JPH07174209A - 油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置 - Google Patents

油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置

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JPH07174209A
JPH07174209A JP32225793A JP32225793A JPH07174209A JP H07174209 A JPH07174209 A JP H07174209A JP 32225793 A JP32225793 A JP 32225793A JP 32225793 A JP32225793 A JP 32225793A JP H07174209 A JPH07174209 A JP H07174209A
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planetary gear
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Masami Hirasawa
正巳 平沢
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康雄 桑原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速範囲を広くとれる。また右用、左用専用
の終減速機を作る必要がない。 【構成】 可変容量型油圧ポンプ及び可変容量型油圧モ
ータの他に、第1遊星歯車装置及び第2遊星歯車装置と
低速度段及び高速度段用の2組の速度段切換用クラッチ
により、高・低2段の減速比を任意に選ぶことが可能な
終減速機を有し、同終減速機を可変容量型油圧モータの
出力軸に接続することにより、油圧ポンプと油圧モータ
及び単段減速機の組み合わせから得られる変速比よりも
大きな変速比を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、整地・不整地両用の建
設機械、運搬用装軌車両の動力伝達装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ブルドーザや雪上車、ゲレンデ整備車等
の装軌車両の走行駆動方式の1つに、左右終減速機を2
セットの油圧ポンプ及び油圧モータを用いて駆動するH
ST(Hydro−Staic−Transmissi
on)方式がある。これら車両は、一般的には、車速を
要求されないため(約20km/h)、油圧モータの出
力軸には、変速機構を有さない単なる減速機が直結され
ている。
【0003】図3は、従来の代表的なHST方式の装軌
車両の動力伝達装置を示している。図3において、エン
ジンEに連結した軸1は、トランスファ2を介して左右
の可変容量型油圧ポンプ3を駆動し、左右の可変容量型
油圧ポンプ3は、油路を介して左右に配置された可変容
量型油圧モータ4を駆動する。左右の可変容量型油圧モ
ータ4からの出力軸5は、それぞれ左右の終減速機10
内の歯車列6に接続され、歯車列6からの出力軸7は、
遊星歯車装置8のサンギヤ8aを駆動する。
【0004】この遊星歯車装置8のリングギヤ8cは、
固定されているので、キヤリヤ8b及びこれに連結する
出力軸9は、サンギヤ8aと同方向に減速されて回転す
る。同出力軸9においては、左右それぞれの可変容量型
油圧ポンプ3及び可変容量型モータ4の押し除け容積を
それぞれ変化させることにより、無段階の変速及び逆転
が可能であるが、その範囲は、油圧ポンプ及び油圧モー
タの可変容量比により一義的に定まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図3に示す従来の
HST方式の装軌車両の動力伝達装置では、油圧ポンプ
及び油圧モータの可変容量比に制限があり且つ単段の減
速機して有していないため(図3に示す例では、減速機
の減速比が約18程度)、変速比を大きくとれないとい
う問題があった。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、変速範囲を広くとれる。
また右用、左用専用の終減速機を作る必要がない油圧駆
動式装軌車両の動力伝達装置を提供しようとする点にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置は、
1本の入力軸よりトランスファを介して駆動される独立
した2つの可変容量型油圧ポンプと、これにそれぞれ油
