JP2010155996A - 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法 - Google Patents

塗料組成物および塗装金属缶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010155996A
JP2010155996A JP2010028830A JP2010028830A JP2010155996A JP 2010155996 A JP2010155996 A JP 2010155996A JP 2010028830 A JP2010028830 A JP 2010028830A JP 2010028830 A JP2010028830 A JP 2010028830A JP 2010155996 A JP2010155996 A JP 2010155996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
meth
compound
weight
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010028830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5116784B2 (ja
Inventor
Nobuo Kusumoto
伸夫 楠本
Kenji Seko
健治 瀬古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2010028830A priority Critical patent/JP5116784B2/ja
Publication of JP2010155996A publication Critical patent/JP2010155996A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5116784B2 publication Critical patent/JP5116784B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【目的】 空気中にて低照射量の紫外線照射及び照射後の加熱によって効率よくカチオン重合硬化して塗膜性能の優れた塗膜を形成できる塗料を提供すること。
【構成】 グリシジル基を含有しないカチオン重合性バインダ成分100重量部に対して、(D) グリシジル基及びt−ブチルエステル基を含有する化合物1〜70重量部、及び(E) 紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤0.01〜20重量部を含有する塗料組成物、並びに上記塗料組成物を、金属板、樹脂フィルム積層金属板又はこれらの金属板を成型した金属缶に塗装し、紫外線を照射した後加熱して硬化させる塗装金属缶の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は紫外線照射及び後加熱を併用して硬化させることができる、加工性、密着性、硬度、すり傷性等の塗膜性能に優れ、特に塗膜外観、耐レトルト性、湯中硬度に優れた塗膜を形成可能な塗料組成物、及びこの組成物を使用した塗装金属缶の製造方法に関する。
従来、紫外線硬化型塗料組成物としては、エポキシ基やビニル基を有するカチオン重合性化合物及び紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤を含有するカチオン重合型塗料と、ラジカル重合性不飽和基を有するラジカル重合性化合物及び紫外線照射によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤を含有するラジカル重合型塗料などが知られている。
しかしながら、ラジカル重合型塗料は、硬化速度が比較的速いという特徴がある反面、素材への密着性、加工性が不十分であり、また酸素による硬化阻害があるため、表面の硬化性に劣り、特に薄膜(2〜8μm)での使用に際しては窒素封入などの設備が必要であるという問題点がある。
一方、カチオン重合型塗料は、ラジカル重合型塗料と比較して、素材への密着性、加工性が良好であり、また窒素封入などの設備も必要としないなどの利点がある反面、硬化速度が遅いために、塗膜性能、特に塗膜外観、耐レトルト性、湯中硬度が不十分であるという問題点がある。
そこで、本発明者らは、窒素封入などの設備を必要としないで薄膜での紫外線照射及び照射後の加熱の併用により硬化することができ、加工性、密着性、硬度、スリキズ性などの塗膜性能に優れ、特に塗膜外観、耐レトルト性、湯中硬度に優れた塗膜を形成することができる塗料組成物、特に缶用塗料に適した塗料組成物を得ることを目的に、鋭意研究を行なった。
その結果、今回、カチオン重合性バインダ成分に、t−ブチルエステル基及びグリシジル基を1分子中又は異なる分子中に有する化合物とカチオン重合開始剤とを所定量配合した塗料が、紫外線を照射した後、加熱を行うことによって、紫外線照射で発生したカチオンを触媒として、t−ブチルエステル基が分解し、イソブテンが脱離、遊離のカルボキシル基を生成し、生成されたカルボキシル基が化合物中のグリシジル基と反応して架橋することによって、塗膜外観、耐レトルト性、湯中硬度などに優れた塗膜が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
しかして、本発明は、(A)グリシジル基を含有しないカチオン重合性バインダ成分100重量部に対して、(B)t−ブチルエステル基含有化合物1〜60重量部、(C)グリシジル基含有化合物1〜60重量部及び(E)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤0.01〜20重量部を含有することを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、(A)カチオン重合性バインダ成分100重量部に対して、(D)t−ブチルエステル基とグリシジル基とをそれぞれ少なくとも1個有する化合物1〜70重
