JP2010159245A - 酸化化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高収率で酸化化合物を製造することができる酸化化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と構造規定剤とを接触させることにより得られるチタノシリケート(I)又はそのシリル化物の存在下に、有機化合物と酸化剤とを反応させることにより、前記有機化合物を酸化させる工程を含む酸化化合物の製造方法の提供。
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.4±0.8
10.8±0.3
9.0 ±0.3
6.0 ±0.3
3.9 ±0.1
3.4 ±0.1
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化化合物の製造方法に関する。
チタノシリケート触媒を用いた酸化化合物の製造方法として、例えば、Ti(チタン)含有層状化合物を2M硝酸水溶液で酸処理することにより得られるTi−MWW前駆体を触媒として用い、シクロペンテンと過酸化水素とを反応させることにより、シクロペンテンをエポキシ化する方法が、非特許文献1及び非特許文献2に開示されている。また、特許文献1には、上記と同様の触媒の存在下にプロピレンと過酸化水素とを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法が開示されている。
一方、非特許文献3には、Ti−MWW、ピペリジン及び水を混合して得られる化合物を水洗し、100℃にて終夜乾燥することにより得られるTi−MWW前駆体、当該Ti−MWW前駆体を焼成して得られる触媒及び当該触媒によるプロピレンの酸化方法が開示されている。この非特許文献3が開示するTi−MWW前駆体は、同文献記載の元素分析結果から、ピペリジン含量は13.5〜14.2質量%であり、さらにSi(ケイ素)/Ti(チタン)比及びSi(ケイ素)/B(ホウ素)比から算出されるSi/N比は8.5〜8.6である。
キャタリシスツデー(Catalysis Today) 117 (2006) 199-205 触媒討論会特集号No.91(91th CATSJ Meeting Abstracts):No.1B07(2003) ジャーナルオブフィジカルケミストリー(Journal of Physical Chemistry) C, Vol.112,No.15,2008 特開2005−262164号公報
しかしながら、非特許文献1及び2、並びに特許文献1が開示する酸化方法では触媒活性が十分といえるものではなかった。また、非特許文献3では、Ti−MWW前駆体を触媒とする酸化反応は記載されておらず、当該Ti−MWW前駆体を焼成して得られる触媒を用いた酸化反応においても、その触媒活性は十分といえるものではなかった。
かかる状況下、高収率で酸化化合物を製造することができ、たとえば有機化合物としてオレフィン化合物を用いた場合に、高い選択性でエポキシ化合物を製造し得る酸化化合物の製造方法が求められていた。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔13〕の酸化化合物の製造方法、当該製造方法に用いる以下の〔14〕〜〔16〕のチタノシリケート又はそのシリル化物を提供する。
〔1〕下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と構造規定剤とを接触させることにより得られるチタノシリケート(I)又はそのシリル化物の存在下に、有機化合物と、酸化剤と、を反応させる工程を含む酸化化合物の製造方法;
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.4±0.8
10.8±0.3
9.0 ±0.3
6.0 ±0.3
3.9 ±0.1
3.4 ±0.1
〔2〕前記有機化合物が、オレフィン化合物又は芳香族化合物である〔1〕に記載される酸化化合物の製造方法;
〔3〕前記チタノシリケート(I)は、ケイ素と窒素のモル比(Si/N比)が5以上20以下である〔1〕又は〔2〕に記載される酸化化合物の製造方法;
〔4〕前記チタノシリケート(I)は、水蒸気吸着法により測定した比表面積値(SHO)と、窒素吸着法により測定した比表面積値(SN)と、の比(SHO/SN)が0.7以上1.5以下である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法;
〔5〕前記チタノシリケート(II)は、MWW構造もしくはMSE構造を有する結晶性チタノシリケート、又は、以下のTi−MWW前駆体(a)である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法
Ti−MWW前駆体(a):焼成することによりTi−MWWに変換される層状チタノシリケート;
〔6〕前記構造規定剤が、ピペリジン又はヘキサメチレンイミン、あるいはそれらの混合物である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法;
〔7〕前記チタノシリケート(II)と、前記構造規定剤と、を接触させる温度が0〜250℃の範囲である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法;
〔8〕前記酸化剤が、酸素又は過酸化物である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法;
〔9〕前記過酸化物は、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メチルシクロヘキシルヒドロペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキシド、イソブチルベンゼンヒドロペルオキシド、エチルナフタレンヒドロペルオキシド及び過酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である〔8〕に記載される酸化化合物の製造方法;
〔10〕前記反応は、オレフィン化合物のエポキシ化反応、又は、ベンゼン若しくはフェノール化合物のヒドロキシル化反応である〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法;
〔11〕前記反応は、アルコール溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、エステル溶媒又はそれらの混合物である有機溶媒の存在下に行う〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法;
〔12〕前記有機溶媒が、アセトニトリル又はtert−ブタノールである〔11〕に記載される酸化化合物の製造方法;
〔13〕前記反応は、オレフィン化合物のエポキシ化反応であり、前記酸化剤は過酸化水素である〔1〕に記載される酸化化合物の製造方法;
〔14〕ケイ素と窒素のモル比(Si/N比)が10以上20以下であるチタノシリケート又はそのシリル化物;
〔15〕下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と構造規定剤とを接触させることにより得られ〔14〕に記載されるチタノシリケート又はそのシリル化物;
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.4±0.8
10.8±0.3
9.0 ±0.3
6.0 ±0.3
3.9 ±0.1
3.4 ±0.1
〔16〕前記チタノシリケート(II)は、MWW構造もしくはMSE構造を有する結晶性チタノシリケート、又は、以下のTi−MWW前駆体(a)である〔15〕に記載されるチタノシリケート又はそのシリル化物;
Ti−MWW前駆体(a):焼成することによりTi−MWWに変換される層状チタノシリケート
また、本発明は以下の〔17〕及び〔18〕を提供する。
〔17〕酸化化合物の製造方法における触媒として〔14〕〜〔16〕のいずれかに記載されるチタノシリケート又はそのシリル化物の使用;
〔18〕下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と構造規定剤とを接触させることにより得られるチタノシリケート(I)又はそのシリル化物を含む有機化合物の酸化反応用触媒。
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.4±0.8
10.8±0.3
9.0 ±0.3
6.0 ±0.3
3.9 ±0.1
3.4 ±0.1
本発明の製造方法は、高収率で酸化化合物を製造することができる。また、本発明の製造方法は、例えば有機化合物としてオレフィン化合物を用いた場合に、選択的に目的生成物であるエポキシ化合物(酸化化合物)を製造することができる。そのため、酸化化合物の製造として有用である。
また、本発明のチタノシリケート(I)は、有機化合物の酸化反応用の触媒として有用である。
触媒AのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒BのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒CのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒DのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒EのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒FのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒GのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒HのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒IのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒JのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒KのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒LのX線回折パターンを示すグラフである。 触媒MのX線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物1のX線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物2のX線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物3のX線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物4のX線回折パターンを示すグラフである。 粉末b3のX線回折パターンを示すグラフである。 粉末f2X線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物g6のX線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物h3のX線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物i3のX線回折パターンを示すグラフである。 固体生成物j3のX線回折パターンを示すグラフである。 粉末n2のX線回折パターンを示すグラフである。
本発明の酸化化合物の製造方法は、下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と、構造規定剤と、を接触させることにより得られるチタノシリケート(I)又はそのシリル化物の存在下に、有機化合物と、酸化剤と、を反応させる工程を含むものである。
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.4±0.8
10.8±0.3
9.0 ±0.3
6.0 ±0.3
3.9 ±0.1
3.4 ±0.1
チタノシリケートとは、4配位Ti(チタン)を持つシリケートの総称である。本発明におけるチタノシリケートとは、実質的に4配位Tiを持つチタノシリケートを意味し、200nm〜500nmの波長領域における紫外可視吸収スペクトルが、210nm〜230nmの波長領域で最大の吸収ピークが現れるものを表す(例えば、Chemical Communications 1026−1027,(2002) 図2(d)、(e)参照)。
上記紫外可視吸収スペクトルは、拡散反射装置を付属した紫外可視分光光度計を用いて、拡散反射法にて測定することができる。
Ti−MWWとは、MWW構造を有する結晶性チタノシリケートを意味する。MWW構造とは、国際ゼオライト学会(IZA)が規定する構造コードで表される分子ふるいの構造であり、酸素10員環からなる細孔と酸素10員環からなる入口とを持つスーパーケージ(0.7×0.7×1.8nm)と酸素12員環からなる入口を持つハーフカップ状のサイドポケットを有している。
上記チタノシリケート(I)は、チタノシリケート(II)と、構造規定剤と、を接触させることにより得られるので、該チタノシリケート(II)に基づく多孔質構造において構造規定剤を含む細孔が一定の割合で存在すると考えられる。上記チタノシリケート(I)がこのような多孔質構造であることは、後述するようにX線回折パターンから確認される。
更に、上記チタノシリケート(I)は、該チタノシリケート(II)と、構造規定剤と、の接触により焼成工程を経ずに得られるので、後述するようにX線回折パターンのピーク強度比がMWW構造とは異なる。上記チタノシリケート(I)は、有機化合物の酸化反応の触媒として優れた活性を示す。
