JP2010162629A - Memsデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】MEMS構造体の構造寸法を広い範囲で調整できると共に、均一な寸法調整を行うことができ、或いは、動作態様を変化させないMEMSデバイスの調整方法及びこれを用いた製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のMEMSデバイスの製造方法は、基板10上に、MEMS構造体20と、該MEMS構造体20の周囲に外部に開口した空洞部を有する被覆構造とを形成する基板上構造形成工程と、その後、外部より前記MEMS構造体20の周囲20CにエッチングガスEGを供給して前記MEMS構造体の表面エッチングを気相で行う構造体エッチング工程と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明はMEMSデバイスの製造方法に係り、特に、MEMS構造体の構造寸法を調整するための製造工程に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は微小構造体形成技術の一つで、例えばミクロンオーダー等の微細な電子機械システムを作る技術やその製品のことを言う。半導体チップはシリコン基板上にシリコン、酸化膜、金属等の薄膜を積み重ねて電子回路を作ることから、その回路構造は通常は平面的なパターンで構成されるが、MEMSで上記半導体チップの製造技術、すなわち半導体製造技術を用いる場合には、基板上に薄膜を形成し、この薄膜をエッチングにより部分的に基板より分離することによって、ミクロンサイズの板ばね、鏡、回転軸などを形成するので、MEMS構造体は立体的な構造を有し、少なくとも一部には可動部を備えたものとされる。
MEMSが注目されている分野として携帯電話機などを構成するための通信技術の分野がある。携帯電話機にはLSIの他にフィルタ、アンテナ・スイッチ、送受信スイッチなど多くの部品が組み込まれている。Bluetoothや無線LANを利用するマルチバンド化が進めば、アンテナの切り替えスイッチやバンド切り替えスイッチなどの受動部品が増えるので、小型化、省消費電力化を進めるためには上記の部品を一つの半導体チップに収めて部品点数を減らすことが最も効率の良い対策となる。この対策では、配線が短くなり、MEMS部品がメカニカルに動作することからノイズに強く低損失化などの性能向上も見込めるという利点もある。また、半導体を用いることでLSIと一体化させるなど、従来の既存の構成部品と合体させることも可能になる。上記のようなMEMSデバイスの製造方法の一例としては、たとえば以下の特許文献1に開示されているものがある。
上述のように、MEMSは種々の利点を有するが、その反面、構造が微小であることから、製造プロセスのばらつきが動作特性に及ぼす影響が大きく、高性能で均一な動作特性を得るためには種々の調整方法が必要となる。たとえば、MEMS振動子では所定の周波数信号を出力するが、その周波数特性、たとえば動作周波数(共振周波数)を規定の許容範囲に収める必要がある。このような周波数特性の調整方法としては、駆動電圧(DCバイアス電圧)を変化させることで動作周波数を増減させる方法(以下の非特許文献1参照)、振動する可動部に電流を流して加熱することで材料物性や寸法を変化させる方法(以下の特許文献2参照)、可動部に材料を蒸着させる方法(以下の非特許文献2参照)などが提案されている。
特開2008−114354号公報 特表2007−535275号公報 S Chowdhury, M Ahmadi and W C Miller, "A Closed-Form Model for The Pull-in Voltage of Electrostatically Actuated Cantilever Beams" Journal of Micromechanics and Microengineering, 2005, pp.756-763, vol.15 Daphne Joachim, Liwei Lin,"Characterization of Selective Polisilicon Deposition for MEMS Resonator Tuning" Journal of Micromechanical Systems, Apr. 2003, pp.193-200, vol.12, No.2, IEEE
しかしながら、前述の駆動電圧を変化させることで動作周波数を変化させる方法では、動作周波数を変化させることのできる範囲が限定されているため、調整ができない場合があり、また、調整可能なデバイスが振動子などの動作態様が駆動電圧に依存するものに限定されるという問題点がある。
また、前述の電流による加熱を用いる方法では、構造体の構成材料に依存するために必ずしも十分な調整ができない場合があるとともに、可動部が部分的に変化することにより振動モードが変化するなど、動作態様自体が変化してしまう虞があるという問題点がある。
さらに、前述の可動部に材料を蒸着させる方法では、可動部に部分的に材料が付着することで、上記と同様に振動モードが変化するなど、動作態様自体が変化してしまう虞があるという問題点がある。
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、MEMS構造体の構造寸法を広い範囲で調整できると共に、均一な寸法調整を行うことができ、或いは、動作態様を変化させないMEMSデバイスの調整方法及びこれを用いた製造方法を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明のMEMSデバイスの製造方法は、基板上に、MEMS構造体と、該MEMS構造体の周囲に外部に開口した空洞部を有する被覆構造とを形成する基板上構造形成工程と、その後、外部より前記MEMS構造体の周囲にエッチングガスを供給して前記MEMS構造体の表面エッチングを気相で行う構造体エッチング工程と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、基板上構造形成工程においてMEMS構造体の周囲が外部に開口した被覆構造の空洞部により通気状態を有するように構成され、その後に、MEMS構造体の周囲にエッチングガスを供給してその表面エッチングを行うことにより、MEMS構造体の構造寸法を広い範囲で調整できるとともに、上記表面エッチングは気相で行われるため、微細で複雑な構造を有するMEMS構造体でもより均一にエッチングすることができることから、エッチングによるMEMS構造体の動作上の弊害の発生を回避することができ、たとえば、部分的な構造寸法の変化に起因する振動モードの変化など、動作態様の変動を防止することができる。また、気相エッチングを用いるので、被覆構造の空洞部内に配置されるMEMS構造体に対する表面エッチングであっても、エッチングの均一性やばらつきを招き難くなるという利点がある。
