジスタに要求される駆動能力が必要最小限に抑えられる結果、前記トランジスタのサイズを最小限に設計できる。
また、前記駆動方法は、さらに、前記第2導電型の第2の不純物拡散層と前記第2電極との間に、第2の電圧を印加するステップと、前記第2の電圧が印加されているときに、前記ゲート電極に、前記トランジスタをオンする制御電圧を印加するステップとを含んでもよい。
また、前記駆動方法において、前記抵抗変化層の抵抗値が初期抵抗値にある場合において、前記基板端子と前記第2電極との間に、前記第1の電圧を印加してもよく、前記不揮発性記憶素子に対する書き込みの回数が所定の回数に達した場合において、前記基板端子と前記第2電極との間に、前記第1の電圧を印加してもよい。
この方法によれば、前記寄生ダイオードを介して一時的に大電流を供給することで、例えば、前記抵抗変化素子の抵抗状態を安定に初期化および回復させ、その後は、前記トランジスタを使用する前記第2の電圧の印加による通常の動作が可能となる。そのため、前記抵抗変化素子の抵抗状態の初期化および回復のために一時的に必要となる駆動能力を前記トランジスタに持たせなくてもよいので、前記トランジスタのサイズを最小限に設計できる。
また、前記不揮発性記憶装置は、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェル内に複数の前記メモリセルを備えており、前記駆動方法は、さらに、前記基板端子と各メモリセルの前記第2電極との間に、前記第1の書き込み用電圧を一斉に印加するステップを含んでもよい。
この方法によれば、複数のメモリセルの抵抗状態を一括して変更できるため、不揮発性記憶装置の製品に要求されるデータ書き換えの高速性を実現するために有利である。
上述した課題を解決するために、本発明の不揮発性記憶装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第1導電型の不純物拡散層ウェルと、前記第1導電型の不純物拡散層ウェル内に形成された第2導電型の第1の不純物拡散層、ゲート、および前記ゲートを挟んで前記第2導電型の第1の不純物拡散層と反対側に形成された第2導電型の第2の不純物拡散層からなるトランジスタと、前記第2導電型の第1の不純物拡散層に接続された第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する第1の抵抗変化層からなる不揮発性記憶素子と、前記第1導電型の不純物拡散層ウェルに接続された基板端子とを備える。
この構成によれば、電流を前記基板端子から前記寄生ダイオードを介して前記抵抗変化素子に対し、前記寄生ダイオードの順方向電流を流すことができる。これにより、前記抵抗変化素子の抵抗状態を安定的に変化させるために用いられる、前記トランジスタの駆動能力を超えるような大電流を、前記トランジスタを大型化することなく供給可能となるので、メモリセルのサイズを最適化するために役立つ。
また、前記不揮発性記憶装置は、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェル内に複数の前記メモリセルを備えており、前記基板端子が、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェル内に、前記メモリセルよりも少数設けられているとしてもよい。
この構成によれば、前記複数のメモリセルよりも少数(例えばただ1つ)の前記基板端子から、前記不純物拡散層ウェルに電圧を印加できるので、個々のメモリセルに個別に前記基板端子を設ける場合と比べて、基板端子の設置に必要な面積を削減できる。そのため、メモリセルアレイの実装密度を高める上で有利である。
また、前記不揮発性記憶装置において、前記抵抗変化層は遷移金属の酸素不足型の酸化物を含み、前記第1電極と前記第2電極は、異なる元素からなる材料によって構成され、前記第1電極の標準電極電位V1と、前記第2電極の標準電極電位V2と、前記遷移金属の標準電極電位Vtとが、Vt<V1かつV2<V1を満足し、前記第1導電型はP型であり、前記第2導電型はN型であるとしてもよい。
また、前記不揮発性記憶装置において、前記抵抗変化層は遷移金属の酸素不足型の酸化物を含み、前記第1電極と前記第2電極は、異なる元素からなる材料によって構成され、前記第1電極の標準電極電位V1と、前記第2電極の標準電極電位V2と、前記遷移金属の標準電極電位Vtとが、Vt<V2かつV1<V2を満足し、前記第1導電型はN型であり、前記第2導電型はP型であるとしてもよい。
前述したように、前記抵抗変化素子の抵抗状態を初期化し、また所望の状態に回復させるために、前記抵抗変化素子に対して、通常の高抵抗化に用いられる電圧よりも大きな電圧を一時的に印加するとよいことが分かっている。
これらの構成によれば、前記第1電極の材料と前記第2電極の材料とが異なるために、前記抵抗変化素子は、前記寄生ダイオードの順方向電流で高抵抗化するように一義的に構成される。
そのため、前記寄生ダイオードを介して、前記抵抗変化素子を高抵抗化させる方向の大電流を流すことが可能となるので、前記トランジスタに要求される駆動能力が必要最小限に抑えられる結果、前記トランジスタのサイズを最小限に設計できる。
また、前記不揮発性記憶装置において、前記抵抗変化層は、MOxで表される組成を有する第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層と、MOy(但し、x<y)で表される組成を有する第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層とが積層されてなり、前記第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第2電極と接し、前記第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第1電極と接しており、前記第1導電型はP型であり、前記第2導電型はN型であるとしてもよい。
また、前記不揮発性記憶装置において、前記抵抗変化層は、MOxで表される組成を有する第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層と、MOy(但し、x<y)で表される組成を有する第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層とが積層されてなり、前記第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第1電極と接し、前記第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第2電極と接しており、前記第1導電型はN型であり、前記第2導電型はP型であるとしてもよい。
これらの構成によれば、前記第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層と前記第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層との積層構造のために、前記抵抗変化素子は、前記寄生ダイオードの順方向電流で高抵抗化するように一義的に構成される。
そのため、前記寄生ダイオードを介して、前記抵抗変化素子を高抵抗化させる方向の大電流を流すことが可能となるので、前記トランジスタに要求される駆動能力が必要最小限に抑えられる結果、前記トランジスタのサイズを最小限に設計できる。
本発明に係る不揮発性記憶装置によれば、基板上に形成された基板端子により大電流を流すことができるので、初期抵抗が低い場合や、サイクリングの途中で高抵抗値の値が徐々に下がって行った場合に、抵抗変化素子の抵抗値を確実に変化させることができる。特に、効率的で安定な高抵抗化の書き込み動作が可能となるため、不揮発性記憶装置の安定した動作を実現することができる。
本発明の不揮発性記憶装置は、電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化素子およびトランジスタで構成された抵抗変化型不揮発性記憶装置であって、トランジスタのドレイン領域と基板(ウェル)との接合によってできる寄生ダイオードに対し、基板(ウェル)から電圧を印加するための基板端子を備えることを特徴とする。
本発明の不揮発性記憶装置では、従来の1T1R型のメモリセルと同様、通常の使用時における書き込み用電圧(抵抗変化素子の抵抗状態を変化させるための電圧)を、トランジスタを介して抵抗変化素子に印加できる。また、従来の1T1R型のメモリセルとは異なり、通常の書き込み用電圧とは独立した(好ましくはより高い)書き込み用電圧を、基板端子から寄生ダイオードを介して抵抗変化素子に印加できる。
以下、本発明の実施の形態における不揮発性記憶装置の構成および駆動方法について、図面を参照して詳しく説明する。なお、図中で同一または相当部分には同一の符号を付し、説明は省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態における不揮発性記憶装置について説明する。第1の実施の形態では、まず、不揮発性記憶装置に用いられる抵抗変化素子の構成および製造方法、ならびに抵抗変化特性について説明し、その後、抵抗変化素子、トランジスタ、および基板端子を備える不揮発性記憶装置について説明する。
[抵抗変化素子の構成]
図1は、評価用に作製した抵抗変化素子100の構成の一例を示す断面模式図である。第1の実施の形態における不揮発性記憶装置には、抵抗変化素子100と同一の製造方法および材料で作製される抵抗変化素子が用いられる。
抵抗変化素子100は、基板101上に、酸化物層102、下部電極103、抵抗変化層104、および上部電極105を積層してなる。
基板101は例えば単結晶シリコン基板または半導体基板であり、抵抗変化層104は酸素不足型のタンタル酸化物からなり、下部電極103および上部電極105はPtからなる。
基板101には、単結晶シリコン基板または半導体基板に限られるものではなく、樹脂材料からなる基板を用いてもよい。抵抗変化層104は、比較的低い基板温度で形成できるため、樹脂材料からなる基板101上に形成することも可能である。
また、下部電極103および上部電極105には、Ptの他にも、例えば、Au(金)、Ir(イリジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)及びCu(銅)のうちの1つまたは複数の材料を用いることができる。
[抵抗変化素子の製造方法]
図2(a)〜図2(c)を参照しながら、抵抗変化素子100の製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示したように、単結晶シリコンである基板101上に、厚さ200nmの酸化物層102を熱酸化法により形成する。そして、酸化物層102上に、下部電極103としての厚さ100nmのPt薄膜をスパッタリング法により形成する。
次に、図2(b)のように、下部電極103上に抵抗変化層104としてのタンタル酸化物層を、Taターゲットを用いた反応性スパッタリング法で形成する。
一実施例として、Taをターゲットとして、パワーを1.6kW、Arガスを34sccm、O2ガスを21sccm流して、スパッタリング装置内の圧力を0.17Paに保ち、18秒間スパッタリングを行った。これにより、抵抗率が6mΩcmで酸素含有率が約61at%(TaO1.6)のタンタル酸化物層が30nmの膜厚で形成された。
その後、抵抗変化層104上に、上部電極105としての厚さ150nmのPt薄膜をスパッタリング法により形成する。
最後に、図2(c)のように、フォトレジスト工程によってフォトレジストによるパターン106を形成し、ドライエッチングによって素子領域107を形成する。ここで、素子領域107は、一辺が0.5μmの正方形状である。
[抵抗変化特性]
図3は、抵抗変化素子100の抵抗変化の様子の一例を示す電流−電圧のヒステリシス特性を示すグラフである。下部電極103を基準に上部電極105に印加する電圧値を横軸に示し、抵抗変化素子100に流れる電流値を縦軸に示している。
図3において、下部電極103を基準に上部電極105に正電圧を印加していくと、電流はほぼ電圧に比例して増加し、A点で示す正電圧を超えると急激に電流は減少する。すなわち低抵抗状態から高抵抗状態への抵抗変化(高抵抗化)が生じる。
一方、高抵抗状態において、下部電極103を基準に上部電極105に負電圧(上部電極105を基準に下部電極103に正電圧を印加することと等価)を印加していくと、B点で示す負電圧を超えると急激に電流は増加する。すなわち高抵抗状態から低抵抗状態への抵抗変化(低抵抗化)が生じる。
図3の特性を示す抵抗変化素子と、特許文献1に開示される抵抗変化素子とは、抵抗変化層の材料は異なるものの、いずれも、双方向的な印加電圧によって高抵抗状態と低抵抗状態が切り換わる、いわゆるバイポーラ動作をし、かつ、上部電極に対し、下部電極を基準に正電圧の印加で高抵抗化し、下部電極を基準に負電圧の印加で低抵抗化するという点で共通している。
