JP2010163655A - 転炉型精錬容器の初期昇温方法 - Google Patents

転炉型精錬容器の初期昇温方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期昇温後に転炉型精錬容器1に設けた耐火物5の剥離を確実に防止することができる。
【解決手段】内容積が200m3以上となる転炉型精錬容器1への耐火物5の施工後に初期昇温を行う転炉型精錬容器1の初期昇温方法において、転炉型精錬容器1の初期昇温を行うに際し、まず、転炉型精錬容器1の底部にコークス10を置く載置台11を設置する。底部と載置台11との間の空間部分Sを転炉型精錬容器1の全体の内容積に対して2%以上に設定する。転炉型精錬容器1に酸素を吹き込むランスの酸素流量を0.2〜1.1Nm3/min・m3の範囲とする。ランスの底部からの高さを4.1〜7.3mの範囲で上下させることで酸素によりコークス10を燃焼させる。コークス10の燃焼による発生する発熱量を1.3×10-2t−0.036MJ/分・m3以上1.1×10-2t+2.4MJ/分・m3以下にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、転炉型精錬容器の初期昇温方法に関する。
従来より、転炉型精錬容器を耐火物の施工などによって長期間停止する場合には、当該転炉型精錬容器に溶湯を装入する前に昇温することが必要になる。このように、転炉型精錬容器を初期に昇温する方法としては、特許文献1や特許文献2に示すものがある。
特許文献1では、製鋼用炉・容器の昇温・保温に際し、固体炭素物質を該炉・容器の底部に投入すること、該固体炭素物質層の上面に向けて酸素ランスより酸素を吹き付けること、酸素吹き付けによって該固体炭素物質層から発生する未燃ガスに向けて補助ノズルから酸素を吹き付けていることによって昇温を行っている。
特許文献2では、使用に供する前に転炉の内側に張られている耐火物を初期加熱するに際して、起立状態の該転炉内に投入したコークスを該転炉の炉口から挿入した主ランスから酸素ガスを噴出させて燃焼させる転炉の初期加熱方法において、転炉の炉底に可燃ガスを転炉の内壁方向に向かって放射状に放射するノズルを設け、該ノズルから加熱ガスを噴射させることによって昇温を行っている。
さて、特許文献1や特許文献2の初期昇温方法においては、ランスから酸素を吹き付けているが、ランスの酸素の吹き付けに関して酸素流量やランスの高さを開示しているものとして特許文献3のものがある。
特許文献3は、初期昇温を行うような技術ではないが、混銑車(トピードカー)内の溶銑に対して25Nm3/minにて酸素を吹き付けると共に、ランスの高さを4100mm又は4300mmにしている。
また、特許文献1や特許文献2の初期昇温方法においては、コークスを転炉の炉底においてコークスを燃焼させることにより昇温をおこなうものであるが、コークス等の燃焼物を効率良く燃焼させるような装置として特許文献4に示すものがあり、又、発熱量について開示しているものとしては特許文献5に示すものがある。
特許文献4は、初期昇温を行うような技術ではないが、移動可能な装置の底部及び側面の周壁に空気孔として複数個のテーパー状及び/又は空気溝として縦方向の溝を設けている。
さらに、特許文献1や特許文献2の初期昇温方法においては、コークスを転炉の炉底においてコークスを燃焼させることにより昇温をおこなうものであるが、コークス等の燃焼物を効率良く燃焼させるような装置として特許文献4に示すものがある。
特許文献5は、初期昇温を行うような技術ではないが、複数本のガスバーナーにてタンディッシュ耐火物の予熱をするに際し、耐火物入熱量を予熱開始後30分間は34000kcal/m2・hr以下とし引きつづき90000kcal/m2・hr以上の耐火物入熱量で予熱し、耐火物表面温度が1100℃以上確保できたら予熱を終了している。
特開昭63−111113号公報 特開平04−83816号公報 特許第2575075号 特開2001−241665号公報 特開平7−204807号公報
