JP2004218650A - ブレーキ制御機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜地を走行する際にブレーキスイッチがONとなると同時にクラッチが切れてしまうと、車両を制動させるために必要な必要制動力が発生する前に、クラッチが切断されてしまうため、傾斜地での微量なずり下がりが生じるおそれがあるという不具合があった。
【解決手段】油圧式無段変速機構(HST21)を用いた油圧伝動部と、油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続された遊星歯車を用いた差動機構(10)と、油圧変速モードと油圧−機械変速モードとの変速モード切換機能と主クラッチ機能とを果たすクラッチ(13・14)を具備した油圧−機械式変速装置において、ブレーキペダル35の踏込操作を開始後、車両を制動させるために必要な制動力が発生した必要制動力発生時にクラッチ(13・14)を開放し駆動力の伝達を遮断すべくブレーキ制御した。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧−機械式変速装置を備えた車両のブレーキ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧式無段変速機構(以後、HSTと表現する)及び遊星歯車を用いた差動機構を備えた油圧−機械式変速装置(以後、HMTと表現する)が知られている。
HSTは、油圧ポンプ又は油圧モータのうち少なくとも一方が可動斜板により可変容量型とされ、該可動斜板が主変速操作手段と連結連動されて、該主変速操作手段の回動操作により油圧ポンプの油吐出量が変更されることによりHSTの出力軸の出力回転数が変更されて駆動軸に伝達され、主変速が行われる。また、主変速操作手段を中立位置から回動することにより、車両の前後進の切り換えとともに変速を行えるように構成されている。
【0003】
そして、HMTでは、油圧伝動部であるHSTと、機械伝動部に具備される駆動軸との間に、遊星歯車を用いた差動機構を介在させるとともに、HSTにより変速される油圧変速モードと、HST及び遊星歯車を用いた差動機構により変速される油圧−機械変速モードとを切り換えるためのクラッチが設けられている。
そして、特許文献1に記載の技術では、前記クラッチを開放し、駆動力の伝達を遮断することによって、該クラッチが車両の主クラッチの役割も担うように構成されている。従って、主クラッチ操作手段であるクラッチペダルの回動操作によりクラッチが係脱されるだけでなく、ブレーキ操作手段であるブレーキペダルの回動操作によりブレーキスイッチがONとなればクラッチが開放され駆動力の伝達が遮断された状態となるように制御されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−127780号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、坂道等の傾斜地を走行する際には、平地を走行するときと比較して、車両を制動するためにより大きな制動力が必要とされる。従って、傾斜地を走行する際にブレーキスイッチがONとなると同時にクラッチが切れてしまうと、車両を制動させるために必要な必要制動力が発生する前に、クラッチが切断されてしまうため、傾斜地での空走や微量なずり下がりが生じるおそれがあるという不具合があった。
また、特許文献1に記載の技術では、ブレーキランプスイッチ信号がクラッチ断接信号と兼用され、クラッチが切断されたことが検知されると、ブレーキランプが点灯するように制御されている。しかし、ブレーキペダルが踏込操作されると直ぐにクラッチが切断されれば、実際に車体に制動力が発生する前にクラッチが切断されてしまい、操作フィーリングの違和感が生じるという不具合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、少なくとも一方が可変容積の油圧ポンプと油圧モータとから成る油圧式無段変速機構を用いた油圧伝動部と、油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続された遊星歯車を用いた差動機構と、油圧式無段変速機構による油圧変速モードと油圧式無段変速機構及び遊星歯車を用いた差動機構による油圧−機械変速モードとの変速モード切換機能と主クラッチ機能とを果たすクラッチを具備した油圧−機械式変速装置において、ブレーキペダルの踏込操作を開始後、車両を制動させるために必要な制動力が発生した必要制動力発生時にクラッチを開放し駆動力の伝達を遮断すべく制御したものである。
【0008】
請求項2においては、前記必要制動力発生時を、ブレーキペダルの回動角検出手段により、ブレーキペダルの回動角が予め設定した閾値に至ったことが検出された時点としたものである。
【0009】
請求項3においては、前記必要制動力発生時を、油圧を媒体として作用するブレーキ油圧機構の油路に設けた油圧検出手段により、油路の油圧が予め設定した閾値に至ったことが検出された時点としたものである。
【0010】
請求項4においては、前記閾値を、車体の傾き角を検出するために設けた傾き角検出手段により検出された傾き角の値に応じて補整することとしたものである。
【0011】
請求項5においては、前記傾き角は、油圧ポンプ又は油圧モータの容積を可変とするために備えられた可動斜板の斜板角検出手段により検出された斜板角と、駆動軸の回転数検出手段により検出された回転数とに基づいて決定することとしたものである。
【0012】
請求項6においては、前記閾値を、低速走行時と高速走行時とで異なる値を設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1はHMT式変速装置のスケルトン図、図2はHSTの側面断面展開図、図3はトランスミッション前部の側面断面展開図、図4はHST斜板制御のための構成を示す説明図である。図5は車速とHST回転数との関係を示す図、図6はHST斜板角変更手段の構成を示す説明図である。
図7はブレーキペダルの踏込操作とクラッチと制動力の関係を示す図、図8は第一実施例に係るブレーキ制御を示す流れ図、図9はブレーキ制御に係る時間の流れを示す図である。
図10は第二実施例に係るHST斜板制御のための構成を示す説明図、図11は同じくブレーキ制御を示す流れ図、図12は同じくブレーキ制御に係る時間の流れを示す図である。
図13は第三実施例に係るHST斜板制御のための構成を示す説明図、図14は同じくブレーキ制御を示す流れ図、図15は同じくブレーキ制御に係る時間の流れを示す図である。
図16は車体の登坂角度と(a)必要制動力の関係、(b)クラッチ切断タイミングの関係を示す図、図17は車体の傾き角の推定制御を示す流れ図である。
【0014】
本実施例に係る油圧−機械式変速装置は作業車両に搭載されたトランスミッションに具備されており、作業車両はトランスミッションによって変速されたエンジンの動力によって走行駆動され、また、エンジンの動力によって車両に装備された作業機を駆動可能としている。
【0015】
〔動力伝達構成〕
以下に、本実施例に係る油圧−機械式変速装置を具備するトランスミッションの動力伝達構成について説明する。
【0016】
▲1▼油圧伝動部
まず、トランスミッションの油圧伝動部について説明する。