本発明の一の態様においては、前記基板上構造形成工程の後に、前記MEMS構造体の動作特性に関する検査を行い、その検査結果を基準値と比較してさらに前記表面エッチングを実施するか否かを判定する動作特性検査工程をさらに具備する。これによれば、動作特性を検査し、この検査結果を基準値と比較することで表面エッチングをさらに行うか否かを判定し、必要であれば表面エッチングをさらに実施し、必要がなければそのまま次の工程に進むようにすると、基板上構造形成工程において形成されたMEMS構造体の構造寸法に応じて基準値に対応する範囲内の動作特性を有するMEMSデバイスを製造できる。この動作特性検査工程は、上記基板上構造形成工程の後であれば、上記構造体エッチング工程の前、同構造体エッチングの後、或いは、同構造体エッチング工程中のいずれに行っても構わない。また、MEMS構造体は被覆構造の空洞部内に配置されるので、外部より視認してエッチング状態を直接確認することが困難であるが、本発明では動作特性検査工程を設けることで、表面エッチングによる効果を特性面より確認できるという利点がある。
この場合には、前記MEMS構造体は動作可能な可動部を備え、前記動作特性検査工程では前記可動部を動作させた状態で前記検査が行われることが好ましい。これによれば、可動部を動作させた状態でMEMS構造体の動作特性の検査が行われるので、可動部を有するMEMS構造体の動作特性を確実かつ高精度に検査することができる。
本発明の他の態様においては、前記MEMS構造体はシリコン層により構成され、前記エッチングガスはXeFである。MEMS構造体をシリコン層で構成することで、一般的な半導体製造技術を用いてデバイスを形成できるから、製造コストの低減、デバイスの小型化、性能の向上などを図ることができる。なお、上記シリコン層としては、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコンを含むとともに、これらの各種シリコンにn型、p型といった種々のドーパントを任意の不純物密度でドーピングしてなるものをも含む。
また、エッチングガスをXeFとすることでシリコン層の表面を容易にエッチングすることが可能になる。また、XeFによるシリコン層のエッチングは等方性エッチングであるので、MEMS構造体の露出表面を均一にエッチングすることができることから、動作態様の変化をさらに低減することが可能になる。さらに、XeFによれば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミニウムに対するエッチングレートが極めて小さいので、半導体製造技術において犠牲層、層間絶縁膜、リリースエッチングに対するエッチングストップ層、配線層、電極層などに用いられる上記の材料をエッチングする虞がないため、表面エッチングによる障害を考慮せずにプロセス設計を行うことができ、表面エッチングの時間その他の条件を広い範囲で設定することが可能になる。
しかしながら、本発明における上記エッチングガスの種類としては、上記のXeFに限らず、以下の種々のガスを用いることができる。たとえば、上記のシリコン層に対するエッチングガスとしては、上記のXeFの他に、Cl、ClとHBrの混合ガス、ClとOの混合ガス、CFとOの混合ガス、SF、ClとNの混合ガス、ClとHClの混合ガス、HBrとClとSFの混合ガス、C、CBrF、SiClとClの混合ガス、SFとNとArの混合ガス、BClとClとArの混合ガスなどが挙げられる。
また、窒化シリコン(Si)に対するエッチングガスとしては、CF、CFとOの混合ガス、CFとHの混合ガス、CHFとOの混合ガス、C、CHFとOとCOの混合ガス、CHとCFの混合ガスなどが挙げられる。
さらに、酸化シリコン(SiO)に対するエッチングガスとしては、CF、CとOとArの混合ガス、CとOとArの混合ガス、CとOとArの混合ガス、CとCOの混合ガス、CHFとOの混合ガス、CFとHの混合ガスなどが挙げられる。
また、アルミニウム(Al)に対するエッチングガスとしては、BClとClの混合ガス、BClとCHFとClの混合ガス、BClとCHとClの混合ガス、BとBrとClの混合ガス、BClとClとNの混合ガス、SiOとClの混合ガスなどが挙げられる。
さらに、銅(Cu)に対するエッチングガスとしては、Cl、SiClとClとNとNHの混合ガス、SiClとArとNの混合ガス、BClとSiClとNとArの混合ガス、BClとNとArの混合ガスなどが挙げられる。
そして、有機材料(フォトレジスト、ポリイミド樹脂など)に対するエッチングガスとしては、プラズマアッシングを用いる場合にOプラズマが挙げられる。
本発明の別の態様においては、前記動作特性検査工程は前記構造体エッチング工程中に前記表面エッチングと並行して行われ、前記動作特性が前記基準値と対応する範囲に該当したときに前記表面エッチングを停止する。これによれば、構造体エッチング工程が気相エッチングを用いて行われることで、上記のようにリアルタイムで動作特性を検査することができる。そして、この場合には、動作特性を検査して前記範囲に該当したときに表面エッチングを停止することで、動作特性をより精密に調整することが可能になる。また、MEMS構造体が可動部を備える場合には、気相エッチング中に可動部を動作させることでエッチングガスが攪拌され、可動部に対する表面エッチングの均一性や狭隘部(狭い間隔で対向する部分)のエッチングレートがさらに高まるという利点もある。特に、本発明では、MEMS構造体が被覆構造の空洞部内に配置されることで外部より表面エッチングの程度を視認等により直接確認することが困難であるが、表面エッチング中にリアルタイムで動作特性の検査を行うことによりエッチング状態の精密な制御が可能になる点で大きな意義を有する。
本発明のさらに別の態様においては、前記MEMSデバイスは前記MEMS構造体の前記可動部を振動させるMEMS振動子であり、前記動作特性は周波数特性である。これによれば、動作特性検査工程では可動部を振動させて周波数特性を検出するが、構造体エッチング工程中に検査を行う場合には、可動部が振動することで、上記効果に加えて、エッチングガスの攪拌作用をさらに高めることができるという利点がある。
この場合には、前記動作特性検査工程は前記構造体エッチング工程中に前記表面エッチングと並行して前記可動部を常時振動させて行われ、前記動作特性が前記基準値に対応する範囲に該当したときに前記表面エッチングを停止することが好ましい。これによれば、構造体エッチング工程が気相エッチングを用いて行われることで、上記のようにリアルタイムで動作特性を検査することができる。そして、この場合には、動作特性を検査して前記範囲に該当したときに表面エッチングを停止することで、動作特性をより精密に調整することが可能になる。また、MEMS構造体が可動部を備える場合には、気相エッチング中に可動部を動作させることでエッチングガスが攪拌され、可動部に対する表面エッチングの均一性や狭隘部(狭い間隔で対向する部分)のエッチングレートがさらに高まるという利点もある。さらに、表面エッチングが行われている間は常時可動部が振動していることで、エッチングレートの時間的安定性や再現性がより向上する。