量部及び(E)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤0.01〜20重量部を含有することを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記の塗料組成物を、金属板、樹脂フィルム積層金属板又はこれらの金属板を成型した金属缶に塗装し、紫外線を照射した後、加熱して硬化させることを特徴とする塗装金属缶の製造方法を提供するものである。
本発明の塗料組成物は、カチオン重合性バインダ成分(A)、t−ブチルエステル基含有化合物(B)及びグリシジル基含有化合物(C)を被膜形成性樹脂成分として含有するか、又はカチオン重合性バインダ成分(A)及びt−ブチルエステル基及びグリシジル基を含有する化合物(D)を被膜形成性樹脂成分として含有しており、カチオン重合開始剤(E)の存在下で、窒素封入などの設備を必要とすることなく、低照射量の紫外線照射及び照射後の加熱によっても効率よくカチオン重合して硬化することができ、薄膜においても加工性、密着性、硬度、耐スリキズ性、塗膜外観、耐レトルト性、湯中硬度などの塗膜性能に優れた塗膜を形成することができる。本発明の塗料組成物は、特に缶外面用の紫外線硬化型塗料として好適に使用することができる。
本発明組成物は、紫外線照射と加熱によってカチオン重合を起こして硬化可能な塗料組成物であり、本発明の第1発明組成物は下記(A)、(B)、(C)及び(E)成分を必須成分とする組成物であり、本発明の第2発明組成物は下記(A)、(D)及び(E)成分を必須成分とする組成物である。以下に本発明組成物における各成分について説明する。
グリシジル基を含有しないカチオン重合性バインダ成分(A)
(A)成分であるカチオン重合性バインダ成分は、紫外線照射によってカチオン重合を起こして硬化することができ、かつグリシジル基を含有しないカチオン重合性化合物からなり、例えば、下記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の化合物を挙げることができる。
(イ)グリシジル基を含有しないエポキシ化合物:このエポキシ化合物は、1分子中にグリシジル基以外のエポキシ基を1個以上有する化合物であり、エポキシ当量70〜5,000、好ましくは80〜3,000のものを好適に使用することができる。
エポキシ化合物(イ)の代表例として、例えば、ジシクロペンタジエンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アセタール、エチレングリコールのビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、エチレングリコールの3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸ジエステル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−エチル−3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキシメチルオキセタン、エポリードGT300(ダイセル化学工業(株)製、商品名、3官能脂環式エポキシ樹脂)、エポリードGT400(ダイセル化学工業(株)製、商品名、4官能脂環式エポキシ樹脂)、EHPE(ダイセル化学工業(株)製、商品名、多官能脂環式エポキシ樹脂)、下記式
Figure 2010155996
Figure 2010155996
で表される化合物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーと必要に応じて、その他の重合性不飽和モノマーとを(共)重合してなる脂環式エポキシ基含有(共)重合体などの脂環式エポキシ基含有エポキシ化合物を挙げることができる。
上記脂環式エポキシ基含有共重合体を製造するのに用いられる、その他の重合性不飽和モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のC1〜24アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物などの水酸基含有モノマー;アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテルなどの(メタ)アクリルアミド又はその誘導体;3−アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン、3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン、水酸基含有オキセタン(例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなど)に、該水酸基と反応し且つオキセタン環とは実質的に反応しない官能基(例えば、イソシアネート基、メチルエステル等)及びエチレン性不飽和基(アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基など)を含有する不飽和モノマー(例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メチル(メタ)アクリレートなど)とを反応させてなる化合物などの分子中にオキセタン環とエチレン性不飽和基とを有する化合物;スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらの化合物は、1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタアクリルアミドを意味するものとする。
