JP2010158692A - シーム溶接方法及びシーム溶接装置 - Google Patents

シーム溶接方法及びシーム溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】各種形状のワークに対して、より簡単且つ正確に溶接軌道の補正をしながらシーム溶接を行うことができ、高品質な溶接を可能とするシーム溶接方法及びシーム溶接装置を提供する。
【解決手段】シーム溶接装置10は、ロボット80にワーク20を保持させて、該ワーク20を一対の電極ロール16間に送りながら溶接する装置である。このシーム溶接装置10は、ロボット80に設けられ、溶接点Pwでの電極ロール16によるワーク20の加圧方向Zと、溶接点Pwでのロボット80によるワーク20の送り方向Xとに直交するY方向にかかる荷重を検出するロードセル90、ロボット制御部94及び演算部96と、電極ロール16を加圧方向Zを回動中心として回動させる回動機構26と、ロードセル90で検出されたY方向の荷重の大きさに応じて回動機構26を駆動制御する制御装置82とを備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、一対の電極ロール間にワークを送りながら溶接するシーム溶接方法及びシーム溶接装置に関する。
例えば、車両の燃料タンク等の容器は、プレス成形された2つの部材の外周端部を重ね合わせて溶接されて形成されており、該溶接された外周端部は二次元や三次元の曲線形状となっている。
この種のワークの溶接に関し、本出願人は、ロボットの動作端の手首部にワーク保持用の治具を介してワークを保持させ、一対の電極ロール間にワークを送りながら溶接するシーム溶接装置の制御方法を提案している(特許文献1参照)。この制御方法では、電極ロールによるワークの実際の送り量とロボットによるワークの送り量とが合致しているときに前記手首部に作用する正規トルクと、実際の溶接時に作用するトルクとの偏差を検出し、この偏差に応じて電極ロールの回転速度や進行方向を変化させる。これにより、実際の溶接軌道が所望の正規軌道からずれても、自動的に正規軌道に戻すことができ、正確なシーム溶接を行うことを可能としている。
特公平3−68791号公報
上記従来技術に係る制御方法の場合、より正確な溶接を行うためにはより正確な正規トルク(マスターデータ)の取得が必要とあり、例えば、トルクの履歴を取りながら溶接を試験的に複数回行い、高品質な溶接ができたときのトルクを正規トルクとする方法がある。
ところが、このような正規トルクの取得作業は、当然、上記の軌道修正がなされない環境で試験的に溶接を行う必要があることから、正規トルクとして利用できる高い溶接品質を得ることが難しい場合がある。しかも、正規トルクの精度を上げるためには良い品質のサンプルを複数回得る必要があり、手間と時間がかかる。当然、ワーク形状、ワーク剛性及び溶接速度等を変更する場合には正規トルクの取り直しを行う必要もある。
また、高精度な正規トルクを得ることができていない場合には、溶接軌道のずれの有無等を迅速且つ正確に検出することが難しく、結果として高品質な溶接を行うことが難しい場合がある。さらに、溶接部位により、剛性や、ワーク保持用の治具から距離が異なるため、例えば、トルク検出値が同じ値であっても、実際のずれ量が異なってしまう可能性もある。
本発明は、上記従来技術に関連してなされたものであり、各種形状のワークに対して、より簡単且つ正確に溶接軌道の補正をしながらシーム溶接を行うことができ、高品質な溶接を可能とするシーム溶接方法及びシーム溶接装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシーム溶接方法は、ロボットにワークを保持させて、該ワークを一対の電極ロール間に送りながら溶接するシーム溶接方法であって、溶接点での前記電極ロールによる前記ワークの加圧方向と、前記溶接点での前記ロボットによる前記ワークの送り方向とに直交する方向にかかる荷重を検出する検出工程と、前記検出された荷重の大きさに応じた所定角度分、前記電極ロールを前記加圧方向を回動中心として回動させる回動工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係るシーム溶接装置は、ロボットにワークを保持させて、該ワークを一対の電極ロール間に送りながら溶接するシーム溶接装置であって、前記ロボットに設けられ、溶接点での前記電極ロールによる前記ワークの加圧方向と、前記溶接点での前記ロボットによる前記ワークの送り方向とに直交する方向にかかる荷重を検出する荷重検出部と、前記電極ロールを前記加圧方向を回動中心として回動させる回動機構と、前記荷重検出部で検出された荷重の大きさに応じて前記回動機構を駆動制御する制御部とを備えることを特徴とする。
このような方法及び装置によれば、溶接点での電極ロールによるワークの加圧方向(Z方向)と、該溶接点でのロボットによるワークの送り方向(X方向)とに直交する方向(Y方向)にかかる荷重を検出し、この荷重の大きさに応じた所定角度分、電極ロールを回動させる。この場合、前記溶接点において、電極ロールによるワークの送り方向とロボットによるワークの送り方向とが一致しており、すなわち電極ロールがワークに対して脱輪や食込みを生じていない適正な溶接時には、前記検出される荷重が0(ゼロ)となる。従って、マスタ荷重の取得や該マスタ荷重と検出値との比較にかかる演算処理が不要であり、前記検出される荷重だけで溶接軌道のずれの有無を迅速に且つ簡単に検出することができ、しかも溶接軌道がずれている場合には適切に修正することが可能となる。
