JP2010174058A - ポリマー粒子及びこのポリマー粒子を用いた非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物 - Google Patents

ポリマー粒子及びこのポリマー粒子を用いた非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物 Download PDF

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響子 平井
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Abstract

【課題】 活物質とバインダ樹脂組成物とから得られた合剤層において、エネルギーデバイス、特にリチウムイオン二次電池の活物質表面を被覆しない、バインダ樹脂組成物(ポリマー粒子)及び、これを用いた非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂を提供する。
【解決手段】 ニトリル基含有単量体由来の構造単位と、下記一般式(1)で表される構造単位及び/又は、下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリマー粒子。
【化1】
Figure 2010174058

【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリマー粒子及びこのポリマー粒子を用いた非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物に関する。
現在、ノート型パソコンや携帯電話等の電源として、高いエネルギー密度を有する非水電解液系エネルギーデバイスである、リチウムイオン二次電池が広く用いられている。
リチウムイオン二次電池は、小型であるが、高いエネルギー密度を有している特徴を利用して、車載用電池としても注目されてきている。
バインダ樹脂は、電極集電体と合剤層中の活物質とを接着する役割を担う。バインダ樹脂は、合剤層内の活物質及び導電助剤に対して、被覆量が少なく接着する事が望ましい。リチウムイオン二次電池は、被覆量が少ないことで、リチウムイオンの電子授受が円滑に進行し、電池全体としての抵抗は減少する(特許文献1、2参照)。
特開2003−282061号公報 特開2003−317722号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に示すものでは、スラリーに用いている溶剤(N−メチルピロリドン)を乾燥によって除去した後、バインダ樹脂の形状を制御する事が難しく、このため、バインダ樹脂が、電極活物質及び導電助剤を被覆してしまう問題があった。電極活物質及び導電助剤が被覆されると、電池の抵抗は、増加してしまう。
また、樹脂自身が長期間電解液に晒される場合は、樹脂が膨潤し、合剤層と集電体との界面や、合剤層中の活物質同士の接触が、ルーズになる。このため、合剤層と集電体間の接続を満足に行う事ができず、電池の寿命を縮めてしまう問題があった。
本発明の目的は、活物質とバインダ樹脂組成物とから得られた合剤層において、エネルギーデバイス、特にリチウムイオン二次電池の活物質表面を被覆しない、バインダ樹脂組成物(ポリマー粒子)及び、これを用いた非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂を提供することにある。
本発明は、以下のものに関する。
(1)ニトリル基含有単量体由来の構造単位と、下記一般式(1)で表される構造単位及び/又は、下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリマー粒子。
Figure 2010174058
(一般式(1)中、RはH又はCH、nは1〜50の整数、RはH又は、炭素数1〜10のアルキル基若しくはフェニル基である。)
Figure 2010174058
(一般式(2)中、RはH又はCH、RはH又は炭素数1〜100の飽和炭化水素である。)
(2)項(1)において、更にカルボキシル基含有構造単位を含むポリマー粒子。
(3)項(1)又は(2)において、粒子の平均粒径が、1nm〜1μmであるポリマー粒子。
(4)項(1)乃至(3)の何れかに記載のポリマー粒子を含む、非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物。
(5)項(4)において、エネルギーデバイスが、リチウム電池又はキャパシタである、非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物。
本発明の、ポリマー粒子及び非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物は、ニトリル基含有構造単位と、柔軟性・可とう性を有する比較的鎖長の長い構造単位及び/又は比較的鎖長の長いアルキル基を有する構造単位と、任意の接着性基含有構造単位を含むポリマー粒子構造を有しているので、活物質に対して接する面積が少なく、即ち低被覆であることから、電池の抵抗は、ワニスタイプと比較すると低い。
このため、本発明のバインダ樹脂組成物を用いて作製される電極を使用した非水電解液エネルギーデバイスであるリチウムイオン二次電池は、低抵抗で、電池寿命が長くなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(a)ポリマー粒子
本発明にて述べるポリマー粒子は、ニトリル基含有単量体由来の構造単位と、上記一般式(1)で表される構造単位及び/又は上記一般式(2)で表される構造単位とを含むものである。このような構造にする事で、ポリマー粒子は、電解液に対して膨潤しにくくなる。
