JP2010162882A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドの走査によって記録されるバンド同士のつなぎ部に生じるつなぎスジを抑制する。より詳しくは、有彩色インクに起因したつなぎスジのみならず無彩色インクに起因したつなぎスジも抑制することを目的とする。
【解決手段】 つなぎ部近傍の領域を複数に区画してなる各単位領域毎に、単位領域に付与されるインクの情報を取得する。そして、(A)単位領域に付与される有彩色インクの量に関する情報に基づいて単位領域の色相を判定し、その色相に応じて有彩色インクの付与量を低減させる処理を行うと共に、(B)単位領域に付与される無彩色インクの量に関する情報に応じて無彩色インクの付与量を低減させる処理を行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は、インクジェット記録装置および記録方法に関し、詳しくは、無彩色インクと有彩色インクを吐出可能な記録手段の移動(走査)中にインクを吐出して記録媒体に画像を記録する可能なインクジェット記録装置および記録方法に関する。
インクジェット記録方法として、記録ヘッドの移動中にインクを吐出する動作と記録媒体を搬送する動作を繰り返すことにより、記録媒体に画像の記録を行う所謂シリアル記録方式を採用したものがある。かかるインクジェット記録方法においては、記録ヘッドの1回の移動(パス)により帯状の画像領域(バンド)が形成されることになる。
記録ヘッドの1回の移動によって記録可能な記録媒体上の領域に対して1パスで記録を行う場合には、1度に記録媒体上へ付与するインク量が複数パスで画像を形成するマルチパス記録を行う場合よりも多くなる。このため記録媒体やインクの性質により程度の差は異なるものの、1パス記録では、隣接する端部隣り合うバンド同士のつなぎ部の記録濃度が高くなることに起因するスジが発生しやすい。このスジは「つなぎスジ」とも称されており、この「つなぎスジ」が生じると、記録品位は極めて低いレベルとなることがある。
このような課題に対して、つなぎ部近傍の領域に付与されるインク量を低減する処理を適用することによってつなぎスジを軽減する提案がなされている(特許文献1)。この特許文献1に記載の技術では、上記低減処理の対象となる着目領域について色相を判定し、この色相に応じた低減率でインク量を低減することで、つなぎスジを軽減している(以下、便宜上、色相判定つなぎ処理という)。
特開2002−96460号公報
しかしながら、近年特に要求されるカラー画像の高画質化に伴い、記録に使用される色数(インク数)は多くなる傾向にあり、つなぎスジを軽減する処理を行う際にも、印刷の基本3原色のみを処理対象にするだけでは不十分になってきている。
例えば、上記特許文献1においては、印刷の基本3原色(シアン、マゼンタおよびイエロー)である有彩色のカラーインクに加え、無彩色であるブラックのインクも用い摘録を行う構成が開示されている。しかし、特許文献1では、カラーインクについてのインク付与量低減処理を行うことを開示するのみであり、ブラックインクについては考慮されていない。これは、ブラックとカラーが混在するデータの記録に対しては、ブラックの記録をカラー記録に少なくとも1スキャン分先行させて実施するようにしていることに基づく。つまり、カラー記録時にはブラックインクが記録媒体に既に定着しているようにすることで、ブラックインクのつなぎスジ発生への寄与が少なくなるようにしているのである。
しかし、つなぎスジをより効果的に軽減するためには、やはりブラックインクについても考慮されるべきである。この際、ブラックインクのデータについても上記色相判定つなぎ処理を施すことが考えられる。しかしながら、ブラックインクは実質的に色相を有さないため、ブラックインクに起因したつなぎスジをより効果的に軽減するには、上記色相判定つなぎ処理を行うよりも、色相を持たないブラックインクに特有のつなぎ処理を構築するのが望ましい。なお、実際に用いるブラックインクは、その色材(染料あるいは顔料)自体に若干の色味があるため、全く色相を持たない(つまり、Lab色空間において、a=b=0)わけではない。しかし、ブラックインクの色はLab色空間においてL軸近傍の色となっているので、実質的に色相は有さないものとして扱ってもよい。
本発明は、以上に鑑みてなされたもので、有彩色インクに起因したつなぎスジのみならず無彩色インクに起因したつなぎスジも抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、異なる有彩色のインクおよび無彩色のインクを吐出するための記録手段を記録媒体に対して移動させながら、前記記録手段よりインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録手段の移動により記録されるバンド同士のつなぎ部の近傍の領域を分割してなる各単位領域毎に、前記単位領域に付与されるインクの量に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された、前記単位領域に付与される有彩色のインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域の色相を判定し、判定された色相に応じて前記単位領域に付与される有彩色のインクの量を低減するための第1の低減処理を行い、且つ、前記取得手段によって取得された、前記単位領域に付与される無彩色のインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域に付与される無彩色のインクの量を低減するための第2の低減処理を行うための低減処理手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、有彩色に対しては色相判定に応じたつなぎ処理が、また、無彩色に対してはインク量判定(好ましくは明度判定)に応じたつなぎ処理が、それぞれ適用される。このように有彩色インクおよび無彩色インクの夫々に対して、インクの色特性に応じた特有の処理が行われるため、つなぎスジが抑制された高品位の画像を得ることができるようになる。
本発明を適用可能なインクジェット記録装置の要部構成を模式的に示した斜視図である。 図1の記録ヘッドにおけるインク吐出部の主要な構造を説明するための模式的斜視図である。 図1のインクジェット記録装置における各部の制御を実行する制御回路の構成例を説明するためのブロック図である。 インクジェット記録装置内部での記録データの流れを説明するための説明図である。 (a)は明度と間引き率との対応関係を規定したテーブルを示す図であり、(b)は無彩色インクのドット数と間引き率との対応関係を規定したテーブルを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。 図6の手順で実施される色相に応じたインク量低減処理の詳細を示すフローチャートである。 図7の手順で実施されるドットカウントの対象となる領域の概念図である。 図7の手順で実施される色域(色相および彩度)判定処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態における、ある単位領域におけるドットカウント値の一例を示す説明図である。 第1の実施形態に用いる色域の区分を示す説明図である。 第1の実施形態において間引きランクを決定するのに用いられる間引きランクグラフを説明するための説明図である。 間引きランク(間引きレベル)と、間引き用データと、間引き率との関係を説明するための説明図である。 第1の実施形態の間引き処理を説明するための説明図である。 第1の実施形態の間引き処理をより具体的に説明するための説明図である。 図6の手順で実施される明度に応じたインク量低減処理の詳細を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、第1の実施形態の特徴的な着眼点である明度と打ち込みドット数との関係の二例を示す特性図である。 第1および第2のインクを用いた場合の、打ち込みドット数と明度領域との関係を示すテーブルの一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。 図19の手順で実施されるインク量に応じたインク付与量低減処理の詳細を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、インク量と間引きランクとの関係の二例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(記録装置の構成)