本発明の異なる態様においては、前記基板上構造形成工程は、前記基板上に第1の犠牲層とともにMEMS構造体を形成する段階と、前記MEMS構造体の上方に前記被覆構造の少なくとも一部を構成する第2の犠牲層を形成する段階と、第2の犠牲層上に開口を備えた蓋体を形成する段階と、該蓋体の前記開口を通して前記第1の犠牲層及び前記第2の犠牲層を除去し、前記MEMS構造体を解放(リリース)するとともに前記MEMS構造体の周囲に前記空洞部を形成する段階と、を含み、前記構造体エッチング工程は、前記蓋体の前記開口を通して前記エッチングガスを前記空洞部の内部に導入して行われ、前記構造体エッチング工程の後に、前記蓋体の前記開口を閉鎖する開口閉鎖工程を有する。これによれば、蓋体の開口を通してエッチングガスを空洞部の内部に導入することで、支障なく構造体エッチング工程を実施できると共に、開口閉鎖工程により蓋体の開口を閉鎖することで、MEMS構造体が収容される空洞部を密閉することができる。したがって、通常の半導体製造プロセスのようにウエハ単位で複数のチップを加工した後にチップを分割する製造方法を採用する場合には、MEMS構造体の封止をウエハ単位で行うことができ、チップ単位での封止作業を不要とすることができる。
本発明のMEMSデバイスの調整方法及びこれを用いた製造方法によれば、MEMS構造体の構造寸法を広い範囲で調整できると共に、均一な寸法調整を行うことができ、或いは、動作態様の変動を回避できるという優れた効果を奏し得る。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1及び図2を参照して本発明のMEMSデバイスの製造方法について説明する。図1及び図2は本実施形態のMEMSデバイスの製造方法の各工程を模式的に示す概略工程断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態では、単結晶シリコン等の半導体等からなる基板(ウエハ)10を基体とし、この基板10上にMEMS構造体20を形成してなるMEMSデバイスを製造する。ただし、基板10は半導体に限らず、ガラス、セラミックス、樹脂などの種々の素材で構成されたものを用いることが可能である。
基板10の表面上には必要に応じて酸化シリコン等よりなる絶縁膜(図示せず)が形成され、基板10との絶縁が確保される。もっとも、基板10がガラス、セラミックス、樹脂、低ドーピングの半導体などの絶縁性の高い素材で構成されている場合、あるいは、表面に絶縁膜を形成済みの基板(例えばSOI基板など)を用いる場合には当該絶縁膜は不要である。
また、基板10の表面上には後述するリリースエッチングや表面エッチング等のエッチング工程に耐性を有する下地層11が形成される。一般的なシリコンをベースとした半導体製造技術を用いる場合には、下地層11はCVD法などで形成される窒化シリコン膜で構成される。この下地層11は上記エッチング工程において必要とされる範囲に限定的に形成されることが好ましい。
さらに、基板10上には、固定電極及びその配線部として機能しうる下層パターン21と、可動電極及びその配線部として機能しうる上層パターン22とが第1の犠牲層23を介して形成される。下層パターン21は上記の下地層11上に成膜される第1の導電層の一部で構成される。また、上層パターン22は、下層パターン21を構成する第1の導電層の上記一部とは分離されて設けられる第1の導電層の他部と、第1の導電層の上記一部上に形成される第1の犠牲層23上の領域及び第1の導電層の上記他部上の第1の犠牲層23の形成されていない領域の双方に第2の導電層を成膜することによって、第2の導電層が上記第1の導電層の一部と第1の犠牲層23を介して対向するとともに上記第1の導電層の他部と導電接続される態様で構成される。以上がMEMS構造体20を形成する段階である。
上記のMEMS構造体20は、図示例の場合、上層パターン22の一部において、下層パターン21に対して第1の犠牲層23を介して対向する可動部22Mを備えたものとされる。この可動部22Mは図1(a)の状態では基板10上に固定されているが、後述する工程を経て最終的に動作可能な状態とされる。導電層(上記の第1の導電層及び第2の導電層)を構成する素材としては、導電性を付与したシリコンを用いることが好ましい。たとえば、リンなどのn型ドーパントを不純物として導入した多結晶シリコン若しくはアモルファスシリコンである。ドーパントとしてはn型ドーパントに限らず、ホウ素などのp型ドーパントを用いることも可能である。このような素材はCVD法、スパッタリング法等により容易に成膜することができる。ただし、上記の素材としては、MEMS構造体20の動作に必要な程度の導電性を有する導電体であれば如何なるものであってもよく、たとえば、アルミニウム等の金属であってもよい。
図1(b)に示すように、上記のMEMS構造体20の上には、酸化シリコン等よりなる層間絶縁膜12が形成され、この層間絶縁膜12の一部に開口12aが形成される。層間絶縁膜12上にはアルミニウム等の導電体で構成される配線層13が形成され、この配線層13は上記開口12aを通して下層の導電体、たとえば下層パターン21、上層パターン22、その他の下層配線に導電接続される。このとき、配線層13の一部はMEMS構造体20の周囲を取り巻くように形成される周囲壁13Xを構成する。なお、上記の開口12aは、配線接続のためのコンタクトホール、或いは、上記周囲壁13Xを構成するための型枠として機能する。
また、上記と同様にして、配線層13上には酸化シリコン等よりなる層間絶縁膜14が形成され、この層間絶縁膜14にも開口14aが形成される。層間絶縁膜14上にはアルミニウム等の導電体で構成される配線層15が形成され、この配線層15は上記開口14aを通して下層の導電体、たとえば配線層13、周囲壁13X、その他の配線パターンに導電接続される。このとき、配線層15の一部はMEMS構造体20の周囲を取り巻くように形成される周囲壁15Xを構成する。なお、上記の開口14aは、配線接続のためのコンタクトホール、或いは、上記周囲壁15Xを構成するための型枠として機能する。ここで、層間絶縁膜12及び14は、MEMS構造体20上にある部分、すなわち、MEMS構造体20と後述する蓋体15Yとの間にある部分が上記の第2の犠牲層となる。したがって、層間絶縁膜12及び14を形成する段階が上記の第2の犠牲層を形成する段階である。
配線層15の他の部分はMEMS構造体20の上方を覆う蓋体15Yを構成する。この蓋体15Yには1又は複数の開口15aが設けられる。また、蓋体15Yは上記層間絶縁膜14上に形成されている。この段階は上記の蓋体を形成する段階である。
なお、基板10上の上記層間絶縁膜12、14と配線層13、15が交互に積層されてなる積層構造は上記被覆構造に相当するものであるが、当該被覆構造はこのような積層構造に限らず、例えば上記の第2の犠牲層に対応する絶縁層のみで形成されていてもよい。また、上記積層構造は、図示例では2周期で合計4層の構造として構成されるが、当該積層構造の周期数や積層数は任意であり、例えば1周期でも3周期以上でも構わない。これらの周期数や積層数は基板10上の配線構造や回路構造によって適宜に判定される。
配線層15上にはさらに絶縁膜16が形成される。この絶縁膜16は最終的に製造されるデバイスの表面を構成する場合がある。絶縁膜16は酸化シリコンや窒化シリコン等で構成されることが好ましいが、特に、酸化シリコンと窒化シリコンの2層構造とされることが望ましい。この場合、酸化シリコンは下層側(配線層15の側)に形成され、窒化シリコンはその上(表面)に形成される。なお、デバイスの表面上で電気的接続を可能にする必要がある場合には、絶縁膜16に図示しない開口を設け、この開口を通して配線層15と導電接続された接点を形成する。