以下、それぞれの一般式に関して詳細に説明する。
(a−1)ニトリル基含有単量体由来の構造単位
ニトリル基含有単量体由来の構造単位としては、特に制限はないが、例えば、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルのようなアクリル系ニトリル基含有単量体由来の構造単位が挙げられる。この他に、α−シアノアクリレート及びジシアノビニリデンのようなシアン系ニトリル基含有単量体由来の構造単位、フマロニトリルのようなフマル系ニトリル基含有単量体由来の構造単位等を用いることができる。これらの中では、重合のし易さ、コストパフォーマンス、電極の柔軟性・可とう性等の点で、アクリロニトリルが好ましい。
これらのニトリル基含有単量体由来の構造単位は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いられる。
ニトリル基含有単量体由来の構造単位1含有量は、全構造単位の合計モル数を100モル%とした場合、例えば1〜99モル%であり、1〜90モル%とする事が好ましく、10〜85モル%とすることがより好ましく、20〜80モル%とすることが更に好ましい。また、二トリル基含有単量体由来の構造単位として、アクリロニトリルとメタクリロニトリルとを使用する場合は、ニトリル基含有単量体由来の構造単位の全量に対して、アクリロニトリルを、例えば、1〜98モル%、好ましくは20〜75モル%、更に好ましくは30〜70モル%含むことが適当である。
(a−2)一般式(1)で表される構造単位
一般式(1)で表される構造単位としては、特に限定されない。
一般式(1)のRは、H又はCHである。nは、1〜50、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜10の整数である。Rは、H又は炭素数が1〜10のアルキル基若しくはフェニル基である。炭素数は、より好ましくは1〜5である。
具体的には、例えば市販の、エトキシジエチレングリコールアクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレートEC−A)、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレートMTG−A,新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルAM−30G)、メトキシポリ(n=9)エチレングリコールアクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレート130−A,新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルAM−90G)、メトキシポリ(n=13)エチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルAM−130G)、メトキシポリ(n=23)エチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルAM−230G)、オクトキシポリ(n=18)エチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルA−OC−18E)、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレートP−200A,新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルAMP−20GY)、フェノキシポリ(n=6)エチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルAMP−60G)、ノニルフェノールEO付加物(n=4)アクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレートNP−4EA)、ノニルフェノールEO付加物(n=8)アクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレートNP−8EA)、メトキシジエチレングリコールメタクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトエステルMC,新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−20G)、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトエステルMTG)、メトキシポリ(n=9)エチレングリコールメタクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトエステル130MA,新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−90G)、メトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−230G)、メトキシポリ(n=30)エチレングリコールメタクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトエステル041MA)等が挙げられる。これらの中では、アクリロニトリルと共重合させる場合の反応性等の点から、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(一般式(1)のRがH、nが3)がより好ましい。
