JP6172720B2 - 製錬プロセスの起動 - Google Patents

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Description

本発明は金属含有材料の製錬プロセスの起動方法に関する。
本明細書においては、「金属含有材料(metalliferous material)」という用語は、固体供給材料および溶融供給材料を包含するものと理解される。この用語は、さらに、部分還元された金属含有材料をもその範囲内に含む。
本発明は、それに限定するわけではないが、特に、溶融浴内の発生ガスによって生成される強い浴/スラグの噴泉効果を有する製錬容器において、金属含有供給材料から溶融金属を製造するための溶融浴に基づく製錬プロセスの起動方法に関する。この場合、ガスの発生は、少なくとも部分的に、溶融浴内における炭素質材料の分解蒸発の結果である。
本発明は、それに限定するわけではないが、特に、鉄鉱石のような鉄含有材料を製錬して鉄を製造するプロセスの起動方法に関する。
本発明は、それに限定するわけではないが、特に、金属含有材料製錬用の主チャンバを含む製錬容器における製錬プロセスの起動方法に関する。
一般的にHIsmeltプロセスと呼称される既知の溶融浴に基づく製錬プロセスが、当出願人の名前における多数の特許および特許出願に記載されている。
以下において「HIsarna」プロセスと呼称される別の溶融浴に基づく製錬プロセスが、当出願人の名前における国際出願第PCT/AU/99/00884号明細書(国際公開第00/022176号パンフレット)に記載されている。
HIsmeltプロセスおよびHIsarnaプロセスは、特に、鉄鉱石または別の鉄含有材料からの溶融鉄の製造に関係している。
HIsarnaプロセスは次のような製錬装置において実施される。すなわち、(a)主製錬チャンバと、固体供給材料および酸素含有ガスを主チャンバの中に噴射するランスとを含む製錬容器であって、溶融金属およびスラグの浴を包含するように構成される製錬容器と、(b)金属含有供給材料を予備処理するための製錬サイクロンであって、前記製錬容器の上部に配置されると共に、その製錬容器と直接連通する製錬サイクロンとを含む製錬装置である。
本明細書においては、「製錬サイクロン(smelt cyclone)」という用語は、通常、垂直の円筒形のチャンバを画定すると共に、チャンバに供給される供給材料がチャンバの垂直の中心軸の回りの径路内において動くように構成される容器であって、金属含有材料を少なくとも部分溶融するのに十分な高い運転温度に耐え得る容器を意味するものと理解される。
HIsarnaプロセスの一形態においては、炭素質の供給材料(通常石炭)と、場合によってはフラックス(通常焼成石灰石)とが、製錬容器の主チャンバ内の溶融浴の中に噴射される。炭素質材料は、還元剤源およびエネルギー源として供給される。鉄鉱石のような金属含有供給材料は、場合によってはフラックスと混合して、製錬サイクロンの中に噴射され、その中で加熱され、部分溶融されかつ部分還元される。部分的に還元されたこの溶融金属含有供給材料は、製錬サイクロンから製錬容器内の溶融浴の中に流下し、その浴中において溶融金属に製錬される。溶融浴内において生成される高温の反応ガス(通常CO、CO、HおよびHO)は、主チャンバの上部部分において、酸素含有ガス(通常工業等級の酸素)により部分燃焼される。後燃焼によって生じる熱は、溶融浴の中に戻るように落下する上部部分内の溶融液滴に伝達されて、浴の温度を維持する。部分燃焼した高温の反応ガスは、主チャンバから上方に流出し、製錬サイクロンの底部に流入する。酸素含有ガス(通常工業等級の酸素)が、羽口から製錬サイクロン内に噴射される。この羽口は、サイクロン状の渦巻きパターンを、水平面内に発生させるように、すなわち製錬サイクロンのチャンバの垂直の中心軸の回りに発生させるように配置される。この酸素含有ガスの噴射によって製錬容器ガスのさらなる燃焼が生じ、その結果、非常に高温の(サイクロン状の)フレームが形成される。精密に分画された流入金属含有供給材料は、製錬サイクロンの羽口からこのフレームの中に空気に載せて噴射され、その結果、急速に加熱されて、部分還元(概略的に10〜20%の還元)を伴う部分溶融作用を受ける。この還元は、ヘマタイトの熱分解と、主チャンバからの反応ガス中のCO/Hの還元反応との両者によるものである。部分溶融された高温の金属含有供給材料は、サイクロン状の渦巻き作用によって製錬サイクロンの壁面上に外向きに押し出され、上記のように製錬容器の中に下向きに流下して、前記容器の主チャンバ内において製錬される。
HIsarnaプロセスの上記の形態の正味の効果は2段階の向流プロセスにある。金属含有供給材料は、(酸素含有ガスの添加によって)製錬容器から流出する反応ガスによって加熱されると共に部分還元され、製錬容器の中に下向きに流下し、その製錬容器内で溶融鉄に製錬される。全般的に、この向流の構成によって生産性およびエネルギー効率が向上する。
上記の記述は、オーストラリアまたは他国において共通の一般的知識として容認されていると解釈されるべきではない。
