JP2010158095A - 電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクの低下を招くことなく、主磁気回路を通過する交番磁束の高調波成分を抑制し、主磁気回路のその他の部位で生じる鉄損の低減を図る。
【解決手段】電動機1には、主磁気回路MCに対応する磁性体の一部に、他の部位と比較して応力を相違させた応力変化部位9が設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機に係り、特に、固定子および可動子を構成する磁性体により主磁気回路が形成され、磁性体をコアとして巻回した巻線への通電が制御されることで主磁気回路に交番磁束が流れる電動機に関する。
電動機の鉄損は、固定子や可動子を構成する磁性体(コア材)を磁化したときに失われる電気エネルギーであり、励磁用の巻線の抵抗によって失われるエネルギー(銅損)と合わせて、電動機の効率低下の要因となることが知られている。鉄損は、ヒステリシス損と渦電流損との和として表されるが、この鉄損は、主磁気回路となる磁性体を通過する交番磁束の高調波成分ほど損失の比率が大きくなる。また、鉄損は磁性体の熱エネルギーに変換されて失われるため、鉄損が大きくなると磁性体の発熱量が大きくなり、例えば、磁性体に永久磁石を埋め込み或いは接着させた構造の永久磁石型の電動機では、永久磁石の減磁による性能低下につながる。
例えば、特許文献1には、鉄心の少なくとも一部分が高い磁束密度をとらざるを得ないようなモータに関して、鉄損を低く抑えるとともに、磁気抵抗の増加によるトルクの低下や、このトルクの低下を補うために巻線の電流を増加させた場合の銅損の増加といった問題を解決すべく、鉄心内における磁化方向と平行な方向に30MPa以上の圧縮応力を付加する手法が開示されている。
特開2006−271016号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、特定以下の磁束には効果が得られにくいため、鉄損を抑制することが困難であるとともに、鉄損に大きく寄与する高調波磁束を抑制することが難しいという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルクの低下を招くことなく、主磁気回路を通過する交番磁束の高調波成分を抑制し、主磁気回路のその他の部位で生じる鉄損の低減を図ることである。
かかる課題を解決するために、本発明は、主磁気回路に交番磁束が流れる電動機において、主磁気回路に対応する磁性体の一部に、他の部位と比較して応力を相違させた応力変化部位が設定されている。
本発明によれば、応力変化部位は応力集中により磁性体としての透磁率が他の部位と比較して変化する。これにより、トルクの低下を招くことなく、主磁気回路を通過する交番磁束の高調波成分が抑制され、主磁気回路のその他の部位で生じる鉄損の低減を図ることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図である。本実施形態にかかる電動機1は、永久磁石型同期電動機であり、ラジアルギャップのインナーロータ型として構成されている。この電動機1は、断面がリング状のステータ(固定子)2と、シャフト3に連結されたロータ(可動子)4とを備えており、ロータ4は、ステータ2の内周側にエアギャップを介して配置されている。
ステータ2は、例えば、磁性体の電磁鋼板を軸方向に複数積層して構成されており、複数の突極部(ステータティース)2aと、略リング状のバックヨーク部2bとを有している。複数の突極部2aは、バックヨーク部2bの内周側において周方向に沿って等間隔に配置されており、個々の突極部2aは、ロータ4側に突出した格好となっている。バックヨーク部2bは、個々の突極部2aをその基端側で連結している。各突極部2aには、インシュレータ(絶縁部材)5を介してステータ巻線6が各々巻回されている。
ステータ2は、焼きばめ等の方法を用いて、筒状のステータケース7に嵌合させることによりステータケース7の内部に格納される。これにより、ステータ2は、周方向の全域において外周側から外力が全体的に作用した状態でステータケース7によって固定保持されている。
一方、ロータ4は、例えば、シャフト3のまわりに磁性体の電磁鋼板を軸方向に複数積層して形成されている。ロータ4の内部には、複数の永久磁石8が周方向に沿って等間隔で埋め込まれている。
この電動機1では、ロータ4に埋め込まれた永久磁石8と、ロータ4自体を構成する磁性体(電磁鋼板)と、ステータ2を構成する磁性体(電磁鋼板)とによって、図中破線で示すような主磁気回路MCが形成される。そして、永久磁石8からの磁石磁束、およびステータ巻線6をインバータ制御により通電することで発生する交番磁束が、この主磁気回路MCを流れることで電磁力によるトルクが発生し、ロータ4およびこれに連結されたシャフト3が回転する。
