JP2010167177A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造および装着が簡単であり、漏れが生じ難く、かつ、陰嚢のスキントラブル(かぶれ等)が生じ難い男性用の吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートを備え、前記吸収体の長手方向両側に沿って少なくとも一対の立体ギャザーを配置した吸収性物品であって、前記吸収性物品の前端側の領域に前記一対の立体ギャザーの先端部を連結する撥水性シートが配置されている吸収性物品である。
【選択図】図1
【解決手段】吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートを備え、前記吸収体の長手方向両側に沿って少なくとも一対の立体ギャザーを配置した吸収性物品であって、前記吸収性物品の前端側の領域に前記一対の立体ギャザーの先端部を連結する撥水性シートが配置されている吸収性物品である。
【選択図】図1
Description
本発明は、吸収体と、液透過性材料からなるトップシートと、液不透過性材料からなるバックシートと、を備えた吸収性物品に関するものである。詳しくは、男性用の吸収性物品に関するものである。
男性用に特化した尿パッドとして、陰茎を被包し、或いは陰茎を袋内に挿入するタイプの尿パッドが知られている。例えば、粘着部が形成されていて、陰茎を尿パッドでコーン状(サック状)に被包した状態で固定することができるタイプの尿パッド(例えば、特許文献1〜3参照)や、予め袋状に形成されていて、その袋内に陰茎を挿入し得るように構成された尿パッド(例えば、特許文献4参照)が知られている。
特許文献1〜3に記載の尿パッドは矩形の形状の尿パッドを粘着テープを利用して三角形に成型して性器に巻きつけるタイプであるが、装着に手間がかかり、また性器から抜けやすいので漏れを発生しやすい。特に、着用者本人ではなく介護者によって装着される場合は装着が手間であり煩雑なものとなっている。また、特許文献4に記載のあらかじめ袋状に成型されたタイプは、構成が複雑であり非常に製造しにくいものとなっている。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、製造および装着が簡単であり、漏れが生じ難く、かつ、陰嚢のスキントラブル(かぶれ等)が生じ難い男性用の吸収性物品を提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す吸収性物品により上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の吸収性物品が提供される。
[1] 吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートを備え、前記吸収体の長手方向両側に沿って少なくとも一対の立体ギャザーを配置した吸収性物品であって、前記吸収性物品の前端側の領域に前記一対の立体ギャザーの先端部を連結する撥水性シートが配置されている吸収性物品。
[2] 前記撥水性シートの後端はトップシートに接合されていない上記[1]に記載の吸収性物品。
[3] 前記撥水性シートの前端部の少なくとも幅方向中央部は吸収体の長手方向前端部から3cm以上離れた位置に配置されている上記[1]または[2]に記載の吸収性物品。
[4] 前記撥水性シートの前端部には、幅方向中央部に凹部が形成されている上記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸収性物品。
[5] 前記吸収体の長手方向中央部に肉薄部が配置されている上記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸収性物品。
[6] 前記肉薄部の形状は前端部側が広く、後端部側に向かって狭くなっている上記[1]〜[5]のいずれかに記載の吸収性物品。
本発明の吸収性物品は、製造および装着が簡単であり、漏れが生じ難く、かつ、陰嚢のスキントラブル(かぶれ等)が生じ難い。
本発明の場合、立体ギャザーの先端部を連結して撥水性シートを配置している。立体ギャザーの先端は体に追随してフィットするので、吸収性物品の装着後の状態においても、その腹側を開いた時に撥水性シートは体に沿う状態となる。この場合、液透過性シートと撥水性シートの間に空間ができることとなり、陰茎のみを簡単に収めることができる。
このようにすることにより、吸収性物品を装着する際に、男性器が所定位置から外れていないか気にしながら装着する必要がない。したがって、股下等を通したり背側の位置をあわせる等の吸収性物品の装着をきちんと終わらせてから最後に腹側を少し開いて陰茎を収めれば良いので装着が簡便であり、装着ミスも少ない。特に介護者による装着の場合は簡便なものとなる。また、陰茎を陰嚢と簡単に分離させることができるために排尿によって陰嚢がかぶれやすい状況を防ぐことができる。
また、男性の場合は陰茎の向きによっては、吸収性物品の吸収性能を充分に発揮することなく、吸収性物品の横から、或いは腹側からすぐに漏れてしまう場合があるが、本発明の場合は陰茎の向きを背側(股下側)に向けやすくなるために、吸収性物品の横側から漏れ難くなり、吸収性物品の背側(股下側)の吸収体部分も充分に活用して尿を効果的に吸収することができることとなる。
以下、本発明の吸収性物品を実施するための最良の形態について具体的に説明する。本実施形態においては、吸収性物品としての尿パッドを例にとり説明するが、本発明はその発明特定事項を備える吸収性物品を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]定義等:
