JP2010156026A - 硬質炭素膜およびその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油を使わない、いわゆる無潤滑摺動のみならず、極圧剤を含まない潤滑油中での摺動においても、従来の硬質炭素膜を凌ぐ優れた摺動特性や高耐久性を有する硬質炭素膜とその形成方法を提供する。
【解決手段】X線散乱スペクトルにおいてグラファイト結晶ピークを持つ炭素層を膜内に有する硬質炭素膜。結晶径が15〜100nmであるグラファイト結晶が含有され、重量密度d(g/cm)が1.81≦d<2.00であり、炭素原子対密度が式1を満足する硬質炭素膜。
(5.01×d)×1022<P<(9.60×d−3.90)×1022・・式1
但し、P:第1近接近傍における炭素原子対密度(pairs/cm
d:重量密度(g/cm
【選択図】図3

Description

本発明は、硬質炭素膜およびその形成方法に関し、特に低摩擦性や低摩耗性などの摺動特性に優れると共に、基材との密着性に優れた耐久性を有する硬質炭素膜およびその形成方法に関する。
硬質炭素膜は、一般的にダイヤモンドライクカーボン(DLC)、無定形炭素、i−カーボン、ダイヤモンド状炭素など、様々な名称で呼ばれている。そして、硬質炭素膜は、構造的には結晶ではなく非晶質に分類され、ダイヤモンド結晶に見られるような単結合(C−C)とグラファイト結晶に見られるような二重結合(C=C)とが混在していると考えられ、製法によってはC−Hのように水素を含有することもある。
そして、硬質炭素膜の物性的な特徴としては、ダイヤモンド結晶のような高硬度、高耐摩耗性、高固体潤滑性、優れた化学的安定性などが挙げられる。また、非晶質であるために平坦性に優れ、相手材料との接触における低摩擦性も備えている。
これらの特性を活かして、硬質炭素膜は、従来より、耐摩耗部品、摺動部品、電気・電子部品、成型・金型部品等の各種摺動部品へのコーティング膜として利用されている。しかし、これらの特性については、成膜条件、摺動条件、相手材料により大きく変動するため、硬質炭素膜の組成、非晶質の構造、表面粗さ等を制御することにより、摺動特性や耐摩耗性を向上させることが検討されている。
例えば、特許文献1では、非結晶の構造に関して、C−C結合およびC=C結合がある程度の規模で集合した状態を、それぞれ「ダイヤモンドクラスター」および「グラファイトクラスター」と定義し、X線回折結晶学的には非晶質構造であって、原子レベルではそれぞれ炭素原子数100〜2000個で構成されたC−C結合からなるダイヤモンドクラスターとC=C結合からなるグラファイトクラスターとの混合体である硬質炭素膜が示されており、低摩擦性と低摩耗性を両立できると記載されている。
また、特許文献2には、炭素を主成分とした非晶質構造体であり、径の異なるグラファイトクラスターを含む高硬度硬質炭素層と低硬度硬質炭素層とを交互に積層した硬質炭素膜が示され、低摩擦性と低摩耗性を両立できると記載されている。
一方、このようなコーティング膜(硬質炭素膜)は潤滑油中で使用される場合があり、潤滑油中の使用では、硬質炭素膜自体の摺動特性に加え、潤滑油(以下、「オイル」とも言う)の構成も相手材との摺動特性に大きく影響する。
即ち、コーティング膜が形成された基材表面と摺動の相手材の表面は、いずれも完全に平坦ではなく、ある程度の凹凸が表面に存在しており、摺動時にはこの凹凸に起因して摩擦が起こる。そこで、潤滑油中での摺動においては、相手材の摩耗を促進する極圧剤を潤滑油に添加することにより凹凸に起因する摩擦を緩和させることが一般に行われている。
特開平10−87396号公報 特開2001−261318号公報
近年、自動車分野あるいは長時間連続摺動する機械部品へ硬質炭素膜を適用することが検討されている。これらの用途では、従来以上に優れた摺動特性と高耐久性を有する硬質炭素膜が求められている。
また、前記した潤滑油中での摺動に関しても、コスト低減のためには、極圧剤のような添加剤の量をできるだけ低減することが望ましいため、添加剤を使わない潤滑油中においても凹凸に起因する摩擦を充分に緩和させることができる硬質炭素膜が求められている。
