JP2010153448A - 電子回路装置、電子回路装置の製造方法 - Google Patents

電子回路装置、電子回路装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カバープレートの取り付けを少ない部品点数で実現し、低コスト化も容易に実現できる電子回路装置、電子回路装置の製造方法の提供。
【解決手段】ケース20の基板収容凹所21に収容された回路基板41が該基板収容凹所21に充填された樹脂部51中に埋め込まれ、前記基板収容凹所21の開口部22を塞ぐカバープレート30が該カバープレート30に突設された固定用突部32が前記樹脂部51に埋め込まれて固定されている電子回路装置10、ケース20の基板収容凹所21にカバープレート30を挿入して該カバープレート30の前記固定用突部32を基板収容凹所21内の液状樹脂材料中に埋め込み液状樹脂材料の硬化によって固定する電子回路装置の製造方法を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車、自動二輪車等に使用される電子回路装置、電子回路装置の製造方法に関する。
自動車、自動二輪車等に使用されるパワートランジスタモジュールやスイッチング電源モジュールといった大電力電子部品モジュールとして用いられる電子回路装置(混成集積回路装置)としては、トランジスタ等の回路素子(電子部品)を実装した基板(以下、電子部品付き基板とも言う)を箱形のケース内にねじ止め等によって固定して収容した構造のものが知られている(例えば特許文献1、2)。
また、電子部品付き基板を収容したケース内に液状樹脂材料を流し込んで硬化させ、前記電子部品付き基板を埋め込む樹脂部を形成する技術も公知となっている(例えば特許文献3)。このように回路素子を埋め込む樹脂部を形成した電子回路装置(以下、樹脂埋め込み形回路装置とも言う)にあっては、基板及び回路素子を樹脂部によってケースに一体化できるため、基板をケースに固定するための機械的固定部(ねじ止め等)を簡略化あるいは省略することが可能となり、電子回路装置全体の構造の簡略化、小型化を容易に実現できる。
登録実用新案第3006939号公報 特開2003−63324号公報 特開2003−63324号公報
上述の樹脂埋め込み形回路装置は、電子部品付き基板を収容するための収容凹所が内部に確保されたケースを用い、前記収容凹所に収容した前記基板を、前記収容凹所に流し込んだ液状樹脂材料を硬化させてなる樹脂部によって埋め込んで組み立てられる。ところで、この樹脂埋め込み形回路装置は、通常、前記収容凹所の開口部が開放されたままの状態で車体等の固定対象物に取り付けられるが、前記収容凹所の開口部が開放されたままの状態であると、固定対象物への取り付け作業時や搬送時等に、衝突物によって樹脂部や基板を傷めることがある。これに鑑みて、樹脂部を衝突物の衝突から保護するために、ケースの収容凹所の開口部にカバープレートを取り付けて前記開口部を塞ぐことが検討される。
しかしながら、工数(手間)や組み立て時間、コストの増大を抑えて、カバープレートの取り付けを簡単に実現できる好適な技術がこれまでなく、その開発が求められていた。
例えば、図8に示すように、本発明者は、回路基板101aに回路素子101bを実装してなる電子部品付き基板101をケース102内に固定した後、ケース102にカバープレート103を接着剤で固定してケース102の開口部102aを塞ぎ、次いで、ケース102の側壁部102bに形成しておいた樹脂注入孔103cからケース102内に液状樹脂材料を注入して電子部品付き基板101を埋め込み、液状樹脂材料の硬化により樹脂部を形成することを検討した。しかしながら、この方法の場合、接着剤の塗布に手間が掛かる(液状樹脂材料が漏れないように塗布する必要がある)上、接着剤の硬化まで樹脂材料の注入を待機する必要があり、カバープレートの固定に手間と時間を要する。また、材料費が高く付きコストが上昇してしまうといった問題もある。
本発明は、前記課題に鑑みて、カバープレートの取り付けを少ない部品点数で実現し、低コスト化も容易に実現できる電子回路装置、電子回路装置の製造方法の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、回路基板を収容するための基板収容凹所が形成されたケースと、このケースの前記基板収容凹所に収容された回路基板と、前記基板収容凹所に充填され前記回路基板を埋め込む樹脂部と、前記基板収容凹所の開口部を塞ぐように取り付けられたカバープレートとを具備し、前記カバープレートに突設された固定用突部の少なくとも先端部が前記樹脂部に埋め込まれて固定されていることを特徴とする電子回路装置を提供する。
第2の発明は、前記固定用突部の外周に、前記樹脂部との係合用の凹部又は/及び突部が形成されていることを特徴とする第1の発明の電子回路装置を提供する。
第3の発明は、前記ケースの前記基板収容凹所は前記ケースに形成された4つの壁部からなる囲繞壁の内側に平面視矩形状に形成され、前記囲繞壁は、前記回路基板の電子回路に電気的に接続されるケーブルを導入するためのケーブル導入口が形成された導入壁部と、この導入壁部に直交する方向である縦方向に沿って延在する一対の側壁部と、前記基板収容凹所を介して前記導入壁部と対向する奥壁部とからなり、前記ケーブル導入口は前記導入壁部の突端から窪む凹所状に形成され、
前記カバープレートは、前記基板収容凹所の開口部内に配置されて前記開口部を塞ぐ矩形板状のプレート本体と、このプレート本体において前記ケースの一対の側壁部に沿うように延在された部分である一対の側縁部の延在方向両端にそれぞれ突設された前記固定用突部とを具備することを特徴とする第1又は2の発明の電子回路装置を提供する。
第4の発明は、前記プレート本体と前記樹脂部との間には、前記基板収容凹所の前記一対の側壁部の間隔方向である幅方向の両端部から中央部に向かって窪む溝状の排水路が前記基板収容凹所の縦方向の全長にわたって確保され、前記樹脂部は前記基板収容凹所の幅方向の両端部にて前記プレート本体と接触され、前記ケースの前記奥壁部と前記プレート本体との間には前記排水路に連通する排水路開口部が確保されていることを特徴とする第3の発明の電子回路装置を提供する。
第5の発明は、前記カバープレートのプレート本体の前記ケースの前記奥壁部に沿って延在する端部の延在方向両端に、前記排水路開口部を確保するための切り欠き部が形成されていることを特徴とする第4の発明の電子回路装置を提供する。
第6の発明は、前記ケースの前記一対の側壁部と前記プレート本体との間に排水用の溝部が確保されていることを特徴とする第4又は5の発明の電子回路装置を提供する。
