JP2010167894A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の、突起入力に対する、タイヤ径方向外側からのカット故障を抑制できることに加え、さらに、鈍器入力に対する、タイヤ径方向内側からのカット故障を有効に抑制できる空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【解決手段】タイヤ周方向に対し70〜90°の角度で延びるスチールコード11をゴム被覆した少なくとも1枚(図1では1枚)のプライ10からなるラジアルカーカス10のクラウン部の外周側に、複数のベルト層30、40、50からなるベルト20を具える空気入りラジアルタイヤ1であって、狭幅交錯ベルト30、広幅交錯ベルト40及び保護ベルト50は、それぞれ隣接する層間で、前記スチールコード31、32、41、42、51、52がタイヤ周方向を挟んで逆向きの角度で傾斜して延び、プライ10を構成するスチールコード11の径が、前記広幅交錯ベルト40を構成するスチールコード41、42の径の70〜90%の範囲であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダンプトラック等に用いられる建設車両用空気入りラジアルタイヤ又はトラックバス用空気入りラジアルタイヤであり、特に、優れた耐カット性を有する空気入りラジアルタイヤに関する。
主に建設車両用タイヤとして用いられる空気入りラジアルタイヤは、カーカスの直上に配置され、タイヤ周方向に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の小傾斜ベルト層と、該小傾斜ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の大傾斜ベルト層と、該大傾斜ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びる伸張性スチールコードをゴム被覆してなる一対の保護ベルト層とからなるベルトを具えるのが一般的である。
前記大傾斜ベルト層は、ベルトの面に沿った変形に対する剛性(以下、面内曲げ剛性という)を確保し、前記小傾斜ベルト層は、その傾斜角度の小さいコード配置によってトレッド周方向の張力を負担し、トレッドの径成長を抑制して走行時にクラウン形状が変化するのを防いでいる。
また、前記ベルトは、例えば特許文献1に開示されているように、前記小傾斜ベルト層を、トレッド周方向の張力を負担するために、各層のコードを隣接層間で交差する向きに配置し、大傾斜ベルト層を、面内曲げ剛性を高めるために、各層のコードを隣接層間で交差する向きに配置し、小傾斜ベルト層と大傾斜ベルト層との隣接層間においても、最もカーカス側の小傾斜ベルト層での歪み集中を防ぐために、コードを交差する向きに配置し、全てのベルト層を構成するコードが隣接層間で相互に交差するように配置する技術が開発されている。ベルトのタイヤ幅方向端とその近傍にあるゴムとのセパレーションを抑制し、さらに、石などの突起物を踏みつけた際の入力(以下、「カット入力」とする。)によるベルトの破壊を抑制する点(耐カット性の向上の点)で有利であると考えられている。
しかしながら、上記の技術を用いた場合、従来になかったクラウン部カット故障が散見されることとなった。悪路走行時、鈍器入力により、プライを構成するスチールコードが破断したり、スチールコード間のゴムが裂けることにより、小傾斜ベルト層の破断や、小傾斜ベルトを構成するスチールコード間にセパレーションが発生し、タイヤバーストが生じるという故障である。この故障は、従来の、トレッドが損傷した後に、保護ベルト層、大傾斜ベルト層、小傾斜ベルト層及びカーカスプライの順に破壊が起こるタイヤ径方向外側からのカット故障とは異なり、タイヤ径方向内側からのカット故障である。
近年の鉱山稼働率向上や、タイヤライフ向上のための深溝ラグパターンを有するタイヤが市場投入されているものの、まだ溝が十分に残った状態のタイヤが、上記のタイヤ径方向内側からのカット故障によって使用できなくなる恐れがあり、結果としてタイヤライフの低下を招くことから、タイヤ径方向内側からのカット故障についても対応できる空気入りタイヤの開発が望まれている。
特開2001−301420号公報
本発明の目的は、従来の、突起入力に対する、タイヤ径方向外側からのカット故障を抑制できることに加え、さらに、鈍器入力に対する、タイヤ径方向内側からのカット故障を有効に抑制できる空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明者は、タイヤ周方向に対し70〜90°の角度で延びるスチールコードをゴム被覆した少なくとも1枚のプライからなるラジアルカーカスのクラウン部の外周側に、複数のベルト層からなるベルトを具える空気入りラジアルタイヤについて、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、タイヤ径方向内側からのカット故障については、カーカスの役割が重要であることを見出した。