以下、本発明の一実施形態を図1〜図24に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電チャージャ(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
感光体ドラム2030a、帯電チャージャ2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電チャージャ2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電チャージャ2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電チャージャ2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各帯電チャージャは、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(以下、便宜上「トナー画像」という)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電チャージャに対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の中の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
また、便宜上、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。なお、光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
ここでは、光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
2つのカップリングレンズ(2201a、2201b)と2つの開口板(2202a、2202b)と2つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b)とからなる光学系は、偏向器前光学系102Aとしてユニット化されている。
2つのカップリングレンズ(2201c、2201d)と2つの開口板(2202c、2202d)と2つのシリンドリカルレンズ(2204c、2204d)とからなる光学系は、偏向器前光学系102Bとしてユニット化されている。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
また、各ステーションでは、シリンドリカルレンズとそれに対応するトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する
光源2200aは、一例として図6に示されるように、円筒状の本体a1、円形板状のステムa2、及びステムa2から−w1方向に延びる4本のリード端子a3を有している。また、ステムa2にはV字状の切り欠きa4が対向する2ヶ所に形成されている。
そして、光源2200aは、一例として図7に示されるように、2つの発光部(L1、L2)を有している。すなわち、光源2200aは、マルチビーム・レーザダイオードである。これら2つの発光部(L1、L2)は、w1方向に直交する平面内で、光源2200aの中心を通る直線上にあり、該中心からの距離が互いに等しくなる位置に配置されている。
他の光源(光源2200b、光源2200c、光源2200d)もマルチビーム・レーザダイオードであり、光源2200aと同様な構成を有している。
光学ハウジング2300は、一例として図8に示されるように、コアハウジング120とサブハウジング110を有している。
コアハウジング120は、図9に示されるように、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、偏向器前光学系102A及び偏向器前光学系102Bが収容される容体である。この容体は、一例としてアルミダイキャスト製である。
また、この容体の+Y側の壁面は、XZ面に対して約30度傾斜した外壁120a及び外壁120bを含んでいる。そして、外壁120aには、光源2200a及び光源2200bが取り付けられ、外壁120bには、光源2200c及び光源2200dが取り付けられている。
さらに、外壁120aの−w1側には、電装ボード121Aが取り付けられ、光源2200a及び光源2200bのリード端子が接続されている。同様に、外壁120bの−w2側には、電装ボード121Bが取り付けられ、光源2200c及び光源2200dのリード端子が接続されている。各光源の各発光部には、対応する電装ボードから駆動電流が供給される。
外壁120aには、一例として図10(A)〜図10(C)に示されるように、光源2200aが取り付けられる嵌合部45Aと光源2200bが取り付けられる嵌合部45Bとが、Z軸方向に隣接して形成されている。各嵌合部は、円形の段付き開口部である。ここでは、嵌合部45Bが、嵌合部45Aの+Z側に形成されている。
