JP6661571B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は記録装置および記録方法に関する。
一般にインクジェット記録装置は、記録手段(記録ヘッド)およびインクタンクを搭載するキャリッジと、被記録媒体を搬送する搬送手段とこれらを制御するための制御手段とを具備する。そして、複数のノズルからインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャンさせるとともに、一方で非記録時に被記録媒体を記録幅に等しい量で間欠搬送するものである。この記録方法は、記録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を行うものであり、ランニングコストが安く、静かな記録方式として広く用いられている。さらに、複数色のインクを用い、カラー記録装置に応用した製品も数多く実用化されている。
また、近年はインクジェット記録方法において記録の高速化が進んでいる。記録ヘッドとして、使用するブラックおよびカラー3色(シアン、マゼンタ、イエロー)のヘッドを主走査方向に並べたヘッドを用いると、一度の走査で使用する全色のインク吐出可能となり、高速記録を行う上で都合が良い。さらに、記録ヘッドの往走査と復走査とを交互に繰り返して画像を形成するようにすると、さらなる高速化を図ることができる。しかし、例えばブルー等の所謂2次色を形成する場合には、往走査ではシアン、マゼンタの順、復走査ではマゼンタ、シアンの順に付与されることになる。そうすると、インクの付与順が違うことによって得られるブルー色にも違いが現れ、往走査で記録される領域と復走査で記録される領域とが混在する画像において色むらとなってしまうことが懸念される。この問題に対しては、単位領域に一度の走査で記録を行う方法のみならず、複数回の走査で記録を行う場合にも同様の懸念がある。
このような問題に対して、特許文献1に記載の方法では、所定領域内のインクの混合状態から色むらの発生についての指標値を取得し、指標値が閾値より大きい場合には、走査の方向を予め決めた一方向に制限する方法が開示されている。一方、指標値が閾値より大きくなければ、前回の走査の方向と同じ方向への走査で記録を行う。
特開2002−248798号公報
この方法は色むらの発生の指標値をインクの付与量から求めているが、発明者の検討によれば、インクの付与順による色むらが視認される度合は、形成される画像の形状にもよることが分かってきた。特許文献1の方法では、例としてインクの付与量が同じである場合、ハッチングパターンのような高濃度の線と白が交互に配置されるパターンと、一様な中間調の画像とをこれらを区別して走査方向を決定することはできない。そのため、特許文献1の方法では、画像の形によっては走査の方向を揃える必要が無くとも、同一方向の走査で記録されるようにしてしまい、高速記録の妨げとなることが想定される。
本発明は上記を鑑みなされたものであって、記録媒体へ異なるインクを付与する順序に起因する画像の色ムラの発生を抑えながら、高速な記録を可能とすることを目的とする。
本発明は、第1のインクを吐出するための第1のノズル列と第1のインクと色が異なる第2のインクを吐出するための第2のノズル列とを備えた記録ヘッドと、前記記録ヘッドを所定の走査方向に走査させる走査手段と、前記走査方向と交差する搬送方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、を有し、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とは、前記走査方向に並び、かつ前記走査方向と交差する方向に並ぶインクを吐出するノズルを含み、前記走査手段による前記記録ヘッドの走査と前記搬送手段による記録媒体の搬送とを交互に行って前記記録媒体へ画像の記録を行う記録装置であって、前記画像を示す画像データから得られ、記録媒体に前記画像を記録するために付与する前記第1のインクおよび前記第2のインクの付与量を示す付与量情報および前記記録媒体に記録する画像の形状に関する形状情報に基づき、前記付与量情報が第1の量を示し、かつ前記形状情報が所定の線幅より広い線を示す場合には、の走査と該先の走査の次の走査とで走査の方向を同じとすることを決定し、前記付与量情報が前記第1の量を示し、かつ前記形状情報が前記所定の線幅以下の線を示す場合には、前記先の走査と前記次の走査とで走査の方向を逆とすることを決定する決定手段と、前記決定手段による決定に従って記録を行うように前記記録ヘッドおよび前記走査手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする記録装置である。
本発明によれば、記録媒体へ異なるインクを付与する順序に起因する画像の色ムラの発生を抑えながら、高速な記録を可能とすることを目的とする。
第1の実施形態に係る記録装置による記録の様子を示す模式図である。 記録媒体に付与されたインクの様子を示す模式図である。 第1の実施形態に係る記録装置およびPCの制御系の概念を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る記録装置における処理の流れを示す図である。 第1の実施形態に係るエッジ検出フィルタを示す図である。 第1の実施形態に係る画像の解析についての説明のための図である。 第1の実施形態に係る画像の解析についての説明のための図である。 線幅と識別可能色差の関係を示したグラフである。 第2の実施形態に係る形状再現性の説明のための模式図である。 第1の実施形態に係る記録装置の外観を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る記録ヘッドの模式図である。 第1の実施形態に係る記録装置における処理の説明のための模式図である。 第1の実施形態に係る記録装置における処理の説明のための模式図である。 第1の実施形態に係る記録装置による記録の様子を示す模式図である。
以下、図面を参照して発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図10は本実施形態に係る記録装置308の斜視図であり、外観および内部の一部を示している。これはいわゆるシリアル走査型のプリンタであり、記録媒体PのY方向(搬送方向)に対してほぼ直交するように交差するX方向(走査方向)に記録ヘッド9(後述)を走査して画像を記録するものである。また、図11は本実施形態に係る記録ヘッド9のノズルが開口している面(吐出面)側を見た場合の模式図である。図3は、本実施形態に係る画像処理装置であるホストPC301および記録装置と記録装置308の構成を説明するためのブロック図である。
