JP2006100611A - 光起電力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換特性を向上させることが可能な配向成分を増加させることにより変換効率を向上させることが可能な光起電力装置を提供する。
【解決手段】この光起電力装置は、n型層3と、n型層3上に形成された光電変換層4と、光電変換層4上に形成されたp型層5とを備えている。そして、光電変換層4は、Geが含有された第1の層と、第1の層上に形成され、Geが含有されない第2の層とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、光起電力装置に関し、特に、光電変換層として機能する非単結晶半導体層を含む光起電力装置に関する。
従来、微結晶半導体層を光電変換層として用いた光起電力装置が知られている。この微結晶半導体層を光電変換層として用いた光起電力装置は、非晶質半導体層を光電変換層として用いた光起電力装置に比べて、光電変換層での光劣化を抑制することができるという特徴を有する。また、従来では、上記した微結晶半導体層を光電変換層として用いた光起電力装置において、光電変換層を2層にした構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、微結晶シリコン層からなるとともに、下層と上層とを有する2層構造の光電変換層を含む光起電力装置が開示されている。この特許文献1では、下層および上層の光電変換層(微結晶シリコン層)のそれぞれの形成条件を制御することにより結晶子サイズを制御するとともに、結晶子の集合体からなる円錐状の相を光電変換層内に形成することによって、光電変換特性の向上を図っている。
特開平9−232235号公報
しかしながら、上記特許文献1では、微結晶シリコン層からなる光電変換層を形成する際の形成条件が、光電変換層の配向性を考慮した形成条件となっていない。このため、上記特許文献1では、光電変換特性を向上させることが可能な配向成分が増加するように光電変換層を形成するのが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、光電変換特性を向上させることが可能な配向成分を増加させることにより変換効率を向上させることが可能な光起電力装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による光起電力装置は、第1導電型の第1非単結晶半導体層と、第1非単結晶半導体層上に形成され、光電変換層として機能するとともに、実質的に真性な第2非単結晶半導体層と、第2非単結晶半導体層上に形成された第2導電型の第3非単結晶半導体層とを備えている。そして、第2非単結晶半導体層は、結晶化を阻害することが可能な元素が含有された第1の層と、第1の層上に形成され、結晶化を阻害することが可能な元素が含有されない第2の層とを含む。
この第1の局面による光起電力装置では、上記のように、光電変換層として機能する第2非単結晶半導体層を、結晶化を阻害することが可能な元素が含有された第1の層と、第1の層上に形成されるとともに、結晶化を阻害することが可能な元素が含有されない第2の層とを含むように構成することによって、第1の層を形成する際に、第1の層に結晶化を阻害することが可能な元素を導入することにより、第1の層の結晶化率を低下させることができる。この場合、第1および第2の層を構成する第2非単結晶半導体層が非単結晶シリコン層であれば、結晶化を阻害することが可能な元素が含有された結晶化率が低い第1の層上に第2の層を形成することにより、第2の層において光電変換特性を向上させることが可能な配向成分である(220)配向成分を増加させることができる。これにより、第1の層と第2の層とを含む第2非単結晶半導体層の光電変換特性を向上させることができる。その結果、光起電力装置の変換効率を向上させることができる。
上記第1の局面による光起電力装置において、好ましくは、第1の層に含有された結晶化を阻害することが可能な元素の原子濃度は、第1の層の吸収端波長が、結晶化を阻害することが可能な元素が含有されていない状態に比べて実質的に変化しないように制御されている。このように結晶化を阻害することが可能な元素の原子濃度を制御すれば、結晶化を阻害することが可能な元素を第1の層に導入することに起因して光起電力装置の内部起電力特性が低下するという不都合が発生するのを抑制することができる。すなわち、第1の層を微結晶シリコン層により構成するとともに、結晶化を阻害することが可能な元素としてGeを導入する場合に、第1の層のGe原子濃度が高くなれば、微結晶シリコンよりも光学バンドギャップが小さいGeによる光吸収の影響が大きくなるので、第1の層の吸収端波長が長波長側に大きくなるとともに、内部起電力特性が低下する。したがって、Geを第1の層に導入する際に、第1の層の吸収端波長が、Geが含有されていない状態に比べて実質的に変化しないように制御すれば、微結晶シリコンよりも光学バンドギャップが小さいGeによる光吸収の影響を小さくすることができるので、光起電力装置の内部起電力特性が低下するのを抑制することができる。
上記第1の局面による光起電力装置において、好ましくは、結晶化を阻害することが可能な元素は、Geである。このように構成すれば、第1の層を形成する際に、第1の層にGeを導入することにより、容易に、第1の層の結晶化率を低下させることができる。
この発明の第2の局面による光起電力装置は、第1導電型の第1非単結晶半導体層と、第1非単結晶半導体層上に形成され、光電変換層として機能するとともに、実質的に真性な第2非単結晶半導体層と、第2非単結晶半導体層上に形成された第2導電型の第3非単結晶半導体層とを備えている。そして、第2非単結晶半導体層は、Geが含有された第1の層と、第1の層上に形成され、Geが含有されない第2の層とを含む。
