JP2016097638A - 記録装置、記録システムおよび記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体上内でより顕著に質感を醸した画像を形成できる記録装置を提供する。
【解決手段】マット印刷設定時、光沢調整液の付与が完了した領域に有色インクを付与する。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録装置、記録システムおよび記録方法に関する。
さまざまな物には、色やにおい、触感といった主観的な感覚量で表現できる属性があるのは周知の事実であるが、同様に、質感と表現される複合的な感覚が組み合わさった属性も存在することが知られている。記録物に関わる質感をあげると、大きくは記録物の色あいや光沢、被記録媒体の表面形状や素材などの質感(以下質感と表現)を指すことが多い。さらには、例えばインクジェット記録法で記録された記録物では、被記録媒体自体の質感が最終的な記録物の質感に大きく寄与する。
記録ヘッドから吐出したインクを被記録媒体に付与してドットを形成することにより画像を記録するインクジェット記録では、非接触で記録ができるメリットを生かし、さまざまな被記録媒体に画像を形成することでユーザーのアイデアや芸術性を表現できる。前述したように、被記録媒体の質感が最終的な記録物の質感に大きく寄与するため、市場では様々な質感の被記録媒体が販売されている。和紙やキャンバスなど独特の風合いをもつインクジェット用の被記録媒体も存在する。記録物でどのような表現を行うかというのは、どのような被記録媒体を選ぶか、ということと密接に関連し、ユーザーが創作表現をする上で、被記録媒体の選択が重要事項であった。
質感は様々な感覚を総合的に組み合わせて認識されるものであり、組み合わせられる感覚要素によって認識される質感が異なるが、以下では、記録物の見た目に大きく寄与することが分かっている、光沢性や表面凹凸に起因する質感を指すこととする。
従来の水性インクを記録するインクジェット記録装置による記録では、被記録媒体の質感を変えるような記録を行うことは難しかった。しかし、被記録媒体の質感を異ならせるほどに光沢性や質感を変える方法については、UVインク(特許文献1参照)や電子写真のトナー制御(特許文献2参照)を用いた方法が知られている。ただ、これらの技術はコート層の厚みを相当程度まで異ならせる方法であり、それらの方法を実施できる製品は非常に高価なものであった。また、これまでにも水性インクジェット記録装置においては、光沢性に関わる質感を異ならせる方法については試みられており、特許文献3には光沢性を異ならせる方法が開示されている。
特開2012−40837号公報 特開2011−180391号公報 特開2008−213271号公報
しかし、光沢性を異ならせることが可能といっても、特許文献3で制御できる光沢性の範囲は限定的であった。本発明の発明者らは、この範囲を広げるべく新たな方法を検討し、従来の方法よりも、記録媒体上での光沢性を異ならせ、マットな質感を醸した画像を形成する方法を見出すに至った。
本発明は以上を鑑みなされたものであって、記録媒体上内でより顕著にマットな質感を醸した画像を形成することを目的とする。
本発明は、有色インクを吐出するためのノズルを備え、被記録媒体に画像を記録するために前記ノズルから有色インクを吐出して被記録媒体に付与する第1の付与手段と、被記録媒体上に形成される画像の表面の凹凸の程度を調整するための、実質的に透明な調整液を被記録媒体上に付与する第2の付与手段と、を有し、前記第1の付与手段は被記録媒体との相対的な移動により被記録媒体に前記有色インクを付与し、前記第2の付与手段は被記録媒体との相対的な移動により前記被記録媒体に前記調整液を付与する記録装置であって、前記第2の付与手段と前記被記録媒体との所定回の相対的な移動によって被記録媒体の第1の領域に前記調整液を付与した後に、前記有色インクを前記第1の領域に付与するための、前記第1の付与手段と前記被記録媒体との相対的な移動を開始することを特徴とする記録装置である。
本発明によれば、従来の方法に比べて光沢性の制御範囲を広くすることができ、記録媒体上内でより顕著にマットな質感を醸した画像を形成することが可能となる。
実施形態に係る記録システムのデータ処理の流れを示す図である。 第1の実施形態に係る被記録媒体の断面を図示したものである。 第1の実施形態に係る記録方法のフローチャートを示した図である。 第1の実施形態のノズルの使い方を説明した図である。 第2の実施形態に係る被記録媒体上でのドットの配置を示した図である。 第2の実施形態の効果を説明するための図である。 第5の実施形態に係る媒体内でのオブジェクトについて説明する図である。 第5の実施形態に係る記録方法のフローチャートを示した図である。 第5の実施形態に係るノズルの使用領域を示した図である。 第5の実施形態に係る被記録媒体の断面を図示したものである。 第6の実施形態に係る各種被記録媒体の凹凸情報についてのイメージ図である。 第6の実施形態に係る記録方法のフローチャートを示した図である。 実施形態に係る記録装置の全体を示した図である。 実施形態に係るアプリケーション画面の一例を示す図である。 実施形態に係るアプリケーション画面の一例を示す図である。 実施形態に係るマルチパス記録の様子を示す模式図である。 第6の実施形態に係るメディアのパターンの例を示す図である。 実施形態に係る記録システムの制御構成を説明するためのブロック図である。 実施形態に係るドットパターンを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の具体的な実施形態の説明に先立ち、その実施形態における光沢性について説明し、それに基づいてマット感について説明する。
(光沢性)
本発明の実施形態においては、被記録媒体の光沢性を制御する。光沢性については、これを評価する手法として光沢度とヘイズ、写像性があげられる。光沢を感じる物体については、それらの指標で評価することができる。