(ロ)ビニル化合物:ビニル基を有する化合物であり、例えば、スチレン、メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;n −ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどの置換又は非置換のアルキルビニルエーテル類;アリルビニルエーテル、エテニルビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテルなどのアリルビニルエーテル類;ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニエーテルなどのアルキルジビニルエーテル類;1,4−ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミンジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエーテルなどのアラルキルジビニルエーテル類;ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシノールジビニルエーテルなどのアリールジビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどのカチオン重合性窒素含有化合物などを挙げることができる。
(ハ)ビシクロオルソエステル化合物;例えば、1 −フェニル−4−エチル−2,6,
7−トリオキサビシクロ−[2,2,2]−オクタン、1 −エチル−4ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ−[2,2,2]−オクタンなどを挙げることができる。
(ニ)スピロオルソカーボネート化合物;例えば、1,5,7,11−テトラオキサスピロ−[5,5]−ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11 −テトラオキサスピロ−[5,5]−ウンデカン、1,4,6−トリオキサスピロ−[4,4]−ノナン、2−メチル−1,4,6−トリオキサスピロ−[4,4]−ノナン、1,4,6−トリオキサスピロ−[4,5]−デカンなどを挙げることができる。
(ホ)オキセタン化合物:下記式(1)
Figure 2010155996
で表されるオキセタン環を分子中に少なくとも1個含有する化合物であり、例えば、下記一般式(2)又は(3)で示される化合物などを挙げることができる。
Figure 2010155996
(上記式中、R1 は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R3 は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルキレン基、ヒドロキシアルキル基、炭素原子数2〜10の水酸基で置換されていてもよいアルコキシアルキル基、炭素原子数7〜12の水酸基で置換されていてもよいアリール基、アラルキル基、アリールオキシアルキル基)、
Figure 2010155996
(上記式中、2個のR1 は同一又は異なって前記と同じ意味を有し、R4 は炭素原子数1〜6のアルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基、炭素原子数4〜30のポリアルキレンオキシ基を表す)。
前記一般式(2)で表されるオキセタン化合物の代表例としては、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヘキシルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタ
ン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシ−3´−フェノキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシ−3´−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−[2´−(2´´−エトキシエチル)オキシメチル〕オキセタン、3−エチル−3−(2´−ブトキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ベンジルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(p−tert−ブチルベンジルオキシメチル)オキセタンなどを挙げることができる。
前記一般式(3)で表されるオキセタン化合物の代表例としては、前記一般式(2)において、両方のR1 がいずれもエチル基で、R4 がメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基である化合物などを挙げることができる。
オキセタン化合物としては、前記一般式(2)、(3)で表される化合物以外に、例えば、ビス(3−エチルオキセタニル−3−メチル)オキサイドや重合性不飽和基とオキセタン環とを有する化合物[例えば、3−エチル−3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン]を一単量体成分として、その他の重合性不飽和モノマーと共重合してなるオキセタン環を有する共重合体などを挙げることができる。
上記共重合に用いられるその他の重合性不飽和モノマーとしては、前記脂環式エポキシ基含有共重合体を製造するのに用いられる、その他の重合性不飽和モノマー(オキセタン環を有する化合物を除く)と同様のものを使用することができる。
上記カチオン重合性バインダ成分(A)としては、エポキシ化合物(イ)、オキセタン化合物(ホ)が好適であり、なかでも脂環式エポキシ基含有共重合体が粘性、硬化性の調整のし易さ、塗膜性能などの点から適している。上記脂環式エポキシ基含有共重合体は、該共重合体1kg中に、脂環式エポキシ基を0.7〜6.4モル/kg、好ましくは2.0〜5.0モル/kgの濃度の範囲内有することが適当であり、また、数平均分子量が3,000〜50,000の範囲内にあることが適当である。