路を介して連結される2つの可変容量型油圧モータと、
これにそれぞれ連結される歯車減速装置、第1段遊星歯
車装置、第2段遊星歯車装置、低速度段及び高速度段用
の2つの変速段切換用クラッチ、湿式内蔵型ブレーキか
らなる変速可能な2つの終減速機とにより構成され、可
変容量型油圧モータ及び終減速機は、同型のものが左右
に配置され、可変容量型油圧モータの出力軸は、終減速
機内の歯車減速装置に接続されている。
【0008】
【作用】本発明の油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置は
前記のように可変容量型油圧ポンプ及び可変容量型油圧
モータの他に、第1遊星歯車装置及び第2遊星歯車装置
と低速度段及び高速度段用の2組の速度段切換用クラッ
チにより、高・低2段の減速比を任意に選ぶことが可能
な終減速機を有し、同終減速機を可変容量型油圧モータ
の出力軸に接続することにより、油圧ポンプと油圧モー
タ及び単段減速機の組み合わせから得られる変速比より
も大きな変速比を得られる。
【0009】
【実施例】次に本発明の油圧駆動式装軌車両の動力伝達
装置を図1に示す一実施例により説明すると、1が入力
軸、2がトランスファ、2aがギヤ、2bがギヤ、2c
がトランスファ出力軸、3が可変容量型油圧ポンプ、4
が可変容量型油圧モータ、5が油圧モータ出力軸、6が
歯車減速装置、7が歯車減速装置出力軸、8が第1段遊
星歯車装置、8aがサンギヤ、8bがキヤリア、8cが
リングギヤ、9が高速度段用回転クラッチ、10がブレ
ーキ、11が第2段遊星歯車装置、11aがサンギヤ、
11bがキヤリア、11cがリングギヤ、12が低速度
段用固定クラッチ、13が左出力軸、14が右出力軸、
15が終減速機、16がスプロケットである。
【0010】上記のように本発明の油圧駆動式装軌車両
の動力伝達装置は、エンジン等の動力発生装置からの入
力軸1により、トランスファ2を介して駆動される2つ
の可変容量型油圧ポンプ3と、これにそれぞれ油路を介
して接続される2つの可変容量型油圧モータ4と、これ
にそれぞれ連結される変速可能な2つの終変速機15と
により構成されている。
【0011】この終変速機15では、先ず油圧モータ出
力軸5が終変速機内の歯車減速装置6に接続され、歯車
減速装置からの出力軸7は、第1段遊星歯車装置8のサ
ンギヤ8a及び高速度段用回転クラッチ9に接続され
る。第1段遊星歯車装置8のキヤリア8bは、高速度段
用回転クラッチ9及び湿式内蔵型のサービスブレーキ1
0及び第2段遊星歯車11のサンギヤ11aに接続さ
れ、第1段遊星歯車装置8のリングギヤ8cは、低速度
段用固定クラッチ12に接続される。
【0012】第2段遊星歯車装置11のキヤリア11b
は、出力軸13、14に接続され、出力軸13、14
は、それぞれ左右のスプロケット16に接続される。な
お左右の可変容量油圧モータ4及び終減速機15は、左
右同型のものがそれぞれ配置されるが、終減速機15内
の歯車減速装置6により、左右の可変容量油圧モータ4
は、図のように左右の出力軸13、14の中心を挟んで
向かい合う形で対称的に配置することができる。
【0013】次に前記油圧駆動式装軌車両の動力伝達装
置の作用を具体的に説明する。ここでは、エンジン等の
動力発生装置からの入力軸1の回転速度を一定とし、可
変容量型油圧ポンプ3の押し除け容積及び可変容量型油
圧モータ4の押し除け容積を制御して、出力軸13、1
4の回転速度が最大になるまでの過程(図2参照)及び
操向機能について説明する。 (1)ニュートラル及び停止状態: 固定クチッチ12及
び回転クチッチ9を非作動状態にした場合には、可変容
量型油圧モータ4の出力軸が回転しても、終減速機は、
回転動力を伝えない中立状態(ニュートラル)になる。
【0014】また低速度段用固定クラッチ12のみを係
合することにより、第1遊星歯車装置8のリングギヤ8
cを固定し、可変容量型油圧ポンプ4の押し除け容積を
0に維持すると、油圧モータ4が回転しないため、出力
軸13、14が回転しなくて、停止状態になる。 (2)発進及び低速度段: 上記(1)の停止状態より、
左右の油圧ポンプ3及び左右の油圧モータ4の押し除け
容積を制御し、油圧モータ4の回転数の増大させると、
歯車減速装置6を介して第1遊星歯車装置8のサンギヤ
8aに伝わった動力がキヤリア8bを介して第2遊星歯
車装置11のサンギヤ11aに伝わり、減速されて、出
力軸13に伝わる。この状態が低速度段であるが、油圧
モータ4の回転がある一定回転速度に達すると、高速度
段への切換点になり、低速度段用固定クラッチ12が解
放され、油圧モータ4の回転速度が第1段遊星歯車装置
8の減速分だけ減少するように油圧ポンプ3及び油圧モ