出願人は、HIsarnaプロセスと、HIsmeltプロセスの酸素吹錬方式とを、製錬容器内で、次のような手順によって起動することを提案してきた。すなわち、(外部源からの)高温金属を、容器の前炉を経由して容器の主チャンバの中に供給し、酸素含有ガス(通常工業等級の酸素)および固体の炭素質材料(通常石炭)の供給を開始し、主チャンバ内において熱を発生させるという手順である。この高温起動方法は、主チャンバ内における可燃材料の自然点火によって熱を発生させる。出願人は、高温起動方法におけるこの初期ステップに続いて、スラグ形成剤を添加し、さらにその後、金属含有供給材料(例えば鉄鉱石のような鉄分含有材料)を主チャンバの中に供給することを提案した。この高温起動方法は、本発明に関する本件国際出願と同じ日付で当出願人の名前において提出された「製錬プロセスの起動(Starting a Smelting Process)」なる表題の関連国際出願に記述されている。
酸素含有ガスとしての工業等級の酸素と、固体の炭素質材料としての石炭と、金属含有材料としての鉄鉱石の粉鉱とに基づくHIsarnaプロセスのパイロットプラント試験において、上記の高温起動方法を試験した。出願人は、高温の金属を製錬容器の主チャンバの中に注入した後の有限の時間枠であって、その範囲内において、安全に、主チャンバの中への冷間温度の酸素および石炭の供給を開始して可燃材料を自然点火させ、プロセスの起動に必要な主チャンバ内の熱を発生させることが可能である時間枠が存在することを見出した。この時間枠は、パイロットプラント条件の下では、通常約1〜2時間の持続時間であることが分かった。また、この時間枠は、(とりわけ)製錬容器の形状、装入金属の温度、および装入金属の化学的特性のような因子によって可変であることも分かった。さらに、主チャンバの中への酸素および石炭の供給を開始するステップが、必要な時間枠の範囲内に行われなかった場合には、主チャンバの内部における石炭および冷間温度の酸素の自然点火を保証できなくなることが分かった。これは、未燃焼の石炭および酸素の混合物が主チャンバから流出する結果を招き、下流側の機器に、石炭ダストの激増的堆積(および関連する損傷)の可能性が生じる。
出願人は、この時間枠に関わる機構が、溶融金属の頂部におけるスラグ層の形成に関係していることを見出した。このスラグ層が十分に良好に形成されると、それは、製錬容器への、例えば主チャンバの頂部空間内の水冷パネルへの放射によって冷却されて皮膜になり、溶融金属上のブランケットを効果的に生成する。このブランケットは、ブランケットの下の溶融金属から、ブランケットの上部の主チャンバの頂部空間への熱伝達を制限する断熱体として作用し、その結果、頂部空間内の熱的条件が低温度になり過ぎて、頂部空間内における可燃材料の自然点火を支持できなくなる。次の見解に固執したいわけではないが、出願人は、このスラグが、パイロットプラント試験の間に、主に、(i)先行の運転から残された残留スラグの被覆体と、(ii)溶融金属中の構成成分(特に酸素と反応して二酸化ケイ素を形成するケイ素)との酸素の反応とから形成されたと考えている。
また、出願人は、プラントが正常に運転されていた状態で、かなりの長さの時間(例えば、製錬容器の外側で機械的な修理を実施するために)停止された場合(固体の供給材料の主チャンバへの供給の停止を含む)には、本質的に同じ問題が生じることをパイロットプラント試験において見出した。この条件の下では、一般的に、スラグ層がプロセスの起動時のスラグ層に比べて遥かに厚い。高温金属は、スラグの表面よりかなり下方にあり、従って、スラグの上部表面を熱伝導によって高温に維持する能力が低下する。表面スラグの熱は、製錬容器に、例えば、主チャンバの頂部空間における水冷パネルに放射によって失われ、低温度の皮膜層が、以前より遥かに急速に溶融浴上に形成された。製錬容器が約15〜30分間より長く正常運転されずに停止されると、石炭および冷間温度の酸素の自然点火、従って製錬容器の主チャンバ内におけるプロセスの起動を支持するのに必要な熱の発生を保証することが再度不可能になった。
パイロットプラント試験の過程において、出願人は、これらの条件の下でHIsarnaプロセスを起動するための安全な実際的方法を開発した。この方法の重要な一基礎は、酸素および石炭を点火するための十分に大きくかつ安定した「高温帯(hot zone)」を、製錬容器の主チャンバ内に、(冷間温度の酸素および石炭、あるいは他の適切な酸素含有ガスおよび固体の炭素質材料を導入し得る前に)確立する必要性を認識することである。この高温帯は、独立の手段によって、すなわち、主チャンバの中への冷間温度の酸素および石炭の供給とは無関係に、かつその供給操作の前に確立しなければならない。
本発明の製錬プロセスの起動方法は、製錬容器の主チャンバの頂部空間内部の熱的条件(温度)が低温度過ぎて主チャンバの中に新たに供給されるいかなる冷間温度の酸素含有ガスおよび固体の炭素質材料をも安全に自然点火させ得ない場合の、任意の溶融浴に基づく製錬プロセスの起動(この用語は「再起動(re−starting)」を含む)に適用可能である。上記のように、このような条件は、主チャンバ内の溶融浴の上部表面上に皮膜として固形化したスラグ層が存在する場合に、通常、典型的に生じる条件である。