図1及び図2に示す如く、トランスミッションの油圧伝動部としてHST21が設けられており、該HST21は油圧ポンプ22及び油圧モータ23を備えており、両者22・23は平板状のセンタセクション32に付設されて、HSTハウジング31内に収容されている。前記センタセクション32はミッションケース33に固設されている。
【0017】
HST21の油圧ポンプ22の回転軸心をポンプ出力軸25が貫通しており、該ポンプ出力軸25は駆動源であるエンジン20からの動力を該油圧ポンプ22に伝達するとともに、遊星歯車を用いた差動機構である遊星歯車機構10に伝達させ、さらには、後述するPTO駆動系を介して、PTO軸53へも動力を伝達させている。
該ポンプ出力軸25には油圧ポンプ22のシリンダブロック22bが係合されて相対回転不能とされ、ポンプ出力軸25とともにシリンダブロック22bが駆動される。該シリンダブロック22bには複数のプランジャ22cが摺動自在に配設され、該プランジャ22cの頭部には可動斜板22aが当接している。該可動斜板22aは傾動自在に枢支され、その傾斜角を調節することにより油圧ポンプ22の容積が変更可能とされている。
以後、可動斜板22aの傾斜角を「HST斜板角」と表すことにする。
【0018】
油圧ポンプ22により吐出された作動油は、センタセクション32に設けられた油路を介して油圧モータ23に送油される。そして、同様にシリンダブロック、プランジャ等より構成される固定容積型の油圧モータ23を駆動させることによって、該油圧モータ23の出力軸であるモータ出力軸26の回転速度及び方向が制御される。
以後、モータ出力軸26の回転速度及び方向を「HST回転数」、このHST回転数を得るためのHST21の変速比を「HST変速比」と表すことにする。なお、本実施例に係るHST21では油圧ポンプ22のみを可変容積型とし、油圧モータ23は固定容積型としているが、その構成のHST21に限るものではなく、例えば、油圧ポンプ22と油圧モータ23の双方を可変容積型とする構成でも、本発明を適用することができる。
【0019】
▲2▼機械伝動部
次に、トランスミッションの機械伝動部30の構成について、図1乃至図4を参照して説明する。
機械伝動部30はミッションケース33により被装されており、該ミッションケース33にはポンプ出力軸25、モータ出力軸26、駆動軸27、副変速軸28、PTO軸53等が水平で前後方向に配設され、それぞれ回動自在に支持されている。このうち、駆動軸27以降の伝動系を機械伝動部とする。
また、ミッションケース33内には遊星歯車を用いた差動機構である遊星歯車機構10が設けられている。遊星歯車機構10は、前記油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続されている。
【0020】
前記モータ出力軸26には遊星歯車機構10の構成要素であるリングギア3のボス部3aと、ギア12が遊嵌されており、該リングギア3のボス部3aと駆動軸27との間には第一の油圧パッククラッチであるHMTクラッチ13が、ギア12と駆動軸27との間には第二の油圧パッククラッチであるHSTクラッチ14が、それぞれ介在されている。この二つの油圧パッククラッチ13・14は二つの変速モードを切り換えるために用いられ、変速モードに応じて二つの油圧パッククラッチ13・14のうちいずれか一方を係合させ他方を係合解除させることにより、リングギア3又はギア12のいずれか一方を介して駆動軸27に動力が伝達される。
前記二つの変速モードとは、HST21により変速する油圧変速モードである「HSTモード」と、HST21及び遊星歯車機構10により変速する油圧−機械変速モードである「HMTモード」である。
【0021】
また、この二つの油圧パッククラッチ13・14を双方とも係合させないことで、駆動軸27に対し動力が完全に断たれる状態をも現出させることができ、この意味で前記二つの油圧パッククラッチ13・14は、車両のメインクラッチとしての機能を果たしている。
【0022】
一方、前記ポンプ出力軸25は前記HST21のセンタセクション32を貫通してミッションケース33内に延出しており、該延出部分上にポンプ側入力ギア8が外嵌されている。該ポンプ側入力ギア8と、サンギア1に同心的に遊嵌したキャリア5の前部外周面に形成したギア5aとが噛合して、キャリア5を回転させている。
そして、該キャリア5には、前記サンギア1及びリングギア3と噛合する複数のプラネタリギア2・2が支承されて、これらの、サンギア1、プラネタリギア2・2、リングギア3、キャリア5等より遊星歯車機構10が構成されている。
【0023】
前記遊星歯車機構10を説明する。
遊星歯車機構10の第一の要素たるサンギア1は駆動軸27に遊嵌され、プラネタリギア2は前記サンギア1と、前記サンギア1に同心して配置された、第三の要素たるリングギア3に噛合されている。ここでプラネタリギア2は、駆動軸27上に遊嵌された第二の要素たるキャリア5に回転自在に支持され、自転しながら該キャリア5とともに公転し得るように構成されている。該キャリア5の前部にはギア5aが形成されており、該ギア5aは、前記ポンプ出力軸25上に外嵌されたポンプ側入力ギア8と噛合されている。
【0024】
一方、前記駆動軸27と平行にモータ出力軸26が配設されており、該モータ出力軸26上にはモータ側入力ギア9が固定されて、駆動軸27に遊嵌したサンギア1の前部に外嵌固定したギア6とモータ側入力ギア9が噛合されてサンギア1が回転駆動されている。
このモータ出力軸26上には、モータ側入力ギア9の後方にさらにギア15が固設されており、該ギア15は、前記駆動軸27上に遊嵌される前記ギア12と噛合されている。
【0025】
また、図1及び図4で示す如く、駆動軸27の後端にはカップリングを介して伝達軸34が連結されており、該伝達軸34の後部に二つのギア17・18が固定されている。
前記伝達軸34と平行に副変速軸28が支持され、該副変速軸28上にはギア60・61が遊嵌されており、該ギア60・61が前記ギア17・18に噛合されて互いに異なる回転数で駆動されている。そして、副変速軸28に設けられた副変速クラッチ62を操作することにより、ギア60・61のうちいずれか一方の回転駆動力を副変速軸28に伝達できるように構成し、副変速機構が構成されている。該副変速軸28の後端にはベベルギア69が形設され、該ベベルギア69を介して後輪デフ70に動力が伝達される。
【0026】
前記後輪デフ70の両側よりデフヨーク軸71L・71Rが側方に突出され、該デフヨーク軸71L・71R上にブレーキ装置95(95L・95R)が配設されている。該ブレーキ装置95(95L・95R)は、複数の摩擦板がデフヨーク軸71L・71R上にそれぞれ外嵌され、この複数の摩擦板間にミッションケースまたはアクスルケースに嵌合した摩擦板が配置され、該摩擦板を押圧することにより制動する構成としている。この摩擦板を押圧するプレッシャプレートはブレーキペダル35の踏込操作によりメカニカルリンク99を介して摺動され、ブレーキ装置95を作動してブレーキ作用を発生させるよう構成されている。メカニカルリンク99には油圧(倍力装置)が利用され、ブレーキペダル35の操作踏力の低減が図られている。また、ブレーキスイッチ96はブレーキペダル35の踏込操作によりONとなり、その作動信号を制御装置90へ出力するように構成されている。