図1は本発明を適用可能なインクジェット記録装置の要部構成を模式的に示した斜視図である。図1において、1A、1B、1C、1Dおよび1Eは記録ヘッドであり、キャリッジ2に対しそれぞれ独立に交換可能に搭載されている。記録ヘッド1A〜1Eのそれぞれには、記録ヘッドを駆動する信号を受けるためのコネクタが設けられている。なお、以下の説明において、記録ヘッド1A〜1Eを特定せず、全体または任意の1つを指す場合、単に記録ヘッド1として示すことにする。
記録ヘッド1A、1B、1C、1Dおよび1Eは互いに異なる色調(色,濃度)のインクを吐出するものである。本例においては、記録ヘッド1A、1Bおよび1Cは、それぞれ、有彩色のインクであるシアン、マゼンタおよびイエローのインクを吐出するものとする。また、記録ヘッド1Dおよび1Eは、それぞれ、無彩色のインクであるブラックおよび淡ブラックのインクを吐出するものとする。各記録ヘッドは、対応する色のインクが収納されているインクタンクを分離可能または分離不能に一体に具備する。各記録ヘッド1は、キャリッジ2に位置決めして交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、コネクタを介して各記録ヘッド1に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続部)が設けられている。
キャリッジ2は、記録装置本体に配備されたガイドシャフト3に沿って、矢印で示す方向に移動可能な状態に案内支持されている。また、キャリッジ2は、キャリッジモータ4により、モータプーリ5、従動プーリ6およびタイミングベルト7を介して駆動され、その位置および移動が制御される。
紙やプラスチック薄板等の記録媒体8は、2組の搬送ローラ9;10および11;12の回転に応じ、吐出口が形成された記録ヘッド1の面(吐出口形成面)と対向する位置(被記録位置)を通過するよう、上記キャリッジの移動方向と交差する方向に搬送される。そして、被記録位置において裏面側がプラテン(不図示)により支持され、平坦な被記録面が形成されるようになっている。また、上記2組の搬送ローラ対は、キャリッジ2に搭載された各記録ヘッド1の吐出口形成面と、プラテン上の記録媒体8との距離が所定量に維持されるように、被記録位置を挟んだ搬送方向の上流側および下流側の双方から記録媒体8を支える役割も果たしている。
本実施形態で適用する記録ヘッド1は、インク吐出に利用されるエネルギとして通電に応じインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体と、その作動に応じてインクを吐出する吐出口とを複数有したインクジェット方式の記録手段である。
図2は、記録ヘッド1におけるインク吐出部13の主要な構造を説明するための模式的斜視図である。図2において、吐出口形成面21は記録媒体8と所定の隙間(本実施形態では約0.5〜2mm程度)を保って対向する面であり、吐出口形成面21には所定のピッチで複数の吐出口22が形成されている。各吐出口22は複数の液路24を介して共通液室23と連通されており、共通液室23から吐出口22までは、インクが充填された状態となっている。各液路24の壁面には、インクを吐出するためのエネルギを発生する電気熱変換体(発熱抵抗体など。以下、吐出ヒータともいう)25が配設されている。
吐出を行う際、記録データに基づいて各電気熱変換体25に所定の電圧が印加される。これにより、電気熱変換体25は電気エネルギを熱エネルギに変換し、発生した熱により流路24内のインクに膜沸騰が生じる。さらに、急激に発泡する泡の圧力によって、インクが吐出口22へと押し出され、所定量のインクが滴として吐出される。本実施形態では、このように膜沸騰による気泡の成長および収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口22よりインクを吐出させるインクジェット記録ヘッドを適用している。
なお、本実施形態においては、同じ色のインクを吐出するための複数の吐出口22がキャリッジ2の移動方向と交差する方向に配列するような位置関係で、記録ヘッド1がキャリッジ2に搭載されるものとする。また、吐出ヒータの数は特に限定されるものではない。
(制御回路の構成)
図3は、上記インクジェット記録装置における各部の制御を実行する制御回路の構成例を説明するためのブロック図である。
図3において、310はインターフェイスであり、記録対象となる画像を表す記録データ等の供給源をなす外部装置との間で記録データや記録開始信号等の授受を行う。外部装置としては、パーソナルコンピュータ,デジタルカメラ,メモリカード,メモリチップ,スキャナなど種々の形態を可とする。
311はMPUであり、後述する処理手順等に従って装置全体の制御を行う。312はROMであり、MPU311が実行する処理手順に対応したプログラムや、その他の固定データを格納する。なお、固定データとしては、後述する間引きランクグラフや間引き用データなどに対応したものを、条件に応じてテーブル化したデータなどを含めることができる。313はダイナミック型のRAM(DRAM)であり、各種データ(上記記録開始信号や記録データ等)のほか、記録ドット数(各記録ヘッドの吐出回数。ドットカウント値とも称する)や、記録ヘッドの交換回数等も記憶することができる。314は記録ヘッド1に対する記録データの供給制御やドットカウント処理、つなぎ処理(インク量低減処理)等を行うゲートアレイ(G.A)であり、インターフェイス318、MPU311およびRAM313間のデータの転送制御も行う。
317はモータドライバであり、記録ヘッド1ないしキャリッジ2の移動の駆動源をなすキャリッジモータ4を駆動する。319は記録媒体搬送の駆動源をなす搬送モータ、316は搬送モータ319を駆動するドライバである。また、315は記録データに基づき記録ヘッド1を駆動してインクを吐出させるためのヘッドドライバである。
図3に示す上記制御回路の構成の動作を説明するに、インターフェイス310に記録開始信号と共に多値の記録データが入力されると、ゲートアレイ314とMPU311とによって多値の記録データをプリント用の2値の記録データに変換する処理が行われる。そして、モータドライバ316および317を介してそれぞれ搬送モータ319およびキャリッジモータ4の駆動が制御されるとともに、ヘッドドライバ315に送られた2値の記録データに従って記録ヘッド318が駆動され、記録動作が行われる。
図4は、本実施形態の記録装置内部での記録データの流れを説明するための図であり、同図に示す各バッファはDRAM313(図3参照)に構成されるものである。ホストコンピュータ401もしくはデジタルカメラ402などの外部装置からの多値の記録データは、インターフェイス403を介して受信バッファ404に送られ、ここに記憶される。受信バッファ404は数十k〜数百kバイトの容量を有している。受信バッファ404に蓄えられた多値の記録データに対してコマンド解析部405でコマンド解析が行われてから、ワークバッファ406へ送られる。ワークバッファ406では、一行分の中間形式として多値の記録データが保持され、各文字の記録位置、修飾の種類、大きさ、文字(コード)、フォントのアドレス等が付加される処理が行われる。ワークバッファ406の容量は記録装置の形態により異なり、本実施形態のようなシリアル記録方式の記録装置であれば数行分の容量とすることができる。さらにワークバッファ406に蓄えられた多値の記録データは、画像処理部407で2値化等の画像処理が施されて、2値の記録データに変換される。そして、2値の記録データはプリントバッファ408に蓄えられる。この2値の記録データは、最終的に記録ヘッド1に送られ、この2値の記録データに基づき記録ヘッドからインクが吐出されて画像の記録が行われる。