その光沢度、ヘイズを評価する測定器としては、BYN−Gardener社のB−4632(日本名:マイクローヘイズ プラス)を用いることができる。光沢度は反射光の中心軸に合わせて検出器の開口幅を1.8°で検出され、ヘイズはその外側の例えば±2.7°までの範囲で検出される。反射光が測定されるとき、正反射光の中心軸をなす正反射光の、入射光に対する反射率を光沢度と定義し、その近傍に生じている散乱光を測定した者がヘイズと定義される。
写像性は、例えばJIS「H8686『アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性測定方法』を用いて測定され、被記録媒体に映りこんだ像の鮮明さを表す。たとえば、被記録媒体に映り込んだ照明の像がぼやけている場合は、写像性の値が低くなる。
(マット感の定義)
本発明は、光沢被記録媒体を使用する際に、その質感をマットにすることを「質感をマットにする」と表現している。質感をマットにする、とは被記録媒体の光沢性を市販の光沢測定器で測定した場合に、光沢の強度や光沢写像性の数値が低下することを示す。実際に紙に入射した光の反射光の挙動としては、光沢度が高いと正反射光成分が多いのに対して、マットになると乱反射光成分が多い。前述のヘイズが多いことを示す。
ここで、本発明を実施可能なインクジェット記録装置の一例について説明する。
(装置構成)
図13(a)は本発明の実施形態で適用するインクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。また、図13(b)はインクジェット記録装置の内部を示す斜視図である。
本発明の実施形態の記録方法は、図13(a)のような、光沢調整液を吐出する記録装置で実施可能である。図13(a)の記録装置では、給紙トレイ12より矢印で示す方向に記録媒体を挿入後、間欠的に搬送して画像形成し、排紙トレイM3160より排紙する。図13(b)において、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド5は、矢印A1、A2方向にガイドレール4に沿って往復移動しながらノズルからインクを吐出し、記録媒体S2上に画像を形成する。記録ヘッド1は、例えば、それぞれ異なった色のインクと光沢調整液とに対応した複数のノズル群を有している。例えば、後述する5色の有色インク(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、グレー(Gy)と、無色透明な光沢調整液(CL)とを吐出するためのノズル群である。これら各色のインクと光沢調整液とは、インクタンク(不図示)に貯留され、そのインクタンクから記録ヘッド1に供給される。ノズル列には、インクおよび光沢調整液を吐出可能な複数のノズルが、主走査方向と交差する交差方向(本例の場合は、直交する方向)に配列されている。このように所定方向に並ぶノズルに対応するように、インクの吐出エネルギーを発生するための吐出エネルギー発生素子として、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などが備えられている。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用してノズル先端の吐出口からインクを吐出することができる。
この実施形態では、インクタンクと記録ヘッド1とは一体となりヘッドカートリッジ6を構成し、ヘッドカートリッジ6はキャリッジ5に搭載される構成となっている。
また、キャリッジモータ11の駆動力をタイミングベルト17によってキャリッジ5に伝えることにより、キャリッジ5を矢印A1、A2方向(主走査方向)にガイド軸3とガイドレール4に沿って往復移動させる。このキャリッジ移動の際に、キャリッジ位置は、キャリッジ5に設けられたエンコーダセンサ21により、キャリッジの移動方向に沿って備えられたリニアスケール19を読み取ることにより検出される。そして、この往復移動により記録媒体上への記録が開始される。この時、記録媒体S2は給紙トレイ12より供給され、搬送ローラ16とピンチローラ15とにより挟持され、プラテン2まで搬送される。
記録ヘッド1がキャリッジ5と共にA1方向に移動しつつ1走査分の記録を行うと、搬送モータ13によってリニアホイール20を介して搬送ローラ16が駆動される。そして、記録媒体S2が副走査方向(記録媒体搬送方向)である矢印B方向に所定量搬送される。副走査方向は、主走査方向と交差(本例の場合は直交)する。その後、キャリッジ5がA2方向に走査しながら、記録媒体S2に記録が行なわれる。このようにして、搬送と走査とを交互に行なって記録を行なう。ホームポジションには図13に示されているように、ヘッドキャップ10と回復ユニット14が備えられ、必要に応じて間欠的に記録ヘッド1の回復処理を行う。
上記説明した動作を繰り返すことにより、記録媒体の1枚分の記録が終了すると、記録媒体は排紙され、1枚分の記録が完了する。
図18は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図を示す。インクジェット記録装置210は、コントローラ100、ヘッドドライバ140、モータ・ドライバ150および160を含む。
コントローラ100は主制御部であり、例えばマイクロ・コンピュータ形態のASIC101、ROM103、およびRAM105を有する。ROM103は、ドット配置パターン、マスクパターン、およびその他の固定データを格納している。RAM105は、記録データを展開する領域や作業用の領域等を設けている。ASIC101は、ROM103からプログラムを読み出し、記録データを記録媒体へ記録するまでの一連の処理を実行する。ヘッドドライバ140は、記録データに応じて記録ヘッド5を駆動するドライバである。モータ・ドライバ150はキャリッジモータ11を駆動するドライバであり、モータ・ドライバ160は搬送モータ13を駆動するドライバである。