この第2の局面による光起電力装置では、上記のように、光電変換層として機能する第2非単結晶半導体層を、Geが含有された第1の層と、第1の層上に形成されるとともに、Geが含有されない第2の層とを含むように構成することによって、第1の層を形成する際に、第1の層にGeを導入することにより、第1の層の結晶化率を低下させることができる。この場合、第1および第2の層を構成する第2非単結晶半導体層が非単結晶シリコン層であれば、Geが含有された結晶化率が低い第1の層上に第2の層を形成することにより、第2の層において光電変換特性を向上させることが可能な配向成分である(220)配向成分を増加させることができる。これにより、第1の層と第2の層とを含む第2非単結晶半導体層の光電変換特性を向上させることができる。その結果、光起電力装置の変換効率を向上させることができる。
上記第1または第2の局面による光起電力装置において、好ましくは、第1の層に含有されたGeの原子濃度は、4%以上19%以下である。このように第1の層のGeの原子濃度を4%以上に設定することによって、第1の層に含有されたGeの原子濃度が4%よりも低いことに起因して、第1の層上に形成される第2の層において光電変換特性を向上させることが可能な配向成分を増加させるのが困難になるという不都合が発生するのを抑制することができる。また、第1の層のGeの原子濃度を19%以下に設定することによって、第1の層に含有されたGeの原子濃度が19%よりも高いことに起因してGeによる光吸収の影響が大きくなるという不都合が発生するのを抑制することができるので、光起電力装置の内部起電力特性が低下するのを抑制することができる。
上記第1の層がGeを含む構成において、好ましくは、第1の層の厚みは、25nm以上200nm以下である。このように第1の層の厚みを25nm以上に設定することによって、第1の層の厚みが25nmよりも小さいことに起因して、第1の層上に形成される第2の層において光電変換特性を向上させることが可能な配向成分を増加させるのが困難になるのを抑制することができる。また、第1の層の厚みを200nm以下に設定することによって、第1の層の厚みが200nmよりも大きくなることに起因して、第1の層の抵抗などの電気特性が低下するのを抑制することができる。この場合、第1の層の厚みは、25nm以上100nm以下であるのがより好ましい。このように構成すれば、第1の層の抵抗などの電気特性が低下するのをより抑制することができる。
上記第1または第2の局面による光起電力装置において、好ましくは、第2非単結晶半導体層は、非単結晶シリコン層を含み、第2の層は、(220)面の優先結晶配向を有する。このように構成すれば、(220)面の優先結晶配向を有する非単結晶シリコン層からなる第2の層(光電変換層)は、特に良好な光電変換特性を有するので、光起電力装置の変換効率をより向上させることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に従って作製した実施例による光起電力装置の構造を示した断面図であり、図2は、比較例による光起電力装置の構造を示した断面図である。以下、図1および図2を参照して、本発明に従って作製した実施例による光起電力装置および比較例による光起電力装置について説明する。
(実施例)
まず、実施例による光起電力装置の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
この実施例では、まず、図1に示すように、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、表面に絶縁膜(図示せず)が形成されたステンレスからなる支持基板1上に、500nmの厚みを有するAgからなる裏面電極2を形成した。
次に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、裏面電極2上に、n型微結晶シリコン層からなるn型層3、ノンドープ微結晶シリコン層からなる光電変換層4、および、p型微結晶シリコン層からなるp型層5を順次形成した。この際、n型層3、光電変換層4およびp型層5が、それぞれ、50nm、2μmおよび10nmの厚みを有するように形成した。また、光電変換層4を形成する際には、100nmの厚みを有する第1光電変換層4aおよび1.9μmの厚みを有する第2光電変換層4bを順次形成した。なお、n型層3、光電変換層4およびp型層5は、それぞれ、本発明の「第1非単結晶半導体層」、「第2非単結晶半導体層」および「第3非単結晶半導体層」の一例である。また、第1光電変換層4aおよび第2光電変換層4bは、それぞれ、本発明の「第1の層」および「第2の層」の一例である。
n型層3、第1光電変換層4a、第2光電変換層4bおよびp型層5の具体的な形成条件を、以下の表1に示す。
Figure 2006100611
上記表1を参照して、裏面電極2上に、n型微結晶シリコン層からなるn型層3を形成する際には、基板温度、反応圧力および高周波電力を、それぞれ、230℃、133Paおよび100Wに設定した。また、n型層3を形成する際のガス流量を、SiHガス:3sccm、Hガス:200sccmおよびPHガス:3sccmに設定した。