図10および図3を用いてこの記録装置308の構成および記録時の動作の概略を説明する。まず不図示の搬送モータ318によりギヤを介して駆動される搬送ローラによって記録媒体Pを保持しているスプール6より記録媒体PがY方向に搬送される。一方、所定の搬送位置において不図示のキャリッジモータ319によりキャリッジユニット2をX方向に延在するガイドシャフト8に沿って往復走査(往復移動)させる。そして、この走査の過程で、エンコーダ7によって得られる位置信号に基づいたタイミングでキャリッジユニット2に装着可能な記録ヘッド9のノズル(吐出口)から吐出動作を行わせ、ノズルの配列範囲に対応した一定のバンド幅を記録する。
なお、キャリッジモータ319からキャリッジユニット2への駆動力の伝達には、キャリッジベルトを用いることができる。しかしキャリッジベルトの代わりに、例えばキャリッジモータにより回転駆動され、X方向に延在するリードスクリュと、キャリッジユニット2に設けられ、リードスクリュの溝に係合する係合部とを具えたものなど、他の駆動方式を用いることも可能である。
送給された記録媒体Pは、給紙ローラとピンチローラとに挟持搬送されて、プラテン4上の記録位置(記録ヘッドの走査領域)に導かれる。通常休止状態では記録ヘッドのフェイス面にはキャッピングが施されているため、記録に先立ってキャップを開放して記録ヘッドないしキャリッジユニット2を走査可能状態にする。その後、1走査分のデータがバッファに蓄積されたらキャッリッジモータによりキャリッジユニット2を走査させ、上述のように記録を行う。なお、本実施形態の記録装置では、記録ヘッドの複数回(n回)の走査で記録媒体P上の単位領域(1/nバンド)に対して画像を記録する、いわゆるマルチパス記録を行うことができる。
図2は本実施形態に係る記録ヘッド9を示している。記録ヘッド9は、色材を含有するインクとしてブラックインク(K)を吐出するノズル列(K)、シアンインク(C)を吐出するノズル列22C、マゼンタインク(M)を吐出するノズル列22M、イエローインク(Y)を吐出するノズル列22Yを備えている。これらのブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)はそれぞれ色材として顔料を含有しているため、以降の説明では簡単のためこれらのインクを顔料インクとも称する。他にもグレーインク、淡シアンインク、淡マゼンタインク、レッドインク、ブルーインクなどを吐出するためのノズル列を含んでいてもよい。
記録ヘッド9には、これらのノズル列がX方向左側から右側にノズル列22K、22C、22M、22Yの順で並んで配置されている。本実施形態では、X方向においてノズル列22Mはノズル列22Cの一方側にのみ設けられていて、複数のシアンインク用のノズル列とマゼンタインク用のノズル列とが対称配置となる構成ではない。これらのノズル列22K、22C、22M、22Yは、それぞれのインクを吐出する1280個のノズル30が1200dpiに相当するように1インチ当たり1200個の密度でY方向(配列方向)に配列されている。なお、本実施形態における一つのノズル30から一度に吐出されるインクの吐出量は約4.5plである。
これらのノズル列22K、22C、22M、22Yは、それぞれ対応するインクを貯蔵する不図示のインクタンクに接続され、インクの供給が行われる。なお、本実施形態にて用いる記録ヘッド9とインクタンクは一体的に構成されるものでも良いし、それぞれが分離可能な構成のものでも良い。
図3は、本発明に使用可能な画像処理装置としてのホストPC301および記録装置と記録装置308の構成を説明するためのブロック図である。画像処理装置はPCやタブレットPCなどからなり、この例ではPCで説明する。CPU302は、HDD304に保持されるプログラムに従ってRAM303をワークエリアとしながら各種処理を実行する。例えばCPU302は、キーボード・マウスI/F 306を介してユーザーより受信したコマンドやHDD304に保持されるプログラムに基づいて記録装置308によって記録させる印刷データを生成し、これを記録装置308に転送する。また、データ転送I/F307を介して記録装置308から受信した画像データに対し、HDDに記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、その結果や様々な情報をディスプレイI/F 305を介して不図示のディスプレイに表示する。ホストPC301と接続されたディスプレイ上でユーザーが指定できるものとしては、記録の品位、記録媒体の種類、記録対象の画像の種類(線画、写真)がある。線画は細線中心の画像であり、写真は中間調が均一的に広がる所謂平坦な部分を多く含む。
一方、記録装置308において、CPU311は、ROM313に保持されるプログラムに従ってRAM312をワークエリアとしながら各種処理を実行する。更に、記録装置308は、高速な画像処理を行うための画像処理アクセラレータ309を備える。
画像処理アクセラレータ309は、CPU311よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。画像処理アクセラレータ309は、CPU311がホストPCから受信した印刷データに対する画像処理に必要なパラメータとデータをRAM312の所定のアドレスに書き込むことにより起動され、上記パラメータとデータを読み込んだ後、上記データに対し所定の画像処理を実行する。但し、画像処理アクセラレータ309は必須な要素ではなく、同等の処理はCPU311で実行することができる。