ホスト装置110は、画像データの供給源であり、記録に係る画像のデータ(記録データ)の作成、処理等を行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部等の形態であってもよい。記録データの詳細については後述する。記録データ、その他のコマンド、およびステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してインクジェット記録装置210のコントローラ100に対して送受信される。このインクジェット記録装置における画像処理の流れについては後述する。
(光沢調整液)
次に、本実施形態で用いる光沢調整液の一例を説明する。
・スチレン−アクリル酸共重合体 2部
・グリセリン 7部
・ジエチレングリコール 5部
・水 86部
上記調整により得られる液を光沢調整液として使うことができる。同様の効果が得られる限り、光沢調整液は前記実施例に限定されるものではない。光沢調整液と、通常のカラーインクとの機能の差は、ポリマーの量に違いがあることに起因する。光沢を調整する機能のあるポリマーを多く添付されているインクとしての一例が上記光沢調整液である。もし仮にそのインクに色材が含まれていたとしても、同様の機能をもつポリマーが多く添付されており、同様の機能を有しているインクがあれば、本発明の実施形態としては適切に使用できる。
ポリマーの量に違いがあると、被記録媒体に記録された場合に違いが出る。その効果としては、ポリマー量の多い光沢調整液を先に記録した(本発明の内容)場合、後からくる有色インクが被記録媒体に浸透・吸収・定着するのを妨げる働きをする。そのため、光沢調整液を先に記録すると、後から来る有色インクの表面が結果的に荒れたものとなり、マットな質感に変化する。
光沢調整液は主に色材を含まない組成で作られ、そういった種類の光沢調整液を本実施例では採用している。その場合、透明である。このことにより画像の色味への影響を最も小さくできる。色材が含まれていた場合は、光沢調整液があるところとないところで色味の調整を行なわなくてはならない。もっとも、これは光沢調整液の一例を示したものであり、色材が含まれる場合を除くことを目的としたものではない。色材が含まれていたとしても無彩色であったり、イエロー等の濃度がごく薄い色材であったりしてその上に付与される有色インクに対して実質的に透明である場合は、今回のような色材なしの光沢調整液と同様の機能を果たすことができる。要は、ポリマーの量が適切に含まれており、被記録媒体に同様の機能を果たすインクであれば実現可能である。よって、色材を含む同様の機能を持ったインクの使用は可能である。また、光沢調整液は、有色インクとは実質的には非反応である。
(第1の実施形態)
本実施形態では、通常のインクで画像を形成するより前に光沢調整液をあらかじめ被記録媒体に付与しておくことで、形成画像のマット感を演出するものである。まず、どのような現象が起きるのかを図2を使って説明する。
被記録媒体の上にあらかじめ光沢調整液を記録しておくと、そのポリマーの機能によりインクの被記録媒体への浸透・定着が阻害される傾向にある。そのため、次に画像形成用のカラーのインクが記録されたとき、上記の過程が異なることによる表面形状の変化がみられる。これにより表面が荒れ、結果的に光沢性が失われたような見た目となり、また、測定した場合にはそのような測定値が得られる。図2では、光沢調整液があることによって、その上層に位置するインクの凸凹が際立ち、これにより入射光の散乱が一方向でなくなっていることを図説している。
実際にこのような物理現象を記録方法で実現する方法を説明する。
まず、有色インクおよび光沢調整液のための記録データを生成する処理フローについて説明する。
図1は、実施形態のインクジェット記録装置とホスト装置とで構成される記録システムにおける画像処理構成を示すブロック図である。図1、3を参照して有色インクおよび光沢調整液のための記録データを生成する処理フローを説明する。
901はPC上のアプリケーションである。アプリケーション901からRGBそれぞれについて8bit、計24bitの画像データが色処理部902に入力される。色処理部902では、RGBの画像データから、インクジェット記録装置で使用する有色インク色の信号に変換する。本形態において、インクジェット記録装置で使用する有色インク色は、前述したように5色であるが、これに限られない。色処理部902から出力される有色インクの信号は、階調性を確保するため、各色12bit、計84bitの信号となる。
903はハーフトーン処理部である。ハーフトーン処理部903では、入力された各色12bit(=4096値)の多値信号に対して、誤差拡散等の擬似中間調処理(ハーフトーニング処理)を行って、4096値よりも少ないN値のデータに変換する。このN値とは、具体的には、例えば3〜16値程度であり、各色2〜4bitの多値のハーフトーニングを行う。本実施例では多値ハーフトーニングで説明をするが、これに限るものではなく、2値ハーフトーニングでも良い。
905はプリントバッファ1である。前記ハーフトーニング処理までがホスト装置(PC)110上で行う処理であり、以降の処理はインクジェット記録装置本体で行う処理である。そのため、ハーフトーン処理部903でハーフトーニング処理されたN値のデータは、PCから符号905のプリントバッファ1に一旦格納される。
907はドットパターン展開部である。ドットパターン展開部907では、905のプリントバッファ1より入力されるN値のデータに対応したN種類の階調のドットパターンに展開を行う。図19を用いてこの例を説明する。図19の例は、入力されるLevel0から4の5値のデータを、対応する2×2画素のドットパターンに展開した例である。黒で塗りつぶされた画素はドットが形成されるONの意味であり、白の画素はドットが形成されないOFFの意味である。