上記チタノシリケート(I)は、紫外可視分光光度計を用い、拡散反射法(ベースライン用標準物質:スペクトラロン)にて測定した紫外可視吸収スペクトルにおいて210nm〜230nmの波長領域で吸収ピークを示す。
該チタノシリケート(I)は、下記X線回折パターンを示す。
(格子面間隔d/Å)
12.4±0.8
10.8±0.3
9.0 ±0.3
6.0 ±0.3
3.9 ±0.1
3.4 ±0.1
上記格子面間隔において、「d/Å」は、面格子間隔dの単位がオングストロームであることを表す。
チタノシリケート(I)は、さらにX線回折パターンにおいて、(9.0±0.3)のピーク強度Xと、(3.4±0.1)のピーク強度Xと、の強度比X/Xが、0を超え、0.4以下である関係を示す。
上記X線回折パターンは、銅K−アルファ放射線を照射するX線回折装置を用いて測定することができる。
上記チタノシリケート(I)において、ケイ素と窒素とのモル比(Si/N比)は、特に制限されないが、5以上50以下であることが好ましい。
上記Si/N比の下限は、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上である。上記Si/N比の上限は、より好ましくは35以下であり、さらに好ましくは18以下であり、特に好ましくは16以下である。
チタノシリケート(I)は、Si/N比が上記範囲内にある場合、良好な触媒活性を有する。
上記Si/N比が10以上20以下であるチタノシリケート及びそのシリル化物もまた、本発明のひとつである。このチタノシリケート及びそのシリル化物は、それぞれ、上述のチタノシリケート(I)及びそのシリル化物と同様の方法で調製することができる。
なお、上記Si/N比は、被測定試料を元素分析することにより求められる。この元素分析は、以下の通り一般的な方法で実施することができる。Ti(チタン)、Si(ケイ素)及びB(ホウ素)の含量は、アルカリ融解−硝酸溶解−ICP発光分析法にて測定できる。N(窒素)の含量は、酸素循環燃焼・TCD検出方式にて測定できる。
上記チタノシリケート(I)は、水蒸気吸着法により測定した比表面積値(SHO)と、窒素吸着法により測定した比表面積値(SN)と、の比(SHO/SN)が0.7以上であると好ましく、0.8以上であるとさらに好ましい。該SHO/SNの上限は、1.5以下であると好ましく、1.3以下であるとさらに好ましい。
本発明において、上記SNは、被測定試料を150℃で脱気した後、窒素吸着法により測定し、BET法により算出される。上記SHOは、被測定試料を150℃で脱気した後、298Kの吸着温度にて水蒸気吸着法により測定し、BET法により算出される。
上記チタノシリケート(I)は、上述のチタノシリケート(II)と、構造規定剤と、を接触させることにより得られる。
上記チタノシリケート(I)のシリル化物は、例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤でチタノシリケート(I)をシリル化することにより得られる。
本発明において、構造規定剤とは、ゼオライト構造の形成に利用される有機化合物を意味する。上記構造規定剤は、その周囲にポリケイ酸イオンやポリメタロケイ酸イオンを組織することによりゼオライト構造の前駆体を形成することができる(ゼオライトの科学と工学33−34頁 2000年 講談社サイエンティフィク 参照)。
上記構造規定剤としては、MWW構造を有するゼオライトを形成することができる窒素含有化合物が好ましく、例えば、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等の有機アミン;N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム塩(N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムイオダイド等)やChemistry Letters 916−917 (2007)記載のオクチルトリメチルアンモニウム塩(オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド等)等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
特に好ましい構造規定剤は、ピペリジン又はヘキサメチレンイミンであり、これらは併用することもできる。
上記チタノシリケート(I)の製造において、該構造規定剤の量は、上記チタノシリケート(II)1質量部に対し、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、1質量部以上がさらに好ましく、2質量部以上が特に好ましい。該構造規定剤の量は、上記チタノシリケート(II)1質量部に対し、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましく、15質量部以下がより一層好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
該構造規定剤の量が上記範囲内にある場合、チタノシリケート(I)を容易に調製することができる。
上記チタノシリケート(II)と、該構造規定剤と、の接触は、該チタノシリケート(II)と該構造規定剤とをオートクレーブ等の密閉容器に入れ、加熱しつつ加圧する方法で行ってもよいし、大気下、ガラス製フラスコ等の容器中で該チタノシリケート(II)と該構造規定剤とを撹拌しながら、あるいは撹拌せずに混合する方法で行ってもよい。
接触の際の温度は、その下限は0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。該温度の上限は、250℃程度であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。
かかる接触の際の圧力は、特に制限は無いが、ゲージ圧力で0〜10MPa程度が好ましい。接触により得られたチタノシリケート(I)は、例えば、ろ過により分離される。必要により、分離したチタノシリケート(I)を、洗浄、乾燥等の後処理を行ってもよい。得られるチタノシリケート(I)における構造規定剤の量は、この後処理の操作により調整することもできる。
本発明において、チタノシリケート(I)は、上記接触後、さらに洗浄を行うことにより得られるものが好ましい。かかる洗浄を行うことにより、得られるチタノシリケート(I)の純度が上がるだけでなく、チタノシリケート(I)に存在する構造規定剤の量が調整されると考えられる。上記洗浄は、必要により洗浄液の量やpH等を適宜調整して行えばよい。上記洗浄は、洗浄液として水を用いることが好ましく、洗浄液のpHが7〜11となるまで行うことがより好ましい。上記接触後に乾燥を行う場合、温度等の条件は、下記のチタノシリケート(I)の特徴が損なわれない範囲で適宜設定することができる。
なお、チタノシリケート(I)は、焼成することによりMWW構造に変換されるので、Ti−MWW前駆体に分類される。
上記チタノシリケート(II)としては、例えば、MWW構造またはMSE構造を有する結晶性チタノシリケート、Ti−MWW前駆体(a)、Ti−YNU−1が挙げられる。
上記Ti−YNU−1としては、例えば、アンゲバンテヒミー・インターナショナルエディション(Angewandte Chemie International Edition)43,236−240,(2004)に記載されたTi−YNU−1等が挙げられる。
上記MWW構造を有する結晶性チタノシリケートとしては、例えば、特開2003−327425号公報に記載されたTi−MWW等が挙げられる。
上記MSE構造を有する結晶性チタノシリケートとしては、例えば、特開2008−50186号公報に記載されたTi−MCM−68等が挙げられる。
本発明において、Ti−MWW前駆体は、層状構造を有するチタノシリケートを意味する。このようなTi−MWW前駆体は、焼成することによりTi−MWWとなる性質を示す。焼成については後述する。
上記Ti−MWW前駆体(a)は、焼成することによりTi−MWWに変換される層状チタノシリケートである。該Ti−MWW前駆体(a)は、ケイ素と窒素のモル比(Si/N比)が21以上であることが好ましい。上記Ti−MWW前駆体(a)として、チタノシリケート(I)を用いることもできる。
Ti−MWW前駆体(a)としては、例えば、特開2005−262164号公報に記載されたTi−MWW前駆体等が挙げられる。
上記チタノシリケート(II)としては、MWW構造もしくはMSE構造を有する結晶性チタノシリケート、又はTi−MWW前駆体(a)が好ましく、MWW構造を有するTi−MWW、又はTi−MWW前駆体(a)がより好ましい。
上記チタノシリケート(II)は、上述の文献に記載された方法等、公知の方法で製造することができる。MWW構造を有する結晶性チタノシリケートは、例えば、Ti−MWW前駆体(a)を焼成することにより製造することもできる。このTi−MWW前駆体(a)を製造する典型的な方法として、例えば、以下の第一から第三の態様が挙げられる。
第一の態様は、以下の第1工程及び第2工程を含む製造方法である。

第1工程
構造規定剤、元素周期律表の13族元素を含有する化合物(以下、この化合物を「13族元素含有化合物」という。)、ケイ素含有化合物、チタン含有化合物及び水を含有する混合物を加熱して層状化合物を得る工程
第2工程
第1工程で得た層状化合物を酸処理し、Ti−MWW前駆体(a)を得る工程

ここで、上記層状化合物は、Ti−MWW合成において、as−synthesizedサンプルと呼ばれ、これをそのまま焼成することによりMWW構造を有するゼオライトに変化する。しかし、該層状化合物は、200nm〜500nmの波長領域における紫外可視吸収スペクトルが、210nm〜230nmの波長領域で最大の吸収ピークを与えず、本発明におけるチタノシリケート[チタノシリケート(I)又はチタノシリケート(II)]ではないため、Ti−MWW前駆体とは明らかに区別される(例えば、Chemistry Letters 774−775,(2000) 図2(a)参照)。
上記第1工程における構造規定剤としては、チタノシリケート(I)の調製における例と同様の化合物が挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
好ましい構造規定剤は、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン又はそれらの混合物である。
上記第1工程の混合物における構造規定剤の量は、ケイ素含有化合物中のケイ素1モルに対して、0.1〜5モルの範囲であることが好ましく、0.5〜3モルの範囲であるとさらに好ましい。
13族元素含有化合物としては、例えば、ホウ素含有化合物、アルミニウム含有化合物、及びガリウム含有化合物が挙げられ、好ましくはホウ素含有化合物である。
ホウ素含有化合物としては、例えば、ホウ酸;ホウ酸塩;酸化ホウ素;ハロゲン化ホウ素;及び炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルホウ素化合物等が挙げられ、特にホウ酸が好ましい。
アルミニウム含有化合物としては、アルミン酸ナトリウム等が挙げられる。
ガリウム含有化合物としては、酸化ガリウム等が挙げられる。
上記第1工程の混合物における、13族元素含有化合物の量は、ケイ素含有化合物に含まれるケイ素1モルに対して、好ましくは0.01〜10モルの範囲であり、より好ましくは0.1〜5モルの範囲である。
上記ケイ素含有化合物としては、例えば、ケイ酸、ケイ酸塩、酸化ケイ素、ハロゲン化ケイ素、ヒュームドシリカ、テトラアルキルオルトケイ酸エステル及びコロイダルシリカが挙げられ、好ましくはヒュームドシリカである。
上記第1工程の混合物におけるケイ素含有化合物と水との割合は、ケイ素1モルに対して水が5〜200モルの範囲であることが好ましく、より好ましくは、10〜50モルの範囲である。
上記チタン含有化合物としては、例えば、チタンアルコキシド、チタン酸塩、酸化チタン、ハロゲン化チタン、チタンの無機酸塩、及びチタンの有機酸塩等が挙げられ、チタンアルコキシドが好ましい。
チタンアルコキシドとしては、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するチタンアルコキシド、例えばチタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、及びチタンテトラブトキシド等が挙げられる。
チタンの有機酸塩としては、酢酸チタン等が挙げられる。
チタンの無機酸塩としては、硝酸チタン、硫酸チタン、リン酸チタン、及び過塩素酸チタンが挙げられる。
ハロゲン化チタンとしては、四塩化チタン等が挙げられる。
酸化チタンとしては、二酸化チタン等が挙げられる。
上記第1工程の混合物におけるチタン含有化合物の量は、ケイ素含有化合物中のケイ素1モルに対して、0.005〜0.1モルの範囲が好ましく、0.01〜0.05モルの範囲が更に好ましい。
上記第1工程における加熱操作は、混合物をオートクレーブ等の密閉容器に入れ、加熱しつつ加圧する水熱合成条件下で行うことが好ましい(例えば、Chemistry Letters 774−775 (2000)参照)。該加熱操作における好ましい温度は110〜200℃の範囲であり、より好ましくは120〜180℃の範囲である。加熱後の混合物は、例えばろ過により固形物と液体成分とに分離する。加熱後の混合物における余剰の原料は、ろ過により分離される。さらに、水等を用いて固形物を洗浄し、加熱乾燥することにより層状化合物が得られる。ここで、洗浄液のpHが7〜11となるまで固形物を洗浄することが好ましい。上記加熱乾燥は、0〜100℃程度の温度で固形物の質量減少が無くなるまで行うことが好ましい。
次に、第2工程について説明する。
該第2工程は、上記第1工程で得た層状化合物を酸処理し、Ti−MWW前駆体(a)を得る工程である。ここで「酸処理」とは、酸との接触を意味し、具体的には酸を含む溶液あるいは酸そのものを、処理対象物(層状化合物)に接触させることを意味する。かかる接触の方法に制限は無く、処理対象物(層状化合物)に酸あるいは酸の溶液を噴霧、塗布する方法でも、酸あるいは酸の溶液に層状化合物を浸漬する方法でもよいが、酸あるいは酸の溶液に処理対象物(層状化合物)を浸漬する方法が好ましい。
