JP2010157995A - 電子装置および信号断続方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1のボードと第2のボードとを接続した状態で、第1のボードを省エネルギー状態に設定にし、第2のボードのCPUをオンにした状態でも、第2ボードから第1ボードへの貫通電流による第1のボードの破損を防止しつつ、装置の省エネルギー化を図ること。
【解決手段】電子装置は、CPUを備えたコントローラボード11と、コントローラボード11とPCIバスで接続され、CPUを備えたFAXコントローラボード13と、コントローラボード11が、CPUの電源がオフである省エネ状態であり、かつFAXコントローラボード13が、CPUの電源がオンである通常状態である場合に、コントローラボード11とFAXコントローラボード13の間のPCIバスを介する信号を遮断する中継ボード12と、を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子装置および信号断続方法に関する。
近年、複写機能、FAX機能、プリント機能、スキャナ機能等を持つ複合機が多く使用されるようになってきている。また、このような複合機において、省エネモード時に、不要な機能に対する電源をオフにしておくことにより、システムの節電を図ることも知られている。
例えば特許文献1には、スキャナ制御部やプロッタ制御部を有するエンジン制御部と、装置全体の制御を行うコントローラ制御部と、これらに対する電源供給制御を行うPSU(Power Supply Unit)部とを備え、コントローラ制御部と、エンジン制御部とをPCIバスで接続するとともに、PCIバスにオプションとしてFAXボードを接続可能にした画像処理装置が記載されている。
この画像処理装置は、省エネモードとして、スタンバイモード、エンジンオフモード、STR(Suspend To RAM)モードを備えている。スタンバイモードは、エンジン制御部、コントローラ制御部ともに電源が全てオンされている状態であり、直ぐに各動作(コピー動作、スキャナ動作、プリント動作)が可能なモードである。エンジンオフモードは、エンジン制御部の電源がオフ、コントローラ制御部の電源がオンされている状態であり、この画像処理装置と外部機器との間でステータス状態通知などのやりとりが可能なモードである。STRモードは、エンジン制御部の電源がオフ、コントローラ制御部の一部のIC以外の電源がオフ(CPUはオフ)になるモードである。
この画像処理装置において、PCIバス上にオプションとして装着されるFAXボードは、電話回線からの呼出信号を検出することで、呼出元の相手とFAX通信を行うことができる。このとき、受信した呼出信号から2値化信号を作成し、その周波数がリンギング周波数の検出範囲に入っていた場合を呼出信号として認識している。
2値化信号は呼出信号の立ち上がり/立ち下がり変化に応じて作られるが、呼出信号が正弦波の場合は、図13のようにきれいな2値化信号が作成され、正確に周波数を計測できる。しかし、市場には様々な呼出信号を出力する交換機があり、図14に示すような波形の一部が歪んだ呼出信号を出力する交換機もある。
この交換機から出力された呼出信号を検出する際、歪み部分の立ち上がり→立ち下がり→立ち上がりの変化に応じて2値化信号が割れてしまう。正側、負側の2つの2値化信号の周波数を並行して計測することで、図14のように片側の波形が割れた場合でも、もう一方の2値化信号で正確な周波数の計測することはできる。しかし、例えば図15のように、2つの2値化信号が両方とも割れてしまった場合には、どちらの2値化信号からも正確な周波数の計測ができなくなるため、周波数検出範囲を広げる(例えば、上限周波数を100Hzに上げる)ことでしか対応できなくなる。
ここで、FAXボードのCPUがオンであれば、ソフトウェアにより周波数検出範囲を広げることで、図15のような場合でも正確な周波数を計測することができる。しかし、STRモード時にFAXボードのCPUをオフにした場合、ソフトウェアによる検出周波数の制御ができなくなり、電話回線からの呼出信号を検出するデバイスの能力による検出周波数になるため、2値化信号の周波数が検出周波数範囲に入らなくなる可能性がある。この場合、呼出信号が認識されず、呼出元の相手とFAX通信を行うことができなくなる可能性がある。この事態を回避するため、STRモード時でもFAXボードのCPUをオフにすることはできない。
しかし、STRモード時にFAXボードの電源をオンにした場合、FAXボードとコントローラ制御部とはPCIバス接続のため、貫通電流がPCIバスを通ってFAXボードからコントローラ制御部へ流れ、コントローラ制御部のICに甚大な影響を及ぼすおそれがある。