本実施形態のゲートアレイ314には、ドットカウント機能が搭載されている。ソフトウェアのよる処理でドットカウントを行うことも可能であるが、処理時間等の観点からはゲートアレイ314に専用回路として組み込まれたものとするのが好ましい。ゲートアレイ314は、プリントバッファ408より2値の記録データを取り込み、つなぎ処理の対象となる領域に対応する記録データに基づいて、その領域において用いられるインク色毎にドットカウントを行う。ここで、つなぎ処理の対象となる領域とは、図8を用いて後述するように、つなぎ部近傍の領域を区画(分割)してなる単位領域を指す。また、「つなぎ処理」とは、単位領域に付与されるインクの量を低減させるための低減処理を指し、本実施形態では、上記単位領域に対応する記録データを間引く処理を上記低減処理として適用している。ゲートアレイ314は、以上のようなドットカウント処理の結果に応じた間引き率(インク量の低減率)に従って記録データに間引き処理を実行して、その処理結果としての間引き記録データを再度プリントバッファ314に書き戻す。
なお、MPU311を介在させてつなぎ処理を実行する構成とすることもできる。しかしこの場合、ソフトウェア処理が介在するので処理速度が低下してしまうことがある。そこで、本実施形態では、ゲートアレイ314が直接プリントバッファ408にアクセスしてつなぎ処理を完了してからプリントバッファ314に書き戻す構成としている。つまり本実施形態では、MPU311を介在させることなく、ゲートアレイ314の機能だけでつなぎ処理を行うことができる。
また、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックおよび淡ブラックのインクを用いる構成で説明しているが、淡色インク(ライトシアン,ライトマゼンタなど)あるいは特色インク(ブルー,レッド,グリーンなど)等を用いる構成であってもよい。
(処理手順)
以上、図1〜図4に示した本実施形態のインクジェット記録装置に適用される本発明の実施形態、具体的には制御シーケンスおよび各処理について以下に説明する。本実施形態においては、有彩色のインクと無彩色のインクとのそれぞれに対して異なるつなぎ処理を行う構成を採用している。
図6は本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。これは、記録開始信号を受信してから、有彩色および無彩色のインクそれぞれに対応する記録データに対してつなぎ処理を適用し、記録を開始するまでの一連の手順である。この処理は、次の走査で記録されるバンドAの領域とそのバンドAの領域に隣接するバンドBの領域との計2バンド分の領域(2走査分)に対応する記録データがプリントバッファ408に格納された後に開始される。
まずステップS601では、つなぎ処理が必要か否かを判別している。つなぎ処理が必要な場合とは、1回のパスにおけるインク付与量が多い場合のほか、インクの性質にもよるが記録媒体のインク吸収能力が乏しいためインクを十分に吸収し切れない場合に、隣り合うバンド同士のつなぎ部並びにその近傍でインクの滲みが発生してしまう恐れがある場合である。また、インクの吸収速度以上に記録速度が速いなども、つなぎ部でインク滲みが発生する恐れが高いので、つなぎ処理が必要になることもある。これらのように、インク付与量のほか、記録に使用する記録媒体またはさらにインクの性質に応じ、つなぎ処理が必要となるか否かを予め判別することができる。さらに、ユーザが望む記録品位を規定する記録モードに応じ、つなぎ処理が必要となるか否かを判別することもできる。
なお、インク付与量の多寡はドットカウント値に基づいて判定可能である。また、記録媒体や記録品位に応じたつなぎ処理を実行できるようにする場合、その要否の判別は、外部装置、例えばホストコンピュータ401から記録開始信号並びに多値の記録データとともに提供される記録制御情報に基いて行うことができる。記録制御情報は、例えば記録媒体情報や記録品位情報などから構成される。記録媒体情報には、記録の対象となる記録媒体の種類が記述されており、「普通紙」、「光沢紙」、「はがき」などのうち、いずれか1種類の記録媒体が規定されている。記録品位情報には記録の品位が記述されており、「きれい」、「標準」、「はやい」等のうちいずれかが規定されている。これらの記録制御情報は、ホストコンピュータ401のモニタおけるUI画面にてユーザが指定した内容に基づいて形成することができる。
本実施形態では、記録媒体の種類として「普通紙」が設定され且つ記録の品位として「はやい」が設定された場合、並びに、記録媒体の種類として「光沢紙」が設定され且つ記録の品位として「はやい」が設定された場合に、つなぎ処理が必要であると判定される。これらの設定に以外の場合には、つなぎ処理が不要であると判定される。
ステップS601でつなぎ処理が必要であると判定された場合はステップS602に移行する一方、必要でないと判定された場合はステップS606に移行する。
ステップS602では、処理対象の単位領域で使用されているインク色毎のドットカウント値に基づき、当該単位領域で有彩色のインク(本実施形態ではシアン、マゼンタおよびイエローの3色の少なくとも1つ)が使用されているか否かを判定している。ここで肯定判定された場合にはステップS603に移行し、上記単位領域で用いられている有彩色インクについてのドットカウント値の組み合わせに基づいて単位領域における色相および彩度(以下では、色相と彩度を合わせて「色域」とも言う)を判定し、当該判定に応じたつなぎ処理を実行する。ステップS603の処理後およびステップS602で否定判定された場合にはステップS604に進み、上記処理対象の単位領域で無彩色のインク(本実施形態ではブラックおよび淡ブラックの少なくとも1つ)が使用されているか否かを判定する。ブラックや淡ブラック(グレー)などは彩度方向に特性を持たない明度軸の色である。これら無彩色インクが用いられている場合はステップS605に移行する。そして、ステップS605において、単位領域で用いられている無彩色インクのドットカウント値に基づいて単位領域における明度を判定し、明度に応じたつなぎ処理を行う。以上のつなぎ処理は、プリントバッファ408に格納されている2値の記録データに対して後述の間引き処理が実行され、その後、当該間引き処理済みの2値の記録データがプリントバッファ408に書き込まれることにより、完了する。
ステップS606では、以上の処理が、プリントバッファ408に含まれる処理対象なり得る単位領域の全てに対して実行されたか否かを判定し、否定判定であれば以上の処理を繰り返す一方、肯定判定であればステップS607に進む。ステップS607では、プリントバッファ408に格納されているつなぎ部近傍の記録データ(つなぎ処理済み、もしくは、つなぎ処理を実行しなかった記録データ)とつなぎ部近傍以外の記録データに従って、1走査分の記録を実行する。これにより、1バンド分の記録がなされる。以上の手順は、例えば1ページ分の記録が終了するまで繰り返し行われるものとすることができる。
(色相に応じたつなぎ処理)