酸処理に用いる酸は、無機酸であっても有機酸であってもよい。無機酸としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、及びフルオロスルホン酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、及び酒石酸等が挙げられる。上記酸処理において、酸は1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
上記酸処理に用いる酸の溶液は、例えば、上述の酸を溶媒に溶解させることにより調製することができる。この溶媒として水、アルコール溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒もしくはそれらの混合物が挙げられ、特に水が好ましい。また、上記酸の溶液には有機酸塩又は無機酸塩を加えることもできる。上記塩を構成するカチオンとしては、ピペリジンやヘキサメチレンイミン等の有機アミン類に水素原子が結合したカチオン;ナトリウム、カリウム、カルシウム、やマグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオン;及びアンモニウムのカチオン等が挙げられる。
使用される酸の濃度は、特に制限はないが、0.01M〜20M(M:モル/リットル)の範囲であると好ましい。酸として無機酸を用いる場合には、該無機酸の濃度は1M〜5Mであると好ましい。
層状化合物と酸を接触させる温度は、0℃〜200℃の範囲が好ましく、50℃〜180℃の範囲がより好ましく、60℃〜150℃の範囲が特に好ましい。
Ti−MWW前駆体(a)を製造する第二の態様は、以下の第I工程〜第III工程を含む方法である。

第I工程
構造規定剤、13族元素含有化合物、ケイ素含有化合物及び水を含有する混合物を加熱して固体生成物aを得る工程
第II工程
固体生成物aを酸処理して固体生成物bを得る工程
第III工程
構造規定剤、チタン含有化合物及び水を、固体生成物bに加え、得られた混合物を加熱して固体生成物cを得る工程
第IV工程
固体生成物cを酸処理してTi−MWW前駆体(a)を得る工程
上記第I工程における構造規定剤としては、チタノシリケート(I)の調製における例と同様の化合物が例示される。好ましい構造規定剤は、ピペリジン、ヘキサメチレン、イミンである。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
上記第I工程の混合物における構造規定剤の量は、ケイ素含有化合物中のケイ素1モルに対して、0.1〜5モルの範囲であることが好ましく、0.5〜3モルの範囲であるとさらに好ましい。
上記第I工程における13族元素含有化合物及びケイ素含有化合物としては、それぞれ第一の態様の調製における例と同様の化合物が例示される。
上記第I工程の混合物における13族元素含有化合物の量は、ケイ素含有化合物に含まれるケイ素1モルに対して、0.01〜10モルの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5モルの範囲である。
第I工程の混合物におけるケイ素含有化合物と水との割合は、ケイ素含有化合物に含まれるケイ素1モルに対して水が5〜200モルの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜50モルの範囲である。
また、第I工程と第II工程の間に以下の第I−2工程を行い、第II工程において、第I−2工程で得られた固体生成物a1を第I工程で得られた固体生成物aの代わりに用いることもできる。

第I−2工程
固体生成物aを焼成する工程
焼成とは、脱水縮合等の熱分解、化学反応、焼結等を目的とした鉱物の高温処理の一方式であり(化学大辞典 共立出版 1960年参照)、一般に水分の除去を目的とする乾燥と区別される。焼成は、非液相中、層状化合物の層間の脱水縮合を目的とするものである。本発明における焼成は、非液相中で行うので、液相中での高温処理とも区別され、また、液相中での高温処理とも区別される。本発明におけるチタノシリケートの焼成は、非液相中、層状化合物の層間の脱水縮合を目的とするものである。Ti−MWW前駆体(a)の調製における焼成は、脱水縮合が完全に進行していなくてもよい。
上記焼成は、公知の条件で行うことができ、開放系で行っても、ガス流通系で行ってもよい。上記焼成は、空気存在下で焼成することが特に容易であるが、窒素などの不活性ガス雰囲気下で所定の温度まで昇温した後、酸素を導入して行ってもよい。
当該焼成における焼成温度は、好ましくは200℃を超え、1000℃以下の範囲であり、より好ましくは300〜650℃の範囲である。この温度が低すぎると焼成の目的を果たすために極めて長い時間を必要とする場合があり、この温度が高すぎると構造破壊を起こす恐れがある。
次に、第II工程について説明する。この第II工程は、固体生成物aあるいは固体生成物a1を酸処理して固体生成物bを得る工程である。該第II工程における酸処理は、上述の第一の態様における酸処理と同様に行うことができる。
また、上記第II工程と上記第III工程の間に以下の第II−2工程を行い、該第III工程において、第II−2工程で得られた固体生成物b1を固体生成物bのかわりに用いることもできる。

第II−2工程
固体生成物bを焼成する工程

本工程は、上述の第I−2工程と同様の条件で行うことができる。
次に、上記第III工程について説明する。該第III工程は、構造規定剤及びチタン含有化合物及び水を固体生成物bに加え、得られた混合物を加熱して固体生成物cを得る工程である。
上記第III工程における構造規定剤及びチタン含有化合物としては、それぞれ第一の態様における例と同様の化合物が例示される。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
上記第III工程の混合物における構造規定剤は、固体生成物bあるいはb1中のケイ素1モルに対して、0.1〜5モルの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3モルの範囲である。
上記第III工程の混合物におけるチタン含有化合物の量は、固体生成物bあるいはb1中のケイ素1モルに対して通常0.005〜0.1モルの範囲であり、より好ましくは、0.01〜0.05モルの範囲である。
上記第III工程の混合物における固体生成物bと水との割合は、固体生成物bあるいはb1中のケイ素1モルに対して水が5〜200モルの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜50モルの範囲である。
上記第III工程における加熱操作は、上述の第一の態様と同様に行うことができる。
次に、上記第IV工程について説明する。該第IV工程は、固体生成物cを酸処理してTi−MWW前駆体(a)を得る工程である。
該第IV工程における酸処理は、第一の態様と同様に行うことができる。
上記Ti−MWW前駆体(a)を製造する第三の態様は、以下の第A工程及び第B工程を含む方法である。

第A工程
構造規定剤、13族元素含有化合物、ケイ素含有化合物、チタン含有化合物及び水を含有する混合物を加熱して層状化合物iを得る工程
第B工程
層状化合物iを、チタン含有化合物及び無機酸と接触させてTi−MWW前駆体(a)を得る工程
第A工程における構造規定剤、13族元素含有化合物、ケイ素含有化合物及びチタン含有化合物としては、それぞれ、第一の態様に関し例示した化合物が挙げられる。
第A工程の混合物における構造規定剤、13族元素含有化合物、ケイ素含有化合物及びチタン含有化合物の量は、第一の態様における第1工程と同様である。
第A工程における加熱操作は、上記第1工程と同様により行うことができる。
第A工程のかわりに以下の第A−2工程を行い、第B工程において、第A−2工程で得られた固体生成物aを層状化合物iの代わりに用いることもできる。

第A−2工程
構造規定剤、13族元素含有化合物、ケイ素含有化合物及び水を含有する混合物を加熱して固体生成物aを得る工程
第A−2工程は、上述の第二の態様の第I工程と同様に行うことができる。
次に、第B工程について説明する。第B工程は、層状化合物iあるいは固体生成物aを、チタン含有化合物及び無機酸と接触させてTi−MWW前駆体(a)を得る工程である。
上記第B工程における無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、フルオロスルホン酸及びこれらの混合物が挙げられ、硝酸、過塩素酸、フルオロスルホン酸及びこれらの混合物が好ましい。酸を溶液中で使用する場合には、その溶媒として水、アルコール溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、及びケトン溶媒が例示され、特に水が好ましい。無機酸の濃度は、特に制限はなく、一般に0.01M〜20M(M:モル/リットル)の範囲である。好ましい無機酸の濃度は1M〜5Mである。
第B工程におけるチタン含有化合物としては、上述の第I工程と同様の化合物が挙げられる。該チタン含有化合物の量は、層状化合物iあるいは固体生成物a 1質量部に対し0.001〜10質量部であればよく、好ましくは0.01〜2質量部の範囲である。
層状化合物iあるいは固体生成物aと、チタン含有化合物と、無機酸との接触は、層状化合物iあるいは固体生成物aを、チタン含有化合物及び無機酸の混合物と接触させることにより行われ、その際の温度としては20〜150℃が好ましく、50〜104℃がより好ましい。接触させる際の圧力は、制限は無いが、ゲージ圧力で0〜10MPa程度であると好ましい。
上記チタノシリケート(I)及びそのシリル化物は、それぞれ有機化合物の酸化反応において触媒として使用することができる。該チタノシリケート(I)及びそのシリル化物を含む有機化合物の酸化反応用触媒もまた、本発明のひとつである。本発明の酸化反応用触媒は、有機化合物の酸化反応、なかでもオレフィンのエポキシ化反応に有用である。
本発明のチタノシリケート及びそのシリル化物は、チタノシリケート(I)と同様に、それぞれ酸化化合物の製造方法における触媒として使用することができる。
本発明の製造方法では、チタノシリケート(I)又はそのシリル化物の存在下に、有機化合物と酸化剤との反応が行われる。
ここで酸化剤とは上記有機化合物に酸素原子を与える化合物を意味する。上記酸化剤としては、例えば酸素及び過酸化物が挙げられる。該過酸化物としては、例えば過酸化水素及び有機過酸化物が挙げられる。
該有機過酸化物としては、例えば、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メチルシクロヘキシルヒドロペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキシド、イソブチルベンゼンヒドロペルオキシド、エチルナフタレンヒドロペルオキシド及び過酢酸が挙げられる。上記酸化剤として、上記例示した過酸化物を2種以上混合して使用することもできる。
上記過酸化物としては、過酸化水素が特に好ましい。該製造方法において、過酸化水素は0.0001質量%以上、100質量%未満の範囲の濃度の過酸化水素水溶液として用いられる。過酸化水素は、公知の方法で製造することができ、市販されたものでもよいし、酸化反応と同じ反応系内で貴金属の存在下に酸素と水素から製造されたものでもよい。
本発明の製造方法において、酸化剤の量は、有機化合物の種類や反応条件等に応じて任意に選択することができるが、有機化合物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上である。上記酸化剤の量は、有機化合物100質量部に対して、好ましくは1000質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
上記製造方法における有機化合物としては、ベンゼン、フェノール化合物等の芳香族化合物、あるいはオレフィン化合物が挙げられる。
フェノール化合物としては、無置換もしくは置換フェノールが例示される。ここで置換フェノールとは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基あるいはシクロアルキル基を置換基として有する、アルキルフェノールを意味する。置換基のアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基及びヘキシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。上記シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などが挙げられる。
フェノール化合物としては、例えば、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、3−イソプロピルフェノール、2−ブチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール等が挙げられ、特にフェノールが好ましい。
オレフィン化合物としては、置換もしくは無置換のヒドロカルビル基又は、水素がオレフィン二重結合を構成する炭素原子に結合した化合物が挙げられる。
ヒドロカルビル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基等が挙げられる。ヒドロカルビル基としては、飽和のヒドロカルビル基が例示され、飽和のヒドロカルビル基としてはアルキル基が例示される。
オレフィン化合物としては、具体的には、炭素数2〜10のアルケン、及び炭素数4〜10のシクロアルケンが例示される。
炭素数2〜10のアルケンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、2−ブテン、イソブテン、2−ペンテン、3−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、2−オクテン、3−オクテン、2−ノネン、3−ノネン、2−デセン及び3−デセン等が例示される。
