JP2010165657A - 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 正極1と、負極2と、非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、Liを含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化Erとオキシ水酸化Erとから選択されるEr化合物の粒子と、水酸化Ybとオキシ水酸化Ybとから選択されるYb化合物の粒子と、水酸化Tbとオキシ水酸化Tbとから選択されるTb化合物の粒子と、水酸化Dyとオキシ水酸化Dyとから選択されるDy化合物の粒子と、水酸化Hoとオキシ水酸化Hoとから選択されるHo化合物の粒子と、の少なくとも一種の粒子と、水酸化Tmとオキシ水酸化Tmとから選択されるTm化合物の粒子と、水酸化Luとオキシ水酸化Luとから選択されるLu化合物の粒子から選択される少なくとも一種の粒子が分散かつ付着された正極活物質を用いた。
【選択図】 図1
Description
また、本発明における非水電解質二次電池によれば非水電解質二次電池を高温環境下において充電状態で保存した後や高温環境下において連続充電した後の保存特性や充放電特性等も向上される。さらに、非水電解質二次電池の内部でのガス発生による電池の膨化が抑制される。
実施例A1では、下記のようにして作製した正極と負極と非水電解液とを用いた。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、5.79gの硝酸エルビウム5水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸エルビウム水溶液を添加した。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化エルビウムを付着させた。そして、これを吸引濾過して処理物を濾取し、この処理物を120℃で乾燥させて、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を得た。
負極活物質の人造黒鉛と、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)と、結着剤のSBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを98:1:1の質量比で水溶液中において混合し、負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて、負極集電体の両面に負極合剤層が形成された負極を得た。なお、この負極における負極活物質の充填密度は1.75g/cm3であった。
非水系溶媒のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:7の体積比で混合した混合溶媒に、溶質のLiPF6を1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させて、非水電解液を作製した。
図1(A),(B)に示すように、正極11と負極12との間にリチウムイオン透過性のポリエチレン製の微多孔膜からなるセパレータ13を介在させて巻回し、これをプレスして扁平電極体10を作製した。次いで、図2に示すように、扁平電極体10をアルミニウムラミネートフィルムで構成された電池容器20内に収容し、この電池容器20内に非水電解液を加えた。そして、正極11に設けた正極集電タブ11aと負極12に設けた負極集電タブ12aとを外部に取り出し、電池容器20の開口部を封口した。これにより、4.40Vまで充電した場合の設計容量が780mAhである扁平型の非水電解質二次電池を作製した。
実施例A2では、実施例A1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中にて200℃で5時間熱処理した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A3では、実施例A1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中にて400℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A4では、実施例A1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A5では、実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化エルビウムを付着させるにあたり、硝酸エルビウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を2.76gに変更した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A6では、実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化エルビウムを付着させるにあたり、硝酸エルビウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を1.78gに変更した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A7では、実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化エルビウムを付着させるにあたり、硝酸エルビウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を0.93gに変更した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a1では、実施例A1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にエルビウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a2では、実施例A1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化エルビウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化エルビウム1.25gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合し、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化エルビウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a3では、比較例a2における一次粒子の粒子径が300nmの酸化エルビウムの量を5gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a4では、実施例A1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中にて500℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例x1では、実施例A1における正極活物質の作製において、正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硝酸アルミニウム9水和物30.9gを純水に溶解させた硝酸アルミニウム水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化アルミニウムを付着させた。
比較例x2では、比較例x1に示すようにして得た正極活物質に対して、さらに空気雰囲気中にて500℃の温度で5時間熱処理して正極活物質を得た。そして、比較例x2の正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例x3では、比較例x1における正極活物質の作製において、硝酸アルミニウム9水和物9.27gを純水に溶解させた硝酸アルミニウム水溶液を添加し、120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、比較例x1と同様にして正極活物質を得た。そして、比較例x3の正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例y1では、実施例A1における正極活物質の作製において、正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硫酸亜鉛7水和物19.4gを純水に溶解させた硫酸亜鉛水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化亜鉛を付着させた。その後、これを吸引濾過して処理物を濾取し、この処理物を120℃で乾燥させて、正極活物質粒子の表面に亜鉛化合物が付着された正極活物質を得た。そして、比較例y1の正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例z1では、実施例A1における正極活物質の作製における5.79gの硝酸エルビウム5水和物に代えて、6.84gの硝酸セリウム6水和物を用い、それ以外は、実施例A1と同様にして正極活物質を作製した。そして、比較例z1の正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
充放電効率(%)=(Q2/Qa)×100…(3)
充放電効率(%)=(Q4/Qb)×100…(6)
これは、充放電に関与しないアルミニウム化合物や亜鉛化合物の粒子を正極活物質粒子の表面に付着させることにより、非水電解液と正極活物質粒子との接触が抑制されるが、正極活物質に含まれる触媒性を有する遷移金属により、正極活物質の表面における非水電解液の分解を十分に抑制できなかったためと考えられる。
実施例A8では、実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子として、MgとAlとZrとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして、この正極活物質粒子の表面にエルビウム化合物の粒子を付着させて正極を作製すると共に、この正極を用いて非水電解質二次電池を作製した。