ータ4の押し除け容積が制御された後、高速度段用回転
クラッチ9が係合して、高速度段の状態になる。 (3)高速度段: 高速段用回転クラッチ9の係合によ
り、歯車減速装置6を介して歯車減速装置出力軸7に伝
わった動力が第1段遊星歯車装置8のキヤリア8bを介
して第2遊星歯車装置11のサンギヤ11aに直接伝わ
り、キヤリア11bから出力軸13、14に伝わる。こ
の状態が高速度段であり、油圧ポンプ3及び油圧モータ
4の吐出量を制御し、再び油圧モータ4の回転速度を増
大させると、出力軸13、14の回転がさらに増速され
る。油圧モータ4の回転速度が許容回転速度に達する
と、出力軸13、14の回転速度が最大になる。 (4)操向機能: 前記低速度段及び高速度段の状態で、
左右の油圧ポンプ3及び油圧モータ4の押し除け容積を
制御し、左右それぞれの油圧モータ4の回転速度を任意
の値に増速あるいは減速させると、左出力軸13と右出
力軸14との間に、目標とする速度差が生じ、これによ
り、目標とする旋回半径での旋回が行われる。また左右
どちからの油圧モータ4を停止または逆転させると、信
地または超信地旋回も可能になる。 (5)制動機能: 前記低速度段及び高速度段及びニュー
トラル状態において、ブレーキ10を作動させると、第
1段遊星歯車装置8のキヤリア8bが固定され、これに
伴い第2段遊星歯車装置8を介して左右の出力軸13、
14も固定されて、制動が行われる。
【0015】
【発明の効果】本発明の油圧駆動式装軌車両の動力伝達
装置は前記のように可変容量型油圧ポンプ、可変容量型
油圧モータ、低速度段及び高速度段用の速度切換用クラ
ッチを有した終減速機をそれぞれ左右独立して配置する
ことにより、HSTの特徴である無段階変速機能を備え
ながら、広範囲の変速が可能になる。なお図1の実施例
装置の減速比は、低速度段で約20、高速度段で約6程
度に設定でき、図3に示す従来例の減速比18に比べる
と、変速範囲を広くとれる。
【0016】また油圧モータと、終減速機内の第1段遊
星歯車装置との間に、歯車変速装置を介装することによ
り、左右の油圧モータは、左右の出力軸の中心を挟んで
向かい合う形で対称的に配置することが可能になり、同
一の終減速機を左右に用いることができるので、部品点
数の減少が可能になり、右用、左用専用の終減速機を作
る必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置の
一実施例を示す系統図である。
【図2】同動力伝達装置の油圧ポンプ、油圧モータの押
し除け容積及び油圧モータ回転速度と車両速度との関係
を示す説明図である。
【図3】従来の油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置を示
す系統図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 トランスファ 2a ギヤ 2b ギヤ 2c トランスファ出力軸 3 可変容量型油圧ポンプ 4 可変容量型油圧モータ 5 油圧モータ出力軸 6 歯車減速装置 7 歯車減速装置出力軸 8 第1段遊星歯車装置 8a サンギヤ 8b キヤリア 8c リングギヤ 9 高速度段用回転クラッチ 10 ブレーキ 11 第2段遊星歯車装置 11a サンギヤ 11b キヤリア 11c リングギヤ 12 低速度段用固定クラッチ 13 左出力軸 14 右出力軸 15 終減速機 16 スプロケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本の入力軸よりトランスファを介して
    駆動される独立した2つの可変容量型油圧ポンプと、こ
    れにそれぞれ油路を介して連結される2つの可変容量型
    油圧モータと、これにそれぞれ連結される歯車減速装
    置、第1段遊星歯車装置、第2段遊星歯車装置、低速度
    段及び高速度段用の2つの変速段切換用クラッチ、湿式
    内蔵型ブレーキからなる変速可能な2つの終減速機とに
    より構成され、可変容量型油圧モータ及び終減速機は、
    同型のものが左右に配置され、可変容量型油圧モータの
    出力軸は、終減速機内の歯車減速装置に接続されている
    ことを特徴とした油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置。
JP32225793A 1993-12-21 1993-12-21 油圧駆動式装軌車両の動力伝達装置 Expired - Lifetime JP3217565B2 (ja)

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