炭素数4〜10のシクロアルケンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロへキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン等が例示される。
本発明において、有機化合物としてはオレフィン化合物が好ましく、炭素数2〜10のアルケンがより好ましく、炭素数2〜5のアルケンが更に好ましく、プロピレンが特に好ましい。
本発明において、有機化合物の量は、その種類や反応条件等に応じて任意に選択することができるが、液相の溶媒の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上である。上記有機化合物の量は、液相の溶媒の合計量100質量部に対して、好ましくは1000質量部、より好ましくは100質量部である。
本発明の製造方法において、チタノシリケート(I)もしくはそのシリル化物の量は、反応の種類に応じて適宜選択することができるが、液相の溶媒の合計量に対して、下限が好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、上限が好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
本発明における酸化反応としては、例えば、オレフィン化合物のエポキシ化反応や、ベンゼンまたはフェノール化合物等の芳香族化合物のヒドロキシル化反応が挙げられる。
上記エポキシ化反応としては、例えば、オレフィン化合物が対応するエポキシ化合物に変換される反応が挙げられる。
上記ヒドロキシル化反応としては、例えば、芳香族化合物が、その芳香族環のヒドロキシル化によりフェノールや多価フェノール化合物に変換する反応が挙げられる。
本発明の製造方法は、酸化剤として過酸化水素を用いて、炭素数2〜10のアルケン、好ましくは炭素数2〜5のアルケン、特にプロピレンをエポキシ化する反応に好適である。
本発明の製造方法において、酸化化合物は、上述の酸化反応により得られる酸素含有化合物を意味する。上記酸化化合物としては、上記エポキシ化反応により得られるエポキシ化合物、上記ヒドロキシル化反応により得られるフェノールや多価フェノール化合物が挙げられる。
本発明の製造方法において、チタノシリケート(I)は、予め過酸化水素を接触させた後に反応に供することもできる。
上記接触における過酸化水素として、過酸化水素溶液を用いることができる。該過酸化水素溶液の濃度は0.0001質量%〜50質量%の範囲であると好ましい。過酸化水素溶液は、水溶液であってもよいし、水以外の溶媒の溶液であってもよい。水以外の溶媒としては、酸化反応の溶媒等の中から好適な溶媒を選択することができる。上記接触の温度は、0〜100℃の範囲で行われると好ましく、0〜60℃の範囲で行われるとさらに好ましい。
本発明の製造方法において、酸化剤が過酸化水素である場合、該過酸化水素は、酸化反応と同一反応系内で製造することにより供給してもよい。
該過酸化水素は、酸化反応と同一反応系内で製造する場合、例えば、貴金属触媒の存在下で酸素と水素から製造することができる。
該貴金属触媒としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、金等の貴金属、またはそれらの合金もしくは混合物があげられる。好ましい貴金属としては、パラジウム、白金、金が挙げられる。より好ましい貴金属はパラジウムである。パラジウムとしては、例えば、パラジウムコロイドを用いてもよい(例えば、特開2002−294301号公報、実施例1等参照)。上記貴金属触媒として、酸化反応系内で還元することにより貴金属に変換される貴金属化合物を用いてよく、好ましい貴金属化合物はパラジウム化合物である。なお、該貴金属触媒として、パラジウムを用いる場合、更に白金、金、ロジウム、イリジウム、オスミウム等のパラジウム以外の金属も添加混合して用いることができる。好ましいパラジウム以外の金属としては、白金があげられる。
該パラジウム化合物として、例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等の4価のパラジウム化合物類;塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロ(ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジブロモテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)等の2価パラジウム化合物類が例示される。
貴金属は、担体に担持して使用されることが好ましい。貴金属は、チタノシリケート(I)に担持して使用することもできるし、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ニオビア等の酸化物;ニオブ酸、ジルコニウム酸、タングステン酸、チタン酸等の水化物;炭素;あるいはそれらの混合物に担持して使用することもできる。チタノシリケート(I)以外に貴金属を担持させた場合、貴金属を担持した担体をチタノシリケート(I)と混合し、当該混合物を触媒として使用することができる。チタノシリケート(I)以外の担体の中では、炭素が好ましい担体として挙げられる。炭素担体としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等が知られている。
貴金属担持触媒の調製方法としては、例えば、貴金属化合物を担体上に担持した後、還元する方法が知られている。貴金属化合物の担持は、含浸法等の従来公知の方法を用いることができる。
還元方法としては、水素等の還元剤を用いて還元してもよいし、不活性ガス雰囲気下、熱分解時に発生するアンモニアガスで還元してもよい。還元温度は、貴金属化合物の種類等によって異なるが、貴金属化合物としてジクロロテトラアンミンパラジウム(II)を用いた場合は、100〜500℃の範囲が好ましく、200〜350℃の範囲が更に好ましい。
上記貴金属担持触媒は、貴金属を0.01〜20質量%の範囲、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で含む。貴金属の使用量は、チタノシリケート(I)1質量部に対し、0.00001質量部以上であればよく、0.0001質量部以上が好ましく、0.001質量部以上が更に好ましい。該貴金属の使用量は、チタノシリケート(I)1質量部に対し、100質量部以下であればよく、20質量部以下が好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
本発明において、反応温度、反応圧力等の条件は、使用する有機化合物の種類や量等に応じて任意に設定することができる。
反応温度は0℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。また、反応温度は200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
反応圧力は0.1MPa以上が好ましく、1MPa以上がより好ましい。また、該反応圧力は20MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましい。
なお、反応後、反応生成物の回収は、蒸留分離等の公知の方法により行うことができる。
以下、本発明の製造方法として、オレフィン化合物の酸化(エポキシ化)によりエポキシ化合物を製造する方法を例にあげ、詳細に説明する。なお、かかるエポキシ化を以下、「本エポキシ化」ということがある。
この製造方法において、本エポキシ化は溶媒を含む液相中で行われると好ましい。該溶媒としては、水、有機溶媒あるいは両者の混合物等が挙げられる。
有機溶媒としては、アルコール溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、エステル溶媒、及びそれらの混合物が挙げられる。
脂肪族炭化水素溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数5〜10の脂肪族炭化水素が挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素数6〜15の芳香族炭化水素が挙げられる。
上記アルコール溶媒としては、炭素数1〜6の1価アルコール、炭素数2〜8のグリコール等が挙げられる。上記アルコール溶媒としては、炭素数1〜8の脂肪族アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びtert−ブタノール等の炭素数1〜4の1価アルコールがより好ましく、tert−ブタノールが更に好ましい。
上記ニトリル溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル等の炭素数2〜4のアルキルニトリル及びベンゾニトリルが好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
上記有機溶媒としては、触媒活性、選択性の観点から、アルコール溶媒及び/又はニトリル溶媒が好ましい。
本エポキシ化においては、緩衝剤を反応系に存在させた場合、触媒活性の減少を防止したり、触媒活性をさらに増大させたり、することができ、有機化合物としてガスを用いた場合、原料ガスの利用効率を向上させることができる。
該緩衝剤は、液相中に溶解させることにより反応系に存在させることが典型的であるが、同一反応系内で製造した過酸化水素を酸化剤として用いる場合、予め貴金属錯体の一部に含ませておいてもよい。例えば、パラジウム(Pd)テトラアンミンクロリド等のアンミン錯体等を担体上に含浸法等によって担持した後、還元し、アンモニウムイオンを残存させ、エポキシ化反応中に緩衝剤を発生させる方法がある。緩衝剤の添加量は、液相の溶媒1kgあたり、0.001〜100mmol/kgであると好ましい。
該緩衝剤としては、
1)硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸2水素イオン、ピロリン酸水素イオン、ピロリン酸イオン、ハロゲンイオン、硝酸イオン、水酸化物イオン、及び、炭素数1〜10のカルボン酸イオンからなる群より選ばれるアニオンと、
2)アンモニウム、炭素数1〜20のアルキルアンモニウム、炭素数7〜20のアルキルアリールアンモニウム、アルカリ金属、及び、アルカリ土類金属からなる群より選ばれるカチオンと、
からなる緩衝剤が例示される。
ここで、炭素数1〜10のカルボン酸イオンとしては、酢酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、吉草酸イオン、カプロン酸イオン、カプリル酸イオン、カプリン酸イオン、及び安息香酸イオン等が例示される。
炭素数1〜20のアルキルアンモニウムの例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、及びセチルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
アルカリ金属及びアルカリ土類金属のカチオンの例は、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、セシウムカチオン、マグネシウムカチオン、カルシウムカチオン、ストロンチウムカチオン、及びバリウムカチオン等が例示される。
好ましい緩衝剤としては、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸水素アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩;及び酢酸アンモニウム等の炭素数1〜10のカルボン酸のアンモニウム塩;が挙げられ、好ましいアンモニウム塩としては、リン酸2水素アンモニウムが挙げられる。
本エポキシ化において、酸化反応と同一反応系内で酸素と水素から過酸化水素を合成して使用する場合は、キノイド化合物を反応系に存在させることにより、酸化化合物の選択性をさらに増大させることができる。
上記キノイド化合物としては、下記式(1)のρ−キノイド化合物及びフェナントラキノン化合物が例示される。
Figure 2010159245

(式中、R、R、R及びRは、水素原子を表すかあるいは、RとR、あるいはRとRは、それぞれ独立に、その末端で結合し、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよいナフタレン環を表し、X及びYはそれぞれ独立に、酸素原子もしくはNH基を表す。)
式(1)の化合物としては、
1)式(1)において、R、R、R及びRが全て水素原子であり、X及びYが共に酸素原子であるキノン化合物(1A)、
2)式(1)において、R、R、R及びRが全て水素原子であり、Xが酸素原子であり、YがNH基であるキノンイミン化合物(1B)、
3)式(1)において、R、R、R及びRが全て水素原子であり、X及びYがNH基であるキノンジイミン化合物(1C)が例示される。
式(1)のキノイド化合物には、下記のアントラキノン化合物(2)が含まれる。
Figure 2010159245

(式中、X及びYは式(1)において定義されたとおりであり、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基もしくはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基)を表す。)。
式(1)及び式(2)において、X及びYは好ましくは、酸素原子を表す。
上記キノイド化合物は、反応条件によっては、一部が水素化されたキノイド化合物のジヒドロ体となり得るが、これらの化合物を使用してもよい。
上記キノイド化合物としては、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、アルキルアントラキノン化合物、ポリヒドロキシアントラキノン、ρ−キノイド化合物、及びο−キノイド化合物等があげられる。