次に、必要に応じて、上記の構造の表面にMEMS構造体20の上方に開口17aを備えた保護膜17を形成する。この保護膜17としては特に限定されないが、たとえば、感光性レジストを塗布し、露光、現像を行うことによって上記開口17aを形成してなるレジストマスクを用いることができる。この保護膜17は以下に説明するリリース工程時のエッチングが不要な部分を保護する機能を有する。ただし、上記絶縁膜16によって当該保護膜17の機能を果たせる場合には不要である。
次に、図1(c)に示すように、弗酸や緩衝弗酸などのエッチング液を用いて、蓋体15Yの開口15aを通して上記の第1の犠牲層及び第2の犠牲層を除去する。これが上記のMEMS構造体をリリースするとともにMEMS構造体の周囲に空洞部を形成する段階(リリース段階)である。この段階により、MEMS構造体20の可動部22Mは第1の犠牲層及び第2の犠牲層から解放され、動作可能な状態とされるとともに、MEMS構造体20の周囲が蓋体15Yの開口15aを通して外部と通気状態を有するように構成される。すなわち、蓋体15Yの下方には空洞部20Cが形成され、この空洞部20C内にMEMS構造体20が収容された状態とされ、この空洞部20Cは開口15aを通して外部と連通する。以上のように上記の各段階を含み、最終的にMEMS構造体20の周囲が外部と通気状態を有するように構成するための工程が上記の基板上構造形成工程である。なお、上記のリリース段階では、空洞部20Cの内部を水洗等により洗浄することで、上記のエッチング液を十分に除去することが好ましい。
上記のように構成されたMEMS構造体20では、上層パターン22に設けられた可動電極22Aの可動部22Mが、下層パターン21に設けられた固定電極21Aと間隙を介して対向配置される。これによって、固定電極21Aと可動電極22Aの間に交流信号を与えると、静電力により可動部22Mが上記間隙を増減する態様で振動する。可動部22Mは、長さLと厚みdによって判定される以下の共振周波数を有し、MEMS構造体20は共振子、或いは、信号フィルタとして機能する。
MEMS構造体20の共振周波数Frは以下の数式1で表わされる。
Figure 2010162629
ここで、Kmは可動部22Mの機械的剛性、Meは可動部22の有効質量である。機械的剛性Km及び有効質量Meは、可動部22Mの長さ、幅及び厚みに大きく影響される。図1(c)では可動部22Mの長さL、厚みdを示してある。
図3にはMEMS構造体20の平面図を示す。上記のように構成されたMEMS構造体20は、固定電極21Aの上方に可動電極22Aが平面的に重なるように配置され、可動部22Mが固定電極21A上において可動に構成されている。図示例の場合、可動部22Mの幅wより固定電極21Aの幅が大きく構成され、可動部22Mが幅方向の全体に亘り固定電極21A上に配置されるように構成される。
図示例の場合、固定電極21Aは下層パターン21の一部で構成される配線を介して図1(c)に点線で示すように層間絶縁膜12のコンタクトホールを介して配線層13の一部で構成される配線パターンに導電接続される。また、可動電極22Aは上層パターン22の一部で構成される配線を介して図1(c)に点線で示すように層間絶縁膜12の別のコンタクトホールを介して配線層13の他の一部で構成される配線パターンに導電接続される。さらに、固定電極21Aは周囲壁13X、15Xにも導電接続されており、周囲壁13X、15Xは図3に示すようにMEMS構造体20を取り巻くように構成されている。ただし、周囲壁13X,15Xは可動電極22Aと接続された上層パターン22の配線と導電接続しないように一部が欠けた構造とされている。
なお、上記のMEMS構造体20の配線構造は、上記構成に限らず、結果的に固定電極21Aと可動電極22Aとの間に所定の信号を供給することができるように構成されていればよい。たとえば、上記固定電極21Aと可動電極22Aの少なくとも一方に接続された配線を、基板10の表層部に形成された導電性領域を介して外部と導電接続させてもよく、この場合には、周囲壁13X,15XがMEMS構造体20を平面的に見て完全に包囲するように構成されていてもよい。また、上記固定電極21Aと可動電極22Aの少なくとも一方に接続された配線を、配線層15の一部で構成される配線パターンを介して外部と導電接続させても構わない。
次に、図2(a)に示すように、外部からエッチングガスEGを上記の開口15aを通して空洞部20C内に導入し、MEMS構造体20の表面エッチングを気相で行う。このとき、後述するように、エッチングガスEGの導入をスムーズかつ効率的に行うために、空洞部20C内を減圧(真空に)してから、エッチングガスEGを供給することが好ましい。
エッチングガスEGは、本実施形態の場合、弗化キセノン(XeF)を用いる。また、このガスにNやAr等の不活性ガスや他の活性ガスを混合してもよい。弗化キセノンは、以下の化学式1に示すように、シリコン表面上でXeとFに乖離し、Fがシリコンと反応して揮発性のSiFxを生成する。
Figure 2010162629
これによってシリコンはエッチングされるが、シリコンに対するエッチング特性は等方性であり、MEMS構造体20の表面を均一にエッチングすることができる。また、弗化キセノンは酸化シリコン、窒化シリコン、及び、アルミニウムに対してはほとんどエッチング能力を有しないので、本実施形態ではMEMS構造体20の周囲に配置される空洞部20Cの内壁面、下地面、蓋体などへの影響はほとんどない。ただし、水分があるとFと反応してHFを生成し、酸化シリコンを侵す場合があるので、特に空洞部20Cの内面については水分を十分に除去しておくことが好ましい。
このようにMEMS構造体20の表面エッチングを気相で行う工程が上記の構造体エッチング工程である。この構造体エッチング工程では、MEMS構造体20のうち、周囲、すなわち空洞部20Cに露出した表面がエッチングガスEGによってエッチングされる。この場合、気相でエッチングを行うことで、狭隘部である固定電極21Aと可動部22Mの対向面においても良好なエッチング作用が生ずる。また、可動部22Mの表裏面が共に露出していることと、厚みdに比べて長さLや幅wが十分に大きいことから、主として可動部22Mの厚みdが相対的に大きく減少する。これによって、MEMS構造体20の共振周波数Frは低下する。したがって、この構造体エッチング工程を実施することにより、MEMS構造体20の動作特性、すなわち周波数特性を調整することができる。本実施形態ではMEMS構造体20の共振周波数Frを構造体エッチング工程により基準値を中心とする許容周波数範囲内となるように調整する。
この構造体エッチング工程は、固定電極21Aと可動電極22Aの間に交流電圧を印加してMEMS構造体20を動作させながら行うことができる。MEMS構造体20を動作させると、本実施形態では可動部20Mが上下に振動する。このように可動部20Mを振動させることで、上記エッチングガスEGが空洞部20Cの内部で攪拌されるため、エッチング効率(エッチングレート)を高くすることができるとともに、表面エッチングの均一性を高めることができる。特に、エッチングガスEG内で振動する可動部22Mに対するエッチング量の増大や均一性の向上を図ることができる。
なお、上記の点は、本実施形態のようにMEMS構造体20がMEMS振動子を構成する場合に限らず、後述する各種のMEMSデバイスにおいて可動部が設けられる場合には、可動部を動作(並進移動、回動、撓み変形、開閉)させて行うことにより、程度の差はあるが同様の効果を得ることができる。