本明細書においては、図1で例示するように、吸収性物品1Aの前後方向の最も長い部分を基準(全長)として、吸収性物品1Aの前端E1から20%長さまでの部分を「前端部(図中、符号2)」、吸収性物品1Aの後端E2から20%長さまでの部分を「後端部(図中、符号6)」、前端部2と後端部6を除いた吸収性物品1Aの中央側60%長さの部分を「中央部(図中、符号4)」とする。通常、前端部2が着用者の腹側に、中央部4が着用者の股下に、後端部6が着用者の背側(尻側)に宛がわれる。
本明細書においては、図1で例示するように、吸収性物品1Aの前後方向の最も長い部分を基準(全長)として、吸収性物品1Aの前端E1から20%長さまでの部分を「前端部(図中、符号2)」、吸収性物品1Aの後端E2から20%長さまでの部分を「後端部(図中、符号6)」、前端部2と後端部6を除いた吸収性物品1Aの中央側60%長さの部分を「中央部(図中、符号4)」とする。通常、前端部2が着用者の腹側に、中央部4が着用者の股下に、後端部6が着用者の背側(尻側)に宛がわれる。
撥水性シートに関し、「長さ」とは、シート形状に拘らず、立体ギャザーに接合された状態における撥水性シートの前端から後端までの長さ(前後方向の長さ)を意味する。また、撥水性シートに関し、「幅」とは、シート形状に拘らず、立体ギャザーに接合された状態における撥水性シートの左端から右端までの長さ(左右方向の長さ)を意味するものとする。
[2]本発明の第一の吸収性物品の構成:
本発明の吸収性物品は、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートを備え、前記吸収体の長手方向両側に沿って少なくとも一対の立体ギャザーを配置した吸収性物品であって、前記吸収性物品の前端側の領域に前記一対の立体ギャザーの先端部を連結する撥水性シートが配置されて構成されているものである。
本発明の吸収性物品は、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートを備え、前記吸収体の長手方向両側に沿って少なくとも一対の立体ギャザーを配置した吸収性物品であって、前記吸収性物品の前端側の領域に前記一対の立体ギャザーの先端部を連結する撥水性シートが配置されて構成されているものである。
[2−1]撥水性シート:
本発明の吸収性物品としての尿パッドは、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、撥水性シート50を備えている。この撥水性シート50によって、陰茎は陰嚢から分離されかつ吸収性物品の股下側(ないしは背側)に向かうように方向付けられる。
本発明の吸収性物品としての尿パッドは、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、撥水性シート50を備えている。この撥水性シート50によって、陰茎は陰嚢から分離されかつ吸収性物品の股下側(ないしは背側)に向かうように方向付けられる。
撥水性シート50は、吸収性物品1Aの前端E1側に、吸収性物品1Aの幅方向に延びるように後述の一対の立体ギャザー26の先端部を連結して配置される。「吸収性物品の前端側」とは、吸収性物品1Aの長手方向中心線より前端E1側の領域に撥水性シート50Aが配置されていることを意味する。撥水性シート50を吸収性物品1Aの前端E1側に配置するのは、撥水性シート50によって形成される陰茎挿入部54に対して、吸収性物品1Aの前端E1側から陰茎を挿入する構造とするためである。
撥水性シートの形状は特に限定されず、前後方向の長さに比して幅が大であるもの、前後方向の長さに比して幅が小であるもののいずれでもよい。例えば、図1Aに示す撥水性シート50は、前後方向の長さに比して幅が大である矩形状(短冊状)のシートを用いた例である。
撥水性シートの幅は後述の一対の立体ギャザー間距離に合わせて選択することができる。しかしながら、50mm以上であって、吸収性物品の幅以下とすることが好ましい。50mm未満とすると、連結する左右の立体ギャザーの先端間の距離が非常に狭いものとなるので、立体ギャザーの間口が狭くなり、排便等の排泄があった際に立体ギャザーの内側にうまく入らずに漏れてしまうおそれがある。
一方、撥水性シートの長さは、50〜200mmとすることが好ましい。撥水性シートを50mm以上の長さに構成すると、撥水性シートによって陰嚢、その他の着用者の肌が覆われる面積が増加する。従って、陰嚢等がトップシートの表面に接触し難くなり、かぶれ等のスキントラブルをより効果的に防止することができるというメリットがある。しかし、撥水性シートをあまりに長く構成しても前記効果の増大を期待できず、却って撥水性シートによって股下部の着用感が悪化する場合があるため、上限を200mmとすることが好ましい。
撥水性シートの形状は、前記のような矩形状に限定されるものではない。例えば、図1に示す撥水性シート50のように、撥水性シート50の前端(腹側端)50Aにおける幅方向中央部が、撥水性シート50の後端側に向かって矩形状に切り欠かれた形状となっており、幅方向中央部の長さよりも、幅方向両側縁部の長さの方が長くなるように形成されているものも好ましい。
撥水性シート50のように、幅方向中央部を幅方向両側縁部よりも凹んでいるように形成することによって、陰茎挿入部54に陰茎を挿入し易くなる。