t−ブチルエステル基を有する化合物(B)
本発明組成物における(B)成分は、1分子中にt−ブチルエステル基を1個以上、好ましくは2個以上有する化合物であって樹脂も包含するものであり、カチオンを触媒としてt−ブチルエステル基がイソブテンを脱離して遊離のカルボキシル基を生成できる化合物である。
t−ブチルエステル基を有する化合物(B)としては、例えば、ジフェノール酸−t−ブトキシカルボニルメチルエステル類、ビスーt−ブトキシカルボニルメチルチモールフタレイン、トリスフェノール類のt−ブトキシカーボネート、t−ブトキシカルボニルアミノ基を有するエチレン性芳香族化合物など;また、t−ブチルアクリレートまたはt−ブチルメタクリレートの単独重合体、あるいはt−ブチルアクリレートまたはt−ブチルメタクリレートと下記の如きその他の重合性不飽和基含有モノマーとの共重合体などを挙げることができる。
上記共重合体を構成するその他の重合性不飽和基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC1 〜C24のアルキルまたはシクロアルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステルにε−カプロラクトンを開環付加してなるε−カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート等の含フッ素不飽和モノマー類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドブチルエーテル等の重合性アミド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリル類;シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、「アロニックスM110」(東亜合成(株)製、商品名、パラクミルフェノール・エチレンオキシド変性アクリレート)、アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
上記共重合体は、該共重合体1kg中に、t−ブチルエステル基を0.7モル/kg〜6.4モル/kg、好ましくは2.0モル/kg〜5.0モル/kgの濃度の範囲内有することが適当であり、また、数平均分子量が3,000〜50,000の範囲内にあることが適当である。
グリシジル基含有化合物(C)
本発明組成物における(C)成分は、1分子中にグリシジル基を1個以上、好ましくは2個以上有する化合物であり樹脂も包含する。化合物(C)は、(C)成分中のグリシジル基が、化合物(B)中のt−ブチルエステル基がカチオンを触媒としてイソブテンを脱離して生成される遊離のカルボキシル基と、加熱下に反応して架橋することができる。
1分子中にグリシジル基を1個以上有する化合物の具体例としては、例えば、ジグリシジルエーテル、2−グリシジルフェニルグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物;ビニルシクロヘキセンジオキサイド、レモネンジオキサイド等のグリシジル基及び脂環式エポキシ基含有化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有重合性不飽和モノマーと、必要に応じて、その他の重合性不飽和モノマーとの(共)重合体等を挙げることができる。
上記(C)成分であることができる共重合体を構成する、その他の重合性不飽和モノマーとしては、前記t−ブチルエステル基を有する化合物(B)が共重合体である場合の、その他の重合性不飽和モノマーと同様のモノマーを挙げることができる。この共重合体は、該共重合体1kg中に、グリシジル基を0.7モル/kg〜6.4モル/kg、好ましくは2.0モル/kg〜5.0モル/kgの濃度の範囲内有することが適当であり、また
、数平均分子量が3,000〜50,000の範囲内にあることが適当である。
t−ブチルエステル基及びグリシジル基を含有する化合物(D)
本発明組成物の(D)成分であるt−ブチルエステル基及びグリシジル基を含有する化合物は、1分子中にt−ブチルエステル基1個以上とグリシジル基1個以上とを有する化合物であり、樹脂も包含する。化合物(D)は、カチオンによってt−ブチルエステル基がイソブテンを脱離して生成される遊離のカルボキシル基とグリシジル基とを有するため、生成されるカルボキシル基とグリシジル基との反応により化合物(D)同志で自己架橋することができる。
化合物(D)としては、例えば、t−ブチル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)アクリレートと必要に応じて、その他の重合性不飽和モノマーとを構成モノマー成分とする共重合体を挙げることができる。上記その他の重合性不飽和モノマーとしては、前記t−ブチルエステル基を有する化合物(B)が共重合体である場合の、その他の重合性不飽和モノマーと同様のモノマーを挙げることができる。
上記共重合体は、該共重合体1kg中に、グリシジル基を0.7モル/kg〜6.4モル/kg、好ましくは2.0モル/kg〜5.0モル/kgの濃度の範囲内有し、t−ブチルエステル基を0.7モル/kg〜6.4モル/kg、好ましくは2.0モル/kg〜5.0モル/kgの濃度の範囲内有することが適当であり、また、数平均分子量が3,000〜50,000の範囲内にあることが適当である。
カチオン重合開始剤(E)
本発明組成物の(E)成分であるカチオン重合開始剤は、紫外線などの活性エネルギー線照射によってカチオンを発生する化合物であり、例えば、下記式(4)〜(20)で表わされる化合物などを挙げることができる。
Ar2 + ・X- (4)