この場合、前記回動工程が、前記荷重の大きさと前記電極ロールの修正角度との対応関係を記憶したテーブルから、前記検出された荷重の大きさに対応する前記修正角度を取得する工程と、前記取得した修正角度分、前記電極ロールを回動させる工程とを含むことで、より迅速に溶接軌道のずれを修正することが可能となる。
さらに、前記修正角度を取得する工程では、前記ワークの被溶接部における各位置に対応して設定された補正係数を用いて前記修正角度を補正すると、ワークの被溶接部の各位置での剛性等の特性を考慮して電極ロールの修正角度を決定できるため、溶接軌道の補正量を一層適切に調節し、一層高品位な溶接を行うことができる。
また、シーム溶接装置においては、前記制御部が、前記荷重の大きさと前記電極ロールの修正角度との対応関係を記憶した第1テーブルや、前記ワークの被溶接部における各位置の特性に基づいて設定された補正係数を記憶した第2テーブルを有することが好ましい。
本発明によれば、溶接点での電極ロールによるワークの加圧方向と、該溶接点でのロボットによるワークの送り方向(X方向)とに直交する方向にかかる荷重を検出し、この荷重の大きさに応じた所定角度分、電極ロールを回動させる。この場合、前記溶接点において、電極ロールによるワークの送り方向とロボットによるワークの送り方向とが一致しており、すなわち電極ロールがワークに対して脱輪や食込みを生じていない適正な溶接時には、前記検出される荷重が0(ゼロ)となる。
従って、マスタ荷重の取得及び該マスタ荷重と検出値との比較にかかる演算処理が不要であり、前記検出される荷重だけで溶接軌道のずれの有無を迅速に且つ簡単に検出することができ、しかも溶接軌道がずれている場合には適切に修正することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るシーム溶接装置の正面図である。 図1に示す回動機構を駆動して電極ロール及び支持テーブルを所定角度回動させた状態を説明する平面図である。 ロボットにワークを保持させて電極ロール間に送りながらシーム溶接を行っている状態を示す一部省略斜視図である。 図1に示すシーム溶接装置の制御系統の構成を示すブロック説明図である。 図1に示すシーム溶接装置で溶接されるワークの一例を示す斜視図である。 電極ロール間にワークを挟持して溶接している状態を説明する一部省略正面図である。 図7Aは、電極ロール間にワークを送りながら溶接している状態を模式的に示す側面図であり、図7Bは、電極ロール間にワークを送りながら溶接している状態を模式的に示す平面図である。 図8Aは、電極ロール間にワークを送りながら溶接している状態で電極ロールが脱輪傾向にある様子を模式的に示す平面図であり、図8Bは、電極ロール間にワークを送りながら溶接している状態で電極ロールが食込み傾向にある様子を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るシーム溶接方法の制御手順を示すフローチャートである。 Y方向荷重と、これに対応する電極ロールの回動角度の修正角度との関係の一例を示す対応表である。 ロードセルによる荷重検出位置、及び各溶接位置でのワーク位置特性と、これに対応する補正係数の関係の一例を示す対応表である。 ワークの目標溶接軌道上での荷重検出位置を説明する平面図である。 図13Aは、ロボットに試験的に脱輪のティーチングを設定した実施例に係るY方向荷重の挙動を示すグラフであり、図13Bは、図13Aに示す実施例でのワークの溶接線の挙動を示すグラフである。 図14Aは、ロボットに試験的に食込みのティーチングを設定した実施例に係るY方向荷重の挙動(荷重挙動)を示すグラフであり、図14Bは、図14Aに示す実施例でのワークの溶接線の挙動を示すグラフである。 図9に示す実施形態の変形例に係るシーム溶接方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るシーム溶接方法について、この方法を実施するシーム溶接装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシーム溶接装置10の正面図である。このシーム溶接装置10は、例えば、2枚のプレス成形部材(金属部材)を重ねたワーク20を一対の電極ロール16a、16b間に送りながら抵抗溶接する装置である。
図1に示すように、シーム溶接装置10は、複数のフレームによって構成された本体部12と、該本体部12のテーブル14上に設けられ、上部電極ロール(電極ロール)16a及び下部電極ロール(電極ロール)16bを有する上部電極機構18a及び下部電極機構18bと、上部電極ロール16aと下部電極ロール16bとの間に挟持されたワーク20の被溶接部を加圧すると共に、その加圧力を調節することが可能な加圧機構22と、上部電極機構18a、下部電極機構18b、加圧機構22及び本体部12を含む装置全体を、支柱24を支点として水平面に沿った約90度の角度の範囲内で回動させる回動機構26(図2参照)とを備える。さらに、シーム溶接装置10は、ワーク20を保持して上部電極ロール16a及び下部電極ロール16b間に送るロボット80と、ロボット80を含む装置全体を総合的に制御するコントローラである制御装置(制御部)82とを備える。以下では、上部電極ロール16a及び下部電極ロール16bをまとめて電極ロール16として図示及び説明することがある。