ここで、CPU311または画像処理アクセラレータ309が行う所定の画像処理について説明を行う。この所定の画像処理は、入力された印刷データを各走査でのインクのドット形成位置を示すデータにまで加工する処理である。CPU311または画像処理アクセラレータ309においては、入力された印刷データの色変換と量子化を行う。色変換はプリンタで扱うインク濃度に色変換する処理である。例えば入力された印刷データには画像を示す画像データが含まれるが、この画像データがモニタの表現色であるsRGB等の色空間座標で画像を示す場合、このsRGBの色座標(R、G、B)を記録装置のインク色データ(CMYK)に変換する。変換方法は、マトリクス演算処理や三次元LUTを用いた処理等の既知の手法によって実現される。本実施形態の記録装置308はブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを用いることから、RGB信号の画像データは、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換される。各色の色信号は各インクの付与量に対応する。また、インクの数としてはK、C、M、Yの4色を例に挙げたが、画質向上の為に、濃度の薄いライトシアン(Lc)やライトマゼンタ(Lm)やグレー(Gy)のインクなど、その他のインクを使用する場合は、それらに応じた色信号が生成される。その後、インクの色信号を持つ画像データに対して量子化処理を行う。この量子化処理は、画像データの階調のレベル数を下げる処理である。本実施形態では、各画素について画像データの値と比較するための閾値を配列したディザマトリックスを用いて量子化を行う。この処理を経て、最終的には各ドット形成位置にドットを形成するかしないかを示す2値データにすることができる。後述するマルチパス記録を行う場合には、各回の走査に対応した間引き画像のためのデータを生成するため、量子化処理後のデータに対してマスクパターン等を用いて、画像を間引く処理を行う。画像処理アクセラレータ309を用いる方が、処理を高速化することができる。
所定の画像処理を終えた後、記録ヘッドコントローラ314によってCPU311によって決定された記録方向に従って、記録ヘッドへ記録データが転送される。またそれに伴ってキャリッジコントローラ315はキャリッジモータを駆動させキャリッジユニット2を走査させる。また、搬送コントローラ316はCPU311からの指示に従い、キャリッジユニットの各回の走査の間にと走査との間に記録媒体をY方向に移動させる。こうすることで、記録ヘッドによって所定の記録材が紙面に吐出され画像が形成されることになる。
図13を参照して走査方向に応じた記録の制御について説明する。量子化後の画像データはRAM312に図13のように格納されている。マルチパス記録の場合には間引き処理後のデータとなる。図示したデータのレイアウト中の単位矩形は画素に対応し、その並びは記録媒体上に形成される画素の並びに対応している。X方向への往走査のときは、記録ヘッドコントローラ314は1302の方向に並ぶ画素のデータを順次読み出し、1回の走査の記録幅分のデータを単位として、X方向に読み出す画素列を順次切り替え、転送していく。一方、X´方向への復走査のときは、1301の方向に並ぶ画素のデータを順次読み出し、1回の走査の記録幅分のデータを単位として、X´方向に読み出す画素列を順次切り替えていく。
図1は本実施形態における記録装置308による記録の様子を示す模式図である。図1(a)、(b)ともに黒インク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを吐出させるためノズルを走査方向に並べた記録ヘッド9で2次色のブルー(青)のベタ画像を記録する例について説明するものである。記録ヘッド9には記録媒体Pと対面する側に黒インク用ノズル列22K(この図では不図示)、シアンインク用ノズル列22C、マゼンタインク用ノズル列22M、イエローインク用ノズル列22Y(この図では不図示)が設けられている。各ノズル列にはインクを吐出するためのノズルがY方向に沿って設けられている。
双方向記録とは、図1(a)に示すように往走査(走査方向X)と復走査(走査方向X’)の両方で記録を行う方法であり、連続して往、復と交互に記録することができる。走査方向Xと走査方向X’とはともに記録媒体の搬送方向であるY方向に実質的に直交するように交差する方向である。図示した例は、記録媒体の単位領域(ここでは記録ヘッド9の記録幅に相当する領域)に1回の走査で記録を行う1パス記録であり、1回走査を行う度に記録媒体が記録ヘッドの記録幅分だけY方向に搬送される。この記録幅はノズルが設けられている範囲に相当する。隣接する単位領域は逆の走査方向で記録されることになる。往走査の記録の後、折り返して復走査の記録を行うため、高速記録に適する。
片方向記録とは、図1(b)に示すように往走査もしくは復走査どちらか一方のみで記録を行う方法である。図示した例は、往走査(走査方向X)のみの記録であり、図1(a)の例と同様に1パス記録である。往走査の記録後、一旦元の位置まで引き上げて、再度往走査を行うので、往復で記録するのに比べると、時間がかかる。
加えて、複数回の走査による記録方法がある。図14に示すように記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを複数回走査して記録するマルチパス記録という方法である。複数回の走査での記録では、最終的に記録媒体に形成すべきインクドットは複数回の走査によって分担して記録され、記録媒体の搬送量を調整することで、同一の領域に対して2回またはそれ以上の記録が可能となる。単位領域の記録に用いられるノズルが異なるため、各ノズル間のばらつきが記録画像に反映されにくいというメリットがある。図14(a)は双方向記録で単位領域に2回の走査で記録を行う2パス記録の例を示している。走査方向Xで1走査目の記録を行った後、Y方向に記録媒体を記録ヘッドの記録幅の半分に相当する距離だけ搬送し、次いで2走査目で走査方向X’への走査で記録を行うのである。先の走査である走査目の走査で記録される領域と次の走査である2走査目で記録される領域とは部分的に(ここでは半分同士が)重複する。このようにして記録媒体の各単位領域(記録幅の半分の領域)に対して記録すべき画像を2回の走査で補完するように記録を行う。各回の走査の間に記録媒体の搬送を挟む点は1パス記録の時と同じである。図14(b)は片方向記録で単位領域に2回の走査で記録を行う2パス記録の例を示している。ここでは図1(b)と同様に往走査(走査方向X)のみの記録を図示している。図14(a)を用いて説明した片方向記録の場合とは走査の方向が異なるが搬送については同じである。
(記録方向とインクの付与順)
記録方向によって色むらが発生する要因を以下で説明する。図1において、記録ヘッドの記録幅よりも広い領域(領域a、b、c、d)にシアンインクとマゼンタインクによってブルー画像を記録する例を示す図である。図1(a)において、領域aに対して、記録ヘッドは走査方向Xへの走査で記録を行う。このときはシアンインク用ノズル列22Cが前側、マゼンタインク用ノズル列22Mが後側となる。記録媒体Pには、シアン、マゼンタの順にインク滴が着弾する。そして記録媒体PがY方向に領域bに相当する長さだけ搬送された後、記録ヘッドが走査方向X’へ走査し、領域aと隣接する領域bに対して記録が行なわれる。このときは、マゼンタ→シアンの順にインク滴が着弾する。領域cにはシアン、マゼンタの順にインクが付与され、領域dにはマゼンタ、シアンの順にインクが付与される。領域aおよび領域cは、領域bおよび領域dとブルー画像を形成するときの記録時のシアンインク、マゼンタインクの重なり順序が異なる。これは図14(a)で示した双方向のマルチパス記録についても同じように1および3走査目と2および4走査目とではインクの重なり順序が異なるのである。さらにはブルードット同士が重なる場合、往走査のブルーの上に複走査のブルーが形成される領域と、復走査のブルーの上に往走査のブルーが形成される領域とがある。一方で、図1(b)では、片方向記録であり領域a、b、c、dに対して走査方向が同じとなり、インクの付与順はどの領域もシアン、マゼンタである。図14(a)で示した双方向のマルチパス記録についても同じように、1から4走査目までのインクの付与順は同じとなる。
図2は、付与されたインク滴が記録媒体へ定着するときの様子を模式的に表したものであり、記録媒体Pの断面を示している。図2(a)に示すように、高濃度部においては、最初に付与されたインク201(図中黒)は紙面付近のインク受容層に保持される。この高濃度部の画像は所謂ベタ部で一様な画像である。2番目に付与されたインク202(図中グレー)は、最初に着弾したインク201が受容層の上部を占領しているので、表層で保持されにくい。その結果、2番目に着弾したインク202は、受容層の下部に浸透していき、保持される。上部にはインク201、下部にインク202が定着する。記録媒体表面には受容層の上部に保持されるインク201の色の方が下部に保持されるインク202の色よりも強く現れやすい。付与される順番がインク202、インク201の順であると逆にインク202の色の方が強く現れやすい。図1を用いて説明した形態では、走査方向X、Bとの間で、シアンインクとマゼンタインクの付与順番が逆となるため、領域aと領域bとでは、強く現れやすい色が異なることになる。詳しくは後述するが、本実施形態では色ムラ発生についての検知およびそれに基づく走査方向の決定により、領域間で走査方向を揃えるようにして、インクの付与量が多く、記録濃度が高い場合における色ムラ発生を抑制する。
一方、図2(b)に示すように、線部においては、先に付与されたインク203(図中黒)は高濃度部と同じように記録媒体の受容層の上部に保持されるが、受容層は空いている状態となる。その結果、次に付与されたインク204(図中グレー色)は、上部のインク受容層の空部分に保持されやすくなり、図2(a)で説明した場合よりは後に付与されたインク204の色が現れやすくなる。線部では、図1の走査方向Xと走査方向X’とでインクの付与順が異なったとしても、高濃度部ほどは色の違いが現れ難いと言える。
図4を参照し、実施形態における記録のためのデータの処理のフローを説明する。
次いで、ステップS401では、記録装置308は画像処理装置としてのホストPC301からデータ転送I/F310を介して印刷データを受信する。受信したデータは一旦RAM312に格納される。受信する印刷データは、ビットマップなどのラスターデータやベクターデータなどがある。さらにラスターデータが、圧縮アルゴリズムなどで圧縮されている場合は、デコード処理を行う。圧縮データのフォーマットとしては、不可逆圧縮のJPEG(Joint Picture Expert Group)で規定されている圧縮方法と可逆圧縮のRL(Run Length)圧縮方法がある。どちらの圧縮方法も特に制限なく利用できる。非圧縮データを転送する場合は、画質劣化無く転送することができる。ベクターデータを転送する場合は、文字などベクターデータにできるものは限定されているが、非圧縮データより小さいデータ量で画質劣化無く転送することができる。ベクターデータには、PDL(ページ記述言語)や図面用のプリンタ制御コードなどがある。この場合には、線幅に関する情報をデータとして持たせることができ、CPUは受信したデータに含まれている情報に基づいて、線画か否かを判断することができる。
次いで、ステップS402では、CPU311はステップS403とステップS404で解析を行う解析単位を決定する。以下の実施形態では、画像の各画素の画素値をRGBの多値の階調値で表すRGBデータを解析する方法を例に説明を行う。S401で受信した印刷データがベクターデータである場合には、必要に応じてラスタライズしてRGBデータに変換しておく必要がある。解析単位は、印刷データ単位、記録媒体の搬送における所定高さで分割したバンド単位、画像を所定サイズの複数の領域に分割したタイル単位がある。タイル単位はバンド単位を縦横にさらに分割したものであってよい。バンド単位、タイル単位ともに隣り合う解析領域をオーバーラップさせても良い。オーバーラップさせることで、ステップS403で行う形状解析の解析精度が向上させる効果を得ることができる。バンド単位で解析を行う場合は、図1で示す、同じ走査で記録を行うa、b、c、dの各領域を各バンドとしても良いし、図14(b)にR1、R2で示すような連続する走査で記録する領域間のずれ分に対応する各領域を各バンドとすることもできる。
以下では、記録媒体を区画した場合に認識される所定サイズの複数の矩形領域に対応する画像の各領域をタイルし、タイル単位で解析を行う形態を例にとり説明する。
次いで、ステップS403では、CPU311はページ内の画像の形状解析のための処理を実行する。形状解析のための処理としては、エッジ検出やフーリエ変換、縮小処理が挙げられえる。以下では、エッジ検出を例として説明する。エッジ検出の方法は特に限定されないが、実施形態では、フィルタ処理によるエッジ検出を記載する。この方法は、エッジを強調するフィルタを用いてRGBの画像データの画素値を変化させることで、エッジのみが抽出された画像を得る方法である。CPU311は、ステップS402で決定された解析単位の領域の画像に図5に示すフィルタを用いて画像データの画素値を変更してエッジを強調することでエッジを抽出する。図5はエッジ強調フィルタであり、このフィルタに配置された各値をエッジ強調に利用する仕方については既に知られている方法を用いて行うことができる。処理の結果、エッジのみが抽出された画像を得て、抽出されたエッジ画素の総数であるエッジ画素数を示す情報を、記録媒体に形成する画像の形状を示す形状情報としてRAM312に記憶する。