従って、FAXボードが装着されている場合は、コントローラ制御部をSTRモードへ移行させることができない。このため、FAXボードが装着されることで消費電力が上がってしまう(2.1Wh→16.1Wh)という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、第1のボードと第2のボードとを接続した状態で、第1のボードを省エネルギー状態に設定にし、第2のボードのCPUをオンにした状態でも、第2ボードから第1ボードへの貫通電流による第1のボードの破損を防止しつつ、装置の省エネルギー化を図ることができる電子装置および信号断続方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる電子装置は、第1プロセッサを備えた第1のボードと、前記第1のボードと接続され、第2プロセッサを備えた第2のボードと、前記第1のボードが、前記第1プロセッサの電源がオフである省エネ状態であり、かつ前記第2のボードが、前記第2プロセッサの電源がオンである通常状態である場合に、前記第1のボードと前記第2のボードの間の前記バスによる信号を遮断する断続部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる信号断続方法は、電子装置で実行される信号断続方法であって、前記電子装置は、第1プロセッサを備えた第1のボードと、前記第1のボードと接続され、第2プロセッサを備えた第2のボードと、を備え、前記第1のボードが、前記第1プロセッサの電源がオフである省エネ状態であり、かつ前記第2のボードが、前記第2プロセッサの電源がオンである通常状態である場合に、前記第1のボードと前記第2のボードの間の前記バスによる信号を遮断する断続ステップ、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、第1のボードが省エネ状態であり、かつ第2のボードが通常状態であるとき、第2のボードから第1のボードへ貫通電流は流れないため、第2ボードから第1ボードへの貫通電流による第1のボードの破損を防止しつつ、装置の省エネルギー化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施形態の画像形成装置を構成するボードを示す図である。 図2は、中継ボード上の回路の概略を示す図である。 図3は、バススイッチの回路構成を示す図である。 図4は、コントローラボードの構成を示すブロック図である。 図5は、FAXコントローラボードの構成を示すブロック図である。 図6は、第2の実施の形態における中継ボード、FAXコントローラボード及びそれらのソフトのバージョンを確認する手順を示すシーケンス図である。 図7は、第3の実施形態におけるPCIバスのプルアップのための回路構成を示す図である。 図8は、第3の実施形態におけるPCIバスのプルアップのための他の回路構成を示す図である。 図9は、第4の実施の形態の電源生成部125の回路構成図である。 図10は、コントローラボードの電源立ち上がりのタイミングとFAXコントローラボードの電源立ち上りタイミングとを示すタイミングチャートである。 図11は、第5の実施形態の画像形成装置を構成するボードを示す図である。 図12は、第5の実施の形態のFAXコントローラボードの構成を示すブロック図である。 図13は、呼出信号が正弦波の場合の2値化信号の波形を示す図である。 図14は、呼出信号の歪みにより正側の2値化信号の波形が割れている様子を示す図である。 図15は、呼出信号の歪みにより正、負両側の2値化信号の波形が割れている様子を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子装置および信号断続方法の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態の電子装置である画像形成装置を構成するボードを示す図である。この画像形成装置は、コントローラボード11、中継ボード12、FAXコントローラボード13、及びエンジンボード14を備えている。
コントローラボード11は、この画像形成装置全体を制御するコントローラを搭載したボードであり、エンジンボード14は画像エンジンをコントロールする部分を搭載したボードであり、FAXコントローラボード13は画像形成装置における電話回線のインターフェース部であり、FAX機能をコントロールする部分を搭載したボードである。中継ボード12は、オプションであるFAXコントローラボード13をコントローラボード11に接続し、PCIバスによる信号の伝送を中継するためのボードである。
コントローラボード11は、PCIバスのコネクタ111及び112を備えており、コネクタ111はエンジンボード14のコネクタ141と、コネクタ112は中継ボード12のコネクタ121と、直接又はケーブルを介して接続されている。また、中継ボード12のコネクタ122は、FAXコントローラボード13のコネクタ131と直接又はケーブルを介して接続されている。