909はマスク処理部である。同一の記録領域に対して記録ヘッドを複数回数走査して画像を記録する記録走査を、マルチパス記録処理という。マスク処理部909は、マルチパス記録処理において、複数回数行う走査毎に記録データを間引くために、展開されたドットパターンに基づき、間引きパターン(以下マスクパターンと呼ぶ)を用いてマスク処理を行う。
ここで、記録データを生成する図1の処理フローについての説明に戻る。912は、インクジェット記録装置の記録ヘッド5のうちの有色インク用の吐出部である。マスク処理部909で間引きが行われると、有色インクについての間引き後の記録データ(第1の記録データ)が得られる。有色インクについての間引き後の第1の記録データが有色インク用吐出部912に送られて、有色インク用吐出部912が駆動される。
次いで、図1、図3を参照して、質感をマットにするための記録方法およびそれに関わる記録データを生成する処理フローについて説明する。まず、ホスト装置においてユーザーが質感をマットにするか否かの選択を行う(S301)。マット印字を行う入力をホスト装置が受け付けた場合、アプリケーション901においてマット印字の設定がなされ、マット印字設定で有色インクおよびマット感を与えるための光沢調整液の付与に使用される記録データを生成する(S302)。
S302における記録データの生成については、上述した色処理部902、ハーフトーン処理部903、905のプリントバッファ1、ドットパターン展開部907、マスク処理部909による処理で行われる。一方、この記録データは、光沢調整液についての記録データであり、アプリケーション901の持つ機能を用いて有色インクについての通常の記録データとは別に作成される多値データである。この多値データは本実施形態においては、マット感を再現する画像を形成する有色インクの像に合わせた形状に対応する。色処理部902から出力される有色インクについての第1の記録データは、階調性を考慮して12bitであった。一方、この光沢調整液用の第2の記録データは、階調性をそれほど必要としないため、8bitデータ、すなわち256階調として出力する。ハーフトーン処理部904では、入力された光沢調整液用の多値の記録データをハーフトーニング処理して、256値よりも少ないM値のデータに変換する。906はプリントバッファ2であり、908はドットパターン展開部である。これらの機能は、有色インクのデータを処理するフローにおける905のプリントバッファ1および907のドットパターン展開部と同様の機能であるため、説明は割愛する。910はマスク処理部である。機能については有色インクのデータを処理するフローにおいて説明したものと同様であるので割愛する。マスク処理部910で処理されたデータ各走査用の記録データは記録ヘッド5の光沢調整液用吐出部911に送られて、光沢調整液用吐出部911が駆動される。なお、上述した有色インク、光沢調整液の両方についてのプリントバッファ、ドットパターン展開部、マスク処理部は図18のコントローラ100の一部として設けられ、上述したデータ処理をASICが行う。マスクパターン、ドット展開パターンはROM103に格納されているものを使用する。また、生成された記録データはマスク処理部からヘッドドライバ140(図18)を介して記録ヘッド5内の各吐出部へと送られる。
以上によって生成された各走査用の記録データに基づき、少なくとも1回の走査によって光沢調整液の記録が行われ(S303)、そのあとに有色インクの記録(S304)の記録が記録ヘッド5により行われる。図20を用いて、マスク処理部909で用いられる有色インク用マスクパターン、およびマスク処理部910で用いられる光沢調整液用マスクパターンが、マルチパス記録時にどのように用いられるかを説明する。本図では、説明の容易のため1色の記録ヘッドで説明する。
図20(a)、(b)の2101から2104は1つの記録ヘッドを表し、4パスのマルチパス記録を行う際に、記録媒体が副走査方向に順次搬送され、記録媒体の同一領域2109、2114に対して記録ヘッドの位置が相対的にずれていく様子を示す。また、2105から2109は1つのマスクパターン、2110から2114は1つのマスクパターンを表し、記録ヘッドに合わせて記録媒体の同一領域2109、2114に対して位置が相対的にずれていく様子を示す。図20(a)は光沢調整液用マスクパターンを用いたマルチパス記録を示す。光沢調整液用マスクパターン2105〜2109は、記録ヘッドの副走査方向における上流側の半分に相当する部分に記録データに応じてドットが形成されるONの画素(黒で図示)が設けられている。すなわち領域2109に対するN+1パス目とN+2パス目に相当する部分に記録データに応じてドットが形成されるONの画素(黒で図示)が設けられている。これらのN+1パス目とN+2パス目とのONの画素は補完の関係にある。一方領域2109に対するN+3パス目とN+4パス目には、ONの画素はなく、すべてドットが形成されないOFFの画素(白)となっている。また、有色インク用のマスクパターン2110〜2114は、記録ヘッドの副走査方向における上流側の半分に相当する領域は、すべてドットが形成されないOFFの画素(白)となっている。すなわち領域2114に対するN+1パス目とN+2パス目に相当する領域は、すべてドットが形成されないOFFの画素(白)となっている。そして、領域2114に対するN+3パス目とN+4パス目に相当する部分には、ONの画素(黒で図示)が設けられていて、N+3パス目とN+4パス目とが補完の関係になる。そのため、図20(a)の場合は、前半のN+1パスとN+2パスの2つのパスにおいて、光沢調整液が記録される(S303)。また、図20(b)は、有色インク用マスクパターンを用いたマルチパス記録(S304)を示す。図20(b)の場合は、後半のN+3パスとN+4パスの2つのパスにおいて、有色インクによって画像が記録される。