比較例a5では、実施例A1における正極の作製において、実施例A8と同じ正極活物質粒子を用い、この正極活物質粒子の表面にエルビウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
実施例B1では、下記のように作製した正極を用いた。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、5.24gの硝酸イッテルビウム3水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸イッテルビウム水溶液を添加した。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化イッテルビウムを付着させた。
実施例B2では、実施例B1における正極の作製において、水酸化イッテルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中にて200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例B3では、実施例B1における正極の作製において、水酸化イッテルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例B4では、実施例B1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化イッテルビウムを付着させるにあたり、硝酸イッテルビウム3水和物を200mlの純水に溶解させる量を1.59gに変更した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例b1では、実施例B1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にイッテルビウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例b2では、実施例B1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化イッテルビウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化イッテルビウム1.25gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合した。これにより、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化イッテルビウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
比較例b3では、比較例b2における一次粒子の粒子径が300nmの酸化イッテルビウムの量を5gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例b4では、実施例B1における正極の作製において、水酸化イッテルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中にて500℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例C1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、6.19gの硝酸テルビウム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸テルビウム水溶液を添加した。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化テルビウムを付着させた。そして、これを吸引濾過して処理物を濾取し、この処理物を120℃で乾燥させて、水酸化テルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を得た。
実施例C2では、実施例C1における正極の作製において、水酸化テルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例C3では、実施例C1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例C4では、実施例C1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化テルビウムを付着させるにあたり、硝酸テルビウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を1.91gに変更した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例c1では、実施例C1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にテルビウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例c2では、実施例C1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化テルビウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化テルビウム1.25gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合した。これにより、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化テルビウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
比較例c3では、比較例c2における一次粒子の粒子径が300nmの酸化テルビウムの量を5gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例c4では、実施例C1における正極の作製において、水酸化テルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において500℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例D1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、5.89gの硝酸ジスプロシウム5水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ジスプロシウム水溶液を添加した。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ジスプロシウムを付着させた。そして、これを吸引濾過して処理物を濾取し、この処理物を120℃で乾燥させて、水酸化ジスプロシウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を得た。
実施例D2では、実施例D1における正極の作製において、水酸化ジスプロシウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例D3では、実施例D1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例D4では、実施例D1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ジスプロシウムを付着させるにあたり、硝酸ジスプロシウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を1.81gに変更した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例d1では、実施例D1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にジスプロシウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例d2では、実施例D1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ジスプロシウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化ジスプロシウム1.25gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合した。これにより、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化ジスプロシウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
比較例d3では、比較例d2における一次粒子の粒子径が300nmの酸化ジスプロシウムの量を5gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例d4では、実施例D1における正極の作製において、水酸化ジスプロシウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において500℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例E1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、5.84gの硝酸ホルミウム5水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ホルミウム水溶液を添加した。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ホルミウムを付着さた。そして、これを吸引濾過して処理物を濾取し、この処理物を120℃で乾燥させて、水酸化ホルミウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を得た。