これらの一般式(1)で表される構造単位は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いることができる。
(a−3)一般式(2)で表される構造単位
一般式(2)で表される構造単位としては、特に限定されない。
一般式(2)のRは、H又はCHである。Rは、H又は炭素数1〜100、好ましくは炭素数4〜50、より好ましくは炭素数6〜30、更に好ましくは炭素数8〜15の飽和炭化水素である。Rでは特に、炭素数が4以上であれば、十分な可とう性を得ることができ、炭素数が10以下であれば、電解液に対する十分な耐膨潤性を得ることができる。
の飽和炭化水素としては、アルキル基であることが好ましく、このアルキル基は、直鎖あるいは分岐鎖であってもよい。また、このRを構成するアルキル基は、一部フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンや、窒素、リン、芳香環、炭素数3〜10のシクロアルカン等で置換されていてもよい。
例えば、Rを構成するアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基の他、フルオロアルキル基、クロロアルキル基、ブロモアルキル基、ヨウ化アルキル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の、長鎖(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
また、Rがフルオロアルキル基である場合、例えば、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−へキサフルオロブチルアクリレート、ノナフルオロイソブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルアクリレート等のアクリレート化合物、ノナフルオロ−t−ブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロオクチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート等の、メタクリレート化合物等が挙げられる。
これらの一般式(2)で表される構造単位は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いることができる。
(a−4)カルボキシル基含有構造単位
ポリマー粒子は、非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物に適応した際の密着性向上の観点で、カルボキシル基構造単位を含む事が好ましい。
カルボキシル基含有構造単位としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のようなアクリル系カルボキシル基含有構造単位、クロトン酸のようなクロトン系カルボキシル基含有構造単位、マレイン酸及びその無水物のようなマレイン系カルボキシル基含有構造単位、イタコン酸及びその無水物のようなイタコン系カルボキシル基含有構造単位、シトラコン酸及びその無水物のようなシトラコン系カルボキシル基含有構造単位等が挙げられる。これらの中では、重合のし易さ、コストパフォーマンス、電極の柔軟性・可とう性等の点で、アクリル酸が好ましい。
これらのカルボキシル基含有構造単位は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いられる。
カルボキシル基含有構造単位として、アクリル酸とメタクリル酸とを使用する場合は、カルボキシル基含有構造単位の全量に対して、アクリル酸を、例えば、5〜95モル%、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは10〜50モル%含むことが適当である。アクリル酸を10モル%以上含むことで、ポリマー粒子に適度な密着性が付与される。
(a−5)その他の構造単位
ポリマー粒子は、上記ニトリル基含有単量体由来の構造単位、一般式(1)、(2)で表される構造単位、カルボキシル基含有構造単位の他、これらの構造単位とは異なる他の構造単位を適宜組合せることもできる。
他の構造単位としては、特に限定されないが、例えば、ジビニルベンゼン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等の短鎖(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、マレイン酸イミド、フェニルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アリルスルホン酸ナトリウム、(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩、等が挙げられる。
これらの他の構造単位は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いることができる。これらの構造単位を導入することで、ポリマー粒子内の架橋密度を増加させ、電解液に対して膨潤しにくくしたり、又は密着性を向上させることができる。
(a−6)各構造単位繰り返し単位の含有量
ニトリル基含有単量体由来の構造単位と、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される構造単位とのモル比は、例えば、ニトリル基含有単量体由来の構造単位1モルに対して、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される構造単位が、0.001〜40モル、好ましくは0.01〜35モル、より好ましくは0.01〜20モルである。この範囲であることで、ポリマー粒子の合成が容易となる。