また、前記形態においては、吸収性物品1Aの幅方向中心線上において、吸収体22の前端と矩形状に切り欠かれた撥水性シート50の前端50Aとの距離Lが3cm以上離れるように、撥水性シート50が配置されていることが好ましい。吸収体22の前端と撥水性シート50の前端50Aとの間隔が3cm未満であると、吸収性物品1Aの前端E1側からの漏れが生じ易くなるため好ましくない。
吸収性物品の幅方向中心線上において、吸収体の前端と撥水性シートの前端との距離Lを3cm以上とするためには、図1に示す吸収性物品のように、撥水性シートの前端において、幅方向中央部を幅方向両端縁部よりも凹んでいるように形成することによっても実現できるし、撥水性シート全体を吸収体の後端部寄りに下げることによっても実現できる。
撥水性シートの後端(背側端)50Bは液透過性シート18に接合しないのが好ましい。このように構成することで、製造が容易となる。また、撥水性シートの後端50Bを液透過性シート18に接着しないことにより、撥水性シート50と立体ギャザー26と液透過性シート18によって袋状体を形成しない。したがって、尿は袋状体に溜め込まれることなく液透過性シート18の後端方向に流れる。この結果、吸収体22の長手方向を広く使って、尿を吸収させることができる。
撥水性シートを構成する材料は特に限定されない。但し、本発明においては撥水性シートを構成する材料として、撥水性の不織布シートを用いることが好ましい。撥水性の素材を用いることにより、トップシートに付着した尿が撥水性シートに浸透し難くなり、陰嚢のかぶれをより効果的に防止することができる。撥水性の不織布シートとしては、後述する立体ギャザーと同様の素材を用いることができる。
[2−2]立体ギャザー:
本発明の吸収性物品は、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように少なくとも一対の立体ギャザー26を備えている。立体ギャザーは、撥水性シートからなり、吸収体22の両側に配置されている。
本発明の吸収性物品は、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように少なくとも一対の立体ギャザー26を備えている。立体ギャザーは、撥水性シートからなり、吸収体22の両側に配置されている。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、撥水性シートの層間に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を挟み込んで固定し、その立体ギャザー伸縮材の収縮力によってギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。撥水性シートは、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
なお、立体ギャザーは、立体ギャザー用の撥水性シートを別途付設してもよいし、吸収性物品を構成するシート材(例えば、バックシート)の一部によって形成してもよい。
立体ギャザーは内倒し、外倒し、外内倒し等ギャザー先端部が体に追随するようにしっかり立つ仕様であれば良い。
[2−3]接合部:
本発明の吸収性物品は、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、撥水性シート50は、その両側縁部が立体ギャザー26の先端部に接合されており、撥水性シート50の両側縁部を接合する接合部52が形成されている。
本発明の吸収性物品は、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、撥水性シート50は、その両側縁部が立体ギャザー26の先端部に接合されており、撥水性シート50の両側縁部を接合する接合部52が形成されている。
撥水性シート50の両側縁部(即ち、2箇所)を立体ギャザー26の先端部に接合することで、撥水性シート50と立体ギャザー26とトップシート18によって区画された陰茎挿入部54が形成される。「接合部」は、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いた接着、加熱による熱接合(ヒートシール等)、超音波融着等により形成することができる。
本発明においては、撥水性シート50が容易に剥離しない限りにおいて、撥水性シート50の両側縁部の全領域が立体ギャザーの先端部に接合されている必要はなく、撥水性シート50の両側縁部のうち少なくとも一部の領域が立体ギャザーの先端部に接合されていればよい。但し、確実な接合を確保するためには、図1に示す吸収性物品1Aのように、撥水性シート50の前端から後端に至るまで連続的に接合部52が形成されていることが好ましい。
接合部の幅は1〜20mmとすることが好ましい。1mm未満とすると、接合強度が低くなり、立体ギャザーから撥水性シートが外れてしまうおそれがある。20mmを超えると、立体ギャザーと撥水性シートの重なり部分が大きくなる。接合部分は固くなるので、着用感が悪化する。さらに、不要な重なり部分が増えることはコスト面からも不利なものとなる。
なお、撥水性シート50は立体ギャザー26と事後的に接合させるのではなく、撥水性シート50と立体ギャザー26とは、一体物で作られていても良い。
[2−4]吸収体:
以下、吸収体の構成のうち、本発明の吸収性物品に固有の構成について説明する。吸収体の一般的な構成については別項で述べる。
以下、吸収体の構成のうち、本発明の吸収性物品に固有の構成について説明する。吸収体の一般的な構成については別項で述べる。