図1を用いて説明を行ってきたデータ処理フローによって記録媒体上で有色インクおよび光沢調整液がどのように付与されるかについて図4を用いて説明する。図4(a)、(b)は記録ヘッド5を上方から記録媒体側へ透かしてみた場合の模式図である。
記録ヘッド5には、有色インクのノズルが副走査方向に配列されてできるノズル列(C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)、Gy(グレー))と光沢調整液用のノズルが副走査方向に配列されてできるノズル列とを有している。これら複数のノズル列は図4(a)、(b)に示されるように、記録ヘッド5が移動する主走査方向に横並びに配列される。図4(a)に示す場合では、光沢調整液用のノズル列は副走査方向の上流側の半分の部分にノズルの使用領域を制限され、有色インクのノズル列は副走査方向の下流側の半分の部分にノズルの使用領域を制限されている。このようにして有色インクの記録よりも先に光沢調整液の記録を行う。また、もうひとつの方法として、図4(b)に示すように、光沢調整液はノズルの全域を使用領域とし、有色インクのノズル列について副走査方向の下流側の半分の部分に使用領域を制限するようにしてもよい。この場合には、
光沢調整液の記録には、ノズル列の副走査方向の全体にわたってONの画素が設けられているマスクパターンを使用するとよい。この場合、インクが記録媒体に付与される際には、光沢調整液も付与されることになる。
一方、ユーザーが質感をS301にてマットにする設定にしなかった場合はアプリケーション901にて通常の印字設定(S305)とする。この場合には、インクジェット記録装置210は有色インクで画像を形成してから(S306)、光沢調整液を有色インク画像が形成された記録媒体に付与して光沢を調整する(S307)。この場合には、例えば図4(a)で示した形態とは逆に、光沢調整液のノズル列の使用領域を副走査方向の下流側半分、有色インクのノズル列の使用領域を副走査方向の上流側半分とし、光沢調整液が有色インクより後に記録されるようにする。そのようにするために、有色インクの記録は図20(a)のようにノズル列の副走査方向上流側半分のみにONの画素が設けられているマスクパターンを使用するとよい。また、光沢調整液の記録には図20(b)のようにノズル列の副走査方向の下流側半分のみにONの画素が設けられているマスクパターンを使用するとよい。
通常、マット感を高めるとヘイズが悪化し透明感がなくなって、その結果として色域も低下する。しかし、本明細書の方法では、色域の低下は回避され、この点についても効果がある。
(第2の実施形態)
本実施形態では、質感をマットにする場合の光沢調整液のドットの配置について説明する。
質感をマットにする場合、光沢調整液を先に記録し、その後に有色インクによる画像を形成するのが効果的であるが、その場合の光沢調整液のドットパターンを工夫することでさらにマットな質感を表現できる。
マットな質感を実現する場合は、光沢調整液を記録するドットについて単位格子内でドットの配置をドットオンドットにしないようにする(図5(a))ことが効果的である。ドットオンドットにし、近隣ドット同士が近くに記録された場合(図5(b))と比べて、あるドットの中心が隣接ドットとオーバーラップせずにドットを分散させる記録方法を実施した方がさらにマットな質感を表現する効果があることが分かった。このことについて、図6に、単位格子当たりに用いられるインクの量に対する鏡面光沢度を、ドットオンドットの場合とドットオンドットでない場合とについて示す。
このようにドットオンドットとならないようなドット形成を実現させる具体的な方法を説明する。記録の方法としては実施形態1と同様の装置を用いて記録を行なえばよい。本実施形態では、記録データの処理の流れを詳しく説明する。一つの手段としてはドットパターン展開部907における処理を利用する方法がある。例えば、600dpi単位格子内に2ドット分の光沢調整液を記録する場合、600dpiでド記録データを作成すると、記録におけるドットの狙い位置は同じとなり(図5(b))ドットオンドットで記録が行われる。
しかし、例えばハーフトーン処理部903の単位格子を600dpiで行い、ドットパターン展開部908による処理後に1200dpiの解像度となるように処理を行なうと、ドットの狙いが分散されドットオンドットにならない(図5(a))。この場合、ドットオンドットにならない図5(a)の方がよりマットな質感にする効果が高くなる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、質感をマットにする場合の光沢調整液のドットを記録するめのデータ生成するための量子化にについて説明する。
光沢調整液を記録するための記録データを生成するための量子化処理は、上述したハーフトーン処理部904で行われる。その際、量子化の解像度をできるだけ細かくした方がマットにする効果が高い。これは、結果的に第2の実施形態のようにドットが分散されて記録される効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
本発明の各実施形態は、光沢調整液を先に記録しすることで質感を再現ものである。その意図するところは光沢調整液に含まれるポリマーにより有色インクの浸透・吸収・定着の過程を阻害し、先に光沢調整液を記録しなかった場合と比べて表面の凹凸を変化させるものである。光沢調整液を600dpiに9.5pl以上記録することで高い効果を得ることができる。
実施形態2で述べたドット配置、実施形態3で述べた量子化、さらには本実施形態で述べた光沢調整液の量によってもマット感を出すための光沢性の調整が可能である。ここで、図6に示したようにドットオンドットでない記録方法の方が少ない光沢調整液の使用量で大きく光沢度を下げる効果があることが分かる。前述のとおり、量子化の解像度を細かくし、最適化する場合もドットが分散される効果がある。
