JP2010034411A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微結晶シリコンセルを有する薄膜太陽電池において、下地となる導電型膜の影響を受けずに所望の面の配向性が高いi層膜を成長させることができ、しかも微結晶シリコンセルの直列抵抗成分を増大させないようにすることができる薄膜太陽電池を得ること。
【解決手段】絶縁透光性基板10上に、p型微結晶シリコン膜からなるp層膜13、i型微結晶シリコン膜からなるi層膜14およびn型微結晶シリコン膜からなるn層膜15が順に積層されてなる光電変換層12を少なくとも1層含む薄膜太陽電池において、i層膜14は、第1の結晶化率を有するi層膜バルク部142と、第1の結晶化率に比して低い第2の結晶化率を有し、p層膜13側の界面に形成されるp/i界面バッファ層141と、を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、薄膜太陽電池およびその製造方法に関するものである。
従来から薄膜太陽電池では、太陽光スペクトルを幅広く有効利用すべく、バンドギャップの異なる材料からなる複数の光電気変換層(半導体層)を絶縁透光性基板上に積層したタンデム構造が採られている。特に、シリコン系の薄膜太陽電池の場合には、半導体層としてアモルファスシリコンセルと微結晶シリコンセルを積層した構造を採ることが多い。各セルは、内蔵電界を形成するためのp層膜、発電層を形成するためのi層膜、および内蔵電界を形成するためのn層膜が3層重ねて成膜されたp/i/n型構造を有する。
微結晶シリコンセルの場合、i層膜としては、結晶化率が低く、欠陥の少ない膜質が要求される一方、p層膜とn層膜としては、高い内蔵電界を生成させるために、より高い電気伝導率が求められる。このため、p層膜、n層膜は、1)結晶化率が高く、2)不純物(ボロン、リンなど)が多量にドープされた、欠陥の多い膜質となっている。一般に、微結晶シリコン膜は化学気相成長法(CVD法)で成膜されるため、成長過程において下地層の膜質の影響を受け易い。薄膜太陽電池セルを作製する際、i層膜はその構造上、p層膜上またはn層膜上に成長させるため、上述の1),2)のようなp層膜またはn層膜の膜質の影響を受けて、i層膜は欠陥の多い膜として成長することが懸念される。また、形成されたi層膜の上にn層膜またはp層膜を成膜するので、この際にn層膜またはp層膜に導入される不純物(リン、ボロンなど)がi層膜中に拡散することも懸念される。
そこで、従来の微結晶シリコンを用いた薄膜太陽電池セルでは、p/i/n型構造において、i層膜の下地となるp層膜またはn層膜とi層膜との界面にアモルファスシリコン層を形成することによって、i層膜成長過程での結晶核の発生抑制を図り、結晶粒界および粒内欠陥を減らすようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平10−294482号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、i層膜の下地となる導電型層とi層膜との界面に、電気伝導率が微結晶シリコン膜に比べて3〜4桁低いアモルファスシリコン薄膜を形成しているので、微結晶シリコンセルの直列抵抗成分を増大させていた。このため、曲線因子が劣化し、発電効率が低下してしまうという問題点があった。
また、アモルファス膜の上にCVD法で微結晶シリコン膜を成長させた場合には、通常、粒界欠陥の多い(111)配向した結晶成分のみ強く成長し、発電に寄与する(220)配向した結晶成分は激減してしまうという問題点もあった。加えて、i層膜上にn層膜を直接成膜する場合には、成膜プロセス中にドープ材のリンがi層膜中に拡散し、リーク電流パスを形成して、発電効率が低下するという問題点もあった。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、微結晶シリコンセルを有する薄膜太陽電池において、下地となる導電型膜の影響を受けずに所望の面の配向性が高いi層膜を成長させることができ、しかも微結晶シリコンセルの直列抵抗成分を増大させないようにすることができる薄膜太陽電池およびその製造方法を得ることを目的とする。
また、この発明は、i層膜上に導電型膜を形成する際に、不純物元素がi層膜中に拡散してリーク電流パスの形成を抑制することができる薄膜太陽電池およびその製造方法を得ることも目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる薄膜太陽電池は、基板上に、第1の導電型の微結晶シリコン膜、真性の微結晶シリコン膜および第2の導電型の微結晶シリコン膜が順に積層されてなる光電変換層を少なくとも1層含む薄膜太陽電池において、前記真性の微結晶シリコン膜は、第1の結晶化率を有するバルク層と、前記第1の結晶化率に比して低い第2の結晶化率を有し、前記第1の導電型の微結晶シリコン膜側の界面に形成される第1のバッファ層と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、下地の導電型膜上に、導電型膜からの影響を抑えるとともに、結晶化率を0.3〜0.7にした界面バッファ層を設けたので、アモルファスシリコン層がないために、微結晶シリコンセルの直列抵抗成分を増大させることなく、界面バッファ層上に形成されるi層膜は、粒界欠陥の多い(111)配向した結晶成分を抑え、発電に寄与する(220)配向した結晶成分の比率を多くすることができるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる薄膜太陽電池およびその製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる太陽電池の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による薄膜太陽電池の微結晶シリコンセルの構成の一例を示す断面図である。この薄膜太陽電池は、絶縁透光性基板10上に、表面電極層11、光電変換層12、裏面電極層16が順に積層された構造を有している。