なお、ブレーキペダル35は左右設けられているが、本実施例では左右のブレーキペダルを連結した状態で使用する場合を説明する。
【0027】
また、図1に示す如く、副変速軸28の前端部には二つのギア63・64が固設されており、該ギア63・64は前輪出力軸29上に遊嵌されたギア65・66にそれぞれ噛合され、該ギア65・66が異なる回転数で駆動されている。そして、前輪出力軸29上には二つの油圧クラッチ67・68が設けられており、該油圧クラッチ67・68のうちいずれか一方を接続することにより、ギア65・66のいずれか一方の回転駆動力が前輪出力軸29に伝達可能とされ、前輪増速と四輪駆動が切り換えられる前輪増速切換機構が構成されている。
【0028】
▲3▼PTO駆動系
次に、図1を参照してPTO駆動系を説明する。
前記ポンプ出力軸25の後端はPTOクラッチ40を介してPTO入力軸41に接続され動力が伝達される。PTO入力軸41の後端には三つのギア42・43・44が相対回転不能に挿嵌され、それぞれPTO副変速軸45に遊嵌されたギア46・47・48に噛合されている。そして、PTO変速クラッチ49の操作により三段階に変速された出力が、ギア50・52・54を介してPTO軸53に伝達され、作業機等に動力を伝達するよう構成されている。
【0029】
〔各変速モードにおける駆動伝達構成〕
次に、以上の構成における変速装置において、「HMTモード」/「HSTモード」の各変速モードにおける走行駆動系の駆動伝達構成を説明する。
【0030】
▲1▼「HMTモード」
最初に、「HMTモード」としたときの駆動伝達構成について説明する。
「HMTモード」においては前記二つの油圧パッククラッチ13・14のうちHMTクラッチ13が係合され、HSTクラッチ14は係合を解除される。
【0031】
このとき、エンジン20に連結されたポンプ出力軸25に固設のポンプ側入力ギア8が、前記キャリア5に形成されたギア5aに噛合されているので、ポンプ出力軸25の回転出力が遊星歯車機構10のキャリア5に伝達される。
一方、モータ出力軸26の回転出力によって、モータ側入力ギア9とサンギア1の前部に固設のギア6が噛合されて、サンギア1が回転駆動される。
従って、前記キャリア5に支持され、更に前記サンギア1に噛合されているプラネタリギア2には、両者5・1の回転が合成されて伝達され、該合成された駆動力が、該プラネタリギア2に噛合するリングギア3に伝達される。
【0032】
そして、「HMTモード」においては前記HMTクラッチ13が係合するよう制御されるので、リングギア3の回転動力が駆動軸27に伝達される。駆動軸27の動力は副変速軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動されることとなる。
【0033】
▲2▼「HSTモード」
次に、「HSTモード」としたときの駆動伝達構成について説明する。
「HSTモード」においては前記二つの油圧パッククラッチ13・14のうちHSTクラッチ14が係合され、HMTクラッチ13の係合は解除される。
【0034】
ギア12には前述のとおりギア15が噛合されているので、モータ出力軸26の回転出力が駆動軸27に伝達される。この動力は副変速軸28を経て後輪や前輪に伝達され、車両が駆動される。
【0035】
この「HSTモード」においては、エンジン20の出力が前後輪にまで伝達されるまでの間に遊星歯車機構10を経由しない動力伝達構成となる。すなわち、エンジン20の出力がポンプ出力軸25を介してキャリア5を駆動するが、リングギア3のボス部3aと駆動軸27が係合しないので、遊星歯車機構10はそのキャリア5の回転により空転するのみとされる。結局は、エンジン20の出力はHST21により変速されてモータ出力軸26→駆動軸27と伝達された後、副変速されて前後輪に伝達されることとなる。
【0036】
▲3▼各変速モードにおけるHST回転数
ここで、各変速モードにおけるHST回転数について説明する。図5に示す図表では、HST回転数と車速との関係が示されている。
後進域の全域〜前進低速域においては「HSTモード」とされ、該モードにおいては前記モータ出力軸26の回転出力が前記駆動軸27にそのまま出力されることから、HST変速比が中立にあるときは車両は駆動されず、モータ出力軸26が正転したときは車両は前進し、逆転したときは車両は後進する。また、車速は該モータ出力軸26の回転速度に比例する。このことから、「HSTモード」において車両を前進側に増速させるためには、HST変速比を正転側に変更制御させる必要がある。
【0037】
一方、前進の中速域〜高速域においては「HMTモード」とされ、該モードにおいてはモータ出力軸26とポンプ出力軸25の回転出力を前記遊星歯車機構10にて合成し、差動的に取り出された動力が前記駆動軸27に出力される。従って、「HMTモード」において車両を前進側に増速させるには、前記「HSTモード」とは逆に、HST変速比を逆転側に変更制御させる必要がある。
【0038】
以上のことから、車両の変速比を前進低速域から前進高速域まで加速するときには、変速比が予め設定された変速モード切換変速比に至るまでは「HSTモード」であり、HST回転数は正転側に増加し、従って、HST斜板角も正転側に制御される。そして、変速比が変速モード切換変速比に至れば「HMTモード」に切り換わって、HST回転数は逆転側に減速し、従って、HST斜板角も逆転側に制御される。
【0039】
〔変速モード切換機構〕
次に、変速モード切換機構の構成を説明する。図4は変速モード切換機構の構成を示した説明図である。
【0040】
本実施例においては、モータ出力軸26に外嵌したモータ側入力ギア9に近接して設けた検出器81で該モータ出力軸26の回転量がパルス信号として検出され、また、その回転方向も検出可能とされている。さらに、前記駆動軸27に固定したダミーギア82aにも検出器82が近接して設けられ、該検出器82にて該駆動軸27の回転量やその方向が検出されている。
また、エンジン20のクランク軸にも検出器83が設けられて、エンジン回転数を検出可能とされている。
【0041】
車両の運転席には主変速操作手段である主変速レバー84や、副変速操作手段である副変速切換スイッチ87が設けられて、その枢支部には回動角検出手段(例えば、ポテンショメータ)84a・87aが配設され、該主変速レバー84や副変速切換スイッチ87の操作位置が検出可能とされている。
【0042】
図4に示す如く、前記三つの検出器81・82・83は制御装置90に電気的に接続され、該制御装置90は前記主変速レバー84の操作位置や前記検出器82の検出値をもとに、車速が該主変速レバー84で指示される車速となるよう、HST斜板角変更手段86を通じて前記油圧ポンプ22の可動斜板22aの傾斜角(HST斜板角)はフィードバック制御されている。
【0043】
前記HST斜板角変更手段86は、図6に示す如く、主に、油圧ポンプ22の可動斜板22aにリンクを介して連結した油圧式のサーボシリンダ86b・86bと、該サーボシリンダ86b・86bへの圧油を制御する制御バルブ86aから構成されている。該制御バルブ86aは電磁弁であって、与えられた電流値によって該電磁弁が切り換えられて、サーボシリンダ86b・86bが伸縮駆動され、可動斜板22aの斜板角、すなわち、HST斜板角が変更される。従って、制御バルブ86aに与えられる電流の値によって、該サーボシリンダ86bの作動量が制御され、HST斜板角が変更される。そして、前記制御バルブ86aの電磁弁は制御装置90に対して電気的に接続されており、制御バルブ86aのソレノイドに与えられる電流値は、制御装置90により制御されている。