つまり、ドットを分散させることも、光沢調整液の使用量を増やすことも、どちらとも光沢度の調整はできるが、光沢調整液の使用量を低減する効果も狙う場合ははやり実施形態2、3のようなドットの配置を最適化したうえで光沢調整液の使用量を調整するのがよい。そうすることで、光沢調整液の使用量を抑制しながら、光沢度の調整をすることが可能である。
光沢度の調整にはユーザーの意図を反映させることが望ましく、アプリケーション901上で、図14のような調整画面によってユーザーの意図をくみ取り、調整することができる。図14においてプレビュー画面1401でユーザーはマット感を付加する領域(斜線部)を指定し、マット感付与指定スイッチ1402でマット感を付与するか否かを指定(0:指定せず、1:指定)する。さらにマット感を付与する場合はマット強度調整バー1403でマット感の強度を指定する。そのUI上の設定に応じて、上述の実施形態に記載の方法でプリンタ内部でドット配置やインク使用量の調整をし、最適なマット感を表現する。すなわち同じマットにする場合でもマット感を強くしたり、弱くしたり、という調整を行なえる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、同一被記録媒体の同じ表面内でマットにしたいオブジェクトと、高光沢を保ちたいオブジェクトが混合する場合の記録方法について説明する。
同一紙面内に質感を異ならせる予定の2つの領域(オブジェクト)が混在する場合についてのイメージ図が図7である。高光沢の領域(図中の光沢)の中にある、特定の領域のみマットな質感のオブジェクトが描画されているような画像の場合にユーザーの製作意図を高く再現でき、有効である。
本実施形態では、特定のオブジェクト部分のみ光沢調整液を有色インクより先に付与すると同時に、その他の高光沢にしたい部分では光沢調整液を有色インクの後に付与することを実現させる。光沢調整液、有色インクの先付与、後付与については第1の実施形態に記載したような方法を使用して行うとよい。
例えば、まずユーザーは図15のようなホスト装置110のUIのプレビュー1501上でマット調や高光沢調にしたいオブジェクトや領域を指定し、それぞれの領域毎に調整スイッチと調整バー(1502、1503)で調整を行う。オブジェクト単位での指定でもよいし、プレビュー画面でカソールを利用して囲むようにして領域を指定してもよい。
この場合、被記録媒体が光沢紙等の表面が光沢性を有する光沢系媒体の場合でも、その媒体上でマットを同時に再現できるし、反対に、他の領域をマットにした場合でも一部だけ高光沢にすることができる。光沢とマットを同一被記録媒体の中で実現可能である。
このような場合、図8のフローチャートに従って記録することができる。まずS801で、ユーザーはマットにしたい領域、光沢にしたい領域をホスト装置110のUI上で指定する。例えばPCからの信号に基づきディスプレイが表示したプリンタドライバのウィンドウ内のプレビューでユーザーが領域選択を行うことで指定する。アプリケーション901を介して記録命令を出すのであるが、そのS801上で領域選択を実施する。アプリケーションからの記録命令によって同一の被記録媒体の表面内に光沢、マットの領域があることが示された場合、その後、S802にて、インクジェット記録装置210は、同一面内に2つの光沢表現がある混在モードを実行するという設定をする。この場合、図9に図4と同様なノズル列の使用領域を説明した図を示す。本実施形態では図9のようなノズルの使用方法にすることでこれを実現できる。
図9に示すように、マット部と高光沢部を同一被記録媒体に形成する混在モードでは、それぞれのノズル列を3つに分割して使用する。副走査方向の上流側から光沢調整液のノズル列の使用領域91(マット領域用)、有色インクの使用領域93、光沢調整液のノズル列の使用領域93(光沢領域用)、の順に並ぶ。この使用領域の設定は、実施形態1で説明したように、各ノズル列に対応するマスクパターンにおいて、ノズル列の使用領域に対応する部分にのみにONの画素が配置されるようにすることによって実現できる。このとき、アプリケーション901は、マット領域用、光沢領域用の光沢調整液のデータは別々の多値データとして生成するようにする。それぞれの多値データがドットパターン展開された後、マスク処理部910で、マット用のドットデータに使用領域91を用いるためのマスクパターンが、光沢用のドットデータに使用領域92を用いるためのマスクパターンが適用される。
図8のS803〜S808はコントローラ100がプリンタに実行させる動作を記載している。以下の説明において、S801〜S808は図8に記載の各ステップ、ノズルの使用領域は図9に記載のものである。
まず、S803において、記録ヘッド5が記録を行う領域がマットにする領域である場合には、マットを再現する部分に、光沢調整液用のノズル列の使用領域91で、マット用のパターンを記録する(S804)。次いで、使用領域91より副走査方向の下流側にある有色インクのノズル列の使用領域93で複数の色の有色インクの画像の記録を行う(S805)。なお、形成する色によっては使用する有色インクを1種類のみでもよい。また、S806において記録を行なう領域が光沢にする領域である場合には、有色インクのノズル列の使用領域93で複数の色の有色インクの画像の記録を行う(S807)。次いで、使用領域92で光沢調整液を有色インクの画像の上に付与する(S808)。S806において記録ヘッドが記録する領域がマット、光沢のいずれでもない場合には、対応する画像のデータに応じて決められた量で有色インクによる画像の記録が行われる。
ここで、S807、S808によって有色インク、光沢調整液の順で付与して高光沢を実現させる場合の記録後の被記録媒体の状態の断面図を図10に示した。有色インク(C、M、Y、K、Gray)を記録した上に光沢調整液を記録することで、表面が滑らかとなり高光沢が実現できる。