上記アルキルアントラキノン化合物としては、例えば2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−ブチルアントラキノン、2−tert−アミルアントラキノン、2−イソプロピルアントラキノン、2−s−ブチルアントラキノン及び2−s−アミルアントラキノン等の2−アルキルアントラキノン化合物;1,3−ジエチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン及び2,7−ジメチルアントラキノン等のポリアルキルアントラキノン化合物が挙げられる。上記ポリヒドロキシアントラキノンとしては、2,6−ジヒドロキシアントラキノン等が挙げられる。上記ρ−キノイド化合物としては、ナフトキノン、1,4−フェナントラキノン等が挙げられる。上記ο−キノイド化合物としては、1,2−、3,4−及び9,10−フェナントラキノン等が挙げられる。
好ましいキノイド化合物としては、アントラキノンや、2−アルキルアントラキノン化合物(式(2)において、X及びYが酸素原子であり、Rが2位に置換したアルキル基であり、Rが水素を表し、R及びRが水素原子を表す。)が挙げられる。
用いるキノイド化合物の量は、液相の溶媒1kgあたり、0.001〜500mmol/kgの範囲であり、0.01〜50mmol/kgであると更に好ましい。
さらに本エポキシ化においては、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩又はアルキルアリールアンモニウム塩と、キノイド化合物と、を同時に反応系中に加えることも可能である。
上記キノイド化合物は、該キノイド化合物のジヒドロ体を反応系内で酸素等を用いて酸化させることにより調製することもできる。例えばヒドロキノンや、9,10−アントラセンジオール等のキノイド化合物が水素化された化合物を液相中に添加し、反応器内で酸素により酸化してキノイド化合物を発生させて使用してもよい。
上記キノイド化合物のジヒドロ体としては、前記式(1)及び式(2)の化合物のジヒドロ体である下記の式(3)及び(4)の化合物が例示される。
Figure 2010159245

(式中、R、R、R、R、X及びYは、前記式(1)に関して定義されたとおりである。)
Figure 2010159245
(式中、X、Y、R、R、R及びRは前記式(2)に関して定義されたとおりである。)
式(3)及び式(4)において、X及びYは、好ましくは酸素原子を表す。
好ましいキノイド化合物のジヒドロ体としては、上述の好ましいキノイド化合物に対応するジヒドロ体が挙げられる。
本エポキシ化を実施する反応形式としては、流通式固定床反応、流通式スラリー完全混合反応等があげられる。
予め製造した過酸化物を用いてオレフィン化合物を酸化して、本エポキシ化を行う場合、反応ガス雰囲気に制限はない。
本エポキシ化と同一反応系内で、貴金属の存在下に酸素と水素とから過酸化物を製造させる場合、反応器に供給する酸素と水素との分圧比は、酸素:水素=1:50〜50:1の範囲である。好ましい酸素と水素の分圧比は、酸素:水素=1:2〜10:1である。酸素と水素との分圧比が高すぎると、エポキシ化合物の生成速度が低下する場合がある。また、酸素と水素との分圧比が低すぎると、アルカン化合物副生の増大によりエポキシ化合物の選択率が低下する場合がある。
本エポキシ化において、酸素及び水素は、他のガスにより希釈されていてもよい。希釈に用いる他のガスとしては、窒素、アルゴン、二酸化炭素、メタン、エタン及びプロパンがあげられる。希釈用ガスの濃度に制限は無いが、必要により、酸素あるいは水素を希釈して反応は行われる。。
本エポキシ化の原料ガスである酸素は、酸素ガスそのものを用いても、空気を用いてもよい。酸素ガスは安価な圧力スウィング法で製造した酸素ガスも使用できるし、必要に応じて深冷分離等で製造した高純度酸素ガスを用いることもできる。
本エポキシ化の反応温度は0℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が特に好ましい。一方、該反応温度の上限は、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、120℃以下が特に好ましい。
反応温度が低すぎると反応速度が遅くなる傾向があり、反応温度が高くなりすぎると副反応による副生成物が増加する傾向がある。
本エポキシ化の反応圧力は、ゲージ圧力で0.1MPa〜20MPaの範囲が好ましく、1MPa〜10MPaの範囲が更に好ましい。
反応後、反応生成物の回収は、蒸留分離等の公知の方法により行うことができる。
本エポキシ化において、チタノシリケート(I)又はシリル化物の量は、反応の種類、特に用いる有機化合物(オレフィン化合物)の種類等に応じて適宜選択することができるが、液相の溶媒の合計量に対して、下限は0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。一方、その上限は20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下が特に好ましい。
本エポキシ化において、オレフィン化合物の量は、その種類や反応条件等に応じて適宜選択することができるが、液相の溶媒の合計量100質量部に対して、下限は0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、1質量部以上が特に好ましい。一方、その上限は1000質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、50質量部以下が特に好ましい。
本エポキシ化において、酸化剤の量は、オレフィン化合物の種類や反応条件等に応じて任意に選択することができるが、オレフィン化合物100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。上記酸化剤の量は、オレフィン化合物100質量部に対して、好ましい上限が100質量部以下、より好ましい上限が50質量部以下である。
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。
本実施例において、各測定は以下の方法で行った。
1.Ti(チタン)、Si(ケイ素)、B(ホウ素)の含有量
スミグラフ NCH−22F型(住友化学分析センター製)を用い、アルカリ融解−硝酸溶解−ICP発光分析法にて測定した。
2.N(窒素)の含有量
スミグラフ NCH−22F型(住友化学分析センター製)を用い、酸素循環燃焼・TCD検出方式にて測定した。
3.紫外可視吸収スペクトル(UV−Vis)スペクトル
拡散反射装置(HARRICK製 Praying Mantis)を付属した紫外可視分光光度計(日本分光製(V−7100))を用い、拡散反射法にて測定した。
測定範囲:200〜500nm
ベースライン用標準物質:スペクトラロン
4.窒素吸着による比表面積値(SN
試料約100mgを150℃で8時間脱気した後、BELSORP−mini(日本ベル(株)製)を用いて、吸着温度77K、定容用により窒素吸着等温線を測定し、BET多点法により算出した。
なお、BET多点法においては、相対圧0から0.2の範囲で相関係数が0.999以上でかつできるだけ高い相関を示す少なくとも3点以上を用いた。
5.水蒸気吸着による比表面積値(SHO)
試料100mgを150℃で8時間脱気した後、BELSORP−aqua3(日本ベル(株)製)を用いて、298Kの吸着温度にて、、定容用により水蒸気吸着等温線を測定し、BET多点法により算出した。
なお、BET多点法においては、相対圧0から0.2の範囲で相関係数が0.999以上でかつできるだけ高い相関を示す少なくとも3点以上を用いた。
6.X線回折パターン
X線回折装置(装置名RINT2500V、理学電機社製)を用いて、銅K−アルファ放射線を以下の条件で照射することにより測定した。
出力 :40kV−300mA
走査範囲:2θ=5〜30°
走査速度:1°/分
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.03mm
サンプリング幅:0.02°
格子面間隔d及び、ピーク強度の算出はMDI社製のX線回折解析ソフトウエアJADE6を使用し、以下の条件設定で実施した。
平滑化 :平滑化点数=15
バックグラウンド除去:ピーク幅閾値:0.100°、強度閾値:0.01cps
Kα2除去:強度比(Ka2/Ka1)=0.50
ピークサーチ:ピーク幅閾値=0.500°、ピーク強度閾値=500cps
7.反応生成物の組成
ガスクロマトグラフィー(装置名HP5890シリーズII、アジレントテクノロジー社製)を用いて測定した。
・なお、各製造例において得られたチタノシリケート(I)は、それぞれ触媒A〜触媒Mと称している。
触媒Aの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)899g、純水2402g、テトラ−n−ブチルオルソチタネート[TBOT](和光純薬社製)112g、ホウ酸(和光純薬社製)565g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D、キャボット社製)410gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら8時間かけて、160℃まで昇温した後、同温度で96時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。
この懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH10付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥することで、522gの層状化合物1を得た。
該層状化合物1 75gに2M硝酸3750mLを加え、溶媒還流温度で、20時間保温した。反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗した後、質量減少がほぼ見られなくなるまで、150℃で真空乾燥して60gの白色粉末(固体生成物1)を得た。固体生成物1は、X線回折パターンを測定した結果、MWW前駆体構造を有することが確認された。固体生成物1は、Ti含量が1.67質量%であり、Si/N比が105であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明し、SHO/SNの値は0.58であった。
上記固体生成物1 20gを530℃で6時間焼成し、18gのTi−MWW(固体生成物2)を得た。得られた粉末がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。Ti含有量は1.89質量%であり、Si/N比が2005であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明し、SHO/SNの値は0.38であった。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)200g、純水400g、固体生成物2 135gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。得られた懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に該固形物を、真空中150℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、134gの白色粉末(触媒A)を得た。
X線回折パターンを測定した結果、触媒AはMWW前駆体構造を有することが確認された。Ti含有量が1.76質量%であり、Si/N比が11であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明し、SHO/SNの値は0.99であった。
上記触媒A20gを530℃で6時間焼成し、18gのTi−MWW粉末(固体生成物3)を得た。固体生成物3がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。Ti含有量が1.95質量%であり、Si/N比が1003であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが分かり、SHO/SNの値は0.41であった。一方、触媒A 15gに2M硝酸777gを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して12gの白色粉末(固体生成物4)を得た。固体生成物4のX線回折パターンを測定した結果、MWW前駆体構造を有することが確認された。Ti含有量は1.42質量%であり、Si/N比が79であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明し、SHO/SNの値は0.52であった。
触媒Bの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)899g、純水2402gに、ホウ酸(和光純薬社製)565g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D、キャボット社製)410gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら8時間かけて、160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH10付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、495gの白色粉末b1を得た。白色粉末b1は、X線回折パターンを測定した結果、層状構造を持つことが確認された。B含有量は1.5質量%、Si含有量は34.8%であった。