ここで、本実施例では、n型微結晶シリコン層からなるn型層3上に、ノンドープ微結晶シリコン層からなる第1光電変換層4aを形成する際に、第1光電変換層4aの結晶化率を低下させるために、結晶化を阻害することが可能な元素であるGeを導入した。具体的には、第1光電変換層4aを形成する際の原料ガスとして、SiHガスと、10%のGeが含有されたGeHガスと、Hガスとを用いた。なお、GeHガスの流量は、第1光電変換層4aの吸収端波長が、Geが含有されていない状態に比べて実質的に変化しないように制御した。すなわち、第1光電変換層4aを形成する際のガス流量を、SiHガス:10sccm、GeH(Ge:10%)ガス:2sccmおよびHガス:400sccmに設定した。また、この場合の基板温度、反応圧力および高周波電力を、それぞれ、230℃、133Paおよび50Wに設定した。また、上記の形成条件下で形成された第1光電変換層4aのGe原子濃度(%)を測定したところ、8%になることが判明した。なお、Ge原子濃度は、SIMS(Secondary Ionization Mass Spectrometry:CAMECA製、IMS−4F)を用いて測定した。具体的には、一次イオンとしてCsを第1光電変換層(ノンドープ微結晶シリコン層)4aの表面に照射することにより第1光電変換層4aの表面からたたき出されたイオン(SiCsおよびGeCs)を測定することによって、Ge原子濃度を算出した。
また、本実施例では、ノンドープ微結晶シリコン層からなる第1光電変換層4a上に、ノンドープ微結晶シリコン層からなる第2光電変換層4bを形成する際には、結晶化を阻害することが可能な元素であるGeを導入せずに、原料ガスとして、SiHガスとHガスとを用いた。また、この第2光電変換層4bを形成する際には、第2光電変換層4bが(220)面の優先結晶配向となるように、水素ガス(Hガス)のガス流量を増加した。具体的には、ガス流量を、SiHガス:20sccmおよびHガス:400sccmに設定した。また、この場合の基板温度、反応圧力および高周波電力を、それぞれ、230℃、133Paおよび30Wに設定した。
また、ノンドープ微結晶シリコン層からなる第2光電変換層4b上に、p型微結晶シリコン層からなるp型層5を形成する際には、基板温度、反応圧力および高周波電力を、それぞれ、120℃、133Paおよび50Wに設定した。また、p型層5を形成する際のガス流量を、SiHガス:2sccm、Hガス:300sccmおよびBガス:2sccmに設定した。
次に、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、p型層5上に、100nmの厚みを有するITOからなる表面透明電極6を形成した。このようにして、図1に示した実施例による光起電力装置を作製した。
(比較例)
次に、図2を参照して、比較例による光起電力装置の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
この比較例では、まず、図2に示すように、上記実施例と同様、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、表面に絶縁膜(図示せず)が形成されたステンレスからなる支持基板1上に、500nmの厚みを有するAgからなる裏面電極2を形成した。
次に、CVD法を用いて、裏面電極2上に、n型微結晶シリコン層からなるn型層3、ノンドープ微結晶シリコン層からなる光電変換層14およびp型微結晶シリコン層からなるp型層5を順次形成した。この際、n型層3、光電変換層14およびp型層5が、それぞれ、50nm、2μmおよび10nmの厚みを有するように形成した。また、光電変換層14を形成する際には、100nmの厚みを有する第1光電変換層14aおよび1.9μmの厚みを有する第2光電変換層14bを順次形成した。なお、n型層3およびp型層5を形成する際には、上記表1に示した実施例のn型層3およびp型層5の形成条件と同じ形成条件を用いた。
また、比較例による第1光電変換層14aおよび第2光電変換層14bの具体的な形成条件を、以下の表2に示す。
Figure 2006100611
上記表2を参照して、この比較例では、上記実施例と異なり、第1光電変換層14aを形成する際に、結晶化を阻害することが可能な元素であるGeを導入しなかった。具体的には、第1光電変換層14aを形成する際の原料ガスとして、GeH(Ge:10%)ガスを用いずに、SiHガスと、Hガスとのみを用いた。また、第1光電変換層14aを形成する際のガス流量を、SiHガス:10sccmおよびHガス:400sccmに設定した。また、第1光電変換層14aを形成する際には、基板温度、反応圧力および高周波電力を、それぞれ、230℃、133Paおよび50Wに設定した。
なお、比較例の第2光電変換層14bは、上記表1に示した実施例の第2光電変換層4bと同じ条件で形成した。すなわち、表2に示すように、基板温度、反応圧力および高周波電力を、それぞれ、230℃、133Paおよび30Wに設定するとともに、ガス流量を、SiHガス:20sccmおよびHガス:400sccmに設定した。
次に、比較例では、上記実施例と同様、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、p型層5上に、100nmの厚みを有するITOからなる表面透明電極6を形成した。このようにして、図2に示した比較例による光起電力装置を作製した。
(実施例および比較例共通)
[出力特性実験]
次に、上記のようにして作製した実施例および比較例による光起電力装置について、光スペクトル:AM1.5、光強度:100mW/cmおよび測定温度:25℃の擬似太陽光照射条件下で出力特性を測定した。ここで、AM(Air Mass)とは、地球大気に入射する直達太陽光が通過する路程の標準状態の大気(標準気圧1013hPa)に垂直に入射した場合の路程に対する比である。この測定結果を以下の表3に示す。なお、表3中の開放電圧、短絡電流、曲線因子および変換効率は、それぞれ、比較例の開放電圧、短絡電流、曲線因子および変換効率に対する比率である。
Figure 2006100611
上記表3を参照して、Geが含有された第1光電変換層4aを含む実施例は、Geが含有されていない第1光電変換層14aを含む比較例よりも、変換効率が向上することが判明した。具体的には、比較例の変換効率を1とした場合、実施例の変換効率は、1.181であった。また、実施例の開放電圧および曲線因子も、それぞれ、比較例の開放電圧および曲線因子よりも向上することが判明した。具体的には、比較例の開放電圧および曲線因子を1とした場合、実施例の開放電圧および曲線因子は、それぞれ、1.012および1.172であった。なお、実施例の短絡電流は、比較例の短絡電流を1とした場合、0.997であった。
この結果から、実施例では、第1光電変換層4aを形成する際に、第1光電変換層4aにGeを導入することにより第1光電変換層4aの結晶化率を低下させることによって、第1光電変換層4a上に形成される第2光電変換層4bにおいて、光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分が増加したと考えられる。
実施例では、上記のように、微結晶シリコン層からなる光電変換層4を、結晶化を阻害することが可能な元素であるGeが含有された第1光電変換層4aと、第1光電変換層4a上に形成されるとともに、Geが含有されない第2光電変換層4bとを含むように構成することによって、第1光電変換層4aを形成する際に、第1光電変換層4aにGeを導入することにより、第1光電変換層4aの結晶化率を低下させることができる。この場合、Geが含有された結晶化率が低い第1光電変換層4a上に第2光電変換層4bを形成することにより、第2光電変換層4bにおいて光電変換特性を向上させることが可能な配向成分である(220)配向成分を増加させることができる。これにより、Geが含有された第1光電変換層4aと、Geが含有されない第2光電変換層4bとを含む光電変換層4の光電変換特性を向上させることができる。その結果、光起電力装置の変換効率を向上させることができる。
また、実施例では、第1光電変換層4aにGeを導入する際に、第1光電変換層4aの吸収端波長が、Geが含有されていない状態に比べて実質的に変化しないようにGeH(Ge:10%)ガスの流量を2sccm(Ge原子濃度:8%(4%以上))に制御することによって、第1光電変換層4aに含有されたGeの原子濃度が4%よりも低いことに起因して第1光電変換層4a上に形成される第2光電変換層4bにおいて光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分を増加させるのが困難になるという不都合が発生するのを抑制することができる。また、第1光電変換層4aのGeの原子濃度を8%(19%以下)に設定することによって、第1光電変換層4aに含有されたGeの原子濃度が19%よりも高いことに起因して微結晶シリコンよりも光学バンドギャップが小さいGeによる光吸収の影響が大きくなるという不都合が発生するのを抑制することができるので、光起電力装置の内部起電力特性が低下するのを抑制することができる。
また、実施例では、微結晶シリコン層からなる第2光電変換層4bを形成する際に、第2光電変換層4bが(220)面の優先結晶配向となるような形成条件を用いることによって、(220)面の優先結晶配向を有する微結晶シリコン層からなる第2光電変換層4bは、特に良好な光電変換特性を有するので、光起電力装置の変換効率をより向上させることができる。
次に、上記した実施例の構成において、第1光電変換層(ノンドープ微結晶シリコン層)を形成する際のGeH(Ge:10%)ガスの流量を4段階(1sccm、2sccm、3sccmおよび5sccm)に変化させて、光起電力装置の変換効率の違いを調べた結果について説明する。
まず、GeH(Ge:10%)ガスの流量を4段階(1sccm、2sccm、3sccmおよび5sccm)に変化させて形成した4つの第1光電変換層のGe原子濃度(%)を測定した結果を、以下の表4に示す。なお、Ge原子濃度の測定には、上記実施例と同様、SIMSを用いた。また、表4中のGe比(%)は、流量が10sccmのSiHガスに対するGeH(Ge:10%)ガスのGeの比率である。すなわち、GeH(Ge:10%)ガスの流量が1sccm、2sccm、3sccmおよび5sccmの場合のGe比は、それぞれ、1%、2%、3%および5%となる。
Figure 2006100611
上記表4を参照して、Ge比が1%、2%、3%および5%の場合の第1光電変換層のGe原子濃度は、それぞれ、4%、8%、12%および19%であった。これにより、第1光電変換層のGe原子濃度は、Ge比のほぼ4倍になることが判明した。
次に、Ge比を1%、2%および5%に設定して形成した3つの第1光電変換層をそれぞれ含む3つの光起電力装置について、上記した出力特性実験と同じ条件を用いて出力特性を測定した。
図3は、第1光電変換層を形成する際のGe比と変換効率との関係を示した図である。なお、図3中の規格化変換効率は、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置(比較例)の変換効率を基準(「1」)として規格化した値である。図3を参照して、Ge比を1%以上5%以下(Ge原子濃度:4%以上19%以下)に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置は、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置よりも、変換効率が高くなることが判明した。具体的には、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置の変換効率を1とした場合、Ge比を1%に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置の変換効率は、1.087であった。また、Ge比を2%に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置の変換効率は、1.181であった。また、Ge比を5%に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置の変換効率は、1.096であった。
この結果から、第1光電変換層を形成する際のGe比を1%以上5%以下(Ge原子濃度:4%以上19%以下)に設定すれば、その第1光電変換層上に形成される第2光電変換層において光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分が増加するので、変換効率が向上すると考えられる。なお、第1光電変換層を形成する際のGe比を1%よりも低く設定した場合(第1光電変換層のGe原子濃度が4%よりも低い場合)には、第1光電変換層のGe原子濃度が低くなりすぎることに起因して、第1光電変換層上に形成される第2光電変換層において光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分を増加させるのが困難になると考えられる。また、第1光電変換層を形成する際のGe比を5%よりも高く設定した場合(第1光電変換層のGe原子濃度が19%よりも高い場合)には、微結晶シリコンよりも光学バンドギャップが小さいGeによる光吸収の影響が大きくなるので、光起電力装置の内部起電力特性の低下が生じると考えられる。
ここで、上記した実施例では、第1光電変換層4aのGe原子濃度が8%になるように、第1光電変換層4aを形成する際のGe比を2%に設定したので、第1光電変換層4a上に形成される第2光電変換層4bにおいて光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分が増加したと考えられる。また、第1光電変換層4aのGe原子濃度が8%になるように、第1光電変換層4aを形成する際のGe比を2%に設定したので、微結晶シリコンよりも光学バンドギャップが小さいGeによる光吸収の影響を小さくすることができたことにより、光起電力装置の内部起電力特性が低下するのを抑制することができたと考えられる。
次に、Ge比を2%に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置、Ge比を5%に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置、および、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置の外部収集効率を測定した結果について説明する。ここで、収集効率とは、光起電力装置の表面に照射された光子数に対する光起電力装置の外部回路に流れる電子数の割合である。そして、光起電力装置の表面で反射された成分を考慮しない収集効率を外部収集効率という。
図4は、光起電力装置に照射される波長と外部収集効率との関係を示した図である。なお、図4中の規格化外部収集効率は、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置(比較例)の外部収集効率を基準(「1」)として規格化した値である。また、図4において、外部収集効率が0になったときの波長が、その光起電力装置の吸収端波長である。図4を参照して、Ge比を2%(Ge原子濃度:8%)に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置、Ge比を5%(Ge原子濃度:19%)に設定して形成した第1光電変換層を含む光起電力装置、および、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置の吸収端波長は、1200nm近傍であることが判明した。すなわち、Ge原子濃度が8%以上19%以下である第1光電変換層を含む光起電力装置は、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置と実質的に同じ吸収端波長(1200nm近傍)を有することが判明した。
この結果から、第1光電変換層にGeを導入したとしても、第1光電変換層のGe原子濃度が8%以上19%以下であれば、Geが含有された第1光電変換層の吸収端波長は、Geが含有されていない状態に比べて実質的に変化しないと考えられる。ここで、第1光電変換層のGe原子濃度が高くなれば、微結晶シリコンよりも光学バンドギャップが小さいGeによる光吸収の影響が大きくなるので、第1光電変換層の吸収端波長が長波長側に大きくなるとともに、内部起電力特性が低下する。したがって、Geを第1光電変換層に導入する際に、第1光電変換層の吸収端波長が、Geが含有されていない状態に比べて実質的に変化しないように制御すれば、微結晶シリコンよりも光学バンドギャップが小さいGeによる光吸収の影響を小さくすることができるので、光起電力装置の内部起電力特性が低下するのを抑制することができると考えられる。
ここで、上記した実施例では、第1光電変換層4aのGe原子濃度は、第1光電変換層4aの吸収端波長が、Geが含有されていない状態に比べて実質的に変化しないように8%に設定されているので、光起電力装置の出力特性が低下するのを抑制することができたと考えられる。
次に、上記した実施例の構成において、Geが含有された第1光電変換層の厚みを3段階(25nm、100nmおよび200nm)に変化させて、光起電力装置の変換効率の違いを調べた結果について説明する。なお、この場合、第1光電変換層のGe原子濃度は、4%に設定した。