(式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表わし、X- はBF4 - 、PF6 - 、SbF5 (OH)- 、SbF6 - 又はAsF6 - 又は下記式
Figure 2010155996
で表わされる基を示す)
Ar3 + ・X- (5)
(式中、Ar及びX- は上記と同じ意味を有する)
Figure 2010155996
(式中、R5 は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表わし、nは0〜3の整数を表わし、X- は上記と同じ意味を有する)
Figure 2010155996
(式中、Y- はPF6 - 、SbF6 - 、SbF5 (OH)- 又はAsF6 - を表わす)
Figure 2010155996
(式中、X- は前記と同じ意味を有する)
Figure 2010155996
(式中、X- は前記と同じ意味を有する)
Figure 2010155996
(式中、X- は前記と同じ意味を有する)
Figure 2010155996
(式中、R6 は炭素原子数7〜15のアラルキル基又は炭素原子数3〜9のアルケニル基、R7 は炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェニル基、R8 は酸素原子又は硫黄原子を含有していてもよい炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、X- は前記と同じ意味を有する)
Figure 2010155996
(式中、R9 及びR10はそれぞれ独立に炭素原子数1 〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基を表わす)
Figure 2010155996
(式中、R9 及びR10は上記と同じ意味を有する)
Figure 2010155996
カチオン重合開始剤(E)の市販品としては、例えば、サイラキユアUVI−6970、同UVI−6974、同UVI−6990(以上、いずれも米国ユニオンカーバイド社製)、イルガキュア261、同264(以上、いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカル
ズ(株)製)、CIT−1682(日本曹達(株)製)、BBI−102(みどり化学社製)、アデカオプトマーSP−150、同SP−170(以上、いずれも旭電化社製)等を挙げることができる。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物
本発明の第1発明組成物は、上記バインダ成分(A)、t−ブチルエステル基を有する化合物(B)、グリシジル基含有化合物(C)及びカチオン重合開始剤(E)を必須成分とする組成物である。また、本発明の第2発明組成物は上記バインダ成分(A)、t−ブチルエステル基及びグリシジル基を含有する化合物(D)及びカチオン重合開始剤(E)を必須成分とする組成物である。
本発明の第1発明組成物において、カチオン重合性バインダ(A)100重量部に対して、t−ブチルエステル基含有共重合体(B)の量は、1〜60重量部、好ましくは3〜40重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の範囲内にあることが適当である。(B)成分の量が1重量部未満では、紫外線照射後に加熱して硬化させた塗膜の湯中硬度、付着性、塗膜硬度が低下しやすく、一方、(B)成分の量が60重量部を超えると、特に低照射量の紫外線照射の場合に照射後の塗膜の硬化性が劣り、塗膜硬度の低下による作業性不良が生じやすくなる。
本発明の第1発明組成物において、カチオン重合性バインダ(A)100重量部に対して、グリシジル基含有化合物(C)の量は、1〜60重量部、好ましくは3〜40重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の範囲内にあることが適当である。(C)成分の量が1重量部未満では、紫外線照射後に加熱して硬化させた塗膜の湯中硬度、付着性、塗膜硬度が低下しやすくなり、一方、(C)成分の量が60重量部を超えると、グリシジル基同志の開環付加反応が生じるため、塗膜の耐レトルト性、湯中硬度などが低下しやすくなる。
また、本発明の第1発明組成物において、カチオン重合性バインダ(A)100重量部に対して、t−ブチルエステル基含有共重合体(B)とグリシジル基含有化合物(C)との合計が70重量部以下、好ましくは61重量部以下、さらに好ましくは40重量部以下にあることが、紫外線照射後に加熱して硬化させた塗膜の湯中硬度、付着性、塗膜硬度、硬化性などの観点から適当である。
本発明の第1発明組成物において、カチオン重合開始剤(E)の量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計固形分量100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲内とすることが紫外線照射、加熱後の塗膜硬度、塗膜外観(非黄変性)及び耐候性などの点から適当である。
本発明の第2発明組成物において、カチオン重合性バインダ(A)100重量部に対して、t−ブチルエステル基及びグリシジル基を含有する化合物(D)の量が、1〜70重量部、好ましくは3〜40重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の範囲内にあることが、紫外線照射後に加熱して硬化させた塗膜の湯中硬度、付着性、塗膜硬度、ならびに低照射量の紫外線照射後の加熱硬化における塗膜の硬化性、塗膜硬度、耐レトルト性などの点から好適である。
また、本発明の第2発明組成物において、カチオン重合開始剤(E)の量は、(A)及び(D)成分の合計固形分量100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲内とすることが紫外線照射、加熱後の塗膜硬度、塗膜外観(非黄変性)及び耐候性などの点から適当である。