上記の通りにして得られた層状ボロシリケート(白色粉末b1)75gに2M硝酸3885g、テトラ−n−ブチルオルソチタネート[TBOT](和光純薬社製)9.5gを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して60gの白色粉末b2を得た。X線回折パターンを測定した結果、この白色粉末b2は、MWW前駆体構造を有することが確認された。Ti含有量は1.39質量%であり、Si/N比が56であることが判明し、紫外可視吸収スペクトル測定結果からはチタノシリケートであることが確認された。
白色粉末b2 30gを530℃で6時間焼成し、27gの粉末b3を得た。得られた粉末b3がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。Ti含有量は1.42質量%であった。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)40g、純水80g、粉末b3 27gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥し、26gの白色粉末b4(触媒B)を得た。この白色粉末b4は、X線回折パターンを測定した結果、MWW前駆体構造であることが確認された。Ti含有量は1.40質量%であり、Si/N比は10であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明し、SHO/SNの値は1.28であった。
触媒Cの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにヘキサメチレンイミン(和光純薬社製)40g、純水80g、上記固体生成物2 27gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉しゲルを撹拌しながら、4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を質量減少が見られなくなるまで、150℃で真空乾燥し、26gの白色粉末(触媒C)を得た。触媒Cは、X線回折パターンを測定した結果、MWW前駆体構造であることが確認された。Ti含有量は1.70質量%であり、Si/N比は12であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明し、SHO/SNの値は0.76であった。
触媒Dの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)40g、純水80g、上記固体生成物1 15gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら4時間かけて、160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥し、11gの白色粉末(触媒D)を得た。X線回折パターンを測定した結果、この白色粉末は、MWW前駆体構造であることが確認された。Ti含有量は1.78質量%であり、Si/N比は11であった。紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明し、SHO/SNの値は0.96であった。
触媒Eの調製
25℃、空気雰囲気下、ガラス製ビーカー中にて、ピペリジン(和光純薬社製)60g、上記固体生成物1 5gを混合させ25℃にて24時間静置した。次に懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。更に、洗浄後の固形物を質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥し、4.9gの白色粉末e(触媒E)を得た。この白色粉末eは、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、Ti−MWW前駆体構造であることが確認された。Ti含有量は1.83質量%であり、Si/N比が16であった。
触媒Fの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)899g、純水2402g、テトラ−n−ブチルオルソチタネート[TBOT](和光純薬社製)112g、ホウ酸(和光純薬社製)565g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D、キャボット社製)410gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で96時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが10.7になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を、50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、547gの層状化合物を得た。
上記層状化合物 75gに2M硝酸3750mLを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、150℃で4時間真空乾燥して60gの白色粉末f1を得た。この白色粉末f1は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、Ti−MWW前駆体であることが確認された。元素分析の結果、Ti含有量は1.60質量%であり、Si/N比は105であった。
白色粉末f1 20gを530℃で6時間焼成し、18gの粉末f2を得た。X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、この粉末f2はTi−MWWであることが確認された。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)20g、ヘキサメチレンイミン(和光純薬社製)20g、純水80g、上記粉末f2 10gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を150℃で質量減少が無くなるまで真空乾燥し、10gの白色粉末f3(触媒F)を得た。この白色粉末f3は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWW前駆体構造を有するチタノシリケートであることが確認された。Ti含有量は1.65質量%であり、Si/N比は11であった。
触媒Gの調製
触媒Gは、Chemical Communication 1026−1027,(2002)の方法を参考に以下の通り調製した。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)899g、純水2402g、ホウ酸(和光純薬社製)565g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D、キャボット社製)410gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが10.6になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、495gの固体生成物g1(層状ボロシリケート)を得た。B含有量は1.50質量%、Si含有量は34.8質量%であった。
上記固体生成物g1 75gに2M硝酸3750mLを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して57gの白色粉末g2を得た。この白色粉末g2は、X線回折パターンを測定した結果、MWW前駆体構造を持つことが確認された。白色粉末g2 40gを530℃で6時間焼成し、36gの固体生成物g3(B−MWW)を得た。固体生成物g3がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認された。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)29g、純水118g、TBOT(和光純薬社製)5.3g、上記固体生成物g3(B−MWW) 20gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが10.3になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、23gの固体生成物g4を得た。
固体生成物g4 15gに2M硝酸750mLを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して12gの白色粉末g5を得た。この白色粉末g5のX線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、Ti−MWW前駆体構造を有することが確認された。Ti含有量は1.94質量%であり、Si/N比が102であった。
白色粉末g5 10gを530℃で6時間焼成し、9gの固体生成物g6(Ti−MWW)を得た。該固体生成物g6がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)40g、純水80g、上記固体生成物g6 7gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。得られた懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を150℃で質量減少が無くなるまで真空乾燥し、6gの白色粉末g7(触媒G)を得た。
白色粉末g7は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWW前駆体構造を有するチタノシリケートであることが確認された。Ti含有量は1.96質量%であり、Si/N比は13であった。
触媒Hの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)257g、純水686g、TBOT(和光純薬社製)6.4g、ホウ酸(和光純薬社製)162g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D、キャボット社製)117gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが10.2になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を質量減少が見られなくなるまで50℃で乾燥し、125gの固体生成物h1を得た。
上記固体生成物h1 75gに2M硝酸3750mL、TBOT9.5gを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して59gの白色粉末h2を得た。この白色粉末h2のX線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、Ti−MWW前駆体であることが確認された。Ti含有量は1.67質量%であり、Si/N比は46であった。
白色粉末h2 20gを530℃で6時間焼成し、18gの固体生成物h3(Ti−MWW)を得た。固体生成物h3がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)40g、純水80g、上記固体生成物h3 10gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を150℃で質量減少が無くなるまで真空乾燥し、11gの白色粉末h4(触媒H)を得た。この白色粉末h4は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWW前駆体構造を有するチタノシリケートであることが確認された。Ti含有量は1.76質量%であり、Si/N比は10であった。
触媒Iの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)257g、純水686g、TBOT(和光純薬社製)13.2g、ホウ酸162g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D)117gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが10.4になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、145gの固体生成物i1を得た。
上記固体生成物i1 75gに2M硝酸3750mL、TBOT9.5gを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、得られた反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して49gの白色粉末i2を得た。この白色粉末i2は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、Ti−MWW前駆体構造を有することが確認された。Ti含有量は1.93質量%であり、Si/N比は61であった。
白色粉末i2 30gを530℃で6時間焼成し、27gの固体生成物i3(Ti−MWW)を得た。得られた固体生成物i3がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)40g、純水80g、固体生成物i3 20gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を150℃で質量減少が無くなるまで真空乾燥し、19gの白色粉末i4(触媒I)を得た。触媒Iは、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWW前駆体構造を有するチタノシリケートであることが確認された。Ti含有量は2.03質量%であり、Si/N比は11であった。