図5は、Geが含有された第1光電変換層の厚みと変換効率との関係を示した図である。なお、図5中の規格化変換効率は、100nmの厚みを有するとともに、Geが含有されていない第1光電変換層を含む光起電力装置(比較例)の変換効率を基準(「1」)として規格化した値である。図5を参照して、Geが含有された第1光電変換層の厚みを25nm以上200nm以下に設定した場合の変換効率は、Geが含有されていない第1光電変換層の厚みを100nmに設定した場合よりも高くなることが判明した。具体的には、Geが含有されていない第1光電変換層の厚みを100nmに設定した場合の変換効率を1とした場合、Geが含有された第1光電変換層の厚みを25nmに設定した場合の変換効率は、1.271であった。また、Geが含有された第1光電変換層の厚みを100nmに設定した場合の変換効率は、1.267であった。また、Geが含有された第1光電変換層の厚みを200nmに設定した場合の変換効率は、1.168であった。
この結果から、Geが含有された第1光電変換層において、第1光電変換層の厚みを25nm以上200nm以下に設定すれば、その第1光電変換層上に形成される第2光電変換層において光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分が増加するので、変換効率が向上すると考えられる。なお、Geが含有された第1光電変換層において、第1光電変換層の厚みが25nmよりも小さい場合には、第1光電変換層の厚みが小さくなりすぎることに起因して、第1光電変換層上に形成される第2光電変換層において光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分を増加させるのが困難になると考えられる。また、Geが含有された第1光電変換層において、第1光電変換層の厚みが200nmよりも大きい場合には、第1光電変換層の厚みが大きくなりすぎることに起因して、第1光電変換層の抵抗などの電気特性が低下すると考えられる。
また、Geが含有された第1光電変換層において、第1光電変換層の厚みを200nmに設定した場合の変換効率は、第1光電変換層の厚みを25nmおよび100nmに設定した場合の変換効率よりも低くなることが判明した。これにより、Geが含有された第1光電変換層において、第1光電変換層の厚みを25nm以上100nm以下に設定することによって、第1光電変換層の抵抗などの電気特性の低下をより抑制することができると考えられる。したがって、Geが含有された第1光電変換層の厚みを25nm以上100nm以下に設定するのがより好ましいと考えられる。
ここで、上記した実施例では、Geが含有された第1光電変換層4aの厚みを100nmに設定しているので、第1光電変換層の抵抗などの電気特性の低下を抑制しながら、第1光電変換層4a上に形成される第2光電変換層4bにおいて(220)配向成分を増加させることができたと考えられる。
次に、ノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)を形成する際に、原料ガスとして、SiHガスおよびHガスに加えて、GeH(Ge:10%)ガスを用いた場合におけるノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)の結晶化率を調べるために行った実験について説明する。
この実験では、まず、図6に示すようなサンプル20を形成した。具体的には、CVD法を用いて、ガラス基板21上に、100nmの厚みを有するノンドープ微結晶シリコン層22を形成した。この際の形成条件としては、上記表1に示した実施例による第1光電変換層4aの形成条件および表2に示した比較例による第1光電変換層14aの形成条件をそれぞれ用いた。すなわち、SiHガスに対するGeH(Ge:10%)ガスのGeの比率(Ge比)を2%に設定して形成したノンドープ微結晶シリコン層22を含む実施例に対応するサンプル20と、Geが含有されていないノンドープ微結晶シリコン層22を含む比較例に対応するサンプル20との2種類を形成した。この後、上記した2種類のサンプル20に対して、ラマン分光測定を行った。
図7は、Ge比を2%に設定して形成した実施例に対応するノンドープ微結晶シリコン層およびGeが含有されていない比較例に対応するノンドープ微結晶シリコン層のラマンスペクトル強度を示した図である。なお、図7において、波数が480cm−1付近の強度が高ければ、アモルファス成分が多いことを示すとともに、波数が520cm−1付近の強度が高ければ、結晶成分が多いことを示す。図7を参照して、Ge比を2%に設定して形成した実施例に対応するノンドープ微結晶シリコン層22の480cm−1付近の強度は、Geが含有されていない比較例に対応するノンドープ微結晶シリコン層22の480cm−1付近の強度よりも高くなることが判明した。すなわち、Ge比を2%に設定して形成した実施例に対応するノンドープ微結晶シリコン層22のアモルファス成分は、Geが含有されていない比較例に対応するノンドープ微結晶シリコン層22のアモルファス成分よりも多くなることが判明した。これにより、ノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)22にGeを導入することによって、ノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)22の結晶化率が低くなることが確認できた。
次に、Geが含有された下層のノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)上に、さらに上層のノンドープ微結晶シリコン層(第2光電変換層)を形成した場合における上層のノンドープ微結晶シリコン層(第2光電変換層)の結晶化率を調べるために行った実験について説明する。
