JP2010159883A - 変速伝動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラクタによる作業走行に好適な変速伝動装置を構造簡単に得る。
【解決手段】無段変速装置10の出力とエンジン駆動力を合成する遊星伝動部P、遊星伝動部Pから入力されるクラッチ部C、クラッチ部Cに連動された出力軸41を備えるとともに、無段変速装置10が変速操作され、かつ、クラッチ部Cの第1及び第2クラッチC1,C2が切り換え操作されることにより、無段変速装置10の変速状態、各クラッチC1,C2の操作状態に対応した回転速度の出力を出力する主変速装置Bを備え、主変速装置Bの出力軸41からの駆動力を変速して出力する副変速装置20を備えている。4段階の速度レンジに段階分けして副変速装置20から出力されるように、第1及び第2クラッチC1,C2を切り換え制御し、副変速装置20及び無段変速装置10を変速制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変速伝動装置、詳しくは、エンジンからの駆動力を無段変速装置、遊星伝動機構、クラッチを利用して無段階に変速する変速伝動装置に関する。
エンジンからの駆動力を無段変速装置、遊星伝動機構、クラッチを利用して無段階に変速する変速伝動装置として、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。
特許文献1に示されるものは、エンジン1からの駆動力が第1ギアホイールトランスミッション3を介して入力される油圧ユニット4(無段変速装置に相当)、この油圧ユニット4からの出力が第2ギアホイールトランスミッション5、第1入力シャフト6を介して入力され、かつ、エンジン1からの油圧ユニット4を介さない駆動力が第3ギアホイールトランスミッション7、第2入力シャフト8を介して入力されるサマター遊星ギヤ10、このサマター遊星ギヤ10からクラッチK1,K2を介して伝動される第1遊星ギヤステップ12及び第2遊星ギヤステップ13、遊星キャリアシャフト25に連結され、かつ、遊星キャリアシャフト25又は太陽ホイールシャフト30にクラッチK3,K4を介して連結される出力シャフト14を備えている。サマター遊星ギヤ10は、第1太陽ホイール20を有した第1遊星系、第2太陽ホイール23を有した第2遊星系を備え、第1遊星ギヤステップ12は、クラッチKRを備え、第2遊星ギヤステップ13は、クラッチKVを備え、油圧ユニット4が変速操作され、各クラッチKV,KR,K1、K2,K3,K4が適切に操作されることにより、エンジン駆動力が4段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各速度段階において無段階に変速するものである。
U.S.P.5,911,645(第3−6欄、図1−3)
上記した従来の変速装置を採用した場合、遊星伝動機構及びクラッチを数多く備える必要があり、構造面で不利になりがちであった。
本発明の目的は、効率よく動力伝達できるように無段変速装置、遊星伝動機構、クラッチを利用するものでありながら、かつ、複数段階の速度レンジに段階分けして、各速度レンジにおいて無段変速することができるものでありながら、構造面などで有利に得ることができ、さらには、変速形態を容易に変更することができる変速伝動装置を提供することにある。
本第1発明による変速伝動装置にあっては、
エンジン駆動力が入力される無段変速装置、前記無段変速装置からの出力と、前記無段変速装置による変速作用を受けないエンジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によって合成する遊星伝動部、前記遊星伝動部から入力されるとともに第1クラッチ及び第2クラッチを備えたクラッチ部、前記クラッチ部に連動された出力軸を備えるとともに、前記無段変速装置が変速操作され、かつ、前記各クラッチが入り状態と切り状態に切り換え操作されることにより、無段変速装置の変速状態、各クラッチの操作状態に対応した回転速度の出力を前記出力軸から出力する主変速装置を備え、
前記主変速装置の前記出力軸からの駆動力を変速して出力する副変速装置を備えてある。
すなわち、たとえば副変速装置として高速と低速の2段階に変速可能な副変速装置を採用し、副変速装置を低速状態又は高速状態に固定して無段変速装置が変速操作されると、図4に示す如き無段変速装置の速度状態と、副変速装置の出力速度との関係が現出される。図4に実線で示す関係は、副変速装置を低速状態に固定した場合の関係であり、図4に破線で示す関係は、副変速装置を高速状態に固定した場合の関係であり、2段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各速度レンジにおいて無段階に変速した変速が行われ、副変速装置を高速状態に固定した場合における各速度レンジでの出力速度が、副変速装置を低速状態に固定した場合におけるそれよりも高速になった変速が行われる。
また、副変速装置として高速と低速の2段階に変速可能な副変速装置を採用し、無段変速装置の変速範囲の中間で副変速装置を変速操作させることにより、図5に示す如き無段変速装置の速度状態と、副変速装置の出力速度との関係が現出されるようにできる。すなわち、4段階の速度レンジに段階分けされるとともに各速度レンジ間で連続した、かつ、各速度レンジにおいて無段階に変速した変速が行われるようにできる。
従って、本第1発明によると、無段変速装置からの出力と、無段変速装置による変速作用を受けないエンジンン駆動力を遊星伝動部によって合成することによって効率よく動力伝達することができ、かつ、複数段階の速度レンジに段階分けして、各速度レンジにおいて無段変速することができるものでありながら、複数対の遊星伝動機構を備えるとともに、クラッチ部には2つのクラッチを設けるだけで済むように構造の簡略化を行い、安価に得ることができる。