そして、さらに鋭意研究を重ね、前記ベルトが、カーカスの直上に配置され、タイヤ周方向に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の狭幅交錯ベルトと、該狭幅交錯ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の広幅交錯ベルトと、該広幅交錯ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びる伸張性スチールコードをゴム被覆してなる一対の保護ベルトとからなり、前記狭幅交錯ベルト、前記広幅交錯ベルト及び前記保護ベルトを、それぞれ隣接する層間で前記スチールコードがタイヤ周方向を挟んで逆向きの角度で傾斜して延び、前記プライのコード径が、前記広幅交錯ベルトのコード径の70〜90%の範囲となるように適正化を図ることで、突起入力に対する、タイヤ径方向外側からのカット故障を抑制できるとともに、鈍器入力に対して、前記プライを構成するコードの破断の抑制しつつ、鈍器入力によるカーカスの変形を吸収できる結果、タイヤ径方向内側からのカット故障を有効に抑制できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)タイヤ周方向に対し70〜90°の角度で延びるスチールコードをゴム被覆した少なくとも1枚のプライからなるラジアルカーカスのクラウン部の外周側に、複数のベルト層からなるベルトを具える空気入りラジアルタイヤであって、前記ベルトは、前記カーカスの直上に配置され、タイヤ周方向に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の狭幅交錯ベルトと、該狭幅交錯ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の広幅交錯ベルトと、該広幅交錯ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びる伸張性スチールコードをゴム被覆してなる一対の保護ベルトとからなり、前記狭幅交錯ベルト、前記広幅交錯ベルト及び前記保護ベルトは、それぞれ隣接する層間で前記スチールコードがタイヤ周方向を挟んで逆向きの角度で傾斜して延び、前記プライのコード径が、前記広幅交錯ベルトのコード径の70〜90%の範囲であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
(2)前記プライのトリート引張強度は、前記広幅交錯ベルトのトリート破断強度の40〜70%の範囲である上記(1)記載の空気入りラジアルタイヤ。
(3)前記狭幅交錯ベルトを構成するスチールコードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対し、4〜10°の範囲である上記(1)又は(2)記載の空気入りラジアルタイヤ。
(4)前記狭幅交錯ベルトの幅は、タイヤ断面幅の20〜50%の範囲である上記(1)〜(3)のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
(5)前記広幅交錯ベルトを構成するスチールコードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対し、15〜40°の範囲である上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
(6)前記広幅交錯ベルトの幅は、タイヤ断面幅の50〜75%の範囲である上記(1)〜(5)のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
本発明によれば、従来の、突起入力に対する、タイヤ径方向外側からのカット故障を抑制できることに加え、さらに、鈍器入力に対する、タイヤ径方向内側からのカット故障を有効に抑制できる空気入りラジアルタイヤを提供することが可能となった。
本発明の空気入りラジアルタイヤの一部を模式的に示した破断斜視図である。 本発明の空気入りラジアルタイヤの一部を模式的に示した幅方向断面図である。 図1中のカーカスプライを構成するスチールコードの1本を拡大した断面図である。 タイヤセンター部打込を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図1、図2及び図3を用いて説明する。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一部を模式的に示した破断斜視図であり、図2は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一部の幅方向断面を模式的に示した図であり、図3は、図1中のカーカスプライを構成するスチールコードの断面を拡大して示した図である。