また、上記のMEMS構造体20の動作は、構造体エッチング工程の一部期間でのみ行われるようにしてもよく、構造体エッチング工程の全期間に亘って行われるようにしてもよい。後者の場合、構造体エッチング工程中におけるエッチング特性(エッチングレートやエッチング均一性)を時間的に一定に保つことができると共に再現性も向上し、また、エッチング特性(エッチングレートやエッチング均一性)のさらなる向上を図ることができる。
上記のように、MEMS構造体20を動作させることで、MEMS構造体20の動作特性を検出することができる。本実施形態の場合、可動部22Mを振動させることでMEMS構造体20の周波数特性、たとえば共振周波数Frを測定することができる。この工程が上記の動作特性検査工程である。この動作特性検査工程は、MEMS構造体20の動作特性を検査する工程であるが、この動作特性の検査は、本実施形態の可動部を実際に動作させて行う場合に限らず、MEMS構造体20の構造寸法を何らかの手段(たとえば静電容量の測定、光学的計測方法など)で静的に検査する場合、MEMS構造体20の剛性、強度などを機械的に(例えば探針等で)検査する場合、通常のMEMS構造体20の動作とは異なる態様で動作させて(たとえば、異なる振動モードで振動させて)行う場合、外部から振動加速度を付与することで可動部を動作させて行う場合なども含む。
本実施形態では、上記動作特性検査工程は、構造体エッチング工程の一部期間においてのみ行われても良く、或いは、全期間に亘り行われてもよい。前者の場合、動作特性の検査は任意の一部期間において1回若しくは複数回検査を行うことができる。また、後者の場合、動作特性の検査は所定の検査サイクルで、或いは、リアルタイムで行うことができる。
この動作特性検査工程は、構造体エッチング工程ではなく、構造体エッチング工程が一時的に停止されたとき、或いは、構造体エッチング工程の後に行われてもよい。この場合、所定の時間で構造体エッチング工程を実施した後に、動作特性検査工程を実施し、得られた検査結果に応じて、再び上記構造体エッチング工程を再度実施したり、或いは、そのまま次工程へ進んだりすることができる。このような判断は、通常、検査結果を基準値と比較し、所定の許容範囲内に収まっている場合には次工程へ進むこととし、所定の許容範囲内に収まっていない場合には再度構造体エッチング工程を実施することとするといった判定に基づいて行われる。
また、この動作特性検査工程は、上記基板上構造形成工程の後であれば、上記構造体エッチング工程の前に行ってもよい。構造体エッチング工程の前に行うことによって、後に行われる構造体エッチング工程における表面エッチングの時間やエッチングガスの流量を設定することが可能になる。
上記のようにしてMEMS構造体20の調整プロセスが完了すると、最後に、上記蓋体15Yの開口15aを閉鎖する。この工程では、たとえば、蓋体15Y上に封止層18を形成することによって開口15aが閉鎖される。封止層18はたとえばCVD法、蒸着法、スパッタリング法などの気相成長法によって減圧下にて成膜されることが好ましい。このような減圧下にて行われる気相成長法によって開口15aを閉鎖することで、開口15aの閉鎖と同時に空洞部20Cを減圧した状態(真空状態)とすることができる。なお、本実施形態では封止層18はアルミニウム等の金属、酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁体のいずれによって構成することも可能である。さらには、有機樹脂等を蓋体15Y上に塗布することなどによっても開口15aを閉鎖することができる。
次に、図4乃至図7を参照して、本実施形態のMEMSデバイスの製造方法において上記の動作特性検査工程を実施する方法についてより詳細に説明する。図4は、上記のようにして製造した図1(c)に示すMEMSデバイスの1又は複数のMEMSチップ30に上記構造体エッチング工程を実施するための処理装置を模式的に示す概略斜視図である。
上記のMEMSチップ30は検査冶具31上に配置され、この検査冶具31はチャンバー32内に収容される。チャンバー32にはガス供給管33を通して上記エッチングガスEGが供給可能に構成される。また、チャンバー32には排気管34が接続され、この排気管34は排気装置35に接続されている。検査冶具31上のMEMSチップ30の図示しない電極端子には複数のプローブ36が導電接触し、これらのプローブ36は配線37を介して検査装置38に接続されている。
最初に排気装置35によりチャンバー32の内部を減圧し、その後、ガス供給管33を通してノズル33aからエッチングガスEGを供給することにより、図1(c)に示す空洞部20C内にエッチングガスEGを導入し、構造体エッチング工程を実施する。このようにすると、空洞部20C内にエッチングガスEGを短時間に供給組成のまま導入することができ、その結果、MEMS構造体20に対する表面エッチングを直ちに開始することができる。また、構造体エッチング工程の開始後においても、空洞部20Cの内外のエッチングガスEGの流通性を高めるために、排気装置35による減圧プロセスと、エッチングガスEGのガス導入プロセスとを交互に繰り返して、構造体エッチング工程を間欠的に行うことが可能である。さらに、構造体エッチング工程を停止若しくは終了する際にも、排気装置35による減圧を行うことで、MEMS構造体20に対する表面エッチングを直ちに停止することができる。このようにすると、表面エッチングを時間経過やリアルタイム検査の結果によって停止する場合に、表面エッチング量の精度やばらつきを低減することができる。なお、エッチングガスEGを供給しながら排気装置35によって排気を行い、チャンバー32内を所定の圧力に維持するようにして表面エッチングを行ってもよい。
チャンバー32内では、プローブ36が常時MEMSチップ30の電極端子に導電接触しているので、構造体エッチング工程中、或いは、構造体エッチング工程後の任意のタイミングで検査装置38により動作特性検査工程を実施することができる。
図9には、検査装置38の構成例を示す。チャンバー32内のMEMS構造体20の固定電極21Aと可動電極22Aは、プローブ36及び配線38を介してそれぞれ検査装置38に接続される。検査装置38の本体はネットワークアナライザで構成され、このネットワークアナライザでMEMS構造体20の周波数特性を測定する。この検査装置38により、MEMS構造体20の周波数特性(共振周波数)を任意のタイミングで、或いは、リアルタイムに検出することができる。
図5は、図1(c)に示す構造を多数配列させてなるMEMSウエハ40に対し、そのまま構造体エッチング工程を実施するための処理装置を模式的に示す概略斜視図である。なお、この処理装置は基本的に図4に示す処理装置と同様のガス供給管33、ノズル33a、排気管34、排気装置35を有するので、これらの構成及び当該構成を使用するプロセス態様に関する説明は省略する。
この処理装置では、MEMSウエハ40は支持台41上に配置された状態でチャンバー32内に配置される。この装置でも、上記と同様に、最初に排気装置35によりチャンバー32の内部を減圧し、その後、ガス供給管33を通してノズル33aからエッチングガスEGを供給することにより、図1(c)に示す空洞部20C内にエッチングガスEGを導入し、構造体エッチング工程を実施する。このとき、上記と同様に、空洞部20Cの内外のエッチングガスEGの流通性を高めるために、排気装置35による減圧プロセスと、エッチングガスEGのガス導入プロセスとを交互に繰り返して、構造体エッチング工程を間欠的に行うこと、或いは、排気しながらエッチングガスEGを導入して表面エッチングを行うことが可能である。