同一被記録媒体内でマット部と高光沢部とを混在させる方法としては以下のようなものでもよい。例えば、被記録媒体に対して、マット用の光沢調整液の記録後に排紙し、再度その被記録媒体をセットしてマット部への有色インクの記録と、高光沢部への有色インク、光沢調整液の記録とを行なうようにしても実現が可能である。しかし、上述したようにノズル列を分割し各使用領域が有色インク、光沢調整液の記録を行なう方が、被記録媒体の給紙、搬送動作が少なくて済み、マット部、光沢部の各部の他部との境界のずれを抑制できる。
同一被記録媒体にマット部とそれ以外の部分が混在していたとしても、その媒体内に高光沢部を形成しなくともよい場合は、有色インクの付与が完了した後に光沢調整液のみが記録されるようなノズルの使用方法をとらなくてもよい。その場合は図4(a)や(b)に示したノズルの使用方法をとることで図9のノズルの使用方法に比べてスループットは高くなる。どちらを選択するかについては、上述したようにユーザーの指定に基づいて選択される。
(第6の実施形態)
本実施形態は、光沢調整液で光沢をマットな質感に変更させる方法の応用である。本実施形態では、光沢調整液用のパターンに、ユーザーの表現力をさらに高めるような工夫を施す。具体的には、光沢調整液の記録パターンとして各種のメディアの質感を再現するようなパターンを記録することとする。これにより、パターンの模様が被記録媒体上で浮き上がり、あたかも別のメディアに記録したような質感が再現できる。具体的には、キャンバス地、ランダム、画用紙、和紙、など様々なメディアの質感を再現できる。
図17にその具体例を示した。図17(a)は、デニム地の質感、(b)は、キャンバス地の質感、(c)は和紙の質感を再現したテクスチャである。このようなデータを光沢調整液の記録ようのデータと同期させた上で記録を行い、被記録媒体の質感を再現することができる。
この特定メディアの質感を再現するための特定メディアの表面の凹凸情報に対応したパターンはアプリケーション901にあらかじめ保持しておき、それをユーザーに適宜選択させる方法でもよい。また、記録画像から凹凸情報を取得しこれをホスト装置の記憶部に記憶させ、これを適応してもよい。
凹凸情報を取得する方法の一例として以下のような方法がある。まず、白い被記録媒体の凸部にのみ、例えば鉛筆などで薄い色付きをつける処理をしたのち、白黒情報を光学機器で読み取り読みとった情報を取得することで簡単に情報を取得できる。この場合は鉛筆で黒く色付けがされた部分が凸部となり、光沢調整液を付与する部分となる。取得され、記憶部に記憶された白黒情報はアプリケーション901でパターン情報として利用可能である。
これについて、図11を使って詳細に説明する。図11(a)は本来被記録媒体に記録したい画像であり、キャンバスに描かれた画像である。この画像を高光沢である被記録媒体に記録するとする。その場合、被記録媒体の質感をキャンバス調とすることができれば、さらにこの画像を記録するユーザーの意図にそぐう。その場合、光沢性を制御しキャンバス様の被記録媒体に見た目を変えるため、図11(b)のように特定メディアの凹凸情報を白黒で取得する。この場合、黒いところを凸部として処理する。この方法としては、先に述べたようにキャンバスに描かれた画像を読み取って凹凸情報を取得してもよいし、もとの画像データをアプリケーション901を用いて加工し、作成したものを利用することもできる。黒と白とどちらを凸部にするかは、取得する方法にもよるので、その都度ユーザーが決定すればよい。
これらを図12にて説明する。これは、本実施形態の流れをフローチャートにて示したものである。まず、S1201にて、ユーザーはアプリケーション901を利用して特定メディアの表面凹凸を再現するモードの設定をする。特定メディア表面の凹凸を再現するモードが設定された場合には、次にS1202において、アプリケーション901にてメディアの凹凸のパターンのデータが準備され、画像データに合成される。この合成はホスト装置110にて例えばハーフトーン後の光沢調整液のデータに合成することによって達成することができる。
これは、ドライバ処理S102のところで同時に行われる。
その後、S1203にてマットにする領域においては、光沢調整液による合成後のデータに基づく記録が行われ(S1204)、その後に有色インクによる記録が行われる(S1205)。またマットにする領域では有色インクによる記録が行われ(S1205)、その後に光沢調整液による記録が行われる(S1207)。この記録の流れは実施形態4に記載した方法と同様にして実行することができる。また、領域毎に再現するメディア表面の質感を選択し(例えば一部はキャンバス調、一部は画用紙調)、それぞれの質感の程度を、図15に示したようなUI上で設定するようにしてもよい。
図16には、画像の領域指定をした場合のサブルーチンを示した。これは図12のS1204のパターンにしたがってという処理をサブルーチン化したものである。マットや高光沢にする領域指定をした場合、このような処理で記録を実現できる。
(その他の実施形態)
以上の実施形態において述べたような光沢調整液、インクの順に記録媒体に付与する方法として、例として挙げたノズルの領域の分割印字や、記録媒体を装置に2度通す方法の他にローラで塗布する方法を用いることも可能である。
これらの方法により、被記録媒体を変更することなく光沢性を変更し、ユーザーの表現力を高めることが可能となる。

Claims (12)

  1. 有色インクを吐出するためのノズルを備え、被記録媒体に画像を記録するために前記ノズルから有色インクを吐出して被記録媒体に付与する第1の付与手段と、被記録媒体上に形成される画像の表面の凹凸の程度を調整するための、実質的に透明な調整液を被記録媒体上に付与する第2の付与手段と、を有し、前記第1の付与手段は被記録媒体との相対的な移動により被記録媒体に前記有色インクを付与し、前記第2の付与手段は被記録媒体との相対的な移動により前記被記録媒体に前記調整液を付与する記録装置であって、