図7は、ステップS603で実施されるつなぎ処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS701では、各色のインクに対応する1記録走査の記録に必要な記録データを取り込む。ここでいう「必要な記録データ」とは、これから行おうとしている1記録走査において形成されるバンドの領域に対応した記録データに加えて、その次の記録走査において形成されるバンドの領域に対応した記録データである。
これらの記録データを取り込んだ後、つなぎ部近傍の領域を複数に区画してなる単位領域(ラスタ方向に16ドット×カラム方向に16ドットの領域とする)毎に、ステップS702でドットカウント(単位領域内にある記録データの「1(吐出)」の数のカウント)を実行する。そしてさらに、色域判定(ステップS703)、間引きランク決定(ステップS704)、および間引き処理(ステップS705)を行い、これらの処理を1記録走査の記録に必要な記録データについて完了するまで繰り返す(ステップS706)。以下に各処理の詳細について説明をする。
<ドットカウント>
図8は、ステップS702で行われるドットカウントの対象領域の概念図である。1バンドに含まれるドットカウントの対象となる単位領域は、つなぎ部の近傍の領域とし、本実施形態においては、記録媒体搬送方向上流側の8ラスタ分、下流側の8ラスタ分の幅とする。従って、これから行おうとする1記録走査において形成されるバンドと、その次の記録走査において形成されるバンドとについて、それぞれつなぎ部の下流側にある8ラスタと上流側にある8ラスタとを含む幅の領域がドットカウントの対象とされる。そして、ドットカウントは、当該領域を16カラム(16ドット)分ずつ分割した単位領域(以下、「ドットカウント単位領域」とも表記する)毎に実施される。なお、本実施形態では、つなぎ部を跨いだ領域を単位領域と定めているが、つなぎ部を跨がないように一方のバンド領域の端部の領域(例えば、つなぎ部の下流側にある8ラスタだけ)を単位領域と定めてもよい。
ドットカウントは、記録装置が使用しているカラーインクのすべて、すなわち図1の実施形態の装置ではシアン、マゼンタおよびイエローの各色の2値の記録データに対して行う。ここで、2値の記録データの「1」が吐出(ドット形成)を示し、「0」が非吐出(ドット非形成)を示しているのであれば、単位領域における「1」の数をカウントする。本実施形態では、各単位領域についてC,M,Yインクそれぞれの吐出数に対応するドットカウント値を取得し、それらに基づき、次に述べる単位領域毎の色域判定を行う。
また、この判定と、インク色毎に得られたドットカウント値の総和(トータルドットカウント値)とに基づいて、単位領域に対する間引き処理を実施する。なお、トータルドットカウント値の最大値は、16(ラスタ分)×16(カラム分)×3(色数)=768となる。
<色域判定>
図9は色域判定のフローチャートを示す。まず、ステップS901で、上述のように得られた各インク色のドットカウント値の取り込みを行う。
図10は、ある単位領域におけるドットカウント値の一例を、また図11は本実施形態に用いる色域の区分を示す。図10の例では、ドットカウント値の多い順に、マゼンタ、シアン、イエローとなっている。ここで、ドットカウント値の最も少ないイエローと、そのドットカウント値と同数のドットカウント値分のシアンおよびマゼンタとで形成される部分は一般にアンダーカラー(Under Color;UCとも表記する)と呼ばれる。また、UC分のドットカウント値を引いたドットカウント値分のシアンと、同数のドットカウント値分のマゼンタとで形成される部分は2次色(D2とも表記する。図10の例では青)と呼ばれる。そして、UC分およびD2分のドットカウント値を引いたドットカウント値分のマゼンタのみで形成される部分が1次色(D1とも表記する)である。
このようにしてステップS902で計算されたUC、D1およびD2のうちで最も大きいドットカウント値を取るものを判定することで、着目している単位領域が図11の中でどの色域にあるかを決定する(ステップS903,S904)。図10の例においては、D1が3つのうちで最も大きいため、着目している単位領域はマゼンタの色域の中にあるという判定を行うことになる。なお、D1、D2およびUCで、最も大きいものが2つあるいは3つ存在した場合には、色域としては、UC、D2、D1の順番(UCとD2が同じならUCとなり、D1とD2が等しいならD2となり、実際はD1が使用されることはない)で採用することにする。以上の結果、判定される色域は、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーおよびUCのいずれかとなる。
<間引きランク>
図12は間引きランクを決定するのに用いられる間引きランクグラフを説明するための説明図であり、縦軸は間引き率に対応した間引きランクを、横軸はCMYのトータルドットカウント値である。1つの間引きランクグラフには、間引き率0%、12.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75%、87.5%および100%の計9段階の間引きランクが対応付けられている。また、図13は、間引きランクと、間引きランクに対応した間引き用データと、間引き率との関係を示している。
本実施形態では、間引きランクグラフは、上述のように決定され得る7つの色域毎かつインク色(CMY)毎に用意されている。つまり、間引きランクグラフは7色域×3色の計21本用意されており、各間引きランクグラフはそのトータルドットカウント値と間引きランクとの対応関係が異なるものとなっている。このような間引きランクグラフの選択に際して(ステップS704)、まず、CMYの夫々について、ステップS703で決定された色域に応じて間引きランクグラフを選択する。次いで、CMYの夫々について、上記のように選択した間引きランクグラフとステップS702にて得たCMYのトータルドットカウント値から間引きランクを決定する。
図12の例における間引きランクグラフを用いた間引きランクの指定は、「スタートドット数」、「ドット間隔」および「MAXランク」の3個のパラメータの組み合わせにより行われる。これらのパラメータのうち、「スタートドット数」とは、「間引きランク1(間引き率12.5%)」を使用し始めるときのトータルドットカウント値である。「ドット間隔」とは、1ランク高い間引き率(12.5%の次ならば25%)に移行するまでのトータルドットカウント値の増分、すなわち同じ間引き率を使用するトータルドットカウント値の範囲である。また、「MAXランク」とは最大間引き率のことであり、これを超えた間引き率を選択することはない。すなわち「MAXランク」の間引き率に達したら、その後に「ドット間隔」分のドットカウント値の増加があっても間引き率を上げることはせず、「MAXランク」の間引き率を保持する。
なお、図示の例においては上述のような3つのパラメータ(「スタートドット数」、「間引き間隔」および「MAXランク」)により間引きランクを決定することにしたが、特にこれに限定されないことは勿論である。上例のような間引きランクグラフであると、トータルドットカウント値と間引き率との関係が実質的に線形、すなわち一律の「ドット間隔」と一律の間引き率増分(12.5%刻み)の一定の階段状にしている。しかし「ドット間隔」と間引き率増分とが適宜変化するようにすることで、非線形のものとしてもよい。また、間引き率も上に挙げた9段階に限られず、必要に応じて間引き率の段階を増減させてよい。
本実施形態では、色域毎およびインク色毎に異なる間引きランクグラフが設定される。これは、特許文献1に記載される理由と同じである。すなわち、色域に応じてインク色毎に適切な間引き率を設定することにより、色域およびインク色によらず一律な間引き率を適用した場合に生じ得る色味の変化を抑制するためである。また、インクによる記録媒体上での挙動の違いや、異なるインク間での明度や彩度の違いによるスジの見え方の差などにより生じる、つなぎスジ発生の程度の差に対応することができる。
<間引き処理>