まず、図8に示すように、CVD法を用いて、Ge比を2%に設定して形成した下層のノンドープ微結晶シリコン層22の上面上と、Geが含有されていない下層のノンドープ微結晶シリコン層22の上面上とのそれぞれに、400nmの厚みを有する上層のノンドープ微結晶シリコン層23を形成した。この際の形成条件としては、上記表1に示した第2光電変換層の形成条件を用いた。また、この実験では、上記した2種類のサンプル20以外に、Ge比を5%に設定して形成した下層のノンドープ微結晶シリコン層22上に、400nmの厚みを有する上層のノンドープ微結晶シリコン層23が形成されたサンプル20も準備した。この後、上記した3種類のサンプル20に対して、ラマン分光測定を行った。
図9〜図11は、下層のノンドープ微結晶シリコン層を形成する際のGe比を2%、5%および0%に設定した場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層のそれぞれのラマンスペクトル強度を示した図である。なお、図9〜図11において、波数が480cm−1付近の強度が高ければ、アモルファス成分が多いことを示すとともに、波数が520cm−1付近の強度が高ければ、結晶成分が多いことを示す。また、図9〜図11のラマンスペクトル強度(縦軸)は、上層のノンドープ微結晶シリコン層23のピーク強度を「1」としたときの強度を示している。そして、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際のGe比が2%の場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層23のピークは、波数が517.4cm−1のときであり、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際のGe比が5%の場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層23のピークは、波数が519.2cm−1のときであった。また、下層のノンドープ微結晶シリコン層22にGeが含有されていない場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層23のピークは、波数が519.4cm−1のときであった。
まず、図9を参照して、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際のGe比が2%の場合、上層のノンドープ微結晶シリコン層23のピーク強度を1とすれば、アモルファス成分を示す480cm−1の強度は、0.261であった。また、図10を参照して、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際のGe比が5%の場合、上層のノンドープ微結晶シリコン層23のピーク強度を1とすれば、アモルファス成分を示す480cm−1の強度は、0.178であった。また、図11を参照して、下層のノンドープ微結晶シリコン層22にGeが含有されていない場合、上層のノンドープ微結晶シリコン層23のピーク強度を1とすれば、アモルファス成分を示す480cm−1の強度は、0.272であった。すなわち、下層のノンドープ微結晶シリコン層22(第1光電変換層)にGeを導入することによって、下層のノンドープ微結晶シリコン層22(第1光電変換層)にGeを導入しない場合に比べて、上層のノンドープ微結晶シリコン層23のアモルファス成分が少なくなることが判明した。これにより、下層のノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)22にGeを導入することによって、下層のノンドープ微結晶シリコン層22(第1光電変換層)にGeを導入しない場合に比べて、上層のノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)23の結晶化率が高くなることが確認できた。
次に、上記したサンプル20に対して、θ−2θ法のX線回折による結晶構造の解析を行うことによって、上層のノンドープ微結晶シリコン層(第2光電変換層)23の(111)配向、(220)配向および(311)配向の全ての配向に対する(220)配向の比率を調べた結果について説明する。なお、このX線回折による結晶構造の解析では、上記した3種類のサンプル20以外に、Ge比を1%に設定して形成した下層のノンドープ微結晶シリコン層22上に、400nmの厚みを有する上層のノンドープ微結晶シリコン層23が形成されたサンプル20も準備した。
図12は、下層のノンドープ微結晶シリコン層を形成する際のGe比と上層のノンドープ微結晶シリコン層の全ての配向の回折強度に対する(220)配向の回折強度の比率との関係を示した図である。図12を参照して、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際のGe比を1%以上5%以下に設定した場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層23の(220)配向成分は、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際にGeを導入しない場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層23の(220)配向成分よりも多くなることが判明した。具体的には、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際のGe比を1%、2%および5%に設定した場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層23の(220)配向の回折強度の比率は、それぞれ、0.755、0.787および0.778であった。その一方、下層のノンドープ微結晶シリコン層22を形成する際にGeを導入しない場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層23の(220)配向の回折強度の比率は、0.752であった。