なお、下部電極103および上部電極105が同一の材料(例えばPt)からなる、上下対称に構成された抵抗変化素子では、1つの方向の抵抗変化(低抵抗化または高抵抗化)を安定的に引き起こす電圧印加方向(駆動極性)は必ずしも一意には定まらず、駆動極性が異なる2つの動作モードが存在することが知られている。
後の説明で参照するため、ここで2つの動作モードを定義する。
図4(a)、図4(b)は、動作モードが異なる抵抗変化素子について、低抵抗化を引き起こすパルス電圧と高抵抗化を引き起こすパルス電圧とを交互に印加し続けたときの、その都度の抵抗値を表したグラフである。横軸は加えた電気的なパルスの数を表し、縦軸は抵抗値を表している。
ある抵抗変化素子は、図4(a)に示されるように、最初、約33kΩの高抵抗状態にあり、+2.0Vのパルス電圧の印加で約500Ωの低抵抗状態に変化し、次に−2.6Vのパルス電圧の印加で約40kΩの高抵抗状態に変化した後、上部電極105に対し下部電極103を基準に正のパルス電圧の印加による低抵抗化と、上部電極105に対し下部電極103を基準に負のパルス電圧の印加による高抵抗化とを繰り返した。
このように、上部電極に対し下部電極を基準に負電圧を加えたときに高抵抗化し、上部電極に対し下部電極を基準に正電圧を加えたときに低抵抗化する動作モードを、Aモードと定義する。
また、他の抵抗変化素子は、図4(b)に示されるように、最初、約42kΩの高抵抗状態にあり、−2.0Vのパルス電圧の印加で約600Ωの低抵抗状態に変化し、次に+2.7Vのパルス電圧の印加で約40kΩの高抵抗状態に変化した後、上部電極105に対し下部電極103を基準に負のパルス電圧の印加による低抵抗化と、上部電極105に対し下部電極103を基準に正のパルス電圧の印加による高抵抗化とを繰り返した。
このように、上部電極に対し下部電極を基準に正電圧を加えたときに高抵抗化し、上部電極に対し下部電極を基準に負電圧を加えたときに低抵抗化する動作モードを、Bモードと定義する。
抵抗変化素子の動作モードは、意図的に固定することが可能である。
例えば、抵抗変化素子100のような上下対称の構造を持つ抵抗変化素子に対し、実際の使用に先立って所定の極性および大きさのパルス電圧を印加するフォーミングと呼ばれる処理を行うことで、AモードおよびBモードのうちの意図した一方の動作モードにくせ付けることができることが知られている。
また、本願発明者らは、関連する特許出願において、上下非対称の構造を有し、意図した動作モードで固定的に動作する抵抗変化素子を提案している。そのような抵抗変化素子を用いた不揮発性記憶装置について、第4の実施の形態および第5の実施の形態で説明する。
[メモリセルの構成]
次に、本発明の第1の実施の形態の不揮発性記憶装置として、抵抗変化素子、トランジスタ、および基板端子を有する1T1R型のメモリセルについて説明する。トランジスタはメモリセルを選択するための選択トランジスタとして機能し、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタのいずれを用いることもできる。
図5は、抵抗変化素子、PMOSトランジスタ、および基板端子を備えるメモリセル300の構成の一例を示す断面図である。
図5に示されるように、メモリセル300は、P型シリコン基板315上に、Nウェル316、第1のP型拡散層領域302b、第2のP型拡散層領域302a、ゲート絶縁膜303a、ゲート電極303b、第1ビア304、第1配線層305、第2ビア306、第2配線層307、第3ビア308、抵抗変化素子309、第4ビア310、および第3配線層311を順に形成して構成される。
メモリセル300における抵抗変化素子309は、前述のフォーミング処理を施すなどして、Bモードで動作させる。
第1のP型拡散層領域302b、第2のP型拡散層領域302a、ゲート絶縁膜303a、およびゲート電極303bは、Nウェル316内において、PMOSトランジスタ317を構成する。第1のP型拡散層領域302bおよびNウェル316は、寄生ダイオード318を構成する。
Nウェル316には、基板端子319が接続される。基板端子319は、図外の基板バイアス回路に接続される。
図5の拡大部分に示されるように、抵抗変化素子309は、第3ビア308上に下部電極309a、抵抗変化層309b、および上部電極309cを積層して構成される。
下部電極309a、抵抗変化層309b、および上部電極309cは、前述した抵抗変化素子100の下部電極103、抵抗変化層104、および上部電極105と同様に構成される。すなわち、下部電極309aおよび上部電極309cはPtで構成され、例えば、抵抗変化層309bは酸素不足型のタンタル酸化物で構成される。抵抗変化層309bの抵抗率は6mΩcm、酸素含有率は約61at%(TaO1.6)、膜厚は30nmである。
下部電極309aは、ビアおよび配線層を介して、PMOSトランジスタ317の第1のP型拡散層領域302bと接続され、上部電極309cは、ビアを介して第3配線層311と接続される。
周知のように、P型シリコン基板315上に複数のビット線、複数のワード線、および複数のソース線を設け、ビット線とソース線との各交点にメモリセル300を複数配置することにより、メモリセルアレイ(図示せず)を構成することができる。メモリセルアレイにおいて、所望のメモリセル300は、対応するビット線、ワード線、ソース線、および基板端子を介してアクセスされる。
メモリセルアレイを構成する1つのメモリセル300について、一例として、第4ビア310と接続された第3配線層311がビット線BL0に対応し、PMOSトランジスタ317のゲート電極303bがワード線WL0に対応し、PMOSトランジスタ317の第2のP型拡散層領域302aと電気的に接続された第1配線層305および第2配線層307がソース線SL0に対応する。また、基板端子319が基板端子BB0に対応する。
図6は、抵抗変化素子、NMOSトランジスタ、および基板端子を備えるメモリセル400の構成の一例を示す断面図である。
メモリセル400における抵抗変化素子309は、前述のフォーミング処理を施すなどして、Aモードで動作させる。
メモリセル400では、メモリセル300におけるP型シリコン基板315、Nウェル316、第1のP型拡散層領域302b、第2のP型拡散層領域302aの代わりに、N型シリコン基板415、Pウェル416、第1のN型拡散層領域402b、第2のN型拡散層領域402aが用いられる。
第1のN型拡散層領域402b、第2のN型拡散層領域402a、ゲート絶縁膜303a、およびゲート電極303bは、Pウェル416内において、NMOSトランジスタ417を構成する。第1のN型拡散層領域402bおよびPウェル416は、寄生ダイオード418を構成する。
メモリセル400のその他の構成はメモリセル300と同一であるため、対応部分に同一の符号を付して説明を省略する。
[メモリセルの動作]
前述のように構成されたメモリセル300およびメモリセル400の動作について、詳細に説明する。以下では、抵抗変化素子309の高抵抗状態および低抵抗状態を、それぞれメモリセル300およびメモリセル400にデータ“1”およびデータ“0”が書き込まれている状態と定義して説明する。
まず、メモリセル300にデータを書き込む動作について説明する。前述したように、メモリセル300における抵抗変化素子309は、フォーミング処理を施すなどしてBモードで動作させる。
図7(a)は、メモリセル300にデータ“1”を書き込む(抵抗変化素子309を高抵抗化させる)際に関係する、メモリセル300の部分の等価回路図である。
データ“1”の書き込みにおいて、図示しない駆動回路から、ビット線BL0およびワード線WL0に電圧V0(例えば0V)を印加し、基板端子BB0に電圧VB1(例えば−2.2V)を印加し、ソース線SL0に電圧V1(例えば−2.2V)を印加する。この際、基板端子BB0に印加する電圧VB1が、データ“1”の書き込み用の電圧である。
このような電圧の印加によって、PMOSトランジスタ317はオフとなり、寄生ダイオード318はオンとなる。
図5を参照すれば、Nウェル316と第2のP型拡散層領域302aとの接合によって、寄生ダイオード318とは別にもう1つの寄生ダイオードが構成されるが、ソース線SL0に印加する電圧V1を、基板端子BB0に印加する電圧VB1以下にすることで、この寄生ダイオードはオンせず、ソース線SL0からNウェル316へ電流は流れない。
その結果、メモリセル300は、図7(a)に示す等価回路で動作する。
寄生ダイオード318の順方向電流である高抵抗化書き込み電流320は、電圧VB1に応じた大きさで、抵抗変化素子309から基板端子BB0へ流れる。
これにより、抵抗変化素子309において、上部電極309cに対し下部電極309aを基準に正の電圧が印加される。その結果、Bモードで動作する抵抗変化素子309の抵抗値は増加(高抵抗化)する。つまり、メモリセル300にデータ“1”が書き込まれる。
なお、メモリセル300にデータ“1”を書き込むための電圧は、上述の例に限られない。
例えば、PMOSトランジスタ317をオフにするため、ワード線WL0をオープン(フローティング)状態にしてもよい。
また、ソース線SL0からNウェル316へ電流が流れないようにするため、ソース線SL0をオープン(フローティング)状態にしてもよい。
さらにまた、抵抗変化素子309を高抵抗化させるために、電圧VB1は電圧V0を基準に負の電圧であればよいので、例えば、ビット線に印加する電圧V0を+2.2V、基板端子319に印加する電圧VB1を0V、ワード線WL0を+2.2Vまたはオープン(フローティング)状態、ソース線SL0を0Vまたはオープン(フローティング)状態としてもよい。
図7(b)は、メモリセル300にデータ“0”を書き込む(抵抗変化素子309を低抵抗化させる)際に関係する、メモリセル300の部分の等価回路図である。
データ“0”の書き込みにおいて、図示しない駆動回路から、ソース線SL0および基板端子BB0に電圧V0(例えば0V)を印加し、ワード線WL0に電圧VDD(例えば−2.2V)を印加し、ビット線BL0に電圧V2を印加する。この際、ビット線BL0に印加する電圧V2が、データ“0”の書き込み用の電圧である。基板端子BB0はオープン(フローティング)状態にしてもよい。
このような電圧の印加によって、PMOSトランジスタ317はオンとなり、寄生ダイオード318はオフとなる。
その結果、メモリセル300は、図7(b)に示す等価回路で動作する。
PMOSトランジスタ317のドレイン電流である低抵抗化書き込み電流321は、電圧V2に応じた大きさで、ソース線SL0から抵抗変化素子309へ流れる。
これにより、抵抗変化素子309において、上部電極309cに対し下部電極309aを基準に負の電圧が印加される。その結果、Bモードで動作する抵抗変化素子309の抵抗値は減少(低抵抗化)する。つまり、メモリセル300にデータ“0”が書き込まれる。
次に、メモリセル400にデータ“1”およびデータ“0”を書き込む動作について説明する。前述したように、メモリセル400における抵抗変化素子309は、フォーミング処理を施すなどしてAモードで動作させる。
図8(a)は、メモリセル400にデータ“1”を書き込む(抵抗変化素子309を高抵抗化させる)際に関係する、メモリセル400の部分の等価回路図である。
データ“1”の書き込みにおいて、図示しない駆動回路から、ビット線BL0およびワード線WL0に電圧V0(例えば0V)を印加し、基板端子BB0に電圧VB1(例えば+2.2V)を印加し、ソース線SL0に電圧V1(例えば+2.2V)を印加する。この際、基板端子BB0に印加する電圧VB1が、データ“1”の書き込み用の電圧である。
このような電圧の印加によって、NMOSトランジスタ417はオフとなり、寄生ダイオード418はオンとなる。
図6を参照すれば、Pウェル416と第2のN型拡散層領域402aとの接合によって、寄生ダイオード418とは別にもう1つの寄生ダイオードが構成されるが、ソース線SL0に印加する電圧V1を、基板端子BB0に印加する電圧VB1以上にすることで、この寄生ダイオードはオンせず、Pウェル416からソース線SL0へ電流は流れない。
その結果、メモリセル400は、図8(a)に示す等価回路で動作する。
寄生ダイオード418の順方向電流である高抵抗化書き込み電流420は、電圧VB1に応じた大きさで、基板端子BB0から抵抗変化素子309へ流れる。
これにより、抵抗変化素子309において、上部電極309cに対し下部電極309aを基準に負の電圧が印加される。その結果、Aモードで動作する抵抗変化素子309の抵抗値は増加(高抵抗化)する。つまり、メモリセル400にデータ“1”が書き込まれる。
なお、メモリセル400にデータ“1”を書き込むための電圧の値は、上述の例に限られない。
例えば、NMOSトランジスタ417をオフにするため、ワード線WL0はオープン(フローティング)状態にしてもよい。
