JP2010172316A - 煮付け食品 - Google Patents

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Midori Ezaki
みどり 江崎
Ayako Fukushi
亜矢子 福士
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Abstract

【課題】魚肉片を配合した煮付け食品において、肉質が硬化しない煮付け食品を提供する。
【解決手段】魚肉片を配合した煮付け食品において、改質乾燥卵白1部に対して7部の清水を溶解させた水溶液のpHが9.5以上であり、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃で24時間保存した後の前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度が1%以下であり、前記水溶液の加熱凝固物の離水率が3%以下である、該改質乾燥卵白を配合する煮付け食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、加熱処理等を施しても魚肉片の肉質が硬化しない煮付け食品に関する。
煮付け食品は、食品素材をだし汁、醤油、砂糖等を混合した調味液の中で加熱調理した煮物であり、例えば、魚肉片の煮付け食品、穀物の煮付け食品、野菜の煮付け食品、豆の煮付け食品等が挙げられ、古来より日本人に親しまれてきた料理である。特に、魚肉片の煮付け食品は、魚特有の臭みが無く魚の旨みと調味液の旨みが凝縮した老若男女問わず人気のある料理である。
しかしながら、魚肉片の煮付け食品は、長時間や高温での加熱調理により肉質が硬くなり食感を損ねてしまうという問題があった。特に、レトルト処理を施した魚肉片のレトルト煮付け食品の場合、過酷な条件での加熱による肉質の硬化が顕著であった。
魚肉片の煮付け食品の製造方法は、従来より知られており、例えば、特開平5−64567号公報(特許文献1)には、蛋白変性をしていない食肉を単独で、又は他の食品素材と共にレトルト処理する前に、予め該食肉を動物性蛋白溶液に浸漬して該動物性蛋白を該食肉中に含侵せしめることにより、食肉をレトルト処理した際に食感のぱさつきを防止する処理方法が記載されている。しかしながら、上記方法により肉質のぱさつき防止効果は得られるものの、肉質の硬化防止効果は消費者の要望を十分に満足するものではないことより、より硬化防止効果の高い煮付け食品の製造方法が要望されている。
特開平5−64567号公報 特開2008−86306号公報
そこで、本発明の目的は、魚肉片を配合した煮付け食品において、加熱処理等を施しても肉質が硬化しない煮付け食品を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく魚肉片を配合した煮付け食品の製造方法について鋭意研究を重ねた。その結果、特定の改質乾燥卵白が、意外にも魚肉片を配合した煮付け食品の肉質の硬化を防止できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)魚肉片を配合した煮付け食品において、改質乾燥卵白1部に対して7部の清水を溶解させた水溶液のpHが9.5以上であり、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃で24時間保存した後の前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度が1%以下であり、前記水溶液の加熱凝固物の離水率が3%以下である、該改質乾燥卵白を配合する煮付け食品、
(2)レトルト処理を施した(1)の煮付け食品、である。
なお、本出願人は上記改質乾燥卵白について出願している(特許文献2:特開2008−86306号公報)。特許文献2には、改質乾燥卵白を用いたかまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージ等の水産加工食品が記載されているが、上記水産加工食品は、大部分の筋肉組織を切断しミンチ状やペースト状にした魚肉に、ゲル強度を高める目的で改質乾燥卵白を配合したものであって、切り身である魚肉片そのものの硬化防止効果については一切開示されていない。