絶縁透光性基板10は、薄膜太陽電池が光電変換を行うことが可能な波長範囲を含む光を透過することが可能な絶縁性の材料からなる。微結晶シリコンセルを薄膜太陽電池として使用する場合には、ガラス材料や樹脂基板などを用いることができる。
表面電極層11は、薄膜太陽電池が光電変換を行うことが可能な波長範囲を含む光を透過することが可能な導電性の材料からなり、光電変換層12で発電された光電流を収集する機能を有する。たとえば、酸化スズや酸化亜鉛、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電性材料を用いることができる。
また、裏面電極層16は、光電変換層12を透過した光を再び光電変換層12側に反射させる導電性の材料からなり、光電変換層12で発電された光電流を収集する機能を有する。ここでは、裏面電極層16として、Al,Ag,Au,Cu,Pt,Crなどから選ばれる少なくとも1つの導電性材料や、または酸化亜鉛、ITO、二酸化錫などの透明導電性材料とAl,Ag,Au,Cu,Pt,Crなどから選ばれる少なくとも1つの導電性材料との積層体などを用いることができる。
光電変換層12は、絶縁透光性基板10側から入射してきた光を電気に変換する機能を有し、p型半導体層膜(以下、p層膜という)13、i型半導体層膜(以下、i層膜という)14、n型半導体層膜(以下、n層膜という)15を有する。
p層膜13は、薄膜半導体層からなり、作製される微結晶シリコンセルの直列抵抗成分を低く抑えるために電気伝導率がより高い膜質が要求されるため、ボロンなどのp型不純物が高濃度にドーピングされた微結晶シリコン膜からなる。また、ラマン散乱によって得られるp層膜13による散乱スペクトル中の480cm-1のアモルファスシリコンピークの強度I480に対する520cm-1の結晶シリコンピークの強度I520の比をシリコン薄膜の結晶化率と定義したときに、このp層膜13の結晶化率I520/I480は、8〜10の範囲にある微結晶シリコン膜によって構成される。さらに、p層膜13は、膜中欠陥の多い(111)配向の微結晶膜である。このp層膜13の膜厚は、たとえば約20nmとすることができる。
i層膜14は、下層のp層膜13の影響を除去する役割を果たすp/i界面バッファ層141と、発電層として機能するi層膜バルク部142と、からなる。このi層膜14の全体の膜厚は、たとえば約2,000nmとすることができる。
p/i界面バッファ層141は、膜中欠陥の多い(111)配向の微結晶膜であるp層膜13の影響を、i層膜バルク部142の形成時に与えないようにp層膜13とi層膜バルク部142との間に形成されるバッファ層である。このp/i界面バッファ層141の結晶化率I520/I480は、i層膜バルク部142の結晶化率I520/I480の0.3〜0.7倍となるように形成される。このようにすることで、下地のp層膜13からのp型不純物のi層膜バルク部142への拡散を抑制することができる。また、このp/i界面バッファ層141の厚さは、下地の結晶性の影響を阻害するという観点から、50nm以上とすることが効果的であり、また直列抵抗成分に影響を与えないようにするという観点から、100nm以下にすることが効果的である。
i層膜バルク部142は、薄膜半導体層からなり、ここでは不純物がほとんどドーピングされていない(真性の)微結晶シリコン膜からなる。また、発電に寄与する(220)面が基板面に平行に配向するようにi層膜バルク部142が形成される。このi層膜バルク部142の(220)配向成分の比率としては、このi層膜バルク部142のX線回折法によって得られる(111)面のピーク面積に対する(220)面のピーク面積の比が5以上であることが望ましい。
n層膜15は、薄膜半導体層からなり、p層膜13と同様に、作製される微結晶シリコンセルの直列抵抗成分を低く抑えるために電気伝導率がより高い膜質が要求されるため、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされた微結晶シリコン膜からなる。また、n層膜15の結晶化率I520/I480は、8〜10の範囲にあり、膜中欠陥の多い(111)配向の微結晶シリコン膜によって構成される。
なお、この図では、表面電極層11と裏面電極層16との間には、p/i/n構造が1つしか形成されていないが、バンドギャップの異なる2つ以上のp/i/n構造を形成してもよい。