【0044】
一方、図4に示す如く、前記HMTクラッチ13及びHSTクラッチ14には、それぞれ電磁弁91・92が接続されて圧油を給排可能に構成されており、前記制御装置90は該電磁弁91・92に対し電気的に接続されている。
【0045】
制御装置90は前記検出器82・83の検出値から変速装置の変速比を計算する演算手段を備えており、求められた変速比が高速側の一定領域にあるときは「HMTモード」となって前記電磁弁91・92に信号を送り、前記HMTクラッチ13を係合させ、HSTクラッチ14を係合解除させる。一方、変速比が低速側の一定領域にあるときは「HSTモード」となって電磁弁91・92に信号を送り、前記HMTクラッチ13を係合解除させ、HSTクラッチ14を係合させる。
すなわち、中速域〜高速域では「HMTモード」、後進域の全域〜前進低速域では「HSTモード」と、変速比に応じて二つの変速モードを自動切換し、前記電磁弁91・92を電気的に制御してHMTクラッチ13及びHSTクラッチ14を係脱させるように構成されている。
【0046】
また、車両の運転部の適宜位置にはクラッチ係脱手段たるクラッチペダル85が配設され、該クラッチペダル85の枢支部にはその踏込み量を検出するための回動角検出手段(例えば、ポテンショメータ)85aが配設されて、該回動角検出手段85aは制御装置90に接続されている。
そして制御装置90はクラッチペダル85の踏込操作量を検知し、予め定められた所定の閾値をこえて踏み込まれている場合は前記駆動モードの如何にかかわらず、HMTクラッチ13及びHSTクラッチ14の双方とも係合が解除された状態となるよう制御される。
この制御によって、HMTクラッチ13及びHSTクラッチ14には、前述の如く駆動モードを切り換えさせるとともに、車両のメインクラッチ(動力伝達クラッチ)としての役割をも担わせている。言い換えれば、「HSTモード」のときはHSTクラッチ14が、「HMTモード」のときはHMTクラッチ13が、それぞれメインクラッチ(動力伝達クラッチ)としての役割を果たすように構成されている。
【0047】
さらに、車両の運転部の適宜位置にはブレーキ装置95の操作手段たるブレーキペダル35が配設されている。ブレーキペダル35はペダルアーム35aの端部に固設されており、ブレーキペダル35を踏込操作すれば、ペダルアーム35aの支承軸35bを中心としてブレーキペダル35が回動する。
該ブレーキペダル35には、ブレーキペダル35の踏込操作を検出するブレーキスイッチ96が設けられている。ブレーキスイッチ96はブレーキペダル35の下方に離間して配設され、ブレーキペダル35の回動によりブレーキペダル35が当接してONとされ、ブレーキペダル35が離れてOFFとされる。すなわち、ブレーキスイッチ96はブレーキペダル35の踏込操作量が所定の閾値を越えればON、閾値を越えなければOFFであり、該ブレーキスイッチ96は制御装置90に電気的に接続されており、ブレーキスイッチ96のON/OFF信号を制御装置90により検出可能とされている。
【0048】
ここで、第一実施例に係るブレーキ制御について説明する。
なお、以後、車両停止時におけるブレーキ制御の、第一実施例、第二実施例、第三実施例を順に述べるが、車両停止時におけるブレーキ制御の考え方は、車両発進時のブレーキ制御にも適応することができる。すなわち、車両停止時におけるブレーキ制御ではHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の切断タイミングと必要制動力発生時とを合わせるように制御しているが、車両発進時のブレーキ制御では、クラッチの接続タイミングと制動力解除時を合わせるように制御するのである。
【0049】
図7に示す如く、ブレーキペダル35が操縦者により踏込操作されてから、実際に車体を制動するために必要な制動力が駆動軸27に発生するまでには、タイムラグが存在する。ブレーキペダル35の遊びや、機械的な時間の遅れ等が存在するのである。従って、図7(c)において点線で示す如く、ブレーキスイッチ96がONとなると同時に、主クラッチとして機能するHSTクラッチ14及びHMTクラッチ13が切断されれば、必要な制動力が発生する前にクラッチが切断されることになるため、坂道等においてずり下がりが発生するおそれがある。そこで、図7(c)に示す如く、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断タイミングと必要な制動力が発生するタイミングとを略同時にするためのブレーキ制御が行われる。
【0050】
ブレーキ制御の流れは次の通りである。
図4、図8及び図9に示す如く、ブレーキペダル35が踏込操作され(121)、ブレーキスイッチ96がONとされると、ブレーキスイッチ96のON信号が制御装置90に伝達され、時間計測が開始される(123)。このとき、制御装置90よりブレーキランプ97に対してON信号が送信され、ブレーキランプ97が点灯される。
【0051】
制御装置90では、予め、ブレーキスイッチ96のONが検出されてから、駆動軸27に車両を制動するために必要な制動力が発生する必要制動力発生時までの時間(必要制動力発生時間ΔB)が予め試験により求められ、登録(制御装置90の記憶装置に記憶)されている。制動準備時間ΔBには、ブレーキペダル35の回動によりメカニカルリンク99を介してブレーキ装置95が作動し、該ブレーキ装置95により駆動軸27に実際に車両を制動可能な制動力が働くまでの機械的タイムラグが含まれている。
【0052】
また、制御装置90には、制御装置90から電磁弁91・92に指令信号が送信されるときの電気的(電磁弁が作動するまでの)タイムラグΔBaと、電磁弁91・92の作動により実際にHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が開放され動力の伝達が断絶されるまでの機械的タイムラグΔBbとが、予め試験により求められ、登録されている。
【0053】
時間計測が開始されてから、必要制動力発生時間ΔBから電気的タイムラグΔBaと機械的タイムラグΔBbとを差し引いた時間(制動準備時間ΔBt=ΔB−ΔBa−ΔBb)が経った時点で(124)、制御装置90より電磁弁に対してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の開放指令信号が送信される(125)。そして、時間計測が開始されてから必要制動力発生時間ΔB後が、すなわち、必要制動力発生時であり、このとき、ブレーキ装置95により駆動軸27に車両を制動するために必要な制動力が発生した状態であり、且つ、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の両方のクラッチが開放されて動力が遮断された状態となる。
【0054】
さらに、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13に設けたセンサ13a・14aより、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が検知され制御装置90に検出されると(126)、時間計測が終了される(127)。