そこで、本発明は、潤滑油を使わない、いわゆる無潤滑摺動のみならず、極圧剤を含まない潤滑油中での摺動においても、従来の硬質炭素膜を凌ぐ優れた摺動特性や高耐久性を有する硬質炭素膜を提供することを課題とし、さらに、その形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決にあたり、原子レベルでどのような構造が上記課題の解決に適しているかについて解析を行った。その結果、硬質炭素膜中にグラファイト結晶を含有させることにより上記課題を解決できることを見出し、さらに、成膜プロセスを改良することにより、そのような硬質炭素膜を形成させる好適な方法を見出して、本発明を完成するに至った。
以下、各請求項毎に説明する。
請求項1に記載の発明は、
X線散乱スペクトルにおいてグラファイト結晶ピークを持つ炭素層を膜内に有することを特徴とする硬質炭素膜である。
本発明者らは、最初に、潤滑油中における硬質炭素膜の摩耗性と摩擦性につき検討した。そして、検討の結果、本発明者らは、極圧剤を添加しないオイル(以下、無添加オイルと言う)中で低摩擦性および低摩耗性を両立できる硬質炭素膜としては、適度な硬度を有し、しかも無添加オイルとの親和性がある硬質炭素膜が好ましいという結論に至った。
この点について図1を用いて詳しく説明する。図1は、基材上に形成された硬質炭素膜であるDLC膜とSUS304等の相手材とをオイル中で摺動させた場合における摩耗性と摩擦性を説明する図である。図1において、(1)は(a)〜(d)において、硬度を変えたDLC膜とオイル(極圧剤添加オイルと無添加オイル)との組み合わせによる摩耗性と摩擦性について示している。そして、(2)は、DLC膜の無添加オイル中での摩擦係数と摩耗深さ(即ち、摩耗量)との関係を示している。また、(3)は、ここで用いた摩擦摩耗試験機の概要を示している。ここで、(1)に示す「(A)、(B)、(C)」は、(2)に示す「(A)、(B)、(C)」と対応している。
極圧剤を添加したオイル中では、図1(1)(a)に示すように、極圧剤が相手材を摩耗させることにより低摩擦性が得られる。
これに対し、無添加オイル中ではSUS304等の相手材が摩耗されることがないため、DLC膜の硬度を低下させてDLC膜を摩耗させることにより、低摩擦性を得ることが考えられる。しかし、硬度を低下させすぎた場合には、DLC膜の摩耗量が増大し、コーティング膜としての機能を果たせなくなる。
即ち、図1(1)(b)に示す高硬度のDLC膜の場合には、DLC膜とSUS304等の相手材のどちらも摩耗しないため、図1(2)の(A)に示すように摩擦係数が高くなる。一方、図1(1)(d)に示す低硬度のDLC膜の場合には、硬度の低さによりDLC膜の摩耗量が増大してコーティング膜としての機能を果たせなくなり、図1(2)の(C)に示すように摩擦係数が高くなる。これに対して、図1(1)(c)に示す適度な硬度のDLC膜の場合には、相手材を摩耗させることなくDLC膜が適度に摩耗されて、図1(2)の(B)に示すように低摩擦性を示す。
本発明者らは、次に、上記の適度な硬度のDLC膜につき、具体的に検討したところ、グラファイト結晶を含有させることにより適度な硬度のDLC膜が実現できることが分かった。そして、硬質炭素膜の重量密度および原子対密度を適切な範囲に制御することにより、より適度な硬度のDLC膜が実現できることが分かった。
即ち、有機高分子材料では、SiOなどのフィラーを分散させ、硬度を向上させるナノフィラーという技術が知られているが、この技術を本発明にも応用したところ、密度の小さい硬質炭素膜中に、密度(あるいは硬度)の大きなグラファイト結晶を分散させることにより、グラファイト結晶が前記ナノフィラーのような機能を発揮して、適度に摩耗して凹凸起因の摩擦を低減すると同時に、コーティング膜として必要な硬度を確保できることが分かった。
さらに、上記グラファイト結晶を含有する硬質炭素膜は、無添加オイルとの親和性が高く、この面からも無添加オイル中で低摩擦性を示すことが分かった。
即ち、油中の摺動においては、コーティング膜表面に油分子が付着しトライボフィルムが形成されることにより、油分子同士の摺動となって摩擦が低減すると考えられている。そして、トライボフィルムの形成を行わせるためには、潤滑油とコーティング膜の親和性が高い方が効果的と考えられている。