また、Pウェル416からソース線SL0へ電流が流れないようにするため、ソース線SL0をオープン(フローティング)状態にしてもよい。
さらにまた、抵抗変化素子309を高抵抗化させるために、電圧VB1は電圧V0を基準に正の電圧であればよいので、例えば、ビット線に印加する電圧V0を−2.2V、基板端子BB0に印加する電圧VB1を0V、ワード線WL0を−2.2Vまたはオープン(フローティング)状態、ソース線SL0を0Vまたはオープン(フローティング)状態としてもよい。
図8(b)は、メモリセル400にデータ“0”を書き込む(抵抗変化素子309を低抵抗化させる)際に関係する、メモリセル400の部分の等価回路図である。
データ“0”の書き込みにおいて、図示しない駆動回路から、ソース線SL0および基板端子BB0に電圧V0(例えば0V)を印加し、ワード線WL0に電圧VDD(例えば+2.2V)を印加し、ビット線BL0に電圧V2を印加する。この際、ビット線BL0に印加する電圧V2が、データ“0”の書き込み用の電圧である。基板端子BB0はオープン(フローティング)状態にしてもよい。
このような電圧の印加によって、NMOSトランジスタ417はオンとなり、寄生ダイオード418はオフとなる。
その結果、メモリセル400は、図8(b)に示す等価回路で動作する。
NMOSトランジスタ417のドレイン電流である低抵抗化書き込み電流421は、電圧V2に応じた大きさで、抵抗変化素子309からソース線SL0へ流れる。
これにより、抵抗変化素子309において、上部電極309cに対し下部電極309aを基準に正の電圧が印加される。その結果、Aモードで動作する抵抗変化素子309の抵抗値は減少(低抵抗化)する。つまり、メモリセル400にデータ“0”が書き込まれる。
[基板端子の有効性]
メモリセルの抵抗変化素子に対し基板端子から寄生ダイオードを介して電圧を印加する有効性について説明する。
課題の項で述べたように、メモリセルは、例えば抵抗値の初期化および回復のために、通常のデータの書き込みに用いられる電圧よりも高い電圧を、抵抗変化素子に印加できるように構成されることが望ましい。従来のメモリセルでは、通常よりも高い電圧も通常の電圧と同様にトランジスタを介した電流供給によって抵抗変化素子に印加することになるため、トランジスタに十分な電流供給能力を持たせなくてはならず、トランジスタが大型化する課題がある。
この課題に対し、本発明のメモリセルでは、基板端子から寄生ダイオードに順方向バイアスをかけることで、寄生ダイオードを介した電流供給によって抵抗変化素子に電圧を印加することができる。
バイアス電圧によっては、トランジスタのオン抵抗よりも、寄生ダイオードのオン抵抗が小さくなるため、トランジスタを介するよりも、寄生ダイオードを介したほうが、抵抗変化素子に対して実効的により高い電圧を印加できる。
また、基板端子から寄生ダイオードを介して、トランジスタの定格を超えるような高い電圧を抵抗変化素子に対して印加することも可能となる。
本願発明者らは、トランジスタのオン抵抗と、そのトランジスタの寄生ダイオードのオン抵抗とを実証的に比較するため、評価用のNMOSトランジスタを作製し、実際に抵抗値を測定した。
評価用のNMOSトランジスタは、N型シリコン基板上に設けたPウェル内に作製され、ゲート幅が5.0μm、ゲート長が0.18μmであり、ソース領域およびドレイン領域にはそれぞれ8個の0.24μm正方のコンタクトを設けた。
NMOSトランジスタのソースおよびPウェルに0Vを印加し、ゲートに+2Vまたは+3Vを印加し、ドレインに印加する電圧を0Vから+3Vまで変化させながら、トランジスタのドレイン電流であるソース−ドレイン間の電流を測定した。測定された電流値を印加したドレイン電圧値で除してトランジスタの抵抗値を求めた。
また、NMOSトランジスタのソースおよびゲートをオープン(フローティング)状態とし、ドレインに0Vを印加し、Pウェルに印加する電圧を0Vから+3Vまで変化させながら、寄生ダイオードの順方向電流であるPウェル−ドレイン間の電流を測定した。ここで、Pウェル−ドレイン間の電流は、8個のコンタクトに流れる電流である。測定された電流値をPウェル電圧値で除して寄生ダイオードの抵抗値を求めた。
図9は、印加したドレイン電圧およびPウェル電圧をそれぞれトランジスタおよびダイオードのバイアス電圧とし、バイアス電圧に対応する寄生ダイオードの抵抗値(図9のA)およびトランジスタの抵抗値(図9のB1、B2)を表したグラフである。
バイアス電圧が2Vの場合、寄生ダイオードの抵抗値は34Ωであり、ゲート電圧を+3Vとしたトランジスタの抵抗値352Ωよりも十分に小さい。
なお、+3Vのゲート電圧はこのトランジスタの定格を超えているため、実際に使用できる電圧ではない。つまり、トランジスタとしての電流駆動能力を実用的に上昇させるには、ゲート幅をさらに大きくするなどしてメモリセルの小型化を犠牲にせざるを得ない。
上記説明したように、実際の測定結果から、寄生ダイオードの電流駆動能力はトランジスタの電流駆動能力よりも大きいことを確認した。
本発明のメモリセルでは、通常のデータの書き込みに用いられる電圧をトランジスタを介して抵抗変化素子に印加し、また、抵抗変化素子の抵抗値の初期化や回復を行うための通常よりも高い電圧を、基板端子から寄生ダイオードを介して抵抗変化素子に対して印加できる。その結果、トランジスタを大型化することなく、通常のデータの書き込みに用いられる電圧よりも高い電圧を抵抗変化素子に対して印加できる不揮発性記憶装置が実現される。
なお、複数のメモリセルを1つのウェル内に設けてもよい。
その場合、ウェルに対して設けられる基板端子を複数のメモリセルで共有できるので、基板端子の設置に必要な面積を削減できる。この構成は、メモリセルアレイの実装密度を高める上で有利である。そのような構成の一具体例であるデュアルメモリセルについて、第2の実施の形態で詳細に述べる。
また、抵抗変化素子100の抵抗変化におけるヒステリシス特性(図3を参照)の説明で述べたように、抵抗変化素子の高抵抗化に必要な電流は、低抵抗化に必要な電流よりも大きいので、抵抗変化素子の抵抗値の初期化や回復のみならず、通常の高抵抗化も、基板端子から寄生ダイオードを介した電圧印加によって行ってもよい。
その場合、トランジスタには、通常の低抵抗化に必要な電流駆動能力のみを持たせればよいので、トランジスタのサイズを最小限に抑えることができる。この構成は、メモリセルを小型化し、メモリセルアレイを高密度に実装する上で有利である。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態として、第1の実施の形態で説明したメモリセルを複数用いて構成される不揮発性記憶装置について説明する。
[不揮発性記憶装置の構成]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性記憶装置200の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図10に示すように、不揮発性記憶装置200は、半導体基板上に、メモリ本体部201、アドレス入力回路209、制御回路210、および書き込み用電源211を備えている。
メモリ本体部201は、マトリクス状に配置された複数の1T1R型のメモリセルを有するメモリセルアレイ202と、行選択回路208、ワード線ドライバWLD、ソース線ドライバSLDから構成される行ドライバ207と、列選択回路203と、データの書き込みを行うための書き込み回路206と、ビット線に流れる電流量を検出することによりメモリセルに記憶されているデータが“1”か“0”かを判別するセンスアンプ204と、端子DQを介して入出力データの入出力処理を行うデータ入出力回路205と、寄生ダイオードに順方向バイアスを与えるための基板バイアス回路220とを有している。
書き込み用電源211は、低抵抗化(LR化)用電源212と、高抵抗化(HR化)用電源213とを有している。
LR化用電源212の出力V2は書き込み回路206に供給され、HR化用電源213の出力V1は行ドライバ207に供給される。
アドレス入力回路209および制御回路210は、不揮発性記憶装置200を使用する外部回路(図示せず)からアドレス信号およびコントロール信号をそれぞれ受け取り、受け取ったアドレス信号およびコントロール信号に基づいて、メモリ本体部201の動作を制御する。
メモリセルアレイ202は、半導体基板の上に形成された複数のワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・、2本のワード線ごとに1本設けられたソース線SL0、SL2、・・・、ワード線およびソース線と交差するように設けられた複数のビット線BL0、BL1、BL2、・・・、ワード線およびビット線の各交点に対応して設けられた複数のNMOSトランジスタN11、N12、N13、・・・、およびトランジスタN11、N12、N13、・・・と1対1に直列接続された複数の抵抗変化素子R11、R12、R13、・・・を備えている。
ワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・、ビット線BL0、BL1、BL2、・・・、ソース線SL0、SL02、・・・、トランジスタN11、N12、・・・、及び抵抗変化素子R11、R12、R13、・・・によって、マトリクス状に配置された複数の1T1R型のメモリセルM11、M12、M13、・・・が構成されている。
図10に示すように、トランジスタN11、N21、N31、・・・のゲートはワード線WL0に接続され、トランジスタN12、N22、N32、・・・のゲートはワード線WL1に接続され、トランジスタN13、N23、N33、・・・のゲートはワード線WL2に接続され、トランジスタN14、N24、N34、・・・のゲートはワード線WL3に接続されている。
また、トランジスタN11、N21、N31、・・・およびトランジスタN12、N22、N32、・・・はソース線SL0に共通に接続され、トランジスタN13、N23、N33、・・・およびトランジスタN14、N24、N34、・・・はソース線SL2に共通に接続されている。
また、抵抗変化素子R11、R12、R13、R14、・・・はビット線BL0に接続され、抵抗変化素子R21、R22、R23、R24、・・・はビット線BL1に接続され、抵抗変化素子R31、R32、R33、R34、・・・はビット線BL2に接続されている。
また、説明のため、図10に、ウェルW0、W2、・・・、寄生ダイオードD11、D12、・・・、基板端子BB0、BB2、・・・の等価回路を示す。寄生ダイオードD11、D12、・・・の向きは、トランジスタN11、N12、・・・がPMOSトランジスタである場合に対応している。
共通のソース線SL0、SL2、・・・に接続される複数のトランジスタは、1つのウェルW0、W2、・・・内に形成される。トランジスタN11、N21、N31、・・・のドレイン領域とウェルとの接合によって、寄生ダイオードD11、D22、D31、・・・が形成される。ウェルW0、W2、・・・は、基板端子BB0、BB2、・・・を介して、基板バイアス回路220に接続される。
図10において、ウェルW0、W2、・・・は等価的に配線で表しているが、実際のウェルは周知のように所定の導電型の拡散層領域である。基板端子BB0、BB2、・・・は、例えば、基板バイアス回路220とウェルW0、W2、・・・とを接続する金属配線であってもよく、また、基板バイアス回路220に含まれる駆動トランジスタのドレイン領域の延長部でもよい。
アドレス入力回路209は、外部回路からアドレス信号を受け取り、このアドレス信号に基づいて行アドレス信号を行選択回路208へ出力するとともに、列アドレス信号を列選択回路203へ出力する。ここで、アドレス信号は、複数のメモリセルM11、M12、M13、・・・の中から選択されるべきメモリセルを指定する信号である。また、行アドレス信号および列アドレス信号は、選択されるべきメモリセルのマトリクスにおける行および列を指定する信号である。
制御回路210は、データの書き込みサイクルにおいては、データ入出力回路205に入力された入力データDinに応じて、書き込み用電圧の印加を指示する書き込み信号を基板バイアス回路220および書き込み回路206へ出力する。他方、データの読み出しサイクルにおいて、制御回路210は、読み出し動作を指示する読み出し信号をセンスアンプ204へ出力する。
行選択回路208は、アドレス入力回路209から出力された行アドレス信号を受け取り、複数のワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・の中から行アドレス信号で指定された1つを選択する。行ドライバ207は、行選択回路208の出力信号に基づいて、行選択回路208によって選択されたワード線に対して、所定の電圧を印加する。