本発明の第1発明組成物は、前記(A)、(B)、(C)及び(E)成分に加えて、必要に応じて、t−ブチルエステル基及びグリシジル基を含有する化合物(D)を含有することができる。この化合物(D)の含有量は、(A)成分100重量部に対して、(B)、(C)及び(D)成分の合計固形分量が70重量部以下となる量的範囲である。
本発明の第2発明組成物は、前記(A)、(D)及び(E)成分に加えて、必要に応じて、t−ブチルエステル基含有共重合体(B)及び/又はグリシジル基含有化合物(C)を含有することができる。この共重合体(B)及び化合物(C)の含有量は、(A)成分100重量部に対して、(B)、(C)及び(D)成分の合計固形分量が70重量部以下となる量的範囲である。
本発明の第1発明組成物及び第2発明組成物は、それぞれ、さらに必要に応じて、着色顔料、シリカなどの体質顔料、ワックス類、塗面調整剤などを含有することができる。
本発明の塗料組成物(第1発明組成物及び第2発明組成物)は、以上に述べた各成分を混合し、均一な塗料組成物となるように撹拌することにより調製することができる。例えば、各成分を混合し、室温で、又は必要に応じて加温(例えば50℃程度)し、ディゾルバーなどの撹件機にて均一になるまで、例えば10分間程度撹拌することにより調製することができる。
本発明の塗料組成物は、被塗物に塗装し、塗膜に紫外線照射し、照射後、加熱することによって硬化させることができる。塗膜が溶剤を含んでいる場合には、塗装後、加熱などにより溶剤を除去した後、紫外線が照射される。本発明の塗料組成物の塗膜に紫外線を照射すると、カチオン重合性バインダ成分(A)のカチオン重合が起こるとともに、(B)成分又は(D)成分中のt−ブチルエステル基が分解しイソブテンが脱離して遊離のカルボキシル基が生成する。ついで加熱により、生成した遊離のカルボキシル基と(C)成分又は(D)成分中のグリシジル基とが反応し硬化がさらに進行して、塗膜性能に優れた塗膜を形成することができる。
本発明の塗料組成物は、被塗物はとくに限定されるものではないが、金属缶用途の塗装に特に好適であり、この場合の被塗物としては、ブリキ、アルミニウム、ティンフリースチール、鉄、亜鉛、銅、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛と他の金属との合金メッキ鋼板などの金属板(この金属板には燐酸亜鉛処理やクロメート処理などの化成処理が施されていてもよい);これらの金属板に、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルなどの樹脂フィルムが積層されてなる樹脂フィルム積層金属板;これらの金属板を成型した金属缶などを挙げることができる。
本発明の塗料組成物は、塗装膜厚は特に限定されるものではなく、用途によって適宜選択することができ、金属缶用途の場合には、通常、乾燥塗膜厚として約2〜20μm、好ましくは約2〜8μmの範囲内とすることができる。また、本発明の組成物は、例えば、ロールコート塗装、スプレー塗装、刷毛塗り、バーコート塗装、ローラー塗装、スクリーン印刷、輪転印刷などの方法によって塗装することができる。
塗装後、塗膜が溶剤を含有する場合には、通常、加熱などによって溶剤を除去した後に、紫外線照射が行われる。紫外線の照射条件は塗装された組成物の種類や膜厚等に応じて適宜変えることができる。照射する紫外線の波長としては、通常、200〜450nmの範囲が適当であり、光開始剤の種類に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。
紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。塗膜への照射条件は、通常、波長約200〜450nmの光で、照射量が約10〜約3000mJ/cm2 、特に50〜1000mJ/cm2 の範囲内で行うことができる。
本発明の塗料組成物からの塗膜は紫外線を照射後、加熱することによって硬化させることができる。その加熱条件は、塗膜中のカルボキシル基とグリシジル基とが反応可能な条件であればよく、例えば100〜250℃、好ましくは120〜230℃の温度で1分間〜1時間、好ましくは5〜30分間程度の加熱条件が適当である。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、以下、「部」及び「%」は、特に断りのない限りそれぞれ重量基準によるものとする。
アクリル樹脂溶液の製造例
製造例1〜4
4つ口フラスコ中にトルエン58部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル30部を配合し、108℃に加熱、保持しながら、撹拌下にて、後記表1に示すモノマーと重合開始剤との混合溶液を窒素気流下で4時間かけて等速滴下した。上記混合溶液の滴下終了時から30分後、トルエン8部と2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.3部との混合溶液を窒素気流下で30分かけて等速滴下した。滴下終了後、同温度で約2時間保持した後、室温まで冷却して各アクリル樹脂溶液を得た。製造例4は比較例用である。得られた各アクリル樹脂溶液の樹脂固形分のDSC(示差走査型熱分析)測定によるガラス転移温度、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定による数平均分子量および1分子中の官能基の個数を合わせて表1に示す。
Figure 2010155996
製造例5〜8
上記製造例1〜4で得た各アクリル樹脂溶液206部に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(以下、「エポキシ化合物A」と略称することがある)100部を添加して、溶剤成分を減圧留去することにより、アクリル樹脂/エポキシ化合物A=50/50の実質的に溶剤を含有しない各樹脂液を得た。