この装置では、複数のMEMSチップ30となるべき領域が配列されたMEMSウエハ40を一括して処理するので、処理効率を高めることができる。ここで、支持台41を回転させることで、ガス供給管33を通して供給されるエッチングガスEGの作用の均一性を高めることができる。また、ガス供給管33を通して供給されるエッチングガスEGのMEMSウエハ40の表面上の供給量の分布を調整するために、支持台41の回転数やノズル33aの形状などを適宜に調整することが好ましい。
図6は図5と同様にMEMSウエハ40を処理する場合を示すが、この装置では、ガス供給管33にチャンバー32内部の上部に設置されたガス噴出ヘッド42が接続され、このガス噴出ヘッド42の外周に沿って複数のノズル42aが配列形成されている。このようにすることで、複数のノズル42aによってより広い範囲に均一にエッチングガスEGを供給することができるように構成される。また、この装置では、ガス噴出ヘッド42がチャンバー32の軸線周りに回転することで、さらに均一なガス供給状態を得ることができるように構成される。なお、以上説明した図6の構成は、図5に示す装置に適用することも可能である。
図7は図5と同様にMEMSウエハ40を一括処理する場合を示すが、この装置では、ガス供給管33にチャンバー32内部の上部に設置された複数のガス噴出量を制御可能なノズル43が接続されている。そして、これらの複数のノズル43からエッチングガスEGを噴出させることで、支持台41上のMEMSウエハ40に対して適宜の流量分布でエッチングガスEGを供給することができるように構成される。この装置では、MEMSウエハ40内に配列された複数のMEMSチップとなるべき領域に形成されたMEMS構造体20の動作特性の分布に合わせて構造体エッチング工程の表面エッチング量(エッチングレート)を制御できるように構成される。すなわち、MEMSウエハ40内のMEMS構造体20の動作特性(例えば共振周波数)が図11に示すグラフにおいて実線で示す分布を備えているとすると、このような分布を低減して点線で示すように動作特性を均一化できるように、複数のノズル43から噴出されるエッチングガスEGの量を調整する。また、同様の目的で、複数のノズル43のチャンバー32内の位置分布を調整してもよい。
なお、図7に示す装置構成に、上記図5と図6に示す装置構成の少なくとも一方を適用することも可能である。また、図11に示すようなMEMSウエハ40の動作特性の面内分布を構造体エッチング工程におけるチャンバー32内のエッチングガスEGの流量分布によって緩和することは、上記図5及び図6に示す装置構成についても可能である。たとえば、図7に示す装置で説明した上記の方法を図5や図6で示す装置において支持台41の回転やガス噴出ヘッド42の回転を制御することで実施してもよい。また、図5や図6に示す装置のノズル33aの代わりに、或いは、ガス噴出ヘッド42に複数のガス噴出量を制御可能なノズル43を設けても構わない。
図8には、上記図5乃至図7に示す処理装置或いはこれらの適宜に組み合わせた処理装置を用いて構造体エッチング工程を実施する場合に、動作特性検査工程を含めて行う調整プロセスの手順を示す。MEMSウエハ40に対し一括して構造体エッチング工程を施す場合(図5乃至図7に示す場合)においては、構造体エッチング工程(図示点線で示す。)を一時的に停止し、動作特性検査工程を実施し、検査結果に応じて再度構造体エッチング工程を行うか、或いは、そのまま次工程に進むかを判断するようにすることが考えられる。
この場合には、図8に示すように、MEMSウエハ40内の複数個所のMEMS構造体20について検査を実施して、たとえば検査結果の代表値(平均値、最頻値、中央値など)を算出し、これが基準値を中心とする所定の許容範囲内にあるか否か、或いは、複数個所の検査結果の所定割合以上が当該許容範囲に含まれているか否かなど、検査結果を基準値と比較し、構造体エッチング工程をさらに要するか否かを判定する。そして、例えば、共振周波数が周波数の許容範囲に収まっている場合など、構造体エッチング工程が不要と判定された場合には、そのまま調整プロセスを終了させ、次工程(本実施形態では蓋体15Yの開口15aを閉鎖する開口閉鎖工程)に進む。
また、上記の判定の結果に応じて、構造体エッチング工程をさらに要すると判定された場合には、上記の検査結果と基準値若しくは許容範囲との関係により、エッチングガスEGの流量と、表面エッチングの時間の少なくとも一方を設定し、再度構造体エッチング工程を実施する。ここで、再度の構造体エッチング工程における表面エッチングの時間を固定値としている場合にはエッチングガスEGの流量のみを設定すればよく、また、同表面エッチング時のエッチングガスEGの流量を固定値としている場合には表面エッチングの時間のみを設定すればよい。ただし、エッチングガスEGの流量と、表面エッチングの時間の双方を可変値とし、状況に応じて双方を適宜の手法で設定してもよい。
上記の再度の表面エッチングが終了すると、再び上記と同様の検査及び判定を行い、上記の手順を繰り返し、最終的に調整プロセスを終了させる。
なお、上述の場合には、MEMSチップ30又はMEMSウエハ40をチャンバー32から一旦取り出して動作特性検査工程を実施してもよく、或いは、チャンバー32内に配置したまま動作特性検査工程を実施してもよい。また、図8に示す方法を上記の1又は複数のMEMSチップ30に対して構造体エッチング工程を個々に行う場合(図4に示す場合)に用いても構わない。
また、図8では、一旦構造体エッチング工程を実施した後に、動作特性検査工程を行い、当該工程で行う判定に従って再度の構造体エッチング工程を実施する場合について説明しているが、前述のように、動作特性検査工程は、上記基板上構造形成工程の後であれば、上記構造体エッチング工程の前に行ってもよい。すなわち、図8において、図示点線の構造体エッチング工程を実施せずに、基板上構造形成工程の後に直ちに動作特性検査工程(代表値測定)を実施し、後に行われる構造体エッチング工程による周波数調整プロセスにおける表面エッチングの時間やエッチングガスの流量を設定する。
上記図5乃至図7に示す処理装置或いはこれらの適宜に組み合わせた処理装置を用いて構造体エッチング工程を実施する場合においても、上記の図8に示す方法とは異なり、図9に示すように構造体エッチング工程の実施時において各MEMSチップ30内のMEMS構造体20の動作特性を検出することが可能である。ただし、この場合、MEMSウエハ40には各MEMSチップ30を並列に接続するダミー配線(図示せず。たとえば、MEMSチップ30を分割する際に失われる領域、或いは、断線する領域に形成し、完成したMEMSチップ30においては機能を有しない配線)を設けておき、当該ダミー配線に接続された共通端子をプローブ36及び配線37を介して検査装置38に接続する。この場合、検査装置38において測定される動作特性は、たとえば、周波数特性としての周波数(f)と挿入損失(IL)のグラフで表すと、図10(a)に示すように複数の共振点を示すものとなる。このとき、図11に示すようにMEMSウエハ40内の動作特性(共振周波数)の分布を緩和するように構造体エッチング工程を実施することにより、周波数特性のばらつきが低減され、図10(b)に示すような周波数特性を得ることが可能になる。