(a−7)ポリマー粒子の平均粒径
ポリマー粒子の平均粒径は、1nm〜1μm、好ましくは30〜750nm、より好ましくは50〜500nmである。この範囲の場合、ポリマー粒子は、バインダとして良好に作用し、電池抵抗が低くなる。尚、ポリマー粒子の平均粒径(平均粒子径)は、光子相関法で散乱光90度、多分散モードで測定された粒度分布に基づく、平均粒子径とした。
(a−8−1)非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物の製法
バインダ樹脂組成物を合成するための重合様式としては、沈殿重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等を用いることができ、特に制限はないが、構造制御を考慮すると乳化重合が好ましい。
(a−8−2)重合開始剤
乳化重合を行う際の重合開始剤としては、水溶性タイプが好ましい。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素等の水溶性過酸化物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジンハイドロクロライド)等の水溶性アゾ化合物、過硫酸塩等の酸化剤と亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等の還元剤及び硫酸、硫酸鉄、硫酸銅等の重合促進剤を組合せた酸化還元型(レドックス型)等が挙げられる。
重合開始剤は、バインダ樹脂組成物に使用される単量体の総量に対し、例えば、0.001〜5モル%の範囲で使用されることが好ましく、0.01〜2モル%の範囲で使用されることがより好ましい。
(a−8−3)乳化剤
乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステル、脂肪酸塩、アルキルカリウム塩等が挙げられる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフィド酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム、アルケニルコハク酸等が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が用いられる。より具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが挙げられる。
特定共重合体の重合における乳化剤の使用量は、全単量体100質量%に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%である。
(b)エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物
(b−1)バインダ樹脂組成物の使用方法
前述したポリマー粒子は、エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物として用いる事ができる。また使用の際、粉体でも、水性、又は油性媒体に分散させたエマルションで使用しても構わない。エマルションの場合、前述した乳化重合で作製した状態をそのまま用いても良い。
(b−2)その他の添加剤
バインダ樹脂組成物には、必要に応じて他の材料、例えば、電解液に対する耐膨潤性を補完する架橋成分、電極の柔軟性・可とう性を補完するゴム成分、スラリーの電極塗工性を向上させる沈降防止剤、消泡剤、レベリング剤といった各種添加剤等を配合することもできる。
(c)バインダ樹脂組成物の用途
バインダ樹脂組成物は、エネルギーデバイス、特に非水電解液のエネルギーデバイスに好適に利用される。非水電解液エネルギーデバイスとは、水以外の電解液を用いる蓄電又は発電デバイス(装置)を意味する。非水電解液エネルギーデバイスとしては、例えば、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、太陽電池等が挙げられる。
前述してきたバインダ樹脂組成物は、水以外の有機溶媒のような非水電解液に対する耐膨潤性が高く、特にリチウムイオン二次電池の電極において使用することが好ましい。
(C−1)非水電解液エネルギーデバイス用電極
非水電解液エネルギーデバイス用電極は、集電体と、この集電体の少なくとも1面に設けられた合剤層とを有するものである。バインダ樹脂組成物は、この合剤層を構成する材料として使用される。
(C−2)集電体
集電体は、導電性を有する物質であればよく、例えば、金属が使用できる。具体的な金属としては、アルミニウム、チタン、金、銀、銅及びニッケル等が使用できる。更に、集電体の形状は、特に限定はないが、非水電解液エネルギーデバイスの1つであるリチウムイオン二次電池の、高エネルギー密度化という点から、薄膜状が好ましい。集電体の厚みは、例えば、5〜30μm、好ましくは8〜25μmである。
(C−3)合剤層
合剤層は、活物質等を含むバインダ樹脂組成物を用いて形成される。合剤層は、例えば、前述したバインダ樹脂組成物、添加剤、溶媒及び活物質等を含むスラリーを調製し、このスラリーを集電体に塗布し、溶媒を乾燥除去することによって得られる。
(C−4)活物質
活物質は、例えば、非水電解液エネルギーデバイスの1つであるリチウムイオン二次電池の充放電により、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものであれば特に制限はない。
しかしながら、正極は、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを受け取るという機能を有し、負極は、充電時にリチウムイオンを受け取り、放電時にリチウムイオンを放出するという正極とは逆の機能を有しているので、正極及び負極で使用される活物質は、通常、それぞれの機能に合わせて、異なる材料が使用される。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、非晶質炭素、炭素繊維、コークス、活性炭等の炭素材料が好ましく、このような炭素材料とシリコン、すず、銀等の金属又はこれらの酸化物との複合物等も使用できる。
一方、正極活物質としては、例えば、リチウム及び鉄、コバルト、ニッケル、マンガンから選ばれる1種類以上の金属を少なくとも含有する、リチウム含有金属複合酸化物が好ましい。より具体的には、リチウムマンガン複合酸化物のようなスピネル構造を有するもの、リチウムコバルト複合酸化物のような複合カルコゲン酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウム鉄複合酸化物等が用いられる。これらのリチウム含有金属複合酸化物としては、更に、Al,V,Cr,Fe,Co,Sr,Mo,W,Mn,B,Mgから選ばれる少なくとも1種の金属で、リチウムサイト又はマンガン、コバルト、ニッケル等のサイトを置換したリチウム含有金属複合体、ジチオール誘導体等の有機化合物、オリビン型LiFePOも使用することができる。
尚、正極活物質は、導電助剤を組み合わせて使用してもよい。導電助剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。これらの導電助剤は、単独で又は二種類以上組み合わせて使用してもよい。
(C−5)溶媒
合剤層の形成に用いられる溶媒としては、特に制限はなく、バインダ樹脂組成物を均一に溶解又は分散できる溶媒であればよい。例えば、水、有機溶媒等の種々の溶媒を使用する事ができる。有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピドリドン、γ−ブチルラクトンが挙げられる。これらの溶媒は、単独で、又は二種類以上組み合わせて用いてもよい。
(C−6)その他の添加剤
合剤層を製造するためのスラリーには、スラリーの分散安定性や塗工性を改善するため、増粘剤を添加することができる。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、及びこれらのアンモニウム塩又はアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びこれらのアルカリ金属塩、エチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系共重合体等が挙げられる。
(C−7)電極の製法
非水電解液エネルギーデバイス用電極は、特に制限なく公知の電極の製造方法を利用して製造することができるが、例えば、前述したバインダ樹脂組成物、溶媒及び活物質等を含むスラリーを、集電体の少なくとも1面に塗布し、次いで溶媒を乾燥除去し、必要に応じて圧延して、集電体表面に合剤層を形成することにより製造することができる。
ここで、塗布は、例えば、コンマコーター等を用いて行うことができる。塗布は、対向する電極において、単位面積あたりの活物質利用率が、負極/正極=1以上になるように行うことが適当である。
スラリーの塗布量は、合剤層の乾燥質量が、例えば、5〜30g/m、好ましくは、10〜15g/mとなる量である。
溶媒の除去は、例えば50〜150℃、好ましくは、80〜140℃で、1〜20分間、好ましくは、1〜10分間乾燥することによって行われる。
圧延は、例えばロールプレス機を用いて行われ、合剤層のかさ密度が、負極の合剤層の場合、例えば、1〜2g/cm、好ましくは、1.2〜1.8g/cmとなるように、正極の合剤層の場合、例えば、2〜5g/cm、好ましくは、3〜4g/cmとなるようにプレスされる。このプレスの際、熱を加えても良い。
(d)非水電解液エネルギーデバイス
(d−1)リチウムイオン二次電池
非水電解液エネルギーデバイス用電極は、更に電解液と組み合わせることにより、非水電解液エネルギーデバイスの1つであるリチウムイオン二次電池を製造することができる。
(d−2)電解液
リチウムイオン二次電池の電解液としては、例えば、非水電解液エネルギーデバイスとしての機能を発揮させるものであれば特に制限はない。
電解液としては、水以外の電解液、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類、アセトニトリル、ニトロメタン、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル等のエステル類、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、スルホラン等のスルホン類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類、1,3−プロパンスルトン、4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類等の有機溶媒に、LiClO、LiBF、LiI、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON、Li((COB等の電解質を溶解した溶液等が挙げられる。これらの中では、カーボネート類にLiPFを溶解した溶液が好ましい。
電解液は、例えば上記有機溶媒と電解質を、それぞれ単独で又は二種類以上組み合わせて調製し、用いられる。
(d−3)リチウムイオン二次電池の製法
非水電解液エネルギーデバイスの1つであるリチウムイオン二次電池の製造方法については、特に制約はなく、公知の方法を利用できる。例えば、先ず、正極と負極の2つの電極を、ポリエチレン微多孔膜を有するセパレーターを介して捲回する。得られたスパイラル状の捲回群を電池缶に挿入し、予め負極の集電体に溶接しておいたタブ端子を、電池缶底に溶接する。得られた電池缶に電解液を注入し、更に予め正極の集電体に溶接しておいたタブ端子を電池の蓋に溶接し、蓋を絶縁性のガスケットを介して電池缶の上部に配置し、蓋と電池缶とが接した部分をかしめて密閉することにより電池を得る。
尚、上記の方法では、円筒形電池の例を示したが、バインダ樹脂組成物を、コイン型、角型、ペーパー型電池として構成することも可能である。
以下、本発明の実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<ポリマー粒子の調製>
(ポリマー粒子1の調製)
窒素雰囲気下(窒素気流下)において、攪拌機、温度計、冷却管を装着した反応容器に、精製水(和光純薬工業株式会社製):262g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製):6.4gを加え、60℃まで加熱し、保温した。60℃に達した所で、重合開始剤である硫酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製):0.152gを加え、下記表1に示す各構造単位(使用モノマー)を、昇温しながら2時間滴下した。滴下後70℃で5時間激しく攪拌し、同温度で保温した。室温(25℃)に冷却後、反応液をろ別した。ポリマー粒子1が、水及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに分散したエマルションを得た(NV:固形分濃度=8.7質量%)。
Figure 2010174058
(ポリマー粒子2及び3の調製)
構造単位の組成を、上記表1に示した値に変えた以外は、全てポリマー粒子1の調製に示した方法で行った。
<ポリマー粒子の評価>
乳化重合により合成したエマルション中のポリマー粒子径は、粒度分布計(Malvern Instruments社製、商品名:ゼータ電位サイザー1000/3000)で測定した。測定は、光子相関法で、散乱光90度、多分散モードで測定された粒子径分布に基づき、散乱強度で平均した粒子径をもって粒子径とした。
ポリマー粒子1乃至3の平均粒子径の結果を、表2に示す。
Figure 2010174058
(実施例1)
上記ポリマー粒子1を、バインダ樹脂組成物として用いた電池の、特性評価を行った。
<負極電極の作製>
電極組成物として、炭素材料(人造黒鉛、比表面積:4.0m/g、真比重:2.24g/cm、平均粒径:20μm)、水溶性高分子増粘剤(カルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩:2質量%水溶液)を、固形分換算で前者が97質量部、後者が1.75質量部となるように配合し、予備混練した。その後、この予備混練物98.75質量部と、ポリマー粒子1を固形分換算で1.25質量部混合して全体で100質量部とし、更に精製水を全固形分が45.5質量%となるように加え、本混練してスラリーを調製した。このスラリーを、合剤層の乾燥質量が、約12.5mg/cmとなるように負極集電体(日立電線株式会社製、圧延銅箔、厚み:14μm、200×100mm)の片側表面に、マイクロアプリケーターで均一に塗布した。その後、80℃で1時間常圧乾燥して合剤層を形成した。次いで、ロールプレス機で合剤層のかさ密度が、1.1g/cm又は1.3g/cmとなるように圧縮成形した後、打ち抜き機で直径9mmに打ち抜いた。これを120℃で2時間真空熱処理し、バインダ樹脂エマルションと活物質から得られた合剤層を表面に設けた負極を作製した。
<負極電極評価用CR2016コインセル>
直径2.0cmのステンレス製コイン外装容器に、スペーサーとして円形に切断した厚さ200μmの銅箔、上記で作製した負極合剤電極、直径1.5cmの円形に切断した厚さ20μmのポリエチレン多孔質膜を有するセパレーター、更に直径1.5cmの円形に切断した金属リチウムを、この順に重ね合わせ、電解液(1MのLiPFエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート/ジメチルカーボネート=1/1/1混合溶液(体積比))を数滴たらし、ポリポロピレン製のガスケットを介してステンレス製のキャップを被せ、コイン電池作製用のかしめ器で密封して負極評価用電池とした。
<容量の測定>
上記負極評価用電池を用いて、容量を測定した。25℃で0V〜1.5Vまで、0.1Cの定電流−定電圧(0Vで定電流から定電圧に切替え)で充放電を行い、3サイクル目の放電容量を測定し、電池容量とした。
<レート特性の評価>
容量の測定と同様の条件で、充放電を2サイクル行った後、2Cでの放電容量を測定した。値が大きいほどサイクル特性が良いことを示す。
<初回充放電特性>
初回充放電特性は、初回充放電時の放電容量、不可逆容量及び充放電効率から判断される、リチウム電池の充放電特性の指針である。初回充放電時の放電容量は、作製された電池容量の指針となり、初回充放電時の放電容量が大きいほど、容量の大きな電池であると言える。
初回充放電時の不可逆容量は、[初回充電容量−初回放電容量]から求められ、一般に初回充電時の不可逆容量が小さい程、充放電サイクルを繰り返しても容量低下が起こりにくい、優れた電池であると判断される。
また、初回充放電時の充放電効率(%)は、[(初回放電容量/初回充電容量)×100]から求められ、初回充放電時の充放電効率が大きい程、充放電サイクルを繰り返しても容量低下が起こりにくい、優れた電池であると判断される。
上記で作製したコインセルについて、充放電装置(東洋システム株式会社製、商品名:TOSCAT3100)を用い、25℃、充電電流0.1Cで、0Vまで定電流充電を行った。尚、この定電流充電は、対極がリチウム金属であるので、電位の関係上、作用極が正極になるため、正確には放電である。しかし、ここでは、作用極の黒鉛へのリチウムイオンの挿入反応を“充電”と定義する。電圧が、0Vに達した時点で定電圧充電に切り替え、更に電流値が、0.01Cに減衰するまで充電を続けた後、放電電流0.1Cで、放電終止電圧1.5Vに達するまで定電流放電を行った。この時の炭素材料:1g当りの充電容量と放電容量を測定し、更に不可逆容量及び充放電効率を算出し、コインセルの初回充放電特性を評価した。
また、同様の試験及び評価を比較例のコインセルに対しても行った。
放電容量が、合剤層のかさ密度:1.1g/cmの場合に340mAh以上であれば、コインセルの初回充放電特性に優れていると判断した。
<抵抗の測定>
電池試験の終了した電池を満充電状態にし、交流インピーダンス法を用いて行い、Z・プロットの絶対値から求めた。
(実施例2)
バインダ樹脂組成物に、ポリマー粒子2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で負極用電池を作製し、同様の評価を行った。
(実施例3)
バインダ樹脂組成物に、ポリマー粒子3を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で負極用電池を作製し、同様の評価を行った。
(比較例1)
ポリマー粒子1に代えて、下記方法で作製したバインダ樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして負極用電池を作製した。
攪拌機、温度計、冷却管を装着した反応容器に、精製水:1804gを仕込み、窒素ガス通気量200ml/分の条件下、撹拌しながら、74℃まで昇温した後、窒素ガスの通気を止めた。次いで、重合開始剤の過硫酸アンモニウム:0.968gを、精製水:76gに溶かした水溶液を添加し、直ちに、ニトリル基含有単量体であるアクリロニトリル:188.0g、カルボキシル基含有単量体のアクリル酸:12.0g(アクリロニトリル1モルに対して0.047モルの割合)の混合液を、系の温度を74±2℃に保ちながら、2時間かけて滴下した。同温度で1時間反応を進めた後、懸濁した反応系に、過硫酸アンモニウム:1.935gを、精製水:13gに溶かした水溶液を追加添加し、同温度で更に1時間反応を進めた。次いで、90℃まで昇温し、系の温度を90±2℃に保ちながら、1時間反応を進めた後、過硫酸アンモニウム:0.968gを精製水:8gに溶かした水溶液を追加添加し、同温度で更に1時間反応を進めた。その後、1時間かけて40℃まで冷却した後、攪拌を止めて一晩室温(25℃)で放冷し、重合体が沈殿した反応液を得た。この反応液を吸引ろ過し、回収した湿潤状態の沈殿を精製水:1800gで3回洗浄した後、80℃で10時間真空乾燥して、単離・精製し、ニトリル基含有単量体由来の繰り返し単位を80質量%以上含む、ニトリル系重合体1(ニトリル基含有単量体由来の繰り返し単位:94質量%)の精製粉末を得た。
(比較例2)
ポリマー粒子1に代えて、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のワニス(呉羽化学工業株式会社製、商品名:KF9130、NMP(N−メチルピロリドン)溶液、樹脂分13質量%)をバインダ樹脂組成物として用いた以外は、実施例1と同様にして負極用電池を作製した。
(比較例3)
ポリマー粒子1に代えて、スチレンブタジエンラバー(40質量%水分散)をバインダ樹脂組成物として用いた以外は、実施例1と同様にして負極用電池を作製した。
以下実施例1〜3と、比較例1〜3の結果を、下記表3に示す。
表3に示すように、本発明のポリマー粒子を用いた実施例1〜3は、比較例1〜3に比べて抵抗が低く、初回効率でも比較例と遜色なく良好な結果を示した。
Figure 2010174058

Claims (5)

  1. ニトリル基含有単量体由来の構造単位と、下記一般式(1)で表される構造単位及び/又は、下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリマー粒子。
    Figure 2010174058
    (一般式(1)中、RはH又はCH、nは1〜50の整数、RはH又は、炭素数1〜10のアルキル基若しくはフェニル基である。)
    Figure 2010174058
    (一般式(2)中、RはH又はCH、RはH又は炭素数1〜100の飽和炭化水素である。)
  2. 請求項1において、更にカルボキシル基含有構造単位を含むポリマー粒子。
  3. 請求項1又は2において、粒子の平均粒径が、1nm〜1μmであるポリマー粒子。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のポリマー粒子を含む、非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物。
  5. 請求項4において、エネルギーデバイスが、リチウム電池又はキャパシタである、非水電解液エネルギーデバイス用バインダ樹脂組成物。
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