なお、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が、時間計測開始より予め設定した警告時間までに検出されなければ、時間計測が終了されるとともに、制御装置90より警告ランプに対してON信号が送信され、警告ランプが点灯される。
【0055】
そして、ブレーキペダル35の踏込解除操作が行われ(129)、ブレーキスイッチ96がOFFとなったことが制御装置90に検出されると(151)、時間計測が開始される(152)。時間計測が開始されてから、制動解除準備時間ΔBzが経過したのち(153)、クラッチ接続信号が送信される(154)。
【0056】
ブレーキスイッチ96のOFFが検出されてから、実際に制動力が解除される迄の時間(必要制動力解消時間ΔB’)と、制御装置90から電磁弁91・92に指令信号が送信されるときの電気的タイムラグΔBaと、電磁弁91・92の作動により実際にHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が接続されるまでの機械的タイムラグΔBbとが、予め試験的により求められて登録されており、制動解除準備時間ΔBzは、必要制動力解消時間ΔB’から電気的タイムラグΔBaと機械的タイムラグΔBbとを差し引いた時間(ΔBz=ΔB’−ΔBa−ΔBb)となる。
従って、ブレーキスイッチ96がOFFとなったことが制御装置90に検出されてから、制動解除準備時間ΔBz後にクラッチ接続信号が送信されると、車体に作用していた制動力が解除されるタイミングと、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が接続されるタイミングが略等しくなるのである。
【0057】
そして、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13に設けたセンサ13a・14aより、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の接続が検知され制御装置90に検出されると(155)、時間計測が終了される(157)。
このとき、該制御装置90よりブレーキランプ97に対してOFF信号が送信され、ブレーキランプ97が消灯される。
【0058】
上述の如くブレーキ制御することによって、駆動軸27に車両を制動するために必要な制動力が発生する必要制動力発生時に、ブレーキ装置95によりデフヨーク軸71L・71Rに車両を制動するために必要な制動力が発生した状態であり、且つ、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の両方のクラッチが開放されて動力が遮断された状態を実現させることができる。
従って、傾斜地での制動において、登り坂でのずり下がりや、下り坂の空走等の発生を抑制することができる。また、実際に、必要制動力が発生した時点でブレーキランプ97が点灯し、操作フィーリングのずれを解消することができる。なお、上述のブレーキ制御は、システムそのものを変更することなく、制御プログラムに入力する必要制動力発生時間ΔB、制動準備時間ΔBt、電気的タイムラグΔBa、機械的タイムラグΔBbを調整することにより個々の車両に最適な設定をすることができ、より最適なブレーキ機構の動作状態を実現することができる。
【0059】
次に、ブレーキ制御に係る第二実施例について、図10乃至図12を用いて説明する。
【0060】
図10に示す如く、ブレーキペダル35に、ポテンショメータ等のブレーキペダル35の回動角を検出する回動角検出手段98を設け、該回動角検出手段98を制御装置90に電気的に接続し、ブレーキペダル35の回動角が回動角検出手段98を介して制御装置90に検出される構成とされている。但し、ブレーキペダル35の回動角を検出するのではなく、ブレーキペダル35と同様に回動するペダルアーム35aに回動角検出手段98を設け、ペダルアーム35aの回動角を検出する構成とすることもできる。
【0061】
そして、ブレーキペダル35の回動角θに対して閾値Aが設定されている。回動角θが閾値Aを越えたことが回動角検出手段98を介して制御装置90に検出されれば、制御装置90より電磁弁91・92に対してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を開放させるための指令信号が送信される。
回動角θが閾値Aを越えたことが検出されて制御装置90より電磁弁91・92に対して信号が送信されるための電気的タイムラグΔBaと、電磁弁91・92が信号を受けてから実際にHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が開放されるまでの機械的タイムラグΔBbとが、予め試験等により求められて設定され制御装置90に入力されている。そして、図12に示す如く、実際に駆動軸27に必要制動力が発生する必要制動力発生時には、ちょうどHSTクラッチ14及びHMTクラッチ13が開放され駆動軸27への動力の伝達が遮断されるように回動角θの閾値Aが設定されている。
【0062】
ブレーキ制御の流れは次の通りである。
図11の流れ図に示す如く、まず、ブレーキペダル35が踏込操作され(121)、ブレーキペダル35の回動角θが予め設定した閾値Aを越えたことが制御装置90によって検出されると(131)、制御装置90より電磁弁91・92に対してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の開放指令信号が送信され(132)、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13を開放させるよう電磁弁91・92が作動される。
なお、ブレーキペダル35の回動角θが予め設定した閾値Aを越えたことが制御装置90によって検出される(131)と同時に、制御装置90よりブレーキランプ97に対してON信号が送信され、ブレーキランプ97が点灯される。
【0063】
そして、図12に示す如く、回動角θが閾値Aを越えたことが検出されてから、電気的タイムラグΔBaと機械的タイムラグΔBbとが経過した時点が、すなわち、必要制動力発生時であり、このとき、ブレーキ装置95により駆動軸27に車両を制動するために必要な制動力が発生した状態であり、且つ、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の両方のクラッチが開放されて動力が遮断された状態となる。
【0064】
さらに、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13に設けたセンサ13a・14aより、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が検知され制御装置90に検出される。このとき、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が、予め設定した設定問い合わせ回数内に検出されなければ、制御装置90より警告ランプに対してON信号が送信され、警告ランプが点灯される。
【0065】