そこで、本発明者等は、炭素を主成分とする固体表面として、(1)グラファイト結晶、(2)ダイヤモンド結晶、および(3)硬質炭素膜(水素有り)を設定し、潤滑油との親和性を量子化学計算により評価した。その結果、グラファイト結晶には潤滑油との間に高い親和性があることが分かった。この点につき以下に詳しく説明する。
本発明者等は、硬質炭素膜表面と油分子間との安定した距離の中で、水平(X−Y)方向に動かしたときの摩擦力を見積もって親和性を評価した。そのために、炭素を主成分とする固体表面として、(1)グラファイト結晶、(2)ダイヤモンド結晶、および(3)硬質炭素膜(水素有り)を設定し、これらと代表的な潤滑油分子であるイソパラフィン分子(油分子)との間の移動距離と相互作用エネルギー(摩擦力)との関係を計算した。計算結果を図2の右側に示す。なお、図2の左側には、(1)〜(3)の各結晶および硬質炭素膜と油分子との関係を3次元的に示してある。
摩擦力を見積もった結果、親和性の比は、グラファイト結晶:ダイヤモンド結晶:硬質炭素膜=300:20:1となった。この結果より、グラファイト結晶が圧倒的に優れていることが分かった。このため、グラファイト結晶が含有された硬質炭素膜は、グラファイトと潤滑油が相互に効果的に作用して効率よくトライボフィルムが形成されて、優れた低摩擦特性を発揮することができる。
以上のように、グラファイト結晶が含有された硬質炭素膜は、適度な硬度を有すると共に潤滑油との親和性に優れた硬質炭素膜であるため、極圧剤のない潤滑油中での摺動においても優れた低摩擦特性を発揮することができる。
さらに、このような硬質炭素膜は、潤滑油を使わない、いわゆる無潤滑摺動においても優れた耐摩耗特性および低摩擦特性を発揮することができる。即ち、グラファイト結晶が含有された硬質炭素膜においては、低硬度である非晶質部分に高硬度なグラファイト結晶を分散させているため、グラファイト結晶がナノフィラーと同様な効果を発揮し、摺動時の硬質炭素膜の摩滅量を低減させて、耐摩耗性を向上させることができると共に、非晶質部分を適度に摩耗させることにより相手材との摩擦を緩和させて、優れた低摩擦特性を発揮することができる。
上記におけるグラファイト結晶が含有された硬質炭素膜は、具体的には、X線散乱スペクトルにおいてグラファイト結晶ピークを持つ炭素層を膜内に有する硬質炭素膜である。
以上述べてきたような請求項1における硬質炭素膜の効果は、本発明とは異なる概念である特許文献1、2に示された従来のグラファイトクラスターでは得ることのできない効果であり、本発明により、極圧剤のない潤滑油中の摺動であっても、また無潤滑摺動であっても、摺動特性に優れた硬質炭素膜を提供することができる。
なお、本発明の硬質炭素膜は、極圧剤が添加された潤滑油中での使用を排除するものではない。
請求項2に記載の発明は、
グラファイト結晶の結晶径が15〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の硬質炭素膜である。
グラファイト結晶の結晶径が大き過ぎる場合には、硬質炭素膜の表面粗さが大きくなり平坦性が損なわれて、摩擦抵抗が大きくなると共に耐摩耗性が低下する。一方、グラファイト結晶の結晶径が小さ過ぎる場合には、硬質炭素膜は油分子と相互作用できず、トライボフィルムを形成し難くなるため、充分な低摩擦特性を得ることが難しくなる。以上の観点より検討した最適なグラファイト結晶の結晶径は15〜100nmである。なお、特許文献1、2に示されたグラファイトクラスターは、非晶質で最大で12nm程度のサイズである。
請求項3に記載の発明は、
重量密度d(g/cm)が1.81≦d<2.00であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硬質炭素膜である。
重量密度を適切に制御することにより、グラファイト結晶を含む硬質炭素膜において、より適切な摩耗を実現することができる。即ち、硬質炭素膜では、重量密度が大きくなると硬度が大きくなり、図1(1)の(A)のような状態に近づく。一方、重量密度が小さくなると硬度が小さくなり、図1(1)の(C)のような状態に近づく。以上の観点より検討した好適な重量密度は、1.81g/cm以上2.00g/cm未満である。