また、外壁120aの−w1側の面には、嵌合部45Aの−Z側及び嵌合部45Bの+Z側に、m1方向を長手方向とする溝40がそれぞれ形成されている。
各溝40には、該溝40を跨ぐガイド41が設けられている。ここでは、ガイド41と溝40との間にm1方向に延びる四角形状の貫通孔が形成される。そして、各ガイド41には、−w1側の面の中央に、+w1方向に延びるねじ穴が形成され、ねじ141が螺合されている。
また、外壁120aの−w1側の面には、嵌合部45Aと嵌合部45Bの間に、m1方向を長手方向とするリブ43が設けられている。
外壁120bには、一例として図11(A)〜図11(C)に示されるように、光源2200cが取り付けられる嵌合部45Cと光源2200dが取り付けられる嵌合部45Dとが、Z軸方向に隣接して形成されている。各嵌合部は、円形の段付き開口部である。ここでは、嵌合部45Cが、嵌合部45Dの+Z側に形成されている。
また、外壁120bの−w2側の面には、嵌合部45Cの+Z側及び嵌合部45Dの−Z側に、m2方向を長手方向とする溝40がそれぞれ形成されている。
各溝40には、該溝40を跨ぐガイド41が設けられている。ここでは、ガイド41と溝40との間にm2方向に延びる四角形状の貫通孔が形成される。そして、各ガイド41には、−w2側の面の中央に、+w2方向に延びるねじ穴が形成され、ねじ141が螺合されている。
また、外壁120bの−w2側の面には、嵌合部45Cと嵌合部45Dの間に、m2方向を長手方向とするリブ43が設けられている。
図12には、嵌合部45Aに光源2200aが取り付けられ、嵌合部45Bに光源2200bが取り付けられた状態が示されている。光源2200aにおけるステムの+Z側端部及び光源2200bにおけるステムの−Z側端部は、リブ43に当接されている。
図13には、嵌合部45Cに光源2200cが取り付けられ、嵌合部45Dに光源2200cが取り付けられた状態が示されている。光源2200dにおけるステムの+Z側端部及び光源2200cにおけるステムの−Z側端部は、リブ43に当接されている。
なお、各嵌合部はいずれも光源と滑合程度のはめあい公差で形成されている。このときは、各光源のステムが、嵌合部の段部に当接した状態となっている。
そして、一例として図14及び図15に示されるように、光源2200aのステムの−Z側には、光源2200aの角度調整を行うための調整機構142Aが設けられ、光源2200bのステムの+Z側には、光源2200bの角度調整を行うための調整機構142Bが設けられている。なお、図15では、ねじ141の図示を省略している。
各調整機構は、角棒42及びゴム板42aを有している。角棒42は、m1方向を長手方向とし、溝40の長さよりも短い部材である。この角棒42は、ガイド41と溝40との間の貫通孔を通って溝40内にはめ込まれている。そして、角棒42は、ガイド41に支持されながら、m1方向に移動(スライド)させることができる。すなわち、溝40は、角棒42の移動(スライド)を案内する役目を有している。また、ガイド41は、角棒42を摺動可能に保持する役目を有している。
なお、溝40は、角棒42と滑合程度の嵌め合い公差で作られている。これにより、角棒42のZ軸方向への移動が制限され、ゴム板42aと光源のステムとの間の摩擦力を安定化させることができる。
ゴム板42aは、一例として図16(A)及び図16(B)に示されるように、角棒42におけるZ軸方向に関して光源に対向する面に形成された溝に接着されている。
そして、一例として図17(A)及び図17(B)に示されるように、光源におけるステムのZ軸方向における端部の1つが、ゴム板42aの表面に当接されるようになっている。これにより、ゴム42aの弾性力(反発力)によって光源がリブ43の方向に付勢されることとなる。
なお、ガイド41と溝40との間に形成されている四角形状の貫通孔の大きさは、ゴム板42aが接着されている角棒42を、「がたつき」なく支持できる大きさである。これにより、主走査対応方向以外の方向への角棒42の移動が制限される。そこで、ゴム板42aと光源のステムとの間の摩擦力を安定化させることができる。
ここで、光源2200a及び光源2200bの角度を調整する方法について説明する。ここでの調整は、調整工程において作業者によって行われる。
(1)調整機構142Aの角棒42を移動(スライド)させる。これにより、光源2200aは、その中心を通り、w1方向に平行な軸回りに回動する。ここでは、光源2200aのステムにおける切り欠きがほぼ予定の位置にくるように、光源2200aを回動する。
本実施形態では、図18に示されるように、調整機構142Aの角棒42を−m1方向に移動(スライド)させると、光源2200aを反時計回り(図18における符号Aの方向)に回動させることができる。また、図19に示されるように、調整機構142Aの角棒42を+m1方向に移動(スライド)させると、光源2200aを時計回り(図19における符号Bの方向)に回動させることができる。なお、角棒42の移動量と光源2200aの回転角との間には線形の相関関係がある。