同様に、行選択回路208は、アドレス入力回路209から出力された行アドレス信号を受け取り、複数のソース線SL0、SL2、・・・の中から行アドレス信号で指定された1つを選択する。行ドライバ207は、行選択回路208の出力信号に基づいて、行選択回路208によって選択されたソース線に対して、所定の電圧を印加する。
また、列選択回路203は、アドレス入力回路209から出力された列アドレス信号を受け取り、複数のビット線BL0、BL1、BL2、・・・の中からこの列アドレス信号で指定された1つを選択し、その選択されたビット線に対して、書き込み用電圧または読み出し用電圧を印加する。
書き込み回路206は、制御回路210から出力された書き込み信号を受け取った場合、列選択回路203に対して選択されたビット線に対して書き込み用電圧の印加を指示する信号を出力する。
基板バイアス回路220は、制御回路210から出力された書き込み信号を受け取った場合、基板端子からウェルに対する所定の電圧を供給する。
また、センスアンプ204は、データの読み出しサイクルにおいて、読み出し対象となる選択ビット線に流れる電流量を検出し、記憶されているデータが“1”か“0”かを判別する。その結果得られた出力データDOは、データ入出力回路205を介して、外部回路へ出力される。
[メモリセルの構成]
次に、図10の不揮発性記憶装置において2つのメモリセルを含むC部の構成について説明する。C部に含まれる2つのメモリセルは、ソース線およびウェルを共用する。以下では、C部を単一のメモリセルと区別するために、デュアルメモリセルと呼ぶ。
図11は、PMOSトランジスタおよびBモードで動作させる抵抗変化素子を用いて構成されたデュアルメモリセル330の一例を示す断面図である。
図12は、NMOSトランジスタおよびAモードで動作させる抵抗変化素子を用いて構成されたデュアルメモリセル430の一例を示す断面図である。
デュアルメモリセル330とデュアルメモリセル430との違いは拡散層の導電型のみであるため、以下ではデュアルメモリセル330について代表的に説明する。
図11に示されるように、デュアルメモリセル330は、P型シリコン基板315上に、Nウェル316、第2のP型拡散層領域302a、第1のP型拡散層領域302b、322b、ゲート絶縁膜303a、323a、ゲート電極303b、323b、第1ビア304、第1配線層305、第2ビア306、第2配線層307、第3ビア308、抵抗変化素子309、329、第4ビア310、および第3配線層311を順に形成して構成される。
第2のP型拡散層領域302a、第1のP型拡散層領域302b、ゲート絶縁膜303a、およびゲート電極303bは、Nウェル316内において、PMOSトランジスタ317を構成する。第1のP型拡散層領域302bおよびNウェル316は、寄生ダイオード318を構成する。
第2のP型拡散層領域302a、第1のP型拡散層領域322b、ゲート絶縁膜323a、およびゲート電極323bは、Nウェル316内において、PMOSトランジスタ327を構成する。第1のP型拡散層領域322bおよびNウェル316は、寄生ダイオード328を構成する。
Nウェル316には、基板端子319が接続される。基板端子319は、基板バイアス回路220に接続される。
PMOSトランジスタ317、327、寄生ダイオード318、328、抵抗変化素子309、329、基板端子319が、それぞれ図10におけるトランジスタN11、N12、ダイオードD11、D12、抵抗変化素子R11、R12、基板端子BB0に対応している。
また、第4ビア310と接続された第3配線層311が、図10におけるビット線BL0に対応し、ゲート電極303b、323bが、図10におけるワード線WL0、WL1に対応し、第2のP型拡散層領域302aと接続された第1配線層305および第2配線層307が、図10におけるソース線SL0に対応している。
図11の拡大部に示されるように、抵抗変化素子309は、第3ビア308上に下部電極309a、抵抗変化層309b、および上部電極309cを積層して構成される。抵抗変化素子329も同様である。
下部電極309a、抵抗変化層309b、および上部電極309cは、前述した抵抗変化素子100の下部電極103、抵抗変化層104、および上部電極105と同様に構成される。すなわち、下部電極309aおよび上部電極309cはPtで構成され、抵抗変化層309bは酸素不足型のタンタル酸化物で構成される。抵抗変化層309bの抵抗率は6mΩcm、酸素含有率は約61at%(TaO1.6)、膜厚は30nmである。
抵抗変化素子309、329の下部電極309aは、ビアおよび配線層を介して、PMOSトランジスタ317、327の第1のP型拡散層領域302b、322bとそれぞれ接続され、抵抗変化素子309、329の上部電極309cは、ビアを介して第3配線層311と接続される。
デュアルメモリセル330では、2つのメモリセルが同一のNウェル316内に形成されているので、1つの基板端子319を用いて、寄生ダイオード318、328に順方向バイアスをかけることができる。
さらに、デュアルメモリセル330の基板端子319を用いて、デュアルメモリセル330と同一のNウェル316内に形成される他のデュアルメモリセルの寄生ダイオードに一斉に順方向バイアスをかけることもできる。
このような構成は、1つのウェル内に、複数のメモリセルと、そのメモリセルの個数よりも少数の基板端子が設けられた構成の一例である。
このような構成によれば、個々のメモリセルに対応して個別に基板端子を設ける必要がなくなるため、基板端子の設置に必要な面積が削減される。この構成は、メモリセルアレイを高密度に実装する上で有利である。
[不揮発性記憶装置の動作]
上述したように構成された不揮発性記憶装置200の動作について説明する。
以下では、不揮発性記憶装置200のメモリセルM11が選択されたとして、メモリセルM11へのデータ書き込み動作およびデータ読み出し動作について説明する。抵抗変化層の高抵抗状態および低抵抗状態を、メモリセルにそれぞれデータ“1”およびデータ“0”が書き込まれている状態と定義する。
図13(a)〜図13(c)は、メモリセルM11に、ダイオードD11を介した電圧印加によりデータ“1”を書き込む書き込みサイクル、トランジスタN11を介した電圧印加によりデータ“0”を書き込む書き込みサイクル、およびデータを読み出す読み出しサイクルにおいて、ソース線SL0、ワード線WL0、ビット線BL0、および基板端子BB0に印加される電圧の一例を示すタイミングチャートである。
タイミングチャートに示される電圧VB1は基板バイアス回路220で発生されるバイアス電圧である。電圧V1、V2はそれぞれHR化用電源213、LR化用電源212で発生される通常の書き込み用電圧である。電圧Vreadはセンスアンプ204で発生される読み出し用電圧である。電圧VDDは不揮発性記憶装置200に供給される電源電圧である。
メモリセルのトランジスタがPMOSトランジスタで構成される場合とNMOSトランジスタで構成される場合とでは、書き込み用電圧V1、V2、バイアス電圧VB1、電源電圧VDD、読み出し用電圧Vreadの符号が逆になる点のみが異なるので、以下ではメモリセルのトランジスタがPMOSトランジスタで構成される場合について説明する。
図13(a)に示すように、データ“1”の書き込みサイクルにおいては、最初にビット線BL0およびワード線WL0を電圧0Vに設定し、トランジスタN11をオフし、続いてソース線SL0を電圧V1(例えば−2V)に設定する。
次に、基板バイアス回路220によって基板端子BB0をバイアス電圧VB1(例えば−2.2V)に所定時間だけ設定し、再度電圧0Vに設定する。
この段階で、抵抗変化素子R11に対して寄生ダイオードD11を介して書き込み用電圧が印加され、抵抗変化素子R11は低抵抗状態から高抵抗状態へ移行する。その後、ソース線SL0を電圧0Vに設定し、データ“1”の書込みが完了する。
なお、この書き込みサイクル中、トランジスタN11をオフにするため、ワード線WL0をオープン(フローティング)状態にしてもよい。
また、この書き込みサイクル中、ウェルW0からソース線SL0に電流が流れないようにするため、ソース線SL0をオープン(フローティング)状態にしてもよい。
図13(b)に示すように、データ“0”の書き込みサイクルにおいては、最初にソース線SL0を電圧0Vに設定し、ワード線WL0を電圧VDD(例えば−2.2V)に設定し、トランジスタN11をオンする。
次に、ビット線BL0を所定期間だけ電圧V2(例えば−2V)に設定する。この段階で、抵抗変化素子R11に対してトランジスタN11を介して書き込み用電圧が印加され、抵抗変化素子R11は高抵抗状態から低抵抗状態へ移行する。その後、ビット線BL0とワード線WL0とを電圧0Vに設定し、トランジスタN11をオフして、データ“0”の書込みが完了する。
図13(c)に示すように、データの読み出しサイクルにおいては、最初にビット線BL0およびソース線SL0を電圧0Vに設定する。次に、ワード線WL0を電圧VDDに設定し、トランジスタN11をオンする。
次に、ビット線BL0を所定期間だけ読出し用電圧Vreadに設定し、センスアンプ204により、メモリセルM11に流れる電流値を検出することで、抵抗変化素子R11の抵抗状態(つまり、メモリセルM11にデータ“1”および“0”のいずれが記憶されているか)の判別を行う。その後ワード線WL0を電圧0Vに設定し、トランジスタN11をオフして、データの読み出し動作を完了する。
上記では、メモリセルM11が選択された場合の不揮発性記憶装置200動作を説明した。同様の動作は、不揮発性記憶装置200のいずれのメモリセルが選択された場合でも、選択されたメモリセルに対応するワード線、ソース線、ビット線、基板端子を用いて行うことができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態として、不揮発性記憶装置の応用的な駆動方法について説明する。
[複数の抵抗変化素子の一括高抵抗化]
第2の実施の形態では、同一のウェル内に形成される全てのメモリセルの寄生ダイオードに対して、ウェルに接続される1つの基板端子から一斉に順方向バイアス電圧を印加できることを述べた。
ここでは、そのような電圧印加によって複数のメモリセルを一括して高抵抗化する方法について、より詳しく説明する。
なお、説明の便宜のため、図10の構成とは異なり、1つのビット線に共通に接続される複数のメモリセルが1つのウェル内に形成される構成の例を用いる。すなわち、メモリセルM11、M12、M13、M14が1つのウェル内に形成されている変形例を用いて説明する。
図14および図15は、ビット線BL0に共通に接続される複数のメモリセルの抵抗変化素子を一括して高抵抗化させる際に関係する、メモリセルの部分の等価回路図である。
図14は、メモリセルに含まれるトランジスタがPMOSトランジスタであり、抵抗変化素子がBモードで動作する場合の等価回路の一例を示している。
図15は、メモリセルに含まれるトランジスタがNMOSトランジスタであり、抵抗変化素子がAモードで動作する場合の等価回路の一例を示している。
図14には、抵抗変化素子が高抵抗状態にある(データ“1”を記憶している)メモリセルと抵抗変化素子が低抵抗状態にある(データ“0”を記憶している)メモリセルとが1つのNウェル内に混在しているときに、全てのメモリセルに対して抵抗変化素子を高抵抗化させるためのバイアス電圧を印加する様子が模式的に表される。
バイアス電圧として、例えば、Nウェルに−2V、ビット線BL0に0Vを印加する。このとき、それぞれの抵抗変化素子の抵抗値の違いから、電流は、低抵抗状態にある抵抗変化素子R11、R13に集中的に流れ、高抵抗状態にある抵抗変化素子R12、R14にはほとんど流れない。
やがて、抵抗変化素子R11、R13に流れる電流が、データ“1”の書き込みに必要な電流値に達すると、抵抗変化素子R11、R13は高抵抗状態に移行する。抵抗変化素子R12、R14は、高抵抗状態に維持されるため、結果として、1つのNウェル内に形成された全てのメモリセルに、一括してデータ“1”が書き込まれる。
図15の例では、バイアス電圧として、例えば、Pウェルに+2V、ビット線BL0に0Vを印加することで、図14で説明した動作と同様の動作によって、1つのPウェル内に形成された全てのメモリセルに、一括してデータ“1”が書き込まれる。
なお、複数のメモリセルを一括して高抵抗化させる場合、既に高抵抗状態にあるメモリセルにも高抵抗化のための電圧が印加されるが、これには次の理由から支障はないと考えられる。
図3で説明したように、抵抗変化素子に高抵抗化のための電圧を印加する際、電流は電圧にほぼ比例して増加し、印加する電圧がA点で示す正電圧を超えると電流は急激に減少するが、A点を通過後にさらに正電圧を印加しても電流が減少し続ける挙動は見られない。つまり、抵抗変化素子の抵抗値の上昇は、正電圧の印加に対してA点で収束する(変化しなくなる)特性を持っている。
従って、既に高抵抗状態にある抵抗変化素子にさらに高抵抗化のための電圧を印加しても、抵抗値を過度に上昇させる懸念はない。複数のメモリセルの一括高抵抗化は、抵抗変化素子のこのような特性を利用して安全に行い得る。