Figure 2010155996
実施例1〜7および比較例1〜4
光を遮光した部屋で後記表3に示す組成の配合物を50℃に保持して撹拌機を用いて20分間撹拌して均一な塗料組成物を得た。
表3における(註)はそれぞれ下記のとおりの意味を有する。
(*1)オキセタン化合物:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
(*2)エピコート828EL:油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
(*3)デナレックスR−45EPI:ナガセ化成工業(株)製、エポキシ化ポリブタジエン樹脂、
(*4)サイラキュアUVI−6990:ユニオンカーバイト社製、アンチモネートアニオン(SbF6 - )を有する光カチオン重合開始剤、有効成分50%、
(*5)サイラキュアUVI−6974:ユニオンカーバイト社製、アンチモネートアニオン(SbF6 - )を有する光カチオン重合開始剤、有効成分50%、
(*6)Nacure5225:米国、キング・インダストリイズ社製、熱潜在性酸発生剤、有効成分25%、
(*7)ペインタッドM:ダウコーニング社製、シリコンワックス。
上記実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた各塗料組成物の貯蔵安定性の試験も行なった。この試験結果を後記表3に示す。
試験塗板の作成
貯蔵安定性の良好であった実施例1〜7及び比較例3〜4で得られた各塗料組成物を、厚さ0.20mmのティンフリースチール板(TFS)、及び厚さ0.20mmのティンフリースチール板に厚さ12μmのホモPET(ポリエチレンテレフタレート)シートを熱圧着したPET鋼板に、乾燥膜厚が5μmとなるように塗装した。得られた塗装板に高圧水銀灯(160W/cm)を用い、塗装板との距離15cmから、エネルギー線量が80mJ/cm2 となる条件にて紫外線照射を行なった後、210℃で1分間焼き付けを行ってなる塗装板を試験塗板とした。
得られた各試験塗板について下記の試験方法に基づいて試験を行なった。これらの試験結果を後記表3に示す。
試験方法
鉛筆硬度:20℃の室内において、試験塗板の塗膜にJISK−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を行った。評価はやぶれ法で行った。
湯中硬度:試験塗板を80℃の湯に5分間浸漬させた後、塗板を湯に浸漬した状態で、
JISK−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を行った。評価はやぶれ法で行った。
レトルト処理後の塗膜状態:試験塗板を脱イオン水に水没し、圧力釜で125℃で30分間熱水処理した後の塗膜に発生したブリスタ(フクレ)、塗膜の剥離の程度によって下記基準にて評価した。
◎:ブリスタの発生、塗膜の剥離のいずれも全く認められない
○:細かなブリスタがわずかに認められるが塗膜の剥離は認められない
△:かなりのブリスタの発生が認められるが塗膜の剥離は認められない
×:ブリスタの発生が著しく、塗膜の剥離が認められる。
貯蔵安定性:塗料組成物を100mlのガラス容器に密封した後、40℃の恒温室にて30日間貯蔵した。貯蔵前後の塗料状態を確認した。○は増粘がなく良好なことを示す。
Figure 2010155996

Claims (3)

  1. (A) グリシジル基を含有しないカチオン重合性バインダ成分100重量部に対して、(D) t−ブチルエステル基とグリシジル基とをそれぞれ少なくとも1個有する化合物1〜70重量部、及び(E) 紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤0.01〜20重量部を含有し、カルボキシル基含有樹脂を含まないことを特徴とする塗料組成物。
  2. 化合物(D)がグリシジル基含有重合性不飽和モノマー10〜90重量部とt−ブチルエステル基含有重合性不飽和モノマー10〜90重量部とその他の重合性不飽和モノマー0〜80重量部との共重合体である請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の塗料組成物を、金属板、樹脂フィルム積層金属板又はこれらの金属板を成型した金属缶に塗装し、紫外線を照射した後、加熱して硬化させることを特徴とする塗装金属缶の製造方法。
JP2010028830A 2010-02-12 2010-02-12 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法 Expired - Fee Related JP5116784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010028830A JP5116784B2 (ja) 2010-02-12 2010-02-12 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010028830A JP5116784B2 (ja) 2010-02-12 2010-02-12 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12679699A Division JP4484269B2 (ja) 1999-05-07 1999-05-07 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010155996A true JP2010155996A (ja) 2010-07-15