そして、ブレーキペダル35の踏込解除操作がなされ(129)、回動角θが閾値Zより小さな値となったことが検出されると(136)、制御装置90より電磁弁91・92に対してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の接続信号が送信され(137)、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13に設けたセンサ13a・14aより、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の接続が検知され制御装置90に検出される(138)。このとき、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が、予め設定した設定問い合わせ回数内に検出されなければ、制御装置90より警告ランプに対してON信号が送信され、警告ランプが点灯される。
そして、回動角θが閾値Zより小さな値となったことが検出される(136)と同時に、制御装置90よりブレーキランプ97に対してOFF信号が送信され、ブレーキランプ97が消灯される。
【0066】
なお、ブレーキペダル35の踏込解除操作のときのブレーキペダル35の回動角θに対する閾値Zは、回動角θが閾値Zとなったことが検出されるとともに制御装置90よりクラッチ接続信号が送信されれば、電気的タイムラグΔBaと機械的タイムラグΔBbとが経過した時点に、ちょうど車体を制動するために必要な制動力が解除されるように、試験的に求められて設定及び登録されている。
【0067】
上述の如く、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が切断されるように指令されるブレーキペダル35の回動角を設定することにより、ブレーキスイッチ96がONとなってからΔBt後にクラッチを切断する場合は、操縦者の操作速度やブレーキペダル35の遊びの調整量により、実際にHSTクラッチ14及びHMTクラッチ13が切断されるタイミングと必要制動力が発生するタイミングとが異なってくるが、このタイムラグが解消される。
【0068】
次に、ブレーキの制御に係る第三実施例について、図13乃至図15を用いて説明する。
【0069】
図13に示す如く、ブレーキペダル35は支承軸35bを中心として回動するペダルアーム35aに固設されており、該ペダルアーム35aは、ブレーキマスタシリンダのロッドと連結され、該ブレーキマスタシリンダは配管、倍力装置を介してブレーキ装置95と接続され、油圧機構を利用してブレーキペダル35の操作力を増幅させてブレーキ装置95に伝達する構成とされ、このための作動油の油圧を検出するための油圧検出手段76が設けられている。該油圧検出手段76は、制御装置90と電気的に接続されており、油圧検出手段76を介して制御装置90により油圧Pが検出される。
なお、油圧による操作力の増幅機構は倍力装置に備えることもできる。
【0070】
そして、油圧機構の作動油の油圧Pに対して閾値Aが設定されている。油圧Pが閾値Aを越えたことが油圧検出手段76を介して制御装置90に検出されれば、制御装置90より電磁弁91・92に対してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を開放させるための指令信号が送信される。
油圧Pが閾値Aを越えたことが検出されて制御装置90より電磁弁91・92に対して信号が送信されるための電気的タイムラグΔBaと、電磁弁91・92が信号を受けてから実際にHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が開放されるまでの機械的タイムラグΔBbとが、予め試験等により求められて設定され制御装置90に入力されている。そして、実際に駆動軸27に必要制動力が発生する必要制動力発生時には、ちょうどHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が開放され駆動軸27への動力の伝達が遮断されるように油圧Pの閾値Aが設定されている。
【0071】
ブレーキ制御の流れは次の通りである。
図14に示す如く、まず、ブレーキペダル35が踏込操作され(121)、油圧検出手段76により、油圧Pが予め設定した閾値Aを越えたことが制御装置90によって検出されると(141)、制御装置90より電磁弁91・92に対してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の開放指令信号が送信され(142)、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を開放させるよう電磁弁91・92が作動される。
なお、油圧Pが予め設定した閾値Aを越えたことが制御装置90によって検出される(141)と同時に、制御装置90よりブレーキランプ97に対してON信号が送信され、ブレーキランプ97が点灯される。
【0072】
そして、油圧Pが閾値Aを越えたことが検出されてから、電気的タイムラグΔBaと機械的タイムラグΔBbとが経過した時点が、すなわち、必要制動力発生時であり、このとき、ブレーキ装置95により駆動軸27に車両を制動するために必要な制動力が発生した状態であり、且つ、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の両方のクラッチが開放されて動力が遮断された状態となる。
【0073】
さらに、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13に設けたセンサ13a・14aより、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が検知され制御装置90に検出される(143)。このとき、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が、予め設定した設定問い合わせ回数内に検出されなければ、制御装置90より警告ランプに対してON信号が送信され、警告ランプが点灯される。
【0074】
そして、ブレーキペダル35の踏込解除操作がなされ(129)、油圧Pが閾値Zより小さな値となったことが検出されると(146)、制御装置90より電磁弁91・92に対してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の接続信号が送信され(147)、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13に設けたセンサ13a・14aより、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の接続が検知され制御装置90に検出される(148)。このとき、HSTクラッチ14及びHMTクラッチ13の切断が、予め設定した設定問い合わせ回数内に検出されなければ、制御装置90より警告ランプに対してON信号が送信され、警告ランプが点灯される。
そして、油圧Pが閾値Zより小さな値となったことが検出される(146)とともに、制御装置90よりブレーキランプ97に対してOFF信号が送信され、ブレーキランプ97が消灯される。
【0075】
なお、ブレーキペダル35の踏込解除操作のときの油圧Pに対する閾値Zは、油圧Pが閾値Zとなったことが検出されるとともに制御装置90よりクラッチ接続信号が送信されれば、電気的タイムラグΔBaと機械的タイムラグΔBbとが経過した時点に、ちょうど車体を制動するために必要な制動力が解除されるように、試験的に求められて設定及び登録されている。