不揮発性記憶装置の製品には、データ書き換えの高速性が要求される。そのような要求に対して、複数の抵抗変化素子を一括して高抵抗化できる上述の構成は有効である。
例えば、書き込むべきデータの多くが“1”である場合には、全ての抵抗変化素子を高抵抗化(データ“1”)させた後、必要な抵抗変化素子のみ低抵抗化(データ“0”)させてもよい。
また例えば、抵抗変化素子の抵抗値を初期化および回復する際に、個々の抵抗変化素子を順次高抵抗化させるよりも、複数の抵抗変化素子を一括して高抵抗化させるほうが、処理時間が短縮されることは明らかである。
しかも、上述の構成では、寄生ダイオードを介した電流供給によって抵抗変化素子に電圧を印加するので、トランジスタを大型化することなく、抵抗値の初期化および回復のために必要な、通常のデータの書き込みに用いられる電圧よりも高い電圧を抵抗変化素子に対して印加できる効果も得られる。
[トランジスタを介した電圧印加による高抵抗化との併用]
基板端子から寄生ダイオードを介した電圧印加によって抵抗変化素子を高抵抗化させるデータ書き込み方法は、トランジスタを介した電圧印加によって抵抗変化素子を高抵抗化させる従来のデータ書き込み方法との併用や目的に応じた使い分けが可能である。
従来のデータ書き込み方法は、上述したメモリセル300、400、および不揮発性記憶装置200のデュアルメモリセル330、430のいずれにおいても、構成を変更することなく、印加する電圧を変更することで実行できる。
以下では、不揮発性記憶装置200(図10)のメモリセルM11にトランジスタN11を介した電圧印加によりデータ“1”を書き込む場合について、トランジスタN11がPMOSトランジスタで構成されているとして説明する。
図16は、トランジスタN11を介した電圧印加によりメモリセルM11にデータ“1”を書き込む際に関係する、メモリセルM11の部分の等価回路図である。図16は、ダイオードを介した電圧印加によりデータ“1”が書き込まれる場合のメモリセル300の等価回路図(図7)と対応している。
図17は、メモリセルM11に、トランジスタN11を介した電圧印加によりデータ“1”を書き込む書き込みサイクルにおいて、ソース線SL0、ワード線WL0、ビット線BL0、および基板端子BB0に印加される電圧の一例を示すタイミングチャートである。図17は、ダイオードD11を介した電圧印加によりメモリセルM11にデータ“1”を書き込む書き込みサイクルのタイミングチャート(図13(a))と対応している。
図17に示すように、データ“1”の従来の書き込みサイクルにおいては、最初に選択ビット線BL0及びソース線SL0を電圧V1(例えば−2.2V)に設定する。そして、ワード線WL0を電圧VDD(例えば−2.2V)に設定し、トランジスタN11をオンする。
この段階では、トランジスタN11のソースおよびドレインのいずれも電圧V1が印加されているので、トランジスタN11のドレイン電流は流れない。
次に、ビット線BL0を所定期間だけ電圧0Vに設定し、その後再度電圧V2に設定する。
この段階で、抵抗変化素子R11に対してトランジスタN11を介して書き込み用電圧が印加され、抵抗変化素子R11は低抵抗状態から高抵抗状態へ移行する。その後、ワード線WL0を電圧0Vに設定し、トランジスタN11をオフして、データ“1”の書き込みが完了する。
課題の項で説明したように、抵抗変化素子を用いた不揮発性記憶装置では、抵抗変化素子の抵抗値を安定して繰り返し変化させるために、抵抗変化素子の抵抗値が初期抵抗値にある場合において、通常の書き込みの際に印加される電圧よりも高い電圧を印加する初期化処理が行われることがある。
特に、プロセス工程中のチャージングダメージ等の理由により、初期抵抗が異常に低いメモリセルが存在したときなど、図16に示したような、トランジスタを使用する従来の書き込み方法では高抵抗化できない場合がある。
たとえば、図18に示すように、通常の高抵抗化電圧(例えば+1.3V)では、高抵抗化を実現することができず、より高い電圧(例えば+2.0V)が必要となる。
また、図19に示すように、低抵抗化と高抵抗化を繰り返すサイクリングの途中で、高抵抗の抵抗値が徐々に下がっていくことがある。このような状態を放置すると、通常の高抵抗化用の電圧(例えば+1.3V)では高抵抗化できなくなり、より高い電圧(例えば+2.0V)が必要となる。
トランジスタを介した電圧印加によって抵抗変化素子を高抵抗化させる方法では、メモリセルに実効的に高い電圧を印加するために、トランジスタに分圧される電圧を減らすことが有効である。しかしながら、図9で説明したように、トランジスタのオン抵抗の低減とメモリセルの小型化にはトレードオフがある。
そこで、図18、図19に示されるような場合には、基板端子からダイオードを介した電圧印加によって抵抗変化素子を高抵抗化させる方法を用いて、抵抗変化素子に通常の書き込み電圧より高い電圧(例えば+2.0V)を印加することで、抵抗状態を安定に初期化および回復させる。その後は、従来のトランジスタを使用する書き込み方法で、通常の書き込み電圧(例えば+1.3V、−1.1V)での安定動作が可能となる。
特に、サイクリングによる抵抗値の低下を放置すると、抵抗値が回復不可能な値にまで低下することがある。そのような事態を未然に防ぐために、書き込み処理が所定の回数行われるたびに通常の書き込みの際に印加される電圧よりも高い電圧を印加することで抵抗値を回復させる、リフレッシュ処理を行うことが望ましい。
そのために、例えば図10の不揮発性記憶装置内に、書き込み処理が行われた回数をカウントし、書き込み処理が所定の回数(例えば1000回または1万回など)行われるたびに、基板バイアス回路に電圧の印加を指令する制御回路を設けておき(図示せず)、その制御回路の制御下でリフレッシュ処理が行われるようにしてもよい。
このように、基板端子から寄生ダイオードを介した電圧印加によって抵抗変化素子の高抵抗化を行うことで、プロセス中のチャージングダメージやサイクリング劣化などで、抵抗素子が通常よりも低抵抗化した場合でも、安定に高抵抗状態に復帰させることが可能となる。これにより、トランジスタを大型化することなく、安定動作が可能な不揮発性記憶装置を実現することができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態として、異種の材料からなる上下の電極で、酸素不足型のタンタル酸化物からなる抵抗変化層または酸素不足型のハフニウム酸化物からなる抵抗変化層を挟んで構成される抵抗変化素子を用いたメモリセルについて説明する。
この抵抗変化素子は、可逆的に安定した書き換え特性を有する不揮発性記憶素子を得ることを目的として本願発明者らにより発明されたものであり、関連する特許出願である特願2007−267583号で詳細に説明されている。
この抵抗変化素子が有している、抵抗変化特性を前述のAモードおよびBモードのいずれか意図した一方に固定できるという特徴を、本発明の不揮発性記憶装置に利用する。以下では説明のために、特願2007−267583号の内容の一部を引用する。
第4の実施の形態では、まず、不揮発性記憶装置に用いられる抵抗変化素子の構成および製造方法、ならびに抵抗変化特性について説明し、その後、抵抗変化素子、トランジスタ、および基板端子を備える不揮発性記憶装置について説明する。
[抵抗変化層に酸素不足型のタンタル酸化物を用いた抵抗変化素子]
図20は、評価用に作製した抵抗変化素子500の構成の一例を示す断面図である。第4の実施の形態における不揮発性記憶装置には、抵抗変化素子500と同一の製造方法および材料で作製される抵抗変化素子が用いられる。
抵抗変化素子500は、基板501上に、酸化物層502、下部電極503、抵抗変化層504、および上部電極505を積層してなる。
基板501は例えば単結晶シリコン基板または半導体基板であり、抵抗変化層504は酸素不足型のタンタル酸化物からなり、下部電極503はWからなり、上部電極505はPtからなる。
抵抗変化素子500は、次のようにして作製される。
まず、単結晶シリコンである基板501上に、厚さ200nmの酸化物層502を熱酸化法により形成する。そして、酸化物層502上に、下部電極503としての厚さ100nmのW薄膜をスパッタリング法により形成する。
次に、下部電極503上に抵抗変化層504としてのタンタル酸化物層を、Taターゲットを用いた反応性スパッタリング法で形成する。
一実施例として、まずスパッタリング装置内に基板を設置し、スパッタリング装置内を7×10-4Pa程度まで真空引きする。Taをターゲットとして、パワーを250W、ArガスとO2ガスとをあわせた全ガス圧力を3.3Pa、基板の設定温度を30℃にし、スパッタリングを行った。これにより、酸素含有率が約58at%(TaOxと表現した時、xは1.38)で厚さ30nmのTa酸化物層が形成された。
その後、抵抗変化層504上に、上部電極505としての厚さ150nmのPt薄膜をスパッタリング法により形成する。
最後に、フォトレジスト工程によってフォトレジストによるパターンを形成し、ドライエッチングによって素子領域506を形成する。ここで、素子領域506は、直径が3μmの円形パターンである。
なお、詳細な引用は省略するが、特願2007−267583号には、実験の結果として、酸素含有率が45〜65at%(TaOxと表現したとき、0.8≦x≦1.9)の範囲のタンタル酸化物で抵抗変化層504を構成することで高抵抗値と低抵抗値の比が5倍以上となる良好な抵抗変化特性を持つ抵抗変化素子が得られること、および、酸素含有率が45〜65at%の範囲のタンタル酸化物は、スパッタリングの際のArガスに対するO2ガスの流量比を1.7〜5%の範囲とすることで形成されることが報告されている。
この実験の結果から、好適な範囲の中央値である約58at%が、実施例のTa酸化物層の酸素含有率として採用された。
[WとPtを電極に用いた抵抗変化素子の抵抗変化特性]
以上のようにして作製した抵抗変化素子500の抵抗変化特性について説明する。
図21(a)は、抵抗変化素子500をBモードで動作させることを目的に、上部電極505に対し下部電極503を基準に、高抵抗化用の+2.5Vと、低抵抗化用の−1.5Vを交互に印加した時の抵抗値の変化を示すグラフである。この場合、抵抗値は、+2.5Vの電気パルスを印加した時に約600Ωとなり、−1.5Vの電気パルスを印加した時に約60Ωとなって、意図した通りBモードの抵抗変化が起こっている。
図21(b)は、抵抗変化素子500をAモードで動作させることを目的に、下部電極503を基準にして上部電極505に、低抵抗化用の+1.5Vと、高抵抗化用の−2.5Vを交互に印加した時の抵抗値の変化を示すグラフである。この場合、抵抗値は、60Ωと100Ωとの間で変化しているだけであり、Bモードの抵抗変化を起こさせるための電圧印加と比較して、無視できる程度の抵抗変化しか起こっていない。
図21(a)、図21(b)は、抵抗変化素子500がBモードで固定的に動作することを示している。
また、図22は、同一基板上に製作された別の抵抗変化素子500に1000回程度電気パルスを加えた結果を示すグラフである。図22は、Bモードの動作が長期的に安定して持続することを示している。
このように抵抗変化素子の下部電極をWで構成し上部電極をPtで構成することによって、動作モードがBモードに固定された抵抗変化素子を作製することができる。
異なる材料の電極で抵抗変化層を挟んだ構造の抵抗変化素子において動作モードが固定される現象は、特願2007−267583号で詳細に説明されているように、上部電極および下部電極の標準電極電位の違いによって起こると考えられている。
[抵抗変化素子の電極材料に応じた抵抗変化特性]
特願2007−267583号では、さらに、下部電極をWに固定し、上部電極をIr、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Al、およびTaNのうちの1つで構成した複数の抵抗変化素子を作製し、作製したそれぞれの抵抗変化素子にBモードで動作させるための電圧を印加して抵抗変化特性を測定した実験の結果が報告されている。
その報告によれば、上部電極をIr、Ag、Cuで構成した抵抗変化素子では良好な抵抗変化が観測され、上部電極をNi、TaNで構成した抵抗変化素子では変化の割合は小さいものの抵抗変化が観測され、上部電極をTa、Ti、Alで構成した抵抗変化素子では抵抗変化は観測されなかった。
図23は、実験で用いられた材料の標準電極電位を示すグラフである。プロットの記号は、電極にその材料を用いた抵抗変化素子において、抵抗変化が起こりやすかったこと(○)、変化の割合が小さいものの抵抗変化が起こったこと(△)、抵抗変化が起こらなかったこと(×)を表している。なお、TiN(チッ化チタン)は実験では用いなかった電極材料であり、参考のために標準電極電位を・で示している。