本発明は、図1及び図2に示すように、タイヤ周方向に対し70〜90°の角度で延びるスチールコード11をゴム被覆した少なくとも1枚(図1及び図2では1枚)のプライ10からなるラジアルカーカス10のクラウン部の外周側に、複数のベルト層30、40、50からなるベルト20を具える空気入りラジアルタイヤ1であり、前記ベルト20は、前記カーカス10の直上に配置され、タイヤ周方向に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるスチールコード31、32をゴム被覆してなる一対の狭幅交錯ベルト30と、該狭幅交錯ベルト30のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びるスチールコード41、42をゴム被覆してなる一対の広幅交錯ベルト40と、該広幅交錯ベルト40のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びる伸張性スチールコード51、52をゴム被覆してなる一対の保護ベルト50とからなる。
そして、本発明の空気入りラジアルタイヤ1は、図1に示すように、前記狭幅交錯ベルト30、前記広幅交錯ベルト40及び前記保護ベルト50は、それぞれ隣接する層間で、前記スチールコード31、32、41、42、51、52がタイヤ周方向を挟んで逆向きの角度で傾斜して延びる。
上記構成を採用することで、前記狭幅交錯ベルト30によるタイヤ形状維持効果、前記広幅交錯ベルト40によるタイヤ横剛性及び耐カット性の向上、並びに、前記保護ベルト50による突起入力に対する破断・損傷の抑制を、それぞれ実現できる。加えて、それぞれ隣接する層間で、前記スチールコード31、32、41、42、51、52がタイヤ周方向を挟んで逆向きの角度で傾斜して延びるようにすることで、ベルト耐久性(ベルト端セパレーションの抑制及びタイヤ径方向外側からのカット故障の抑制)を大幅に向上させることが可能となる。
なお、前記狭幅交錯ベルト30を構成するスチールコード31、32が延びる際の、タイヤ周方向に対して比較的小さな傾斜角度とは、前記広幅交錯ベルト40を構成するスチールコードに比べて小さな傾斜角度であればよく、具体的には、タイヤ周方向に対して4〜10°の範囲であることが好ましい。タイヤ周方向に対する傾斜角度が4°未満では、傾斜角度が小さすぎるため、トレッド部の径成長を抑制し、タイヤ形状を維持することができるものの、タイヤ負荷転動時の剪断歪みが大きくなりすぎて、狭幅交錯ベルト30のタイヤ幅方向端30aに応力が過剰に集中する結果、タイヤ幅方向端30a近傍にあるゴムとのセパレーションが発生する恐れがあるからであり、一方、タイヤ周方向に対する傾斜角度が10°を超えると、傾斜角度が大きすぎるため、端30aの応力集中はかんわできるものの、タイヤ周方向への張力を十分に負担することができず、トレッド部が径成長する結果、タイヤ形状を維持することができないからである。
また、前記狭幅交錯ベルト30の幅W1は、図1に示すように、タイヤ断面幅Wの20〜50%の範囲であることが好ましい。前記狭幅交錯ベルト30の幅W1がタイヤ断面幅Wの20%未満である場合、狭幅交錯ベルト30が配設されている領域が小さくなり過ぎて、タイヤ周方向への張力を負担できる範囲が限定されることから、トレッド部の径成長を抑制することができず、タイヤ形状を維持することができない恐れがあるからであり、一方、前記幅W1がタイヤ断面幅Wの50%を超えると、タイヤ負荷転動時の狭幅交錯ベルト30の剪断歪みが大きくなり過ぎて、狭幅交錯ベルト30のタイヤ幅方向端30aに応力が過剰に集中する結果、タイヤ幅方向端30a近傍にあるゴムとのセパレーションが発生する恐れがあるからである。ここで、一対の前記狭幅交錯ベルト30を構成する各ベルトの幅が、それぞれ異なる場合には、それぞれの幅W1がタイヤ断面幅Wの20〜50%の範囲であることが好ましい。
なお、前記広幅交錯ベルト40を構成するスチールコード41、42が延びる際の、タイヤ周方向に対して比較的大きな傾斜角度とは、前記狭幅交錯ベルト30を構成するスチールコードに比べて大きな傾斜角度であればよく、具体的には、タイヤ周方向に対して20〜50°の範囲であることが好ましい。タイヤ周方向に対する傾斜角度が20°未満の場合、傾斜角度が小さすぎるため、タイヤ負荷転動時の横方向剛性が十分確保できないことから、操縦安定性が大きく低下する恐れがあるからであり、一方、傾斜角度が50°を超える場合も同様に、タイヤ負荷転動時の応力負担が狭幅交錯ベルト30に移り、狭幅交錯ベルト30のタイヤ幅方向端30aに応力が過剰に集中する結果、タイヤ幅方向端30a近傍にあるゴムとのセパレーションが発生する恐れがあるからである。
また、前記広幅交錯ベルト40の幅W2は、図1に示すように、タイヤ断面幅Wの50〜75%の範囲であることが好ましい。前記広幅交錯ベルト40の幅W2がタイヤ断面幅Wの50%未満である場合、広幅交錯ベルト40が配設されている領域が小さくなり過ぎるため、タイヤ負荷転動時の横方向剛性が十分確保できないことから、操縦安定性が大きく低下する恐れがあるからであり、一方、前記幅W2がタイヤ断面幅Wの75%を超えると、タイヤ負荷転動時に石などの突起物を踏み付けた際の突起物からの入力に対し有効に抗することができるが、前記広幅交錯ベルト40の剪断歪みが大きくなり過ぎて、広幅交錯ベルト40のタイヤ幅方向端40aに応力が過剰に集中する結果、タイヤ幅方向端40a近傍にあるゴムとのセパレーションが発生する恐れがあるからである。ここで、一対の前記広幅交錯ベルト40を構成する各ベルトの幅W2が、それぞれ異なる場合には、それぞれの幅W2がタイヤ断面幅Wの50〜75%の範囲であることが好ましい。