本発明によれば、加熱処理等を施しても魚肉片の肉質が硬化しない煮付け食品を提供することができる。これにより、魚肉片を配合した煮付け食品市場の更なる拡大が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
本発明は、魚肉片を配合した煮付け食品において、特定の改質乾燥卵白を配合することにより魚肉片の肉質の硬化を防止することができる。
本発明の魚肉片を配合した煮つけ食品とは、魚肉片を醤油をベースとした調味液の中で加熱調理したものである。ここで、魚肉片とは、ミンチ状やペースト状の魚肉ではなく、切り身にカットされたものであり、大部分の筋肉組織が維持されているものをいう。
本発明に用いる特定の改質乾燥卵白の第1の特定要件は、改質乾燥卵白1部に対して、7部の清水を溶解させた水溶液のpHが9.5以上、好ましくは10以上である。水溶液のpHが上記範囲より低いと、肉質の硬化防止効果を得られない恐れがある。
なお、改質乾燥卵白の上限のpHは、特に限定されていないが、高すぎると、乾燥後の熱蔵処理条件を熱変性して不溶化するいわゆる煮え等が発生しないように微調整しながら行う必要があり製造コストがかかり経済的でないことから、10.7以下が好ましい。
本発明に用いる特定の改質乾燥卵白の第2の特定要件は、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃で24時間保存した後の前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度が1%以下、好ましくは0.8%以下である。二酸化炭素濃度が上記範囲より高いと、肉質の硬化防止効果を得られない恐れがある。
上記二酸化炭素濃度の具体的な測定方法は、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃の恒温機で24時間保存した後、恒温機から取り出して1分以内に前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度を二酸化炭素濃度計(PBI-Dansensor社製Check
Point O2/CO2)で測定する。
本発明に用いる特定の改質乾燥卵白の第3の特定要件は、改質乾燥卵白1部に対して、7部の清水を溶解させた水溶液の加熱凝固物の離水率が3%以下、好ましくは2.7%以下、より好ましくは2.5%以下である。加熱凝固物の離水率が上記範囲より大きいと、肉質の硬化防止効果を得られない恐れがある。
上記加熱凝固物の離水率は、以下の手順で測定された値である。つまり、1部の改質乾燥卵白に対して、7部の清水を加えて溶解し、折径60mmのナイロン製のケーシングに充填密封して80℃で40分間加熱して加熱凝固物を製する。次いで、ケーシング詰め加熱凝固物を5℃で24時間保存後、室温(20℃)に3時間放置して加熱凝固物の品温を20℃にする。次いで、加熱凝固物をケーシングから取り出して、長さ方向に対して直角に厚さ3cmにカットする。ついで、110mm直径の濾紙(定性濾紙No.2)5枚を重ねた上にカットした加熱凝固物を、カットした面のいずれか片方が底面となるようにのせた後、1時間室温(20℃)に放置して、放置前後の加熱凝固物の質量変化から下記式により離水率を求めた。
離水率(%)=(放置前の加熱凝固物の質量−放置後の加熱凝固物の質量)×100/(放置前の加熱凝固物の質量)
次に、本発明で用いる改質乾燥卵白の製造方法について詳述する。なお、本発明の改質乾燥卵白は、上記3つの特定要件を満たすものであればいずれの方法によるものでもよいが、乾燥後のpHが9以上となるように液卵白を乾燥処理して乾燥卵白を製する工程と、前記乾燥卵白の二酸化炭素を散失させる工程により得ることができる。
<乾燥卵白を製する工程>
まず、乾燥卵白に用いる液卵白を用意する。液卵白としては、例えば、卵を割卵して卵黄と分離した生液卵白、これに濾過、殺菌、冷凍、濃縮等の処理を施したものの他、卵白中の成分を除去する処理、例えば、糖分を除去する脱糖処理やリゾチームを除去する処理を行ったもの等を用いることができる。特に酵母を用いた脱糖処理品は、メイラード反応による褐変物質の生成が少なく物性が安定することで、肉質の硬化防止効果に優れ好ましい。