請求項4に記載の発明は、
グラファイト結晶を除く硬質炭素膜の非晶質部分の炭素原子対密度が式1を満足することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の硬質炭素膜である。
(5.01×d)×1022<P<(9.60×d−3.90)×1022・・式1
但し、P:第1近接近傍における炭素原子対密度(pairs/cm
d:重量密度(g/cm
重量密度に対して、式1を満足する炭素原子対密度とすることにより、本発明が目指す硬質炭素膜の機能をより充分に発現させることができる。即ち、硬質炭素膜において、グラファイト結晶以外の非晶質の部分は、重量密度が同じでも(=炭素原子数が同じでも)、炭素−炭素結合数にばらつきが存在する。例えば、非晶質の部分のすべての炭素がダイヤモンドのような4配位になった場合、あるいは、ポリエチレンのような2配位になった場合には、グラファイト結晶を含有させても前記した「適度な硬度」としては充分とは言えない。本請求項の記載は、以上の観点より検討した結果導かれたものである。
請求項5に記載の発明は、
基材上に中間層を介して形成されている硬質炭素膜であって、
前記中間層は、Ti、Cr、W、Siより選択されたいずれかの金属の金属層、金属窒化層、あるいは金属炭化層のいずれか1層または2層以上からなり、前記中間層の総厚が0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の硬質炭素膜である。
Ti、Cr、W、Siより選択されたいずれかの金属の金属層、金属窒化層、あるいは金属炭化層のいずれか1層または2層以上を中間層として基材上に設けて、中間層上に硬質炭素膜を形成しているため、高面圧雰囲気下においても基材との密着性を保つことができる。その結果、従来よりも高摺動性、高耐摩耗性であり、さらに高耐久性の硬質炭素膜を提供することができる。
中間層の厚みが0.1μm未満である場合には、中間層としての機能が不充分となる。一方、中間層の厚みが2.0μmを超える場合には、中間層そのものが低硬度であるため、耐衝撃性や密着性が低下する恐れがある。また、中間層として上記の金属を用いたのは、これらの金属は、基材および硬質炭素膜に対する各結合力がともに良好であり、膜密着性を充分に確保することができるからである。
請求項6に記載の発明は、
金属またはセラミックからなる基材の表面に、陰極PIGプラズマCVD法により高密度プラズマ雰囲気下で、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の硬質炭素膜を形成することを特徴とする硬質炭素膜の形成方法である。
陰極PIG(Penning Ionization Gauge)プラズマCVD法においては、陰極PIGにて発生させたプラズマがコイルで形成された磁場に閉じ込められることにより高密度化され、原料ガスを高い効率で活性な原子、分子、イオンに分解する。さらに、高活性な原料ガス成分を堆積させながら、直流パルスを基材に印加することによって高エネルギーイオンを照射することができる。これによって、摺動特性に優れた硬質炭素膜を効率的に形成することが出来る。
本発明により、潤滑油を使わない、いわゆる無潤滑摺動のみならず、極圧剤を含まない潤滑油中の摺動においても、従来の硬質炭素膜を凌ぐ優れた摺動特性を有する硬質炭素膜であり、さらに優れた高耐久性を有する硬質炭素膜を提供することができる。そして、このような硬質炭素膜は、自動車分野あるいは長時間連続摺動する機械部品へ好適に使用することができる。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(硬質炭素膜が設けられた部材の構造)
最初に、本発明に係る硬質炭素膜が設けられた部材の構造につき、図3に模式的な断面図を示し説明する。図3において、1は基材であり、3は硬質炭素膜である。そして、基材1と硬質炭素膜3との間には中間層2が設けられて基材1と硬質炭素膜3との密着性を向上させている。また、硬質炭素膜3中にはグラファイト結晶4が分散されている。前記したように、このグラファイト結晶4は、硬質炭素膜3に対してナノフィラーとしての効果を発揮する。