下部電極機構18bは、本体部12のテーブル14上に固定され、下部電極ロール16bを回動自在に軸支する一組の軸受部材28、30と、下部電極ロール16bを所定方向に回転させる下部電極駆動モータ32と、下部電極駆動モータ32の回転駆動力を下部電極ロール16bに伝達する第1ユニバーサルジョイント34とを有する。一方、上部電極機構18aは、上部電極ロール16aを所定方向に回転させる上部電極駆動モータ36と、上部電極駆動モータ36の回転駆動力を上部電極ロール16aに伝達する第2ユニバーサルジョイント38とを有する。また、上部電極駆動モータ36及び下部電極駆動モータ32に近接する本体部12の側面には、溶接トランス76が固定されている。
なお、上部電極ロール16aは、下部電極ロール16bと比較してその直径が大きく設定されている。また、上部電極駆動モータ36および下部電極駆動モータ32としては、例えば、サーボモータを用いるとよい。
加圧機構22は、スペーサ40を介して上部電極ロール16aを支持し、本体部12のテーブル面と略直交する鉛直面に沿って上下方向に変位自在に設けられたブラケット42と、ブラケット42に支持された上部電極ロール16aを鉛直方向に沿って案内するガイド手段44と、上部電極ロール16aを下部電極ロール16b側に向かって押圧する加圧手段46とを有する。該加圧手段46は、テーブル14上に固定され、側面視で電極ロール16の両側に配置された一組のシリンダ54からなる加圧用アクチュエータを有し、シリンダチューブから外部に露呈するピストンロッド56の端部がブラケット42に連結され、これにより、一対の電極ロール16間でワーク20を所望の加圧力で挟持することができる。
回動機構26は、本体部12を支持する支持プレート58と、支持プレート58に軸着された支柱24と、支持プレート58から所定間隔離間した下部に設けられて支柱24を支持する基台60と、支柱24の軸心である回動中心軸Oを中心として支持プレート58を所定角度だけ水平方向に沿って回動させる回動手段62と、支持プレート58の底面部に回動自在に軸支され、該支持プレート58が回動する際、基台60上を転動する複数のローラ部材64とを備える。
前記回動手段62は、支持プレート58上に固定された回動用モータ66と、回動用モータ66に付設される減速機68と、回動用モータ66のモータ軸に連結されるピニオン70と、基台60に固定されてピニオン70に噛合する円弧状のラック72とを含む。回動用モータ66としては、例えば、サーボモータを用いるとよい。
従って、図2に示すように、回動機構26では、図示しない電源に接続された回動用モータ66を付勢することでピニオン70が所定方向に回転し、ピニオン70とラック72との噛合作用下に、支持プレート58が支柱24を支点として水平面に沿って約90度の角度の範囲内で回動自在である。この場合、前記回動中心軸Oは、電極ロール16間に送られるワーク20への溶接点Pwを通過している。このため、上部電極ロール16a及び下部電極ロール16bは溶接点Pwを中心位置に固定したまま、支持プレート58と一体的に所定角度の範囲内で回動可能である(図1及び図2参照)。このようにシーム溶接装置10では、電極ロール16間に挟持されて溶接されるワーク20の溶接点Pw(挟持点)と、支柱24の回動中心軸Oとが、鉛直方向に沿って一致するように構成されている(図1参照)。
図3は、ロボット80にワーク20を保持させて電極ロール16間に送りながらシーム溶接を行っている状態を示す一部省略斜視図である。
図1及び図3に示すように、ロボット80は、プログラム動作により駆動される公知の産業用多関節型ロボットであり、アーム84の先端に設けたワーク保持治具86を介して、ワーク20を保持して任意の位置に且つ任意の姿勢に移動させることができる。ワーク保持治具86は、アーム84の先端取付部であるフランジ88に対し、ロードセル(荷重検出部)90を挟んで連結されている。
前記ロードセル90は、例えば、扁平な円筒状容器内の荷重受け部に複数の歪ゲージ(図示せず)を固着した公知の6軸(6分力)ロードセルであり、直交座標系であるロードセル負荷座標系C1におけるX1軸、Y1軸、Z1軸の3軸方向の力、及びこれら各軸周りの3つのモーメント力(以下、まとめて6軸データとも呼ぶ)を検出可能である(図3参照)。
図3において、他の直交座標系である基準座標系Cは、ワーク20への溶接点Pwにおける電極ロール16によるワーク20への加圧方向をZ軸(Z方向)とし、該溶接点Pwでのロボット80によるワーク20の送り方向をX軸(X方向)とした場合に、Z軸及びX軸に直交する軸(方向)をY軸(Y方向)として設定したものである。
この場合、制御装置82の制御下に、ロボット80は予め設定されたティーチングに従い、溶接点Pwにおいてワーク20を常にY方向へと送るように駆動制御される。つまり、基準座標系Cは固定されており、一方、ロードセル負荷座標系C1はロボット80のアーム84の動作角度に応じて回転することから、通常の溶接時、両座標系C、C1の各軸方向は互いにずれた状態となる(図3参照)。