図23を見れば、電極材料の標準電極電位が抵抗変化層の構成元素であるTaの標準電極電位よりも高い場合には抵抗変化が起こっており、低い場合には抵抗変化が起こっていないことが分かる。また、電極材料の標準電極電位とTaの標準電極電位との差が大きいほど抵抗変化が起こりやすく、差が小さくなるにつれて抵抗変化が起こりにくくなっていることが分かる。
なお、特願2007−267583号には、このような傾向と整合する抵抗変化素子の抵抗変化のメカニズムが詳細に説明されているが、ここでは引用を省略する。
以上の実験の結果から結論されるように、抵抗変化素子の動作モードを固定するために、上部電極および下部電極を異なる材料で構成すればよい。
上部電極および下部電極を異なる材料で構成した抵抗変化素子は、上部電極および下部電極のうち標準電極電位がより大きい一方に対し他方を基準に正電圧を印加することで高抵抗化し、負電圧を印加することで低抵抗化する動作モードで固定的に動作することが分かっている。
ここで、一方の電極には、標準電極電位がTaの標準電極電位よりも大きく、かつ差の大きな電極材料を用い、もう一方の電極には、標準電極電位がTaの標準電極電位よりも大きく、かつ差の小さな電極材料を用いてもよい。
また、一方の電極には、標準電極電位がTaの標準電極電位よりも大きな電極材料を用い、もう一方の電極には、標準電極電位がTaの標準電極電位よりも小さな材料を用いてもよい。
[抵抗変化層に酸素不足型のハフニウム酸化物を用いた抵抗変化素子]
他の同様な例として、酸素不足型のハフニウム酸化物を抵抗変化層に用い、上部電極および下部電極を異なる材料で構成した抵抗変化素子で、動作モードを固定できることを示す実験の結果が得られている。
酸素不足型のハフニウム酸化物を抵抗変化層に用いた抵抗変化素子では、Hfの標準電極電位を基準にして電極材料を選択することにより、動作モードが固定された抵抗変化素子が形成できる。
Hfの標準電極電位は−1.55eVであるので、例えば、上部電極を標準電極電位が+1.18eVのPtで構成し、下部電極を標準電極電位が−1.63eVのTiで構成すれば、Bモードで動作する抵抗変化素子が作製できる。
なお、抵抗変化層には、前述した酸素不足型のタンタル酸化物およびハフニウム酸化物以外にも、他の遷移金属の酸素不足型の酸化物層を用いてもよい。
他の遷移金属の酸素不足型の酸化物層を抵抗変化層に用いた場合も、用いる遷移金属材料の標準電極電位を基準にして電極材料を選択すれば、動作モードが固定された抵抗変化素子が作製できる。
また、抵抗変化層としてのタンタル酸化物やハフニウム酸化物に、抵抗変化特性を大きく変化させない程度に微量のドーパントを添加してもよい。
[不揮発性記憶装置の構成]
次に、本発明の第4の実施の形態の不揮発性記憶装置として、上部電極および下部電極が異なる材料で構成された抵抗変化素子、トランジスタ、および基板端子を有する1T1R型のメモリセルについて説明する。
図24は、PMOSトランジスタを用いたメモリセル340の構成の一例を示す断面図であり、第1の実施の形態の図5と対応している。
図25は、NMOSトランジスタを用いたメモリセル440の構成の一例を示す断面図であり、第1の実施の形態の図6と対応している。
メモリセル340、440に関して、第1の実施の形態の図7、図8、および第2の実施の形態の図10に相当する説明は、既に述べた内容と同様であるので省略する。
メモリセル340では、図24の拡大部分に示されるように、抵抗変化層309bは酸素不足型のTa酸化物よりなり、下部電極309aと上部電極309cは異なる材料で構成され、下部電極309aが抵抗変化を起こしにくい電極材料であるTaNで構成され、ビアを介してトランジスタの第1のP型拡散層領域302bに接続され、上部電極309cは抵抗変化を起こしやすいPt(白金)で構成し、ビアを介して第3配線層311で形成のビット線BL0に接続される構造となっている。
メモリセル440では、図25の拡大部分に示されるように、抵抗変化層309bは酸素不足型のTa酸化物よりなり、上部電極309cと下部電極309aは異なる材料で構成され、上部電極309cが抵抗変化を起こしにくい電極材料であるTaNで構成され、ビアを介して第3配線層311で形成のビット線BL0に接続され、下部電極309aは抵抗変化を起こしやすいPt(白金)で構成し、ビアを介してトランジスタの第1のN型拡散層領域402bに接続される構造となっている。
上記で説明したように、メモリセル340では、抵抗変化を起こしやすい電極材料で上部電極を形成し、抵抗変化を起こしにくい電極材料で下部電極を形成してなる抵抗変化素子を用いるので、動作モードがBモードに一義的に決まる。
そして、この下部電極側とメモリセルを構成するPMOSトランジスタのドレインを接続するので、Nウェルと上記ドレインからなる寄生ダイオードの順方向電流を、より大きな電流が必要な低抵抗から高抵抗への抵抗変化のための電流方向と確実に一致させることができ、その結果、最適なトランジスタ寸法でメモリセルを設計することができる。
また同様に、メモリセル440では、抵抗変化を起こしやすい電極材料で下部電極を形成し、抵抗変化を起こしにくい電極材料で上部電極を形成してなる抵抗変化素子を用いるので、動作モードがAモードに一義的に決まる。
そして、この下部電極側とメモリセルを構成するNMOSトランジスタのドレインを接続するので、Pウェルと上記ドレインからなる寄生ダイオードの順方向電流を、より大きな電流が必要な低抵抗から高抵抗への抵抗変化のための電流方向と確実に一致させることができ、その結果、最適なトランジスタ寸法でメモリセルを設計することができる。
なお、抵抗変化を起こしやすい電極材料には、Ptの他に、Ir、Pd、Ag、Cuを用いてもよい。
同様に、抵抗変化を起こしにくい電極材料には、TaNの他に、W、Ni、Ta、Ti、Alを用いてもよい。
(第5の実施の形態)
以下は、第5の実施の形態として、抵抗変化特性を前述のAモードおよびBモードのいずれか意図した一方に固定する別の抵抗変化素子を説明し、その特徴を利用した不揮発性記憶装置について説明する。
第5の実施の形態で用いる抵抗変化素子は、第1の実施の形態の抵抗変化素子と比べて、上下の電極で、酸素不足型のタンタル酸化物からなる抵抗変化層を挟んで構成される点で共通しているが、抵抗変化層の一方の電極に接した領域に、他の領域に比べて酸素含有率が高いタンタル酸化物層を設ける点で異なっている。また、第5の実施の形態における抵抗変化素子では、上下の電極の材料は、同種でもよく、異種であってもよい。
この抵抗変化素子もまた、可逆的に安定した書き換え特性を有する、抵抗変化現象を利用した不揮発性記憶素子を得ることを目的として本願発明者らにより発明されたものであり、関連する特許出願である特願2007−149032号で詳細に説明されている。
以下では説明のために、特願2007−149032号の内容の一部を引用する。
第5の実施の形態では、まず、不揮発性記憶装置に用いられる抵抗変化素子の構成および製造方法、ならびに抵抗変化特性について説明し、その後、抵抗変化素子、トランジスタ、および基板端子を備える不揮発性記憶装置について説明する。
[抵抗変化素子の構成]
図26は、評価用に作製した抵抗変化素子600の構成の一例を示す断面図である。第5の実施の形態における不揮発性記憶装置には、抵抗変化素子600と同一の製造方法および材料で作製される抵抗変化素子が用いられる。
図26に示すように、抵抗変化素子600は、基板601と、基板601上に形成された酸化物層602と、酸化物層602上に形成された下部電極603と、上部電極605と、下部電極603および上部電極605に挟まれた抵抗変化層604とを備えている。
ここで、抵抗変化層604は、酸素含有率が低い第1のタンタル含有層(以下、「第1のタンタル酸化物層」という)604aと、その第1のタンタル酸化物層604a上に形成された酸素含有率が高い第2のタンタル含有層(以下、「第2のタンタル酸化物層」という)604bとで構成されている。
下部電極603および上部電極605の材料としては、例えば、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Cu(銅)などが挙げられる。
なお、基板601としては、シリコン単結晶基板または半導体基板を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。抵抗変化層604は比較的低い基板温度で形成することが可能であるため、樹脂材料などの上に抵抗変化層604を形成することができる。
[抵抗変化素子の製造方法]
次に、図27(a)〜図27(c)を参照しながら、本実験で用いた抵抗変化素子600の製造方法について説明する。
まず、図27(a)に示したように、単結晶シリコンである基板601上に、厚さ200nmの酸化物層602を熱酸化法により形成する。そして、下部電極603としての厚さ100nmのPt薄膜を、スパッタリング法により酸化物層602上に形成する。その後、下部電極603上に、第1のタンタル酸化物層604aを、Taターゲットを用いた反応性スパッタリング法で形成する。
次に、図27(b)のように、第1のタンタル酸化物層604aの最表面を酸化してその表面を改質する。これにより、第1のタンタル酸化物層604aの表面に、当該第1のタンタル酸化物層604aよりも酸素含有率の高い第2のタンタル酸化物層604bが形成される。これら第1のタンタル酸化物層604aと第2のタンタル酸化物層604bとが積層された積層構造により抵抗変化層604が構成される。
その後、第2のタンタル酸化物層604b上に、上部電極605としての厚さ150nmのPt薄膜をスパッタリング法により形成する。
最後に、フォトレジスト工程によって、フォトレジストによるパターン606を形成し、図27(c)のように、ドライエッチングによって、素子領域607を形成する。
上述した製造方法に従って、素子A〜素子Cを作製した。以下、詳細について説明する。
まず、上述したようにして、基板601、酸化物層602及び、Ptからなる下部電極603の積層構造を形成した。その後、下部電極603上に、第1のタンタル酸化物層604aを、Taターゲットをアルゴンガスと酸素ガス中でスパッタリングするいわゆる反応性スパッタリングで形成した。
このときの成膜条件は、スパッタリングを開始する前のスパッタリング装置内の真空度(背圧)が7×10-4Pa程度であり、スパッタ時のパワーは250W、アルゴンガスと酸素ガスとをあわせた全ガス圧力は3.3Pa、酸素ガスの流量比は3.4%、基板の設定温度は30℃、成膜時間は7分とした。これにより、酸素含有率が約58at%、すなわち、TaO1.4と表すことができる第1のタンタル酸化物層604aが30nm堆積された。
素子A〜素子Cの製造時には、第1のタンタル酸化物層604a及び第2のタンタル酸化物層604bの形成と、上部電極605の形成とは、スパッタリング装置内で連続的に行った。すなわち、第1のタンタル酸化物層604aを堆積した後、ガス圧力の条件およびパワー等のスパッタリングの条件はそのままにして、Taターゲットとそれに対向して設置されている基板601との間にシャッターを挿入し、その状態を所定時間保持した。
これにより、第1のタンタル酸化物層604aの最表面が酸素プラズマによって酸化された。その結果、第1のタンタル酸化物層604aの表面に、当該第1のタンタル酸化物層604aよりも酸素含有率の高い第2のタンタル酸化物層604bが形成された。
その後、上述したようにして、第2のタンタル酸化物層604b上に、Ptから成る上部電極605を形成した。
その後、フォトレジスト工程によって、素子領域607を形成した。なお、素子A〜素子Cの素子領域607は、直径が3μmの円形パターンとした。
本実験においては、上記の酸素プラズマによる酸化処理時間(酸素プラズマ暴露時間)を変化させることにより、素子A〜素子Cを作製している。作製した各素子の初期抵抗値と、X線反射率測定から求めた第1のタンタル酸化物層(TaOx層)の膜厚および酸素含有量xおよび第2のタンタル酸化物層(TaOy層)の膜厚および酸素含有量yを表1にまとめる。
なお、素子Aの酸素プラズマ暴露時間が0分となっているのは、第1のタンタル酸化物層604aの堆積後、酸素プラズマに暴露せず、直ちに上部電極605としてPtを堆積したことを意味している。
Figure 2010177387
以下では、このようにして作製された抵抗変化素子の特性等について説明する。
[抵抗変化層の初期抵抗]
まず、素子A〜素子Cの抵抗変化層604の初期抵抗を測定し、その結果について検討する。ここでは、各素子における下部電極603と上部電極605との間に、閾値電圧(例えば、1V程度)よりも低い50mVの微弱な電圧を印加し、流れる電流を測定して各実施例の抵抗変化層604の初期の抵抗率を求めた。
表1を参照すると、素子A(酸素プラズマ暴露時間0分)では1.7Ω、素子B(同0.5分)では650Ω、素子Cでは1890Ωとなっており、酸化プラズマ暴露時間が長くなるにしたがって抵抗変化層604の初期の抵抗値が上昇しているのが分かる。
これは、酸素プラズマ処理によって形成された第2のタンタル酸化物層604bに起因すると考えられる。