第7の発明は、前記カバープレートの前記固定用突部が、前記囲繞壁の前記側壁部に前記基板収容凹所の深さ方向に延在するように形成されたカバー突部収容溝に収容されており、しかも、前記カバー突部収容溝の内周面と該内周面から離隔させて配置された前記固定用突部との間が前記樹脂部を形成する樹脂によって埋め込まれていることを特徴とする第3〜6のいずれかの発明の電子回路装置を提供する。
第8の発明は、前記回路基板の電子回路に対して電気的に接続された前記ケーブルが前記ケーブル導入口に嵌め込まれたグロメットに通され、前記ケーブル導入口から前記ケースの外側に延出されていることを特徴とする第3〜7のいずれかの発明の電子回路装置を提供する。
第9の発明は、回路基板を収容するためのケースに形成された基板収容凹所に回路基板を収容した後、前記基板収容凹所に液状樹脂材料を流し込んで該液状樹脂材料中に前記回路基板を埋め込むとともに、前記基板収容凹所の開口部を塞ぐようにカバープレートを設置し該カバープレートに突設されている固定用突部の少なくとも先端部を前記基板収容凹所内の前記液状樹脂材料に挿入する樹脂充填・カバーセット工程を行い、次いで、前記液状樹脂材料の硬化によって樹脂部を形成することで前記カバープレートの前記固定用突部を前記樹脂部に固定することを特徴する電子回路装置の製造方法を提供する。
第10の発明は、前記カバープレートとして、前記固定用突部の外周に、前記樹脂部との係合用の凹部又は/及び突部が形成されているものを用いることを特徴とする第9の発明の電子回路装置の製造方法を提供する。
第11の発明は、前記ケースとして、該ケースに形成された4つの壁部からなる囲繞壁の内側に平面視矩形状に形成された前記基板収容凹所を有し、前記囲繞壁は、前記回路基板の電子回路に電気的に接続されるケーブルを導入するためのケーブル導入口が形成された導入壁部と、この導入壁部に直交する方向である縦方向に沿って延在する一対の側壁部と、前記基板収容凹所を介して前記導入壁部と対向する奥壁部とからなり、前記ケーブル導入口は前記導入壁部の突端から窪む凹所状に形成されたものを採用し、
前記カバープレートとして、前記基板収容凹所の開口部と略同等のサイズの矩形板状に形成され前記基板収容凹所の開口部内に該開口部を塞ぐように配置されるプレート本体と、このプレート本体において前記ケースの一対の側壁部に沿うように延在される部分である一対の側縁部の延在方向両端にそれぞれ突設された前記固定用突部とを具備するものを採用し、
前記樹脂充填・カバーセット工程にて前記カバープレートの前記プレート本体を前記基板収容凹所の開口部内に該開口部を塞ぐように配置し、この状態を維持して前記液状樹脂材料の硬化によって樹脂部を形成することを特徴とする第9又は10の発明の電子回路装置の製造方法を提供する。
第12の発明は、前記基板収容凹所内の深さ方向における前記カバープレートのプレート本体の位置及び前記基板収容凹所に充填する前記液状樹脂材料の充填量を、前記カバープレートの固定用突部と前記ケースの側壁部との間に入り込んだ前記液状樹脂材料がその表面張力によって前記固定用突部を伝うようにして這い上がりかつ前記プレート本体の一対の側縁部と接触可能なように設定して前記樹脂充填・カバーセット工程を行うことで、前記基板収容凹所の幅方向両端部に前記液状樹脂材料が前記プレート本体の側縁部と接触してなる這い上がり部を形成するとともに前記基板収容凹所の幅方向両端部の前記這い上がり部の間に前記プレート本体から下方に離隔した位置に前記液状樹脂材料の液面を確保し、
前記カバープレート又は/及びケースとしては、前記ケースの前記奥壁部と前記プレート本体との間に前記液状樹脂材料がその表面張力によって埋め込むことを阻止して開口状態を維持できるサイズの開口部を確保するための切り欠き部を有するものを採用し、
前記樹脂充填・カバーセット工程の完了後、前記液状樹脂材料の硬化に伴うひけによって、前記プレート本体と前記樹脂部との間に、前記基板収容凹所の前記一対の側壁部の間隔方向である幅方向の両端部から中央部に向かって窪む溝状の排水路を前記基板収容凹所の縦方向の全長にわたって確保するとともに、前記ケースの前記奥壁部と前記プレート本体との間に、前記プレート本体及び/又は前記奥壁部に形成された前記切り欠き部によって前記排水路に連通する排水路開口部を確保することを特徴とする第11の発明の電子回路装置の製造方法を提供する。
第13の発明は、前記カバープレートとして、前記プレート本体の前記ケースの前記奥壁部に沿って延在する端部の延在方向両端に、前記排水路開口部を確保するための前記切り欠き部が形成されているものを用いることを特徴とする第12の発明の電子回路装置の製造方法を提供する。
第14の発明は、前記カバープレートとして、そのプレート本体と前記ケースの前記一対の側壁部との間に前記固定用突部を伝うようにして這い上がった前記液状樹脂材料がその表面張力によって流入する離隔距離を確保できるように前記プレート本体が寸法設定されているものを採用し、前記樹脂充填・カバーセット工程にて、前記ケースの前記一対の側壁部と前記プレート本体との間に前記固定用突部を伝うようにして這い上がる前記液状樹脂材料を流入させて埋め込み、前記液状樹脂材料の硬化時のひけによって前記ケースの前記一対の側壁部と前記プレート本体との間に排水用の溝部を確保することを特徴とする第12又は13の発明の電子回路装置の製造方法を提供する。
第15の発明は、前記ケースとして、前記囲繞壁の前記側壁部に前記カバープレートの前記固定用突部を収容するためのカバー突部収容溝が、前記基板収容凹所の深さ方向に延在するように形成されているものを採用し、前記カバー突部収容溝はその内周面に前記液状樹脂材料のその表面張力による這い上がりを実現するべく前記固定用突部から離隔された部位が確保できる断面寸法に形成され、
前記樹脂充填・カバーセット工程にて前記カバープレートの前記固定用突部をカバー突部収容溝に収容し、しかも、前記カバー突部収容溝の内周面と該内周面から離隔させて配置された前記固定用突部との間にて前記液状樹脂材料の這い上がりを生じさせることで、前記液状樹脂材料に前記這い上がり部を形成することを特徴とする第12〜14のいずれかの発明の電子回路装置の製造方法を提供する。
第16の発明は、前記回路基板の電子回路に対して電気的に接続された前記ケーブルが前記ケーブル導入口に嵌め込んだグロメットに通され、前記ケーブルが前記ケーブル導入口から前記ケースの外側に延出された状態にて前記樹脂充填・カバーセット工程を行うことを特徴とする第11〜15のいずれかの発明の電子回路装置を提供する。