【0076】
上述の如く、ブレーキペダル35とブレーキ装置95の間に設けられた油圧機構の油圧に対して、電磁弁91・92にクラッチ切断指令を出すための閾値Aを設けることによって、システムを変更することなく、個々の車体に応じて油圧Pの閾値Aを決定し制御装置90に入力することで、より適したブレーキ作動状態を実現することができる。
また、ペダルアーム35a又はブレーキペダル35の回動角θを検出してHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を切断する構成では、ブレーキディスクやプレッシャプレート等の摩擦により、駆動軸に必要制動力の発生するタイミングと、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の切断されるタイミングとが異なることがあるが、この不具合が解消される。
【0077】
なお、前記第一・第二・第三実施例において設定した制動準備時間ΔBtや、各制御因子(ブレーキペダル35(又はペダルアーム35a)の回動角θ・油圧機構の油圧P)の閾値Aは、車体の傾き角θbに応じて補整制御される。
【0078】
図16(a)に示す如く、車体の登坂角度により、車体の制動のために必要とされる制動力の対象として車体の自重も加わるため、必要制動力は異なる。従って、必要制動力の大きさが登坂角度に応じて異なれば、必要制動力発生時は、必要制動力が大きくなるために、平地よりも傾斜地の走行時の方が遅い時点となる。そこで、車体の登坂角度に応じて、予め設定登録された値により決定される必要制動力発生時が補整され、図16(b)に示す如く、車体の登坂角度に応じてHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を切断するタイミングが変更されることによって、より適切なブレーキ作動状態を現出するように制御されている。車体に、該車体の傾きを検出するための傾き角検出手段(図示せず)が設けられ、該傾き角検出手段は制御装置90と電気的に接続され、車体の傾き角θbが制御装置90において検出されるように構成されている。
【0079】
登り坂等の車体の登坂角度がプラスの値であるときは、平地(登坂角度がゼロ)を走行するときと比較して、必要制動力が小さくなるため、平地走行時と比較して必要制動力発生時が早くなるため、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を切断するタイミングも平地走行時と比較して早い時点としなければならない。
従って、第一実施例において、制動準備時間ΔBtは、補正値Δtの大きさだけ短くなり、このとき補正値Δtの値は負の値である。補正値Δtは車体の傾き角θbに基づいて、予め制御装置90に登録されているマップに基づいて決定され、補正後の制動準備時間ΔBは、(ΔB=ΔBt+Δt)となる。
第二実施例において、ブレーキペダル35(又はペダルアーム35a)の回動角θの閾値Aの値は、補正値Δaの大きさだけ小さくなり、このとき補正値Δaの値は負の値である。補正値Δaは車体の傾き角θbに基づいて、予め制御装置90に登録されているマップに基づいて決定され、補正後の回動角θの閾値A’は、(A’=A+Δa)となる。
第三実施例において、油圧機構の油圧Pの閾値Aは、補正値Δaの大きさだけ小さくなり、このとき補正値Δaの値は負の値である。補正値Δaは車体の傾き角θbに基づいて、予め制御装置90に登録されているマップに基づいて決定され、補正後の油圧の閾値A’は、(A’=A+Δa)となる。
【0080】
一方、下り坂等の車体の登坂角度がマイナスであるときには、平地(登坂角度がゼロ)を走行するときと比較して、平地走行時と比較して必要制動力発生時が早くなるため、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を切断するタイミングも平地走行時と比較して遅い時点としなければならない。
従って、第一実施例において、制動準備時間ΔBtは、補正値Δtの大きさだけ長くなり、このとき補正値Δtの値は正の値である。補正値Δtは車体の傾き角θbに基づいて、予め制御装置90に登録されているマップに基づいて決定され、補正後の制動準備時間ΔBt’は、(ΔBt’=ΔBt+Δt)となる。
第二実施例において、ブレーキペダル35(又はペダルアーム35a)の回動角θに対する閾値Aは、補正値Δaの大きさだけ大きくなり、このとき補正値Δaの値は正の値である。補正値Δaは車体の傾き角θbに基づいて、予め制御装置90に登録されているマップに基づいて決定され、補正後の回動角θの閾値A’は、(A’=A+Δa)となる。
第三実施例において、油圧機構の油圧Pに対する閾値Aは、補正値Δaの大きさだけ大きくなり、このとき補正値Δaの値は正の値である。補正値Δaは車体の傾き角θbに基づいて、予め制御装置90に登録されているマップに基づいて決定され、補正後の油圧の閾値A’は、(A’=A+Δa)となる。
【0081】
なお、上述の如く、車体の登坂角度を傾き角検出手段により推定するのではなく、以下に示す如く、駆動系に加わる負荷によって車体の傾き角を推定することもできる。
【0082】
HST21は、負荷が大きくなると、回路内の油圧が上昇し、HST21の特性上、油の漏れや圧縮により容積効率が変化し、可動斜板22aの角度がある一定の値であっても、駆動軸27の回転数が変化し、車速が変化することがある。そこで、HST21の容積効率の変化より、HST21に加わる負荷を推定し、該負荷の値を駆動系の負荷の値とみなして、この値より車体の傾き角を推定するのである。
【0083】
図4、図10、図13及び図17に示す如く、回動角検出手段84aを介して主変速レバー84の操作位置が制御装置90に検出されれば(161)、該制御装置90において主変速レバー84の操作位置に応じてHST斜板制御目標値Qが決定され(162)、HST斜板角変更手段86へHST斜板制御目標値Qに対応して作動するように信号が送られる(163)。このようにして、HST斜板角変更手段86が該目標値Qに対応して作動したあとの検出器82の値を読み取ることによって駆動軸27の実際の回転数mが検出され(164)、該回転数mと、HST斜板制御目標値Qに対応した駆動軸27の目標回転数Mpとの値が評価される。
【0084】
そして、目標回転数Mpと実際の回転数mとの差ΔM(ΔM=Mp−m)を算出し(165)、差ΔMがHSTに加わる負荷により発生したと推定し、また、HSTに加わる負荷を駆動系に加わる負荷とみなし、差ΔMの値によって、車体の傾き角θbが推定される(166)。
なお、HST斜板制御目標値Qに対応する目標回転数Mp、差ΔMに対応する車体の傾き角θbは、それぞれ、両者の対応関係を表す関数又はマップに基づいて決定され、関数又はマップは予め作成され制御装置90に記憶されている。
【0085】
また、前記第一・第二・第三実施例において、HSTクラッチ14又はHMTクラッチ13を切断するタイミングは、制動準備時間ΔBtや、各制御因子(ブレーキペダル35(又はペダルアーム35a)の回動角θ・油圧機構の油圧P)の値が閾値Aを超えた時点であったが、その制動準備時間ΔBtや閾値Aを、ある走行速度を基準として高速走行時と低速走行時のそれぞれに分けて設けることもできる。