なお、基材1と中間層2との間には、図4に示すように、第2の中間層として下地層21を設けても良い。下地層21を設けることにより、基材1と中間層2との密着性をさらに向上させることができる。
基材1としては、金属系またはセラミックス系の基材を用いることができ、具体的には、例えば、鉄、熱処理鋼、超硬合金、ステンレス、ニッケル、銅、アルミニウム合金、チタン合金、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素製の基材を挙げることができる。
下地層21としては、具体的には、例えば、Ti、Cr、W、Siより選択された金属膜を挙げることができる。
中間層2としては、具体的には、例えば、Ti、Cr、W、Siより選択されたいずれかの金属の金属窒化層や金属炭化層を挙げることができる。また、水素を含有する硬質炭素膜にて形成しても良い。
(基材に対する硬質炭素膜の形成方法)
次に、基材上に本発明に係る硬質炭素膜を形成する方法につき、順を追って説明する。
最初に、基材1上に下地層21として、例えば、Ti金属層をスパッタリング法を用いて形成する。そして、下地層21上に中間層2として、例えば、Si含有硬質炭素膜を形成する。その後、さらに中間層2上に硬質炭素膜3を形成する。
中間層2および硬質炭素膜3の形成には、陰極PIGプラズマCVD装置を用いる。図5に陰極PIGプラズマCVD装置の概略を示す。図5において、40はチャンバー、41は基材、42はホルダー、43はプラズマ源、44は電極、45はコイル、46はカソード、47はガス導入口、48はガス排出口、49はバイアス電源である。そして、50はチャンバー40内に形成されたプラズマである。
最初に、基材41をホルダー42に支持させてチャンバー40内に配置する。次いで、
ガス導入口47よりArガスを注入すると共に、プラズマ源43、電極44、コイル45を用いて、プラズマ50を発生、安定させる。プラズマ中にて分解されたArガスをバイアス電源49にて基材41へ引きつけ、表面エッチングを行う。その後、金属よりなるカソード46、Arガスを用いて下地層である金属層を形成する。さらに、高密度プラズマ雰囲気下でガス導入口47より注入された原料ガスを分解、反応させることにより、硬質炭素膜中にグラファイト結晶を生成させる。所定の厚さの硬質炭素膜となるまでそのまま維持する。
上記陰極PIGプラズマCVD装置においては、プラズマ特性やガス種等を変更することにより、得られる硬質炭素膜の特性を変更することが可能であり、生成させるグラファイト結晶の量や結晶径、硬質炭素膜の硬度や表面粗さ等を適正化することにより、摺動性および耐久性を向上させることができる。
(グラファイト結晶の確認)
形成された硬質炭素膜内におけるグラファイト結晶の存在の確認および結晶径の確認は、以下に示すX線回折測定を用いて行う。
結晶材料のX線回折スペクトルには、個々の格子面に対応した鋭い回折ピークが複数本存在し、これらを照合して結晶構造が確定されるのが一般的である。これに対し、本発明の場合、非晶質に特有のハローパターンと呼ばれるブロードな散乱ピークに混じって、グラファイト結晶の回折ピークが存在する。
図6は、グラファイト結晶を含有する硬質炭素膜についてX線回折スペクトルを実測した一例である。測定は、X線源:放射光源、X線エネルギー:15keV、入射スリット幅:0.1mm、検出器:シンチレーションカウンタ(前段にソーラースリットを配置)、散乱角2θの測定範囲:5〜100°、測定ステップ:0.1°、積算時間:30秒/ステップの条件で行い、また、硬質炭素膜試料は基板から剥離し、ガラス細管(キャピラリ)に充填して測定した。
図6に示すように、本発明に係る硬質炭素膜は主成分が非晶質であるため、グラファイト結晶の回折ピーク強度は相対的に弱い場合がある。しかし、この場合でも、分析化学で広く用いられている微分スペクトルを用いることで、主な結晶ピークの存在を確認することができる。図6において用いたのと同じ硬質炭素膜試料についての微分スペクトルを図7に示す。
本実施の形態では、微分スペクトルにおいて認められるピークとして大きいものから順に10本を選び、その中でグラファイト結晶のピーク位置と一致するものが最低3本あれば、その硬質炭素膜はグラファイト結晶を含有していると規定した。この考え方は、一般的な結晶材料のX線回折で用いられるHanawalt法、即ち、最も強度の大きい3本のピークを用いて回折図形を特徴付ける方法に準拠している。
さらに、上記のような回折ピークの広がりから、グラファイト結晶の結晶径を推定することができる。具体的には、X線散乱スペクトルから非晶質によるハローパターンをバックグランドとして差し引き、グラファイト結晶ピークを抽出した後、式2で示すScherrerの式を適用することにより求めることができる。図6において用いたのと同じ硬質炭素膜試料についてグラファイト結晶ピークを抽出した結果を図8に示す。
D=(0.9×λ)/(β×cosθ) ・・式2
但し、D:結晶径(nm)
λ:X線の波長(nm)
β:結晶ピークの半価幅(ラジアン)
θ:結晶ピークの位置
(重量密度)
形成された硬質炭素膜の重量密度d(g/cm)は、ラザフォード後方散乱などの分析により測定する。
(炭素原子対密度)
また、形成された硬質炭素膜の炭素原子対密度は、X線回折スペクトルをフーリエ変換して得られる動径分布関数(RDF:Radial distribution function)のフィッティングから求める。一例として、後述する実施例2の硬質炭素膜試料についてのRDFを図9に示す。
図9に示す動径分布関数(RDF)においては、0.15nm付近に存在するピークが第1近接の炭素原子対に相当する。なお、RDFの表示は、pair−function法を用いている。原子対密度は、実測RDFを再現するような構造モデルを作成し、第1近接の近傍に存在する原子対をカウントして求める。後述する実施例1〜3の硬質炭素膜試料における原子対密度の実測値(▲)を、請求項4で規定した好適な原子対密度の範囲と共に、図10に示す。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する
(実施例1)
最初に、基板として、φ30×t3mmのSCM415基材(クロムモリブデン鋼、ロックウェル硬さHRC:58−6)、70×17×t9mmのSKH51基材(高速度鋼)およびSiウェハを準備した。
SCM基材においては、基材上にDLC処理を行った後、硬質炭素膜の耐久特性評価を行う。SKH51基材においては、基材上にDLC処理を行った後、摩擦係数の測定を行う。Siウェハにおいては、基材上にDLC処理を行った後、結晶ピークの測定等の各種分析評価を行う。
SCM基材およびSKH51基材においては、成膜前処理として、アルカリ洗浄液にて10分間超音波洗浄した後、120℃にて充分乾燥させた。その後、上記基材を図5に示すPIGプラズマCVD装置のチャンバー内へセットし、2×10−3Paまで真空引きした。
基材41をセットした後、チャンバー40内にArガスを注入して、チャンバー40内の圧力を0.3Paへ調整した。その後、プラズマ源43を印加してArプラズマ50を生成させ、Arイオンによる基材41の表面エッチングを放電電流10A、コイル電流8Aおよび基板パルス電圧550Vにて10分間行った。
次に、基材41の表面上に、第1層(下地層)として、Tiカソード46およびArガス80ccを用い、圧力0.4Pa、DC電源6kW、バイアス100Vにて、厚さ0.5μmのTi層を形成した。
そして、第1層上に、第2層(中間層)として、テトラメチルシラン60ccおよびアセチレンガス150ccをガス導入口41より導入し、圧力0.4Pa、放電電流10A、コイル電流8A、バイアス550Vにて、厚さ0.5μmのシリコン−炭素混合非晶質層を形成した。
さらに、第2層上に、アセチレンガス140ccを用い、放電電流20A、コイル電流8A、バイアス700Vにて、厚さ4.0μmのグラファイト結晶を有する硬質炭素膜を形成した。
(実施例2)
第2層の形成まで実施例1と同様に行った後、第2層上に、アセチレンガス70ccおよびメタンガス125ccを用い、放電電流20A、コイル電流8A、バイアス700Vにて、厚さ4.0μmのグラファイト結晶を有する硬質炭素膜を形成した。
(実施例3)
第2層の形成まで実施例1と同様に行った後、第2層上に、メタンガス200ccを用い、放電電流20A、コイル電流8A、バイアス700Vにて、厚さ4.0μmのグラファイト結晶を有する硬質炭素膜を形成した。