図7のステップS705では、上述のように着目する単位領域に対してインク色(CMY)毎に決定された間引きランクに対応した間引き用データを用いて、当該単位領域に含まれるCMYの記録データに対し間引き処理を施す。
本例で使用される間引き用データは、図13に示したように8ビットの大きさを有し、各ビットの「0」または「1」が、1つの吐出データを間引く(吐出を許可しない)または間引かない(吐出を許可する)ことを表すものとする。吐出データとは、記録データのうち、インクの吐出によりドットを形成することを示すデータ(「1」)である。
その適用態様は次のとおりである。間引き用データは、適宜のカウンタによりその最上位ビットから順に指定される。そして、吐出データがあるたびに、カウンタにより指定されるビットの値を読み、「1」ならば吐出データを間引かず、カウンタを右に一つ移動する。また、カウンタにより指定されるビットの値が「0」であるなら、吐出データの間引きを行い、カウンタを右へ一つ移動する。カウンタは間引き用データの一番右(最下位ビット)まで移動すると、再び一番左(最上位ビット)へと戻るように指定を行う。この処理を吐出データが来るたびに繰り返すことで、間引きドットを確定して行く。
図14および図15を用い、本実施形態の間引き処理についてより具体的に説明する。これらの図において、記録データのうち、吐出データは「○」で、またインク吐出によるドット形成が行われないデータ(非吐出データ)は「×」で示されている。また図14では、記録データおよび間引き用データについて、注目している位置には下線を付してある。
図14において、記録データの1つ目は「○」(吐出データ)であり、一方間引き用データの最上位ビットの値が0であるので、1つ目の吐出データは間引かれる。そのため、処理後の1つ目の記録データは「×」となり、またカウンタは右へ一つ移動する。次のデータは非吐出データであるので、「×」のままであり、カウンタも移動することなくそのままの位置に残る。2つ目の吐出データでは、カウンタが示す最上位から2番目のビットの値が「1」であるので、吐出データはそのまま残り、カウンタが右へと一つ移動される。このようにして、吐出データは4個に1個の確率で間引かれることになる。
図15は単位領域に対する間引き処理のより具体的な説明図である。本実施形態のドットカウント単位領域は、上述のように、記録媒体搬送方向上流側および下流側にそれぞれ8ラスタ分の幅を持ち、横方向には16カラム(16ドット)分の大きさを持つものとした。しかし図15においては、簡略化のため、記録媒体搬送方向上流側および下流側にそれぞれ2ラスタ分(合計4ラスタ)の幅、横方向には8カラム(8ドット)分の大きさを持つものとして示されている。しかしドットカウント単位領域と間引き処理領域とは必ずしも一致していなくてもよい。なお、図15において、記録媒体搬送方向最下流側にあるラスタから順に第1ラスタ、第2ラスタ、第3ラスタ、第4ラスタとして示されている。
間引き処理は下流側のラスタからラスタ毎に行うものとし、1つのラスタの処理をしたら、次のラスタ(上流側のラスタ)の処理に移るものとする。このときカウンタは、間引きランクが変わっても本実施形態では初期位置には戻さないものにすることができる。またカウンタは、本実施形態においては間引き処理領域が1バンド内での隣の領域に移っても初期位置に戻すことはせず、カウンタ位置は1バンド内においては保存されるものとすることができる。そして、異なるバンドの処理に移った場合には、カウンタ位置を初期位置に戻すようにすることができる。
(明度に応じたつなぎ処理)
次に、図6に示したフローチャートにおいて、ステップS604に記載した明度に応じたつなぎ処理について図16を参照して説明する。ステップS1601では、上記ステップS701と同様、各色(ここではブラックまたは淡ブラック)のインクに対応する1記録走査の記録に必要な記録データを取り込む。すなわち、これから行おうとしている1記録走査において形成される記録領域(バンド)に対応した記録データと、その次の記録走査において形成されるバンドに対応した記録データとを取り込む。
これらの記録データを取り込んだ後、上記ステップS702と同様のラスタ方向16ドット×カラム方向16ドットの単位領域毎に、ステップS1602でドットカウントを実行する。ここでは、無彩色インクとしてのブラックインクおよび淡ブラックインクについてドットカウントを行う。そしてさらに、明度判定(ステップS1603)、間引きランク決定(ステップS1604)、および間引き処理(ステップS1605)を行い、これらの処理を1記録走査の記録に必要な記録データについて完了するまで繰り返す(ステップS1606)。
これらのうち、ドットカウント処理および間引き処理は、処理対象となるインクが有彩色から無彩色に変更される点を除いて、上述した色相判定を伴うつなぎ処理の場合とほぼ同様であるので、この詳細な説明を省略する。以下では明度判定(S1603)および間引きランク決定(S1604)について説明をする。
前述の色域処理(S703)では、有彩色インクのそれぞれのドットカウント値から色相および彩度を判定して単位領域がどの色域にあるかを判定し、判定された色域に応じた間引き率に従って間引き処理を実行していた。一方、明度判定処理(S1603)では、無彩色のインクのドットカウント値から明度域を判定し、判定された明度域に応じた間引き率に従って間引き処理を実行するものである。
図17(a)および図17(b)は、本実施形態の特徴的な着眼点である明度と付与ドット数との関係の二例を示す特性図である。図17(a)および図17(b)において、縦軸が各インクの付与ドット数、横軸が明度を表している。この例では、グレーラインを形成するのに、淡ブラックとブラックとを使用している。本実施形態では、最高明度(白)から最低明度(黒)に至るグレーラインにおいて、最高明度近傍の明度域は有彩色であるイエロー、マゼンタおよびシアンの混色によるPCBk(プロセスカラーブラック)で表現することができる。この場合、単位領域はUCの色域にあると判定されることになり、これら有彩色のインクのそれぞれについて最適な間引きランクが適用される。そして本実施形態では、明度が低くなるに従い、無彩色である淡ブラックさらにはブラックのインクが使用されていくのである。つまり、図17(a)および図17(b)においては、PCBkとの関係は示されておらず、また明度軸の原点は淡ブラックが使用され始めるときの明度を表し、必ずしも最高明度(白)の点を表しているのではない。
図17(a)において、淡ブラックインクのみが使用される領域は便宜上高明度領域として示され、この領域では明度が低くなるに従ってその付与ドット数が多くなってくる。ブラックインクが使用され始める明度からの領域は中間明度領域として示され、この領域ではブラックインクの付与ドット数が増えるに従って、淡ブラックインクの付与ドット数が減ってくる。淡ブラックとブラックとが丁度入れ換わるようにして明度が低くなるのである。この入れ換わりが生じる明度からの領域は低明度領域として示され、この領域では明度が低くなるに従ってブラックインクの付与ドット数が徐々に増え、淡ブラックインクの付与ドット数が減少する。中間明度領域と低明度領域とでは、淡ブラックインクおよびブラックインクの付与ドット数の合計が同じである。
一方、つなぎスジを考えた場合、淡ブラックでは比較的スジなどが目立ち難く、ブラックの方が目立ち易い。この特性を考慮した場合、高明度領域および中間明度領域ではそれほど強い間引き処理は必要ないが、低明度領域では比較的強い間引き処理を行うことが好ましいものとなってくる。低明度領域ではブラックが支配的であるが、淡ブラックの影響もあり、それらの相互影響も考慮するべきである。つまり、単純にブラックのドット数だけで判断するのではなく、明度に応じて間引き処理の強弱を制御する処理が好ましいのである。