ここで、本実施形態の特徴の一つとして、主磁気回路MCに対応する磁性体(ステータ2またはロータ4の磁性体)の一部には、他の部位と比較して応力を相違させた応力変化部位9が設定されている。応力変化部位9は、主磁気回路MCの途中、例えば、ステータ2において、隣接する突極部2aの間に位置するバックヨーク部2bにそれぞれ配置されている。具体的には、バックヨーク部2bの外周面および内周面には、軸方向に沿って延在する溝状の切欠部2cがそれぞれ形成されている。そのため、主磁気回路MCに対応する磁性体では、バックヨーク部2bにおいて対向する一対の切欠部2cよって挟まれる部位(切欠部位)が他の部位よりも細くなった格好となっている。また、この切欠部位は、主磁気回路MCを通る磁束と鎖交するように設定されている。
上述したように、ステータ2には、ステータケース7により外周側から外力が作用しているため、切欠部位には、他の部位と比較して圧縮応力が集中する。これにより、当該切欠部位は応力変化部位9として機能しており、この応力変化部位9は応力集中により磁性体としての透磁率が他の部位と比較して変化する。
応力変化部位9は、主磁気回路MCを流れる磁束、すなわち、磁束経路中の磁束のうち、所定のカットオフ周波数以上の高調波の交番磁束の通過を抑制する高調波磁束抑制要素である。換言すれば、この電動機1では、主磁気回路MCを流れる磁束の中で、応力変化部位9の特性によって決まるカットオフ周波数以上の高調波の交番磁束が応力変化部位9によって通過が抑制される。高調波の交番磁束が減衰することで主磁気回路MCを流れる磁束の波形の歪率が低減され、これにより、基本波成分比率が高められる。高調波の交番磁束のエネルギーは、この応力変化部位9での局部的な鉄損(渦電流損失やヒステリシス損失)として消費される。これにより、主磁気回路MCを形成する磁性体のうちで、応力変化部位9を除く他の部分(以下「一般部」という)における鉄損が低減されることになる。
応力変化部位9は、上述したように、所定のカットオフ周波数以上の交番磁束の通過を抑制して、主磁気回路MCの一般部における鉄損を低減させるといった機能を有するものである。ここで、応力変化部位9によるカットオフ周波数が過度に小さいと、高調波の交番磁束だけでなく、永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本波成分までも減少させてしまうことになる。一方、応力変化部位9によるカットオフ周波数が過度に大きいと、主磁気回路MCの一般部における鉄損を低減させるという本来の機能を達成できなくなる。このため、応力変化部位9は、永久磁石型同期電動機1の性能や用途に応じた最適なカットオフ周波数特性が得られるようにしておくことが望まれる。
高調波磁束抑制要素である応力変化部位9によるカットオフ周波数fcは、下式により求めることができる。ここで、Rmは、応力変化部位9の形状、すなわち、応力変化部位9を構成する磁性体の断面積および磁路方向の厚みと、磁性体の透磁率とから決定される磁気抵抗である。また、Lmは、応力変化部位9を構成する磁性体材料の磁束密度−磁界特定(BH特性)から決定される磁束の時間変化についての比例定数であり、応力変化部位9の細さを調整することにより、変更することができる。
(数式1)
fc=Rm/(2π・Lm)
例えば、一般部のBH特性が図2に示すような特性を有する場合、一般部の高調波磁束抑制特性は図3に示すようになる。一方で、応力変化部位9のBH特性が図4に示すような特性を有する場合、応力変化部位9の高調波磁束抑制特性は図5に示すようになる。図3,5の比較から分かるように、応力変化部位9では一般部と比較して高調波成分が大きく抑制される。
このように本実施形態において、電動機1には、主磁気回路MCに対応する磁性体の一部に、他の部位と比較して応力を相違させた応力変化部位9が設定されている。特に本実施形態において、応力変化部位9は、ステータ2を形成する電磁鋼板の周方向の全域において外周側から外力が全体的に付与されるとともに、この電磁鋼板の一部の強度を弱めることにより構成されている。具体的には、応力変化部位9は、電磁鋼板の一部を一般部よりも細めることにより構成されている。
主磁気回路MCを構成する磁性体の一部として応力変化部位9が設けられていない場合、主磁気回路MCを通過する磁束には、トルクに寄与する基本波成分のほかに、トルクに寄与しない高調波成分が含有された状態となっている。一方、主磁気回路MCを構成する磁性体の一部として応力変化部位9を設けた場合、主磁気回路MC中を流れる磁束密度の波形は、基本波成分の減少率よりも大きい減少率で高調波成分が大きくカットされる。カットオフ周波数fcが最適な値に設定された応力変化部位9を主磁気回路MCの経路に配置することによって、主磁気回路MCを流れる磁束の基本波成分は大きく減少させることなく、高調波成分のみを大きく減少させることが可能となる。
主磁気回路MCの経路中に応力変化部位9を設けることにより、主磁気回路MC全体としてのトータルの発熱量に顕著な変化はないが、一般部での発熱が応力変化部位9での発熱へと変化する。これにより、主磁気回路MCの一般部での鉄損が低減して、一般部に分布していた鉄損によるエネルギーが応力変化部位9に集約され、応力変化部位9での発熱として消費させることができる。