ここで、このような構造の薄膜太陽電池における動作の概略について説明する。絶縁透光性基板10の裏面(微結晶シリコンセルが形成されていない方の面)から太陽光が入射すると、光電変換層12のi層膜バルク部142で自由キャリアが生成される。i層膜バルク部142の上下に形成されたp層膜13とn層膜15の内蔵電界によって、i層膜14で生成された電子はn層膜15へと移動し、i層膜14で生成されたホールはp層膜13へと移動し、光電流が発生する。そして、この光電流は、表面電極層11と裏面電極層16で収集され、外部回路に電流が取り出される。
つぎに、この薄膜太陽電池の製造方法について説明する。図2−1〜図2−6は、この実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である。ここでは、絶縁透光性基板10として平板状のガラス基板を用いるものとする(図2−1)。この絶縁透光性基板10上に、透明導電性材料からなる表面電極層11をCVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法などの成膜法によって形成し(図2−2)、ついでCVD法などの成膜法によってボロンを高濃度に含む微結晶シリコン膜からなるp層膜13を形成する(図2−3)。このp層膜13は、膜中欠陥が多い(111)配向の微結晶シリコン膜であり、また、結晶化率I520/I480は、8〜10の範囲にある。
ついで、p層膜13上にi層膜14のp/i界面バッファ層141をCVD法などの成膜法によって形成する(図2−4)。このp/i界面バッファ層141は、i層膜14の成膜初期段階で形成される層であり、後に形成されるi層膜バルク部142と比べて、結晶化率(I520/I480)が0.3〜0.7倍となる膜が形成されるプロセス条件で形成される。たとえば、シランガス(SiH4)を原料に用いたプラズマCVD法で、i層膜14を成膜する場合には、(A)成膜時のRFパワーをi層膜バルク部142形成時の0.7〜0.9倍に低下させる、および/または(B)シランガスの供給量をi層膜バルク部142形成時の1.2〜1.5倍に増加させる、というようなプロセス条件を適用する。また、上記したように、p/i界面バッファ層141の膜厚は50nm以上100nm以下であることが望ましいので、p/i界面バッファ層141の成膜時間をi層膜バルク部142の0.03〜0.05倍、またはi層膜14の0.05〜0.1倍にすることが望ましい。
続けて、プロセス条件を変更してp/i界面バッファ層141上にi層膜バルク部142を形成する(図2−5)。このとき、結晶化率(I520/I480)がi層膜バルク部142の0.3〜0.7倍となるp/i界面バッファ層141が存在するために、下地の(111)配向したp型の微結晶シリコン膜(p層膜13)の影響を受け難くなっている。つまり、結晶化率が高く、かつ欠陥の多いp層膜13からの影響が、i層膜バルク部142の成膜時には緩和され、i層膜14の成膜において、欠陥が比較的多いとされる(111)配向したシリコン結晶粒の成長が抑制され、(220)配向したシリコン結晶粒の成長が増加する。その結果、欠陥が少なく、発電に寄与する(220)配向したシリコン結晶粒が従来に比して多く配向した微結晶シリコン薄膜からなるi層膜バルク部142が得られる。
その後、n層膜15をCVD法などの成膜法によって形成し(図2−6)、さらに裏面電極層16を形成することによって、図1に示される薄膜太陽電池が得られる。
つぎに、この実施の形態1の方法で製造した薄膜太陽電池の効果について説明する。なお、ここでは、比較のために、上記した特許文献1に記載されたp層膜とi層膜との間にアモルファス膜を形成した薄膜太陽電池、具体的には、p型微結晶シリコン膜、p型アモルファスシリコン膜、i型微結晶シリコン膜を表面電極層上に順に形成した薄膜太陽電池を比較例として用いた。
まず、i層膜14のp/i界面バッファ層141の形成時のプロセス条件の違いによるi層膜14の状態について説明する。上記の(A),(B)のプロセス条件でi層膜14のp/i界面バッファ層141を形成した後、i層膜バルク部142を同じ膜厚となるように形成し、それぞれのi層膜バルク部142の膜の状態についてX線回折法(以下、XRDという)で計測した。また、i層膜を上記試料と同じ膜厚となるように形成した比較例についても計測した。
図3−1は、プラズマCVD法で成膜時のRFパワーをi層膜バルク部形成時の0.7〜0.9倍に低下させて形成したp/i界面バッファ層上に形成されたi層膜と比較例のXRDパターンを示す図であり、図3−2は、シランガスの供給量をi層膜バルク部形成時の1.2〜1.5倍に増加させて形成したp/i界面バッファ層上に形成されたi層膜と比較例のXRDパターンを示す図である。
図3−1に示されるように、比較例のXRDパターン201には、シリコンの(111)面と(220)面による回折ピークが含まれている。これに対して、上記の条件(A)成膜時のRFパワーをi層膜バルク部142形成時の0.7〜0.9倍に低下させて形成したp/i界面バッファ層141上にi層膜バルク部142を形成したXRDパターン101では、シリコンの(111)面による回折ピークは比較例に比して大きく減少し、代わって(220)面による回折ピークが大きくなっている。つまり、欠陥の多い(111)配向の結晶成分が減少し、逆に欠陥の少ない(220)配向の結晶成分が大きく増加していることを示している。