次いで、ステップS404では、CPU311は走査方向の違いによる色ムラの発生に関する色解析の処理を行う。本実施形態では、画像データの解析により注意を払うべき所定色の画素として所定のRGB値の画素を検出する。1または複数の所定のRGB値を所定RGB値として決定しておき、ROM313に記憶させておく。この所定RGB値は、RGBに基づき決定される各インクの付与量で記録を行った場合に、走査方向の違いによって色味に違いが現れる程度を考慮して決定される。ステップS402で決定された解析単位の画素全てについて、画素のRGB値がROM313に記憶されている所定RGB値か否かの判定を行う。そして、所定RGB値に合致している画素の数の総数を、色情報としてRAM312に記憶させる。所定RGB値をROM313に記憶させておく場合に、予め選定した所定RGB値を全てROM313に保持させると処理数が多くなり処理速度が低下することがある。その場合は3DLUTなどを用い、代表的な所定RGB値を離散的に定義しておいても良い。例えば所定RGB値には値として「1」を対応づけ、所定RGB値としないものについては値として「0」を対応づけておく。処理を行う際には、3DLUTの格子点間の値については、四面体補間を用いて簡単に算出することができる。図12を用いて具体的に説明する。図12(a)で示す立方体は3DLUTの一部を模式化したものである。立方体中の各線の交点が格子点である。白抜きの文字の「1」はこの頂点の位置の値が「1」であることを示し、対角の位置にある黒文字の「0」はこの位置の値が「0」であることを示している。図12(b)と図12(c)のように、四面体のグリッド点の値がすべて1または0の場合は、この四面体に囲まれる領域への入力値に対して補間結果の出力値は1または0になる。図12(a)のように四面体のグリッド点の一つが1であった場合、入力RGB値1003がそのグリッド点のRGB値となったときのみ、補間結果1004が1となる。図12(d)のように四面体のグリッド点の二つが1であった場合、入力RGB値1005がそのグリッド点を繋いだ線上にあったときのみ、補間結果1006が1となる。図12(e)のように四面体のグリッド点の三つが1であった場合、入力RGB値1007がそのグリッド点で構成される面上にあったときのみ、補間結果1008が1となる。このように3DLUTと四面体補間処理を組み合わせることにより、色ムラが発生する色域の判定を少ないメモリ量かつ少ない比較処理数で行うことができる。さらに3DLUTのグリッド間隔を広くしておけばより少ないメモリ量で判定することができる。グリッド間隔を広くとる場合には、所定のRGB値は255、発生しない値は0としておく。そうすると、予め閾値を決定しておけば、色ムラが発生するかどうかを多値データと閾値とを比較して判断することができ、グリッド間隔が広い場合でも正確に色ムラ発生画素を算出することができる。
所定のRGB値の色の例としては、異なる複数のインクを用いて記録され、さらにそれぞれ、あるいは合計が所定の付与量より多く付与される色である。例えば、シアンインクの多値のデータの信号値が最大値の50%より大きく、マゼンタインクにおいても多値のデータの信号値が最大値50%より大きくなる青色である。このような色については、高画質の記録画像を求める上で、往方向の走査で記録した画像と復方向の走査で記録した画像との色の違いが視認されることを注意する色とする。例えば、インク付与量が多くなるような濃い色を所定のRGB値と設定しておくとよい。一方、1つの色のインクしか用いないような色については走査方向による色の違いが見られないので、所定のRGB値とはしない。このように、上述の色情報は複数のインクの付与量に関する付与量情報ともいうことができる。
なお、この色解析については、上述した例ではRGBの多値のデータを用いて色の判定を行ったが、RGBデータから得られたCMYKの多値のデータを用いて判定を行っても構わない。また、量子化後のドット形成の有無を表す2値データを色毎にカウントするようにしてもよい。
続くステップS405では、ステップS403で取得した形状情報とステップS404で取得した色情報から、記録ヘッドの走査方向が異なることによる色味への影響を評価し、注意領域を決定する。決定方法の例を表したグラフを図6に示す。図6では、横軸にステップS404で検出される所定色の画素数、縦軸にS403で取得されるエッジ画素数を取っている。両軸から延びる線はそれぞれの閾値の位置を示している。エッジ画素数が所定の閾値以下であり、かつ、所定色の画素数が所定の閾値より大きいときに、ステップS402で決定した解析単位の領域を、走査方向の違いによる色味の違いに注意する領域と決定する。エッジ画素数が所定の閾値を超えるときにはこの解析単位は線画であると見なし、注意領域とはしない。一方エッジ画素数が所定の閾値以下である場合、この解析単位は非線画であり、イメージまたは写真である可能性が高いため、所定色についての情報で注意領域とするか否かを判定する。
エッジ画素についての閾値と所定色についての閾値は、解析単位の大きさによって決定される。図2を参照して説明したように、細線はインクの付与順の違いの影響が記録される色に現れ難い。そのため、1200dpiでは2画素幅以下の細線は、各部の走査方向が異なってもムラは殆ど視認されない。この観点を基準にエッジ画素についての閾値と所定色についての閾値を決定しておくとよい。例えば図7に示すRGBデータで9x9画素のサイズに対応する画像を相当する領域を解析単位とした場合、この画像を1インチ当り1200画素の記録解像度で記録するとして、エッジ画素の閾値は18、所定色の閾値は27と設定する。図7に示すように黒の18画素により形成される2列の画素列が2画素線幅の細線に相当する。決定した結果は、解析単位に紐づけて注意領域情報としてRAM312に保持する。
ステップS406では、CPU311印刷データの全ての解析単位の解析が終了したかどうかを判断する。終了していない場合は、次の解析単位に移ってステップS403から処理を行う。終了している場合は、ステップS407へ移行する。なお、このステップでは、ステップS407で走査の方向を決定するための所定領域を満足する全解析単位が終了していれば、ステップS407に進むようにしてもよい。そうすると、解析している最中に走査を始めることができ、記録の高速化につながる。