本発明に係る電子回路装置によれば、カバープレートに突設された固定用突部がケース内の樹脂部に埋め込み固定されている構成により、ねじ等の固定用の部品を使用することなくカバープレートの固定が実現される。固定用部品を使用する必要が無いので、部品点数が少なくて済み、低コスト化も容易に実現できる。
本発明に係る電子回路装置の製造方法によれば、部品点数やコストの増大を抑えて、カバープレートの取り付けを簡単に実現できる。電子回路装置全体の組み立て時間の短縮も容易に実現できる。
以下、本発明を実施した電子回路装置、電子回路装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る1実施形態の電子回路装置10を示す平面図、図2は図1の電子回路装置10のケース20の構造を示す平面図(ケース20の部品図。カバープレート30を取り付けていない状態)、図3は前記電子回路装置10の構造を示す断面図であり図1のA−A線断面矢視図、図4は図1の電子回路装置10の幅方向(図1に示す平面視においてA−A線に垂直の方向)の断面構造を示す図であって、(a)はケース20のカバー突部収容凹所28を避けた位置における断面構造(図1のB−B線断面矢視図)、(b)はケース20のカバー突部収容凹所28が存在する箇所における断面構造(図1のC−C線断面矢視図)を示す。
また、図5はカバープレート30をセットした前記ケース20の基板収容凹所21に液状樹脂材料Rを充填した状態を示す図であって、(a)はケース20のカバー突部収容凹所28を避けた位置における断面構造、(b)はケース20のカバー突部収容凹所28が存在する箇所における断面構造を示す。
なお、図5(a)、(b)は、図4(a)、(b)の樹脂部51を形成する液用樹脂材料Rの硬化前の状態(基板収容凹所21への充填完了直後の状態)を示すものであり、当該状態を図4(a)、(b)と同じ断面で示したものである。
また、ここでは、図3、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)において上側を上、下側を下として説明する。
前記電子回路装置10は、自動車、自動二輪車等に使用されるパワートランジスタモジュールやスイッチング電源モジュールといった大電力電子部品モジュール(混成集積回路装置)として用いられるものであり、図1、図3に示すように、回路基板を収容するための基板収容凹所21が形成されたケース20と、このケース20の前記基板収容凹所21に収容された回路基板41と、前記基板収容凹所21に充填され前記回路基板41を埋め込む樹脂部51と、前記基板収容凹所21の開口部22を塞ぐように取り付けられたカバープレート30とを具備する概略構成となっている。
前記カバープレート30は、その複数箇所に突設された固定用突部32が前記樹脂部51に埋め込まれて固定されており、これにより前記ケース20及び樹脂部51からの脱落が防止され前記基板収容凹所21の開口部22を塞いだ状態を維持するようになっている。
前記ケース20の前記基板収容凹所21は、前記ケース20に設けられている凹所底板部23上に突設された4つの壁部241〜244からなる四角枠状の囲繞壁24の内側に平面視矩形状に形成されている。
前記囲繞壁24は、前記回路基板41の電子回路に電気的に接続されるケーブル61(電気ケーブル)を導入するためのケーブル導入口245が形成された導入壁部241と、この導入壁部241に直交する方向である縦方向(図1において左右方向)に沿って延在する一対の側壁部242、243と、前記基板収容凹所21を介して前記導入壁部241と対向する奥壁部244とからなる。
前記ケース20は、前記凹所底板部23と前記囲繞壁24とからなる基板収容部25を有する。また、このケース20は、前記両側壁部242、243から基板収容部25の両側に張り出すように突設された張出壁部26を有している。基板収容部25の前記凹所底板部23及び前記張出壁部26には放熱用のフィン27が複数突設されており、回路基板41に実装されている電子部品44(図3参照)の通電による発熱を効率良く放熱できるようになっている。
図3に示すように、前記ケーブル導入口245は前記導入壁部241の突端から窪む凹所状(切り欠き状)に形成されている。
このケーブル導入口245には、防水用のグロメット62が嵌め込まれている。前記ケーブル61は、前記グロメット62を貫通するケーブル挿通孔621に通されており、その先端が前記基板収容凹所21に導入されている。
前記基板収容凹所21には、前記回路基板41の他に、バスバー42、バスバー42と回路基板41の電子回路との間を電気的に接続する接続線43も収容され、前記樹脂部51中に埋め込まれている。
また、ケーブル61の基板収容凹所21に引き込まれた部分も前記樹脂部51中に埋め込まれている。
前記バスバー42は全体が金属導体によって形成されている。このバスバー42は、基板部421上に、前記ケーブル61の先端の被覆材61bを除去して露出させた芯線61a(導体)が電気的に接続される金属製板状の接続用突片422が複数突設された構成になっている。また、図3において前記接続線43は一端がバスバー42の基板部421に半田付けされ、他端が回路基板41の電子回路に半田付けされている。
前記バスバー42は、前記基板部421をケース20の凹所底板部23上に載置して基板収容凹所21内に収容される。
回路基板41には、前記バスバー42の接続用突片422を通すための突片挿通孔41aが複数箇所に形成されている。回路基板41は、前記突片挿通孔41aによって、前記バスバー42の前記基板部421上に突設されている接続用突片422に通して基板部421上に設けられている。また回路基板41は、前記基板部421上に突設されている支持突起(図示略)によって、前記基板部421から上方に離隔した位置に支持されている。
前記バスバー42の各接続用突片422は回路基板41よりも上方に突出されており、前記ケーブル61(より詳細には芯線61a)は前記接続用突片422の先端(上端)に電気的に接続されている。これによりケーブル61は、バスバー42を介して回路基板41の電子回路と電気的に接続されている。
バスバー42の接続用突片422に対するケーブル61(より詳細には芯線61a)の電気的接続は例えば前記接続用突片422の先端(上端)に形成された切り欠き部への嵌め込み、半田付け等、周知の接続構造を採用できる。
前記樹脂部51としては、例えば、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂を採用できる。また、この樹脂部51としては防水性を有するものが採用される。なお、樹脂部51としては熱硬化性樹脂以外に例えば湿気硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等も採用できる。