(2)光源2200aに電力を供給し、光源2200aの2つの発光部を点灯させる。
(3)2つの発光部からの各光束のZ軸方向に関する間隔(ビームピッチ)を、CCDカメラやポジションセンサなどの計測機器を用いて計測する。
(4)計測によって得られたビームピッチと所望のビームピッチとの差が許容範囲内であるか否かを判断する。
(5)上記判断の結果、計測によって得られたビームピッチと所望のビームピッチとの差が許容範囲内でない場合には、その差の大きさ及び符合に応じて、調整機構142Aの角棒42を移動(スライド)させる。
例えば、光源2200aを、図20(A)に示される状態から角度α回転させると、図20(B)に示されるように、2つの発光部(L1、L2)のZ軸方向に関する距離を、d1からd2に変化させることができる。これにより、光源2200aから射出される2つの光束のビームピッチが短くなる。
そして、上記工程(3)に戻る。一方、上記判断の結果、計測によって得られたビームピッチと所望のビームピッチとの差が許容範囲内である場合には、ガイド41のねじ141を締めて(押し込んで)、調整機構142Aの角棒42を仮固定する。
(6)光源2200aへの電力供給を止め、光源2200aの2つの発光部を消灯する。
(7)調整機構142Bの角棒42を移動(スライド)させる。これにより、光源2200bは、その中心を通り、w1方向に平行な軸回りに回動する。ここでは、光源2200bのステムにおける切り欠きがほぼ予定の位置にくるように、光源2200bを回動する。
本実施形態では、図21に示されるように、調整機構142Bの角棒42を+m1方向に移動(スライド)させると、光源2200bを反時計回り(図21における符号Aの方向)に回動させることができる。また、図22に示されるように、調整機構142Bの角棒42を−m1方向に移動(スライド)させると、光源2200bを時計回り(図22における符号Bの方向)に回動させることができる。なお、角棒42の移動量と光源2200bの回転角との間には線形の相関関係がある。
(8)光源2200bに電力を供給し、光源2200bの2つの発光部を点灯させる。
(9)2つの発光部からの各光束のZ軸方向に関する間隔(ビームピッチ)を、CCDカメラやポジションセンサなどの計測機器を用いて計測する。
(10)計測によって得られたビームピッチと所望のビームピッチとの差が許容範囲内であるか否かを判断する。
(11)上記判断の結果、計測によって得られたビームピッチと所望のビームピッチとの差が許容範囲内でない場合には、その差の大きさ及び符合に応じて、調整機構142Bの角棒42を移動(スライド)させる。そして、上記工程(9)に戻る。一方、上記判断の結果、計測によって得られたビームピッチと所望のビームピッチとの差が許容範囲内である場合には、ガイド41のねじ141を締めて(押し込んで)、調整機構142Bの角棒42を仮固定する。
(12)光源2200bへの電力供給を止め、光源2200bの2つの発光部を消灯する。
(13)調整機構142Aの角棒42及び調整機構142Bの角棒42を、紫外線硬化型の接着剤を用いて外壁120aにそれぞれ接着する。
これによって、光源2200a及び光源2200bの角度調整が完了し、光源2200a及び光源2200bは、角度調整された状態でコアハウジング120に固定される。
また、一例として図23及び図24に示されるように、光源2200cの+Z側には、光源2200cの角度調整を行うための調整機構142Cが設けられ、光源2200dの−Z側には、光源2200dの角度調整を行うための調整機構142Dが設けられている。なお、図24では、ねじ141の図示を省略している。
調整機構142C及び調整機構142Dは、上記調整機構142B及び調整機構142Aと同じ構成を有している。
そこで、調整機構142Cの角棒42を移動(スライド)させることにより、光源2200cを、その中心を通り、w2方向に平行な軸回りに回動させることができる。ここでは、調整機構142Cの角棒42を+m2方向に移動(スライド)させると、光源2200cを反時計回りに回動させることができる。また、調整機構142Cの角棒42を−m2方向に移動(スライド)させると、光源2200cを時計回りに回動させることができる。なお、角棒42の移動量と光源2200cの回転角との間には線形の相関関係がある。
また、調整機構142Dの角棒42を移動(スライド)させることにより、光源2200dを、その中心を通り、w2方向に平行な軸回りに回動させることができる。ここでは、調整機構142Dの角棒42を−m2方向に移動(スライド)させると、光源2200dを反時計回りに回動させることができる。また、調整機構142Dの角棒42を+m2方向に移動(スライド)させると、光源2200dを時計回りに回動させることができる。なお、角棒42の移動量と光源2200dの回転角との間には線形の相関関係がある。