本発明によれば、製錬装置内において金属含有供給材料を製錬して溶融金属を形成する溶融浴に基づくプロセスの起動方法が提供される。この場合、この装置は、溶融金属の浴を包含する主チャンバを含む製錬容器を含み、この方法を開始する時点においては、製錬装置の中への固体の供給材料の噴射は行われていない。また、この方法は、
(a)主チャンバ内に高温帯を形成するために、製錬容器の主チャンバの中に外部の点火源を挿入するステップと、
(b)主チャンバの中への冷間温度の酸素含有ガスの供給を開始して、主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップと、
(c)主チャンバの中への炭素質材料の供給を開始して、主チャンバ内の温度の上昇と、主チャンバ内の固形化材料の溶融とを開始するステップと、
(d)主チャンバの中への金属含有材料の供給を開始して、主チャンバ内における金属含有材料の製錬と溶融金属の製造とを開始するステップと、
を含む。
酸素含有ガスに関する「冷間(温度)(cold)」という用語は、本明細書においては、ガスの温度が、炭素質材料および酸素含有ガスの混合物の自然点火に必要な温度(すなわち石炭−酸素混合物の場合には約700〜800℃)未満の温度であることを意味するものと理解される。
上記のステップ(c)において言及される「固形化(した)材料(frozen materials)」という用語は、例えば、パイロットプラント試験において見られたスラグの皮膜層のようなスラグの層を含む。
この方法は、上記のステップ(a)に先立って、主チャンバに可燃材料を供給するステップを含むことができる。例えば、この方法は、主チャンバの中に固体の可燃材料(例えば、木材、木炭または他の適切な固体材料)を、主チャンバの開口(例えばスラグノッチ)を通して手動操作で挿入することによって供給するステップを含むことができる。さらに別の例として、この方法は、気体の可燃材料または液体の可燃材料を、主チャンバの中に供給するステップを含むことができる。気体の可燃材料は天然ガスとすることができ、液体の可燃材料は油とすることができる。
ステップ(a)に先立って主チャンバの中に可燃材料を供給するこの任意選択的なステップは、皮膜層が薄くおよび/または十分には形成されていない場合、および、ステップ(b)において酸素含有ガスの供給を開始する時に、点火源によって燃焼を支持するのに十分な可燃材料が主チャンバ内にすでに存在する可能性がある場合には、必要でないことがある。いくつかの状況においては、例えば、この方法を製錬キャンペインに対する短い中断の後に用いる場合には、皮膜層が十分に形成されていない可能性があり、かつ、ステップ(b)において酸素含有ガスの供給を開始する時に、点火を支持するのに十分な残留可燃材料が容器内に存在する可能性がある。他の状況においては、この方法は、外部の点火源を主チャンバの中に挿入するステップ(a)の後に、かつ、冷間温度の酸素含有ガスの主チャンバの中への供給を開始して、主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップ(b)の前に、主チャンバに可燃材料を供給するステップを含むことができる。可燃材料は、前記のように、固体または気体または液体の可燃材料とすることができる。
一般的に、外部の点火源を主チャンバの中に挿入するステップに先立って、あるいはそのステップの後に容器に可燃材料を供給するという上記の任意選択的なステップは、異なる時点で用いることができる。プラントの停止が相対的に短時間である場合(但し、単に石炭および酸素、もしくは、他の適切な炭素質材料および酸素含有ガスの供給を、点火源を設けることなく開始するには長過ぎる場合)には、ステップ(b)に先立つ主チャンバの中への可燃材料の追加は必要ないであろう。さらに長い停止の場合は、ステップ(a)に先立って、またはその後に、主チャンバの中への可燃材料の供給を含む他の任意選択的なステップが必要になるであろう。
この方法は、(起動条件の下で、または、主チャンバ内のスラグ保有量が低い場合)、溶融金属の上にスラグを形成するために、ステップ(c)の後に、かつステップ(d)の前に、主チャンバへのスラグまたはスラグ形成材料の供給を開始するステップを含むことができる。
主チャンバの中に外部点火源を挿入するステップ(a)のための点火源は、少なくとも3分間、通常少なくとも5分間の時間作動するように構成することができる。
ステップ(a)のための点火源は、火が点いた状態を維持するために主チャンバ内に気体の酸素を必要とすることはないという条件に基づいて選択することができる。
ステップ(a)のための点火源は、それが空気、酸素または窒素のいずれの中にあっても燃焼するように、それ自体の「内臓(on−board)」酸素(例えば酸化鉄の形態の酸素)を担持することができる。窒素に関しては、固体噴射ランスの窒素(または他の何らかの不活性ガス)パージが一般的には使用され、この方法のこの時点においては、主チャンバ内部において利用可能な気体の酸素は、たとえあるとしてもごく僅かにしか存在しないであろうことが注記される。