本発明の吸収性物品は、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、吸収体の中央部に肉薄部60を配置するのが好ましい。このように構成することによって、尿をすばやく吸収体の後端側に移動させることができ、吸収体22の長手方向を広く使って、尿を吸収させることができる。
吸収体の前記肉薄部の形状は前端(腹)側が広く、後端(背)側(股下側)に向かって狭くなっていることが好ましい。このように構成することによって、より効果的に吸収体22の長手方向を広く使って、尿を吸収させることができる。
本発明の吸収性物品はまた、吸収体が、その幅方向中央部における、撥水性シートの下部に位置する部分から、吸収体の後端に向かって、吸収体の他の部分に比して吸収性能が高い高吸収部が形成されたものであることが好ましい。このような構成によれば、吸収性物品の幅方向中央部に多量の尿が収束された場合でもその尿を吸収体に十分に吸収させることができる。従って、尿の吸収が間に合わず漏れを生ずる事態を有効に防止することができる。
高吸収部は吸収体の幅方向中央部における、撥水性シートの下部に位置する部分から、吸収体の後端に向かって形成される。中でも、高吸収部の幅が左右の立体ギャザーの起立部分の幅の30〜100%の範囲であって、吸収体の撥水性シート前端(陰茎挿入部の入口)の直下に位置する部分を起点とし、吸収体全長の50%長さの部分まで形成されていることが好ましい。
高吸収部の幅が左右の立体ギャザーの起立部分の幅の30%未満であると、収束された多量の尿を高吸収部で十分に吸収できず、高吸収部を形成したメリットを享受することができない場合がある。一方、高吸収部の幅が左右の立体ギャザーの起立部分の幅を超えると、吸収性物品の幅方向中央部に収束された尿に対して高吸収部の幅が広過ぎて、余分な高吸収部が多くなり非効率である。
吸収体の撥水性シート前端(陰茎挿入部の入口)より吸収体の前端側、或いは吸収体全長の50%長さを超える部分まで高吸収部が形成されていても、その部分に尿が接触することが少なく非効率的である。
高吸収部は、例えば、吸収体に含有させるSAPの量を局部的に増加させることにより形成することができる。SAPの量を局部的に増加させる方法としてはSAPの散布する領域を幅方向の中央部を中心として限定した幅に狭く配置したり、SAPを高密度に担持させたSAPシート等の高吸収性シートを配置させる等の方法を挙げることができる。
本発明の吸収性物品は、吸収体の形状について特に制限はない。例えば、図1および図2に示すような尿パッドのようなタイプの吸収性物品とする場合は、吸収性物品自体の形状も、漏れ難く且つ着用感が良いように図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、前側が広く股下側が狭い羽子板型であることが好ましい。
吸収体後端側を幅狭く構成することで、吸収性物品1Aもその後端E2側を幅狭く構成することが可能となる。このような形態では、着用者の股下に差し込まれる吸収性物品1Aの中央部4及び後端部6の幅を狭く構成することができる。従って、吸収性物品1Aの中央部4及び後端部6の両側縁が着用者の内腿に当たり難くなり、着用感が向上する。更に、吸収体22の撥水性シート50が配置された部分の幅を広く構成することで、幅狭い股下や臀溝が存在する背側と比較して平面的な形状の腹側に吸収性物品1Aを幅広く当接させることができるので着用者が動いても吸収性物品1Aの装着位置がずれ難いという効果を奏する。
前記の効果を考慮すると、吸収体22の撥水性シート50が配置された部分の幅に対し、吸収体22後端の幅が40〜80%の幅となっていることが好ましい。
本発明の吸収性物品の吸収体はまた、矩形の角部がRカットされて曲線状に構成されていてもよい。
[3]吸収性物品の他の構成部材:
本発明の吸収性物品は、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20と、を備えるものである。
本発明の吸収性物品は、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20と、を備えるものである。
[3−1]吸収体:
「吸収体」は、着用者の尿等を吸収し、保持するための部材であり、吸収性材料によって構成される。通常、吸収体はトップシートとバックシートの間に挟みこまれ、両シートと一体化された状態で用いられる。
「吸収体」は、着用者の尿等を吸収し、保持するための部材であり、吸収性材料によって構成される。通常、吸収体はトップシートとバックシートの間に挟みこまれ、両シートと一体化された状態で用いられる。
「吸収性材料」としては、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super
Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)、親水性シート等を挙げることができる。「フラッフパルプ」としては、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、「SAP」としては、ポリアクリル酸ナトリウムを、「親水性シート」としては、ティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布等を用いることが好ましい。
Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)、親水性シート等を挙げることができる。「フラッフパルプ」としては、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、「SAP」としては、ポリアクリル酸ナトリウムを、「親水性シート」としては、ティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布等を用いることが好ましい。