触媒Jの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)899g、純水2402g、TBOT(和光純薬社製)22.4g、ホウ酸(和光純薬社製)565g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D)410gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが10.4になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形分を50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、564gの固体生成物j1を得た。
上記固体生成物j1 75gに2M硝酸3750mL、TBOT9.5gを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、得られた反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、更に質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して62gの白色粉末j2を得た。白色粉末j2は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、Ti−MWW前駆体であることが確認された。Ti含有量は1.56質量%であり、Si/N比は55であった。
白色粉末j2 60gを530℃で6時間焼成し、54gの固体生成物j3(Ti−MWW)を得た。得られた固体生成物j3がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。さらに、上記と同様の操作を2回実施し、合わせて162gの固体生成物j3を得た。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)300g、純水600g、上記固体生成物j3 110gをを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することにより懸濁溶液を得た。得られた懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液がpH9付近になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を150℃で質量減少が無くなるまで真空乾燥し、108gの白色粉末j4(触媒J)を得た。この白色粉末j4は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWW前駆体構造を有するチタノシリケートであることが確認された。Ti含有量は1.58質量%であり、Si/N比は10であった。
触媒Kの調製
上記触媒Jのシリル化を、特開2003−326171号公報の方法を参考に実施した。すなわち、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(和光純薬社製) 11g、トルエン(和光純薬社製) 175mL、触媒J 15gを混合し、3時間リフラックスさせることでシリル化を行った。さらに、得られた反応混合物をろ過した後、得られた固形物をアセトン500mL、水/アセトニトリル(=1/4、質量比)混合溶媒1Lの順で洗浄し、洗浄後の固形物を質量減少が無くなるまで150℃で真空乾燥し、14gの白色粉末(触媒K)を得た。Ti含有量は1.61質量%であり、Si/N比は13であった。
触媒Lの調製
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)899g、純水2402g、テトラ−n−ブチルオルソチタネート[TBOT](三菱ガス化学社製)112g、ホウ酸(和光純薬社製)565g、ヒュームドシリカ(製品名cab−o−sil M7D、キャボット社製)410gを溶解させた後、1.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが10.8になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を50℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、518gの層状化合物を得た。
上記層状化合物75gに2M硝酸3750mLを加え、溶媒還流温度で20時間保温した。次いで、得られた反応混合物をろ過し、得られた固形物を、洗浄液が中性付近になるまで水洗し、150℃で4時間真空乾燥して60gの白色粉末n1を得た。この白色粉末n1は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、Ti−MWW前駆体であることが確認された。元素分析の結果、Ti含有量は1.60質量%であり、Si/N比は90であった。
白色粉末n1 20gを530℃で6時間焼成し、18gのTi−MWW(粉末n2)を得た。X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWWであることが確認された。
25℃、空気雰囲気下、オートクレーブにピペリジン(和光純薬社製)45g、純水90g、上記粉末n2 15gを溶解させた後、0.5時間熟成させた。さらに、オートクレーブを密閉し、得られたゲルを撹拌しながら、4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で16時間保持することにより懸濁溶液を得た。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を50℃で質量減少が無くなるまで真空乾燥し、5gの白色粉末n3(触媒L)を得た。この白色粉末n3は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWW前駆体構造を有するチタノシリケートであることが確認された。Ti含有量は1.37質量%であり、Si/N比は8.7であった。
触媒Mの調製
25℃、空気雰囲気下、ガラス製3つ口フラスコに、上記触媒A 5.0g、純水90g、酢酸(和光純薬製)10gを加え、空気雰囲気のまま、75℃にて6時間撹拌した。該懸濁溶液をろ過した後、得られた固形物を、洗浄液のpHが6.7になるまで水洗した。次に、洗浄後の固形物を150℃で質量減少が見られなくなるまで乾燥し、3.9gの白色粉末m1(触媒M)を得た。この白色粉末m1は、X線回折パターン、紫外可視吸収スペクトル測定の結果、Ti−MWW前駆体構造を有するチタノシリケートであることが確認された。Ti含有量は1.82質量%であり、Si/N比は31であった。
Pd/活性炭(AC)触媒
Pd(パラジウム)/活性炭(AC)触媒は、以下の方法により調製した。予め2Lの水にて洗浄した活性炭(和光純薬製)3gと水300mLとを 1Lナスフラスコ中に加え、空気雰囲気下、25℃にて撹拌した。この懸濁液に、別途調製したパラジウムテトラアンミンクロリド 0.30mmolを含む水溶液40mLを、25℃にてゆっくり滴下した。滴下終了後、さらに懸濁液を、25℃にて6時間撹拌した。攪拌終了後、ロータリーエバポレータを用いて水分を除去し、80℃にて6時間真空乾燥、さらに窒素雰囲気下で300℃で6時間焼成し、Pd/活性炭触媒(Pd/AC触媒)を得た。
触媒A〜触媒M,固体生成物1〜5、粉末b3、粉末f2、固体生成物g6、固体生成物h3、固体生成物i3、固体生成物j3及び粉末n2におけるX線回折パターンのデータ(格子面間隔d/Å)を表1〜表4に示す。
Figure 2010159245
各表において、X/Xは、(9.0±0.3)でのピーク強度Xと、(3.4±0.1)でのピーク強度Xとの比(X/X)を表す。
Figure 2010159245
Figure 2010159245
Figure 2010159245
触媒を以下の実施例1〜4及び比較例1〜4に用いる場合は、反応に供する前にすべて下記の方法に従い過酸化水素との接触を実施した。触媒0.05g当たり、0.1質量%の過酸化水素を含む水/アセトニトリル=1/4(質量比)の溶液100gの割合で、25℃の温度下で1時間、該触媒を該溶液中に入れておき、該触媒が入った溶液をろ過し、回収した触媒を500mLの水で洗浄した。さらに、洗浄後の触媒は150℃にて1時間真空乾燥を行い、反応に供した。
実施例1
30%H水溶液(和光純薬株式会社製)と、アセトニトリルと、イオン交換水を用い、H:0.2質量%、水:19.96質量%、アセトニトリル:79.84質量%の溶液を調製した。調製した溶液60gと予め過酸化水素で処理した触媒A0.010gを100mLステンレスオートクレーブに充填した。次に、オートクレーブを氷浴上に移し、液化プロピレン1.2gを充填した。さらにアルゴンで2MPa−Gまで反応系内を昇圧した。オートクレーブを60℃の湯浴に入れ、1時間後、オートクレーブを湯浴から取り出し、サンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は3.86mmolであった。
実施例2
触媒Aの代わりに触媒Bを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は3.40mmolであった。
実施例3
触媒Aの代わりに触媒Dを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は3.73mmolであった。
実施例4
触媒Aの代わりに触媒Eを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は3.73mmolであった。
比較例1
触媒Aの代わりに固体生成物1を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は3.21mmolであった。
比較例2
触媒Aの代わりに固体生成物2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は2.59mmolであった。
比較例3
触媒Aの代わりに固体生成物3を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は3.18mmolであった。
比較例4
触媒Aの代わりに固体生成物4を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量は2.71mmolであった。
実施例5
容量0.5Lのオートクレーブに、触媒A1.98gを入れ、窒素500mL/分、プロピレン92g/時間、及び、7質量%Hの水/アセトニトリル溶液(質量比:水/アセトニトリル=20/80)652mL/時間の速度で供給し、該オートクレーブからフィルターを介して反応混合物を抜き出すことにより、温度60℃、圧力4MPa(ゲージ圧)、滞留時間15分の条件で連続式反応を行った。
反応開始から9時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は730mmol/Hr、プロピレングリコールの生成量は6.87mmol/Hr、過酸化水素の転化率は98.2%であった。
実施例6
触媒Aの代わりに触媒Bを用いた以外は、実施例5と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から32時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量737mmol/Hr、プロピレングリコール生成量7.44mmol/Hr、過酸化水素の転化率は98.5%であった。
実施例7
触媒Aの代わりに触媒Cを用いた以外は、実施例5と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量715 mmol/Hr、プロピレングリコール生成量3.25mmol/Hr、過酸化水素の転化率は93.7%であった。
実施例8
触媒Aの代わりに触媒Dを用いた以外は、実施例5と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量744mmol/Hr、プロピレングリコール生成量11.10mmol/Hr、過酸化水素の転化率は98.1%であった。
実施例9
触媒Aの代わりに触媒Eを用いた以外は、実施例5と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量677mmol/Hr、プロピレングリコール生成量 5.53mmol/Hr、過酸化水素の転化率は89.9%であった。
実施例10
触媒Aの代わりに触媒Fを用いた以外は、実施例5と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量633mmol/Hr、プロピレングリコール生成量2.36mmol/Hr、過酸化水素の転化率は93.8%であった。
実施例11
触媒Aの代わりに触媒Gを用いた以外は、実施例5と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量665mmol/Hr、プロピレングリコール生成量7.00mmol/Hr、過酸化水素の転化率は98.8%であった。
比較例5
触媒Aの代わりに固体生成物1を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量606mmol/Hr、プロピレングリコール生成量4.52mmol/Hr、過酸化水素の転化率は79.5%であった。
実施例12
容量0.5Lのオートクレーブに、触媒G0.3gを入れ、窒素500mL/分、プロピレン2162mmol/時間、及び7質量%Hの水/アセトニトリル溶液(質量比:水/アセトニトリル=20/80)633mL/時間の速度で供給し、該オートクレーブからフィルターを介して反応混合物を抜き出すことにより、温度60℃、圧力3MPa(ゲージ圧)、滞留時間9分の条件で連続式反応を行った。反応開始から2時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量516mmol/Hr、プロピレングリコール生成量0.72mmol/Hr、過酸化水素の転化率は69.8%であった。