図2は中継ボード12上の回路の概略を示す図である。コネクタ121とコネクタ122との間のデータパスはPCIバスで接続されている。また、そのPCIバスには、断続部21が設けられている。断続部21は、バススイッチ21a,21bから構成される。バススイッチ21a,21bをオン/オフすることにより、コネクタ121とコネクタ122との間のデータパスを断続(遮断/接続)させることができる。すなわち、バススイッチをオン/オフすることにより、コネクタ121とコネクタ122との間のPCIバスを介して流れる信号を遮断したり、あるいは通過させる。ここでは、コントローラボード11から供給される省エネ信号22(詳細については後述する)のレベル(ハイ/ロウ)により、バススイッチ21a,21bがオン又はオフに設定される。
図3は、バススイッチ21a,21bの回路構成を示す図である。バススイッチ21a,21bは、データ信号が入、出力されるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)211,212からなるスイッチと、それらのゲートに省エネ信号22に応じたオン/オフ制御信号を供給するバッファ213,214からなる。
CMOS211,212は低消費電力で、伝播遅延時間を損なうことなく、バスの接続/切り離し(遮断)を行うことができる。このCMOS211,212によるバスの接続/切り離し(遮断)により、バススイッチ21a,21bは制御信号(本実施形態では省エネ信号22)によって接続/切り離し(遮断)が行われ、制御信号がL(ロウ)レベルの場合に導通(オン)し、H(ハイ)レベルの場合は非導通(オフ)となる。
このような仕組みのバススイッチ21a,21bを使用することで、通常モード時は省エネ信号22をLにしてスイッチを導通させることで、コントローラボード11とFAXコントローラボード13との間のデータのやり取りを可能とし、省エネモード時には省エネ信号22をHにすることで、スイッチを非導通にしてコントローラボード11とFAXコントローラボード13との間のデータパスを遮断する。なお、画像形成装置の電源投入時は、省エネ信号22はLのため、投入時にデータ通信不能という問題は起きない。
図4は、コントローラボード11の構成を示すブロック図である。コントローラボード11は、図4に示すように、CPU411と、ROM412、415と、DRAM413と、I/O ASIC414と、省エネ制御部416とを主に備えている。
I/O ASIC414は、PCIバスの制御を行うASICである。DRAM413は、システムプログラムの作業用メモリとして機能する。ROM415は、省エネ制御部416に内蔵されたCPU(不図示)により実行される省エネ制御プログラムを格納した記憶媒体である。省エネ制御部416は、内蔵されたCPUによりROM415に格納された省エネ制御プログラムを実行して、省エネ状態における全体制御を行う。なお、省エネ制御部416は、具体的には、SoC(System on Chip)である。
本実施形態の画像形成装置では、オプションのFAX機能が付かない場合の省エネモードとして、スタンバイモード、エンジンオフモード及びSTRモードがある。スタンバイモードはエンジンボード14を含めて全体に通電されているが、動作を行わないモードであり、エンジンオフモードはエンジンボード14の電源はオフであるがコントローラボード11は通電されているモードである。また、STRモードはエンジンボード14の電源はオフ、コントローラボード11についてはCPU411の電源はオフであり、例えばネットワーク制御のためのIC等、CPU以外の一部のICのみ通電されているモードである。省エネ制御部416は、STRモード時のCPUの電源オフの場合に、通電されている上記一部のIC(中継ボード12のバススイッチ21a,21bを含む)を制御する。
図5は、FAXコントローラボード13の構成を示すブロック図である。FAXコントローラボード13は、CPU31、RAM32、モデム33、ROM34、及びDAA(Data Access Arrangement)35を備えている。CPU31、RAM32、モデム33、ROM34は互いにバスで接続されている。また、DAA35はモデム33及び電話回線に接続されている。さらにCPU31はPCIバスに接続されている。
CPU31はFAXコントローラボード13全体の制御を行う。RAM32は、CPU31が動作するときに各種データやプログラムなどを一時的に記憶するワークエリアとなる。モデム33は、電話回線に対するデータ(画像データ、各種プロトコルデータ)の変復調を行う。ROM34にはCPU31が実行する各種プログラムや固定データが記憶される。DAA35は、電話回線からの呼出信号を検出してモデム33へ出力するリンギング信号検出回路を備えている。リンギング信号検出回路の動作は、図13に示す従来装置と同じである。