また、図3−2に示されるように、上記の条件(B)シランガスの供給量をi層膜バルク部142形成時の1.2〜1.5倍に増加させて形成したp/i界面バッファ層141上にi層膜バルク部142を形成したXRDパターン102では、シリコンの(111)面による回折ピークが、比較例のXRDパターン201に比して減少している。つまり、欠陥の多い(111)配向の結晶成分が比較例に比して減少していることを示している。
つぎに、この実施の形態1による薄膜太陽電池の電圧−電流特性について説明する。図4は、薄膜太陽電池の実施の形態1と比較例による電圧−電流特性を示す図である。図4中の曲線202は、比較例の薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示しており、曲線103は、この実施の形態1の上記(A)と(B)のプロセス条件を同時に適用して作製した薄膜太陽電池セル(微結晶シリコンセル)の電圧−電流特性を示している。この実施の形態1による薄膜太陽電池セルでは、比較例の薄膜太陽電池セルと比較して、発電電流密度Jsc(電圧0Vでの電流密度)、開放電圧Voc(電流0での電圧)ともに増加している。このことから、実施の形態1によるi層膜14の成膜プロセスとセル構成が有効であることが分かる。また、p/i界面バッファ層141はi層膜バルク部142の0.03〜0.05倍の成膜時間で成膜しているが、電気特性の劣化要因(直列抵抗成分の増加)を生じさせている兆候は見られない。
最後に、プラズマCVD法でp/i界面バッファ層141を形成する際の最適なRFパワーの範囲について説明する。図5は、p/i界面バッファ層をプラズマCVD法で形成する際のRFパワーと薄膜太陽電池セルの発電効率の関係を示す図である。この図5において、横軸はi層膜バルク部142を形成するプラズマCVD法によるRFパワー条件の倍数を表しており、1.0の場合がi層膜バルク部142の成膜条件に相当する。また、縦軸は従来の薄膜太陽電池セルの発電効率に対する倍数を表しており、1.0が比較例(従来)の薄膜太陽電池セルの発電効率に相当する。
この図5に示されるように、p/i界面バッファ層141形成時のRFパワーをi層膜バルク部142形成時の0.6倍よりも大きくし、1.0倍よりも小さくした場合、より望ましくは、p/i界面バッファ層141をi層膜バルク部142形成時の0.7〜0.9倍のRFパワーで成膜した場合に、発電効率は従来の薄膜太陽電池セルに比べて増大しており、最大で1.3倍になっているのが分かる。これにより、p/i界面バッファ層141を形成する場合には、i層膜バルク部142形成時のRFパワーの0.7〜0.9倍とすることが望ましい。
この実施の形態1によれば、下地のp層膜13を微結晶シリコン膜で形成し、さらにi層膜14を、下地のp層膜13上に形成する低結晶のp/i界面バッファ層141と、i層膜バルク部142と、に分けて形成するようにしたので、欠陥が多く(111)面配向した微結晶シリコン膜からなる下地のp層膜13の影響を受けずに、欠陥が少ない(220)面配向した結晶粒を従来例よりも多く含むi層膜バルク部142を成長させることができる。その結果、薄膜太陽電池セルの直列抵抗成分を増大させないので、曲線因子を劣化させることがなく、また、発電に寄与する(220)面配向した結晶粒を従来に比して多く含むので、発電効率を従来例に比して改善することができるという効果を有する。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2による薄膜太陽電池の微結晶シリコンセルの構成の一例を示す断面図である。この薄膜太陽電池は、i層膜14が、p/i界面バッファ層141、i層膜バルク部142、およびi/n界面バッファ層143の3層で構成されている点が実施の形態1と異なる部分である。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。
i層膜14のi/n界面バッファ層143は、i層の上面にn層膜15を形成中に、n層膜15にドーピングされるリンなどのn型不純物の拡散を抑制するために、i層膜バルク部142とn層膜15との間に形成されるバッファ層である。このi/n界面バッファ層143の結晶化率I520/I480は、n型不純物の拡散を抑制するために、i層膜バルク部142の結晶化率I520/I480の0.3〜0.7倍となるようにしている。これは、一般的にドーピングガス(PH3)は結晶化率が低い膜中には拡散しにくいとされているからである。また、このi/n界面バッファ層143の厚さは、上層に形成されるn層膜15からのリンの拡散を防止するという観点から、50nm以上とすることが効果的であり、また直列抵抗成分に影響を与えないようにするという観点から、100nm以下にすることが効果的である。
この実施の形態2による薄膜半導体装置の製造方法については、基本的に実施の形態1の図2−1〜図2−5で説明したものと同様であるが、図2−5の後に、i/n界面バッファ層143を形成する工程が入る点が異なる。以下に、その部分について説明する。
図7−1〜図7−2は、この実施の形態2による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である。まず、実施の形態1の図2−1〜図2−5で説明したように、ガラス基板などの絶縁透光性基板10の一方の主面上に、表面電極層11、p層膜13、p/i界面バッファ層141およびi層膜バルク部142を順に形成する。