また、上記ダミー配線を各MEMS構造体20にそれぞれ対応させて設け、これらのダミー配線の組をMEMSウエハ40の一部領域(例えば外周部等の廃棄予定領域)にそれぞれ引き出し、当該一部領域にダミー配線の各組に対応する複数の端子が配列されてなる端子群を形成してもよい。この場合には、当該端子群に対応するプローブ群を備えた検査ヘッドを設け、この検査ヘッドを上記検査装置38に接続することで、複数のMEMS構造体20について個々に独立して検査を行うことが可能になる。
以上説明した動作特性検査工程の検査方法では、MEMS構造体20が本来的な動作状態にあるときの動作特性を検査しているが、本発明はこのような検査方法に限定されるものではない。たとえば、図12に示すように、可動電極22Aの可動部22Mの下方に固定電極21Aを配置するだけでなく、当該可動部22Mの側方にも補助電極21Sを設けておく。そして、動作特性検査工程では可動電極22Aと補助電極21Sとの間に電圧を印加して可動部22Mを水平方向Xに振動させ、これによって可動部22Mの周波数特性を測定してもよい。この場合、動作特性検査工程における可動部22Mの振動モード(水平方向Xに振動するモード)と、実際のMEMSデバイスの動作時における可動部22Mの振動モード(垂直方向Zに振動するモード)とは異なるものとなるが、両振動モードの相対的関係が予め把握されていれば、MEMS構造体20の動作特性と関連する他の値を測定することで、動作特性の検査を支障なく行うことができる。
また、動作特性検査工程における検査方法としては、たとえば、MEMSデバイスに外部より振動を加えることでMEMS構造体20の可動部22Mを機械的に振動させ、このときのMEMS構造体20における固定電極21Aと可動電極22Aの間の静電容量を測定するなど、MEMS構造体20の実際の動作時とは異なる駆動方法で可動部22Mを動作させるようにしてもよい。
以上述べたように本実施形態によれば、基板上構造形成工程においてMEMS構造体20の周囲が外部と通気状態を有するように構成した後に、MEMS構造体20の周囲(空洞部20C)にエッチングガスEGを供給してその表面エッチングを行うことにより、MEMS構造体20の構造寸法を広い範囲で調整できるとともに、上記表面エッチングは気相で行われるため、微細で複雑な構造を有するMEMS構造体20でもより均一にエッチングすることができることから、エッチングによるMEMS構造体の動作上の弊害の発生を回避することができ、たとえば、部分的な構造寸法の調整に起因する振動モードの変化など、動作態様の変動を防止することができる。
特に、MEMS構造体20に動作可能な可動部22Mが設けられている場合には、当該可動部22Mは基板10上においてより広い表面積を有する構造、たとえば、図示例では表裏が共に露出した構造となっている場合が多いことから、気相で行われる表面エッチングにより効率的かつ均一に構造寸法を調整することが可能になる。また、気相エッチングを用いるので、空洞部20C内に配置されるMEMS構造体20に対する表面エッチングであっても、エッチングの均一性やばらつきを招き難くなるという利点がある。
また、本実施形態では、MEMS構造体20の動作特性に関する検査を行い、その検査結果を基準値と比較してさらに表面エッチングを実施するか否かを判定する動作特性検査工程を有するので、基板上構造形成工程において形成されたMEMS構造体の構造寸法に応じて基準値に対応する許容範囲内の動作特性を有するMEMSデバイスを製造できる。また、MEMS構造体20は空洞部20C内に配置されるので、外部より視認してエッチング状態を直接確認することが困難であるが、本実施形態では動作特性検査工程を設けることで、表面エッチングによる効果を特性面より確認できるという利点がある。
さらに、本実施形態では、MEMS構造体20が動作可能な可動部22Mを備え、動作特性検査工程では可動部22Mを動作させた状態で検査が行われるので、可動部22Mを動作させずに上記動作特性を検査する場合に比べて、可動部22Mを有するMEMS構造体の動作特性を確実かつ高精度に検査することができる。
また、本実施形態では、MEMS構造体20をシリコン層で構成することで一般的な半導体製造技術を用いてデバイスを形成できるから、製造コストの低減、デバイスの小型化、性能の向上などを図ることができる。
さらに、MEMS構造体20の表面エッチングを行うためのエッチングガスEGがXeFであることにより、XeFによるシリコン層のエッチングは等方性エッチングであるので、MEMS構造体20の露出表面を均一にエッチングすることができることから、動作態様の変化をさらに低減することが可能になる。さらに、XeFによれば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミニウムに対するエッチングレートが極めて小さいので、半導体製造技術において犠牲層、層間絶縁膜、リリースエッチングに対するエッチングストップ層、配線層、電極層に用いられる上記の材料をエッチングする虞がないため、表面エッチングによる障害を考慮せずにプロセス設計を行うことができ、表面エッチングの時間その他の条件を広い範囲で設定することが可能になる。
ただし、本実施形態のエッチングガスEGとしては、Cl、ClとHBrの混合ガス、ClとOの混合ガス、CFとOの混合ガス、SF、ClとNの混合ガス、ClとHClの混合ガス、HBrとClとSFの混合ガス、C、CBrF、SiClとClの混合ガス、SFとNとArの混合ガス、BClとClとArの混合ガスなどを用いることも可能である。
また、MEMS構造体20が窒化シリコン(Si)で構成される場合には、エッチングガスとして、CF、CFとOの混合ガス、CFとHの混合ガス、CHFとOの混合ガス、C、CHFとOとCOの混合ガス、CHとCFの混合ガスなどを用いることができる。
さらに、MEMS構造体20が酸化シリコン(SiO)で構成される場合には、エッチングガスとして、CF、CとOとArの混合ガス、CとOとArの混合ガス、CとOとArの混合ガス、CとCOの混合ガス、CHFとOの混合ガス、CFとHの混合ガスなどを用いることができる。
また、MEMS構造体20がアルミニウム(Al)で構成される場合には、エッチングガスとして、BClとClの混合ガス、BClとCHFとClの混合ガス、BClとCHとClの混合ガス、BとBrとClの混合ガス、BClとClとNの混合ガス、SiOとClの混合ガスなどを用いることができる。
さらに、MEMS構造体20が銅(Cu)で構成される場合には、エッチングガスとして、Cl、SiClとClとNとNHの混合ガス、SiClとArとNの混合ガス、BClとSiClとNとArの混合ガス、BClとNとArの混合ガスなどを用いることができる。
そして、MEMS構造体20が有機材料(フォトレジスト、ポリイミド樹脂など)で構成される場合には、エッチングガスとして、プラズマアッシングを用いる場合にOプラズマを用いることができる。