回路基板41には、例えば電解コンデンサ、トランジスタといった電子部品44が実装されている。この電子部品44も回路基板41とともに樹脂部51中に埋め込まれている。樹脂部51は、回路基板41及び電子部品44を封止して防水性を確保する封止樹脂として機能する。
なお、図3では、回路基板41の上面(具体的には凹所底板部23とは反対側の面)側のみに電子部品44が実装されてなる電子部品付き回路基板41Aを基板収容凹所21に収容し樹脂部51中に埋め込んだ構成を例示したが、電子部品付き回路基板41Aとしては、回路基板41の両面に電子部品44が実装された構成のものを採用することも可能である。電子部品44は、回路基板41の前記上面とは反対の下面側のみに実装されていても良い。また、本発明にあっては、電子部品44を実装していない回路基板(電子回路は具備する)を基板収容凹所21内にて樹脂部51中に埋め込んだ構成も採用可能である。
図4(b)、(b)、図5(b)、(b)では、電子部品44、バスバー42の詳細の図示を省略している。
本発明に係る電子回路装置において、基板収容凹所21内における回路基板41の収容形態は、バスバー42を使用して凹所底板部23から基板収容凹所21の開口部22側に離隔した位置に収容する収容形態に限定されず、例えば、基板収容部25から基板収容凹所21内に突設された突起によって支持して凹所底板部23から基板収容凹所21の開口部22側に離隔した位置に収容したり、凹所底板部23に接触させて収容することも含む。
次に、カバープレート30について説明する。
図1、図3、図4(a)、(b)に示すように、前記カバープレート30は、前記基板収容凹所21の開口部22内に配置されて前記開口部22を塞ぐ矩形板状のプレート本体31と、このプレート本体31において前記ケース20の一対の側壁部242、243に沿うように延在された部分である一対の側縁部311、312の延在方向両端にそれぞれ突設された前記固定用突部32とを具備する。
前記プレート本体31は、前記ケース20の開口部22に比べて小さいサイズに形成されており、前記開口部22の内側に配置される。
このカバープレート30は、例えばアルミニウム板等の金属板を加工してなる1部品になっている。
このカバープレート30は、基板収容凹所21内の回路基板41等の収容物を衝突物から保護する機能を果たす。
前記固定用突部32は、プレート本体31から張り出された舌片部を折曲してプレート本体31の片面側に突出する突片としたものである。各固定用突部32はプレート本体31に対して垂直に突出されている。また、図1、図4(b)、図5(b)に示すように、各固定用突部32のプレート本体31側の端部である基端部321(図4(b)、図5(b)において、固定用突部32のプレート本体31側端部の湾曲部分)は、プレート本体31の側縁部311、312からプレート本体31の面方向に張り出すように突出されている。固定用突部32の前記基端部321から先端側の部分は、前記基端部321から前記プレート本体31に対して垂直に突出する舌片状の板片になっている。
図4(b)に示すように、前記固定用突部32は基端部321を除く部分の全体が樹脂部51中に固着されている。
図示例のカバープレート30の固定用突部32の基端部321から先端側の部分には、プレート本体31から延出する舌片状の固定用突部32の側面(外周面)から窪む切り欠き状の凹部322と固定用突部32をその厚み方向に貫通する貫通孔323とが形成されている。凹部322及び貫通孔323は、樹脂部51と係合する凹部として機能する。すなわち、樹脂部51は固定用突部32の凹部322及び貫通孔323に入り込んだ部分を有しており、固定用突部32は樹脂部51の前記凹部322及び貫通孔323に入り込んだ部分との係合によって樹脂部51に対する充分な引き抜き抵抗が確保されて樹脂部51からの引き抜きが規制されている。これにより前記ケース20及び樹脂部51からの脱落が防止され前記基板収容凹所21の開口部22を塞いだ状態を維持するようになっている。
なお、前記樹脂部51は、電子回路装置10を組み立てる際に基板収容凹所21に注入した液状樹脂材料R(図5(a)、(b)参照)の硬化によって形成されるものであり、樹脂部51の前記固定用突部32の凹部322及び貫通孔323に入り込んだ部分は、基板収容凹所21内に充填された液状樹脂材料R(硬化前の液状樹脂材料)中に固定用突部32を挿入した状態にて液状樹脂材料Rを硬化させるだけで簡単に形成できる。
カバープレート30は、ケース20に一体化されている樹脂部51に固定用突部32が固定されていることで、樹脂部51を介してケース20に固定されている。
固定用突部321には、樹脂部51との係合用の凹部にかえて、該固定突部321の側面から突出する突部を形成しても良い。また、固定用突部としては、樹脂部51との係合用の凹部及び突部の両方を具備する構成のものを採用することも可能である。
図1、図4(b)、図5(b)に示すように、前記固定用突部321は、前記ケース20の前記側壁部242、243の基板収容凹所21に臨む内面の延在方向(縦方向)両端部に基板収容凹所21から窪み基板収容凹所21の深さ方向(図1の紙面奥行き方向、図4(b)、図5(b)の上下方向)に延在する溝状に形成されたカバー突部収容溝28に収容されている。このカバー突部収容溝28は、前記凹所基板部23から突出する側壁部242、243の突端に開口する端部から凹所底部側に向けて延在形成されている。
カバープレート30は、各固定用突部321の先端を、前記カバー突部収容溝28の凹所底部側の端部(凹所底板部23の側の端部)を塞ぐように形成された突部載置台部28aに突き当てることで、ケース20に対してプレート本体31が基板収容凹所21の開口部22を塞ぐ所望位置となるように配置して設けられている。
図1、図4(b)、図5(b)に示すように、前記カバープレート30のプレート本体31と前記樹脂部51との間には、前記基板収容凹所21の前記一対の側壁部242、243の間隔方向である幅方向(図1上下方向、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)左右方向)の両端部から中央部に向かって窪む溝状の排水路11が前記基板収容凹所21の縦方向の全長にわたって確保されている。
前記樹脂部51は前記基板収容凹所21の幅方向の両端部にてカバープレート30のプレート本体31(側縁部242、243)と接触されており(プレート本体31と接触された部分を以下、這い上がり接触部51aとも言う)、前記排水路11は前記基板収容凹所21の幅方向の両端部の前記這い上がり接触部51aから中央部に向かって窪む溝状に形成されている。また、樹脂部51は、基板収容凹所21の内部の前記排水路11及び後述の排水路開口部12、13を除く領域全体に埋め込まれている。