そして、副変速装置を所定の変速状態に固定したり、無段変速装置の変速に連係させて変速したりするように副変速装置を適切に使用することにより、速度レンジの段数が異なった状態の変速や、速度レンジの段数が変化せず、各速度レンジでの変速操作位置に対応する出力速度が変化した状態の変速が行われるようになり、駆動負荷に応じた適切な出力速度を得るように有利に使用することができる。
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、
前記主変速装置に、前記無段変速装置による変速作用を受けないエンジン駆動力を前記遊星伝動部に伝達する伝動軸に相対回転自在に外嵌させた伝動筒軸を備えさせ、
前記遊星伝動部の伝動方向下手側の遊星伝動機構のサンギヤと、前記第2クラッチの入力側回転部材とを前記伝動筒軸に一体回転自在に支持させ、
前記第1クラッチの入力側回転部材を、前記第2クラッチの入力側回転部材と前記伝動軸の軸芯に沿う方向に並べて前記伝動筒軸に相対回転自在に支持させるとともに、前記第1クラッチの入力側回転部材に前記遊星伝動部の伝動方向下手側の遊星伝動機構のリング
ギヤを連動させる連動部材を、前記第1クラッチと前記遊星伝動部との間を通る状態に配置してある。
第1クラッチや第2クラッチを、クラッチに内装の油圧ピストンによって切り換え操作されるように油圧ピストンにした場合、クラッチの外径が大きくなるほど、発生する遠心力が作動油に及ぼす影響が大になってクラッチの切り換え操作がスムーズに行われにくくなる。
本第2発明の構成によれば、第1及び第2クラッチを伝動軸の軸芯に沿う方向に一列に並んだ状態に配置しても、第1クラッチの入力側回転部材が前記伝動部材によって遊星伝
動部の伝動下手側の遊星伝動機構のリングギヤに連動され、第2クラッチの入力側回転部材が伝動筒軸によって遊星伝動部の伝動下手側の遊星伝動機構のサンギヤに連動され、無段変速装置、各クラッチが適切に操作されることによってエンジン駆動力が所定の回転速度に変速されて出力軸から出力されるように、遊星伝動部からの合成駆動力をクラッチ部に連動させることができる。
従って、本第2発明によると、第1クラッチと第2クラッチを伝動軸の軸芯に沿う方向に一列に並んだ配置状態にして、各クラッチに発生する遠心力が同一又はそれに近い値の遠心力になるように、かつ、極力小さな遠心力になるように各クラッチの外径を同一またはほぼ同一で、かつ、極力小さい外径にし、各クラッチを油圧クラッチにしたとしても、クラッチによっては遠心力のために切り換わりにくくなるなど、遠心力に起因したトラブルが発生しにくくてスムーズに変速作動する状態に得ることができる。
本第3発明にあっては、本第2発明の構成において、
前記伝動軸に相対回転自在に外嵌した出力用の伝動回転体を設け、
前記第1クラッチの出力側回転部材と前記第2クラッチの出力側回転部材とを一体形成し、第2クラッチの出力側回転部材の係止連動部に一端側が一体回動自在に係止され、他端側が前記伝動回転体に連結されて第1クラッチ及び第2クラッチの出力側回転部材を前記伝動回転体に連動させている伝動部材を備えてある。
すなわち、第1クラッチの出力側回転部材と第2クラッチの出力側回転部材を一体部材に製作しながら、出力側回転部材と伝動部材を係止連動部で分離させて、第1及び第2クラッチと、伝動部材を別々に伝動筒軸と伝動回転体に組み付けても、第1及び第2クラッチ、伝動部材の伝動筒軸に対する組み付けを完了した状態では、出力側回転部材と伝動部材が係止連動部で係止し合って第1及び第2ラッチの出力側回転部材が伝動回転体に連動された組み立て状態を得ることができる。
従って、本第3発明によると、第1クラッチと第2クラッチの出力側回転部材を一体部材に製作して安価に得ることができるものでありながら、第1及び第2クラッチと伝動部材を別々に伝動軸に組み付けるという組み付け方法を採用して容易にかつ能率よく組み立て作業を行うことができる。
本第4発明は、本第1〜第3発明のいずれか一つの構成において、前記無段変速装置が
変速操作され、前記第1及び第2クラッチが切り換え操作され、前記副変速装置が変速操
作されることにより、4段階の速度レンジに段階分けされるとともに各速度レンジ間で連続した、かつ、各速度レンジにおいて無段階に変速した出力が前記副変速装置から出力されるように構成してある。
すなわち、無段変速装置を変速操作するに伴い、第1及び第2クラッチと副変速装置を
適切に人為的にあるいは自動的に切り換え操作させることにより、エンジンからの駆動力が4段階の速度レンジに段階分けするとともに各速度レンジ間で連続して、かつ、各速度レンジにおいて無段階に変速した出力が副変速装置から出力されるものである。
従って、本第4発明によると、エンジン駆動力が幅広い変速範囲にわたって無段階に変速して出力され、駆動負荷の変化幅が広くても、駆動負荷に応じた適切な高速や高トルクの出力を現出させて有利に使用することができる。
トラクタの走行用伝動装置の線図である。 遊星伝動部、クラッチ部の断面図である。 変速制御のブロック図である。 低速モード及び高速モードでの無段変速装置の変速状態と、速度レンジと、副変速出力との関係を示す説明図である。 多段モードでの無段変速装置の変速状態と、速度レンジと、副変速出力との関係を示す説明図である。 速度レンジと、各クラッチの操作状態との関係を示す説明図である。 別の実施形態を備えた変速伝動装置での無段変速装置の変速状態と、速度レンジと、副変速出力との関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、エンジン1の出力軸1aから出力されるエンジン駆動力が主クラッチ2を介して変速伝動装置Aの入力軸としてのポンプ軸11に入力され、この変速伝動装置Aの出力軸21からの出力が前後進切り換え装置30の入力軸31に伝達され、この前後進切り換え装置30の出力軸32からの出力が後輪差動機構3に伝達されるように構成し、前記前後進切り換え装置30の出力軸32からの出力が前輪動力取り出し軸4及び伝動軸5を介して前輪差動機構6に伝達されるように構成して、トラクタの走行用伝動装置を構成してある。
尚、図1に示す7は、トラクタに連結されたロータリ耕耘装置などの各種の作業装置にエンジン駆動力を伝達するものである。この動力取り出し軸7には、エンジン1からの駆動力が前記ポンプ軸11からギヤ伝動機構8及び作業クラッチ9を介して伝達される。
図1に示すように、前記変速伝動装置Aは、前記ポンプ軸11を備えた無段変速装置10、この無段変速装置10のポンプ軸11及びモータ軸12から入力される主変速装置B、この主変速装置Bから入力されるとともに前記出力軸21を備えた副変速装置20を備えて構成してある。
前記無段変速装置10は、前記ポンプ軸11を備えた可変容量形のアキシャルプランジャ形油圧ポンプ13、この油圧ポンプ13からの圧油によって駆動されるとともに前記モータ軸12を備えたアキシャルプランジャ形の油圧モータ14を備えて成る静油圧式無段変速装置に構成してある。
従って、この無段変速装置10は、油圧ポンプ13の斜板角変更が行われることにより、エンジン1からの駆動力を正回転方向の駆動力に変換するとともに無段階に変速してモータ軸12から出力する正回転伝動状態と、エンジン1からの駆動力を逆回転方向の駆動力に変換するとともに無段階に変速してモータ軸12から出力する逆回転伝動状態と、油圧モータ14の駆動を停止してモータ軸12からの出力を停止する中立状態とに切り換わる。
図1に示すように、主変速装置Bは、前記無段変速装置10のポンプ軸11及びモータ軸12から入力されるとともに第1遊星伝動機構P1、第2遊星伝動機構P2、第3遊星伝動機構P3を備えた遊星伝動部P、この遊星伝動部Pから入力されるとともに第1クラッチC1、第2クラッチC2を備えたクラッチ部C、このクラッチ部Cに連動された出力軸41を有した出力伝動機構40を備えて構成してある。第1遊星伝動機構P1、第2遊星伝動機構P2、第3遊星伝動機構P3は、第1遊星伝動機構P1が遊星伝動部Pの伝動
方向での最も上手側に位置し、第3遊星伝動機構P3が遊星伝動部Pの伝動方向での最も下手側に位置するように配置されている。
図2に明示するように、遊星伝動部Pの第1遊星伝動機構P1は、サンギヤ51、このサンギヤ51の周囲に分散して位置する複数個の遊星ギヤ52、各遊星ギヤ52を自転回動自在に支持するキャリヤ53、各遊星ギヤ52に噛合ったリングギヤ54を備えて構成してある。この第1遊星伝動機構P1のサンギヤ51は、無段変速装置10のモータ軸12からの出力が第1入力軸101などによって入力される。図1に示すように、この第1遊星伝動機構P1のリングギヤ54は、無段変速装置10のポンプ軸11から第2入力軸102によって取り出された駆動力が伝動軸103などによって入力される。
図2に明示するように、遊星伝動部Pの第2遊星伝動機構P2は、サンギヤ61、サンギヤ61の周囲に分散して位置する複数個の遊星ギヤ62、各遊星ギヤ62を自転回動自在に支持するキャリヤ63、各遊星ギヤ62にかみ合ったリングギヤ64を備えて構成してある。図1に示すように、この第2遊星伝動機構P2のキャリヤ63は、無段変速装置10のポンプ軸11から第2入力軸102によって取り出された駆動力が伝動軸103などによって入力される。
図2に明示するように、遊星伝動部Pの第3遊星伝動機構P3は、サンギヤ71、このサンギヤ71の周囲に分散して位置する複数個の遊星ギヤ72、各遊星ギヤ72を自転回動自在に支持するキャリヤ73、各遊星ギヤ72に噛合ったリングギヤ74を備えて構成してある。
図2に明示するように、第1遊星伝動機構P1のキャリヤ53と、第2遊星伝動機構P2のリングギヤ64と、第3遊星伝動機構P3のキャリヤ73とは、各キャリヤ53,73及びリングギヤ64の外周側に係合した円筒状の連動部材104によって一体回転自在に連動されている。第1遊星伝動機構P1のリングギヤ54と、第2遊星伝動機構P2のキャリヤ63とは、一体回転自在に連動されている。第2遊星伝動機構P2のサンギヤ61は、伝動筒軸105の端部にスプライン係合によって一体回転自在な状態で支持され、第3遊星伝動機構P3のサンギヤ71は、前記伝動筒軸105の中間部に一体形成されており、第2遊星伝動機構P2のサンギヤ61と、第3遊星伝動機構P3のサンギヤ71とは、伝動筒軸105によって一体回転自在に連動されている。
図2に明示するように、クラッチ部Cの第1クラッチC1は、第3遊星伝動機構P3のリングギヤ74に円板状の連動部材106によって連動された筒状の入力側回転部材81、この入力側回転部材81の外周囲に位置する筒状の出力側回転部材82、入力側回転部材81と出力側回転部材82の間に設けた多板式の摩擦クラッチ機構83を備えて構成してある。
これにより、第1クラッチC1は、摩擦クラッチ機構83が入り切り操作されることにより、第3遊星伝動機構P3のリングギヤ74と出力側回転部材82が一体回転自在に連動するように入力側回転部材81と出力側回転部材82とを摩擦クラッチ機構83によって一体回転自在に摩擦連動させた入り状態と、第3遊星伝動機構P3のリングギヤ74と出力側回転部材82が相対回転するように入力側回転部材81と出力側回転部材82の連動を絶った切り状態とに切り換わる。
図2に明示するように、クラッチ部Cの第2クラッチC2は、第2遊星伝動機構P2及び第3遊星伝動機構P3のサンギヤ61,71に前記連動筒軸105によって一体回転自在に連動された筒状の入力側回転部材91、この入力側回転部材91の外周囲に位置する筒状の出力側回転部材92、入力側回転部材91と出力側回転部材92の間に設けた多板式の摩擦クラッチ機構93を備えて構成してある。これにより、第2クラッチC2は、摩擦クラッチ機構93が入り切り操作されることにより、第2遊星伝動機構P2及び第3遊星伝動機構P3のサンギヤ61,71と出力側回転部材92が一体回転自在に連動するように入力側回転部材91と出力側回転部材92を摩擦クラッチ機構93によって一体回転自在に摩擦連動させた入り状態と、第2遊星伝動機構P2及び第3遊星伝動機構P3のサンギヤ61,71と出力側回転部材92が相対回転するように入力側回転部材91と出力側回転部材92の連動を絶った切り状態とに切り換わる。
出力軸41は、この出力軸41に一体回転自在に設けた伝動ギヤ42、この伝動ギヤ42に噛合った伝動ギヤ43、この伝動ギヤ43が一端側にスプライン係合によって一体回転自在に連結している筒形の伝動回転体44、この伝動回転体44の他端側にスプライン係合によって一体回動自在に連結している円板状の伝動部材45を介して前記第2クラッチC2の出力側回転体92に連動されている。第2クラッチC2の出力側回転体92は、第1クラッチC1の出力側回転部材82と一体形成されており、出力軸41は、第1クラッチC1の出力側回転部材82にも連動されている。
これにより、主変速装置Bは、エンジン1から無段変速装置10のポンプ軸11に入力され、この無段変速装置10によって正回転方向や逆回転方向の駆動力に変換するとともに正回転方向においても逆回転方向においても無段階に変速してモータ軸12から出力された駆動力を第1入力軸101などによって遊星伝動部Pの第1遊星伝動機構P1のサンギヤ51に入力し、無段変速装置10による変速作用を受けないエンジン駆動力を無段変速装置10のポンプ軸11から第2入力軸102によって取り出して伝動軸103などによって遊星伝動部Pの第1遊星伝動機構P1のリングギヤ54及び第2遊星伝動機構P2のキャリヤ63に入力し、無段変速装置10による変速作用を受けた駆動力と、無段変速装置10による変速作用を受けていない駆動力とを遊星伝動部Pの第1遊星伝動機構P1、第2遊星伝動機構P2、第3遊星伝動機構P3によって合成し、遊星伝動部Pからの合成駆動力をクラッチ部Cから出力伝動機構40に伝達して出力軸41から副変速装置20の入力軸22に伝達する。
つまり、主変速装置Bは、無段変速装置10が変速操作され、かつ、各クラッチC1,C2が入り状態と切り状態に適切に切り換え操作されることにより、無段変速装置10の変速状態、各クラッチC1,C2の操作状態に対応した回転速度の出力を出力軸41から出力し、この出力を副変速装置20の入力軸22に伝達する。
図1に示すように、前記副変速装置20は、前記入力軸22に回転伝動体23を介して入力側回転部材が連動された低速クラッチCL及び高速クラッチCH、前記低速クラッチCLの出力側回転部材を前記出力軸21に連動させている低速伝動ギヤ機構24、前記高速クラッチCHの出力側回転部材を前記出力軸21に連動させている高速伝動ギヤ機構25を備えて構成してある。
これにより、低速クラッチCLが入り状態に操作されることにより、副変速装置20は、主変速装置Bの出力軸41からの出力を低速クラッチCL及び低速伝動ギヤ機構24を介して出力軸21に伝達し、この出力軸21から前後進切り換え装置30に伝達するように低速状態になる。高速クラッチCHが入り状態に操作されることにより、副変速装置20は、主変速装置Bの出力軸41からの出力を高速クラッチCH及び高速伝動ギヤ機構25を介して出力軸21に伝達し、この出力軸21から前後進切り換え装置30に伝達するように高速状態になる。副変速装置20は、主変速装置Bの出力軸41の回転速度が同一であっても、高速状態にある場合には、低速状態にある場合よりも出力軸21を高速回転させるようにして、入力軸22から出力軸21に伝動する。
図3に示すように、無段変速装置10、第1クラッチC1、第2クラッチC2、副変速装置20の低速クラッチCL及び高速クラッチCHに制御手段110を連係させるとともに、この制御手段110には、変速レバー111の操作位置を検出する変速検出センサ112、及び、変速モード選択手段113を連係させてある。
変速モード選択手段113は、低速位置、高速位置、多段位置の3つの操作位置に切り換え自在な切り換えスイッチで成り、低速位置に切り換え操作されると、制御手段110による変速制御を低速モードで実行させるための低速モード指令を制御手段110に出力し、高速位置に切り換え操作されると、制御手段110による変速制御を高速モードで実行させるための高速モード指令を制御手段110に出力し、多段位置に切り換え操作されると、制御手段110による変速制御を多段モードで実行させるための多段モード指令を制御手段110に出力する。
制御手段110は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、変速レバー111の操作位置、及び、変速モード選択手段113からの指令に対応した回転速度の駆動力が副変速装置20から出力されるように、変速検出センサ112による検出情報、変速モード選択手段113による指令を基に、無段変速装置10を変速操作し、かつ、クラッチ部Cの第1クラッチC1及び第2クラッチC2を切り換え操作し、さらに、副変速装置20を変速操作する。
つまり、変速モード選択手段113を低速位置に操作しておいて、変速レバー111を揺動操作すると、図6の低速モード欄に示す如く第1クラッチC1、第2クラッチC2、低速クラッチCL、高速クラッチCHが切り換え操作され、図4に実線で示す如く副変速出力が変速される。
すなわち、制御手段110は、変速モード選択手段113からの低速モード指令を基に、低速クラッチCLを入り状態に切り換え操作し、副変速装置20を低速状態に変速するとともに変速レバー111の位置変化にかかわらず低速状態に固定する。そして、変速レバー111が中立位置Nから最高速位置maxに向けて操作されるに伴い、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に、無段変速装置10を逆回転伝動状態の最高速度−max(以下、逆転MAXと称する。)から正回転伝動状態の最高速度+max(以下、正転MAXと称する。)に向けて変速操作する。このとき、制御手段110は第1クラッチC1を入り状態に操作していて、主変速装置Bが1速レンジになり、無段