実施例13
触媒Gの代わりに触媒Hを用いた以外は、実施例12と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から1時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量652mmol/Hr、プロピレングリコール生成量3.96mmol/Hr、過酸化水素の転化率は88.3%であった。
実施例14
触媒Gの代わりに触媒Iを用いた以外は、実施例12と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から1時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量 695mmol/Hr、プロピレングリコール生成量3.79mmol/Hr、過酸化水素の転化率は96.4%であった。
実施例15
触媒Gの代わりに、触媒Jを用いた以外は、実施例12と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から1時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量495mmol/Hr、プロピレングリコール生成量0.87mmol/Hr、過酸化水素の転化率は65.7%であった。
実施例16
触媒Gの代わりに触媒Kを用いた以外は、実施例12と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から1時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量485mmol/Hr、プロピレングリコール生成量0.51mmol/Hr、過酸化水素の転化率は65.2%であった。
実施例17
触媒Gの代わりに触媒Lを用いた以外は、実施例12と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から1時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量535mmol/Hr、プロピレングリコール生成量0.48mmol/Hr、過酸化水素の転化率は71.8%であった。
実施例18
触媒Gの代わりに触媒Mを用いた以外は、実施例12と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から1時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量522mmol/Hr、プロピレングリコール生成量0.56mmol/Hr、過酸化水素の転化率は71.5%であった。
比較例6
触媒Gの代わりに固体生成物1を用いた以外は、実施例12と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から1時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量336mmol/Hr、プロピレングリコール生成量0.57mmol/Hr、過酸化水素の転化率は45.8%であった。
触媒を以下の実施例19〜21及び比較例7〜9に用いる場合は、反応に供する前にすべて下記の方法に従い過酸化水素と接触させた。触媒0.266g当たり、0.1質量%の過酸化水素を含む水/アセトニトリル=1/4(質量比)の溶液100gの割合で、25℃の温度下、1時間、該触媒を該溶液中に入れ、該触媒が入った溶液をろ過した後、回収した触媒を500mLの水で洗浄した。
実施例19
容量0.5Lのオートクレーブ中に、予め過酸化水素で処理した触媒A0.266g、Pd/AC触媒0.03gを入れ、プロピレン/酸素/水素/窒素の体積比が4/4/10/82となる原料ガスを16L/時間、アントラキノン0.7ミリモル/kg及びプロピレンオキサイド1質量%を含有する水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を108mL/時間の速度で供給し、該オートクレーブからフィルターを介して反応混合物を抜き出すことにより、温度60℃、圧力0.8MPa(ゲージ圧)、滞留時間90分の条件で連続式反応を行った。反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は6.60mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は6.5%であった。
実施例20
触媒Aの代わりに触媒Bを用いた以外は、実施例19と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は6.27mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は3.7%であった。
実施例21
触媒Aの代わりに触媒Dを用いた以外は、実施例19と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は7.19mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は9.7%であった。
比較例7
触媒Aの代わりに固体生成物1を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は5.64 mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は9.3%であった。
比較例8
触媒Aの代わりに固体生成物3を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は5.56 mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は10.6%であった。
比較例9
触媒Aの代わりに固体生成物4を用いた以外は、実施例19と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、それぞれガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は3.59mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は8.9%であった。
触媒を以下の実施例22〜25に用いる場合は、反応に供する前にすべて下記の方法に従い過酸化水素処理を実施した。触媒0.05g当たり、0.1質量%の過酸化水素を含む水/アセトニトリル=1/4(質量比)の溶液100gの割合で、25℃の温度下で1時間、該触媒を該溶液中に入れ、該触媒が入った溶液をろ過した後、回収した触媒を500mLの水で洗浄した。さらに、洗浄後の触媒は150℃にて1時間真空乾燥を行い、反応に供した。
実施例22
30%H水溶液(和光純薬株式会社製)とアセトニトリルとイオン交換水とを用い、H:0.5質量%、水:19.9質量%、アセトニトリル:79.6質量%溶液を調製した。調製した溶液60gと予め過酸化水素で処理した触媒A0.010gを100mLステンレスオートクレーブに充填した。次にオートクレーブを氷浴上に移し、液化プロピレン1.2gを充填した。さらにアルゴンで2MPa−Gまで昇圧した。オートクレーブを60℃の湯浴に入れ、1時間後、オートクレーブを湯浴から取り出し、サンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量4.51mmolであった。
実施例23
アセトニトリルの代わりにベンゾニトリルを用いた以外は、実施例22と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量5.66mmolであった。
実施例24
アセトニトリルの代わりにtert−ブタノールを用いた以外は、実施例22と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量8.06mmolであった。
実施例25
アセトニトリルの代わりにメタノールを用いた以外は、実施例22と同様の操作を行いプロピレンオキサイドの製造を行った。その結果、プロピレンオキサイドの生成量2.27mmolであった。
本発明の製造方法は、高い収率かつ選択率で酸化化合物を製造することができるので、工業的に有用である。チタノシリケート(I)は、上記製造方法における触媒として有用である。

Claims (18)

  1. 下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と、構造規定剤と、を接触させることにより得られるチタノシリケート(I)又はそのシリル化物の存在下に、
    有機化合物と、酸化剤と、を反応させる工程を含む酸化化合物の製造方法。
    X線回折パターン
    (格子面間隔d/Å)
    12.4±0.8
    10.8±0.3
    9.0 ±0.3
    6.0 ±0.3
    3.9 ±0.1
    3.4 ±0.1
  2. 前記有機化合物が、オレフィン化合物又は芳香族化合物である請求項1に記載される酸化化合物の製造方法。
  3. 前記チタノシリケート(I)は、ケイ素と窒素のモル比(Si/N比)が5以上20以下である請求項1又は2に記載される酸化化合物の製造方法。
  4. 前記チタノシリケート(I)は、水蒸気吸着法により測定した比表面積値(SHO)と、窒素吸着法により測定した比表面積値(SN)と、の比(SHO/SN)が0.7以上1.5以下である請求項1〜3のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
  5. 前記チタノシリケート(II)は、MWW構造もしくはMSE構造を有する結晶性チタノシリケート、又は、以下のTi−MWW前駆体(a)である請求項1〜4のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
    Ti−MWW前駆体(a):焼成することによりTi−MWWに変換される層状チタノシリケート
  6. 前記構造規定剤が、ピペリジン又はヘキサメチレンイミン、あるいはそれらの混合物である請求項1〜5のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
  7. 前記チタノシリケート(II)と、前記構造規定剤と、を接触させる温度が0〜250℃の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
  8. 前記酸化剤が、酸素又は過酸化物である請求項1〜7のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
  9. 前記過酸化物は、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メチルシクロヘキシルヒドロペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキシド、イソブチルベンゼンヒドロペルオキシド、エチルナフタレンヒドロペルオキシド及び過酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項8に記載される酸化化合物の製造方法。
  10. 前記反応は、オレフィン化合物のエポキシ化反応、又は、ベンゼン若しくはフェノール化合物のヒドロキシル化反応である請求項1〜9のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
  11. 前記反応は、アルコール溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、エステル溶媒又はそれらの混合物である有機溶媒の存在下に行う請求項1〜10のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
  12. 前記有機溶媒が、アセトニトリル又はtert−ブタノールである請求項11に記載される酸化化合物の製造方法。
  13. 前記反応は、オレフィン化合物のエポキシ化反応であり、前記酸化剤は過酸化水素である請求項1〜12のいずれかに記載される酸化化合物の製造方法。
  14. ケイ素と窒素のモル比(Si/N比)が10以上20以下であるチタノシリケート又はそのシリル化物。
  15. 下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と構造規定剤とを接触させることにより得られる請求項14に記載されるチタノシリケート又はそのシリル化物。
    X線回折パターン
    (格子面間隔d/Å)
    12.4±0.8
    10.8±0.3
    9.0 ±0.3
    6.0 ±0.3
    3.9 ±0.1
    3.4 ±0.1
  16. 前記チタノシリケート(II)は、MWW構造もしくはMSE構造を有する結晶性チタノシリケート、又は、以下のTi−MWW前駆体(a)である請求項15に記載されるチタノシリケート又はそのシリル化物。
    Ti−MWW前駆体(a):焼成することによりTi−MWWに変換される層状チタノシリケート。
  17. 酸化化合物の製造方法における触媒としての請求項14〜16のいずれかに記載されるチタノシリケート又はそのシリル化物の使用。
  18. 下記X線回折パターンを有するチタノシリケート(II)と構造規定剤とを接触させることにより得られるチタノシリケート(I)又はそのシリル化物を含む有機化合物の酸化反応用触媒。
    X線回折パターン
    (格子面間隔d/Å)
    12.4±0.8
    10.8±0.3
    9.0 ±0.3
    6.0 ±0.3
    3.9 ±0.1
    3.4 ±0.1
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