ステップS407では、CPU311はステップS405で決定された注意領域情報から記録のための記録ヘッド9の走査方向を決定する。この決定は記録媒体上の所定領域を単位として行うが、例えば、1パス記録である場合には、記録ヘッド9が一回の走査で通過する領域を所定領域として、所定領域内のタイルをまとめることでその領域を記録するための走査方向を決定することができる。例えば、一走査分の領域中のタイルすべてが注意領域では無い場合には、この領域は、線画のような細線中心の画像が記録されるか、イメージ、写真のような平坦な画像だがインクの付与量が前の回の走査と走査方向を揃えるほどは大きくはないと判断される。また、イメージ、写真だと走査方向を前の走査と揃えなければいけないような量でも、線画である場合には、異なる走査間での色の違いが視認されにくい。このような領域を記録するには、先の走査の方向と逆の方向の走査方向を決定する。ここで図1(a)を参照し、このように走査方向が決定された画像が、bの領域に走査方向X´で形成されるとする。画像は連続しており、走査方向Xで形成されたaの領域からbの領域に、あるいはさらにcの領域にまたがって形成される。しかし、記録する画像が線画、あるいはインク付与量が大きくないイメージ、写真であるので、領域間の色の違いは視認されにくい。
一方、一つでも注意領域のタイルがある場合には、この領域は、記録される画像がイメージ、写真のような平坦な画像であり、付与されるインクの量が走査方向を揃えて色の違いを抑制することが望まれる。そこで、走査の方向として、先の走査の方向と逆の方向を決定する。例えば、記録装置において、片方向記録のモードのときの走査の方向が往方向(図9の矢印Xの方向)として設定されている場合には、記録媒体における2回目の走査以降の各走査について、往走査の方向か、復走査(図9の矢印X´)の方向を決定する。ここで図1(b)を参照すると、走査方向を決定された画像が、bの領域に走査方向Xで形成されるとする。画像は連続しており、走査方向Xで形成されたaの領域からbの領域に、あるいはさらにcの領域にまたがって形成されるが、各領域の走査方向は同じであるので、領域間の色の違いは視認されにくい。また、ステップS407の決定を行う所定領域については、例えばマルチパス記録を行う場合には、図14(b)にR1、R2で示すようなY方向において記録ヘッドの記録幅よりも小さい領域を単位としてもよい。
以降の処理としては、上述した記録ヘッドコントローラ314がCPUの決定にしたがって、図13を用いた説明したように、走査の方向に応じた記録を行う。
ところで、上述した例では各解析領域を一走査領域分にまとめて走査方向の決定を行ったが、1ページに相当する印刷データ分をまとめても良い。印刷データ分まとめて評価すると、記録する対象全体を捉えて記録のための走査方向を決定することができるため、色むら抑制効果を十分に得ることができる。一方、マルチパス記録を行う場合に細かい単位での決定が必要な場合には、図14(b)のR1、R2でそれぞれ示される単位で決定を行うとよい。このR1、R2は、先の走査での記録画像に対して後の走査での記録画像がはみ出している領域である。例えばR1の領域内に注意領域がある場合には、R1の領域を記録する2走査目と3走査目の方向を一致させるように決定するのである。
以上のように、形状情報とインクの付与量の情報に応じて最適な記録方向を選択することができる。記録媒体へ異なるインクを付与する順序に起因する画像の色ムラの発生を抑えながら、高速な記録を行うことが可能となる。
上述した例では、ステップS403においてエッジ検出を行って形状解析を行ったが、縮小処理を用いてもよい。そしてステップS402において、上記ではタイル単位で行ったが印刷データ単位で行っても良い。こうすることにより、フィルタ処理よりも軽い処理で記録方向を決定することができる。この場合の縮小処理は、形状を保持するために平均値縮小もしくは最頻値縮小が最も適している。こうすることで形状情報を保持したまま縮小処理を行うことができ、ステップS403の形状解析の精度を向上させる効果がある。
また、ステップS403においてエッジ検出を行ったが、入力フォーマットに応じて形状情報を決定しても良い。図面などを印刷する場合、ベクターデータで転送する方が転送容量も少なくかつ品質も良いことからベクターデータが多く使われている。そのため、入力フォーマットがベクターデータであった場合、全解析単位についての形状情報においてエッジ画素量が所定の閾値より多いことを示すようにしも良い。あるいは形状解析を省略し、自動的に双方向の記録となるように決定することも可能である。図面などを印刷する場合には双方向記録とすることができ、高速記録が可能となる。
また、ユーザーが記録する画像が線画であることを認識している場合は、線画用の記録を指定する記録モードを設けておくこともできる。例えば、写真、Web、線画等の記録対象をPCと接続されたディスプレイ上のドライバ画面で指定できるようにし、ユーザーに選択可能にしておくのである。PCから印刷データに含まれる線画モードを指定する情報を受け取った記録装置308は、これを形状情報に活用し、線画モード指定がある印刷データの画像に対してはエッジ画素の抽出を行わず、形状解析結果としてエッジが常に閾値を超えたという情報が自動的に取得されるようにしてもよい。そのようにすれば線画モードでは双方向記録が選択されるようになる。あるいは、線画モードが指定された時点で、S403からS406までがスキップされ、S407において双方向で記録を行うことを決定するようにしてもよい。一方、線画よりも線数の少ない写真等のモードでは、S401からS406のフローを実行して、走査方向に起因する領域間の色の違いが視認されるのを抑制することができる。
ステップS403において、上記では1200dpiおいて2画素(約0.042m)以下の細線を検出することを行ったが、視覚特性を用いてより線幅の広い線を検出しても良い。図8は、Bertenの視覚特性を用いて、観察距離が30cmにおける識別可能色差と線幅の関係を表したグラフである。グラフ中の実曲線より上の領域は色差が識別される。例えば、発生する色ムラの色差がΔE5.0であった場合、人が色ムラを識別できる最大の線幅は約0.3mmであることがわかる。そのため、ステップS403において検出する線幅を0.3mm以下とすることで、より最適な記録方法を決定することができる。その結果、より双方向の記録を用いることとなり、記録速度を向上させる効果を得ることができる。