変速装置10が正転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。無段変速装置10が正転MAXに到達すると、この後、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に無段変速装置10を正転MAXから逆転MAXに向けて変速操作する。このとき、制御手段110は第2クラッチC2を入り状態に切り換え操作していて、主変速装置Bが2速レンジになり、無段変速装置10が逆転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。
変速モード選択手段113を高速位置に操作しておいて、変速レバー111を揺動操作すると、図6の高速モード欄に示す如く第1クラッチC1、第2クラッチC2、低速クラ
ッチCL、高速クラッチCHが切り換え操作され、図4に破線で示す如く副変速出力が変速される。
すなわち、制御手段110は、変速モード選択手段113からの高速モード指令を基に、高速クラッチCHを入り状態に切り換え操作し、副変速装置20を高速状態に変速するとともに変速レバー111の位置変化にかかわらず高速状態に固定する。そして、変速レバー111が中立位置Nから最高速位置maxに向けて操作されるに伴い、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に、無段変速装置10を逆転MAXから正転MAXに向けて変速操作する。このとき、制御手段110は第1クラッチC1を入り
状態に操作していて、主変速装置Bが1速レンジになり、無段変速装置10が正転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。無段変速装置10が正転MAXに到達すると、この後、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に、無段変速装置10を正転MAXから逆転MAXに向けて変速操作する。このとき、制御手段110は第2クラッチC2を入り状態に切り換え操作していて、主変速装置Bが2速レンジになり、無段変速装置10が逆転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。
この高速モードでは、副変速装置20が高速状態に固定されることにより、主変速装置Bが1速レンジと2速レンジのいずれになっている場合も、副変速出力は、低速モードの場合よりも高速になる。
変速モード選択手段113を多段位置に操作しておいて、変速レバー111を揺動操作すると、図6の多段モード欄に示す如く第1クラッチC1、第2クラッチC2、低速クラ
ッチCL、高速クラッチCHが切り換え操作され、図5に示す如く副変速出力が変速される。
すなわち、変速レバー111が中立位置Nから最高速位置maxに向けて操作されるに伴い、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に無段変速装置10を逆転MAXから正転MAXに向けて変速操作する。このとき、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に低速クラッチCLを入り状態に切り換え操作する。さらに、制御手段110は第1クラッチC1を入り状態に切り換え操作していて、主変
速装置Bが1速レンジになり、無段変速装置10が正転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。無段変速装置10が正転MAXに到達して、速度レンジ切り換わり点T1になると、この後、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に無段変速装置10を正転MAXから逆転MAXに向けて変速操作する。このとき、制御手段110は低速クラッチCLを入り状態に操作している。さらに、制御手段110は第2クラッチC2を入り状態に切り換え操作していて、主変速装置Bが2速レンジになり、無段変速装置10が逆転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。変速レバー111が設定位置に到達して、速度レンジ切り換わり点T2になると、この後、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に、低速クラッチCLを切状態に、高速クラッチCHを入り状態にそれぞれ切り換え操作するとともに無段変速装置10を正転MAXに向けて変速操作する。このとき、制御手段110は、第1クラッチC1を入り状態に、第2クラッチC2を切状態にそれぞれ切り
換え操作していて、主変速装置Bが3速レンジになり、無段変速装置10が正転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。無段変速装置10が正転MAXに到達して、速度レンジ切り換わり点T3になると、この後、制御手段110は、変速検出センサ112による検出情報を基に、高速クラッチCHを入り状態に操作するとともに無段変速装置10を正転MAXから逆転MAXに向けて変速操作する。このとき、制御手段110は、第2クラッチC2を入り状態に切り換え操作していて、主変速装置Bが4速レンジになり、無段変速装置10が逆転MAXに向けて変速されるに伴って副変速出力が無段階に増速していく。