[抵抗変化特性]
次に、素子A〜素子Cに対して電気的パルスを印加して、抵抗変化を起こさせたときの特性について説明する。
図28(a)〜図28(c)は、第3の実験に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値と印加した電気的パルスとの関係を示す図であり、それぞれ素子A〜素子Cにおける結果を示している。ここでは、下部電極603と上部電極605との間に、パルス幅が100nsecで、下部電極603に対して上部電極605に負電圧−2.0V、正電圧3.0Vの2種類の電気的パルスを交互に繰り返し印加した場合の抵抗変化層604の抵抗値を測定した。
まず、酸素プラズマを0.5分照射して得られた素子Bの抵抗変化特性を示す図28(b)を見ると、測定直後の初期状態の試料に負電圧−2.0Vの電気的パルスを加えると、抵抗値が650Ωから約50Ωに低下しているのが分かる。その後、正電圧3.0Vの電気的パルスで抵抗値が5000Ωに増加しており、その後、50Ωと5000Ωの間で、非常に安定した、図4(b)に示した特性と同様のBモードの可逆的抵抗変化が起こっていることを確認することができる。
また、図28(c)から分かるように、酸素プラズマを1分間照射して得られた素子Cでも測定した範囲内で安定的に可逆的抵抗変化が起こっており、初期抵抗が1890Ωであった素子に、−2Vの電気的パルスを加えると抵抗値が約200Ωに減少し、次に+3Vの電気的パルスを加えると抵抗値が2000Ωに増加している。この場合も安定なBモードの抵抗変化が起こっている。
さらに、素子Bおよび素子Cでは図4(a)に示した特性と同様のAモードの可逆的抵抗変化は観測されず、Bモードのみの抵抗変化を示すことが確認された。
しかしながら、素子Aの抵抗変化特性を示す図28(a)を見ると、−2.0V及び3.0Vの2種類の電気的パルスを加えても、抵抗変化が起こっていないことが分かる。素子Aは、酸素プラズマ暴露時間が0分、すなわち、第1のタンタル酸化物層604aを堆積直後に上部電極605を堆積して作製しており、第2のタンタル酸化物層604bが存在しないか、したとしても非常に薄い状態であると考えられる。
これらの結果から、第2のタンタル酸化物層604bの膜厚の増加により、抵抗変化を可能とするとともに、Bモードの可逆的な抵抗変化を確認することができる。
なお、詳細な引用は省略するが、特願2007−149032号には、実験の結果として、酸素含有率が45〜65at%(TaOxと表現したとき、0.8≦x≦1.9)の範囲のタンタル酸化物で第1のタンタル酸化物層604aを構成することで高抵抗値と低抵抗値の比が5倍以上となる良好な抵抗変化特性を持つ抵抗変化素子が得られること、および、酸素含有率が45〜65at%の範囲の第1のタンタル酸化物層604aは、スパッタリングの際のArガスに対するO2ガスの流量比を1.7〜5%の範囲とすることで形成されることが報告されている。
以上の結果から、図26で示す抵抗変化素子において、下部電極603に接して配置されたTaOx(0.8≦x≦1.9)の組成式で表される第1のタンタル酸化物層604aと、上部電極605に接して配置されたTaOy(2.1≦y<2.5)の組成式で表される第2のタンタル酸化物層604bの積層構造からなる抵抗変化層604は、上部電極605に対し下部電極603を基準に負の電圧パルス印加で低抵抗状態へ変化し、上部電極605に対し下部電極603を基準に正の電圧パルス印加で高抵抗状態への変化を繰り返すBモードの安定した抵抗変化を示すことがわかった。
[動作モードが逆の抵抗変化素子]
次に、ここまでの説明とは逆のAモードの抵抗変化を安定して生じる抵抗変化素子について説明する。そのような抵抗変化素子は、第1のタンタル酸化物層604aおよび第2のタンタル酸化物層604bの積層順序を入れ替えることで作製することができる。
[抵抗変化素子の構成]
図29は、Aモードで動作する抵抗変化素子601の構成の一例を示した断面図である。図29に示すように、Aモードで動作する抵抗変化素子601は、Bモードで動作する抵抗変化素子600(図26)と比べて、第2のタンタル酸化物層604bが下部電極603と接するように配置され、第1のタンタル酸化物層604aが上部電極605と接するように配置されている点のみが異なる。
[抵抗変化素子の製造方法]
次に、抵抗変化素子610の製造方法で、抵抗変化素子600の製造方法と異なる点について説明する。
まず、抵抗変化素子600と同様にして、単結晶シリコンである基板601上に酸化物層602を形成し、さらに下部電極603としてのPt薄膜を形成する。
その後、下部電極603上に、第2のタンタル酸化物層604bを、Ta25ターゲットを用いたスパッタリング法で約3nm形成する。第2のタンタル酸化物層604bの組成は、スパッタ時のプラズマの影響で、Ta25そのものではなく、若干酸素の欠損した組成になると考えられる。従って、ターゲット組成より若干酸素が少ないタンタル酸化物TaOy(y=2.3〜2.4)が第2のタンタル酸化物層604bとして形成されていると推察される。
次に、第2のタンタル酸化物層604b上に第1のタンタル酸化物層604aをTaターゲットを用いた反応性スパッタリング法で形成する。第1のタンタル酸化物層604aはタンタルをターゲットとして、パワーを1.6kW、アルゴンガスを34sccm、酸素ガスを21sccm流して、スパッタリング装置内の圧力を0.17Paに保ち、18秒間スパッタリングを行う。これにより、抵抗率が6mΩcmで酸素含有率が約61at%(TaO1.6)の第1のタンタル酸化物層604aが27nm堆積した。
これにより、第2のタンタル酸化物層604bの表面に、第2のタンタル酸化物層604bよりも酸素含有率の低い第1のタンタル酸化物層604aが形成される。このようにして第2のタンタル酸化物層604bと第1のタンタル酸化物層604aとが積層された積層構造により抵抗変化層614が構成される。
その後、抵抗変化素子600と同様にして、第1のタンタル酸化物層604a上に、上部電極605としてのPt薄膜を形成し、最後に、フォトレジスト工程によって、フォトレジストによるパターンを形成し、ドライエッチングによって、素子領域617を形成する。
上述した製造方法に従って、素子Dを作製した。ここで素子領域617は、一辺が0.5μmの四角の形状とした。
[抵抗変化素子の抵抗変化特性]
次に、実際に作製した素子Dに対して電気的パルスを印加して、抵抗変化を起こさせた時の特性について説明する。
図30は、素子Dに対し、上部電極605に対し下部電極603を基準に正電圧1.5Vおよび負電圧−1.8Vのパルスを交互に印加し続けた場合の、その都度の抵抗変化素子の抵抗値を表したグラフである。パルス幅は100nsecとした。
最初に上部電極605に正電圧1.5Vを加えると抵抗値が約200Ωに低下し、次に負電圧−1.8Vを加えると抵抗値は20000Ω程度に増加している。その後、正電圧1.5Vと負電圧−1.8Vの電気的パルスを交互に加えることで抵抗値は約100Ωと約8000Ωの間を往復する安定したAモードの抵抗変化が起こっている。
以上の結果から、図29に示される抵抗変化素子601において、下部電極603に接して配置されたTaOy(y=2.3〜2.4)の組成式で表される第2のタンタル酸化物層604bと、上部電極605に接して配置されたTaOx(x=1.6)の組成式で表される第1のタンタル酸化物層604aの積層構造からなる抵抗変化層614は、上部電極に605に対し下部電極603を基準に正の電圧パルス印加で低抵抗状態へ変化し、上部電極605に対し下部電極603を基準に負の電圧パルス印加で高抵抗状態への変化を繰り返すAモードの安定した抵抗変化を示すことがわかった。
なお、抵抗変化素子600について確かめられた組成の好適範囲に基づいて、TaOy(2.1≦y<2.5)の組成式で表される第2のタンタル酸化物層604bと、上部電極605に接して配置されたTaOx(0.8≦x≦1.9)の組成式で表される第1のタンタル酸化物層604aの積層構造からなる抵抗変化層614も、Aモードの安定した抵抗変化を示すことが十分に推測できる。
[不揮発性記憶装置の構成]
次に、本発明の第5の実施の形態の不揮発性記憶装置として、抵抗変化層が酸素含有率が異なる2種類のタンタル酸化物で構成された抵抗変化素子、トランジスタ、および基板端子を有する1T1R型のメモリセルについて説明する。
図31は、PMOSトランジスタを用いたメモリセル350の構成の一例を示す断面図であり、第1の実施の形態の図5と対応している。
図32は、NMOSトランジスタを用いたメモリセル450の構成の一例を示す断面図であり、第1の実施の形態の図6と対応している。
メモリセル350では、図31の拡大部分に示されるように、抵抗変化素子309は、第3ビア308上に下部電極309a、抵抗変化層309b、上部電極309cがサンドイッチ状に形成され、さらには第3配線層311と接続される第4ビア310につながっている。
ここで、下部電極309aおよび上部電極309cとも抵抗変化を起こしやすいPt(白金)で構成されている。
また、抵抗変化層309bは、下部電極309aに接する第1のタンタル酸化物層309b−1、および上部電極309cに接する第2のタンタル酸化物層309b−2を有している。
第2のタンタル酸化物層309b−2は、上部電極309c製造工程前に、第1のタンタル酸化物層309b−1の表面に酸化処理を施して作られ、そのため、第1のタンタル酸化物層309b−1と比べて酸素含有率が高く、つまり、抵抗値が高くなっている。
本実施の形態に従うと、図31に示すように、抵抗変化素子309は、上部電極309c側に、より抵抗変化をしやすい第2の酸素不足型のタンタル酸化物層309b−2が設けられており、上部電極309cに対し下部電極309aを基準に正電圧を印加することで、第2の酸素不足型のタンタル酸化物層309b−2における酸化現象が進行し高抵抗状態に変化し、逆方向の電圧で還元現象が進行し低抵抗状態に変化すると考えられ、電圧印加方向に対する抵抗変化の状態が一義的に限定(Bモード動作)できる。
このように、抵抗変化を起こしやすい第2の酸素不足型のタンタル酸化物層309b−2を上部電極309cに接して形成し、下部電極309aとメモリセルを構成するPMOSトランジスタのドレインを接続する本実施の形態によると、Nウェルと上記ドレインからなる寄生ダイオードの順方向電流を、より大きな電流が必要な低抵抗から高抵抗への抵抗変化のための電流方向に確実に一致させることができ、最適なトランジスタ寸法でメモリセルを設計することができる。
メモリセル450では、図32の拡大部分に示されるように、抵抗変化層309eは、抵抗変化層309bと同じく酸素不足型のタンタル酸化物よりなり、下部電極309dおよび上部電極309fは、下部電極309aおよび上部電極309cと同様に抵抗変化を起こしやすいPt(白金)で構成されている。
また、第2のタンタル酸化物層309e−2は、第1のタンタル酸化物層309e−1と比べて、酸素含有率が高い、つまり、抵抗値が高いタンタル酸化物から構成される。
ここで、NMOSトランジスタで構成した1T1R型メモリセル(図32)の場合、PMOSトランジスタで構成した1T1R型メモリセル(図31)の場合とは逆に、NMOSトランジスタの拡散層領域と接続される下部電極309dに接して抵抗変化をより起こしやすい第2のタンタル酸化物層309e−2を設けている。
つまり、上部電極309fに対し下部電極309dに正の電圧が印加される負極性バイアス印加で書換え時に低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する抵抗変化特性(Aモード)に確実に限定されるため、Pウェルと上記ドレインからなる寄生ダイオードの順方向電流を、より大きな電流が必要な低抵抗から高抵抗への抵抗変化のための電流方向に確実に一致させることができ、最適なトランジスタ寸法でメモリセルを設計することができる。
以上、本発明の抵抗変化型不揮発性記憶装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも本発明の範囲内に含まれる。本実施の形態は上記実施の形態1〜4との組み合わせも可能である。
また、同様の効果が得られる不揮発性記憶装置は、実施の形態の抵抗変化素子に限らず、抵抗変化のモードが一義的に決まる特徴を有する他の抵抗変化素子を用いて構成することができる。
本発明の不揮発性記憶装置は、例えばパーソナルコンピュータおよび携帯情報端末装置などの、あらゆる電子機器に用いられる記憶装置として有用である。