実施例E2では、実施例E1における正極の作製において、水酸化ホルミウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例E3では、実施例E1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、前記のように120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例E4では、実施例E1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ホルミウムを付着させるにあたり、硝酸ホルミウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を1.80gに変更した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例e1では、実施例E1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にホルミウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例e2では、実施例E1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ホルミウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化ホルミウム1.25gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合した。これにより、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化ホルミウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
比較例e3では、比較例e2における一次粒子の粒子径が300nmの酸化ホルミウムの量を5gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例e4では、実施例E1における正極の作製において、水酸化ホルミウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において500℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
二次電池と同様に、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池に比べて、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が小さく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率が大きく向上した。
実施例F1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、5.53gの硝酸ツリウム4水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ツリウム水溶液を添加した。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ツリウムを付着させた。そして、これを吸引濾過して処理物を濾取し、この処理物を120℃で乾燥させて、水酸化ツリウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を得た。
実施例F2では、実施例F1における正極の作製において、水酸化ツリウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例F1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例F3では、実施例F1における正極の作製において、水酸化エルビウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、実施例F1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例F4では、実施例F1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ツリウムを付着させるにあたり、硝酸ツリウム4水和物を200mlの純水に溶解させる量を1.70gに変更した。それ以外は、実施例F1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例f1では、実施例F1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にツリウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例F1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例f2では、実施例F1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ツリウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化ツリウム1.25gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合した。これにより、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化ツリウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例F1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例f3では、比較例f2における一次粒子の粒子径が300nmの酸化ツリウムの量を4.97gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例F1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例f4では、実施例F1における正極の作製において、水酸化ツリウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において500℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例F1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例G1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、5.21gの硝酸ルテチウム3水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ルテチウム水溶液を添加した。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ルテチウムを付着させた。そして、これを吸引濾過して処理物を濾取し、この処理物を120℃で乾燥させて、水酸化ルテチウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を得た。
実施例G2では、実施例G1における正極の作製において、水酸化ルテチウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例G1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例G3では、実施例G1における正極の作製において、水酸化ルテチウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、120℃で乾燥のみの熱処理で終了した。それ以外は、実施例G1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例G4では、実施例G1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ルテチウムを付着させるにあたり、硝酸ルテチウム3水和物を200mlの純水に溶解させる量を1.59gに変更した。それ以外は、実施例G1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例g1では、実施例G1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にルテチウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例G1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例g2では、実施例G1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ルテチウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化ルテチウム1.25gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合した。これにより、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化ルテチウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例G1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例g3では、比較例g2における一次粒子の粒子径が300nmの酸化ルテチウムの量を4.97gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例G1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例g4では、実施例G1における正極の作製において、水酸化ルテチウムが表面に分散かつ付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において500℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例G1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例H1では、正極を作製するにあたり、CoやNiが含まれない正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。そして、この正極活物質粒子を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして、この正極活物質粒子の表面に、エルビウム化合物の粒子が分散かつ付着された正極活物質を得た。