図4は、本実施形態に係るシーム溶接装置10の制御系統の構成を示すブロック説明図である。
図4に示すように、シーム溶接装置10の制御系統は、ロボット80のアーム84の動作角度を検出及び駆動制御するロボット制御部94と、ロボット制御部94からのアーム84の動作角度データ、及びロードセル90からの6軸データ(各軸方向の荷重)が入力されて所定の演算処理を行う演算部96と、演算部96での演算結果に基づき回動機構26を駆動制御して電極ロール16の回動角度を設定する回動制御部98と、演算部96に供給する所定の情報(後述する第1テーブル及び第2テーブル)を記憶したメモリ(記憶部)100とを有する。
本実施形態の場合、ロボット制御部94、演算部96、回動制御部98及びメモリ100は、図4に示すように制御装置82の一機能として構成されているが、各部を制御装置82とは別体に構成することも勿論可能である。
本実施形態に係るシーム溶接装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作及び作用効果について説明する。
溶接工程の説明に先立ち、シーム溶接装置10によって溶接されるワーク20の一例について説明する。図5に示すように、ワーク20は、本実施形態では二輪車用の燃料タンクであり、プレス成形された2つの部材の外周端部78を重ね合わせて組み付けられている。外周端部78には、シーム溶接をする被溶接部として、二次元及び三次元的に複雑な複合曲線からなる目標溶接軌道(ティーチングライン)A(一点鎖線参照)が設けられる。なお、シーム溶接装置10で溶接されるワーク20としては、二輪車用や四輪車用等の車両用の燃料タンク以外にも、缶容器や電機機器等、各種工業製品を挙げることができる。
溶接工程においては、先ず、ワーク20をワーク保持治具86を介してロボット80のアーム84に保持させる。
これにより、アーム84を駆動すればワーク20を所定の姿勢に容易に変位させることができ、該ワーク20を前記目標溶接軌道Aに沿って電極ロール16間に適切に送ることができる(図1及び図3参照)。この場合、制御装置82の制御下に、上部電極駆動モータ36及び下部電極駆動モータ32による上部電極ロール16a及び下部電極ロール16bの回転駆動によるワーク20の送り動作と、アーム84によるワーク20の送り動作とが同期するように設定される。上部電極駆動モータ36及び下部電極駆動モータ32は、例えば、制御装置82から出力されるモータ用制御信号によってその回転速度が制御される。制御装置82には、ワーク20の目標溶接軌道A等に対応する所望の数値制御情報等が予め入力されており、ロボット80は、ロボット制御部94から出力されるロボット用制御信号に基づいて各種の動作が制御される。
次に、ロボット80のアーム84の動作によって上部電極ロール16aと下部電極ロール16bとの間にワーク20の外周端部78を挟持させる(図6参照)。
上部電極ロール16aと下部電極ロール16bは、加圧機構22によって予め所定間隔離間した状態にあり、シリンダ54に対して圧力流体が供給されピストンロッド56が下方側に向かって変位することにより、ガイド手段44の案内作用下にブラケット42及び上部電極ロール16aが一体的に下降する。これにより、固定された下部電極ロール16bと上部電極ロール16aとの間にワーク20の外周端部78(溶接スタート位置)が挟持され、シリンダ54による上部電極ロール16aの押圧作用によって前記外周端部78に所定の加圧力が付与される。この加圧力は、図3中のZ軸に沿う方向、すなわち前記回動中心軸Oに一致した方向で付与される。
続いて、制御装置82の制御下に、図示しない電源装置によってワーク20の外周端部78を挟持した上部電極ロール16a及び下部電極ロール16bに対する通電が行われる。同時に、上部電極ロール16a及び下部電極ロール16bが回転駆動され、ワーク20の外周端部78が目標溶接軌道Aに沿ってシーム溶接され接合される(図6参照)。
このようなワーク20へのシーム溶接の実施中、適正な(理想的な)溶接が行われている状態では、図7A及び図7Bに示すように、溶接点Pwでのロボット80によるワーク20の送り方向Xと、電極ロール16の回転によるワーク20の送り方向Xeとが一致する。
図7Bから諒解されるように、前記送り方向X及びXeが一致し、実際の溶接軌道が目標溶接軌道Aに一致している場合には、基準座標系CのY方向にかかる力であるY方向荷重Fyは0(ゼロ)となる(図7B中の破線矢印参照)。このため、X方向にワーク20を安定して送りながら正確な溶接を行うことができ、溶接線B及び目標溶接軌道Aが一致することから、外周端部78端縁から溶接線Bまでの距離(フランジ位置)Lもティーチングされた所望の設定距離で一定となり、高品位な溶接を行うことができる。
ところが、実際の溶接時には、ワーク20から電極ロール16が受ける抵抗等により、程度の大小はあるが、ワーク20に撓みを生じたり、ワーク20の向きが傾いたりすることがあり、電極ロール16の送り方向Xeがワーク20の目標溶接軌道Aからずれ、当該電極ロール16がワーク20に対して脱輪や食込みを生じることがある。電極ロール16が脱輪や食込みを生じた場合、ロボット80によるワーク20の送り方向Xと、電極ロール16の回転によるワーク20の送り方向Xeとが不一致となる。そうすると、送り方向Xと送り方向Xeとが溶接点Pwを交点として交差した状態となり(図8A及び図8B参照)、目標溶接軌道Aと実際の溶接軌道である溶接線(溶接ビード)Bとの間にずれを生じることになる。