図1に示されているように、FAXコントローラボード13が接続された状態で装置がSTRモードに入り、コントローラボード11のCPUの電源がオフとなったとき、FAXコントローラボード13のCPU31の電源もオフになると、FAXコントローラボード13のCPU31のソフトウェアによる検出周波数の制御ができなくなり、DAA35の能力による検出周波数になるため、呼出信号が呼出信号と認識されず、呼出元の相手とFAX通信を行うことができなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、STRモード時に、FAXコントローラボード13のCPU31の電源をオフにせず、省エネ信号22をHレベルにしてバススイッチ21a,21bをオフにすることで、中継ボード12上のPCIバスを遮断する。この結果、コントローラボード11とFAXコントローラボード13との間のPCIバスが遮断されるため、FAXコントローラボード13のCPU31からコントローラボード11へ貫通電流は流れない。
このように、中継ボード12上のPCIバス上にバススイッチ21a,21bを追加し、STRモード時にPCIバスを遮断することで、コントローラボード11を省エネ状態、FAXコントローラボード13を通電状態(通常状態)にすることができる。
外部からのFAX通信要求に応じて、コントローラボード11をSTRモードから通常状態へ復帰させるときは、FAXコントローラボード13上のDAA35が呼出信号を検出したときに、CPU31が復帰信号23を作成してコネクタ131から中継ボード12へ送出し、中継ボード12上のPCIバスとは別の信号線経由で復帰信号23をコネクタ121へ送り、そこから復帰信号23をコントローラボード11へ送る。コントローラボード11は、通常状態に復帰すると、省エネ信号22をLにすることで、バススイッチ21a,21bを導通させるので、FAXコントローラボード13と、コントローラボード11とが中継ボード12を介してPCIバスにより接続されるようになる。
以上は、電話回線からの呼出信号を検出した場合に通常状態へ復帰する場合であるが、指定時刻送信がFAXコントローラボード13内のタイマーに設定されている場合、そのタイムアップに応じて、復帰信号23をコントローラボード11に出力することで、コントローラボード11を通常状態へ復帰させることもできる。
このように、第1の実施形態の画形成装置によれば、省エネ状態へ移行できないオプションのFAXコントローラボード13が接続されている状態でも、中継ボード12上のバススイッチ21a,21bによりSTRモード時にPCIバスを遮断し、これによりコントローラボード11を省エネ状態にし、FAXコントローラボード13を通電状態(通常状態)にする。このため、コントローラボード11が省エネ状態においても、FAXコントローラボード13は外部からの呼出信号を検出可能で、かつコントローラボード11へ貫通電流が流れることを防止することができる。具体的には、コントローラボード11を省エネ状態にして、実機測定において、消費電力が16.1Whから3.2Whに減少した。なお、前身機は9.1Whであった。また、従来は、省エネ状態へ移行できないオプションボードの接続を想定していなかったが、接続できるようになった。さらに、FAXコントローラボード13の復帰要因により、コントローラボード11を通常状態へ復帰させることができる。
〔第2の実施形態〕
コントローラボード11、中継ボート12、FAXコントローラボード13及びそれらのソフトウェアが全てSTRモードに対応していれば問題ないが、実際はそれぞれでバージョンが異なることが有り得る。例えばコントローラボード11がSTRモードに対応しており、中継ボード12又はFAXコントローラボード13が対応していない場合は、コントローラボード11がSTRモードへ移行した状態で、FAXコントローラボード13が呼出信号を検出しても復帰信号23を出力することが出来ないため、コントローラボード11をSTRモードから通常状態へ復帰させることができず、FAXコントローラボード13はFAX通信を開始することが出来ない。
そこで、本実施形態では、コントローラボード11のCPUに、それぞれがSTRモードに対応したバージョンであるか否かを確認する機能を設けた。ここで、コントローラボード11がSTRモードに対応していなければ、そもそもSTRモードへ移行しないので、上記の問題は発生しない。そこで、図6に示す処理により、中継ボード12、FAXコントローラボード13及びそれらのソフトのバージョンを確認することで、STRモードに対応しているか否かを確認する。
まず、コントローラボード11はソフトのバージョンの問合せを行う(手順S1)。この時、FAXコントローラボード13のCPU31には、STRモード対応のソフトウェアであれば、バージョンの応答は可能であり、非対応であれば応答しない機能を設けてある。