ステップ(a)のための点火源は、マグネシウムに基づく火焔とすることができる。
この方法は、ステップ(a)において外部の点火源を主チャンバの中に挿入した後、主チャンバ内においてその外部点火源に火が点いていることを確認するステップを含むことができる。
主チャンバ内において点火源に火が点いていることを確認するステップは、直接観察によるか、あるいは、製錬容器におけるスラグノッチのような適切な開口の内部に装着されたカメラによって行うことができる。
冷間温度の酸素含有ガスの供給を開始して、主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップ(b)は、主チャンバの中への酸素の供給を開始して、主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップを含むことができる。
冷間温度の酸素含有ガスの供給を開始して、主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップ(b)は、主チャンバの中への800℃未満の供給温度の工業等級の酸素の供給を開始して、主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップを含むことができる。
冷間温度の酸素含有ガスの供給を開始して、主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップ(b)は、主チャンバに少量の冷間温度の酸素(通常、プロセスに対する正常な酸素流量の10〜30%)の供給を開始するステップを含むことができる。このような状況においては、主チャンバ内に存在する可燃材料(例えば、先の運転からの残留炭素質材料、および/または、ステップ(a)に先立って主チャンバに供給された任意選択の可燃材料としての木材)は点火して燃える筈である。
この方法は、主チャンバ内の可燃材料に点火するステップ(b)の後に、可燃材料の点火を確認するステップを含むことができる。
点火を確認するステップは、直接観察によるか、あるいは、材料が主チャンバ内で燃えていることを監視する適切なカメラによって行うことができる。ステップ(a)に先立って主チャンバに供給される任意選択の可燃材料として木材を使用することは、それが、容易に認識できる光輝フレームを出して数分間燃えるので特に有利である。
主チャンバの中への炭素質材料の供給を開始するステップ(c)は、150℃未満の供給温度で炭素質材料を供給するステップを含むことができる。この炭素質材料は、固体材料(例えば石炭)または気体材料(例えば天然ガス)または液体材料(例えば油)とすることができる。
ステップ(c)は、主チャンバ内における二酸化炭素の発生が継続していることを、オンラインのガス分析装置によって確認するステップを含むことができる。
ステップ(d)は、方法の早期ステップにおいて供給される酸素含有ガスおよび炭素質材料の供給を増加させるステップ、あるいは、主チャンバの中に他の酸素含有ガスおよび炭素質材料を、その供給量を増大させながら供給するステップを含むことができる。例えば、方法のステップ(c)においては気体の炭素質材料を使用し、ステップ(d)において金属含有材料を主チャンバに供給する時には、固体の炭素質材料の供給に切り換えることが望ましいであろう。
ステップ(d)は、主チャンバの中への金属含有材料の供給を増加させるステップを含むことができる。
この装置は、(i)溶融金属の浴を包含するように構成される上記の製錬容器と、(ii)製錬容器の上部に配置されると共に製錬容器と連通する製錬サイクロン、とを含むことができる。この場合、ステップ(d)は、金属含有供給材料および酸素含有ガスの製錬サイクロンの中への供給を開始して、サイクロン内における材料の水平な回転流れの発生と、容器からサイクロン内に上昇する可燃ガスの燃焼と、サイクロン内における金属含有供給材料の部分的な還元および溶融とを開始するステップを含むことができる。これによって、部分還元された溶融金属含有供給材料が、サイクロンから、製錬容器の主チャンバ内の金属およびスラグの溶融浴の中に流下して、その浴中で溶融金属に製錬される。
本発明の方法は、次の各項を含む溶融浴に基づく製錬装置に適用可能である。すなわち、(a)溶融金属およびスラグの浴を包含するように構成される主チャンバを有する製錬容器と、(b)炭素質材料を浴の中に供給するためのランスまたは他の適切な手段と、(c)酸素含有ガスを浴の中に供給するためのランスまたは他の適切な手段と、(d)金属含有材料を直接的にまたは製錬サイクロンを介して浴に供給するためのランスまたは他の適切な手段と、(e)主チャンバから金属およびスラグを取り出すための前炉のような手段と、(f)浴上部の製錬容器の壁面領域の少なくとも40%、通常少なくとも50%が固形化したスラグ層を有する水冷パネルによってカバーされる製錬容器の壁面領域と、を含む製錬装置に適用可能である。