電子回路装置10全体、カバープレート30についても、前記基板収容凹所21の縦方向に平行な方向を縦方向、前記基板収容凹所21の幅方向に平行な方向を幅方向として説明する。カバープレート30の両側縁部312、313は縦方向に延在している。
カバープレート30のプレート本体31の前記ケース20(より詳細には基板収容部25)の縦方向両側の端部、すなわち前記プレート本体31の前記導入壁部241に沿って延在する端部(以下、導入側端部313とも言う)及び前記奥壁部244に沿って延在する端部(以下、奥側端部314とも言う)の延在方向両端には切り欠き部315、316が形成されており、この切り欠き部315、316によってケース20の前記導入壁部241及び奥壁部244と前記プレート本体31との間に前記排水路11に連通する排水路開口部12、13が確保されている。
なお、図示例の電子回路装置10の樹脂部51は、プレート本体31の導入側端部313のうちその両端の切り欠き部315の間に位置する部分(導入側縁部)と接する這い上がり接触部や、プレート本体31の奥側端部314のうちその両端の切り欠き部315の間に位置する部分(奥側縁部)に接する這い上がり接触部を有していない。
図1、図2、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)に示すように、この電子回路装置10は、ケース20の張出壁部26が、自動車、自動二輪車のボディ等の取付対象物に対して押し当てられる当接面262を形成している。そして、前記当接面を取付対象物に当接させた状態で、例えば張出壁部26に形成されているボルト挿通孔261(図1、図2参照)に通したボルトによって取付対象物に固定される。
カバープレート30のプレート本体31は、前記当接面262と面一(図4(a)、(b)、図5(a)、(b)参照)、あるいは、当接面262から凹所底部側に僅かにずれた位置に配置され、当接面262の延長上からケース20の外側にはみ出さないように設けられる。
この電子回路装置10は、例えば、ケース20の導入壁部241が奥壁部244よりも上方となるようにケース20の縦方向が傾斜あるいは垂直となる向きで取付対象物に取り付けることが好ましい。これにより、電子回路装置10のケーブル導入側(ケース20の基板収容凹所21を介して導入壁部241側)から基板収容凹所21内に浸入した水を前記排水路11によって排水でき、基板収容凹所21内での水の滞留を防いで、浸水による影響を最小限に抑えることができる。
基板収容凹所21内に入り込んだ水は、回路基板41や電子部品44を封止して防水性を確保する樹脂部51の劣化の原因になるため、速やかに排水することが好ましい。排水路11を具備する構成は、基板収容凹所21内に入り込んだ水の速やかな排水を実現できるものであり、浸水が樹脂部51に与える影響を抑えることができる点で好ましい構成である。
また、図1、図4(a)、(b)に示すように、この電子回路装置10の前記ケース20の前記一対の側壁部242、243と前記プレート本体31(詳細には側縁部311、312)との間には排水用の溝部14(以下、排水溝とも言う)が確保されている。前記溝部14の底面14aは樹脂部50によって形成されている。
カバープレート30のプレート本体31は、一対の側壁部242、243と該プレート本体31との間に前記溝部14を確保できるように、互いに平行な一対の側縁部242、243に対して直交する方向の寸法(幅方向寸法)が、基板収容凹所21の幅方向寸法よりも若干小さく形成されている。
前記排水溝14は、既述のように、電子回路装置10を、ケース20の導入壁部241が奥壁部244よりも上方となるようにケース20の縦方向が傾斜あるいは垂直となる向きで取付対象物に取り付けたときに、該排水溝14に入り込んだ水を速やかに流下させることができ、水の接触による樹脂部51の劣化を抑えることができる。
各排水溝14の幅寸法(図5(a)において左右方向の寸法。但し、ここでは排水溝14の内、カバー突部収容溝28以外の部位、一対の側壁部242、243とプレート本体31との間における排水溝14の幅寸法を指す)は0.5〜1.0mm程度であることが好ましい。
また、この電子回路装置10にあっては、樹脂部51の接触部51aがプレート本体31に密着しており、接触部51aとプレート本体31との間に隙間が無く、接触部51aが排水溝14と排水路11との間の水の流通を阻止する隔壁として機能する。仮に、プレート本体31の側縁部311、312と樹脂部51との間に微小な隙間が存在する場合は、水がその表面張力によって前記隙間に滞留しやすくなるが、上述のように、樹脂部51の接触部51aがプレート本体31に密着している構成であれば、前記隙間への水の滞留の心配が無く、水の接触による樹脂部51の劣化を抑える点で有利である。
この電子回路装置10によれば、カバープレート30がその固定用突部32の樹脂部51中での埋め込み固定によってケース20に対して固定されている構成であるため、ねじ止め等に比べて少ない部品点数でケース20に対するカバープレート30の固定を実現できる。部品点数が少なくて済み、高価な接着剤を使用する必要も無いため、低コスト化の点でも有利である。
次に、前記電子回路装置10の製造方法の一例を説明する。
まず、前記ケース20の基板収容凹所21内に回路基板41にバスバー42を組み付けた構成の回路ユニット40を設けるとともに、ケーブル61が内挿されたグロメット62をケース20の導入壁部241のケーブル導入口245に嵌め込む。これにより、ケース20に対して、回路ユニット40、グロメット62、ケーブル61を図3に示す位置に配置する。
回路ユニット40は、回路基板41にバスバー42を組み付け、接続線43によって回路基板41の電子回路とバスバー42とを電気的に接続したものである。
バスバー42は、接続用突片422を回路基板41に形成されている突片挿入孔41aに挿入して回路基板41に組み付けられる。バスバー42の接続用突片422は、回路基板41の突片挿入孔41aを貫通してその先端側が回路基板41から該回路基板41を介してバスバー42の基板部421とは反対側に突出される。また、図3に示すように、回路基板41は、ケース20の凹所底板部23上に設置された前記基板部421上に突設されている支持突起(図示略)上に載置されることで、この支持突起によって前記基板部421から上方に離隔した位置に支持される。
ケーブル61は、基板収容凹所21内に液状樹脂材料Rを流し込む(後述)までに、グロメット62から突出させた先端の被覆材61bを除去して露出させた芯線61aを、バスバー42の接続用突片422の前記回路基板41から突出させた先端部に半田付けなどによって電気的に接続する。