次に、前記液卵白を乾燥処理する。本発明に用いる改質乾燥卵白の製造方法においては、乾燥処理後の卵白のpHを9以上、好ましくは9.5以上、より好ましくは10以上とする。
一般に、液卵白を酵母脱糖、酵素脱糖等の方法で脱糖処理する際には、これらの酵母や酵素の適正pHが弱酸性から中性であるため、有機酸等の酸剤を添加して液卵白のpHを弱酸性から中性とするため、得られた乾燥卵白もpHが7前後となる。
これに対し、本発明で用いる改質乾燥卵白の製造方法においては、前記脱糖処理の際に有機酸等の酸剤を添加しないか、又はごくわずかの添加に抑えることにより、乾燥卵白のpHを前記範囲に調整するのが好ましい。具体的には、用いる液卵白のpHや乾燥処理方法等にもよるが、有機酸等の酸剤を添加せずに酵母で脱糖処理をした場合、pH9.9〜10.1程度の乾燥卵白を得ることができる。また、本発明においては、乾燥処理後の乾燥卵白のpHが高いほうが改質効果を得やすいことから、有機酸等の酸剤を添加しないほうが好ましいが、脱糖処理効率を上げる等の目的のために、例えば、酸剤としてクエン酸等の有機酸を用いる場合は、脱糖の際の有機酸添加量を液卵白1kgに対し1000mg以下、好ましくは500mg以下、より好ましくは200mg以下、さらに好ましくは100mg以下とする。
脱糖処理後の液卵白のpHは、脱糖処理前のpHと比べてやや低下する傾向がある。例えば、酵母で脱糖処理を行った場合、pHが0.1〜2.5程度低下する。一方、乾燥処理後の卵白のpHは、乾燥処理前の液卵白のpHと比べてやや上昇する傾向がある。例えば、乾燥条件にもよるが、通常の噴霧乾燥条件である150〜200℃の熱風で乾燥した場合、pHが1〜3程度上昇する。したがって、これらを考慮し、乾燥処理後の卵白のpHを上記範囲に調整すればよい。
また、乾燥処理後の卵白のpHを前記範囲に調整するために、リン酸三ナトリウム等のアルカリ剤を少量添加してもよいが、アルカリ剤に由来する塩類により、熱蔵中にタンパク質が熱変性して不溶化するいわゆる煮えが生じ易くなることから、アルカリ剤の添加量は、具体的には、乾燥前の液卵白1kgに対して好ましくは300mg以下、より好ましくは150mg以下、さらに好ましくは50mg以下である。
乾燥処理方法は、特に限定されないが、例えば、噴霧乾燥(スプレードライ)、静置乾燥(パンドライ)、凍結乾燥(フリーズドライ)等の種々の方法により乾燥物の水分含量を好ましくは12%以下、より好ましくは10%以下となるように常法に則り調整すればよい。
なお、pHは、液卵白等の液状物の場合は、そのまま、乾燥卵白の場合は、1部の乾燥卵白に対して7部の清水を加えて溶解したものを、pHメーターで測定したときの値である。
pHが9以上となるように乾燥処理した卵白は、pHが上記範囲より低い場合よりも二酸化炭素含有量が高い。これは、pHが上記範囲よりも低い場合、乾燥処理時に卵白中に溶存する二酸化炭素が放出されやすく、当該乾燥卵白中には二酸化炭素がほとんど残存していないためであると推察される。
本発明で用いる改質乾燥卵白の製造方法は、pH9以上となるように乾燥処理した乾燥卵白を後述するように熱蔵処理することにより、二酸化炭素を散失させてpHを上昇させるとともに、離水率等を低下することができる。一方、pHが7程度の乾燥卵白は、加熱しても二酸化炭素をほとんど放出しないことから、乾燥卵白を熱蔵処理して二酸化炭素を散失させることにより離水率等を低下する本発明で用いる改質乾燥卵白の製造方法に応用することが困難である。
<二酸化炭素を散失させる工程>
本発明に用いる改質乾燥卵白の製造方法は、乾燥卵白の二酸化炭素を散失させる工程によって、乾燥卵白のpHを上昇させることができ、具体的には、pHを9.5以上にすることができる。また、乾燥卵白の二酸化炭素を散失させる工程によって、乾燥卵白中の二酸化炭素の濃度を1%以下にすること、及び離水率を3%以下にすることができる。
また、乾燥卵白の二酸化炭素を散失させる工程が、乾燥卵白から雰囲気中に放出される二酸化炭素を除去しながら、熱蔵処理する工程であるとよい。すなわち、熱蔵処理により二酸化炭素を雰囲気中に放出させた後、この雰囲気中の二酸化炭素を除去することにより、乾燥卵白の二酸化炭素を散失させることができる。具体的には、例えば、以下の第1〜第3の方法が挙げられる。
第1の方法は、乾燥卵白をバット等の平坦な容器に厚さが1mmから10cm程度に広げ、当該容器を加熱空気が換気されている恒温機、乾燥機、熱蔵庫等に保存して熱蔵処理を行う方法である。
第2の方法は、乾燥卵白を二酸化炭素透過性がある容器に詰めて、当該容器を加熱空気が換気されている恒温機、乾燥機、熱蔵庫等に保存して熱蔵処理を行う方法である。第2の方法は、衛生管理上好ましい。第2の方法では、例えば、好ましくは20〜80μm厚、より好ましくは30〜70μm厚のポリエチレンフィルムからなるパウチに封入し、パウチの外表面の大部分が換気されている加熱空気に接触した状態で熱蔵処理することができる。パウチの厚さが上記範囲より厚い場合、二酸化炭素の透過が十分に行われないことがあり、一方、パウチの厚さが上記範囲よりも薄い場合、強度が不十分で作業性が悪くなることがあるからである。ここで、「パウチの外表面の大部分」とは、パウチの外表面の70%以上をいうものとし、好ましくは80%以上である。
第3の方法は、乾燥卵白から放出される二酸化炭素を二酸化炭素吸収剤に吸収させながら熱蔵処理する方法である。第3の方法は、上述した第1又は第2の方法と組み合わせて行うことができる。例えば、二酸化炭素吸収剤を乾燥卵白と同一包材内に封入して熱蔵処理する方法、あるいは、乾燥卵白が封入された包材が二酸化炭素透過性の高い包材である場合、その外側に二酸化炭素吸収剤を配置させて熱蔵処理を行う方法等が挙げられる。また、二酸化炭素吸収剤は、使用量が多いほど、乾燥卵白から放出された二酸化炭素を速やかに吸収できる。具体的には、熱蔵処理温度等にもよるが、10kgの乾燥卵白に対して2000〜6000mLの吸収能を有する二酸化炭素吸収剤を使用すればよい。
上記恒温機、乾燥機、熱蔵庫等に保存して熱蔵処理を行う温度は、好ましくは65℃以上、より好ましくは68℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。上述の方法で得られた乾燥卵白は、熱蔵処理温度が上記範囲より低いと離水率が3%以下とならず、肉質の硬化を防止できない場合がある。また、熱蔵処理を行う温度の上限は、煮えを生じる場合があるため好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。
また、熱蔵処理の処理日数は、好ましくは1〜30日、より好ましくは2〜20日以上である。熱蔵処理の処理日数が上記範囲より短い場合、肉質の硬化を防止することができない場合があり、一方、上記範囲より長い場合、処理日数に応じて本発明の効果が増し難く経済的でない。
本発明の煮付け食品における改質乾燥卵白の添加方法は、特に限定されないが、水に溶解させても粉末のまま用いても良く、例えば、魚肉片を水溶液に浸漬又は魚肉片に粉末を塗布して静置する方法、魚肉片を水溶液に浸漬又は魚肉片に粉末を塗布してタンブリングする方法、インジェクターを用い魚肉片に水溶液を強制注入する方法、魚肉片に水溶液又は粉末をスプレーで噴き付ける方法等が挙げられる。上記水溶液は特に限定されないが、例えば、改質乾燥卵白を調味液に配合してもよいし、調味液とは別に水溶液を用意してもよい。
本発明の煮付け食品における改質乾燥卵白の配合量は、特に限定されないが、煮付け食品全体に対し0.5〜10%が好ましく、1〜5%がより好ましい。改質乾燥卵白の配合量が上記範囲より少ない場合、肉質の硬化を防止することができない場合があり、上記範囲より多い場合、配合量に応じて本発明の効果が増し難く経済的でない。
本発明の煮付け食品に用いる調味液は、改質乾燥卵白以外に本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、酒、砂糖、醤油、みりん、生姜、梅干、食塩、食酢、味噌、大蒜、とうがらし、片栗粉、ねぎ、あさつき、ごま油、油、豆板醤、おろし大根、コチュジャン、ごま、胡椒、中華風だし、ブイヨン、カレー粉等を配合することができる。
本発明の煮付け食品に用いる魚の種類は、特に限定されないが、例えば、メカジキ、金目鯛、ブリ、マサバ、マカジキ、マアジ、イサキ、カレイ、カサゴ、カツオ、キス、コチ、紅サケ、タイ、マタラ、ヒラメ、メジナ、ハゼ、ハモ、メバル、イシダイ、アナゴ、サワラ、マイワシ、ウナギ、銀サケ、サンマ、タチウオ、ニジマス、ニシン、ムツ、ハマチ等を挙げることができる。
また、レトルト処理を施すとは、食品をプラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれらを多層に合わせたものを袋状又はその他の形状に成形した耐熱性容器に密封し、品温120℃で4分相当の加熱処理を行う又はこれと同等以上の効力を有する条件で加熱処理を行うことをいう。魚肉片配合レトルト煮付け食品は、過酷な条件で加熱を施すことにより肉質の硬化が顕著である。
本発明のレトルト煮付け食品の製造方法は、以下のように製造することができるがこれに限定するものではない。例えば、清水に本発明の改質乾燥卵白、醤油、砂糖等を混合して調味液を調製後、レトルトパウチに魚肉片と上記調味液を充填し、レトルト処理(具体的には、例えば110〜130℃、4〜90分程度)を施す方法等が挙げられる。
以下に本発明の煮付け食品を実施例及び試験例に基づき詳述する。なお、本発明はこれに限定するものではない。
〔実施例1〕
(1)改質乾燥卵白の製造
殻付卵を割卵分離して得られた液卵白10kgにパン用酵母20gを添加し35℃で4時間脱糖処理を行った。次に、この脱糖液卵白を170℃で噴霧乾燥し乾燥卵白(pH10.0、水分含量7%)を得た。この乾燥卵白1kgと二酸化炭素吸収剤(二酸化炭素吸収能500mL、三菱ガス化学(株)製、商品名「エージレスC−500PS」)をアルミ袋(層構成と厚さは、外側からPET12μm、ナイロン15μm、アルミ7μm、CPP70μm)に充填密封した後、この包装体を75℃の恒温機に保存して75℃、2日間の熱蔵処理を行い、実施例1の改質乾燥卵白を得た。
(2)煮付け食品の製造
(1)で得られた改質乾燥卵白を用いて、常法により本発明のメカジキのレトルト煮付け食品を得た。まず、清水65.5%、(1)で得られた改質乾燥卵白2%、カツオだし(顆粒)1.5%、濃口醤油8%、みりん8%、上白糖10%、L−グルタミン酸ナトリウム2%、すりおろし生姜1.5%、及びすりおろし大蒜1.5%を混合後、70℃に加熱し調味液を調製した。次に、レトルトパウチにメカジキの切り身60gと上記調味液40gを充填してメカジキの切り身を浸漬後、開口部をシールした。シール後、レトルト処理(120℃、30分間)を施し、本発明の煮付け食品を得た。
〔実施例2〕
(1)改質乾燥卵白の製造
殻付卵を割卵分離して得られた液卵白1000kgにパン用酵母2kgを添加し35℃で4時間脱糖処理を行った。次に、この脱糖液卵白を170℃で噴霧乾燥し乾燥卵白(pH10.0、水分含量7%)を得た。この乾燥卵白を10kgずつ厚み60μmのポリエチレン袋に充填密封し、これらの包装体を、庫内の加熱空気が換気されている庫内温度75℃の熱蔵庫に保存して75℃、14日間の熱蔵処理を行い、実施例2の改質乾燥卵白を得た。なお、熱蔵処理する際には、乾燥卵白の包装体を熱蔵庫内の金網でできた棚に一袋ずつ重ねずに並べ、各包装体の外表面の80%程度が庫内の加熱空気に接触した状態で熱蔵処理した。
(2)煮付け食品の製造
実施例2の(1)で得られた改質乾燥卵白を用いた以外は、実施例1の(2)と同様の方法で本発明の煮付け食品を得た。
〔実施例3〕
(1)改質乾燥卵白の製造
殻付卵を割卵分離して得られた液卵白10kgに10%クエン酸溶液200gとパン用酵母20gを添加し35℃で4時間脱糖処理を行った。次に、この脱糖液卵白を170℃で噴霧乾燥し乾燥卵白(pH9.5、水分含量7%)を得た。この乾燥卵白1kgを厚み60μmのポリエチレン袋に充填密封した後、この包装体を75℃の恒温機に保存して定期的に恒温機内の加熱空気を換気しながら75℃、14日間の熱蔵処理を行い、実施例3の改質乾燥卵白を得た。なお、乾燥卵白の包装体は、外表面の70%程度が恒温機内の加熱空気に接触した状態となるように静置して熱蔵処理した。
(2)煮付け食品の製造
実施例3の(1)で得られた改質乾燥卵白を用いた以外は、実施例1の(2)と同様の方法で本発明の煮付け食品を得た。
〔実施例4〕
(1)改質乾燥卵白の製造
殻付卵を割卵分離して得られた液卵白10kgにパン用酵母20gを添加し35℃で4時間脱糖処理を行った。次に、この脱糖液卵白を170℃で噴霧乾燥し乾燥卵白(pH10.0、水分含量7%)を得た。この乾燥卵白をバットに厚さが1cmとなるように広げて入れ、これを加熱空気が換気されている乾燥機に保存して75℃、6時間の熱蔵処理を行い、実施例4の改質乾燥卵白を得た。
(2)煮付け食品の製造
実施例4の(1)で得られた改質乾燥卵白を用いた以外は、実施例1の(2)と同様の方法で本発明の煮付け食品を得た。
〔実施例5〕
レトルト処理(120℃、30分間)を90℃、30分間に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明の煮付け食品を得た。
〔実施例6〕
メカジキの切り身をカレイの切り身に置換えた以外は、実施例1と同様の方法で本発明の煮付け食品を得た。
〔比較例1〕
乾熱処理を行わない以外は実施例1の(1)と同様の方法で得られた乾燥卵白を用い、実施例1の(2)と同様の方法で比較例1の煮付け食品を得た。
〔比較例2〕
25℃の恒温機で25℃、7日間の熱蔵処理を行った以外は、実施例1の(1)と同様の方法で得られた乾燥卵白を用い、実施例1の(2)と同様の方法で比較例2の煮付け食品を得た。
〔比較例3〕
アルミ袋に二酸化炭素吸収剤を封入しないで熱蔵処理を行った以外は実施例1の(1)と同様の方法で得られた乾燥卵白を用い、実施例1の(2)と同様の方法で比較例3の煮付け食品白を得た。
〔比較例4〕
実施例2において、厚み60μmのポリエチレン袋に換えて厚み100μmのポリエチレン袋を用い、かつ更に、この乾燥卵白を充填密封したポリエチレン袋をクラフト袋に入れて熱蔵処理を行った以外は実施例2の(1)と同様の方法で得られた乾燥卵白を用い、実施例1の(2)と同様の方法で比較例4の煮付け食品を得た。
〔比較例5〕
実施例3において、脱糖処理前の10%クエン酸溶液の添加量を350gに増やした以外は実施例3と同様に脱糖処理後噴霧乾燥して乾燥卵白(pH7.2、水分含量7%)を得た。さらに、この乾燥卵白を、熱蔵処理時間を、14日間から7日間に変えた以外は実施例3の(1)と同様に熱蔵処理して得られた乾燥卵白を用い、実施例1の(2)と同様の方法で比較例5の煮付け食品を得た。
〔試験例1〕
実施例1〜6並びに比較例1〜5で得られたメカジキの煮付け食品に対して、下記の評価基準に沿って外観の評価を行った。結果を表1に示す。
<評価基準>
○:ほとんど肉質が硬化しない
△:やや肉質が硬化する
×:肉質が硬化し食感を損ねる
表1の結果より、改質乾燥卵白1部に対して7部の清水を溶解させた水溶液のpHが9.5以上であり、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃で24時間保存した後の前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度が1%以下であり、前記水溶液の加熱凝固物の離水率が3%以下である改質乾燥卵白を用いた場合、得られたメカジキのレトルト煮付け食品は、肉質の硬化防止効果がみられ食感に優れたものであった。特に、pHが10以上であり、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃で24時間保存した後の前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度が1%以下であり、前記水溶液の加熱凝固物の離水率が3%以下である改質乾燥卵白を用いた場合、ほとんど肉質が硬化せず非常に食感に優れたものであった。
一方、改質乾燥卵白1部に対して7部の清水を溶解させた水溶液のpHが9.5未満、又は、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃で24時間保存した後の前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度が1%より多い、又は、前記水溶液の加熱凝固物の離水率が3%より多い場合は、肉質が硬化し食感を損ね、本発明の煮付け食品の適性を損ねていた。

Claims (2)

  1. 魚肉片を配合した煮付け食品において、改質乾燥卵白1部に対して7部の清水を溶解させた水溶液のpHが9.5以上であり、改質乾燥卵白25gを250mL容量のバイアル瓶に密封して75℃で24時間保存した後の前記バイアル瓶内の二酸化炭素濃度が1%以下であり、前記水溶液の加熱凝固物の離水率が3%以下である、該改質乾燥卵白を配合することを特徴とする煮付け食品。
  2. レトルト処理を施した請求項1記載の煮付け食品。
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