吸収体は、1種又は2種以上の吸収性材料を単層又は複層のマット状に成形したものを用いることが好ましい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプのマット中に混在させるか、フラッフパルプのマットの層間に層状に配置して用いればよい。
[3−2]トップシート:
トップシートは、着用者の尿等を透過させる必要から、その少なくとも一部(全部又は一部)が液透過性材料により構成される。
トップシートは、着用者の尿等を透過させる必要から、その少なくとも一部(全部又は一部)が液透過性材料により構成される。
「液透過性材料」としては、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、脂肪族ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
「不織布」としては、エアスルー(カード熱風)、カードエンボス等の製法によって製造された不織布を好適に用いることができる。「親水化処理」は、界面活性剤を塗布、スプレー、含浸等させることにより行うことができる。
トップシートは、「少なくとも一部」、具体的には、トップシートを平面的に見た場合に、少なくとも吸収体の表面近傍は液透過性材料により構成されていることが好ましい。
[3−3]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(吸収性物品の装着時において着用者の肌から遠い側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿が吸収性物品外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートは、吸収体の裏面(吸収性物品の装着時において着用者の肌から遠い側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿が吸収性物品外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートの配置位置については特に制限はない。吸収体で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体の存在する部分にバックシートが配置されていることが好ましい。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、バックシートの外表面側にカバーシートを貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[3−4]伸縮材:
本発明の吸収性物品には、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、立体ギャザー26の起立線より外側の部分に、立体ギャザー伸縮材36が配置されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザー26の十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
本発明の吸収性物品には、図1および図2に示す吸収性物品1Aのように、立体ギャザー26の起立線より外側の部分に、立体ギャザー伸縮材36が配置されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザー26の十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
また、吸収性物品の両側縁部等に伸縮材を配置してもよい。この伸縮材を配置することによって、吸収性物品の両側縁部に伸縮性に富むギャザーを形成することができる。従って、吸収性物品の両側縁部に隙間が形成され難くなり、いわゆる横漏れを効果的に防止することができる。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつや吸収性物品で使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性糸からなる糸ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴムの弾性糸からなる糸ゴムである場合には、120〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、着用者に対して過度の締め付け力を作用させることなく、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
前記のような伸縮材は、吸収性物品の他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[4]本発明の第二の吸収性物品の構成
次に、本発明の第二の吸収性物品について説明する。本発明の吸収性物品は、上記で説明した尿パッド以外のものとすることもできる。以下に本発明の第二の吸収性物品としてのパンツ型使い捨ておむつについて説明する。
次に、本発明の第二の吸収性物品について説明する。本発明の吸収性物品は、上記で説明した尿パッド以外のものとすることもできる。以下に本発明の第二の吸収性物品としてのパンツ型使い捨ておむつについて説明する。
「パンツ型使い捨ておむつ」とは、例えば、図3に示す吸収性物品1Bとしてのパンツ型使い捨ておむつのように、前身頃と後身頃の対応する側縁2a,6a(2b,6b)同士を接合することによって、一つのウエスト周り開口部及び一対の脚周り開口部が形成され、予めパンツ型に構成された使い捨ておむつを意味する。
図3は、本発明の第二の吸収性物品1Bとしてのパンツ型使い捨ておむつの模式的平面図であり、パンツ型使い捨ておむつを展開し、内側(吸収体側)から見た状態を示す図である。本発明の吸収性物品としてのパンツ型使い捨ておむつは、前身頃、後身頃および股下部からなり、少なくとも股下部に吸収体を備え、前身頃と後身頃とが両側縁(2a、2b、6aおよび6b)で相互に接合されることにより、ウエスト周り開口部と脚周り開口部とが形成されている。
図3に示すとおり、本発明の第二の吸収性物品1Bとしてのパンツ型使い捨ておむつもまた、吸収体(22)と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシート(20)を備えており、前記吸収体(22)の長手方向両側に沿って少なくとも一対の立体ギャザー26が配置され、パンツ型使い捨ておむつの前端側の領域に前記一対の立体ギャザー26の先端部を連結する撥水性シート50が配置されて構成されている。これらの構成については、上述の第一の吸収性物品1Aと共通するので説明を省略する。
本発明の第二の吸収性物品としてのパンツ型使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
ウエスト周り伸縮材42は、ウエスト周り開口部近傍に配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。
例えば、図3に示す吸収性物品1Bとしてのパンツ型使い捨ておむつは、おむつの脚周り開口部のカーブに沿って曲線的に脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムや平ゴムによって構成される。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸張率、固定時の伸張状態等を決定すればよい。
本発明の第二の吸収性物品1Bとしてのパンツ型使い捨ておむつにおいては、立体ギャザー26の外側に別途第二の立体ギャザーを配置しても良い。このように構成することにより、より横漏れしにくくすることができる。
本発明の第二の吸収性物品1Bとしてのパンツ型使い捨ておむつにおいては、パンツ型使い捨ておむつを着用後にウエスト開口部腹側を少しあければ、液透過性シートと撥水性シートの間にできた空間に容易に陰茎のみを収容できるので、着用者自身でも、或いは介護者でも対応しやすいものとなる。
その他の構成および効果については、上述の本発明の第一の吸収性物品1Aとしての尿パッドと共通するので説明は省略する。
本発明の吸収性物品は、男性用の吸収性物品として利用することができる。
1A,1B:吸収性物品、2:前端部、2a,2b:側縁、4:中央部、6:後端部、6a,6b:側縁、18:トップシート、20:バックシート、22:吸収体、26:立体ギャザー、36:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、50:撥水性シート、50A:撥水性シート前端部、50B:撥水性シート後端部、52:接合部、54:陰茎挿入部、60:肉薄部、E1:前端、E2:後端、L:吸収性物品の幅方向中心線上において、吸収体の前端と撥水性シートの前端との距離。
Claims (6)
- 吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートを備え、前記吸収体の長手方向両側に沿って少なくとも一対の立体ギャザーを配置した吸収性物品であって、前記吸収性物品の前端側の領域に前記一対の立体ギャザーの先端部を連結する撥水性シートが配置されている吸収性物品。
- 前記撥水性シートの後端はトップシートに接合されていない請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記撥水性シートの前端部の少なくとも幅方向中央部は吸収体の長手方向前端部から3cm以上離れた位置に配置されている請求項1または2に記載の吸収性物品。
- 前記撥水性シートの前端部には、幅方向中央部に凹部が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体の長手方向中央部に肉薄部が配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記肉薄部の形状は前端部側が広く、後端部側に向かって狭くなっている請求項5に記載の吸収性物品。
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JP2017113133A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 絹江 四十万 | 尿漏れ防止パッド |
JP2020073076A (ja) * | 2020-02-05 | 2020-05-14 | ひろ子 進藤 | 尿取りパッド |
JP2020191996A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 株式会社リブドゥコーポレーション | 吸収性物品 |
-
2009
- 2009-01-26 JP JP2009014109A patent/JP2010167177A/ja not_active Withdrawn
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