ついで、i層膜バルク部142上にi/n界面バッファ層143を形成する(図7−1)。このi/n界面バッファ層143は、i層膜14の成膜終了段階で形成される層であり、i層膜バルク部142と比べて、結晶化率(I520/I480値)が0.3〜0.7倍と低くなるようなプロセス条件で形成される。たとえば、シランガスを原料に用いたプラズマCVD法でi層膜14を成膜する場合には、(C)成膜時のRFパワーをi層膜バルク部142形成時の0.6〜0.9倍に低下させる、および/または(D)シランガスの供給量をi層膜バルク部142形成時の1.2〜1.5倍に増加させる、というようなプロセス条件を適用する。また、上記したように、i/n界面バッファ層143の膜厚は50nm以上100nm以下であることが望ましいので、i/n界面バッファ層143の成膜時間をi層膜バルク部142の0.025〜0.05倍、またはi層膜14の0.05〜0.1倍にすることが望ましい。
その後、i/n界面バッファ層143上に、n層膜15をCVD法などの成膜法によって形成する(図7−2)。このとき、(C),(D)のプロセス条件を適用して、i層膜バルク部142とn層膜15との界面に結晶化率の低いi/n界面バッファ層143を設けているので、n層膜15を形成中に、i層膜14の表面に飛来するドーピングガスであるPH3起因のリンがi層膜バルク部142の中に拡散するのを抑制する。そして、n層膜15上に裏面電極層16を形成することによって、図6に示される薄膜太陽電池が得られる。
図8−1と図8−2は、この実施の形態2のi層膜をプラズマCVD法によって形成する場合のi層膜成膜中におけるRFパワーとシラン流量の設定例を模式的に示す図である。これらの図において、横軸は、i層膜14形成時におけるプロセス経過時間を示している。また、図8−1の縦軸は、RFパワーを示し、図8−2の縦軸は、シラン流量を示している。
これらの図に示されるように、p/i界面バッファ層形成期間においては、RFパワーは、i層膜バルク部形成期間の0.7〜0.9倍となるようなRFパワーで、シラン流量は、i層膜バルク部形成期間の1.2〜1.5倍となるような流量で、p/i界面バッファ層141が形成される。このp/i界面バッファ層形成期間においては、RFパワー、シラン流量ともに一定値に設定される。その後、i層膜バルク部形成期間に、一定のRFパワーとシラン流量でi層膜バルク部142が形成される。そして、i/n界面バッファ層形成期間においては、RFパワーは、i層膜バルク部形成期間の0.6〜0.9倍となるようなRFパワーで、シラン流量は、i層膜バルク部形成期間の1.2〜1.5倍となるような流量で、i/n界面バッファ層143が形成される。このi層膜バルク部形成期間においても、RFパワー、シラン流量ともに一定値に設定される。
つぎに、この実施の形態2の方法で製造した薄膜太陽電池の効果について説明する。なお、ここでも、比較のために、上記した特許文献1に記載されたp層膜とi層膜との間にアモルファス膜を形成した薄膜太陽電池、具体的には、p型微結晶シリコン膜、p型アモルファスシリコン膜、i型微結晶シリコン膜を表面電極層上に順に形成した薄膜太陽電池を比較例として用いた。
まず、この実施の形態2による薄膜太陽電池の電圧−電流特性について説明する。図9は、薄膜太陽電池の実施の形態2による電圧−電流特性を示す図である。図9中の曲線104が、この実施の形態2による薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示している。なお、この図9には、比較として、比較例の薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示す曲線202と、実施の形態1の(A)と(B)のプロセス条件を同時に適用して作製した薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示す曲線103も示している。
曲線104に示されるように、この実施の形態2による薄膜太陽電池セルの電圧―電流特性では、比較例の太陽電池セルと比較して、発電電流密度Jsc、開放電圧Vocともに改善しているが、実施の形態1による薄膜太陽電池セルと比較しても、発電電流密度Jsc、開放電圧Vocともにさらに改善している。これは、i層膜バルク部142への不純物(リン)の拡散が抑制されたことによって、i層膜バルク部142の膜質の劣化、具体的にはリーク電流パスの形成、が抑制されたことによるものと考えられる。その結果、光電変換による発生電流の損失が低減している。また、この実施の形態2による薄膜太陽電池セルでは、i/n界面バッファ層143はi層膜バルク部142の0.025〜0.05倍の成膜時間で成膜しており、その膜厚は約80nmとなっているが、電気特性の劣化(曲線因子の低下)を生じさせている兆候は見られない。
つぎに、プラズマCVD法でi/n界面バッファ層143を形成する際の最適なRFパワーの範囲について説明する。図10は、i/n界面バッファ層をプラズマCVD法で形成する際のRFパワーと薄膜太陽電池セルの発電効率の関係を示す図である。この図10において、横軸はi層膜バルク部142を形成するプラズマCVD法によるRFパワー条件の倍数を表しており、1.0の場合がi層膜バルク部142の成膜条件に相当する。また、縦軸は実施の形態1の薄膜太陽電池セルの発電効率に対する倍数を表しており、1.0が実施の形態1のセルの発電効率に相当する。
この図10に示されるように、i/n界面バッファ層143を形成する際のRFパワーを、i層膜バルク部142形成時の0.6倍よりも大きくし、1.0倍よりも小さくした場合、より望ましくは、i/n界面バッファ層143をi層膜バルク部142形成時の0.6〜0.9倍のRFパワーで成膜した場合に、発電効率は実施の形態1の薄膜太陽電池セルに比べて増大しており、最大で約1.1倍になっている。これより、i/n界面バッファ層143を形成する場合には、i層膜バルク部142形成時のRFパワーの0.6〜0.9倍とすることが望ましい。
この実施の形態2によれば、i層膜14とその上層に形成されるn層膜15との界面に結晶化率が0.3〜0.7の微結晶シリコン膜からなるi/n界面バッファ層143を形成するようにしたので、上層のn層膜15を形成中にドーピングガスに起因するリンなどのn型不純物のi層膜14への拡散を抑制することができるという効果を、実施の形態1の効果に加えて有する。その結果、i層膜バルク部142の膜質の劣化を抑制することができ、i層膜バルク部142を貫通するようなリーク電流パスの形成が抑制され、より高い発電効率を得ることができる。また、従来の薄膜太陽電池セルの場合に比して、発電効率を約1.5倍に増加させることができる。
実施の形態3.
この実施の形態3では、実施の形態2の図6とほぼ同じ層構成であるが、実施の形態2とはp/i界面バッファ層141とi/n界面バッファ層143の構造が異なる薄膜太陽電池について説明する。
この実施の形態3の薄膜太陽電池のp/i界面バッファ層141は、i層膜バルク部142の0.3〜0.7倍の結晶化率のi型微結晶シリコン層であるp層膜13側の境界部から、i層膜バルク部142に向かって結晶化率が徐々に増加していき、i層膜14との境界部では、i層膜バルク部142と同じ結晶化率のi型微結晶シリコン層となっている。また、i/n界面バッファ層143は、i層膜バルク部142と同じ結晶化率のi型微結晶シリコン層であるi層膜バルク部142側の境界部から、n層膜15に向かって結晶化率が徐々に低下していき、n層膜15との境界部では、i層膜バルク部142の0.3〜0.7倍の結晶化率のi型微結晶シリコン層となっている。
つぎに、このような構造の薄膜太陽電池の製造方法について説明する。基本的には、実施の形態1,2で説明した方法によって、薄膜太陽電池を製造することができるが、p/i界面バッファ層141とi/n界面バッファ層143を、実施の形態2とは異なる方法で製造する。以下に、この異なる部分について説明する。
図11−1と図11−2は、この実施の形態3によるプラズマCVD法でi層膜を形成する場合のRFパワーとシラン流量の時間による変化を示す図である。これらの図において、横軸は、i層膜14形成時におけるプロセス経過時間を示している。また、図11−1の縦軸は、RFパワーを示し、図11−2の縦軸は、シラン流量を示している。さらに、これらの図において、実線106,108は、それぞれこの実施の形態3によるi層膜14形成時のRFパワーとシラン流量の変化を示しているが、比較のため、図8−1と図8−2に示した実施の形態2によるi層膜14形成時のRFパワーとシラン流量の変化をそれぞれ破線105,107で示している。
破線105,107で示される実施の形態2のi層膜14の形成条件に対して、この実施の形態3では、実線106,108で示されるように、p/i界面バッファ層形成期間においては、RFパワーは、i層膜バルク部形成期間の0.7〜0.9倍となるようなRFパワーで、シラン流量は、i層膜バルク部形成期間の1.2〜1.5倍となるような流量で、p/i界面バッファ層141の成膜を開始し、p/i界面バッファ層形成期間の終了時に、RFパワーおよびシラン流量は、それぞれi層膜バルク部形成期間の値と一致するように、グラデュアルに変化させて、p/i界面バッファ層141を形成している。
また、i/n界面バッファ層形成期間においては、RFパワーおよびシラン量は、i層膜バルク部形成期間の値と一致し、i/n界面バッファ層形成期間の終了時に、RFパワーは、i層膜バルク部形成期間の0.6〜0.9倍のRFパワーとなるように、シラン流量は、i層膜バルク部形成期間の1.2〜1.5倍の流量となるように、グラデュアルに変化させて、i/n界面バッファ層143を形成している。
このようにi層膜14の成膜プロセスにおいて、p/i界面バッファ層形成期間およびi/n界面バッファ層形成期間のRFパワーとシランガス供給量をグラデュアルに変化させて膜形成を行うことで、p/i界面バッファ層141およびi/n界面バッファ層143と、i層膜バルク部142との接合をよりスムーズに行うことを可能とする。
つぎに、この実施の形態3の方法で製造した薄膜太陽電池の効果について説明する。図12は、この実施の形態3によって製造された薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示す図である。図12中の曲線104は、実施の形態2による薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示しており、曲線109は、この実施の形態3による薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示している。この実施の形態3による薄膜太陽電池セルの電圧―電流特性では、発電電流密度Jsc、開放電圧Vocがともに、実施の形態2による薄膜太陽電池セルと比較してさらに改善されている。これは、p層膜13とi層膜14との界面、およびi層膜14とn層膜15との界面の接合が実施の形態2の場合に比してスムーズに形成されていることによる効果と考えられる。
この実施の形態3によれば、p/i界面バッファ層141およびi/n界面バッファ層143の形成時において、RFパワーとシラン流量をグラデュアルに変化させるようにしたので、p層膜13とi層膜14との界面、およびi層膜14とn層膜15との界面の接合がスムーズになり、実施の形態2の場合に比してさらに薄膜太陽電池の電圧−電流特性が改善され、発電効率を上昇させることができるという効果を有する。
なお、上述した説明では、光電変換層12が、p層膜13、i層膜14、n層膜15の順番に積層している場合が示されているが、n層膜、i層膜、p層膜の順番に積層しているものである場合にも同様の効果を奏する。また、上記の実施の形態では、基板側から光を入射させる構造の薄膜太陽電池について説明したが、表面(薄膜が形成された)側から光を入射させる構造の薄膜太陽電池についても、上記の実施の形態を同様に適用することができる。
以上のように、この発明にかかる薄膜太陽電池は、光電変換層が薄膜で構成される薄膜太陽電池に有用である。
この発明の実施の形態1による薄膜太陽電池の微結晶シリコンセルの構成の一例を示す断面図である。 この実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その1)。 この実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その2)。 この実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その3)。 この実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その4)。 この実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その5)。 この実施の形態1による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その6)。 この実施の形態1と比較例による薄膜太陽電池のi層膜のXRDパターンを示す図である。 この実施の形態1と比較例による薄膜太陽電池のi層膜のXRDパターンを示す図である。 薄膜太陽電池の実施の形態1と比較例による電圧−電流特性を示す図である。 p/i界面バッファ層をプラズマCVD法で形成する際のRFパワーと薄膜太陽電池セルの発電効率の関係を示す図である。 この発明の実施の形態2による薄膜太陽電池の微結晶シリコンセルの構成の一例を示す断面図である。 この実施の形態2による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その1)。 この実施の形態2による薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す断面図である(その2)。 この実施の形態2によるプラズマCVD法でのi層膜形成時におけるRFパワーの設定例を模式的に示す図である。 この実施の形態2によるプラズマCVD法でのi層膜形成時におけるシラン流量の設定例を模式的に示す図である。 薄膜太陽電池の実施の形態2による電圧−電流特性を示す図である。 i/n界面バッファ層をプラズマCVD法で形成する際のRFパワーと薄膜太陽電池セルの発電効率の関係を示す図である。 この実施の形態3によるプラズマCVD法でのi層膜形成時におけるRFパワーの設定例を模式的に示す図である。 この実施の形態3によるプラズマCVD法でのi層膜形成時におけるシラン流量の設定例を模式的に示す図である。 この実施の形態3によって製造された薄膜太陽電池セルの電圧−電流特性を示す図である。
符号の説明
10 絶縁透光性基板
11 表面電極層
12 光電変換層
13 p層膜
14 i層膜
15 n層膜
16 裏面電極層
141 p/i界面バッファ層
142 i層膜バルク部
143 i/n界面バッファ層

Claims (14)

  1. 基板上に、第1の導電型の微結晶シリコン膜、真性の微結晶シリコン膜および第2の導電型の微結晶シリコン膜が順に積層されてなる光電変換層を少なくとも1層含む薄膜太陽電池において、
    前記真性の微結晶シリコン膜は、
    第1の結晶化率を有するバルク層と、
    前記第1の結晶化率に比して低い第2の結晶化率を有し、前記第1の導電型の微結晶シリコン膜側の界面に形成される第1のバッファ層と、
    を有することを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 前記微結晶シリコン膜は、前記第1の結晶化率に比して低い第3の結晶化率を有し、前記第2の導電型の微結晶シリコン膜側の界面に形成される第2のバッファ層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 前記第1のバッファ層では、前記第1の導電型の微結晶シリコン膜との境界部では前記第2の結晶化率を有し、前記バルク層との境界部で前記第1の結晶化率となるように、結晶化率がグラデュアルに増加し、
    前記第2のバッファ層では、前記バルク層との境界部では前記第1の結晶化率を有し、前記第2の導電型の微結晶シリコン膜との境界部で前記第3の結晶化率となるように、結晶化率がグラデュアルに減少することを特徴とする請求項2に記載の薄膜太陽電池。
  4. 前記第1のバッファ層は、50nm以上100nm以下の厚さであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  5. 前記第2のバッファ層は、50nm以上100nm以下の厚さであることを特徴とする請求項2に記載の薄膜太陽電池。
  6. 基板上に、第1の導電型の微結晶シリコン膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の導電型の微結晶シリコン膜上に、第1の結晶化率を有するバルク層よりも低い第2の結晶化率を有する第1のバッファ層を、前記バルク層の形成時に前記第1の導電型の微結晶シリコン膜の影響が及ばない程度の膜厚で形成し、続けて、前記バルク層を形成して、真性の微結晶シリコン膜を成膜する第2の工程と、
    前記真性の微結晶シリコン膜上に、第2の導電型の微結晶シリコン膜を形成する第3の工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  7. 前記第2の工程で、前記真性の微結晶シリコン膜を、シリコンを含む原料ガスを供給して形成する場合に、
    前記第1のバッファ層を形成する際の前記原料ガスの供給量が、前記バルク層を形成する際の前記原料ガスの供給量の1.2〜1.5倍であることを特徴とする請求項6に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 前記第2の工程で、前記真性の微結晶シリコン膜をプラズマCVD法で成膜する場合に、
    前記第1のバッファ層を形成する際に印加するRFパワーが、前記バルク層を形成する際に印加するRFパワーの0.7〜0.9倍であることを特徴とする請求項6または7に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 前記第2の工程で、前記バルク層上に、前記第1の結晶化率よりも低い第3の結晶化率を有する第2のバッファ層をさらに形成することを特徴とする請求項6に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  10. 前記第2の工程で、前記真性の微結晶シリコン膜を、シリコンを含む原料ガスを供給して形成する場合に、
    前記第2のバッファ層を形成する際の前記原料ガスの供給量が、前記バルク層を形成する際の前記原料ガスの供給量の1.2〜1.5倍であることを特徴とする請求項9に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  11. 前記第2の工程で、前記真性の微結晶シリコン膜をプラズマCVD法で成膜する場合に、
    前記第2のバッファ層を形成する際に印加するRFパワーが、前記バルク層を形成する際に印加するRFパワーの0.6〜0.9倍であることを特徴とする請求項9または10に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  12. 前記第2の工程で、前記第1および第2のバッファ層の形成時間は、前記バルク層の形成時間の0.03〜0.05倍であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  13. 前記第2の工程で、
    前記第1のバッファ層を形成する際の前記原料ガスの供給量を、前記第1のバッファ層の形成初期には、前記バルク層を形成する際の前記原料ガスの供給量の1.2〜1.5倍とし、前記第1のバッファ層の形成終了時に、前記バルク層を形成する際の前記原料ガスの供給量と同じになるように、グラデュアルに減少させ、
    前記第2のバッファ層を形成する際の前記原料ガスの供給量を、前記第2のバッファ層の形成初期には、前記バルク層を形成する際の前記原料ガスの供給量と同じとし、前記第2のバッファ層の形成終了時に、前記バルク層を形成する際の前記原料ガスの供給量の1.2〜1.5倍となるように、グラデュアルに増加させることを特徴とする請求項10に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  14. 前記第2の工程で、
    前記第1のバッファ層を形成する際に印加するRFパワーを、前記第1のバッファ層の形成初期には、前記バルク層を形成する際の前記RFパワーの0.7〜0.9倍とし、前記第1のバッファ層の形成終了時に、前記バルク層を形成する際のRFパワーと同じになるように、グラデュアルに増加させ、
    前記第2のバッファ層を形成する際に印加するRFパワーを、前記第2のバッファ層の形成初期には、前記バルク層を形成する際の前記RFパワーと同じとし、前記第2のバッファ層の形成終了時に、前記バルク層を形成する際の前記RFパワーの0.6〜0.9倍となるように、グラデュアルに現象させることを特徴とする請求項11に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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