なお、前記保護ベルト50を構成する伸張性スチールコード51、52が延びる際の、タイヤ周方向に対して比較的大きな傾斜角度とは、前記狭幅交錯ベルト30を構成するスチールコードに比べて大きな傾斜角度であればよく、特に限定はしない。また、前記伸張性スチールコードとは、通常のスチールコードに比べて、延在方向に伸張性を有するスチールコードのことであり、破断までの伸びが全伸度の5〜8%以上のスチールコードをいう。例えば、具体的には、所定の振幅を有する波状のスチールコード等がある。
そしてさらに、本発明の空気入りラジアルタイヤ1は、図3に示すように、前記プライ10を構成するスチールコード11(以下、「プライコード11」という。)の径Xが、前記広幅交錯ベルト40を構成するスチールコード41、42(以下、「広幅交錯ベルトコード41、42」という。)の径(図示せず)の70〜90%の範囲であることを特徴とする。
悪路走行時の鈍器入力による、タイヤ径方向内側からのカット故障については、ラジアルカーカス10の役割が重要であり、具体的には、(1)鈍器入力に対する前記プライコード11の破断を抑制するための強度、及び、(2)小傾斜ベルト層30の破断や、小傾斜ベルト30を構成する各スチールコード31、32間にセパレーションが発生することを抑制するための、鈍器入力に対する柔軟性が必要となる。そのため、本発明では、前記プライコード11の径Xの適正化を図ることによって、上述のカーカス10の(1)及び(2)の性能を両立させ、有効にタイヤ径方向内側からのカット故障を抑制することが可能となる。
ここで、前記プライコード11は、図3に示すように、複数のスチール繊維12を束ねてなるコードである。また、前記プライコード11の径Xを、前記広幅交錯ベルトコード41、42の径の70〜90%の範囲に限定する理由は、プライコード11の径Xが70%未満では、径が小さすぎるため、十分に前記プライコード11の破断を抑制することができず、一方、径Xが90%を超えると、カーカスプライ10の剛性が大きくなりすぎるため、鈍器入力に対するラジアルカーカス10の柔軟性が十分でなく、プライコード11は破断しないものの、プライコード11間のゴム裂けが発生する結果、タイヤ径方向内側からのカット故障を十分に抑制できないためである。
また、前記プライ10のトリート引張強度は、前記広幅交錯ベルト50のトリート破断強度の40〜70%の範囲であることが好ましい。前記プライ10のトリート引張強度が前記広幅交錯ベルト50のトリート破断強度の40%未満では、前記プライ10の強度が小さくなりすぎるため、十分に前記プライコード11の破断を抑制することができず、タイヤ径方向内側からのカット故障を抑制できない恐れがあり、一方、前記プライ10のトリート引張強度が前記広幅交錯ベルト50のトリート破断強度の70%を超えると、プライ10の剛性が大きくなりすぎるため、鈍器入力に対するラジアルカーカス10の柔軟性が十分でなく、プライコード間のゴム裂けが発生する結果、タイヤ径方向内側からのカット故障を十分に抑制できない恐れがあるためである。ここで、トリート引張強度とは、タイヤセンター部打込(図4に示すように、コード延在方向に対して垂直方向の単位長さ50mmあたりのコード本数)と、加硫後コード1本あたりの軸方向の引張破断強度をかけ合わせたものをいう。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、本発明に従う空気入りラジアルタイヤを試作し、性能を評価したので、以下で説明する。
(実施例1〜6及び比較例1〜2)
実施例として、図2に示すように、タイヤ周方向に対し90°の角度で延びる1枚のカーカスプライ10からなるラジアルカーカス10のクラウン部の外周側に、複数のベルト層からなるベルト20を具える建設車両用ラジアルタイヤ(タイヤサイズ:53/80R63、使用リム:36.00/5.0)であって、前記ベルトは、前記カーカス10の直上に配置され、タイヤ周方向に対し、それぞれ5°、−5°傾斜して延びるスチールコード31、32をゴム被覆してなる一対の狭幅交錯ベルト30と、タイヤ周方向に対し、それぞれ28、−18°傾斜して延びるスチールコード41、42をゴム被覆してなる一対の広幅交錯ベルト40と、タイヤ周方向に対し、それぞれ30、−23°傾斜して延びる伸張性スチールコード51、52をゴム被覆してなる一対の保護ベルト50とからなり、前記狭幅交錯ベルト30、前記広幅交錯ベルト40及び前記保護ベルト50は、それぞれ隣接する層間で前記スチールコードがタイヤ周方向を挟んで逆向きの角度で傾斜して延びる空気入りラジアルタイヤを作製した。
なお、狭幅交錯ベルト30、広幅交錯ベルト40及びカーカスプライ10を構成する各スチールコード31、32、41、42、51、52の、コード径(mm)、並びに、カーカスプライ10及び広幅交錯ベルト40のトリート引張強度指数については、表1に示す。
(評価)
(1)鋭利な突起入力に対する耐カット性