溶融浴に基づく製錬プロセスは、正常な運転条件の下で、
(a)炭素質材料および(固体または溶融態とすることができる)金属含有材料を溶融浴の中に供給し、反応ガスを発生させて、金属含有材料を製錬し、浴中において溶融金属を製造するステップと、
(b)浴から放出される可燃ガスを浴の上部で燃焼するために主チャンバの中に酸素含有ガスを供給し、浴中の製錬反応のための熱を発生させるステップであって、その場合、酸素含有ガスは、通常、石炭−酸素混合物の安全な点火に必要な温度より大幅に低い(すなわち、700〜800℃未満)という意味で「冷間温度」にある工業等級の酸素である、ステップと、
(c)溶融材料の熱同伴液滴および飛び散りであって、主チャンバの頂部空間内の燃焼領域の中に放出された時に加熱され、その後浴中に再落下する熱同伴液滴および飛び散りを生成するために、浴からの溶融材料の顕著な上向きの動きをガスの湧昇によって作出するステップであって、それによって、液滴および飛び散りが、熱を浴の中に下向きに伝達し、その浴中において熱が金属含有材料の製錬に用いられる、ステップと、
を含む。
酸素含有ガスは、空気、酸素、または酸素富化空気とすることができる。
以下、本発明による、製錬容器における製錬プロセスの起動方法の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
図1は、HIsarnaプロセスの一実施形態に従って金属含有材料を製錬して溶融金属を製造するHIsarna装置の概略図である。 図2は、図1に示す製錬容器の拡大断面図であり、プロセスの起動の間、または、プロセスを15〜30分間より長く中断した後に続くプロセスの再起動の間に、容器を15〜30分間より長く「停止(idle)」させた場合の製錬容器の状態を表している。容器内の溶融金属および溶融スラグ層の上に皮膜層が形成されている。
HIsarnaプロセスは、金属含有供給材料を製錬し、溶融金属、溶融スラグおよびオフガスのプロセス生成物を製造する。HIsarnaプロセスに関する以下の記述は、鉄鉱石の形の金属含有材料の製錬を対象としているが、本発明はこのタイプの金属含有材料に限定されない。
図1に示すHIsarna装置は、製錬サイクロン2と、製錬サイクロン2の直下に配置される主チャンバ19を有する溶融浴に基づく製錬容器4とを含む。この場合、製錬サイクロン2のチャンバと製錬容器4との間は直接連通している。
図1を参照すると、製錬キャンペインの定常状態の運転の間には、最大寸法6mmのマグネタイトベースの鉱石(または他の鉄鉱石)と石灰石のようなフラックスとの混合物1が、鉱石乾燥機を経由して、空気搬送ガス1aによって製錬サイクロン2の中に供給される。石灰石は、鉱石および石灰石の組合せ流れのおよそ8〜10重量%を占める。酸素8は、鉱石を、予熱し、部分溶融しかつ部分還元するために、羽口から製錬サイクロン2の中に噴射される。酸素8は、また、製錬容器4から製錬サイクロン2の中に上昇流入する可燃ガスを燃焼する。部分溶融されかつ部分還元された鉄鉱石は、製錬サイクロン2から、製錬容器4における主チャンバ19内の金属およびスラグの溶融浴25の中に流下する。この溶融浴25の中で、部分溶融されかつ部分還元された鉄鉱石は製錬され、溶融鉄を形成する。石炭3は、別個の乾燥機を経由して、製錬容器4の主チャンバ19に供給される。石炭3および搬送ガス2aは、ランス35から、主チャンバ19内の金属およびスラグの溶融浴25の中に噴射される。石炭は還元剤源およびエネルギー源を提供する。図1および2は、溶融浴25を2つの層を含むものとして示しており、その内の層25aは溶融金属層、層25bは溶融スラグ層である。図は、層を一様な深さのものとして表現しているが、これは単に例示目的用であり、HIsarnaプロセスの運転における高度に撹拌され、かつ、よく混合した浴の状態を正確に表現するものではない。溶融浴25の混合は、浴内における石炭の分解蒸発の結果であり、その分解蒸発によって、COおよびHのようなガスが発生し、ガスおよび同伴される材料の、溶融浴から、溶融浴25の上部の主チャンバ19の頂部空間の中への上向きの動きが生じる。酸素7は、ランス37から主チャンバ19の中に噴射され、溶融浴25内で発生したこれらのガス、すなわち、溶融浴25から主チャンバ19の頂部空間内に放出されるガス、通常COおよびHのいくらかを後燃焼して、浴内の製錬プロセスに必要な熱を供給する。
製錬キャンペインの間のHIsarnaプロセスの正常な運転は、(a)ランス35からの石炭の噴射、およびランス37からの製錬容器4の主チャンバ19の中への冷間温度の酸素の噴射と、(b)製錬サイクロン2の中への鉱石噴射7および追加的な酸素噴射8とを含む。
製錬容器4の主チャンバ19の中への石炭および酸素の供給量と、製錬サイクロン2の中への鉱石および酸素の供給量と、主チャンバ19からの熱損失とを含む運転条件、但しこれに限定されない運転条件は、オフガス流出ダクト9経由で製錬サイクロン2から流出するオフガスが、少なくとも90%の後燃焼率を有するように選択される。