特許文献1及び特許文献2では、転炉型精錬容器を初期に昇温する方法を開示しているものの、ランスの高さ、ランスからの酸素流量、コークスの燃焼時での発熱量など初期昇温を行う際での詳細な条件が全く開示されておらず、このような技術で内容積が200m3以上となる転炉型精錬容器に対する初期昇温を行うことは非常に困難であるのが実情である。特に、このような方法では、初期昇温後に耐火物の剥離を確実に防止することができないという問題もある。
さて、特許文献3〜特許文献5では、ランスの高さ、ランスからの酸素流量、コークスの燃焼時での発熱量がそれぞれ開示されているものの、転炉型精錬容器に対して初期昇温を行うものではなく、耐火物を加熱して初期昇温後に耐火物の剥離を防止するような技術でもない。したがって、特許文献3〜特許文献5の技術を用いて転炉型精錬容器の初期昇温を行って耐火物の剥離を確実に防止することができない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、内容積が200m3以上となる転炉型精錬容器の初期昇温を行うにあたって、初期昇温後に転炉型精錬容器に設けた耐火物の剥離を確実に防止することができる転炉型精錬容器の初期昇温を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、内容積が200m3以上となる転炉型精錬容器への耐火物の施工後に前記転炉型精錬容器の初期昇温を行うに際し、前記転炉型精錬容器の底部に載置台を設置し、前記底部と載置台との間の空間部分の体積を前記転炉型精錬容器の全体の内容積に対して2%以上に設定し、前記載置台上にコークスを載置しておき、前記転炉型精錬容器に酸素を吹き込むランスの酸素流量を0.2〜1.1Nm3/min・m3の範囲とすると共に、前記転炉型精錬容器の底部からの前記ランスの高さを4.1〜7.3mの範囲で上下させることでコークスを燃焼させ、当該コークスの燃焼による発生する発熱量を式(1)を満たすようにする点にある。
本発明によれば、初期昇温後に転炉型精錬容器に設けた耐火物の剥離を確実に防止することができる。
転炉型精錬容器にコークス及び載置台を置いた全体側面図である。 初期昇温を行う方法(初期昇温の工程)の説明図である。 初期昇温を行ったときの昇温時間(t)と発熱量(Q)との関係図である。 耐火物の剥離を判断するための説明図であって、(a)1チャージ目の出鋼後に撮像した写真であり、(b)写真内に黒点が有る場合の模試図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は本発明の転炉型精錬容器の全体側面図を示している。
この転炉型精錬容器1は、内容積が200m3以上となるものであって、内部に装入された溶湯(溶銑や溶鋼)に対して脱炭処理や脱りん処理を行うことができる上底吹き転炉である。転炉型精錬容器1の上部には、副原料等を投入するための投入装置2(例えば、ホッパー)が設けられ、この投入装置2を用いて精錬時に必要な副原料や昇温時に必要なコークス等が投入することができる。
また、転炉型精錬容器1には、酸素を吹き込むための上吹きランス3が挿入自在(上下動自在)に設けられ、上吹きランス3の上下動により、当該上吹きランス3の高さを変更することができる。
転炉型精錬容器1は、大別して、精錬容器の本体を構成する鉄皮4と、この鉄皮4に施工された複数の耐火物5とを備えたものとなっている。鉄皮4は、有底で筒状に形成されていて、底壁部6と、底壁部6から上方側に立ち上がる胴部7とを備えている。鉄皮4の胴部7には、溶湯を出湯するための出湯口8が形成され、鉄皮4の底壁部6には、ガスを吹き込む吹き込み口9が形成されている。
耐火物5は、鉄皮4の底壁部6の上面側(内面側)に設けられると共に、直胴部7の内面側に設けられ、鉄皮4の内面側の略全体に亘って設けられたものとなっている。出湯口8の内面や吹き込み口9の内面も、耐火物5によって覆われている。
このような転炉型精錬容器1では、溶湯を当該転炉型精錬容器1内に装入して、投入装置2により副原料等を投入し、上吹きランス3によって酸素を溶湯に吹き込むことにより、溶湯の脱りん処理や脱炭処理を行うことができる。
脱りん処理や脱炭処理を複数チャージ(例えば、4000チャージ程度)行うと溶湯等によって耐火物5の溶損が進み、転炉型精錬容器1の寿命、即ち、耐火物5が寿命を迎えることになる。寿命を迎えた転炉型精錬容器1では、まず、溶損した耐火物5を鉄皮4から取り、改めて溶損していない新しい耐火物5を鉄皮4に施工することによって、転炉型精錬容器1の改修を行う。