実施例及び比較例の各サンプルについて、TRA正規内圧、正規リムを用いて、リアポジションに装着し、同一使用条件(走行ルート、走行スピード、タイヤ荷重:100t)の下、10本ずつ走行を行い、そのうちの5本が鋭利なトレッド入力が原因のトレッドカットにより廃品化するまでの走行時間を測定し、指数で評価した結果を表1に示す。表1中の数値は、実施例5の走行時間を100としたときの指数であり、数値が大きいほど走行時間が長く、結果が良好であることを意味し、指数が75以上のタイヤは市場性があるといえる。なお、鋭利な突起入力が原因の故障であるか否かについては、タイヤを解剖解析して鋭利なトレッド入力が原因であることを確認している。
(2)鈍器入力に対する耐カット性
実施例及び比較例の各サンプルについて、TRA正規内圧、正規リムを用いて、外周面上の1箇所に、高さ20cmの鈍突起となるように直径40cmの円球を装着した、直径7mのドラムを用い、100%荷重を負荷した状態で直進走行を行い、タイヤ径方向内側からのカット故障(プライコードの破断又はプライコード間のゴム裂けの発生が原因のタイヤ膨れ)が発生するまでの走行時間を測定し、指数で評価した。表1中の数値は、実施例1の走行時間を100としたときの指数であり、数値が大きいほど走行時間が長く、結果が良好であることを意味し、指数が75以上のタイヤは市場性があるといえる。なお、鈍器入力によるカット故障の発生頻度は、鋭利な突起入力によるカット故障の発生頻度に比べて低いため、評価精度向上のため、ドラム試験により評価を行っている。
Figure 2010167894
表1の結果より、プライコード径の適正化が図られた実施例1〜6の空気入りラジアルタイヤは、鋭利な突起入力に対するカット故障及び鈍器入力によるカット故障のいずれについても優れた耐性を有することがわかった。さらに、カーカスプライのトリート引張強度の適正化が図られた実施例1〜4については、さらに耐カット性が高いことがわかった。一方、プライコード径が小さい比較例1については、鋭利な突起入力に対する耐カット性が低く、プライコード径が大きい比較例2については、鈍器入力に対する耐カット性が低く、いずれも市場性を満たさないことがわかった。
本発明によれば、従来の、突起入力に対する、タイヤ径方向外側からのカット故障を抑制できることに加え、さらに、鈍器入力に対する、タイヤ径方向内側からのカット故障を有効に抑制できる空気入りラジアルタイヤを提供することが可能である。
1 空気入りラジアルタイヤ
10 カーカス、カーカスプライ
20 ベルト
30 狭幅交錯ベルト
40 広幅交錯ベルト
50 保護ベルト

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に対し70〜90°の角度で延びるスチールコードをゴム被覆した少なくとも1枚のプライからなるラジアルカーカスのクラウン部の外周側に、複数のベルト層からなるベルトを具える空気入りラジアルタイヤであって、
    前記ベルトは、前記カーカスの直上に配置され、タイヤ周方向に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の狭幅交錯ベルトと、該狭幅交錯ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びるスチールコードをゴム被覆してなる一対の広幅交錯ベルトと、該広幅交錯ベルトのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対し比較的大きな角度で傾斜して延びる伸張性スチールコードをゴム被覆してなる一対の保護ベルトとからなり、
    前記狭幅交錯ベルト、前記広幅交錯ベルト及び前記保護ベルトは、それぞれ隣接する層間で前記スチールコードがタイヤ周方向を挟んで逆向きの角度で傾斜して延び、前記プライのコード径が、前記広幅交錯ベルトのコード径の70〜90%の範囲であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記プライのトリート引張強度は、前記広幅交錯ベルトのトリート破断強度の40〜70%の範囲である請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記狭幅交錯ベルトを構成するスチールコードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対し、4〜10°の範囲である請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記狭幅交錯ベルトの幅は、タイヤ断面幅の20〜50%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記広幅交錯ベルトを構成するスチールコードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対し、15〜40°の範囲である請求項1〜4のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記広幅交錯ベルトの幅は、タイヤ断面幅の50〜75%の範囲である請求項1〜5のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
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