コントローラボード11はFAXコントローラボード13からのバージョン応答(手順S2)があれば、STRモードへ移行可能なバージョンのソフトが実装されていると判断する。一方、一定時間経過しても、FAXコントローラボード13からバージョン応答が返って来なければ、コントローラボード11はFAXコントローラボード13のソフトがSTRモード非対応のバージョンのソフトであると判断する。この処理を行うことで、FAXコントローラボード13及びそのソフトがSTRモード対応か否かを判断する。
次にコントローラボード11は中継ボード12のバージョンを検出するために、FAXコントローラボード13に対し、試しに復帰信号23を出力するように要求する(手順S3)。
FAXコントローラボード13は復帰信号23を出力する(手順S4)。このとき中継ボード12がSTRモードに対応していない、つまり復帰信号用の信号線がないと、復帰信号23がコントローラボード11に伝達されないため、コントローラボード11は復帰信号23を検出できない。よって、コントローラボード11は一定時間以内に復帰信号23を検出できたら、中継ボード12はSTRモード対応であると判断し、逆に検出できないときはSTRモード非対応であると判断する。この判断の後、コントローラボード11は、FAXコントローラボード13に対し、復帰信号23の出力停止を要求する(手順S5)。
このように、第2の実施形態の画形成装置によれば、コントローラボード11が、オプション接続されているボードのSTRモード対応の有無を管理するので、オプション接続されているボードがSTRモードに対応していない場合に、コントローラボード11はSTRモードに入らない。このため、コントローラボード11が勝手にSTRモードに入り、通常モードへ復帰できなくなる事態を防止することができる。
〔第3の実施形態〕
PCIバスは負論理のため、プルアップ電圧により、プルアップする必要がある。このため、コントローラボード11上でプルアップを行っている。第1の実施形態では、オプションとして接続されているFAXコントローラボード13上のPCIバスもこのプルアップ電圧でプルアップしている。しかし、STRモード時にバススイッチ21a,21bで遮断されてしまうと、このPCIバスラインはハイ・インピーダンスになってしまい、プルアップすることができなくなる。
そのため、FAXコントローラボード13側でもプルアップする必要がある。しかし、FAXコントローラボード13側でもプルアップすると、通常モード時、2箇所でプルアップしてしまいため、分圧が起きてしまう。また、装置の起動時にコントローラボード11が立ち上がる前にFAXコントローラボード13側をプルアップしてしまうと、コントローラボード11のICに貫通電流が流れてしまう。
そこで、本実施形態の画像形成装置では、FAXコントローラボード13側でもプルアップするとともに、起動時からSTRモードへ移行するまで、FAXコントローラボード13側のプルアップ電圧が立ち上がらないようなスイッチを中継ボード12上に設ける。
図7は、本実施形態の画像形成装置におけるPCIバスのプルアップのための回路構成を示す図である。この図のように、コントローラボード11上でコネクタ112とASIC113を接続するPCIバスはプルアップ抵抗114により電源Vdd1にプルアップされる。また、中継ボード12上では、断続部21(バススイッチ21a,21b)に対し、FAXコントローラボード13側のPCIバス(コネクタ122とバススイッチ21a,21bを接続するPCIバス)が、プルアップ抵抗123により電源Vdd2にプルアップされている。
また、図8に示すように、プルアップ抵抗123と直列にCMOS等からなるスイッチ124を設け、スイッチ124によりプルアップをオン/オフするように構成してもよい。この場合には、起動時からSTRモードへ移行するまで、このスイッチ124をオフにしておく。即ち、例えば省エネ信号22がLのときにスイッチをオフ、Hのときにスイッチをオンにする。
このように構成することで、起動時からSTRモードへ移行するまで、FAXコントローラボード13側のプルアップ電圧が立ち上がらないようにして、コントローラボード11のICに貫通電流が流れることを防止するとともに、STRモード時には、FAXコントローラボード13上のPCIバスを中継ボード12上のプルアップ抵抗123によりプルアップすることができる。
このように、第3の実施形態によれば、中継ボード12にもプルアップ手段を設けることで、STRモードへ移行し、コントローラボード11とFAXコントローラボード13とが遮断されても、FAXコントローラボード13上のPCIバスをプルアップすることができる。また、中継ボード12上のPCIバスのプルアップのタイミングを制御することで、コントローラボード11への貫通電流を防ぐことができ、また分圧を防ぐことができる。
〔第4の実施形態〕