(比較例1)
本比較例は、高周波プラズマCVD法により硬質炭素膜を形成した例である。
高周波プラズマCVD装置のチャンバー内に基材41をセットした後、Arガスを注入して、チャンバー内の圧力を0.3Paへ調整した。その後、高周波電源(以下、「RF」とも言う)を印加してArプラズマを生成させ、Arイオンによる基材表面エッチングをRFパワー1500Wにて10分間行った。
次に、基材表面上に、第1層(中間層)として、RFパワー2500WにてArプラズマを生成させ、厚さ0.1μmのスパッタSi層を形成した。
そして、第1層上に、RFパワー1500Wプラズマ雰囲気下にてメタンガスを用いて、厚さ1μmの硬質炭素膜を形成した。
(比較例2)
本比較例は、アークイオンプレーティング法により硬質炭素膜を形成した例である。
アークイオンプレーティング装置のチャンバー内に基材をセットした後、Arガスを注入して、チャンバー内の圧力を0.5Paへ調整した。その後、バイアス600Vを印加してArプラズマを生成させ、Arイオンによる基材表面処理を10分間行った。
次に、Cカソードを用い、アーク電流40A、バイアス100Vにて厚さ0.5μmの硬質炭素膜を形成した。
(比較例3)
本比較例は、スパッタ法により硬質炭素膜を形成した例である。
スパッタ装置のチャンバー内にArガスを注入して、チャンバー内の圧力を0.5Paへ調整した後、バイアス600Vを印加してArプラズマを生成させ、Arイオンによる基材表面処理を10分間行った。まず第1層(下地層)として厚さ0.2μmのタングステン層を形成し、次いで第2層(中間層)として厚さ0.5μmのダングステンカーバイド層を形成し、さらに厚さ2.3μmの硬質炭素膜を形成した。
(グラファイト結晶の確認)
上記実施例1〜3および比較例1〜3で得られた各硬質炭素膜について、X線エネルギー:15keV、検出器スキャン範囲:5〜140°、スキャンステップ:0.1°、積算時間:20秒/ステップ、各試験体は基板から剥離&キャピラリに充填という測定条件の下、X線回折測定を行った。
測定の結果、実施例1〜3の各硬質炭素膜においては結晶ピークが検出され、グラファイト結晶の存在が確認できた。これに対して、比較例1〜3の各硬質炭素膜においては結晶ピークが確認できなかった。
なお、実施例1〜3で得られた各硬質炭素膜におけるグラファイト結晶の歪みは、0.4〜0.8%となっていた。
(耐久性の評価)
DLCコーティングを行ったSCM基材サンプルおよび(株)ORIENTEC社製ボールオンディスク試験機(Friction and Wear Tester)を用いて、各硬質炭素膜の耐久性を評価した。
具体的には、各試料(硬質炭素膜)を測定ホルダーに固定し、3/8インチSUJ2製鋼球を用いて、試料表面への負荷:10〜5000N、回転数:30rpm、荷重保持時間:5秒の条件下で耐久試験を行い、剥離耐荷重値を測定した。測定結果を表1に示す。
(摩擦係数の評価)
DLCコーティングを行ったSKH51基材サンプルおよび(株)テーピーエンジニアリング社製往復動摩擦摩耗試験機を用いて、各硬質炭素膜の摩擦係数を評価した。
具体的には、各試料(硬質炭素膜)を測定ホルダーに固定し、摺動ピン(φ1.5mm)を用いて、試料表面への負荷:550N、回転数:600rpmの条件下で試験を行い、摩擦係数を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2010156026
表1に示すように、結晶ピークが検出された、即ち、グラファイト結晶を有する実施例1〜3の硬質炭素膜については、剥離耐荷重が4500N以上となっている。一方、結晶ピークが得られなかった比較例1〜3の硬質炭素膜については、剥離耐荷重が3000N以下であり、陰極PIGプラズマCVD法を用いてグラファイト結晶を有する硬質炭素膜を形成したことによる耐久特性の向上が確認できた。
また、表1に示すように、結晶ピークが検出された実施例1〜3では、結晶ピークが得られなかった比較例1〜3(μ=0.10〜0.12)と比較して、より低い摩擦係数(μ<0.08)を示した。特に、より明確な結晶ピークが検出された実施例2においては、最も低い摩擦係数(μ=0.06)を示していた。