また、本実施形態によれば、切欠部2cの形状を変えることにより、応力変化部位9の形状に自由度を持たせることができる。これにより、カットオフ周波数を容易に変更することができる。
なお、このような切欠形成によって構成される応力変化部位9は、ステータ2のバックヨーク部2bに設定するのみならず、ロータ4側に設定してもよい。また、応力変化部位9は、電磁鋼板の一部の強度を弱めて圧縮応力を集中させる観点から、切欠形成によって電磁鋼板の一部を細くする構成であるが、電磁鋼板の一部を薄くしたり、電磁鋼板の一部に穴を形成したりしてもよい。また、本実施形態では、ステータケース7によりステータ2の周方向の全域において外周側から外力を全体的に付与する構成であるが、ロータ4側に応力変化部位9を設定する場合には、シャフト3によりロータ4の周方向の全域において内周側から外力を全体的に付与する構成であってもよい。また、インナーロータ型またはアウターロータ型に応じ、適宜、電磁鋼板の周方向の全域において外周側または内周側から外力が全体的に付与されれば足りる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図である。本実施形態にかかる電動機1は、第1の実施形態のそれと基本的な構成は同様であり、重複する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。なお、本実施形態の電動機1において、ステータ2のバックヨーク部2bには、切欠部2cは設けられていない。
本実施形態の特徴の一つとして、ステータケース7は、筒状のケース本体部7aと、ケース本体部7aの内周面に形成された複数の突起部7bとで構成されている。複数の突起部7bは、周方向に沿って等間隔に配置されており、それぞれがステータ2側に突出形成されている。ステータ2は、焼きばめ等の方法を用いて、筒状のステータケース7に嵌合させることによりステータケース7の内部に格納される。これにより、ステータ2は、個々の突起部7bにより、外周側から外力が分散的に付与された状態で固定保持されている。
ステータケース7に形成される個々の突起部7bは、バックヨーク部2bの外周側において、隣接する突極部2aの間にそれぞれ位置するように配置されている。ステータ2のバックヨーク部2bの外周部において、個々の突起部7bとの当接位置には、突起部7bからの外力が作用して応力が集中する部位が発生し、他の部位と比較して応力が相違する。この応力集中部位は、応力集中により磁性体としての透磁率が他の部位(非応力変化部位)と比較して変化する。本実施形態では、応力集中部位が、第1の実施形態に示す切欠部位と同様に、主磁気回路MCの途中に設定されて、高調波磁束抑制要素である応力変化部位10として機能する。
このように本実施形態において、それぞれがステータケース7に形成されて径方向へ突出する複数の突起部7bにより、ステータ2を形成する電磁鋼板の周方向において外周側から外力が分散的に付与されることにより、応力変化部位10が設定される。かかる構成によれば、トルクの低下を招くことなく、主磁気回路MCを通過する交番磁束の高調波成分を抑制し、主磁気回路MCのその他の部位で生じる鉄損の低減を図ることできる。
なお、このような突起形成によって構成される応力変化部位10は、ステータケース7からステータ2に外力を作用させて設定するのみならず、シャフト3からロータ4に外力を作用させて設定してもよい。また、本実施形態では、ステータケース7によりステータ2の周方向の全域において外周側から外力を付与する構成であるが、ロータ4側に応力変化部位10を設定する場合には、シャフト3の外周面に突起部を形成し、これによりロータ4の内周側から外力を分散的に付与する構成であってもよい。また、インナーロータ型またはアウターロータ型に応じ、適宜、電磁鋼板の周方向において外周側または内周側から外力が分散的に付与されれば足りる。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図である。本実施形態にかかる電動機1は、基本的な構成は第1の実施形態のそれと同様であり、重複する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。なお、本実施形態の電動機1において、ステータ2のバックヨーク部2bには、切欠部2cは設けられていない。
本実施形態の特徴の一つとして、複数積層された電磁鋼板によって構成されるステータ2は、かしめ11によって締結されている。かしめ11による締結箇所(かしめ部)は、ステータ2において、隣接する突極部2aの間に位置するバックヨーク部2bにそれぞれ配置されている。かしめ部には、かしめ11による加工時の残留応力が発生し、他の部位と比較して応力が変化し、磁性体としての透磁率が他の部位(非応力変化部位)と比較して変化する。本実施形態では、かしめ部は、第1の実施形態に示す切欠部位と同様に、主磁気回路MCの途中に設定されて、高調波磁束抑制要素である応力変化部位12として機能する。