FAXコントローラボード13のCPU31の立ち上がりタイミングがプルアップ電圧の立ち上がりより早いと、CPU31のPCIバスのI/Oポートに先に電源が入ってしまい、コントローラボード11に対して、貫通電流が流れてしまう。そのため、FAXコントローラボート13の電源立ち上りタイミングはプルアップ電圧よりも遅くなければならない。コントローラボード11が通常状態であれば、この立ち上がりをコントローラボード11からの制御信号で立ち上がりを制御することができるが、コントローラボード11がSTRモードへ移行してしまうと、コントローラボード11からの制御信号が立ち下がってしまうので、FAXコントローラボード13の電源電圧は、立ち下がってしまう。
そこで、本実施形態では、中継ボード12上でFET(Field Effect Transistor)とRCの時定数を使って、ハードウェア的に立ち上り時間を制御する。図9は、このような立ち上がり時間を制御する電源生成部125の回路構成図である。この電源生成部125は、FAXコントローラボード13に供給する電源(Vdd2)を生成する回路であり、中継ボード12に設けられている。FET126は、Vdd2を生成するスイッチとしての機能を有する。本実施の形態の電源生成部125では、このFET126と、抵抗127の抵抗値Rとコンデンサ128の容量CとのRCの時定数を用いて、FAXコントローラボード13の電源立ち上りタイミングを制御している。
図10は、コントローラボード11の電源立ち上がりのタイミングとFAXコントローラボード13の電源立ち上りタイミングとを示すタイミングチャートである。図10に示すように、Vdd1がコントローラボード11の電源電圧であり、符号902がコントローラボード11の電源立ち上がりの波形を示している。また、Vdd2がFAXコントローラボード13の電源電圧であり、符号903がFAXコントローラボード13の電源立ち上がりの波形を示している。図10に示すように、中継ボード12の電源生成部125によって、FAXコントローラボード13の電源立ち上がりタイミングが、コントローラボード11の電源立ち上がりタイミングより、時間差901だけ遅延することとなる。
このように、本実施の形態では、コントローラボード11からの制御信号で制御するのではなく、中継ボード12上でハードウェア的にプルアップ電圧よりも遅くなるように制御することで、電源立ち上がりを制御するので、コントローラボード11が省エネ状態に入っても、FAXコントローラボード13は電源電圧を立ち上がらせたままにすることができる。
〔第5の実施形態〕
第1〜第4の実施形態では、PCIバスを断続する機能を中継ボード12に設けていたが、この第5の実施の形態では、PCIバスを断続する機能をFAXコントローラボードに設けている。
図11は、第5の実施形態の電子装置である画像形成装置を構成するボードを示す図である。この画像形成装置は、コントローラボード11、FAXコントローラボード1113、及びエンジンボード14を備えており、FAXコントローラボード1113は、中継ボードを介さずにコントローラボード11に接続される。なお、エンジンボード14、コントローラボード11の機能および構成は、第1〜4の実施の形態と同様である。
図12は、第5の実施形態のFAXコントローラボードの構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施の形態のFAXコントローラボード1113は、CPU31、RAM32、モデム33、ROM34、DAA35及び断続部21を備えている。ここで、CPU31、RAM32、モデム33、ROM34、DAA35の機能については第1〜4の実施の形態と同様である。
断続部21は、第1の実施の形態の中継ボードに設けられている断続部21と同様の機能および構成を有し、バススイッチ21a,21bを備えている。バススイッチ21a,21bをオン/オフすることにより、CPU31とコネクタ131との間のデータパスを断続(遮断/接続)させることができる。バススイッチ21a,21bの構成は、図2,図3で説明した第1の実施の形態と同様である。すなわち、バススイッチをオン/オフすることにより、CPU31とコネクタ131との間のPCIバスを介して流れる信号を遮断したり、あるいは通過させる。具体的には、バススイッチ21a,21bは、コントローラボード11から供給される省エネ信号22がL(ロウ)レベルの場合に導通(オン)し、H(ハイ)レベルの場合は非導通(オフ)となる。
このようなバススイッチ21a,21bを使用することで、通常モード時は省エネ信号22をLにしてスイッチを導通させることで、コントローラボード11とFAXコントローラボード1113との間のデータのやり取りを可能とし、省エネモード時には省エネ信号22をHにすることで、スイッチを非導通にしてコントローラボード11とFAXコントローラボード1113との間のデータパスを遮断する。これにより、FAXコントローラボード1113の断続部21で、第1の実施形態の中継ボード12と同様の機能を実現している。
このように本実施の形態では、PCIバスを断続する機能をFAXコントローラボード1113に設けているので、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、中継ボードが不要となり、構成を簡略化することができる。
上記実施の形態では、バスとしてPCIバスを用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、ローカルバス等他のバスを用いることもできる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明の実施態様は、以上に説明したような特定の実施形態に限定されるものではない。よって、添付の請求項およびその均等物の発明の概念を超えない範囲で様々な変更が可能である。
11 コントローラボード
12 中継ボード
13,1113 FAXコントローラボード
21 断続部
21a,21b バススイッチ
22 省エネ信号
23 復帰信号
31,411 CPU
32 RAM
33 モデム
34,412,415 ROM
35 DAA
112,121,122,131 コネクタ
113 ASIC
114,123 プルアップ抵抗
124 スイッチ
125 電源生成部
126 FET
127 抵抗
128 コンデンサ
211,212 CMOS
213,214 バッファ
414 I/O ASIC
413 DRAM
416 省エネ制御部
特開2008−234073号公報

Claims (10)

  1. 第1プロセッサを備えた第1のボードと、
    前記第1のボードとバスで接続され、第2プロセッサを備えた第2のボードと、
    前記第1のボードが、前記第1プロセッサの電源がオフである省エネ状態であり、かつ前記第2のボードが、前記第2プロセッサの電源がオンである通常状態である場合に、前記第1のボードと前記第2のボードの間の前記バスを介する信号を遮断する断続部と、
    を備えたことを特徴とする電子装置。
  2. 前記断続部は、さらに、前記第1のボード及び第2のボードが、共に前記通常状態の場合、前記第1のボードと前記第2のボードの間の前記バスを介する信号を通過させることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記第1のボードは、前記電子装置の全体制御を行うコントローラボードであり、
    前記第2のボードは、ファクシミリ機能を制御するファクシミリコントローラボードであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
  4. 前記第2のボードは、
    外部からの呼出信号を検出する検出部と、
    前記検出部による検出に基づいて、前記第1のボードを前記省エネ状態から前記通常状態へ復帰させる旨を示す復帰信号を、前記断続部に送出する送出部と、を備え、
    前記断続部は、受信した前記復帰信号を、前記バスとは異なる信号線を介して、前記第1のボードへ転送する転送部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子装置。
  5. 前記第1のボードは、
    前記第2のボードが復帰信号を送出する機能を有するか否かを確認する第1判断部と、
    前記断続部が前記復帰信号を転送する機能を有するか否かを確認する第2判断部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子装置。
  6. 前記第1のボード及び前記断続部は、前記バスをプルアップするプルアップ部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子装置。
  7. 前記断続部は、前記プルアップ部に対して、前記第1のボードが前記省エネ状態へ移行した後に動作を開始させる制御を行う制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子装置。
  8. 前記断続部を備え、前記第1のボードと前記第2のボードとの間で前記バスを介する信号の伝送を中継する中継ボード
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電子装置。
  9. 前記第2のボードは、前記断続部を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電子装置。
  10. 電子装置で実行される信号断続方法であって、
    前記電子装置は、第1プロセッサを備えた第1のボードと、前記第1のボードとバスで接続され、第2プロセッサを備えた第2のボードと、を備え、
    前記第1のボードが、前記第1プロセッサの電源がオフである省エネ状態であり、かつ前記第2のボードが、前記第2プロセッサの電源がオンである通常状態である場合に、前記第1のボードと前記第2のボードの間の前記バスを介する信号を遮断する断続ステップ、
    を含むことを特徴とする信号断続方法。
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