(耐摩耗性の評価)
続いて、最も低い摩擦係数を示した実施例2のサンプルにつき、(株)テーピーエンジニアリング社製往復動摩擦摩耗試験機を用いて、各硬質炭素膜の耐摩耗性を評価した。比較のために、比較例1〜3のサンプルについても同様に評価した。
具体的には、各試料(硬質炭素膜)を測定ホルダーに固定し、相手材としてFC250のピン(φ1.5mm)を用いて、試料表面への負荷:550N、回転数:600rpm(摺動ストローク:50mm)、摺動時間:120分、摺動環境:油中(試験中随時滴下)の条件下で試験を行い、摩耗量(深さ)を測定した。
測定の結果、実施例2のサンプルでは、0.05μmの摩耗量であった。これに対して比較例1〜3のサンプルでは、順に0.2μm、0.1μm、0.3μmの摩耗量であり、耐摩耗性についても良好な結果が得られていることが確認できた。
このように、本発明に係る硬質炭素膜が陰極PIGプラズマCVD法を用いることにより得られ、高周波プラズマCVD法、アークイオンプレーティング法、スパッタ法を用いた場合には得られなかったのは、陰極PIGと比較してプラズマ密度が低く高活性な原料ガス成分を十分に生成できないため、あるいは高エネルギーイオンの照射ができないため、あるいはその両方の理由によると考えられる。
基材上に形成されたDLC膜とSUS304をオイル中で摺動させた場合における摩耗性と摩擦性を説明する図である。 硬質炭素膜と油分子との親和性を量子化学計算で評価するための図である。 本発明の実施の形態に係る断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る硬質炭素膜の断面図である。 陰極PIGプラズマCVD装置の概要を示す図である。 本発明の実施の一形態に係る硬質炭素膜のX線回折スペクトルの測定例である。 図6の硬質炭素膜の微分スペクトルである。 図6の硬質炭素膜の結晶ピーク抽出を示す図である。 実施例2における硬質炭素膜のRDFである。 炭素原子対密度と重量密度との関係を説明する図である。
符号の説明
1、11、41 基材
2 中間層
3、12 硬質炭素膜
13 相手材
21 下地層
40 チャンバー
42 ホルダー
43 プラズマ源
44 電極
45 コイル
46 カソード
47 ガス導入口
48 ガス排出口
49 バイアス電源
50 プラズマ

Claims (6)

  1. X線散乱スペクトルにおいてグラファイト結晶ピークを持つ炭素層を膜内に有することを特徴とする硬質炭素膜。
  2. グラファイト結晶の結晶径が15〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の硬質炭素膜。
  3. 重量密度d(g/cm)が1.81≦d<2.00であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硬質炭素膜。
  4. グラファイト結晶を除く硬質炭素膜の非晶質部分の炭素原子対密度が式1を満足することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の硬質炭素膜。
    (5.01×d)×1022<P<(9.60×d−3.90)×1022・・式1
    但し、P:第1近接近傍における炭素原子対密度(pairs/cm
    d:重量密度(g/cm
  5. 基材上に中間層を介して形成されている硬質炭素膜であって、
    前記中間層は、Ti、Cr、W、Siより選択されたいずれかの金属の金属層、金属窒化層、あるいは金属炭化層のいずれか1層または2層以上からなり、前記中間層の総厚が0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の硬質炭素膜。
  6. 金属またはセラミックからなる基材の表面に、陰極PIGプラズマCVD法により高密度プラズマ雰囲気下で、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の硬質炭素膜を形成することを特徴とする硬質炭素膜の形成方法。
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