尚、制御手段110は、前記変速検出センサ112による検出情報、副変速装置20の出力速度を検出する出力検出センサ(図示せず)による検出情報、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ(図示せず)による検出情報を基に、速度レンジ切り換え点T1,T2,T3を検出する。
すなわち、図4、図5は、エンジン回転数を設定の一定回転数に維持しながら変速操作することによって現出される副変速出力と、無段変速装置10の操作状態との関係を示すものであり、エンジン1の設定回転数が変更されると、現出される副変速出力として図4、図5の縦軸で示される副変速出力全体が変動する。従って、制御手段110は、副変速装置20の出力速度を検出する出力検出センサによる検出出力速度と、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサによる検出エンジン回転数とから変速比を求め、この変速比が速度レンジ切り換わり点T2に相当した変速比になると、副変速装置20の低速クラッチCL及び高速クラッチCHの切り換え操作を行う。
また、制御手段110は、無段変速装置10の斜板角を検出する斜板角センサ(図示せず)による検出情報を基に、無段変速装置10の最高速位置+max、最低速位置−maxを検出し、速度レンジ切り換わり点T1,T3を検出する。
図5に示すように、1速レンジと2速レンジが切り換わる点T1においても、2速レンジと3速レンジが切り換わる点T2においても、3速レンジと4速レンジが切り換わる点T3においても、副変速装置20からはトルク切れがない連続した状態での出力が出力される。
尚、図6に示す「入り」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの入り状態を示し、「−」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの切り状態を示す。図4,5に示す横軸の「0」は、無段変速装置10の中立状態を示す。
図1に示すように、前記前後進切り換え装置30は、前記入力軸31に入力側回転部材が一体回転自在に連結された前進クラッチCF、前記入力軸31に入力ギヤ33が一体回転自在に連結されている後進ギヤ機構34、この後進ギヤ機構34の出力ギヤ35に入力側回転部材が一体回転自在に連結されている後進クラッチCR、前進クラッチCF及び後進クラッチCRの出力側回転部材に回転伝動体36を介して一体回転自在に連結された前記出力軸32を備えて構成してある。
つまり、前後進切り換え装置30は、前進クラッチCFが入り状態に切り換え操作されることにより、副変速装置20からの出力を前進駆動力に変換して出力軸32から後輪差動機構3及び前輪差動機構6に伝達し、後進クラッチCRが入り状態に切り換え操作されることにより、副変速装置20からの出力を後進駆動力に変換して出力軸32から後輪差動機構3及び前輪差動機構6に伝達する。
前後進切り換え装置30は、図3に示す如く前記制御手段110に連係された前後進レバー114が前進位置Fと後進位置Rに切り換え操作されることにより、前進クラッチCF及び後進クラッチCRが制御手段110によって切り換え操作されて前進状態と後進状態に切り換わる。また、前後進レバー114が中立位置Nに操作されることにより、前進クラッチCFも後進クラッチCRも切り状態に操作されて、伝動停止するように中立状態になる。
前記主変速装置Bについてさらに詳述すると、この主変速装置Bにおける前記遊星伝動部P、クラッチ部Cは、図2に示す如く構成してある。
ミッションケース120の一対の支持部121に回転自在に支持された前記伝動軸103、及び、この伝動軸103の軸芯に沿う方向に並べて伝動軸103に回転自在に外嵌された支持筒122、前記伝動筒軸105、前記伝動回転体44をミッションケース120の内部に設け、第1遊星伝動機構P1のサンギヤ51を、前記支持筒122にスプライン係合によって一体回転自在に連結した状態で支持させ、第1遊星伝動機構P1のキャリヤ53を、前記支持筒122にベアリング123を介して相対回転自在に支持させてある。前記支持筒122に伝動ギヤ124を一体回転自在に連設し、この伝動ギヤ124に噛合った伝動ギヤ125を前記第1入力軸101に一体回転自在に設けてあり、無段変速装置10のモータ軸12から出力され、前記第1入力軸101によってミッションケース120に入力された駆動力が伝動ギヤ125,124及び支持筒122によって第1遊星伝動機構P1のサンギヤ51に入力される。
第2遊星伝動機構P2のキャリヤ63を、前記支持筒122と前記伝動筒軸105の間で前記伝動軸103にスプライン係合によって一体回転自在に連結した状態で支持させてある。前記伝動軸103の端部に伝動ギヤ126をスプライン係合によって一体回転自在に係合した状態で設け、この伝動ギヤ126に噛合った伝動ギヤ127を前記第2入力軸102に一体回転自在に設けてあり、無段変速装置10のポンプ軸11から第2入力軸102によって取り出されてミッションケース120に入力されたエンジン駆動力が伝動ギヤ127,126及び伝動軸103によって第2遊星伝動機構P2のキャリヤ63、及び、第1遊星伝動機構P1のリングギヤ54に入力される。
第1クラッチC1の前記出力側回転部材82と、第2クラッチC2の前記出力側回転部材92とは、単一の部品になるように一体形成してある。第1クラッチC1及び第2クラッチC2の出力側回転部材82,92は、この出力側回転部材82,92の内部に連設された取付け筒部128を介して前記伝動筒軸105に相対回転自在に支持させてある。第1クラッチC1の前記入力側回転部材81と、第2クラッチC2の前記入力側回転部材91とは、伝動軸103の軸芯に沿う方向に並べた状態で第1クラッチC1の出力側回転部材82の内側と、第2クラッチC2の出力側回転部材92の内側とに分散させて配置してある。第1クラッチC1の入力側回転部材81は、前記伝動筒軸105にベアリング129を介して相対回転自在に支持させてある。第1クラッチC1と第3遊星伝動機構P3の間を通るように配置した円板状の前記連動部材106の一端側を第3遊星伝動機構P3のリングギヤ74に連結し、前記連動部材106の他端側を第1クラッチC1の入力側回転部材81に連結してあり、第1クラッチC1の入力側回転部材81が、前記連動部材106によって第3遊星伝動機構P3のリングギヤ74に一体回転自在に連動されている。