また、図17(b)は、図17(a)と淡ブランクの使い方が異なり、ブラックの使用方法は同じである場合を示している。中間明度領域および低明度領域では、淡ブラックの打ち込みドット数は同じである。これは、図17(a)の場合より低明度領域での階調変化が大きなるインクの使用方法である。ここで、つなぎ処理を考えた場合、淡ブラックに関しては、同じ打ち込みドット数であってもつなぎスジへの影響度は中期明度領域と低明度領域とで異なる。やはり、単純にドット数だけで判断するのではなく、明度に応じて間引き処理の強弱を制御する処理の方が好ましいのである。
明度を判定するには、使用している複数色のそれぞれの使用ドット数の組み合わせで判断する。図8に示すようにドットカウント単位領域が広がりを持っている場合、その組み合わせは様々になるので、予め想定できる組み合わせと明度の関係を示すテーブル等を用いることができる。
図18は、第1および第2のインク(本実施形態では、それぞれ、ブラックインクおよび淡ブラックインク)を用いた場合の、付与ドット数と明度領域との関係を示すテーブルの一例である。ここで、「領域1」は高明度領域、「領域2」は中間明度領域、「領域3」は第1低明度領域、「領域4」は第1低明度領域よりも明度が低い最低明度付近の第2低明度領域を示し、図17(a)もしくは(b)の特性図の各明度領域に合致している。また、低明度領域を2つに分けているのは、付与ドットの合計数もしくはその組み合わせで、つなぎスジの見え方が異なることを想定している。なお、ドットカウントの対象となる単位領域は、上述のように16ドット×16ドット分の広がりをもち、0〜256のいずれかの個数の淡ブラックインクのドットおよび/またはブラックインクのドットが配置されることになる。なお、図18のテーブルは、第1および第2インクとも、単位領域全体にドットが配置される場合を100%とし、それぞれ10%刻みで配置ドット数を規定した例を示している。しかし刻みの幅は淡ブラックインクおよびブラックインクのそれぞれについて適宜定め得るのは勿論であり、テーブルにおける「領域1」〜「領域4」の配置態様も適切に定め得ることは勿論である。
また、図18は2次元テーブルを示しているが、使用される無彩色インクの種類数が2つ以上であれば、その数に合わせた構成のテーブルを設ければよいことは勿論である。一般的には、3次元テーブル等が容量的には現実的な構成であるが、これに限定されるものではない。
このようにしてS1603において明度領域が判定された後、S1604において明度領域に応じた間引きランク(間引き率)を決定する。詳しくは、図5(a)に示したような明度領域と間引き率(間引きランク)との対応関係が規定された間引きランクテーブルを用いて、S1603にて判定された明度領域に対応する間引き率を決定する。その後、S1605では、上記のようにして決定された間引き率を用いて、ブラックインク(第1インク)および淡ブラックインク(第2インク)の2値の記録データに対して間引き処理を行う。
このように、使用する無彩色の付与ドット数から明度を判定し、その結果から間引きランクを決定して間引き処理を行うことで、特許文献1の色域判定では考慮されていなかった無彩色のインクに起因するつなぎスジを適切に軽減することが可能となる。
(第1の実施形態の効果)
以上説明してきたように、本実施形態ではつなぎ部およびその近傍を含む単位領域毎に使用されている有彩色インクおよび無彩色インク毎に適切なつなぎ処理を行う。つまり、有彩色に対しては色域判定に応じたつなぎ処理が、また無彩色に対しては明度判定に応じたつなぎ処理が、それぞれ適用される。その結果、有彩色および無彩色を含む多数色のインクを用いたり、少ない記録パス数であったりした場合でも、つなぎスジの無い高画質記録を実現できるようになる。また、無彩色のインクを含めて色域判定を行う場合に生じ得る処理の複雑化ひいては処理負荷の増大を抑制することが可能となる。
(第1の実施形態の変形例)
上述した第1の実施形態では、まず、図18のテーブルを用いて、第1インクとしてのブラックインクの記録ドット数と第2インクとしての淡ブラックインクの記録ドット数の組み合わせから明度を判定し、次に、図5(a)のテーブルを用いて、その明度に対応した間引き率を決定する、といった2段階の処理について説明した。しかし、2段階の処理を行うことは必須ではなく、例えば、図5(b)のようなテーブルを用いて、処理対象の単位領域に打ち込まれるブラックインクのドット数と淡ブラックインクのドット数の組み合わせから間引き率を直接求めるようにしてもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の本実施形態でも、第1の実施形態と同様、有彩色および無彩色のインク毎に適切なつなぎ処理を行う構成を用いる。しかし本発明の第2の実施形態では、無彩色のインクに対しては、明度領域の判定に応じたつなぎ処理とする代わりに、無彩色インクの付与量に応じたつなぎ処理が実施されるようにする。
図19は第2の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートであり、図6と同様、記録開始信号を受信してから有彩色および無彩色のインクに応じたつなぎ処理を選択し、記録を開始するまでの一連の手順である。ここで、ステップS1901〜S1904、S1906およびS1907で行われる処理は、それぞれ、図6におけるステップS601〜S604、S606およびS607で行われる処理と同様である。
本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、単位領域に使用されるブラックおよび淡ブラックのインクのドットカウント値の組み合わせに基づいて明度を判定し、これに応じたつなぎ処理を行うステップS605の代わりに、ステップS1905を置いた点である。このステップS1905では、単位領域に対するそれぞれのインクの付与量すなわちドットカウント値から直接つなぎ処理が行われるものであり、以下ではこの点について詳述する。
図20は、ステップS1905で行われるつなぎ処理手順の詳細を示すフローチャートである。ステップS2001では、各色のインクに対応する1記録走査の記録に必要な記録データを取り込む。すなわち、これから行おうとしている1記録走査において形成される記録領域(バンド)に対応した記録データと、その次の記録走査において形成されるバンドに対応した記録データとを取り込む。
これらの記録データを取り込んだ後、ラスタ方向16ドット×カラム方向16ドットの単位領域毎に、ステップS2002で無彩色インクについてドットカウントを実行する。そしてさらに、間引きランク決定(ステップS2004)、および間引き処理(ステップS2005)を行い、これらの処理を1記録走査の記録に必要な記録データについて完了するまで繰り返す(ステップS2006)。
ここで、本実施形態における、無彩色インクに対するインク量に応じたつなぎ処理では、上記色域判定に応じたつなぎ処理(S1903)と同様、図12に示したような間引きランクグラフを用いて間引きランクおよび間引き率を決定する。ここで、図12に示したような間引きランクグラフは、その横軸がドットカウント値を示していることから明らかなように、基本的にはインク量で間引きランクが決定できる構成である。さらに言えば、有彩色のインクに対する色域の判定に応じたつなぎ処理(ステップS1903)に対して、無彩色インクに対するインク付与量に応じたつなぎ処理(ステップS1903)は、色域を判定する処理が無いだけで、その他は同じ処理となる。
つなぎスジを考えた場合、一般に、インク量が多いほどつなぎスジは目立つ傾向にある。しかし、記録媒体の特性上、インク量がある水準以上の場合に急激にインクがあふれてスジになったり、逆にインク量がある水準以上になるとスジのレベルが変わらなくなったりするなど、現象が異なることもある。
図21(a)および(b)は、ステップS1905におけるつなぎ処理で使用される間引きランクグラフに関するものである。各間引きランクグラフには、無彩色インクのインク付与量(ドットカウント値)と間引きランクとの関係が示されている。