製錬サイクロン2から流出するオフガスは、オフガスダクト9を経由してオフガス焼却炉10に流入するが、その焼却炉において、追加の酸素11を噴射して残留CO/Hを燃焼し、完全燃焼した排ガス中の遊離酸素の程度(通常1〜2%)の排ガスにする。
完全燃焼したオフガスは、続いて、廃熱回収セクション12を通過し、そこでガスが冷却され、蒸気が生成される。排ガスは、さらに、湿式スクラバー13を通過し、そこで冷却され、かつダストが除去される。生じたスラッジ14は、鉱石供給流れ1を経由する製錬器へのリサイクル用として利用可能である。
スクラバー13から流出する冷却された排ガスは排ガス脱硫ユニット15に送られる。
清浄な排ガスは、続いて煙突16から排気される。このガスは主としてCOから構成され、場合によっては、それを、(残留非凝縮性ガス種を十分に除去して)圧縮し、地下貯留することが可能である。
図2に示す製錬容器4の拡大断面図を特に参照すると、製錬容器4は、耐火物内張り炉床33と、主チャンバ19を画定する水冷パネルによって基本的に画定される側壁41とを含む。製錬容器4は、また、前炉接続部23を介して主チャンバ19に接続される前炉21を含む。HIsarnaプロセスの製錬キャンペインの過程の間、主チャンバ19内で製造された溶融金属は、前炉接続部23および前炉21を経由して主チャンバ19から排出される。
さらに図2を参照すると、HIsarnaプロセスが何らかの理由で中断され、プロセスが15〜30分間より長く運転されなかった場合(すなわち、この時間の間、製錬サイクロン2および製錬容器4の中への固体の供給材料の噴射が行われなかった場合)には、上記のパイロットプラント試験に基づくと、主チャンバ19内のスラグ表面上に皮膜層29が形成される。被膜層29の形成は、HIsarnaプロセス起動のために主チャンバに供給される石炭および冷間温度の酸素の安全な自然点火を保証することが不可能であることを示すと共に、さらに、このような条件の下で主チャンバの中に石炭および冷間温度の酸素を供給すると、未燃焼の石炭および酸素の混合物が主チャンバから流出することになり、下流側の機器に石炭ダストの激増的堆積(および関係する損傷)が惹起される可能性があることを示している。
本発明の方法の一実施形態によれば、この「停止」状態にあるHIsarnaプロセスを安全に起動するために、以下のステップが実行される。
1.スラグノッチ6を開いて、10〜20本の長くて薄い木材の板材(それぞれ、製錬容器4の主チャンバ19の直径の約1/3〜1/2の長さで、スラグノッチ6を容易に通るサイズに揃えられたもの)の形態の可燃材料を主チャンバ19の中に手で押し込む。
2.BOF製鋼法において通例使用されるタイプの火焔(例えばBeko Vuurwerk BV社、高炉点火トーチ(Hoogoven Fakkel)製品No.4490)をスラグノッチ6から主チャンバ19の中に投入して、火焔が主チャンバ19の内部で燃えていることを直接目視観察によって確認する。この火焔は主チャンバ19内の高温帯を形成する。
3.冷間温度の酸素を、正常なプロセス流量、すなわち、HIsarnaプロセスが製錬装置においてプロセスに対する定格金属生産量で運転される場合の正常なプロセス流量の約10〜30%の流量で、ランス37から主チャンバ19の中に供給する。
4.高温帯による点火によって主チャンバ19の内部に酸素に基づくフレームが存在することを(例えば直接観察によって)確認した後、直ちに、石炭を、正常なプロセス流量の約5〜20%の流量で、ランス35から主チャンバ19に供給する。
5.石炭の点火を例えば直接観察によって確認した後、直ちに、スラグノッチ6を閉じて、二酸化炭素の継続的な発生を確実にするために、主チャンバ19からのオフガスの組成を通常のオンラインのガス分析装置によって監視する。
6.石炭および酸素を、正常な起動の実際値になるように増量して、主チャンバ内のスラグを再溶融し、かつ鉱石供給のための適切な条件を確立するために、加熱運転(石炭および酸素の供給のみ)をある長さの時間実施する。この加熱運転の時間は、プラントがオフラインされていた時間によって変化するが、通常、0.5〜2時間であろう。
7.加熱運転が完了した後、直ちに、鉱石および酸素を製錬サイクロン2の中に供給して、鉱石を溶融し部分還元する。鉱石は主チャンバ19の中に下向きに流下して、図1に関して上記に記述したように、主チャンバ内で鉄の製造が開始される。
上記の記述は、主チャンバ19内の溶融浴上にスラグの皮膜層29が形成される少なくとも15〜30分間のプロセスの中断があった後のHIsarnaプロセスの起動に焦点を当てている。HIsarnaプロセス起動用の上記の同じ方法のステップ1〜7を、起動プロセスの過程の間に皮膜層29が形成される状況においては、HIsarnaプロセスの最初の起動プロセスの間に用いることができる。
以上述べた本発明のプロセスの実施形態に対して、本発明の本質および範囲から逸脱することなく、多くの変更を加えることができる。
例えば、ステップ1は固体の可燃材料の使用に限定されず、気体または液体の可燃材料も用いることができる。