転炉型精錬容器1の改修後(新たに耐火物5を鉄皮4に施工した後)は、当該転炉型精錬容器1内の温度を上昇させるという昇温作業(初期昇温ということがある)を行う。
以下、耐火物の施工後に初期昇温を行う方法(初期昇温の工程)について詳しく説明する。
本発明の初期昇温を行う方法では、内容積が200m3 以上となる大型の転炉型精錬容器1を昇温する場合を対象としている。内容積が200m3 未満の小型であるものでは、転炉型精錬容器1内にコークス10を投入して当該コークス10を上吹きランス3を用いずに燃焼させるだけでも十分な昇温効果が得られ、大型の転炉型容器とは異なる。
本発明の初期昇温を行う方法では、内容積が200m3 以上となる大型の転炉型精錬容器1の初期昇温を行うに際して、まず、転炉型精錬容器1の底部にコークス10を置く載置台11を設置する。なお、載置台11は、鋼材(鉄)の材料から形成されている。
図2(a)に示すように、具体的には、コークス10を置く天板12と当該天板12を所定の高さにて支える脚部13とを備えた載置台11を、クレーンで吊り上げ、吊り上げている載置台11を炉口14を介して当該転炉型精錬容器1内に入れる。
そして、鉄皮4の底壁部6に設けた耐火物5上、即ち、転炉型精錬容器1の底部上に、載置台11の脚部13を載せて、天板12を底壁部6の耐火物5から浮かすことによって当該底壁部6上(耐火物5上)に載置台11を設置する。
なお、載置台11は、1台でも良いが、この実施形態では、図1及び図2に示すように、転炉型精錬容器1内に設置した載置台11は複数台である。この実施形態では、各複数台の載置台11を隣接して(隣り合う載置台11の天板12を近接又は付きあわせる)、各載置台11での天板12の高さ(底部の耐火物5からの距離)を略同じにすることによって、コークス10を置く設置部分(設置面)を構成している。
このような載置台11は、コークス10を底部側の耐火物5から所定の高さを浮かして設置するようなものであれば、何でも良く上述したものに限定されない。
ここで、載置台11を転炉型精錬容器1の底部(鉄皮4の底壁部6に設けた耐火物5)に設置した際、底部と載置台11との間の空間部分Sを転炉型精錬容器1の全体の内容積に対して2%以上となるように設定しておく。
具体的には、載置台11を転炉型精錬容器1の底部に設置したとき、天板12と耐火物5との間には空間部分Sが存在することになるが、当該空間部分Sの全体積(各載置台11の空間部分Sを総合計した体積)が、転炉型精錬容器1の全体の内容積に対して2%以上となるように、天板12と耐火物5とのスペース(空間部分S)を確保する。
言い換えれば、転炉型精錬容器1の底部に複数の載置台11を設置した状態を考えたとき、天板12と耐火物5との間に形成される空間部分Sの総体積(単に空間部分の体積ということがある)が、転炉型精錬容器1の全体の内容積に対して2%以上となるように、天板12の高さ、即ち、脚部13の長さを設定する。さらに言い換えるならば、後述するように、天板12上にコークス10を載せることになるが、天板12の下面側と耐火物5との間の空気層Sの総体積を、転炉型精錬容器1の全体の内容積に対して2%以上確保する。
このように、底部と載置台11との間の空間部分S(空気層Sの体積ということがある)を転炉型精錬容器1の全体の内容積に対して2%以上しているため、コークス10が空気と接触する表面積が大きくなり燃焼するコークス10量が増えるため酸素効率が高くなる。一方で、空気層Sの体積が2%未満であると、コークス10が空気と接触する表面積が小さく、酸素効率が低くなるため十分に耐火物5温度を上げることができない。
図2(b)に示すように、複数の載置台11にてコークス10を置く部分(設置面)を構成した後は、投入装置2にコークス10を供給して、当該投入装置2によって設置面にコークス10を上方から投入することによって、載置台11にコークス10を載置する。
図2(c)に示すように、転炉型精錬容器1内に上吹きランス3を挿入して、上吹きランス3にてコークス10に向けて酸素を吹く。上吹きランス3による酸素流量は、0.2〜1.1Nm3/min・m3の範囲とする。この酸素流量は、1分容積1m3当たりの原単位として規定していて、酸素流量を増加させるとコークス10との反応効率が増加し発熱量が増加することになる。また、酸素流量は、1分あたりの上吹きランス3からの酸素噴出量を転炉内容積で割ったものでも規定している。