これらの図において、縦軸が間引きランクを、横軸がドットカウント値を示している。吐出量が1種類のインクについての処理の場合、インク量とドットカウント値とは一義的に対応するものとして扱うことができる。また、もし吐出量が複数段階に設定できるものである場合、吐出量の比を反省させてドットカウント値を計算し直せばよい。いずれにしても、ドットカウント値により、インク量に応じた間引きランクを決定できる。
図21(a)は、インク量がある水準以上で急激にインクがあふれてつなぎスジになる場合であり、スタートドット数をしきい値として、それ以上の場合に特定の間引きランクを決定する。また、図21(b)は、インク量がある水準以上から急激にインクがあふれてつなぎスジになる場合であり、ある水準まではインク量に応じて間引きランクを徐々に上げていき、ある値以上では一定の間引きランクにしている。
このようにして、使用するインクの量に応じて間引きランクを決定し、間引き処理を行うことで、色域判定では分離し切れなかった画像領域に対する間引き処理を適切に実行することが可能となる。
実際の記録装置においては、有彩色インクおよび無彩色インクに対するつなぎ処理の制御フローを共通化し、有彩色インクであるか無彩色インクであるかにより、色域判定の要否を切り換えて使用することができる。例えば、シアン、ゼンタ、イエローの各有彩色インクに対してつなぎ処理を1回実行し、無彩色に対しては色域判定を行わないことおよび無彩色インク用の間引きランクグラフを用いること以外は同じつなぎ処理を再度実行する。これにより、ゲートアレイなどのハードウェアの部分は同一のものを使用しながらも、本実施形態を実現することができる。
以上のように、本実施形態においても、有彩色および無彩色のインク毎に適切なつなぎ処理を行う構成を用いている。そして本実施形態では、有彩色インクに対しては色域判定に応じたつなぎ処理が、無彩色インクに対してはインク量に応じたつなぎ処理が、それぞれ適用される。その結果、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の本実施形態では、第1および第2の実施形態と同様、有彩色のインクに対するつなぎ処理および無彩色のインクに対するつなぎ処理を行う構成を用いる。しかし本実施形態では、使用する記録媒体の種類に応じて、有彩色インク及び無彩色インクに対するつなぎ処理のうちの双方または一方を行う構成としている。
図22は第3の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートであり、記録を開始するまでの一連の手順である。ここで、ステップS2201およびS2205で行われる処理は、それぞれ、図6におけるステップS601およびS605で行われる処理と同様である。
本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、使用される記録媒体種類の判定と、これに応じた処理とを行う点であり、以下ではこの点について詳述する。ステップS2202では、記録に使用する記録媒体が何であるかを判定している。具体的には、本実施形態では記録媒体が光沢紙か否かを判定している。この判定は、第1の実施形態において説明したように、例えばホストコンピュータ401から記録開始信号並びに画像データとともに提供される記録制御情報、特にそれに含まれる記録媒体情報に基づいて行うことができる。
そして、ここで光沢紙であると判定されれば、ステップS2203に移行し、光沢紙用の処理を実行する。また、記録媒体が光沢紙でない場合は、使用される記録媒体は普通紙であると判断し、ステップS2204に移行して普通紙用の処理を行う。
ここで、光沢紙用の処理では、図6に示したものと同様の手順を用いて、色域判定に応じた有彩色インクに対するつなぎ処理および明度に応じた無彩色インクに対するつなぎ処理の双方が実行され得るものとする。また、普通紙用の処理では、無彩色インクについては考慮することなく、色域に応じた有彩色インクに対するつなぎ処理のみが行われ得るものとする。
これは次の理由による。すなわち、光沢紙は高品位の画像記録が望まれる場合に使用されることが多く、有彩色(シアン、マゼンタ、イエロー)のインクに加えて、無彩色のインク(ブラックさらには淡ブラック)のインクなどが積極的に用いることが多い。従って、ユーザが望む高品位の画像記録に対応し、つなぎスジを極力軽減する上で、有彩色および無彩色のインクのそれぞれにつなぎ処理を適用することが好ましいからである。
これに対し、普通紙は高品位の画像記録が望まれる場合に使用されることは少なく、カラー記録に際しては無彩色のインク、特に淡ブラックのインクまでが使用されることは少ない。また、ブラックのインクとしては、文字を記録する際の品位を考慮して低浸透系のインクが用いられることがあり、このインクはにじみが比較的少なく、つなぎスジが発生し難い。そこで、普通紙が選択されている場合には無彩色のインクに対するつなぎ処理は考慮せず、有彩色インクについてのみのつなぎ処理を実行するものとする。普通紙が用いられるのはユーザが高速の記録を望む場合であることも多く、この観点からも、行われる処理を減らすことは好ましいことである。
このように、使用する記録媒体の種類に応じて、有彩色インクに対するつなぎ処理および無彩色インクに対するつなぎ処理の双方を行うか、または前者のみを実行するかを選択することで、ユーザの所望に応じた記録を実現できるようになる。
なお、本実施形態では、光沢紙と普通紙との場合について説明をしたが、記録媒体の種類はその2つに限定されるものではなく、コート紙や布などの記録媒体の使用を考慮した構成とすることができるのは勿論である。
[第4の実施形態]
本発明の第4の本実施形態は、記録ヘッドを記録媒体上の同一画像領域に対して1回または複数回移動させることにより記録を行うことが可能な構成に適したものであり、パス数に対応して間引き処理の態様が異なるつなぎ処理が適用される。そして本実施形態では、パス数に応じてつなぎ処理手順を分岐することで、そのパス数に適切なつなぎ処理を行うものである。
図23は第4の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートであり、つなぎ処理の要否を判定し、さらにパス数に応じたつなぎ処理を選択するまでを示すフローチャートである。まず、ステップS2301では、つなぎ処理が必要か否かを判別している。つなぎ処理が必要であると判定された場合はステップS2302に移行する。また、つなぎ処理が必要でないと判定された場合はステップS2310に移行する。
ステップS2302以降、記録する際にパス数に応じて、適用するつなぎ処理を切り換える。まず、ステップS2302では、1パス記録が指定されているか否かを判定する。ここで肯定判定であればステップS2303に移行し、1パス記録用のつなぎ処理を実行する。一方、否定判定であればステップS2304に移行し、2パス記録が指定されているか否かを判定する。
ステップS2304で肯定判定がなされた場合にはステップS2305に移行し、2パス記録用のつなぎ処理を実行する。また、否定判定であればステップS2306に移行し、3パス記録が指定されているか否かを判定する。
ステップS2306で肯定判定がなされた場合にはステップS2307に移行し、3パス記録用のつなぎ処理を実行する。また、否定判定であればステップS2308に移行し、4パス以上の記録が指定されているか否かを判定する。そして、4パス以上の記録動作用のつなぎ処理を実行する。
ここで、パス数が少ないほどつなぎスジは顕著になる傾向にあるので、パス数に応じて異なる間引きランクグラフが適用されるようにする。例えば本実施形態では、パス数が少ないほど、トータルドットカウント値が小さくても間引き率が高くなるようにしたつなぎ処理が適用されるようにしている。なお、いずれのパス数においても、第1実施形態で説明したような有彩色インクに対するつなぎ処理および無彩色インクに対するつなぎ処理の双方が適用される。