実施例H2も、実施例H1と同様に、正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。そして、この正極活物質粒子を用いる以外は、実施例B1の場合と同様にして、この正極活物質粒子の表面に、イッテルビウム化合物の粒子が分散かつ付着された正極活物質を得た。
実施例H3においても、実施例H1と同様に、正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。
実施例H4においても、実施例H1と同様に、正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。
実施例H5においても、実施例H1と同様に、正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。
実施例H6においても、実施例H1と同様に、正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。
実施例H7においても、実施例H1と同様に、正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。
比較例hでは、正極活物質粒子として、実施例H1と同じMgとAlとがそれぞれ1モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用い、この正極活物質粒子の表面に何も付着させなかった。
11 正極
11a 正極集電タブ
12 負極
12a 負極集電タブ
13 セパレータ
20 電池容器
Claims (21)
- リチウムを含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化エルビウムとオキシ水酸化エルビウムとから選択される少なくとも一種のエルビウム化合物の粒子と、水酸化イッテルビウムとオキシ水酸化イッテルビウムとから選択される少なくとも一種のイッテルビウム化合物の粒子と、水酸化テルビウムとオキシ水酸化テルビウムとから選択される少なくとも一種のテルビウム化合物の粒子と、水酸化ジスプロシウムとオキシ水酸化ジスプロシウムとから選択される少なくとも一種のジスプロシウム化合物の粒子と、水酸化ホルミウムとオキシ水酸化ホルミウムとから選択される少なくとも一種のホルミウム化合物の粒子と、水酸化ツリウムとオキシ水酸化ツリウムとから選択される少なくとも一種のツリウム化合物の粒子と、オキシ水酸化ルテチウムとオキシ水酸化ルテチウムから選択される少なくとも一種のルテチウム化合物の粒子から選択される少なくとも一種の化合物の粒子が分散かつ付着されていることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、リチウムを含有する正極活物質粒子の表面に分散かつ付着される化合物の粒子が、オキシ水酸化エルビウムであることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、リチウムを含有する正極活物質粒子の表面に分散かつ付着される化合物の粒子が、オキシ水酸化イッテルビウムであることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記のリチウムを含有する正極活物質粒子が、ニッケル及び/又はコバルトを含有していることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記のリチウムを含有する正極活物質粒子にジルコニウムが固溶されていることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1又は請求項2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にエルビウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化エルビウムを析出させる工程と、水酸化エルビウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する工程とを有し、正極活物質粒子の表面に水酸化エルビウムを析出させる工程における上記の正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項6に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、水酸化エルビウムが析出された正極活物質粒子を熱処理温度が440℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1又は請求項3に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にイッテルビウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化イッテルビウムを析出させる工程と、水酸化イッテルビウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する工程とを有し、正極活物質粒子の表面に水酸化イッテルビウムを析出させる工程における上記の正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項7に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、水酸化イッテルビウムが析出された正極活物質粒子を熱処理温度が400℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にテルビウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化テルビウムを析出させる工程と、水酸化テルビウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する工程とを有し、正極活物質粒子の表面に水酸化テルビウムを析出させる工程における上記の正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項10に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、水酸化テルビウムが析出された正極活物質粒子を熱処理温度が395℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にジスプロシウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ジスプロシウムを析出させる工程と、水酸化ジスプロシウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する工程とを有し、正極活物質粒子の表面に水酸化ジスプロシウムを析出させる工程における上記の正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項12に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、水酸化ジスプロシウムが析出された正極活物質粒子を熱処理温度が450℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にホルミウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ホルミウムを析出させる工程と、水酸化ホルミウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する工程とを有し、正極活物質粒子の表面に水酸化ホルミウムを析出させる工程における上記の正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項14に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、水酸化ホルミウムが析出された正極活物質粒子を熱処理温度が445℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にツリウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ツリウムを析出させる工程と、水酸化ツリウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する工程とを有し、正極活物質粒子の表面に水酸化ツリウムを析出させる工程における上記の正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項16に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、水酸化ツリウムが析出された正極活物質粒子を熱処理温度が405℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散せた溶液にルテチウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質の表面に水酸化ルテチウムを析出させる工程と、水酸化ルテチウムが析出された正極活物質とを熱処理する工程を有し、正極活物質の表面に水酸化ルテチウムを析出させる工程におけるpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項18に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、水酸化ルテチウムが析出された正極活物質粒子を熱処理温度が405℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極。
- 正極と、負極と、非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、上記の正極に請求項20に記載の非水電解質二次電池用正極を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
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