図8に戻り、サブハウジング110には、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、8つの折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)などが保持される。
また、サブハウジング110内の所定位置にはコアハウジング120が収容されている。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置2010では、各偏向器前光学系とポリゴンミラー2104と各走査光学系とによって光学系が構成されている。
また、本実施形態に係る光走査装置2010は、4つの光源装置(第1の光源装置〜第4の光源装置)を備えており、光源2200aと外壁120aと調整機構142Aとによって第1の光源装置が構成され、光源2200bと外壁120aと調整機構142Bとによって第2の光源装置が構成され、光源2200cと外壁120bと調整機構142Cとによって第3の光源装置が構成され、光源2200dと外壁120bと調整機構142Dとによって第4の光源装置が構成されている。
また、上述した光源2200a及び光源2200bの角度を調整する方法において、本発明の調整方法が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、それぞれ複数の発光部を有する4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)と、4つの光源からの各光束をそれぞれ対応する感光体ドラムの表面に集光するとともに、該感光体ドラムの表面の光スポットを主走査方向に移動させる光学系と、該光学系が収容されるとともに、4つの光源が取り付けられる光学ハウジング2300と、光学ハウジング2300に取り付けられた状態で4つの光源の角度調整をそれぞれ行うための4つの調整機構(142A、142B、142C、142D)とを備えている。
各調整機構は、主走査対応方向に移動(スライド)させることができる角棒42と、該角棒42における光源に対向する面に接着され、その表面に光源のステムが当接されるゴム板42aとを有している。そして、角棒42を移動(スライド)させることで光源の角度調整を行っている。
ところで、従来は、光源は光源ユニットの保持部材に固定され、該光源ユニットが光学ハウジングにねじ止めされていた。そして、光源の角度調整を行う際には、ねじをゆるめて光源ユニットを回動させ、角度調整したのち、ねじを締めていた。この場合には、ねじ締めのときに、光源ユニットに狙いではない(不要な)移動あるいは回転が発生するおそれがあった。
しかしながら、本実施形態では、光源のステムと調整機構のゴム板42aとの間の摩擦係数が大きいため、角度調整したのちに光学ハウジング2300に外力が作用しても、光源が移動したり光源の角度が変化するおそれはほとんどない。そこで、本実施形態では、角度調整のやり直しが減り、光源の角度調整を従来よりも短時間で行うことができるため、生産性を従来よりも向上させることができる。
また、角棒42の移動量と光源の回転角との間に線形の相関関係があるため、高精度な角度調整を行うことができる。
また、本実施形態の調整機構は、モータなどの駆動機構や、光学素子を取り付けるホルダーなどが不要であるため、光走査装置2010の小型化を図ることができる。さらに、部品点数が減少するため、部品コストを低減させることができる。
そこで、大型化及び高コスト化を招くことなく、光源から射出される複数の光束のビームピッチを精度良く調整することが可能である。そして、その結果、高い精度の光走査を行うことができる。
また、光源の角度調整が終了すると、調整部材の角棒42を、紫外線硬化型の接着剤により光学ハウジング2300に接着している。この場合には、その後の工程中に光源の角度変化が生じることはなく、調整のやり直しが不要となる。
また、一つの工程内で4つの光源の角度調整をほぼ同時に行うことができるため、調整にかかる時間を従来よりも大幅に短縮することが可能である。そこで、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、大型化及び高コスト化を招くことなく、高品質の画像を形成することが可能である。
なお、上記実施形態では、調整機構における光源のステムと接触する弾性部材がゴム板の場合について説明したがこれに限定されるものではない。また、弾性部材に代えて、摩擦係数の高い物質を角棒42にコーティングしても良い。また、角棒42の表面における表面粗さを大きくするような表面処理あるいは表面加工を行い、光源のステムが当接されたときに光源のステムとの間にある程度の摩擦力が生じるようにしても良い。
また、上記実施形態では、各光源が2つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、各光源が複数の発光部を有していれば良い。そして、複数の発光部を有する光源が面発光レーザアレイであっても良い。さらに、発光部の数が3つ以上のとき、複数の発光部は1次元配列されていても良いし、2次元配列されていても良い。
また、上記実施形態では、光源そのものを調整機構によって回動させる場合について説明したが、これに限らず、光源が他の光学素子とともにユニット化されているときには、該ユニットを調整機構によって回動させても良い。
また、上記実施形態では、作業者が手動で角棒42を移動(スライド)させる場合について説明したが、これに限らず、例えば、供給される電気信号におけるパルス数に応じて角棒42を移動(スライド)させる駆動機構を有していても良い。
また、上記実施形態では、棒状部材として角棒を用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば、丸棒あるいは六角棒であっても良い。そして、この場合に、棒状部材の移動(スライド)を案内するための溝の形状を棒状部材の形状に応じて変更しても良い。また、ガイド41と溝40との間に形成される貫通孔の形状も、棒状部材の形状に応じて変更しても良い。
また、上記実施形態では、角棒42の移動(スライド)を案内するために、溝40が外壁に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、1本あるいは複数本のレールが外壁に形成されても良い。
また、上記実施形態では、角棒42を摺動可能に支持するために、溝40を跨ぐ形状のガイド41が外壁に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光源におけるステムの外周面に接触した状態で、角棒42を摺動可能に支持することができる形状あるいは構造であれば良い。
また、上記実施形態では、角棒42のZ軸方向への移動が、溝40とガイド41の両方で制限される場合について説明したが、これに限らず、溝40及びガイド41の一方が、角棒42のZ軸方向への移動を制限しても良い。要するに、溝40及びガイド41の少なくとも一方によって、主走査対応方向以外の方向への角棒42の移動が制限されれば良い。
また、上記実施形態では、光学ハウジング2300が、コアハウジング120とサブハウジング110とを有する場合について説明したが、これに限らず、コアハウジングとサブハウジングとが一体的に構成された光学ハウジングであっても良い。
また、上記実施形態では、ガイド41が溝40に対して1つ設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ガイド41が溝40に対して2つ設けられても良い。
また、上記実施形態では、角棒42を仮固定するための仮固定機構として、ねじ141を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、クリップ状の部材を用いて、角棒42を外壁に押しつける構造であっても良い。
また、上記実施形態において、ガイド41のねじ141による仮固定が十分でないときは、角棒42におけるねじ141に対向する面にねじ141の先端部が押し込まれる溝を設けても良い。
また、上記実施形態において、光源の角度調整後で、接着前に角棒42が移動するおそれがないときには、前記ガイド41のねじ141はなくても良い。
また、上記実施形態において、角棒42に、作業者が角棒42を移動(スライド)させる際に取っ手となるハンドルが付加されていても良い。
また、上記実施形態において、溝40の近傍に、角棒42の移動(スライド)量、すなわち、光源の回動量がわかるような目盛(スケール)が付加されていても良い。
また、上記実施形態では、調整機構によって、複数の発光部における副走査対応方向に関する発光部間隔を調整する場合について説明したが、これに限らず、複数の発光部における任意の方向に関する発光部間隔を調整することができる。
また、上記実施形態では、調整部材の角棒42を光学ハウジング2300に接着する際に、紫外線硬化型の接着剤を用いる場合について説明したが、これに限らず、紫外線硬化型以外の接着剤、例えば電子線硬化型の接着剤、あるいは熱硬化型の接着剤を用いても良い。
また、上記実施形態では、光走査装置が4つの光源を有する場合について説明したが、これに限らず、例えば、2つの光源を有する光走査装置を2つ用いても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置として、複数の感光体ドラムを備えたカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、例えば1つの感光体ドラムを複数の光束で走査し、単色の画像を形成するプリンタにも適用することができる。この場合には、複数の発光部を有する光源が1つであっても良い。
また、上記実施形態では、光走査装置2010がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。