第2クラッチC2の入力側回転部材91は、前記伝動筒軸105の端部にスプライン係合によって一体回転自在に連結した状態で支持させてある。第2遊星伝動機構P2のサンギヤ61は、前記伝動筒軸105の端部にスプライン係合によって一体回転自在に連結しており、第3遊星伝動機構P3のサンギヤ71は、伝動筒軸105の中間部に一体形成されており、第2クラッチC2の入力側回転部材91が、伝動筒軸105によって第2遊星伝動機構P2のサンギヤ61、第3遊星伝動機構P3のサンギヤ71のそれぞれに一体回転自在に連動されている。
第1クラッチC1の出力側回転部材82と、第2ラッチC2の出力側回転部材92を、一体部品になるように一体形成してある。第2クラッチC2の出力側回転部材92の端部に、この出力側回転部材92の周方向での複数箇所に位置する係入凹部130aを備えた係止連動部130を設け、この係止連動部130の前記各係入凹部130aに外周側が係合爪によって係入するように構成した円板状の前記伝動部材45の内周側を、前記伝動回転体44の一端側にスプライン係合によって一体回転自在に連結してあり、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の出力側回転部材82,92が、前記伝動部材45によって伝動回転体44に一体回転自在に連結され、これによって出力軸41に連動されている。
前記第1クラッチC1、第2クラッチC2のそれぞれは、出力側回転部材82,92の内部に設けた油圧ピストン84,94によって入り状態と切り状態に切り換え操作されるように油圧クラッチに構成してある。前記各クラッチC1,C2の油圧ピストン84,94は、出力側回転部材82,92の前記取付け筒部128や前記伝動筒軸105や前記伝動軸103に穿設した操作油路131を介して油圧が供給や排出されることにより、制御手段110による第1及び第2クラッチC1,C2の切り換え操作が行われる。
図7は、別の多段変速モードを備えた変速伝動装置における主変速装置Bの速度レンジと、無段変速装置10の変速状態と、副変速出力との関係を示し、この多段変速モードでは、図5で示す多段変速モードとは、1速レンジでの低速側においてのみ相違している。
すなわち、1速レンジの低速側において、高速クラッチCHが入り状態に切り換え操作されて副変速装置20が高速状態に変速操作され、比較的高速の副変速出力が出力されるようになっている。
〔別実施例〕
主変速装置Bの遊星伝動部Pとしては、上記実施例の如く3つの遊星伝動機構、すなわち第1、第2、第3遊星伝動機構P1,P2,P3を備えた遊星伝動部を採用するに替え
、次の如き遊星伝動部を採用して実施してもよい。
すなわち、無段変速装置からの出力と、無段変速装置による変速作用を受けないエンジン駆動力とが入力されるように伝動方向上手側に配置した第1遊星伝動機構、クラッチ部
に伝動するように伝動方向下手側に配置した第2遊星伝動機構、第1遊星伝動機構の遊星
ギヤと一体回動するようにその遊星ギヤに連結や一体形成された連動用遊星ギヤ、第2遊星伝動機構の遊星ギヤと一体回動するようにその遊星ギヤに連結や一体形成された連動用遊星ギヤを備え、かつ、前記両連動用遊星ギヤを互いに噛合うとともに一つのキャリヤに支持された状態にして第1遊星伝動機構と第2遊星伝動機構の間に設けた遊星伝動部、すなわち、2つの遊星伝動機構を連動用遊星ギヤによって複合された状態で備えた遊星伝動部を採用して実施してもよい。
いずれの型式の遊星伝動部を採用しても本発明の目的を達成することができる。従って、これらの遊星伝動部を総称して、無段変速装置10からの出力と、エンジン駆動力とを合成する遊星伝動部Pと呼称する。
10 無段変速装置
20 副変速装置
44 伝動回転体
45 伝動部材
61,74 サンギヤ
81 第1クラッチの入力側回転部材
82 第1クラッチの出力側回転部材
91 第2クラッチの入力側回転部材
92 第2クラッチの出力側回転部材
103 伝動軸
105 伝動筒軸
106 連動部材
130 係止連動部材
B 主変速装置
C クラッチ部
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
P 遊星伝動部
P1,P2,P3 遊星伝動機構

Claims (5)

  1. エンジン駆動力が入力される無段変速装置、前記無段変速装置からの出力と、前記無段変速装置による変速作用を受けないエンジン駆動力とを複数の遊星伝動機構によって合成する遊星伝動部、前記遊星伝動部から入力されるとともに第1クラッチ及び第2クラッチを備えたクラッチ部、前記クラッチ部に連動された出力軸を備えるとともに、前記無段変速装置が変速操作され、かつ、前記各クラッチが入り状態と切り状態に切り換え操作されることにより、無段変速装置の変速状態、各クラッチの操作状態に対応した回転速度の出力を前記出力軸から出力する主変速装置を備えるとともに、前記主変速装置の前記出力軸からの駆動力を変速して出力する副変速装置を備え、
    4段階の速度レンジに段階分けして前記副変速装置から出力されるように、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを切り換え制御するとともに前記副変速装置及び前記無段変速装置を変速制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、1速レンジにおいて、1速レンジと2速レンジが切り換わる点まで前記副変速装置の出力速度が無段階に増速するように、1速レンジと2速レンジが切り換わる点まで前記第1クラッチを入り状態に切り換え制御し、前記第2クラッチを切り状態に切り換え制御し、前記副変速装置を低速状態に変速制御した状態で、前記無段変速装置を変速制御し、