次に、図5(a)、(b)に示すように、前記基板収容凹所21に液状樹脂材料Rを流し込んで該液状樹脂材料R中に前記回路ユニット40及び前記ケーブル61の基板収容凹所21内に配置された部分を埋め込むとともに、前記基板収容凹所21にカバープレート30を挿入する樹脂充填・カバーセット工程を行う。
樹脂充填・カバーセット工程は、基板収容凹所21に液状樹脂材料Rを流し込む樹脂材料注入工程と、基板収容凹所21にカバープレート30を挿入するカバープレート挿入工程とからなる。この樹脂充填・カバーセット工程は、樹脂材料注入工程を行った後に、液状樹脂材料Rが硬化する前にカバープレート挿入工程を行う。
樹脂材料注入工程は、ケース20を凹所底板部23上に開口部22が位置する姿勢にして行う。
カバープレート30は、複数(本実施形態においては4つ)の固定用突部32を、ケース20の囲繞壁24に形成されているカバー突部収容溝28に挿入し、該カバー突部収容溝28の凹所底部側の端部(凹所底板部23の側の端部)を塞ぐように形成されている突部載置台部28aに突き当てることで、プレート本体31が開口部22を塞ぐように開口部22の内側に配置されて、上下方向の位置決めがなされる。
また、カバープレート30は、ケース20の一対の側壁部242、243と該プレート本体31(詳細には側縁部311、312)との間に前記溝部14を確保できるように、プレート本体31の幅方向寸法が基板収容凹所21の幅方向寸法に比べて若干小さく設定されているものを採用し、プレート本体31を一対の側壁部242、243から離隔させ隙間15を確保して配置する(図1、図5(a)参照)。また、図1では、カバープレート30は、固定用突部32を、カバー突部収容溝28の内周面(カバー突部収容溝28の内面のうち、突部載置台部28aのカバー突部収容溝28に臨む面を除く面)全体から離隔させて配置し、カバー突部収容溝28の内周面との接触部分が無い場合を例示している。
カバー突部収容溝28の内周面と固定用突部32との間に確保する離隔距離は、液状樹脂材料Rがその表面張力によって固定用突部32(固定用突部32において、液状樹脂材料Rの這い上がり前に液状樹脂材料Rの液面よりも上方に位置する部位)を伝うようにして這い上がりを生じる大きさに設定する。また、これにより這い上がった液状樹脂材料Rが基板収容凹所21の幅方向両端にプレート本体31と接する這い上がり部R2を形成できるようにする。
また、本実施形態では、ケース20の側壁部242、243とプレート本体31との間に確保する離隔距離を、固定用突部32を伝うようにして這い上がった液状樹脂材料Rがその表面張力によって側壁部242、243とプレート本体31との間の隙間15(図5(a)参照)への入り込みを生じて前記隙間15を埋め込むことを実現する大きさとする。カバープレート30としては、ケース20の一対の側壁部242、243とプレート本体31(詳細には側縁部311、312)との間に、液状樹脂材料Rがその表面張力によって流入可能な大きさの離隔距離を確保できるように、プレート本体31の幅方向寸法が設定(基板収容凹所21の幅方向寸法に比べて若干小さく設定)されているものを採用する。液状樹脂材料Rの這い上がりについては後にも述べる。
なお、図示例のカバープレート30のプレート本体31の縦方向寸法(導入側縁部と奥側縁部との間の距離)は、基板収容凹所21の縦方向寸法と同等に揃えられているが、例えば基板収容凹所21の縦方向両端とプレート本体31との間に僅かな離隔距離を確保できる寸法とすることも可能である。基板収容凹所21の縦方向両端とプレート本体31との間に僅かな離隔距離を確保した構成の場合、基板収容凹所21に挿入したカバープレート30を微動させることによるカバープレート30の位置の微調整を容易に行える。これにより、ケース20の一対の側壁部242、243とプレート本体31(詳細には側縁部311、312)との間に液状樹脂材料Rの這い上がりによる流入を生じさせることができる距離を確保するべく、カバープレート30の位置を容易に微調整することができる。
図1では、固定用突部32をカバー突部収容溝28の内周面との接触部分が存在しないように、カバー突部収容溝28の内周面全体から離隔させた構成を例示したが、本発明にあってはこれに限定されず、液状樹脂材料Rの前記這い上がりを実現できるようにカバー突部収容溝28内の固定用突部32にカバー突部収容溝28の内周面(内周面の少なくとも一部)から離隔して配置された部位が存在すればよく、この点、固定用突部32にカバー突部収容溝28の内周面との接触部分が存在しても良い。
なお、液状樹脂材料Rの前記這い上がりを実現するには、液状樹脂材料Rの粘性にもよるが、カバー突部収容溝28の内周面と固定用突部32との間の離隔距離を概ね1.0〜1.5mm程度とすることが好ましい。
ここで、基板収容凹所21に流し込む液状樹脂材料Rには、カバープレート30の固定用突部32のうち、少なくとも基端部321から先端側の部分全体を埋め込むことができる深さ(凹所底板部23から液面R1までの距離。図5(a)、(b)において上下方向の寸法。但し、液面R1は、液状樹脂材料Rが基板収容凹所21の幅方向両側に形成する這い上がり部R2(後述)の間に位置する液面を指す。)を確保する。
このとき、液状樹脂材料Rの深さは、グロメット61のケーブル挿通孔621(図3参照)の基板収容凹所21側の開口部を埋め込み、かつ、液状樹脂材料Rの硬化によって樹脂部51が形成(後述のように液状樹脂材料Rの硬化に伴うひけによって排水路11も形成)されたときにグロメット61のケーブル挿通孔621の基板収容凹所21側の開口部が樹脂部51によって封止された状態(図3参照)を確保できる深さとする。但し、本発明においては、液状樹脂材料Rの深さは、必ずしも、グロメット61のケーブル挿通孔621の基板収容凹所21側の開口部が樹脂部51によって封止できる深さとすることに限定されず、グロメット61のケーブル挿通孔621の基板収容凹所21側の開口部が樹脂部51によって封止できる深さよりも浅くした構成も含む。
また、液状樹脂材料Rは、その表面張力によって基板収容凹所21の幅方向両端に位置する部分がカバープレート30の固定用突部32を伝うようにして這い上がりプレート本体31の側縁部242、243に接触する這い上がり部R2を形成し、かつ、両這い上がり部R2の間に位置する液面R1がプレート本体31から離隔するように、基板収容凹所21への注入量を調整する。
このとき、液状樹脂材料Rの液面R1の基板収容凹所21における幅方向両端の這い上がり部R2の間にて水平面を形成する部分とプレート本体31との間の距離は液状樹脂材料Rの粘度に依るが概ね0.5mm(0.3〜0.7mm)程度であることが好ましい。