具体的には、図8Aに示すように、電極ロール16が脱輪傾向にある場合には、当該電極ロール16がワーク20の外側に傾いた状態となり(矢印Xe1参照)、溶接軌道が目標溶接軌道Aから外側にずれてしまう。一方、図8Bに示すように、電極ロール16が食込み傾向にある場合には、当該電極ロール16がワーク20の内側に傾いた状態となり(矢印Xe2参照)、溶接軌道が目標溶接軌道Aから内側にずれてしまう。
前記脱輪や食込みを生じると、図8A及び図8Bから諒解されるように、基準座標系CにおけるY方向の荷重であるY方向荷重Fy(−Fy)が発生し、電極ロール16による溶接軌道が目標溶接軌道Aからずれて不安定となり、溶接線Bの外周端部78端縁からの距離Lも変動し、溶接品質の低下を惹起する。
以上のように、シーム溶接装置10では、溶接軌道が目標溶接軌道Aに一致しながら適切に溶接が行われている際にはY方向荷重Fyがゼロとなり、反対に、溶接軌道が目標溶接軌道Aからずれている際にはY方向荷重Fyがゼロ以外の値として検出される。つまり、Y方向荷重Fyの検出値を監視することにより、溶接が適切に行われているか否かを判断することができる。
そこで、次に、上記のような溶接軌道の目標溶接軌道からのずれを修正しながら溶接を行う本実施形態に係るシーム溶接方法について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
上記したようにワーク20へのシーム溶接が開始されると、ロボット制御部94の制御下にロボット80のアーム84が駆動制御され、予めティーチングされた所定の目標溶接軌道Aに沿ってワーク20が電極ロール16間に挟持されつつX方向に送られる(図3及び図7B参照)。同時に、電極ロール16も回転駆動され、送り方向Xeにワーク20を送りながら溶接が実施される(図7B参照)。
この際、図9のステップS1が実行され、制御装置82の制御下に、例えば、所定時間おきに又は略連続的にロードセル90にかかる荷重(6軸データ)が検出される。
次いで、ステップS3において、ステップS1で検出されたロードセル90の荷重データ(6軸データ)と、該荷重データが検出された際のアーム84の動作角度データとが演算部96に入力される。演算部96は、予め設定されている基準座標系Cの各軸データと入力された動作角度データとに基づき、例えば、回転行列を用いて計算する空間座標変換を実行する。これにより、基準座標系Cに対するロードセル負荷座標系C1のずれ(図3参照)、すなわち、基準座標系Cを基準としたロードセル90の向きが特定される。
そこで、ステップS4では、ロードセル90によって検出された荷重データにつき、基準座標系Cを基準とする各軸方向の荷重を算出し、このうちY方向にかかる荷重(力)であるY方向荷重Fyを抽出する(図8A及び図8B参照)。この際、ロードセル90、ロボット制御部94及び演算部96がY方向荷重Fyを検出する荷重検出部として機能する。
上記ステップS4で算出されたY方向荷重Fyは、ロボット80によるワーク20の送り方向Xと電極ロール16によるワーク20の加圧方向Zとに直交するY方向の力成分である。従って、算出されたY方向荷重Fyがゼロ以外の値の場合に、電極ロール16が脱輪や食込みを生じているか又はその傾向にあること、換言すれば、溶接軌道が目標溶接軌道Aからずれているか否か(ずれつつあるか否か)を迅速に且つ精度よく検出することができる(図7A、図7B、図8A及び図8B参照)。
ステップS5では、上記のように算出されたY方向荷重Fyである検出値(F1)が、マスタ荷重である理想値(F0)からどの程度ずれているかを算出する。すなわち、Y方向荷重Fyについて、その検出値(F1)と理想値(F0)との差ΔF(F1−F0)を算出する。ここで、前記理想値(F0)とは、実際の溶接軌道が目標溶接軌道Aに一致しており、正確に溶接されている状態でのY方向荷重(マスターデータ)を示すものであり、本実施形態の場合、上記したように当該理想値(F0)は0(ゼロ)である(図7B参照)。すなわち、ステップS5では、理想値(F0)がゼロであることから、実際上、検出値(F1)と差ΔFとが一致し、すなわち、差ΔF=検出値(F1)=Y方向荷重Fy、となり、実質的な演算を要しない。
以上より、本実施形態によれば、ステップS5において算出される差ΔFがゼロのときには、目標溶接軌道Aに沿って正確な溶接がなされており、反対に、差ΔFがゼロ以外の値であるときには、脱輪等を生じていることを容易に且つ精度よく判断することができる(図7B、図8A及び図8B参照)。
この場合、差ΔF(Y方向荷重Fy)の大きさは、脱輪や食込みによる電極ロール16の送り方向Xeの、ロボット80によるワーク20の送り方向Xからのずれ量(外れ角度)の大きさに対応していると考えることができる。換言すれば、差ΔF(Y方向荷重Fy)の大きさにより、溶接軌道の目標溶接軌道Aからのずれ量を検出することができる。例えば、差ΔFが小さい場合には脱輪等による溶接軌道のずれ量が小さいと判断でき、反対に、差ΔFが大きい場合脱輪等による溶接軌道のずれ量が大きいと判断できる。すなわち、検出値(F1)である差ΔFに基づき、該差ΔF1に対応する所定角度分だけ電極ロール16を回動中心軸Oを中心として回動させることにより、電極ロール16の脱輪や食込み等を修正し、溶接軌道を修正することができる。