    前記制御手段は、1速レンジと2速レンジが切り換わる点において、前記副変速装置の出力速度が連続して変化するように前記副変速装置を低速状態に変速制御した状態のままで前記第1クラッチを入り状態から切り状態に切り換え制御するとともに前記第2クラッチを切り状態から入り状態に切り換え制御し、
    前記制御手段は、2速レンジにおいて、2速レンジと3速レンジが切り換わる点まで前記副変速装置の出力速度が無段階に増速するように、2速レンジと3速レンジが切り換わる点まで前記第1クラッチを切り状態に切り換え制御し、前記第2クラッチを入り状態に切り換え制御し、前記副変速装置を低速状態に変速制御した状態で、前記無段変速装置を変速制御し、
    前記制御手段は、2速レンジと3速レンジが切り換わる点において、前記副変速装置の出力速度が連続して変化するように前記第1クラッチを切り状態から入り状態に切り換え制御するとともに前記第2クラッチを入り状態から切り状態に切り換え制御し、かつ前記副変速装置を低速状態から高速状態に変速制御し、
    前記制御手段は、3速レンジにおいて、3速レンジと4速レンジが切り換わる点まで前記副変速装置の出力速度が無段階に増速するように、3速レンジと4速レンジが切り換わる点まで前記第1クラッチを入り状態に切り換え制御し、前記第2クラッチを切り状態に切り換え制御し、前記副変速装置を高速状態に変速制御した状態で、前記無段変速装置を変速制御し、
    前記制御手段は、3速レンジと4速レンジが切り換わる点において、前記副変速装置の出力速度が連続して変化するように前記副変速装置を高速状態に変速制御した状態のままで前記第1クラッチを入り状態から切り状態に切り換え制御するとともに前記第2クラッチを切り状態から入り状態に切り換え制御し、
    前記制御手段は、4速レンジにおいて、4速レンジの最高速度まで前記副変速装置の出力速度が無段階に増速するように、4速レンジの最高速度まで前記第1クラッチを切り状態に切り換え制御し、第2クラッチを入り状態に切り換え制御し、前記副変速装置を高速状態に変速制御した状態で、前記無段変速装置を変速制御するよう構成してあるトラクタの変速伝動装置。
  2. 前記制御手段に低速モード指令、高速モード指令及び多段モード指令を出力するように構成され、
    前記制御手段は、前記低速モード指令が入力されると、低速モードでの2段階の速度レンジに段階分けして前記副変速装置から出力されるように、かつ低速モードでの1速レンジ及び2速レンジにおける前記副変速装置の出力速度が無段階に変化するように、さらに低速モードでの1速レンジと2速レンジが切り換わる点において前記副変速装置の出力速度が連続して変化するように、前記副変速装置を低速状態に変速制御し、かつ前記無段変速装置を変速制御するとともに前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを切り換え制御し、
    前記制御手段は、前記高速モード指令が入力されると、高速モードでの2段階の速度レンジに段階分けして前記副変速装置から出力されるように、かつ高速モードでの1速レンジ及び2速レンジにおける前記副変速装置の出力速度が無段階に変化するように、さらに高速モードでの1速レンジと2速レンジが切り換わる点において前記副変速装置の出力速度が連続して変化するように、前記副変速装置を高速状態に変速制御し、かつ前記無段変速装置を変速制御するとともに前記第1クラッチ及び第2クラッチを切り換え制御し、
    前記制御手段は、前記多段モード指令が入力されると、多段モードでの4段階の速度レンジとしての前記4段階の速度レンジに段階分けして前記副変速装置から出力されるように、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを切り換え制御するとともに前記副変速装置及び前記無段変速装置を変速制御するよう構成してある請求項1記載のトラクタの変速伝動装置。
  3. 前記制御手段に前記低速モード指令、前記高速モード指令及び前記多段モード指令を出力する変速モード選択手段を備えてある請求項2記載のトラクタの変速伝動装置。
  4. 前記多段モードでの1速レンジにおける前記副変速装置の出力速度が前記低速モードでの1速レンジにおける前記副変速装置の出力速度に相当し、
    前記多段モードでの2速レンジにおける前記副変速装置の出力速度が前記低速モードでの2速レンジの低速側速度域における前記副変速装置の出力速度に相当し、
    前記多段モードでの3速レンジにおける前記副変速装置の出力速度が前記高速モードでの1速レンジの高速側速度域における前記副変速装置の出力速度に相当し、
    前記多段モードでの4速レンジにおける前記副変速装置の出力速度が前記高速モードでの2速レンジにおける前記副変速装置の出力速度に相当するものである請求項2又は3記載のトラクタの変速伝動装置。
  5. 一つの変速レバー及び前記変速レバーの操作位置を検出する変速検出センサを備え、
    前記制御手段を、前記変速検出センサによる検出情報を基に、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを切り換え制御し、かつ前記副変速装置及び前記無段変速装置を変速制御するよう構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載のトラクタの変速伝動装置。
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