なお、カバープレート30はプレート本体31が前記液状樹脂材料Rの液面R1の水平部分と平行となる向きでケース20に取り付けられる。
液状樹脂材料Rの這い上がりは、カバー突部収容溝28の内周面と固定用突部32(固定用突部32において、液状樹脂材料Rの這い上がり前に液状樹脂材料Rの液面よりも上方に位置する部位)との間に確保したクリアランス16に液状樹脂材料Rが這い上がっていくことで実現される。液状樹脂材料Rは、その表面張力によって固定用突部32を伝うようにして這い上がってプレート本体31の側縁部242、243に接触するとともに、ケース20の一対の側壁部242、243と該プレート本体31との間に確保された隙間15(図5(a)参照)にも入り込む。
隙間15及びクリアランス16としては、液状樹脂材料Rの這い上がりを実現できる寸法を確保する。
一方、ケース20の導入壁部241、奥壁部244の付近では、液状樹脂材料Rの這い上がりは生じない。
また、プレート本体31の導入側端部313の延在方向両端とケース20の導入壁部241との間及びプレート本体31の奥側端部314の延在方向両端とケース20の奥壁部244には、プレート本体31に形成された切り欠き部315、316によって、固定用突部32を伝うようにして這い上がった液状樹脂材料Rがその表面張力によって進入することを防ぐことができる距離が確保されるようにする。これにより、プレート本体31の導入側端部313の延在方向両端とケース20の導入壁部241との間及びプレート本体31の奥側端部314の延在方向両端とケース20の奥壁部244との間が液状樹脂材料Rによって埋め込まれることはなく、前記排水路11に連通する排水路開口部12、13が確実に確保される。切り欠き部315、316は排水路開口部12、13を確保する機能を果たす。
樹脂充填・カバーセット工程の完了後、液状樹脂材料Rの硬化によって樹脂部51を形成することで電子回路装置10が完成する。樹脂部51が形成されることで、カバープレート30の固定用突部32が樹脂部51に固定され、これにより、カバープレート30がケース20に対して固定された状態となる。
この電子回路装置の製造方法によれば、ねじ止め等を行うことなく、カバープレート30をケース20に固定できる。カバープレート30をケース20に固定するための特別な手段が不要であり、部品点数も少なくて済む(カバープレートを具備していない電子回路装置に比べてカバープレートが増加するだけで済む)ので、低コスト化できる。また、樹脂充填・カバーセット工程を行った後、液状樹脂材料Rの硬化によって樹脂部51を形成するだけで、カバープレート30をケース20に固定できるため、ケース20に対するカバープレート30の固定を簡単に実現できる。
また、図4(a)、(b)に示すように、電子回路装置10の排水路11及び排水溝14は、液状樹脂材料Rの硬化に伴うひけ(収縮)によって形成する。
樹脂充填・カバーセット工程にてケース20の一対の側壁部242、243と該プレート本体31との間に確保された隙間15(図5(a)参照)に入り込んだ液状樹脂材料R(這い上がり部R2の一部)は、液状樹脂材料Rの硬化に伴い基板収容凹所21内に充填されている液状樹脂材料Rの中央部に向かって引き寄せられることで液面が下降する。これにより、液状樹脂材料Rの硬化完了時に、図4(a)、(b)に示すように、一対の側壁部242、243とプレート本体31との間に排水溝14が確保される。
樹脂部51の這い上がり接触部51aは、液状樹脂材料Rの這い上がり部R2の硬化によって形成される。
前記排水路11は、基板収容凹所21の幅方向両側の這い上がり接触部51aから幅方向中央部に向かって窪む凹溝状に形成される。この排水路11の最深部の深さ、つまり、樹脂部51の両側の這い上がり接触部51aの間に位置する部位(排水路11を形成している箇所)のうちプレート本体31との間の距離が最も大きい箇所の深さは、例えば0.5〜1.0mmであることが好ましい。
前記這い上がり接触部51a、排水路11、排水路11に連通する排水路開口部12、13が形成された電子回路装置10は、排水路11の長手方向両端の一方が他方に比べて上方となる姿勢で取付対象物に取り付けることにより、基板収容凹所21内の浸水を排水路11によって円滑に基板収容凹所21から排出することができる。この電子回路装置10は、縦方向両端に排水路開口部12、13を有しており、上述のように排水路11の長手方向(縦方向)両端の一方が他方に比べて上方となる姿勢で取付対象物に取り付けた場合、排水路11の長手方向両端のうちの上方にある側に連通する排水路開口部から排水路11に流入した水を排水路11によって円滑に流下させて該排水路11の長手方向両端のうちの上方にある側に連通する排水路開口部から排水することができる。
なお、この電子回路装置の製造方法にあっては、液状樹脂材料Rの粘性や基板収容凹所21への注入量を、基板収容凹所21に充填された液状樹脂材料Rの硬化に伴うひけによって這い上がり部R2が消滅しないように調整し、液状樹脂材料Rの硬化完了によって這い上がり接触部51aが確実に形成されるようにする。
基板収容凹所21に液状樹脂材料Rを流し込む樹脂材料注入工程と、基板収容凹所21にカバープレート30を挿入するカバープレート挿入工程とからなる樹脂充填・カバーセット工程を行って製造する電子回路装置10について、前記這い上がり接触部51a、排水路11、排水路11に連通する排水路開口部12、13を具備する構成とすることは、樹脂部51の水との接触による劣化防止、電子回路装置10全体の耐久性向上の点で有利である。
例えば、本発明に係る樹脂充填・カバーセット工程は、液状樹脂材料Rの液面がカバープレートのプレート本体に接する位置となるように基板収容凹所21に充填する液状樹脂材料Rの注入量を調整し、液状樹脂材料Rの充填が完了した基板収容凹所21にカバープレートを挿入する構成(既述の樹脂充填・カバーセット工程において液状樹脂材料Rの注入量を変更した構成)を含むが、この場合、基板収容凹所21に挿入したカバープレートのプレート本体を液状樹脂材料Rに密着させても、液状樹脂材料Rの硬化時のひけによって、液状樹脂材料Rが硬化してなる樹脂部とプレート本体との間に微小な空隙が形成される可能性がある。前記空隙は不定形であり、必ずしも、前記排水路11のように基板収容凹所の縦方向両端に排水路開口部を具備する構成(つまり、基板収容凹所の縦方向両端に開口部を有する貫通孔)とはならず、非貫通孔として形成されることもあり、前記微小な空隙が形成されると、この空隙に入り込んだ水の滞留によって樹脂部が劣化する可能性がある。また、液状樹脂材料Rの充填が完了した基板収容凹所21にカバープレートを挿入した際に、液状樹脂材料Rとプレート本体との間に気泡が残留すると、この残留気泡が液状樹脂材料Rの硬化時のひけによって前記空隙が形成されやすくなる。