なお、以上で説明したステップS401からS407までの処理および画像処理アクセラレータ309による所定の画像処理の全部を、ホストPC301のCPU302とRAM303等を用いて行うようにしてもよい。あるいは、ステップS401からS407までの処理の上流側の一部のステップの処理をホストPC301のCPU302とRAM303を用いて行い、それより下流側のステップの処理を記録装置側で行うようにすることもできる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては印刷データをもとに各種解析を行っている。しかし実際に記録媒体に記録を行うと、元になっているデータと記録画像との間には相応のギャップがある。本実施形態では、印刷データに基づき実際に記録される記録画像の状態を走査方向の決定に反映させる。その他の点に関しては特に断りのない限りは第1の実施形態と同様である。
印刷データと記録画像との形状面のギャップの主要因は線幅の再現性である。線幅の再現性は記録媒体の種類、ノズル30からのインクの吐出速度などの記録条件である。本実施形態では、ステップS405の注意領域の決定において、形状情報と色情報の重みを変化させる。線幅再現性が高い場合は形状情報を重視し、低い場合は色情報を重視する。具体的には、印刷データが示す画像を1200dpiの記録解像度で記録を行った場合に1画素が0.021mmで記録されるものと定義し、記録装置から記録媒体へ記録を行った場合のインクの1ドットの大きさを元に下記の式(1)を用いて、割合を算出する。割合をK、紙面上の1ドットの大きさLとする。
K=0.021/L ・・・(式1)
そして、S403で求められた各解析単位におけるエッジ画素数に、算出した割合Kを補正のための係数として掛けるのである。例えば、ある記録媒体での1ドットの径が0.035mmであった場合、K=0.6となる。つまり、印刷データ上エッジ画素と認定されるもののうち、6割をエッジ画素としてカウントするのである。
ドット径を元に線幅再現性の係数を求める以外に、他の因子を利用しても良い。線幅再現性に関わる要因は、大きく4つあり、ノズルからのインク滴の吐出量、記録媒体上での付与されたインクの滲み率、インク滴が記録媒体に着弾するときの着弾精度、単位領域当りの走査回数(以下パス数)である。
図9を参照し、これらの要因を説明する。図中左側の印刷データで示される画像を記録媒体に形成(印刷データの黒部分をドット形成)した状態を右側に示す。上から順に、滲み率および吐出量の程度、着弾精度の高低、パス数の多少に関して記録画像を対比して示している。各要因について左側の記録画像の方が右側よりも形状再現性が高い。上述のドット径はインクの吐出量と記録媒体上におけるインクの滲み率に関わるものである。インク滴の着弾精度が低い、またはパス数が多い場合は、線幅再現性が悪くなり、形状情報の信頼度が少なくなる。パス数が多いとパス間の記録位置ずれよって線幅再現性は低くなりがちである。例えばパスが所定数のときは所定数より多いパスよりも係数を大きくすることができる。さらにインクの着弾精度は、記録ヘッドの走査速度、記録ヘッドと記録媒体表面との間の距離、記録媒体の搬送精度などが影響している。記録ヘッドの走査速度が速くなると、インクの着弾精度は低くなりがちである。記録ヘッドと記録媒体表面との間の距離が広くなると、インクの着弾精度が悪くなる。紙送り精度が悪くなると、インクの着弾精度が悪くなる。よって。記録速度が所定の速度のときは、所定の速度より早いときよりも係数を大きくするとよい。また、記録ヘッドと記録媒体表面との間の距離が所定の距離のときは、所定の距離より長いときよりも係数を大きくするとよい。
以上のように、ステップS405の注意領域決定において、線幅再現性に応じて、形状情報と色情報の値を係数で変化させることにより、印刷データと実記録とのギャップを埋めることができる。その結果、より適切な記録方法に変更することができ、色ムラ改善の精度を向上させる効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態において、ユーザーが記録対象の画像が線画であることを入力した場合には双方向記録とする形態を説明した。本実施形態では、ユーザーが選択した記録対象に応じてさらに走査回数を異ならせる形態を説明する。
まず、例えば、写真、Web、線画等の記録対象をディスプレイ上のドライバ画面で指定できるようにし、ユーザーに選択可能にしておく点は第1の実施形態と同じである。また、第1の場合と第2の場合とでは、ユーザーが選択する記録の品位は同じであるとする。
まず、第1の場合として、ユーザーが記録画像の種類として線画を選択した場合、その印刷データが対象とする画像の記録には、CPU311は、図1(a)に示すような双方向記録かつ、1パス記録を決定し、記録装置の各構成要素は決定に基づき記録を行う。図4を参照して説明したような形状情報、インクの付与量の情報に基づく走査方向の決定は行わない。
一方、第2の場合として、ユーザーが線画よりも線数が少ない、例えば写真を記録するモードを選択した場合、CPU311は、図14に示すようなマルチパス記録を決定する。そして、図4を参照して説明したステップS401からS407のフローを実施し、走査方向の決定を行う。さらには画像の形状の解析を行わずに、インクの付与量情報が示す付与量が所定の閾値より大きいか否かで、連続する2つの走査の方向を同じとするか逆とするかを決定するようにしてもよい。例えば、図4を用いて説明したS403のステップを省略し、ステップS405では、エッジ画素数を用いずに所定色の画素数で注意領域を決定するのである。その他の点については第1の実施形態と同様にすればよい。
このようにすれば、走査方向の違いの影響が認められ難い線画はより高速に記録を行うことが可能となり、色ムラが認められることを懸念すべき写真記録では、走査方向の違いによる色への影響を考慮して走査方向を決定し、高画質な記録を行うことが可能となる。

Claims (12)