また、本実施形態では、動作特性検査工程は構造体エッチング工程中に表面エッチングと並行して行われ、動作特性が基準値と対応する許容範囲に該当したときに表面エッチングを停止することにより、構造体エッチング工程が気相エッチングを用いて行われることからリアルタイムで動作特性を検査することができ、そして、動作特性を検査して許容範囲に該当したときに表面エッチングを停止することで、動作特性をより精密に調整することが可能になる。また、MEMS構造体20が可動部22Mを備えるため、気相エッチング中に可動部22Mを動作させることでエッチングガスが攪拌され、可動部22Mに対する表面エッチングの均一性や狭隘部として構成されている部分、すなわち、狭い間隔で対向する、固定電極21Aの表面及び可動部22Mの固定電極21Aと対向する面のエッチングレートがさらに高まるという利点もある。その上、表面エッチングが行われている間は常時可動部が振動しているようにすることで、エッチングレートの再現性がより向上する。特に、本実施形態では、MEMS構造体20が空洞部20C内に配置されることで外部より表面エッチングの程度を視認等により直接確認することが困難であるが、表面エッチング中にリアルタイムで動作特性の検査を行うことによりエッチング状態の精密な制御が可能になる点で大きな意義を有する。
また、本実施形態では、MEMSデバイスはMEMS構造体20の可動部22Mを振動させるMEMS振動子であり、動作特性は周波数特性であるため、構造体エッチング工程において可動部22Mを振動させる場合には、エッチングガスの攪拌作用をさらに高めることができるという利点がある。
さらに、本実施形態では、蓋体15Yの開口15aを通してエッチングガスEGを空洞部20Cの内部に導入することで、支障なく構造体エッチング工程を実施できると共に、開口閉鎖工程により蓋体15Yの開口15aを閉鎖することで、MEMS構造体20が収容される空洞部20Cを密閉することができる。したがって、通常の半導体製造プロセスのようにウエハ単位で複数のチップを加工した後にチップを分割する製造方法を採用する場合には、MEMS構造体20の封止をウエハ単位で行うことができ、チップ単位での封止作業を省略することができる。
尚、本発明のMEMSデバイスの製造方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。たとえば、上記実施形態ではMEMSデバイスとしてMEMS振動子を例に説明したが、本発明のMEMSデバイスとしては、マイクロアクチュエータ、圧力センサ、加速度センサ、マイクロミラーデバイス、マイクロスイッチ、インクジェットヘッドなどの各種のMEMSデバイスに適用することができる。
実施形態のMEMSデバイスの製造方法を模式的に示す概略工程断面図(a)〜(c)。 実施形態のMEMSデバイスの製造方法を模式的に示す概略工程断面図(a)及び(c)。 実施形態のMEMS構造体の平面図。 実施形態の構造体エッチング工程の一例の様子を模式的に示す概略斜視図。 実施形態の構造体エッチング工程の他の例の様子を模式的に示す概略斜視図。 実施形態の構造体エッチング工程の別の例の様子を模式的に示す概略斜視図。 実施形態の構造体エッチング工程のさらに別の例の様子を模式的に示す概略斜視図。 実施形態の調整プロセスの手順の一例を示す概略フローチャート。 実施形態の動作特性検査工程の一例の様子を示す概略図。 実施形態の挿入損失の周波数特性の測定結果を示すグラフ(a)及び(b)。 実施形態の動作特性のウエハ上の分布を示すグラフ。 実施形態のMEMS構造体の他の構成例を示す概略斜視図。
10…基板、11…下地層、12、14…層間絶縁膜(第2の犠牲層)、13、15…配線層、13X、15X…周囲壁、15Y…蓋体、15a…開口、16…絶縁膜、17…保護膜、18…封止層、20…MEMS構造体、20C…空洞部、21…下層パターン、21A…固定電極、22…上層パターン、22A…可動電極、22M…可動部、23…第1の犠牲層、30…MEMSチップ、31、41…支持台、32…チャンバー、33…ガス供給管、33a…ノズル、34…排気管、35…排気装置、36…プローブ、37…配線、38…検査装置、40…MEMSウエハ

Claims (8)

  1. 基板上に、MEMS構造体と、該MEMS構造体の周囲に外部に開口した空洞部を有する被覆構造とを形成する基板上構造形成工程と、
    その後、外部より前記MEMS構造体の周囲にエッチングガスを供給して前記MEMS構造体の表面エッチングを気相で行う構造体エッチング工程と、
    を具備することを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
  2. 前記基板上構造形成工程の後に、前記MEMS構造体の動作特性に関する検査を行い、その検査結果を基準値と比較してさらに前記表面エッチングを実施するか否かを判定する動作特性検査工程をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のMEMS構造体の製造方法。
  3. 前記MEMS構造体は動作可能な可動部を備え、前記動作特性検査工程では前記可動部を動作させた状態で前記検査が行われることを特徴とする請求項2に記載のMEMS構造体の製造方法。
  4. 前記MEMS構造体はシリコン層により構成され、前記エッチングガスはXeFであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  5. 前記動作特性検査工程は前記構造体エッチング工程中に前記表面エッチングと並行して行われ、前記動作特性が前記基準値に対応する範囲に該当したときに前記表面エッチングを停止することを特徴とする請求項2又は3に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  6. 前記MEMSデバイスは前記MEMS構造体の前記可動部を振動させるMEMS振動子であり、前記動作特性は周波数特性であることを特徴とする請求項2、3又は5に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  7. 前記動作特性検査工程は前記構造体エッチング工程中に前記表面エッチングと並行して前記可動部を常時振動させて行われ、前記動作特性が前記基準値に対応する範囲に該当したときに前記表面エッチングを停止することを特徴とする請求項6に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  8. 前記基板上構造形成工程は、前記基板上に第1の犠牲層とともにMEMS構造体を形成する段階と、前記MEMS構造体の上方に前記被覆構造の少なくとも一部を構成する第2の犠牲層を形成する段階と、第2の犠牲層上に開口を備えた蓋体を形成する段階と、該蓋体の前記開口を通して前記第1の犠牲層及び前記第2の犠牲層を除去し、前記MEMS構造体を解放するとともに前記MEMS構造体の周囲に前記空洞部を形成する段階と、を含み、
    前記構造体エッチング工程は、前記蓋体の前記開口を通して前記エッチングガスを前記空洞部の内部に導入して行われ、
    前記構造体エッチング工程の後に、前記蓋体の前記開口を閉鎖する開口閉鎖工程を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のMEMSデバイスの製造方法。
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