そこで、シーム溶接装置10では、制御装置82を構成するメモリ100に、図10に例示される第1テーブルを記憶している。図10は、Y方向荷重Fy[kN]と、これに対応する電極ロール16の回動角度の修正角度α[°]との関係の一例を示す対応表である。すなわち、Y方向荷重Fyが0(ゼロ)の場合には溶接軌道にずれが生じていないことから修正角度は0°(ゼロ度)であり、例えば、Y方向荷重Fyが0.2kNの場合には電極ロール16を0.5°回動させることで溶接軌道を適切に修正することができる。
具体的には、図8Aに示すように、電極ロール16がワーク20に対して脱輪傾向にある場合には、電極ロール16による送り方向が矢印Xe1方向となっていることから、Y方向荷重Fyはマイナス荷重、例えば、−0.2kNとして検出される(図10中の括弧書き参照)。そこで、図8A中の矢印θに示す方向で電極ロール16を0.5°回動させることにより、送り方向Xe1を目標溶接軌道A(X軸)側へと修正することができ、脱輪によるずれを修正することができる。
一方、図8Bに示すように、電極ロール16がワーク20に対して食込み傾向にある場合には、電極ロール16による送り方向が矢印Xe2方向となっていることから、Y方向荷重Fyはプラス荷重、例えば、0.2kNとして検出される(図10参照)。そこで、図8B中の矢印−θに示す方向で電極ロール16を−0.5°回動させることにより、送り方向Xe2を目標溶接軌道A(X軸)側へと修正することができ、食込みによるずれを修正することができる。
ところで、このようなシーム溶接時、仮にワーク20が全く撓み等を生じない剛体(例えば、極めて剛性の高いワーク)である場合には、上記したように、差ΔF(Y方向荷重Fy)の大きさと、電極ロール16の送り方向Xeの外れ角度の大きさとが略一対一で対応し、図10の第1テーブルに示すように、Y方向荷重Fyから修正角度αを一義的に決定することができる。
ところが、実際には、ワーク20は目標溶接軌道A上の各部位(各位置)で剛性が異なるのが通常である。さらに、Y方向荷重Fyは、ワーク20の外周端部78からワーク保持治具86を介してロードセル90で検出されるため、溶接点Pwからロードセル90までの間で発生した荷重が吸収されることがあり、また、溶接点Pwからロードセル90までの距離やその間の剛性等によって前記吸収の度合いが異なる。
このように、Y方向荷重Fy、つまりロードセル90で検出される荷重データは、ワーク20各部の剛性やワーク保持治具86の保持位置、ロードセル90までの距離等、目標溶接軌道A上の各位置の各特性(以下、ワーク位置特性と呼ぶ)によって変動する。従って、図10に示す第1テーブルのみの対応関係で電極ロール16の回動角度を修正する場合、特に、複雑な形状のワーク等では、溶接軌道のずれを精度よく修正することが困難な場合がある。
そこで、本実施形態に係るシーム溶接方法では、メモリ100に図11に例示される第2テーブルを記憶し、上記したステップS3〜S5と並列的に、ステップS2を実行する。
図11は、ロードセル90による荷重検出位置、及び各溶接位置でのワーク位置特性と、これに対応する補正係数の関係の一例を示す対応表である。前記荷重検出位置とは、ロードセル90で荷重データを取得した際(ステップS1を実行した際)の目標溶接軌道A上での位置である。本実施形態の場合、図12に示すように、ワーク20の被溶接部である目標溶接軌道Aの各位置に代表的にP1〜P14の点を付与し、ロードセル90による荷重検出が位置P1〜P14のどの位置で行われたのかを示す。勿論、各位置をさらに細かく又は大まかに分割してもよい。
図11及び図12に示すように、例えば、検出位置P1〜P2では、ワーク位置特性(例えば、剛性)が高いため、ロードセル90での検出荷重と、溶接時に実際に生じている荷重(以下、実荷重という)との差がほとんどないと考えられることから、補正係数を1.0に設定している。一方、検出位置P4〜P6では、ワーク位置特性(例えば、剛性)が低いため、ロードセル90での検出荷重と実荷重との差が大きく、つまり、溶接点Pwで発生した荷重がロードセル90までの間に大きく吸収されて検出荷重が過小になると考えられることから、補正係数を2.0に設定している。
そこで、ステップS2では、ステップS1で荷重が検出されたことを受け、ロボット制御部94において、荷重検出位置(目標溶接軌道A上での位置)がP1〜P14のどこであるかを演算部96に供給する。演算部96では、図11の第2テーブルをメモリ100から読み込み、供給された荷重検出位置に対応する補正係数を取得する。例えば、ステップS1での荷重検出位置が、P2〜P4間である場合には、補正係数1.5が取得される。
以上のステップS1〜S5の後、ステップS6では、ステップS5で算出した差ΔF(Y方向荷重Fy)に、ステップS2で取得した補正係数を乗じて補正し、この補正した差ΔFの値に基づく補正角度βとして、図10の第1テーブルから補正後のΔFの値に対応する修正角度αを取得する。