また、上吹きランス3によって酸素を吹き込む際は、上吹きランス3から底部までの高さ(単に上吹きランス3の高さということがある)が4.1〜7.3mとなる範囲内で当該上吹きランス3を上下動させる。上吹きランス3の高さを求めるにあたっては、転炉工場の敷地地盤面であるグランドライン(GL)から上吹きランス3の先端までの距離L1、及び、GLから炉底部(底壁部6の外面側)の高さとの距離L2を用いて計算をした(上吹きランス3の高さ=L1−L2)。上吹きランス3の高さを低くすると燃焼する炭素量が増加して発熱量が増加することになる。
このように、コークス10に対して酸素を吹くと、酸素によりコークス10が燃焼して、当該転炉型精錬容器1内の温度、即ち、鉄皮4に施工した耐火物5の温度が上昇することになる。即ち、酸素とコークス10の反応(C+O2=CO2)によって発熱し、耐火物5が加熱されることになる。
このようにコークス10を燃焼させている状態(酸素を吹いた状態)においては、図2(d)に示すように、炉口14の付近にてCOガス又はCO2ガスの濃度を計測装置15にて計測し、この計測装置15のCOガス又はCO2の濃度から燃焼した燃焼炭素量(燃焼C量)を計算して、その燃焼C量を用いて発熱量を求める。
そして、このように求めた発熱量が式(1)の範囲を満たすように、上述した上吹きランス3による酸素流量の範囲内で上吹きランス3の酸素流量を変更したり、上述した上吹きランス3の高さ範囲内で上吹きランス3の高さを変更しながらコークス10を燃焼させ、発熱量を調整する。
具体的には、上吹きランス3の高さを高くするとコークス10と反応する酸素の効率が低下して発熱量は減少する。一方で、上吹きランス3の高さを低くするとコークス10と反応する酸素の効率が良くなるため発熱量が増加する。
また、上吹きランス3による酸素流量を少なくするとコークス10と反応する酸素の効率が低下して発熱量は減少する。一方で、上吹きランス3による酸素流量を多くするとコークス10と反応する酸素の効率が良くなるため発熱量が増加する。
このように、上吹きランス3の高さと発熱量との関係や上吹きランス3による酸素流量と発熱量との関係を利用して、後述する方法により算出した発熱量を調整する。
ここで、上述した発熱量とは、1分あたり、転炉内容積あたりの発熱量である。この発熱量は、昇温中(酸素吹き込み中)に計測装置15によって測定したCO2の濃度から単位時間当たりの燃焼C量(mol)を求め、燃焼C量を式(2)に代入することにより求めた。
式(1)の発熱量の範囲は、初期昇温後に耐火物5が剥離した場合での発熱量と耐火物5が剥離しなかった場合での発熱量との関係を整理することにより導き出されたものである。図3は、初期昇温を行ったときの昇温時間(t)と発熱量(Q)との関係を、初期昇温ケース毎にまとめたものである。図3に示すように、ケース1とケース2については、初期昇温後に耐火物5の剥離が確認された。その他のケースについては、初期昇温後に耐火物5の剥離を確認することはなかった。
このように初期昇温を行った複数のケースを見てみると、初期昇温を行っている最中に発熱量が1.1×10-2t+2.4を超えると(発熱量が式(1)の上限値を超えてしまうと)、急な温度上昇により昇温中に耐火物5の剥離が発生することがあった。
一方で、初期昇温を行っている最中に発熱量が1.3×10-2t−0.036を下回ると(発熱量が式(1)の下限値よりも低くなると)、加熱が十分でなく溶銑装入時や最初の吹錬中に耐火物5が剥離する場合があった。そのため、発熱量は、式(1)の範囲にする必要がある。
なお、火種の着火は、灯油等を用いて行うことから昇温開始直後はコークス10の発熱量が大きくなる傾向がある。そのため、コークス10の発熱量が式(1)の上限値を超えないように、昇温直後は、上述した範囲を満たす条件下で上吹きランス3による酸素流量を抑えたり、上吹きランス3の高さを高くすることが好ましく。コークス10の燃料が安定した後に、緩やかに温度を上げていくために発熱量を少しずつ増加させていくことが最も好ましい。