このように本実施形態において、応力変化部位12は、ステータ2を形成する電磁鋼板の一部に残留応力を発生させることにより構成されている。かかる構成によれば、トルクの低下を招くことなく、主磁気回路MCを通過する交番磁束の高調波成分を抑制し、主磁気回路MCのその他の部位で生じる鉄損の低減を図ることできる。
なお、このようなかしめ部によって構成される応力変化部位12は、ステータ2のバックヨーク部2bに設定するのみならず、主磁気回路MCに対応する磁性体であれば、ステータ2の突極部2a、あるいは、ロータ4側に設定してもよい。また、残留応力を発生させる手法としては、かしめ11を用いる以外にも、電磁鋼板を折り曲げるなどの手法を用いてもよい。
(第4の実施形態)
図8〜図10は、本発明の第4の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図である。上述した各実施形態では、応力変化部9,10,12を個別の実施形態として説明したが、個々の手法を互いに組み合わせ応力変化部を設定してもよい。
例えば、図8に示すように、電動機1は、切欠形成によって構成される応力変化部位9が設定されているとともに、突起形成によって構成される応力変化部位13が設定されていてもよい。なお、同図に示す例では、突起形成によって構成される応力変化部位13は、ロータ4において、円筒状のロータ本体部4aの内周面側に突起部4bが周方向に沿って等間隔に形成されることにより設定されている。
また、図9に示すように、電動機1は、切欠形成によって構成される応力変化部位9が設定されているとともに、かしめ部によって構成される応力変化部位12が設定されていてもよい。なお、本実施形態では、切欠形成による応力変化部位9と、かしめ部による応力変化部位12との位置が重畳することがないように、かしめ部による応力変化部位12は、主磁気回路に対応する磁性体の一部である突極部2aに設定されている。
さらに、図10に示すように、電動機1は、切欠形成によって構成される応力変化部位9が設定されているとともに、突起形成によって構成される応力変化部位13が設定されているとともに、かしめ部によって構成される応力変化部位12が設定されていてもよい。
このように本実施形態によれば、上述した各実施形態にかかる効果を奏するとともに、単一の主磁気回路MCに複数の応力変化部位9,10,12を組み合わせることにより、カットオフ周波数の幅を広くすることができる。
(第5の実施形態)
図11,12は、本発明の第5の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図である。本実施形態にかかる電動機1は、上述した第3の実施形態のそれと同様であり、重複する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。
例えば、電動機1の用途として、高負荷運転を要求されない電動機1では、主磁気回路MCにおいて、磁束が経路の短い側に多く分布する。そこで、本実施形態では、図11に示すように、応力変化部位12は、主磁気回路MCに対応する範囲のうち、磁束の経路が短い側のみに設定されている。
また、例えば、電動機1の用途として、高負荷運転を要求されない電動機1では、主磁気回路MCにおいて、磁束が経路の長い側に多く分布する。そこで、本実施形態では、図12に示すように、応力変化部位12は、主磁気回路MCに対応する範囲のうち、磁束の経路が長い側のみに設定されている。
このように本実施形態によれば、応力変化部位12は、電動機1として要求される運転負荷の特性に応じて、主磁気回路MCに対応する範囲のうち磁束の経路が短い側または長い側にオフセットさせて設定される。かかる構成によれば、上述した実施形態と同様の効果を奏するとともに、応力変化部位12をより限定的な部分だけに設定することができるので、第1から第4の実施形態に示す手法と比較して簡易かつ安価に構成することができる。
なお、本実施形態にかかる電動機1は、応力変化部位9の範囲を調整することができる点において、第3の実施形態に示すかしめ部によって構成される応力変化部位12をベースに説明を行うが、上述した第1または第2の実施形態の手法を適用してもよい。
(第6の実施形態)
図13は、本発明の第6の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図である。本実施形態にかかる電動機1は、上述した第2の実施形態のそれと同様であり、重複する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。
本実施形態の特徴の一つとして、ステータケース7、具体的には、突起部7bには、冷媒が流れる冷媒流路14が形成されている。この冷媒流路14を流れる冷媒との熱交換によって、永久磁石型同期電動機1の動作に伴い発生する熱が放熱される。