本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置が備える抵抗変化素子の構成を示す断面図。 本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置が備える抵抗変化素子の製造工程を示す断面図。 本発明の不揮発性記憶素子の抵抗変化における電流−電圧のヒステリシス特性の一例を示す図。 (a)、(b)本発明の不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス印加回数との関係の一例を示す図。 本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の断面図。 本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の断面図。 本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の書き込み動作の説明図(PMOS/B−mode)。 本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の書き込み動作の説明図(NMOS/A−mode)。 トランジスタと寄生ダイオードのオン抵抗を比較するグラフ。 本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図。 図10におけるC部の構成(2ビット分の構成)を示す断面図。 図10におけるC部の構成(2ビット分の構成)を示す断面図。 (a)(b)(c)本発明の実施の形態1の変形例に係る不揮発性記憶装置の動作例を示すタイミングチャート。 本発明の実施の形態2に係るメモリセルの一括高抵抗化書き込みの説明図(PMOS/B−mode)。 本発明の実施の形態2に係るメモリセルの一括高抵抗化書き込みの説明図(NMOS/A−mode)。 本発明の実施の形態3に係るメモリセルの書き込み動作の説明図(PMOS/B−mode)。 本発明の実施の形態3に係る不揮発性記憶装置の動作例を示すタイミングチャート。 抵抗変化素子単体の初期化の書き込みによる抵抗状態の変化を示すグラフ。 抵抗変化素子単体のサイクリング劣化後の追加書き込みによる抵抗状態の変化を示すグラフ。 本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の構成を示す断面図。 (a)、(b)本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス印加回数との関係を示す図。 本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス印加回数との関係を示す図。 本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の電極材料と標準電極電位の関係を示す図。 本発明の実施の形態4に係る不揮発性記憶装置の断面図。 本発明の実施の形態4に係る不揮発性記憶装置の断面図。 本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の構成を示す断面図。 (a)〜(c)本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の製造工程を説明する図。 (a)〜(c)本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス印加回数との関係を示す図。 本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の構成を示す断面図。 本発明の基礎データとしての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス印加回数との関係を示す図。 本発明の実施の形態5に係る不揮発性記憶装置の断面図。 本発明の実施の形態5に係る不揮発性記憶装置の断面図。 従来例1のメモリセルの断面を示す模式図。 従来例2のメモリセルの断面を示す模式図。
100 抵抗変化素子
101 基板
102 酸化物層
103 下部電極
104 抵抗変化層
105 上部電極
106 パターン
107 素子領域
200 不揮発性記憶装置
201 メモリ本体部
202 メモリセルアレイ
203 列選択回路
204 センスアンプ
205 データ入出力回路
206 書き込み回路
207 行ドライバ
208 行選択回路
209 アドレス入力回路
210 制御回路
211 書き込み用電源
212 LR化用電源
213 HR化用電源
220 基板バイアス回路
300,340,350 メモリセル
302a 第2のP型拡散層領域
302b,322b 第1のP型拡散層領域
303a,323a ゲート絶縁膜
303b,323b ゲート電極
304 第1ビア
305 第1配線層
306 第2ビア
307 第2配線層
308 第3ビア
309,329 抵抗変化素子
309a 下部電極
309b 抵抗変化層
309b−1 第1のタンタル酸化物層
309b−2 第2のタンタル酸化物層
309c 上部電極
310 第4ビア
311 第3配線層
315 P型シリコン基板
316 Nウェル
317,327,417,427 トランジスタ
318,328,418,428 寄生ダイオード
319 基板端子
320,420 高抵抗化書き込み電流
321,421 低抵抗化書き込み電流
330,430 デュアルメモリセル
400,440,450 メモリセル
402a 第2のN型拡散層領域
402b,422b 第1のN型拡散層領域
415 N型シリコン基板
416 Pウェル
500 抵抗変化素子
501 基板
502 酸化物層
503 下部電極
504 抵抗変化層
505 上部電極
506 素子領域
BL0、BL1、… ビット線
N11、N12、… トランジスタ
M11、M12、… メモリセル
SL0、SL2、… ソース線
R11、R12、… 抵抗変化素子
WL0、WL1、… ワード線
D11、D12、… 寄生ダイオード
W0、W2、… ウェル

Claims (13)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第1導電型の不純物拡散層ウェルと、前記第1導電型の不純物拡散層ウェル内に形成された第2導電型の第1の不純物拡散層、ゲート電極、および前記ゲート電極を挟んで前記第2導電型の第1の不純物拡散層と反対側に形成された第2導電型の第2の不純物拡散層からなるトランジスタと、前記第2導電型の第1の不純物拡散層に接続された第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層からなる不揮発性記憶素子と、前記第1導電型の不純物拡散層ウェルに接続された基板端子とを備え、前記トランジスタと前記不揮発性記憶素子とでメモリセルを構成した不揮発性記憶装置の駆動方法であって、
    前記基板端子と前記第2電極との間に、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェルと前記第2導電型の前記第1の不純物拡散層との接合によってできる寄生ダイオードの順方向となる第1の書き込み用電圧を印加するステップ
    を含む駆動方法。
  2. さらに、
    前記第2導電型の第2の不純物拡散層と前記第2電極との間に、第2の書き込み用電圧を印加するステップと、
    前記第2の書き込み用電圧が印加されているときに、前記ゲート電極に、前記トランジスタをオンする制御電圧を印加するステップと
    を含む請求項1に記載の駆動方法。
  3. 前記第1の書き込み用電圧の印加に応じて、前記抵抗変化層の抵抗値が増加する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動方法。
  4. 前記不揮発性記憶装置は、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェル内に複数の前記メモリセルを備えており、
    前記駆動方法は、さらに、
    前記基板端子と各メモリセルの前記第2電極との間に、前記第1の書き込み用電圧を一斉に印加するステップ
    を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動方法。
  5. 前記抵抗変化層の抵抗値が初期抵抗値にある場合において、前記基板端子と前記第2電極との間に、前記第1の電圧を印加する
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の駆動方法。
  6. 前記不揮発性記憶素子に対する書き込みの回数が所定の回数に達した場合において、前記基板端子と前記第2電極との間に、前記第1の電圧を印加する
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の駆動方法。
  7. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第1導電型の不純物拡散層ウェルと、
    前記第1導電型の不純物拡散層ウェル内に形成された第2導電型の第1の不純物拡散層、ゲート、および前記ゲートを挟んで前記第2導電型の第1の不純物拡散層と反対側に形成された第2導電型の第2の不純物拡散層からなるトランジスタと、
    前記第2導電型の第1の不純物拡散層に接続された第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に印加される電気信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する第1の抵抗変化層からなる不揮発性記憶素子と、
    前記第1導電型の不純物拡散層ウェルに接続された基板端子と
    を備える不揮発性記憶装置。
  8. 前記不揮発性記憶装置は、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェル内に複数の前記メモリセルを備えており、
    前記基板端子が、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェル内に、前記メモリセルよりも少数設けられている
    請求項7に記載の不揮発性記憶装置。
  9. 前記抵抗変化層は遷移金属の酸素不足型の酸化物を含み、
    前記第1電極と前記第2電極は、異なる元素からなる材料によって構成され、
    前記第1電極の標準電極電位V1と、前記第2電極の標準電極電位V2と、前記遷移金属の標準電極電位Vtとが、Vt<V1かつV2<V1を満足し、
    前記第1導電型はP型であり、前記第2導電型はN型である
    請求項7または請求項8に記載の不揮発性記憶装置。
  10. 前記抵抗変化層は遷移金属の酸素不足型の酸化物を含み、
    前記第1電極と前記第2電極は、異なる元素からなる材料によって構成され、
    前記第1電極の標準電極電位V1と、前記第2電極の標準電極電位V2と、前記遷移金属の標準電極電位Vtとが、Vt<V2かつV1<V2を満足し、
    前記第1導電型はN型であり、前記第2導電型はP型である
    請求項7または請求項8に記載の不揮発性記憶装置。
  11. 前記抵抗変化層は、MOxで表される組成を有する第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層と、MOy(但し、x<y)で表される組成を有する第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層とが積層されてなり、
    前記第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第2電極と接し、前記第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第1電極と接しており、
    前記第1導電型はP型であり、前記第2導電型はN型である
    請求項7または請求項8に記載の不揮発性記憶装置。
  12. 前記抵抗変化層は、MOxで表される組成を有する第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層と、MOy(但し、x<y)で表される組成を有する第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層とが積層されてなり、
    前記第1の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第1電極と接し、前記第2の酸素不足型の遷移金属酸化物層が前記第2電極と接しており、
    前記第1導電型はN型であり、前記第2導電型はP型である
    請求項7または請求項8に記載の不揮発性記憶装置。
  13. さらに、
    前記基板端子を介して、前記第1導電型の前記不純物拡散層ウェルと前記第2導電型の前記第1の不純物拡散層との接合によってできる寄生ダイオードに順方向電圧を印加する基板バイアス回路を備える
    請求項7から請求項12の何れか1項に記載の不揮発性記憶装置。
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