表1は、転炉型精錬容器1の耐火物5の施工が完了して、初期昇温を行ったときの条件を示したものである。
表2〜表4は、表1に示した条件で初期昇温を、本発明の方法にて行った実施例と、本発明とは異なる方法にて行った比較例とを示したものである。
実施例及び比較例に示すように、初期昇温を行う際には、酸素流量、上吹きランス3の高さを変化させながら昇温を行った。なお、当業者の常法通り、耐火物5の加熱、即ち、初期昇温が完了したと思われる時点で初期昇温を完了した。例えば、初期昇温の終了は、初期昇温を開始してから十分に時間が経過し(少なくとも3〜4時間以上)、耐火物の表面が赤くなり目地からも炎が見えだしたら終了する。
実施例及び比較例において、空気層Sの体積、酸素流量、上吹きランス3の高さ、発熱量が本発明の範囲に入っているものについては、良好(適否の欄、「○」)として、本発明の範囲から外れているものについては、不良(適否の欄、「×」)とした。
耐火物5の剥離については、初期昇温終了後、当該転炉型精錬容器1に溶湯を装入して精錬を行った後、図4(a)に示すように、当該立上げ1ch目(1チャージ目)の出鋼後に内部の写真を撮影し、図4(b)に示すように、撮影した写真内に黒点が有るものを剥離有り、撮像した写真内に黒点が無いものを剥離なしと判断した。なお、図4(a)の写真は剥離が無い状態のものである。
実施例においては、発熱量が式(1)の範囲から外れることを防止するために、発熱量が式(1)の上限値の90%以上になった場合に上吹きランス3高さを0.5m上げた。また、発熱量が、式(1)の下限値の110%以下になった場合は酸素流量を50Nm3/min上げるか上吹きランス3高さを0.5m下げた。
実施例1〜実施例4に示すように、初期昇温を行う工程において全ての期間にて、底部と載置台11との間の空間部分S(空気層S)を転炉型精錬容器1の全体の内容積に対して2%以上に設定し、上吹きランス3の酸素流量を0.2〜1.1Nm3/min・m3の範囲とすると共に、上吹きランス3の高さを4.1〜7.3mの範囲で上下させ、且つ、コークス10の燃焼による発生する発熱量を式(1)を満たすようにすれば、初期昇温後に耐火物5の剥離は発生しなかった(剥離「無」、総合評価「○」)。
比較例1に示すように、空気層Sを0%、即ち、載置台11を用いずにコークス10を底部の耐火物5上に直接置いた場合、上吹きランス3の酸素流量を如何なる量にしても、又、上吹きランス3を如何なる高さにしても、初期昇温後に耐火物5の剥離は発生しなかった(剥離「有」、総合評価「×」)。
一方で、比較例1の一部や比較例2に示すように、空気層Sを2%以上としても発熱量が式(1)の範囲を外れると、上吹きランス3の酸素流量を如何なる量にしても、又、上吹きランス3を如何なる高さにしても、初期昇温後に耐火物5の剥離は発生しなかった(剥離「有」、総合評価「×」)。
しかも、比較例1や比較例2に示すように、初期昇温を行う工程において一部の期間でも、上述した条件を外れると耐火物5の剥離が発生した。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 転炉型精錬容器
2 投入装置
3 上吹きランス
4 鉄皮
5 耐火物
6 底壁部
7 胴部
8 出湯口
9 吹き込み口
10 コークス
11 載置台
12 天板
13 脚部
14 炉口
15 計測装置
S 空間部分(空気層)

Claims (1)

  1. 内容積が200m3以上となる転炉型精錬容器への耐火物の施工後に前記転炉型精錬容器の初期昇温を行うに際し、前記転炉型精錬容器の底部に載置台を設置し、前記底部と載置台との間の空間部分の体積を前記転炉型精錬容器の全体の内容積に対して2%以上に設定し、前記載置台上にコークスを載置しておき、
    前記転炉型精錬容器に酸素を吹き込むランスの酸素流量を0.2〜1.1Nm3/min・m3の範囲とすると共に、前記転炉型精錬容器の底部からの前記ランスの高さを4.1〜7.3mの範囲で上下させることでコークスを燃焼させ、当該コークスの燃焼による発生する発熱量を式(1)を満たすようにすることを特徴とする転炉型精錬容器の初期昇温方法。
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