例えば、上記ステップS1での荷重検出位置がP2〜P4間であり、このときのY方向荷重Fyの検出値(F1)、つまり差ΔFが0.4kNである場合には、補正係数1.5を前記0.4kNに乗じた0.6kNの荷重が、溶接点PwでY方向に生じている実荷重であると判断し、演算部96は、図10に基づき、回動制御部98に補正角度βとして−1.5°の指令を出す。従って、ステップS7では、回動制御部98の制御下に回動機構26が駆動制御され、電極ロールが−1.5°回動される(図2参照)。これにより、溶接時に脱輪や食込み等を生じた場合であっても、溶接軌道のずれを迅速に且つ適切に修正することができる。
上記では、補正係数を用いて差ΔF(Y方向荷重Fy)を補正し、該補正した差ΔFに基づき、図10の第1テーブルから修正角度αを補正角度βとして取得しているが、例えば、先ず、検出された差ΔF(Y方向荷重Fy)に基づく修正角度αを取得し、次に該取得した修正角度αを、前記荷重検出位置(ワーク位置特性)に基づく所定の補正係数を用いて補正し、補正角度βを算出するようにすることも可能である。
なお、脱輪や食込みを生じずに正確な溶接が行われている場合には、上記ステップS4で算出されるY方向荷重Fyが0(ゼロ)となることから、ステップS5で算出される差ΔFも当然ゼロとなり、ステップS6での補正角度β(修正角度α)もゼロとなり、電極ロール16は回動されない。
すなわち、本実施形態に係るシーム溶接方法では、図9に示される動作フローに基づく制御手順を実施することで、例えば、脱輪等を生じていない適正な溶接時には電極ロール16が回動されず、脱輪や食込みを生じた場合には迅速且つ確実にその修正を行うことができる。
図13Aは、ロボット80に試験的に脱輪(図8A参照)のティーチングを設定した実施例に係るY方向荷重Fyの挙動(荷重挙動)を示すグラフであり、図13Bは、図13Aに示す実施例でのワーク20の溶接線の挙動(フランジ挙動)を示すグラフである。また、図14Aは、ロボット80に試験的に食込み(図8B参照)のティーチングを設定した実施例に係るY方向荷重Fyの挙動(荷重挙動)を示すグラフであり、図14Bは、図14Aに示す実施例でのワーク20の溶接線の挙動(フランジ挙動)を示すグラフである。図13A〜図14Bでは、本実施形態に係るシーム溶接方法による電極ロール16の回動角度を補正した場合(図9参照)と、補正をしなかった場合とのデータを重畳して表示している。
なお、図13A及び図14Aに示すマスタ荷重とは、正確に溶接がなされている際の理想的なY方向荷重Fyであり、本実施形態の場合には0(ゼロ)となる。また、図13B及び図14Bで示す溶接線Bの挙動とは、ワーク20の外周端部78端縁から溶接線Bまでの距離L(図7B参照)の変化を示すものであり、正確に溶接がなされている際の理想的な状態では、溶接線距離Lがマスターティーチングされた距離Lと一致することになる。
この場合、図13A、図13B、図14A及び図14Bから明らかなように、脱輪及び食込みのいずれのティーチングをした場合であっても、本実施形態に係るシーム溶接方法による補正をした場合には、Y方向荷重Fyがマスタ荷重に近づくように補正され、溶接線距離Lもマスターティーチングのラインに近接する方向に補正されており、補正をしなかった場合に比べて高品質な溶接を行うことができた。
なお、上記した図9に示す動作フローに基づくシーム溶接方法では、ワーク20の各部で剛性等のワーク位置特性が異なることを考慮して、検出されたY方向荷重Fyを図11の第2テーブルに示す補正係数で補正した後、補正角度βを算出し、これに基づき電極ロール16の回動角度を決定している。
ところが、例えば、剛性が極めて高いワークや非常に小型で剛性の違いが影響しないワーク、さらには各部の剛性が略均一なワークに対する溶接を行う場合等、その溶接条件によっては、上記のような補正係数による補正を行う工程を省略し、溶接工程全体をより簡略化することも可能である。
図15は、本実施形態の変形例に係るシーム溶接方法を示すフローチャートである。なお、図15において、図9と同様のステップ番号(S1等)が付与された工程は、同様又は同一の動作が実施されるものとして詳細な説明を省略する。
当該シーム溶接方法は、図9に示すステップS6の代わりにステップS6aを実行すると共に、ステップS2を省略している以外は、基本的に図9に示す制御方法と同様である。
図15のステップS6aでは、ステップS5で算出された差ΔF(Y方向荷重Fy)に基づき、図10の第1テーブルから修正角度αを取得する。例えば、上記ステップS1での荷重検出位置がP2〜P4間にあり、このときのY方向荷重Fy(差ΔF)が0.4kNである場合には、演算部96は、図10に基づき、回動制御部98に修正角度αとして−1.0°の指令を出す。従って、ステップS7において、回動制御部98の制御下に回動機構26が駆動制御され、電極ロールが−1.0°回動される(図2参照)。
上記のように、剛性が極めて高いワークや非常に小型のワークのように、剛性等のワーク位置特性をほとんど考慮する必要がない場合には、差ΔF(Y方向荷重Fy)の大きさが電極ロール16の送り方向Xeの外れ角度(図8A及び図8B参照)の大きさに略一対一で対応し、図10の第1テーブルに示すように、Y方向荷重Fyから修正角度αを略一義的に決定することができる。このため、当該変形例に係るシーム溶接方法を用いても、必要な溶接品質を確保することができ、制御工程を一層簡略化することができる。なお、ワーク各部での剛性が略均一、つまり荷重検出位置毎のワーク位置特性が略同一のワークの場合には、例えば、予め図10の第1テーブルの修正角度αを、前記ワーク位置特性に基づく補正係数を乗じたY方向荷重Fyに対応する値に設定してメモリ100に記憶しておくとよい。
以上のように、上記実施形態に係るシーム溶接装置及びシーム溶接方法によれば、溶接点Pwでの電極ロール16によるワーク20の加圧方向であるZ方向と、該溶接点Pwでのロボット80によるワーク20の送り方向であるX方向とに直交するY方向にかかる荷重であるY方向荷重を検出し、このY方向荷重の検出値の大きさに基づく修正角度αによって電極ロール16を回動させる。この場合、脱輪や食込みを生じていない正確な溶接時には、前記Y方向荷重は0(ゼロ)となることから、実質的にマスタ荷重(マスタデータ)の設定・取得、及び該マスタ荷重と検出値との比較にかかる演算処理をする必要がない。従って、溶接軌道のずれの有無を迅速に且つ簡単に検出することができ、また適切に修正することができる。
また、ワーク20の目標溶接軌道A上での各位置の剛性等に基づくワーク位置特性を設定し、このワーク位置特性に基づき設定された補正係数を用いて検出されたY方向荷重を補正することにより、ワーク20の溶接部位の剛性等に応じて溶接軌道の補正量を一層適切に調節し、一層高品位な溶接を行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、例えば、ワークの形状や剛性、溶接速度等が変更された場合であっても、予め図10及び図11に示すテーブル上で各データを設定しておくだけで対応可能であり、複数回のマスターデータの取得実験等が不要となり、各種形状のワークに対し、一層簡単且つ正確に溶接軌道のずれを補正しながらシーム溶接を施すことが可能となる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
例えば、電極ロール16を回動させる回動機構26は、一対の電極ロール16を溶接点Pwを中心として回動可能な構成であればよく、図1及び図2に示す構成に限られないことは言うまでもない。
また、Y方向荷重が0(ゼロ)の状態とは、検出値が完全にゼロである状態以外にも、例えば、ロードセルのノイズ等を考慮して0を基準とした所定範囲(誤差範囲)を含むものであってもよい。
さらに、上記実施形態では、Y方向荷重を検出するためにロードセルを用いて説明したが、最終的にY方向荷重が検出可能な構成及び検出器であれば適用可能である。また、ロードセルの設置位置は、ワーク保持治具とロボットのフランジとの間以外にも、前記Y方向荷重を適切に検出及び演算可能な位置であればよい。
10…シーム溶接装置 16…電極ロール
16a…上部電極ロール 16b…下部電極ロール
20…ワーク 22…加圧機構
26…回動機構 80…ロボット
82…制御装置 84…アーム
86…ワーク保持治具 90…ロードセル
94…ロボット制御部 96…演算部
98…回動制御部 100…メモリ

Claims (6)

  1. ロボットにワークを保持させて、該ワークを一対の電極ロール間に送りながら溶接するシーム溶接方法であって、
    溶接点での前記電極ロールによる前記ワークの加圧方向と、前記溶接点での前記ロボットによる前記ワークの送り方向とに直交する方向にかかる荷重を検出する検出工程と、
    前記検出された荷重の大きさに応じた所定角度分、前記電極ロールを前記加圧方向を回動中心として回動させる回動工程と、
    を有することを特徴とするシーム溶接方法。
  2. 請求項1記載のシーム溶接方法において、
    前記回動工程は、前記荷重の大きさと前記電極ロールの修正角度との対応関係を記憶したテーブルから、前記検出された荷重の大きさに対応する前記修正角度を取得する工程と、
    前記取得した修正角度分、前記電極ロールを回動させる工程と、
    を含むことを特徴とするシーム溶接方法。
  3. 請求項2記載のシーム溶接方法において、
    前記修正角度を取得する工程では、前記ワークの被溶接部における各位置に対応して設定された補正係数を用いて前記修正角度を補正することを特徴とするシーム溶接方法。
  4. ロボットにワークを保持させて、該ワークを一対の電極ロール間に送りながら溶接するシーム溶接装置であって、
    前記ロボットに設けられ、溶接点での前記電極ロールによる前記ワークの加圧方向と、前記溶接点での前記ロボットによる前記ワークの送り方向とに直交する方向にかかる荷重を検出する荷重検出部と、
    前記電極ロールを前記加圧方向を回動中心として回動させる回動機構と、
    前記荷重検出部で検出された荷重の大きさに応じて前記回動機構を駆動制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするシーム溶接装置。
  5. 請求項4記載のシーム溶接装置において、
    前記制御部は、前記荷重の大きさと前記電極ロールの修正角度との対応関係を記憶した第1テーブルを有することを特徴とするシーム溶接装置。
  6. 請求項5記載のシーム溶接装置において、
    前記制御部は、前記ワークの被溶接部における各位置の特性に基づいて設定された補正係数を記憶した第2テーブルを有することを特徴とするシーム溶接装置。
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