    前記第2の付与手段と前記被記録媒体との少なくとも1回の相対的な移動によって被記録媒体の第1の領域に前記調整液を付与した後に、前記有色インクを前記第1の領域に付与するための、前記第1の付与手段と前記被記録媒体との相対的な移動を開始することを特徴とする記録装置。
  2. 前記第2の付与手段は、前記第1の付与手段が前記被記録媒体上の前記第1の領域と別の第2の領域に前記有色インクの付与を完了する前記被記録媒体との相対的な移動より後に、前記第2の付与手段と前記被記録媒体との相対的な移動によって前記調整液を前記第2の領域に付与することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1の付与手段は、前記有色インクを吐出するための複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列を備え、前記第2の付与手段は、前記調整液を吐出するための複数のノズルが前記所定方向に配列された第2のノズル列を備え、前記第2のノズル列によって前記被記録媒体に前記調整液を付与し、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列と、前記被記録媒体とを、前記所定方向と交差する交差方向に相対的に移動するための移動手段と、をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記被記録媒体を前記所定方向に搬送する搬送手段をさらに有し、前記移動手段による前記第1、2のノズル列の前記被記録媒体に対する移動と前記搬送手段による前記被記録媒体の移動とを交互に行い、
    前記第1の付与手段は、前記第1のノズル列の前記第1の領域に調整液を付与するためのノズルより前記被記録媒体の搬送の方向における下流側に設けられたノズルを用いて前記第1の領域に前記有色インクを付与することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記第1の付与手段は、前記有色インクを吐出するための複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列を備え、前記第2の付与手段は、前記調整液を吐出するための複数のノズルが前記所定方向に配列された第2のノズル列を備え、前記第2のノズル列によって前記被記録媒体に前記調整液を付与し、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列と、前記被記録媒体とを、前記所定方向と交差する交差方向に相対的に移動するための移動手段と、前記被記録媒体を前記所定方向に搬送する搬送手段と、をさらに有し、前記移動手段による前記第1、2のノズル列の前記被記録媒体に対する移動と前記搬送手段による前記被記録媒体の移動とを交互に行い、前記第2の付与手段は、前記第1の領域に有色インクを付与するための前記第2のノズル列の一部のノズルより前記被記録媒体の搬送の方向における上流側に設けられたノズルを用いて前記第1の領域に前記調整液を付与し、前記第2のノズル列の前記一部のノズルより前記被記録媒体の搬送の方向における下流側に設けられたノズルを用いて前記第2の領域に前記調整液を付与することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  6. 前記第2の付与手段は、前記被記録媒体上に付与された前記調整液の第1のドットの中心が、前記第1のドットと隣接する前記調整液の第2のドットと重ならないように前記調整液を付与することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記有色インクは複数の互いに異なる色のインクを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録装置と、
    ユーザーによって、前記被記録媒体においてマット調を再現するためのマット領域を設定するための設定手段と、を備え、
    前記記録装置は、前記設定手段により設定された前記マット領域を前記第1の領域として前記有色インクおよび前記調整液を付与することを特徴とする記録システム。
  9. 前記設定手段は、さらに前記マット領域に再現するマット調の程度を設定することが可能であることを特徴とする請求項8に記載の記録システム。
  10. 請求項2に記載の記録装置と、
    ユーザーによって、前記被記録媒体においてマット調を再現するためのマット領域と、光沢調を再現するための光沢領域とを設定するための設定手段と、を備え、
    前記記録装置は、前記設定手段により設定された前記マット領域を前記第1の領域として前記設定手段により設定された前記光沢領域を前記第2の領域として前記有色インクおよび前記調整液を付与することを特徴とする記録システム。
  11. 前記設定手段は、さらに前記マット領域に再現するマット調の程度と、前記光沢領域に再現する光沢調の程度と、を設定することが可能であることを特徴とする請求項10に記載の記録システム。
  12. 被記録媒体に画像を記録するために有色インクを吐出するための有色インク用のノズルから有色インクを吐出して被記録媒体に付与する第1の付与工程と、被記録媒体上に形成される画像の表面の凹凸の程度を調整するための、実質的に透明な調整液を付与手段によって被記録媒体上に付与する第2の付与工程と、を有し、前記第1の付与工程において前記有色インク用のノズルと前記被記録媒体との相対的な移動により被記録媒体に前記有色インクを付与し、前記第2の付与工程において、前記付与手段と被記録媒体との相対的な移動により前記被記録媒体に前記調整液を付与する記録方法であって、
    前記第1の付与工程は、前記第2の付与工程で前記付与手段が被記録媒体上の第1の領域に前記調整液の付与を完了する前記付与手段と前記被記録媒体との相対的な移動より後に行われることを特徴とする記録方法。
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