この結果から、下層のノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)22を形成する際のGe比を1%以上5%以下(Ge原子濃度:4%以上19%以下)に設定すれば、下層のノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)22上に形成される上層のノンドープ微結晶シリコン層(第2光電変換層)23において光電変換特性を向上させることが可能な(220)配向成分が増加することが確認できた。
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施例では、第1光電変換層にGeを導入することにより、第1光電変換層の結晶化率を低下させたが、本発明はこれに限らず、第1光電変換層にGe以外の元素を導入することにより、第1光電変換層の結晶化率を低下させてもよい。第1光電変換層の結晶化率を低下させることが可能なGe以外の元素としては、たとえば、Sn(錫)が考えられる。
本発明に従って作製した実施例による光起電力装置の構造を示した断面図である。 比較例による光起電力装置の構造を示した断面図である。 第1光電変換層を形成する際のGe比と変換効率との関係を示した図である。 光起電力装置に照射される波長と外部収集効率との関係を示した図である。 Geが含有された第1光電変換層の厚みと変換効率との関係を示した図である。 ノンドープ微結晶シリコン層(第1光電変換層)の結晶化率を調べるために作製したサンプルの断面図である。 Ge比を2%に設定して形成した実施例に対応するノンドープ微結晶シリコン層およびGeが含有されていない比較例に対応するノンドープ微結晶シリコン層のラマンスペクトル強度を示した図である。 ノンドープ微結晶シリコン層(第2光電変換層)の結晶化率を調べるために作製したサンプルの断面図である。 下層のノンドープ微結晶シリコン層を形成する際のGe比を2%に設定した場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層のラマンスペクトル強度を示した図である。 下層のノンドープ微結晶シリコン層を形成する際のGe比を5%に設定した場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層のラマンスペクトル強度を示した図である。 下層のノンドープ微結晶シリコン層を形成する際のGe比を0%に設定した場合の上層のノンドープ微結晶シリコン層のラマンスペクトル強度を示した図である。 下層のノンドープ微結晶シリコン層を形成する際のGe比と上層のノンドープ微結晶シリコン層の全ての配向の回折強度に対する(220)配向の回折強度の比率との関係を示した図である。
符号の説明
3 n型層(第1非単結晶半導体層)
4 光電変換層(第2非単結晶半導体層)
4a 第1光電変換層(第1の層)
4b 第2光電変換層(第2の層)
5 p型層(第3光電変換層)

Claims (8)

  1. 第1導電型の第1非単結晶半導体層と、前記第1非単結晶半導体層上に形成され、光電変換層として機能するとともに、実質的に真性な第2非単結晶半導体層と、前記第2非単結晶半導体層上に形成された第2導電型の第3非単結晶半導体層とを備え、
    前記第2非単結晶半導体層は、結晶化を阻害することが可能な元素が含有された第1の層と、前記第1の層上に形成され、前記結晶化を阻害することが可能な元素が含有されない第2の層とを含む、光起電力装置。
  2. 前記第1の層に含有された前記結晶化を阻害することが可能な元素の原子濃度は、前記第1の層の吸収端波長が、前記結晶化を阻害することが可能な元素が含有されていない状態に比べて実質的に変化しないように制御されている、請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記結晶化を阻害することが可能な元素は、Geである、請求項1または2に記載の光起電力装置。
  4. 第1導電型の第1非単結晶半導体層と、前記第1非単結晶半導体層上に形成され、光電変換層として機能するとともに、実質的に真性な第2非単結晶半導体層と、前記第2非単結晶半導体層上に形成された第2導電型の第3非単結晶半導体層とを備え、
    前記第2非単結晶半導体層は、Geが含有された第1の層と、前記第1の層上に形成され、前記Geが含有されない第2の層とを含む、光起電力装置。
  5. 前記第1の層に含有された前記Geの原子濃度は、4%以上19%以下である、請求項3または4に記載の光起電力装置。
  6. 前記第1の層の厚みは、25nm以上200nm以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光起電力装置。
  7. 前記第1の層の厚みは、25nm以上100nm以下である、請求項6に記載の光起電力装置。
  8. 前記第2非単結晶半導体層は、非単結晶シリコン層を含み、
    前記第2の層は、(220)面の優先結晶配向を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光起電力装置。
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