また、応力変化部位12は、鉄損値が大きくなるため、一般部の発熱が応力変化部位12へ移動されたことがわかる。したがって、冷媒流路14に対応して、その近傍に応力変化部位12を設けることにより、発熱部位を有効に冷却することができる。なお、本実施形態にかかる電動機1の手法は、上述した第1または第2の実施形態に示す手法に適用してもよい。
なお、本実施形態では、応力変化部位を設定させる手法について種々の形態を説明したが、本発明はその発明の範囲において種々の変更が可能である。例えば、電磁鋼板の応力を部分的に相違させる手法としては、積層した電磁鋼板を固定する際にその間に介在物を設けるなどして、当該介在部により局所的に外力を与えてもよい。この場合、固定手段としては、リベットやぼる度などを用いることができる。
また、永久磁石型同期電動機に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、永久磁石型同期電動機に限らず、固定子および可動子を構成する磁性体により主磁気回路が形成され、巻線への通電により電磁力を発生させる構成のあらゆるタイプの電動機に対して広く適用可能である。
第1の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 一般部のBH特性を示す説明図 一般部の高調波磁束抑制特性を示す説明図 応力変化部位9のBH特性を示す説明図 応力変化部位9の高調波磁束抑制特性を示す説明図 第2の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 第3の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 第4の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 第4の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 第4の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 第5の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 第5の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図 第6の実施形態にかかる電動機1の要部を模式的に示す断面図
符号の説明
1…電動機
2…ステータ
2a…突極部
2b…バックヨーク部
2c…切欠部
3…シャフト
4…ロータ
4a…ロータ本体部
4b…突起部
6…ステータ巻線
7…ステータケース
7a…ケース本体部
7b…突起部
8…永久磁石
9…図応力変化部位
9…応力変化部位
10…応力変化部位
12…応力変化部位
13…応力変化部位
14…冷媒流路

Claims (7)

  1. 固定子および可動子を構成する磁性体により主磁気回路が形成され、前記磁性体をコアとして巻回した巻線への通電が制御されることで前記主磁気回路に交番磁束が流れる電動機において、
    前記主磁気回路に対応する磁性体の一部に、他の部位と比較して応力を相違させた応力変化部位が設定されていることを特徴とする電動機。
  2. 前記応力変化部位は、所定のカットオフ周波数以上の高調波の交番磁束の通過を抑制する高調波磁束抑制要素であることを特徴とする請求項1に記載された電動機。
  3. 前記固定子または前記可動子は、磁性体の電磁鋼板を軸方向に複数積層して形成されており、
    前記応力変化部位は、前記電磁鋼板の周方向の全域において外周側または内周側から外力が全体的に付与されるとともに前記電磁鋼板の一部の強度を弱めることにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載された電動機。
  4. 前記固定子または前記可動子は、磁性体の電磁鋼板を軸方向に複数積層して形成されており、
    前記応力変化部位は、前記電磁鋼板の周方向において外周側または内周側から外力が分散的に付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載された電動機。
  5. 前記固定子または前記可動子は、磁性体の電磁鋼板を軸方向に複数積層して形成されており、
    前記応力変化部位は、前記電磁鋼板の一部に残留応力を発生させることにより構成されることを特徴とする請求項1または2に記載された電動機。
  6. 前記応力変化部位は、電動機として要求される運転負荷の特性に応じて、主磁気回路に対応する範囲のうち磁束の経路が短い側または長い側にオフセットさせて設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載された電動機。
  7. 前記応力変化部位は、電動機に発生する熱を放熱する放熱手段の近傍に設定されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載された電動機。
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