  1. 第1のインクを吐出するための第1のノズル列と第1のインクと色が異なる第2のインクを吐出するための第2のノズル列とを備えた記録ヘッドと、前記記録ヘッドを所定の走査方向に走査させる走査手段と、前記走査方向と交差する搬送方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、を有し、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とは、前記走査方向に並び、かつ前記走査方向と交差する方向に並ぶインクを吐出するノズルを含み、前記走査手段による前記記録ヘッドの走査と前記搬送手段による記録媒体の搬送とを交互に行って前記記録媒体へ画像の記録を行う記録装置であって、
    前記画像を示す画像データから得られ、記録媒体に前記画像を記録するために付与する前記第1のインクおよび前記第2のインクの付与量を示す付与量情報および前記記録媒体に記録する画像の形状に関する形状情報に基づき、前記付与量情報が第1の量を示し、かつ前記形状情報が所定の線幅より広い線を示す場合には、の走査と該先の走査の次の走査とで走査の方向を同じとすることを決定し、前記付与量情報が前記第1の量を示し、かつ前記形状情報が前記所定の線幅以下の線を示す場合には、前記先の走査と前記次の走査とで走査の方向を逆とすることを決定する決定手段と、
    前記決定手段による決定に従って記録を行うように前記記録ヘッドおよび前記走査手段を制御する制御手段と、を有する
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記決定手段は、前記画像がイメージまたは写真であり、前記付与量情報が示す量が前記第1の量より大きい場合に、前記先の走査と前記次の走査で走査の方向を同じとすることを決定し、前記画像がイメージまたは写真であり、前記付与量情報が示す量が前記第1の量より大きくない場合には、前記先の走査と前記次の走査とで走査の方向を逆とすることを決定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記所定の線幅は0.3mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記画像データの入力フォーマットに基づいて前記形状情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 画像データに基づいて前記形状情報を決定する決定手段をさらに有し、前記決定手段は画像の特徴を検出することにより前記形状情報を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. ユーザーが前記形状情報を入力するための入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記先の走査で記録する領域と前記次の走査で記録する領域とは前記搬送方向において隣接することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記先の走査で記録する領域と前記次の走査で記録する領域とは前記搬送方向において部分的に重複することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記走査方向において、前記第2のインクを吐出するためのノズル列は前記第1のノズル列の一方側にのみ設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記決定手段は、前記記録媒体における線の形状の再現性に基づき設定された係数を用いて前記形状情報を補正することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 第1のインクを吐出するための第1のノズル列と第1のインクと色が異なる第2のインクを吐出するための第2のノズル列とを備えた記録ヘッドと、前記記録ヘッドを所定の走査方向に走査させる走査手段と、前記走査方向と交差する搬送方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、を有し、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とは、前記走査方向に並び、かつ前記走査方向と交差する方向に並ぶインクを吐出するノズルを含み、前記走査手段による前記記録ヘッドの走査と前記搬送手段による記録媒体の搬送とを交互に行って前記記録媒体へ画像の記録を行い、
    前記画像を示す画像データから得られ、記録媒体に前記画像を記録するために付与する前記第1のインクおよび前記第2のインクの付与量に関する付与量情報および前記記録媒体に記録する画像の形状に関する形状情報に基づき、の走査と該先の走査の次の走査とで走査の方向を同じとするか否かを決定する決定手段と、
    前記決定手段による決定に従って記録を行うように前記記録ヘッドおよび前記走査手段を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記決定手段は、前記記録媒体における線の形状の再現性に基づき設定された係数を用いて前記形状情報を補正し、前記補正を行った後の形状情報に基づいて前記先の走査と前記次の走査とで走査の方向を同じとするか否かを決定することを特徴とする記録装置。
  12. 第1のインクを吐出するための第1のノズル列と第1のインクと色が異なる第2のインクを吐出するための第2のノズル列とを備えた記録ヘッドを所定の走査方向に走査させ、前記走査方向と交差する搬送方向に記録媒体を搬送し、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列とは、前記走査方向に並び、かつ前記走査方向と交差する方向に並ぶインクを吐出するノズルを含み、前記記録ヘッドの走査と前記記録媒体の搬送とを交互に行って前記記録媒体へ画像の記録を行う記録方法であって、
    前記画像を示す画像データから得られ、記録媒体に前記画像を記録するために付与する前記第1のインクおよび前記第2のインクの付与量を示す付与量情報および前記記録媒体に記録する画像の形状に関する形状情報に基づき、前記付与量情報が第1の量を示し、かつ前記形状情報が所定の線幅より広い線を示す場合には、の走査と該先の走査の次の走査とで走査の方向を同じとすることを決定し、前記付与量情報が前記第1の量を示し、かつ前記形状情報が所定の線幅以下の線を示す場合には、前記先の走査と前記次の走査とで走査の方向を逆とすることを決定することを特徴とする記録方法。
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