JP5116784B2 JP5116784B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=42574126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010028830A Expired - Fee Related JP5116784B2 (ja) 2010-02-12 2010-02-12 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5116784B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04175376A (ja) * 1990-11-08 1992-06-23 Nippon Oil & Fats Co Ltd 熱硬化性組成物
WO1996011239A1 (fr) * 1994-10-05 1996-04-18 Goo Chemical Co., Ltd. Encre resist de photosoudure, carte a circuit imprime et procede de fabrication
JPH08333528A (ja) * 1995-06-08 1996-12-17 Nippon Paint Co Ltd 複層塗膜形成カチオン電着塗料組成物
JPH0978010A (ja) * 1995-09-11 1997-03-25 Kansai Paint Co Ltd 熱硬化性粉体塗料組成物
JPH11133600A (ja) * 1997-10-30 1999-05-21 Jsr Corp 表示パネルスペーサー用感放射線性樹脂組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04175376A (ja) * 1990-11-08 1992-06-23 Nippon Oil & Fats Co Ltd 熱硬化性組成物
WO1996011239A1 (fr) * 1994-10-05 1996-04-18 Goo Chemical Co., Ltd. Encre resist de photosoudure, carte a circuit imprime et procede de fabrication
JPH08333528A (ja) * 1995-06-08 1996-12-17 Nippon Paint Co Ltd 複層塗膜形成カチオン電着塗料組成物
JPH0978010A (ja) * 1995-09-11 1997-03-25 Kansai Paint Co Ltd 熱硬化性粉体塗料組成物
JPH11133600A (ja) * 1997-10-30 1999-05-21 Jsr Corp 表示パネルスペーサー用感放射線性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5116784B2 (ja) 2013-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100418453B1 (ko) 캔용자외선-경화코팅조성물
US20030059618A1 (en) Method of producing epoxy compound, epoxy resin composition and its applications, ultraviolet rays-curable can-coating composition and method of producing coated metal can
JP2886853B1 (ja) カチオン重合性塗料組成物
JP3712960B2 (ja) 紫外線硬化型塗料組成物
JP3162634B2 (ja) 紫外線硬化型缶用塗料組成物
JP2001181385A (ja) カチオン重合性着色組成物
JP3586649B2 (ja) 原子移動ラジカル重合によって調製されるエポキシ官能性ポリマーを含む熱硬化性組成物
JP4759366B2 (ja) 顔料分散用樹脂
JPH11343396A (ja) エポキシ基含有コロイド粒子有機溶剤液、エポキシ基含有コロイド粒子、このコロイド粒子を含む活性エネルギー線硬化型組成物及びそれを使用した被膜形成方法
JP4786200B2 (ja) 紫外線硬化型缶用塗料組成物、塗装金属板、および塗装金属缶
JP4795570B2 (ja) 紫外線硬化型缶用塗料組成物及び塗装金属缶の製造方法
JP4484269B2 (ja) 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法
JP5116784B2 (ja) 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法
JP2000273399A (ja) 紫外線硬化型被膜形成組成物
JP2000086970A (ja) カチオン重合性を有する着色組成物
JP2003245606A (ja) 熱硬化塗膜形成方法
JPH09278866A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
JP2000038440A (ja) カチオン重合性着色組成物
JP4464481B2 (ja) 塗料組成物及びこの塗料組成物を用いた硬化塗膜形成方法
JP5113857B2 (ja) 塗料組成物およびこの塗料組成物を用いた硬化塗膜形成性方法
JP2000086756A (ja) カチオン重合性樹脂組成物の製造方法
JPH0885775A (ja) プレコート鋼板製造用組成物
JP2001089701A (ja) 塗料組成物および塗装金属缶の製造方法
JPH0940708A (ja) 樹脂組成物及びその硬化物
JP7198403B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インキ組成物および印刷物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121009

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees