JP2010165751A - 薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比して薄膜太陽電池の製造コストを抑えるとともに、中間層の下に形成される光電変換層の光電変換効率の低下を引き起こさない薄膜太陽電池の製造方法を得ること。
【解決手段】絶縁透光性基板2上に、表面電極層11と、シリコンを含む半導体材料からなるp型半導体層131、i型半導体層132およびn型半導体層133を順に積層した第1の光電変換層13と、n型の微結晶シリコンとアモルファスシリコンとが混在する複合層14Aと、を順に形成し、酸素ガスを含むプラズマを複合層14Aに照射して、微結晶シリコンとアモルファス酸化シリコンとが混在する中間層14を形成した後、中間層14上に、第1の光電変換層13よりもバンドギャップの小さいシリコンを含む半導体材料からなるp型半導体層151、i型半導体層152およびn型半導体層153を順に積層した第2の光電変換層15と、裏面電極層16と、を形成する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、バンドギャップの異なる光電変換層を複数段含む積層構造を有する薄膜太陽電池の製造方法に関するものである。
近年、太陽電池の低コスト化に向け、薄膜系の太陽電池の開発が行なわれている。中でも薄膜シリコン太陽電池は資源面での問題がなく、材料の環境に及ぼす影響が小さいことから、精力的に開発が行なわれている。一般的に薄膜シリコン太陽電池の光電変換効率は、多結晶シリコン太陽電池の光電変換効率より低いために、薄膜シリコン太陽電池の効率改善が課題となっている。
薄膜シリコン太陽電池の効率改善のためには、2種類以上の太陽電池を直列に多接合することが有効であり、アモルファスシリコン(以下、a−Siと表記する)セルと微結晶シリコン(以下、μc−Siと表記する)セル、a−SiセルとアモルファスSiGe(以下、a−SiGeと表記する)などを直列接合した多接合型薄膜シリコン太陽電池が開発されている。
また、これらの多接合型薄膜シリコン太陽電池のさらなる効率改善にむけ、透光性絶縁基板上に積層して形成された第1の光電変換層と第2の光電変換層の間に、光を反射させて第1の光電変換層の発電電流を増大させ、光電変換効率を高める効果のある中間層を設ける構造の多接合型薄膜シリコン太陽電池の開発も行なわれている。この中間層としては、透明導電膜が用いられており、従来ではZnO系の膜が用いられていたが、近年ではSiOx系の透明導電膜が用いられるようになってきている(たとえば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2に記載の薄膜太陽電池で用いられる中間層としてのSiOx膜は、シリコンと酸素のアモルファス合金母相中に分散したシリコン結晶相を含んだシリコン複合相の形態をとっている。そして、このSiOx膜は、膜厚方向には太陽電池の動作を妨げない程度の電気伝導度を有するが、膜面内方向の電気伝導度は極めて小さく、集積型の薄膜太陽電池をモジュール化した場合に、膜面内方向に流れる電流による効率の低下を抑制できるという特徴を有している。
特許第4063735号公報 特許第4025744号公報
上述した特許文献1に記載の薄膜太陽電池の製造方法では、中間層であるSiOx膜はCO2/SiH4ガスを用いたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法で成膜されているが、CO2によって光電変換層が汚染されてしまう。このCO2の汚染による光電変換層の特性劣化を防ぐためには、第1および第2の光電変換層を構成する膜を成膜するためのプラズマCVD装置とは別に、SiOx膜を成膜するためのプラズマCVD装置が別途必要となり、装置コストが高くなってしまうという問題点があった。
また、特許文献2に記載の薄膜太陽電池の製造方法では、プラズマCVD法で第1の光電変換層のn層であるSiOx膜を形成した後、大気中で暴露することによって、SiOx膜を形成している。しかし、第1の光電変換層のn層にSiOx膜を用いる場合には、通常用いられるa−Siやμc−Siのn層を用いた場合と比較して、n層の抵抗が大きくなるため、太陽電池として動作させた際の動作点での電流が小さくなり光電変換効率の低下を引き起こしてしまうという問題点があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、pin接合を有する光電変換層が複数積層され、少なくとも1層のSiOx膜からなる中間層が光電変換層間に挿入された薄膜太陽電池の製造方法において、従来に比して薄膜太陽電池の製造コストを抑えるとともに、中間層の下に形成される光電変換層の光電変換効率の低下を引き起こさない薄膜太陽電池の製造方法を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる薄膜太陽電池の製造方法は、透光性の基板上に、透明導電性材料からなる第1の電極層を形成する第1の工程と、前記第1の電極層上に、シリコンを含む半導体材料からなる第1の導電型の半導体層、真性半導体層および第2の導電型の半導体層を順に積層した第1の光電変換層を形成する第2の工程と、前記第2の導電型の半導体層上に、第2の導電型の微結晶シリコンとアモルファスシリコンとが混在する複合層を形成する第3の工程と、酸素ガスを含むプラズマを前記複合層に照射して、微結晶シリコンとアモルファス酸化シリコンとが混在する中間層を形成する第4の工程と、前記中間層上に、前記第1の光電変換層よりもバンドギャップの小さいシリコンを含む半導体材料からなる第1の導電型の半導体層、真性半導体層および第2の導電型の半導体層を順に積層した第2の光電変換層を形成する第5の工程と、前記第2の光電変換層上に導電性材料からなる第2の電極層を形成する第6の工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、複数の光電変換層と1層以上の中間層が積層された薄膜太陽電池の製造方法において、光電変換効率を改善するために設ける中間層を、第1の光電変換層の第2の半導体層の成膜後に、連続的に微結晶シリコンとアモルファスシリコンを含む複合膜を成膜する。その後、大気中で酸素を含むプラズマを照射してシリコンおよびシリコン酸化物からなる中間層を形成する。大気中で酸素プラズマ照射処理するので、中間層を成膜するための専用のプラズマCVD装置で中間層を成膜した場合と比較して、製造コストを低減することができるととともに、第1の光電変換層がCO2によって汚染される虞がない。また、第1の光電変換層の第2の導電型の半導体層はa−Siやμc−Siのn層などの半導体を用いたので、製造された薄膜太陽電池の光電変換効率は、第2の導電型の半導体層にシリコン酸化物を用いた場合に比較して向上させることができるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる薄膜太陽電池の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる薄膜太陽電池の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。
最初に、この実施の形態によって製造される薄膜太陽電池の構成の概要について説明する。図1は、一般的な薄膜太陽電池の構成の一例を模式的に示す一部断面図である。薄膜太陽電池1は、絶縁透光性基板2上に、表面電極層11、第1の光電変換層13、中間層14、第2の光電変換層15、および裏面電極層16が順に積層された光電変換素子によって形成される。第1の光電変換層13と第2の光電変換層15は中間層14を介して直列に接続された構成となっている。この薄膜太陽電池1において、光入射側の面、この例では絶縁透光性基板2側の面を表面といい、表面とは反対側の面、この例では裏面電極層16が形成される側の面を裏面という。
絶縁透光性基板2は、高光透過率のガラス基板やポリイミドなどの透光性の有機フィルム材料などからなる。また、表面電極層11は、SnO2、またはAl,GaもしくはBがドープされたZnO、あるいはこれらの積層膜などの透明導電性酸化物材料によって構成される。
第1の光電変換層13は、p型半導体層131、i型半導体層132、n型半導体層133が順に積層されたpin構造を有する半導体層によって構成される。また、第2の光電変換層15は、p型半導体層151、i型半導体層152、n型半導体層153が順に積層されたpin構造を有し、第1の光電変換層13よりもバンドギャップの狭い半導体層によって構成される。
ここで、第1および第2の光電変換層13,15には、a−Si,μc−Si,a−SiGeなどのシリコンを含む半導体材料、またはこれらの半導体材料の混合物などを用いることができる。ただし、用いられる半導体材料は絶縁透光性基板2側から上に積層されるものほどバンドギャップが狭くなるように半導体材料を選択し、積層していく必要がある。ここでは、第1の光電変換層13のi型半導体層132はa−Siで形成され、第2の光電変換層15のi型半導体層152はμc−Siで形成される場合を示す。
中間層14は、n型の微結晶シリコン(μc−Si)とアモルファス酸化シリコンとからなる膜である。この中間層14は、第1の光電変換層13側から入射した光の一部を、第1の光電変換層13側に反射させるとともに、残りの光を後方の第2の光電変換層15側に透過させる。より具体的には、中間層14は、第1の光電変換層13側から入射した光のうち、第1の光電変換層13で吸収可能な波長範囲の光を第1の光電変換層13側に反射させ、その他の波長範囲の光を第2の光電変換層15側に透過させる機能を有することが望ましい。このような中間層14を設けることによって、第1の光電変換層13の実効的な膜厚を増加させることができる。また、この中間層14は、膜厚方向には太陽電池の動作を妨げない程度の電気伝導度を有し、膜面内方向には極めて小さい電気伝導度を有している。なお、以下では、第1の光電変換層13、中間層14および第2の光電変換層15からなる積層体を、光電変換積層体12という。
裏面電極層16は、導電率が高くかつ反射率の高い材料が望ましい。ここでは、第2の光電変換層15上に形成されるAl,GaまたはBがドープされたZnOなどの裏面透明導電性膜161と、Ag,Al、もしくはAg上にAlを積層した膜、またはAgもしくはAl上にTiもしくはTiNを積層した裏面導電性膜162との積層膜によって構成される場合を示している。なお、これは一例であり、裏面電極層16をAgやAlなどの金属膜一層のみで構成してもよい。この裏面電極層16は、光電変換積層体12で発電された光電流を収集するとともに、第2の光電変換層15で吸収され難い波長の光を第2の光電変換層15側に反射させる機能も有する。
なお、この例では、2層の光電変換層を積層した場合を説明しているが、積層される光電変換層は3層以上の多層であってもよい。ただし、この場合には、上述したように絶縁透光性基板2から上に向かうにつれてバンドギャップが狭くなる半導体材料が選択される。また、この例では、各光電変換層は、絶縁透光性基板2側から、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層が順に積層された構造を有するが、絶縁透光性基板2側から、n型半導体層、i型半導体層およびp型半導体層が順に積層された構造のものであってもよい。
ここで、このような構造の薄膜太陽電池1における動作の概略について説明する。絶縁透光性基板2側(光電変換積層体12が形成されていない方の面)から太陽光が入射すると、第1と第2の光電変換層13,15のi型半導体層132,152で自由キャリアが生成される。生成された自由キャリアは、第1と第2の光電変換層13,15のp型半導体層131,151とn型半導体層133,153によって形成される内蔵電界によって、電子は裏面電極層16側に輸送され、ホールは表面電極層11側に輸送され、電流が発生する。そして、表面電極層11と裏面電極層16に接続された端子から電流が外部に取り出される。
つぎに、上記した構造を有する薄膜太陽電池1の製造方法について説明する。図2−1〜図2−5は、この発明の実施の形態による薄膜太陽電池の製造方法の一例を模式的に示す断面図であり、図3は、複合層にプラズマ処理を施して中間層を形成する状態を模式的に示す図である。
まず、図2−1に示されるように、ガラス基板などの絶縁透光性基板2上にCVD法やスパッタ法などの成膜法で透明導電性材料からなる表面電極層11を形成する。この表面電極層11は、SnO2、またはAl,GaもしくはBがドープされたZnO、あるいはこれらの積層膜によって形成され、膜厚はたとえば0.3〜2μmである。
ついで、図2−2に示されるように、表面電極層11上にプラズマCVD法を用いて第1の光電変換層13を形成する。具体的には、まず、プラズマCVD法によって、たとえばSiH4ガスとH2ガスとB26ガスを成膜室内に導入し、アモルファスのシリコン膜が堆積する条件下で、p型半導体層131を表面電極層11上の全面に形成する。ここで、B26ガスは、半導体層をp型化するドーパント材料であるBを膜中に供給するための原料ガスである。ついで、プラズマCVD法によって、成膜室内にたとえばSiH4ガスとH2ガスを導入し、アモルファスのシリコン膜が堆積する条件下で、i型半導体層132をp型半導体層131上の全面に形成する。このとき、i型半導体層132は、真性半導体である必要があるためにドーピングガスの導入を行わない。
さらに、i型半導体層132上に、プラズマCVD法によって、たとえばSiH4ガスとH2ガスとPH3ガスを成膜室内に導入し、微結晶のシリコン膜が堆積する条件下で、n型半導体層133をi型半導体層132上の全面に形成する。ここで、PH3ガスは、半導体層をn型化するドーパント材料であるPを膜中に供給するための原料ガスである。以上によって、第1の光電変換層13が形成される。なお、p型半導体層131、i型半導体層132およびn型半導体層133は、ドーピングガスであるB26ガスとPH3ガスの相互汚染を防止するために、通常、ガスが混在しないようにそれぞれ異なる独立した成膜室(CVD装置)で連続的に成膜される。
ついで、図2−3に示されるように、第1の光電変換層13のn型半導体層133上に、中間層14の基となるμc−Siとa−Siからなる微結晶−アモルファスシリコン複合層(以下、単に複合層という)14Aを、n型半導体層133と同じ成膜室内で形成する。この複合層14Aは、第1のn型半導体層133と同様に、たとえばSiH4ガスとH2ガスとPH3ガスを成膜室内に導入することによって形成される。この複合層14Aでは、導電性を確保するためにn型化する必要があるので、ドーパント材料であるPを膜中に供給するための原料ガスであるPH3ガスも導入されている。
この複合層14Aを形成するための材料ガスとドーパントガスは、第1の光電変換層13のn型半導体層133と同じであるために、n型半導体層133の成膜を行なう成膜室(CVD装置)と同一の成膜室(CVD装置)で連続的に成膜することが可能である。ただし、複合層14Aは、最終的に大気中プラズマ処理によって酸化させた後でも膜厚方向に良好な導電性を確保するために、n型半導体層133を形成する微結晶シリコン膜よりも結晶性を高くする。具体的には、ラマン散乱にて測定される作製した複合層14Aによる散乱スペクトル中のa−Siに起因する480cm-1の散乱ピークの強度Iaに対するμc−Siに起因する520cm-1の散乱ピークの強度Icの比(結晶化率)Ic/Iaを、n型半導体層133のIc/Ia=5よりも高いIc/Ia>8とする。
この結晶化率は、プラズマCVD装置への投入電力を変えたり、導入する原料ガスの比率を変えたりすることで変えることができる。たとえば、n型半導体層133の成膜時のプラズマCVD装置への投入電力をたとえば200Wとすると、複合層14Aの成膜時の投入電力をより高い500Wで成膜することで、上記の結晶化率Ic/Ia>8を有する複合層14Aを形成することができる。また、n型半導体層133の成膜時に、原料ガスの流量比H2/SiH4で50倍以下となるようにH2を導入している場合には、複合層14Aの成膜時に導入するH2ガスは、原料ガスの流量比H2/SiH4が80倍以上となるようにH2ガスを導入することで、上記の結晶化率Ic/Ia>8を有する複合層14Aを形成することができる。
その後、図2−4に示されるように、複合層14Aを大気中プラズマ処理によって酸化し、n型の微結晶シリコンとアモルファス酸化シリコンとを含む中間層14を形成する。図3は、複合層にプラズマ処理を施して中間層を形成する状態を模式的に示す図である。この図に示されるように、複合層14Aを形成した絶縁透光性基板2の上方に、絶縁透光性基板2と同じ幅を有し、酸素を含むガス41をプラズマ化して絶縁透光性基板2上に照射するプラズマ照射ノズル31が配置されている。このプラズマ照射ノズル31に導入されるガス41としては、酸素、酸素とアルゴンの混合ガスまたは酸素と窒素の混合ガスを用いることができる。
プラズマ照射ノズル31を、絶縁透光性基板2上の右端上方に配置した後、プラズマ照射ノズル31からストライプ状の酸素を含むプラズマ42を複合層14Aに照射する。そして、このプラズマ42が絶縁透光性基板2(複合層14A)上の全面に照射されるように、プラズマ照射ノズル31または絶縁透光性基板2を紙面の左右方向に直線的に移動させる。これによって、プラズマ42が照射された領域では、複合層14Aの酸化が行われる。このとき、複合層14Aは、上述したようにa−Siとμc−Siとが混在した状態にあるので、プラズマ42が照射されると、熱力学的にμc−Siよりも不安定なa−Siの方が先に酸化され、アモルファス酸化シリコンが形成される。その結果、中間層14は、アモルファス酸化シリコンとμc−Siとからなる。ここで、プラズマ照射ノズル31は、絶縁透光性基板2と同じ幅を有する必要はなく、絶縁透光性基板2の上面全面をスキャンすることが可能な構成であればよい。
なお、使用するガス41のガス種および混合ガス比によってプラズマ照射条件が異なるが、ここでは、ガス41として酸素ガスを供給しプラズマ照射を行なう場合についての具体例を説明する。また、処理する複合層14Aのサイズによっても条件が異なるので、この例では幅30cm×長さ40cmの絶縁透光性基板2全面に膜が成膜されている場合で、長さ方向にプラズマ42がスキャンされて複合層14Aの酸化処理がなされるものとする。
たとえば、絶縁透光性基板2上に透明導電性膜(表面電極層11)、第1の光電変換層13のp型アモルファスシリコン膜(p型半導体層131)、i型アモルファスシリコン(i型半導体層132)、n型微結晶シリコン膜(n型半導体層133)および複合層14A(n型微結晶シリコン膜)が順に、1μm、15nm、300nm、10nmおよび50nmの厚さでそれぞれ形成されているものとする。また、プラズマ42の材料となる酸素ガスの流量を100NL/minとし、酸素ガスをプラズマ化するための高周波電力を1kWとし、絶縁透光性基板2の移動速度を5mm/secとする。この条件で照射することで、複合層14Aが酸化され、アモルファス酸化シリコンと微結晶シリコンからなる中間層14が形成される。なお、高周波電力またはスキャンスピードを変化させることで、所望の厚さの複合層14Aから中間層14を形成することができる。たとえば、複合層14Aの膜厚が厚い場合には、高周波電力を高くするかまたはスキャンスピードを遅くすればよい。
このように、複合層14Aの成膜時には、アモルファスシリコン膜と微結晶シリコン膜が混在した膜を形成するので、CO2ガスが使用されない。したがって、複合層14Aと同一の成膜室で成膜される第1の光電変換層13の第2の導電型の半導体層113がCO2によって汚染されることがなく、第1の光電変換層13を劣化させる虞がない。
以上のようにして中間層14を形成した後、図2−5に示されるように、中間層14上にプラズマCVD法を用いて、第1の光電変換層13よりもバンドギャップの小さい半導体材料からなる第2の光電変換層15を形成する。具体的には、まず、プラズマCVD法によって、たとえばSiH4ガスとH2ガスとB26ガスを成膜室内に導入し、微結晶のシリコン膜が堆積する条件下で、p型半導体層151を中間層14上の全面に形成する。ここで、B26ガスは、半導体層をp型化するドーパント材料であるBを膜中に供給するための原料ガスである。ついで、プラズマCVD法によって、成膜室内にたとえばSiH4ガスとH2ガスを導入し、微結晶のシリコン膜が堆積する条件下で、i型半導体層152をp型半導体層151上の全面に形成する。このとき、i型半導体層152は、真性半導体である必要があるためにドーピングガスの導入を行わない。
さらに、i型半導体層152上に、プラズマCVD法によって、たとえばSiH4ガスとH2ガスとPH3ガスを成膜室内に導入し、微結晶のシリコン膜が堆積する条件下で、n型半導体層153をi型半導体層152上の全面に形成する。ここで、PH3ガスは、半導体層をn型化するドーパント材料であるPを膜中に供給するための原料ガスである。以上によって、第2の光電変換層15が形成される。なお、p型半導体層151、i型半導体層152およびn型半導体層153は、ドーピングガスであるB26ガスとPH3ガスの相互汚染を防止するために、通常、ガスが混在しないようにそれぞれ異なる独立した成膜室(CVD装置)で連続的に成膜される。
そして、第2の光電変換層15のn型半導体層153上に裏面電極層16を形成する。具体的には、たとえばAl,GaまたはBがドープされたZnOなどの裏面透明導電性膜161をスパッタ法などの成膜法で形成した後、Ag,Al、もしくはAg上にAlを積層した膜、またはAgもしくはAl上にTiもしくはTiNを積層した裏面導電性膜162をスパッタ法などの成膜法で成膜する。これによって、裏面透明導電性膜161と裏面導電性膜162とからなる裏面電極層16が形成される。以上によって、図1に示される構造の薄膜太陽電池1が製造される。
この実施の形態によれば、第1の光電変換層13のn型微結晶シリコン膜からなるn型半導体層133を形成した後、続けて同じ環境下でn型半導体層133よりも結晶化率の高いn型微結晶シリコン膜とn型アモルファスシリコン膜とが混合した複合層14AをCO2ガスを使用せずに形成し、酸素を含むプラズマによってプラズマ処理を複合層14Aに施すことによって、アモルファス酸化シリコンと微結晶シリコンからなる中間層14を形成するようにしたので、中間層14の形成時に第1の光電変換層13の第2の導電型の半導体層133である下地のn型微結晶シリコン膜がCO2で汚染される問題を防ぐことができる。
また、この汚染を防ぐために中間層14を第1の光電変換層13のn型半導体層133と別のプラズマCVD装置で、成膜する方法も考えられるが、高価な大型のCVD装置が必要であり、製造コストが上昇してしまうが、この実施の形態で示した方法によれば、大気中で複合層14Aをプラズマ処理するという比較的簡単な手法で処理できるため、CVD法で中間層14を成膜する場合と比較すると、製造コストを低く抑えることができる。さらに、第1の光電変換層13のn型半導体層133に、n型のμc−Si膜などの半導体を用いたので、製造された薄膜太陽電池1の光電変換効率は、n型半導体層133にシリコン酸化物を用いた場合に比較して向上させることができるという効果も有する。
以上のように、この発明にかかる薄膜太陽電池の製造方法は、複数の光電変換層が中間層を介して積層された多接合型の薄膜太陽電池に有用である。
一般的な薄膜太陽電池の構成の一例を模式的に示す一部断面図である。 この発明の実施の形態による薄膜太陽電池の製造方法の一例を模式的に示す断面図である(その1)。 この発明の実施の形態による薄膜太陽電池の製造方法の一例を模式的に示す断面図である(その2)。 この発明の実施の形態による薄膜太陽電池の製造方法の一例を模式的に示す断面図である(その3)。 この発明の実施の形態による薄膜太陽電池の製造方法の一例を模式的に示す断面図である(その4)。 この発明の実施の形態による薄膜太陽電池の製造方法の一例を模式的に示す断面図である(その5)。 複合層にプラズマ処理を施して中間層を形成する状態を模式的に示す図である。
1 薄膜太陽電池
2 絶縁透光性基板
11 表面電極層
12 光電変換積層体
13 第1の光電変換層
14 中間層
14A 複合層
15 第2の光電変換層
16 裏面電極層
31 プラズマ照射ノズル
41 ガス
42 プラズマ
131,151 p型半導体層
132,152 i型半導体層
133,153 n型半導体層
161 裏面透明導電性膜
162 裏面導電性膜

Claims (5)

  1. 透光性の基板上に、透明導電性材料からなる第1の電極層を形成する第1の工程と、
    前記第1の電極層上に、シリコンを含む半導体材料からなる第1の導電型の半導体層、真性半導体層および第2の導電型の半導体層を順に積層した第1の光電変換層を形成する第2の工程と、
    前記第2の導電型の半導体層上に、第2の導電型の微結晶シリコンとアモルファスシリコンとが混在する複合層を形成する第3の工程と、
    大気中で酸素ガスを含むプラズマを前記複合層に照射して、微結晶シリコンとアモルファス酸化シリコンとが混在する中間層を形成する第4の工程と、
    前記中間層上に、前記第1の光電変換層よりもバンドギャップの小さいシリコンを含む半導体材料からなる第1の導電型の半導体層、真性半導体層および第2の導電型の半導体層を順に積層した第2の光電変換層を形成する第5の工程と、
    前記第2の光電変換層上に導電性材料からなる第2の電極層を形成する第6の工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記第2の工程で、前記第1の光電変換層の前記第2の導電型の半導体層は、微結晶シリコン膜によって形成され、
    前記第3の工程で、前記複合層の結晶性は、前記第2の導電型の半導体層の結晶性よりも高くなるように、前記複合層が形成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 前記結晶性は、ラマン散乱において、膜中に含まれるアモルファスシリコンに起因する散乱ピークに対する微結晶シリコンに起因する散乱ピークの比率によって規定されることを特徴とする請求項2に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  4. 前記第2の工程での前記第1の導電型の半導体層、前記真性半導体層および前記第2の導電型の半導体層の形成は、プラズマCVD法によって、それぞれ異なる成膜室で行われ、
    前記第3の工程での前記中間層の形成は、プラズマCVD法によって前記第2の導電型の半導体層が形成された成膜室と同じ成膜室で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 前記第5の工程の後で前記第6の工程の前に、前記第3〜第5の工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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