【0086】
例えば、高速走行時においてブレーキペダル35の踏込操作をしたときには、車体に働く慣性力が大きいため、必要制動力が発生する前にHSTクラッチ14及びHMTクラッチ13が切断された状態となっても、登り坂において直ちに車体が下がり始めることはない。逆に、必要制動力が発生するよりも前の時点でHSTクラッチ14及びHMTクラッチ13が切断された状態となる方が、車体の制動に余分な力を必要とすることなくスムーズに停止することができる。従って、高速走行時は、必要制動力が発生するよりも前の時点でHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13が切断されることが好ましい。
【0087】
一方、低速走行時においてブレーキペダル35の踏込操作をしたときには、高速走行時と比較して、車体に働く慣性力が小さいので、必要制動力が発生する前にHSTクラッチ14及びHMTクラッチ13が切断された状態となると、登り坂においては車体が下がり始めるおそれがある。従って、必要制動力の発生とHSTクラッチ14及びHMTクラッチ13が切断された状態の発生が略等しいタイミングであることが好ましい。このために、必要制動力の発生とHSTクラッチ14又はHMTクラッチ13の切断のタイミングを合わせるための補整制御が必要となるのである。
【0088】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0089】
即ち、請求項1に示す如く、少なくとも一方が可変容積の油圧ポンプと油圧モータとから成る油圧式無段変速機構を用いた油圧伝動部と、油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続された遊星歯車を用いた差動機構と、油圧式無段変速機構による油圧変速モードと油圧式無段変速機構及び遊星歯車を用いた差動機構による油圧−機械変速モードとの変速モード切換機能と主クラッチ機能とを果たすクラッチを具備した油圧−機械式変速装置において、ブレーキペダルの踏込操作を開始後、車両を制動させるために必要な制動力が発生した必要制動力発生時にクラッチを開放し駆動力の伝達を遮断すべく制御したので、実際に車体に必要な制動力が発生するタイミングと動力の伝達が遮断されるタイミングを略等しくして、傾斜地での制動時のずり下がりや操作フィーリングのずれを解消することができる。
【0090】
請求項2に示す如く、前記必要制動力発生時を、ブレーキペダルの回動角検出手段により、ブレーキペダルの回動角が予め設定した閾値に至ったことが検出された時点としたので、傾斜地での制動時のずり下がりや操作フィーリングのずれを解消することができる。
【0091】
請求項3に示す如く、前記必要制動力発生時を、油圧を媒体として作用するブレーキ油圧機構の油路に設けた油圧検出手段により、油路の油圧が予め設定した閾値に至ったことが検出された時点としたので、傾斜地での制動時のずり下がりや操作フィーリングのずれを解消することができる。
【0092】
請求項4に示す如く、前記閾値を、車体の傾き角を検出するために設けた傾き角検出手段により検出された傾き角の値に応じて補整することとしたので、より効果的なブレーキ作用を発生させることができる。
【0093】
請求項5に示す如く、前記傾き角は、油圧ポンプ又は油圧モータの容積を可変とするために備えられた可動斜板の斜板角検出手段により検出された斜板角と、駆動軸の回転数検出手段により検出された回転数とに基づいて決定することとしたので、新たに検出手段を設けることなく傾き角を推定することができる。
【0094】
請求項6に示す如く、前記閾値を、低速走行時と高速走行時とで異なる値を設けたので、より効果的なブレーキ作用を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】HMT式変速装置のスケルトン図。
【図2】HSTの側面断面展開図。
【図3】トランスミッション前部の側面断面展開図。
【図4】HST斜板制御のための構成を示す説明図。
【図5】車速とHST回転数との関係を示す図。
【図6】HST斜板角変更手段の構成を示す説明図。
【図7】ブレーキペダルの踏込操作とクラッチと制動力の関係を示す図。
【図8】第一実施例に係るブレーキ制御を示す流れ図。
【図9】ブレーキ制御に係る時間の流れを示す図。
【図10】第二実施例に係るHST斜板制御のための構成を示す説明図。
【図11】同じくブレーキ制御を示す流れ図。
【図12】同じくブレーキ制御に係る時間の流れを示す図。
【図13】第三実施例に係るHST斜板制御のための構成を示す説明図。
【図14】同じくブレーキ制御を示す流れ図。
【図15】同じくブレーキ制御に係る時間の流れを示す図。
【図16】車体の登坂角度と(a)必要制動力の関係、(b)クラッチ切断タイミングの関係を示す図。
【図17】車体の傾き角の推定制御を示す流れ図。
【符号の説明】
21 HST
22 油圧ポンプ
22a 可動斜板
23 油圧モータ
25 ポンプ出力軸
26 HST出力軸
27 出力軸
35 ブレーキペダル
35a ペダルアーム
76 油圧検出手段
86 HST斜板角制御手段
90 制御装置
91・92 電磁弁
95 ブレーキ装置
96 ブレーキスイッチ
98 回動角検出手段

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が可変容積の油圧ポンプと油圧モータとから成る油圧式無段変速機構を用いた油圧伝動部と、油圧伝動部と機械伝動部との両方に接続された遊星歯車を用いた差動機構と、油圧式無段変速機構による油圧変速モードと油圧式無段変速機構及び遊星歯車を用いた差動機構による油圧−機械変速モードとの変速モード切換機能と主クラッチ機能とを果たすクラッチを具備した油圧−機械式変速装置において、
    ブレーキペダルの踏込操作を開始後、車両を制動させるために必要な制動力が発生した必要制動力発生時にクラッチを開放し駆動力の伝達を遮断すべく制御したことを特徴とするブレーキ制御機構。
  2. 前記必要制動力発生時を、ブレーキペダルの回動角検出手段により、ブレーキペダルの回動角が予め設定した閾値に至ったことが検出された時点とした、請求項1に記載のブレーキ制御機構。
  3. 前記必要制動力発生時を、油圧を媒体として作用するブレーキ油圧機構の油路に設けた油圧検出手段により、油路の油圧が予め設定した閾値に至ったことが検出された時点とした、請求項1に記載の変速装置のブレーキ制御機構。
  4. 前記閾値を、車体の傾き角を検出するために設けた傾き角検出手段により検出された傾き角の値に応じて補整することとした、請求項2又は請求項3に記載のブレーキ制御機構。
  5. 前記傾き角は、油圧ポンプ又は油圧モータの容積を可変とするために備えられた可動斜板の斜板角検出手段により検出された斜板角と、駆動軸の回転数検出手段により検出された回転数とに基づいて決定することとした、請求項4に記載の変速装置のブレーキ制御機構。
  6. 前記閾値を、低速走行時と高速走行時とで異なる値を設けた、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のブレーキ制御機構。
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