さらに、例えば、本発明は、製錬容器4の中に点火源を挿入する前に可燃材料を追加する方式に限定されない。具体的には、容器の中に点火源を挿入した後、冷間温度の酸素(または他の適切な酸素含有ガス)の供給を開始する前に可燃材料を追加することが望ましい場合がある。いくつかの状況においては、可燃材料の追加が少しも必要でない場合があり、製錬容器4内の残留可燃材料に基づいて点火を実現できる。
さらに、例えば、点火源に火が点いていることの目視(または他の)観察は、点火源がそれ自体の酸素源を有する場合には、ステップ2において必要でないことがあり得る。
さらに、例えば、本発明は、製錬サイクロン2および製錬容器4の中への固体の供給材料の供給が停止される少なくとも15〜30分間の時間間隔に限定されない。この時間間隔は、金属含有材料の種類、および、スラグから容器への熱損失速度のような製錬容器の特性を含む広範囲の因子によって変化することがあり得る。いかなる所与の状況においても、この時間間隔は、スラグの皮膜が、溶融浴上に、製錬容器4の主チャンバ19に対する冷間温度の酸素および石炭の噴射を開始することが問題を生じる程度に形成されるのに必要な時間である。
以上の記述は、炭素質材料として石炭に、酸素含有ガスとして工業等級の酸素に焦点を当てているが、本発明はそれに限定されず、任意の適切な酸素含有ガスおよび任意の適切な固体の炭素質材料に広げることができる。
上記の実施形態はHIsarnaプロセスに焦点を当てているが、本発明はHIsarnaプロセスに限定されず、製錬容器内における任意の溶融浴に基づくプロセスに広げることができる。例えば、本発明はHIsmeltプロセスの酸素吹錬方式に広げられる。前記のように、HIsmeltプロセスは、当出願人の名前における多数の特許および特許出願に記載されている。例えば、HIsmeltプロセスは、当出願人の名前における国際出願第PCT/AU96/00197号明細書に記載されている。この国際出願と共に提出された特許明細書における開示は、相互参照により本願に組み込まれる。

Claims (21)

  1. 固形化したスラグ層を含む、スラグと溶融金属の浴を包含する主チャンバを含む製錬容器における溶融浴に基づく製錬プロセスの起動方法において、前記製錬プロセスは製錬容器内で金属含有材料を製錬して溶融金属を形成することを含み、前記方法が、
    (a)前記主チャンバ内に高温帯を形成するために、前記製錬容器の主チャンバの中に外部の点火源を挿入するステップと、
    (b)前記主チャンバの中へ酸素含有ガスの供給を開始して、前記主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップであって、前記酸素含有ガスは、炭素質材料と酸素含有ガスの混合物の自然発火に必要な温度未満の温度である、ステップと、
    (c)前記主チャンバの中への炭素質材料の供給を開始して、前記主チャンバ内の温度の上昇と、前記主チャンバ内の固形化したスラグ層の溶融とを開始するステップと、
    (d)前記主チャンバの中への金属含有材料の供給を開始して、前記主チャンバ内における金属含有材料の製錬と溶融金属の製造とを開始するステップと、
    を含む、ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記主チャンバの中に前記外部の点火源を挿入するステップ(a)に先立って、前記主チャンバに可燃材料を供給するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記可燃材料を、前記主チャンバの開口を通して手動操作で挿入することによって、前記主チャンバの中に供給するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、前記外部の点火源を前記主チャンバの中に挿入するステップ(a)の後に、かつ、前記酸素含有ガスの前記主チャンバの中への供給を開始して、前記主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップ(b)に先立って、前記主チャンバに可燃材料を供給するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法において、ステップ(c)の後に、かつステップ(d)の前に、前記主チャンバの中へのスラグまたはスラグ形成材料の供給を開始して、溶融金属上のスラグの形成を開始するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法において、前記点火源が、少なくとも3分間の時間作動するように構成される、ことを特徴とする方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法において、前記点火源が、火が点いた状態を維持するために前記主チャンバ内に気体の酸素を必要とすることはないという条件に基づいて選択される、ことを特徴とする方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法において、ステップ(a)のための前記点火源が、前記点火源が空気、酸素または窒素のいずれの中にあっても燃焼するように、前記点火源自体に酸素を担持している、ことを特徴とする方法。