このように、記録する際のパス数に応じたつなぎ処理を行うことで、そのパス数に適切な間引き処理が実行され、つなぎスジの無い高画質記録を実現できるようになる。
なお、マルチパスの場合のつなぎ処理の対象となるつなぎ部は、ある記録走査で記録されるバンドの端部と、別の記録走査で記録されるバンドの端部とが隣接している場合の当該隣接部分である。すなわち、例えば2パス記録であれば、第1パスで記録されるバンドの記録媒体搬送方向下流側の端部と、第3パスで記録されるバンドの記録媒体搬送方向上流側の端部との隣接部分となる。
[その他]
本発明は、バンド同士のつなぎ部の近傍の領域を複数に分割(区画)してなる各単位領域毎に、単位領域に付与されるインクの情報を取得する。そして、(A)単位領域に付与される有彩色インクの量に関する情報に基づいて単位領域の色相を判定し、判定された色相に応じて有彩色インクの付与量を低減させるための第1の低減処理を行うと共に、(B)単位領域に付与される無彩色インクの量に関する情報に応じて無彩色インクの付与量を低減させるための第2の低減処理を行う。
かかる本発明の技術思想に沿うものであれば、本発明は上述した各実施形態に限られないのは勿論である。例えば、上述の実施形態では2値化後の記録データに基づいてつなぎ処理(単位領域に付与されるインクの量を低減させるための低減処理)を実行するものとした。しかし2値化前の多値の記録データに基づいて色(色相,明度,彩度,インク量等)を判定し、当該判定結果に基づいて多値データの値を低減するようにしてもよい。また、多値の記録データに対する判定結果に基づいて2値の記録データに対しつなぎ処理を行うことも可能である。
また、上記各実施形態を適宜組み合わせることもできる。例えば、第3および第4の実施形態を組み合わせるようにしてもよい。
さらに、有彩色インクとして上例ではシアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクを用いるものとしたが、淡シアンや淡マゼンタなどの淡色インクや、あるいはレッド、グリーンおよびブルーなどの所謂特色インクが用いられるものであってもよい。また、無彩色インクとして上例ではブラックおよび淡ブラック(グレー)のインクを用いるものとした。しかし白(最高明度)から最低明度(黒)までのグレーラインを表現するために使用される無彩色としては、これら2種類のインクに限られない。また、ブラックインクのみが用いられるものであってもよいし、ブラック色材の含有濃度が異なる3種類以上のブラックインクが用いられるようにしてもよい。

Claims (6)

  1. 異なる有彩色のインクおよび無彩色のインクを吐出するための記録手段を記録媒体に対して移動させながら、前記記録手段よりインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記記録手段の移動により記録されるバンド同士のつなぎ部の近傍の領域を分割してなる各単位領域毎に、前記単位領域に付与されるインクの量に関する情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された、前記単位領域に付与される有彩色のインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域の色相を判定し、判定された色相に応じて前記単位領域に付与される有彩色のインクの量を低減するための第1の低減処理を行い、且つ、前記取得手段によって取得された、前記単位領域に付与される無彩色のインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域に付与される無彩色のインクの量を低減するための第2の低減処理を行うための低減処理手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記無彩色のインクは、ブラックのインクと当該ブラックのインクよりも濃度の低い淡ブラックのインクとを含み、
    前記第2の低減処理は、(A)前記単位領域に付与されるブラックおよび淡ブラックのインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域の明度領域を判定するための処理と、(B)判定された明度に応じて前記単位領域に付与されるブラックおよび淡ブラックのインクそれぞれの量を低減するための低減率を決定するための処理と、(C)決定された低減率に従って、前記単位領域に付与される前記ブラックおよび淡ブラックのインクの量を低減するための処理と、を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記無彩色のインクは、ブラックのインクと当該ブラックのインクよりも濃度の低い淡ブラックのインクとを含み、
    前記第2の低減処理は、(A)前記単位領域に付与されるブラックのインクの量に関する情報と前記単位領域に付与される淡ブラックのインクの量に関する情報との組み合わせから、前記単位領域に付与されるブラックおよび淡ブラックのインクそれぞれの量を低減するための低減率を決定するための処理と、(B)決定された低減率に従って、前記単位領域に付与されるブラックおよび淡ブラックのインクの量を低減するための処理と、を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記有彩色のインクは、シアン、マゼンタおよびイエローのインクを含み、
    前記第1の低減処理は、(A)前記単位領域に付与されるシアン、マゼンタおよびイエローのインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域の色相を判定するための処理と、(B)判定された色相に応じて前記単位領域に付与されるシアン、マゼンタおよびイエローのインクそれぞれの量を低減するための低減率を決定するための処理と、(C)決定された低減率に従って、前記単位領域に付与されるシアン、マゼンタおよびイエローのインクの量を低減するための処理と、を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録に用いる記録媒体の種類を判定するための判定手段と、
    前記判定手段によって判定された記録媒体の種類に応じて、前記第1および第2の低減処理を行うか、前記第1の低減処理を行うかを選択するための選択手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 異なる有彩色のインクおよび無彩色のインクを吐出するための記録手段を記録媒体に対して移動させながら、前記記録手段よりインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記記録手段の移動により記録されるバンド同士のつなぎ部の近傍の領域を分割してなる各単位領域毎に、前記単位領域に付与されるインクの量に関する情報を取得する取得工程と、
    前記取得工程において取得された、前記単位領域に付与される有彩色のインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域の色相を判定し、判定された色相に応じて前記単位領域に付与される有彩色のインクの量を低減するための第1の低減処理を行い、且つ、前記取得工程において取得された、前記単位領域に付与される無彩色のインクの量に関する情報に基づいて前記単位領域に付与される無彩色のインクの量を低減するための第2の低減処理を行うための工程と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録方法。
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