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法において、ステップ(a)のための前記点火源がマグネシウムに基づく火焔である、ことを特徴とする方法。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法において、ステップ(a)において前記外部の点火源を前記主チャンバの中に挿入した後に、前記主チャンバ内において前記外部点火源に火が点いていることを確認するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、前記主チャンバ内において前記点火源に火が点いていることを確認するステップが、直接観察によるか、あるいは、前記製錬容器における開口の内部に装着されたカメラによって行われる、ことを特徴とする方法。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法において、前記酸素含有ガスの供給を開始して、前記主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップ(b)が、前記主チャンバの中への酸素の供給を開始して、前記主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、前記酸素含有ガスの供給を開始して、前記主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップ(b)が、前記主チャンバへの800℃未満の供給温度の工業等級の酸素の供給を開始して、前記主チャンバ内の可燃材料の点火を開始するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  14. 請求項12または13に記載の方法において、前記酸素含有ガスの量が、前記製錬容器における製錬プロセスの定格金属生産条件下における前記溶融浴に基づく製錬プロセスに対する酸素流量の10〜30%である、ことを特徴とする方法。
  15. 請求項14に記載の方法において、前記主チャンバ内の可燃材料に点火するステップ(b)の後に、可燃材料の点火を確認するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、前記点火を確認するステップが、直接観察によるか、あるいは、材料が前記主チャンバ内で燃えていることを監視する適切なカメラによって行われる、ことを特徴とする方法。
  17. 請求項1乃至16の何れか一項に記載の方法において、炭素質材料の供給を開始するステップ(c)が、前記炭素質材料を、150℃未満の供給温度で前記主チャンバの中に供給するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  18. 請求項1乃至17の何れか一項に記載の方法において、ステップ(c)が、前記主チャンバ内における二酸化炭素の発生が継続していることを、オンラインのガス分析装置によって確認するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  19. 請求項1乃至18の何れか一項に記載の方法において、ステップ(d)が、前記方法のステップ(b)と(c)それぞれにおいて供給される酸素含有ガスおよび炭素質材料の供給を増加させるステップ、あるいは、前記主チャンバの中に他の酸素含有ガスおよび炭素質材料を供給するステップを含む、ことを特徴とする方法。
  20. 請求項1乃至19の何れか一項に記載の方法において、ステップ(d)が、前記主チャンバの中への金属含有材料の供給を増加させるステップを含む、ことを特徴とする方法。
  21. 請求項1乃至20の何れか一項に記載の方法において、前記溶融浴に基づく製錬プロセスが、
    (a)前記固体の炭素質材料および前記金属含有材料を前記溶融浴の中に供給し、反応ガスを発生させて、金属含有材料を製錬し、前記浴中において溶融金属を製造するステップと、
    (b)前記浴中の製錬反応に必要な熱を発生させるように、反応ガスを浴の上部で燃焼させるために前記主チャンバの中に前記酸素含有ガスを供給するステップと、
    (c)溶融材料の熱同伴液滴および飛び散りであって、前記主チャンバの頂部空間内の燃焼領域の中に放出された時に加熱され、その後前記浴中に再落下する熱同伴液滴および飛び散りを生成するために、前記浴からの溶融材料の顕著な上向きの動きをガスの湧昇によって作出するステップであって、それによって、前記液滴および飛び散りが、熱を前記浴の中に下向きに伝達し、その浴中において前記熱が金属含有材料の製錬に用いられる、ステップと、
    を含む、ことを特徴とする方法。
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