ケース20の基板収容部25の開口部22内周面とカバープレートのプレート本体の外周面との間から前記空隙への浸水を防ぐためには、例えば、基板収容凹所21にカバープレートを挿入した後に、別途液状樹脂材料を用いて基板収容部25の開口部22内周面とプレート本体との境界を埋め込むといった対策も考えられるが、工程数の増大、コストアップを招くため好ましくない。
なお、ケース20の前記ケーブル導入口245は、グロメット62の嵌め込みによって防水性が確保される。
また、樹脂部51は、防水性を有する合成樹脂によって形成されており、基板収容凹所21への液状樹脂材料Rの注入によって基板収容凹所21内面に対して隙間無く被着状態に形成される。
本発明に係る電子回路装置の基板収容凹所21の浸水対策は、ケース20の基板収容部25の開口部22内周面とカバープレートのプレート本体の外周面との間から浸入した水が、プレート本体と樹脂部との間に滞留することを防ぎ、浸水が生じたとしても速やかに排出できるようにすることを目的とする。
前記這い上がり接触部51a、排水路11、排水路11に連通する排水路開口部12、13を具備する構成の電子回路装置10は、基板収容部25の幅方向両側の側壁242、243とカバープレート30のプレート本体31との間からの浸水を這い上がり接触部51aによって阻止し、基板収容凹所21内への水の浸入を縦方向の端部の排水路開口部12、13から排水路11への流入に限定し、しかも、排水路11によって浸水を円滑に排出できるようにした構造であり、浸水が樹脂部51に与える影響を最小限に抑えることができ、耐久性の向上に有効に寄与するものである。
自動車、自動二輪車等に使用されるパワートランジスタモジュールやスイッチング電源モジュールといった大電力電子部品モジュールとして用いられる電子回路装置(混成集積回路装置)にあっては、近年、万一、過電流によって回路基板や該回路基板に実装されている電子部品が焼損したときに車体に与える影響を最小限に留めるための予防的対策の要求がある。
この点、カバープレート30として、アルミニウム板等の金属板材によって形成されたものを採用し、図3に示すように、カバープレート30のプレート本体31によって、基板収容部25(基板収容凹所21)内の回路基板41、該回路基板41に実装された電子部品44、電子部品44が実装された回路基板41を埋め込んで封止した樹脂部51を覆う構成とすることは、過電流によって回路基板41や電子部品44が焼損したときに車体に与える影響を最小限に留めるための対策としても有効に寄与するものである。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、適宜設計変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、排水路11の延在方向(長手方向。縦方向)の両端に、排水路11に連通する排水路開口部12、13を具備する構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばケース20の導入壁部241側の排水路開口部12を省略し、奥壁部244側の排水路開口部13を具備する構成としても良い。
また、排水路開口部12、13としては、上述の実施形態のように、プレート本体31に形成した切り欠き部315、316のみによって確保した構成に限定されない。例えば、奥壁部244側の排水路開口部13としては、図6に示すように、カバープレート30として、切り欠き部316の形成を省略した四角板状のプレート本体31を具備するものを採用し、奥壁部244に形成した切り欠き部246のみによって当該排水路開口部13を確保した構成や、プレート本体31に形成された切り欠き部316と奥壁部244に形成した切り欠き部246とによって確保した構成とすることも可能である。このことは導入壁部241側の排水路開口部12についても同様であり、導入壁部244に形成した切り欠き部のみによって確保した構成や、プレート本体31に形成された切り欠き部315と導入壁部244に形成した切り欠き部とによって確保した構成とすることも可能である。
また、奥壁部244側の排水路開口部13としては、必ずしも、カバープレートのプレート本体の前記ケースの前記奥壁部に沿って延在する端部の延在方向両端に対応する位置に形成する必要はなく、例えば、プレート本体の前記ケースの前記奥壁部に沿って延在する端部の延在方向中央部に形成しても良い。
本発明は、カバー突部収容溝28を省略した構成のケースを採用することも可能である。
この場合、突部載置部は、例えば図7に示すように、ケース20Aの側壁部247(基板収容凹所21の幅方向両側にて縦方向に延在する側壁部)から基板収容凹所21内側に突出する突起状に形成したり(突部載置部28b)、凹所底板部23から突出する突起状に形成(側壁部247には繋がっていない突起)することが可能である。また、凹所底板部23自体を突部載置部として機能させることも可能である。
カバー突部収容溝28を省略した場合も、ケース20Aの側壁部247と基板収容凹所21Aに収容したカバープレート30の固定用突部32との間を、液状樹脂材料Rの這い上がりを実現する距離を確保して互いに離隔させることができるように、ケースにおける基板収容凹所の幅方向寸法とカバープレート30の幅方向における固定用突部32間の距離を設定し、液状樹脂材料Rの這い上がりによる這い上がり部R2の形成と、液状樹脂材料Rの硬化時のひけによる排水路11の形成とを実現できる構成とすることが可能であることは言うまでも無い。
また、本発明に係る電子回路装置の製造方法は、液状樹脂材料Rが充填された基板収容凹所21に挿入したカバープレート30を、ケース20外側に設けたカバープレート保持手段によって液状樹脂材料Rの硬化が完了するまで所望位置に保持し、液状樹脂材料Rの硬化後に保持を解除してカバープレート30から分離させる構成も採用可能である。
本発明に係る1実施形態の電子回路装置を示す平面図である。 図1の電子回路装置のケースの構造を示す平面図(ケースの部品図。カバープレートを取り付けていない状態)である。 図1の電子回路装置の構造を示す断面図であり図1のA−A線断面矢視図である。 図1の電子回路装置の幅方向(図1に示す平面視においてA−A線に垂直の方向)の断面構造を示す図であって、(a)はケースのカバー突部収容凹所を避けた位置における断面構造(図1のB−B線断面矢視図)、(b)はケースのカバー突部収容凹所が存在する箇所における断面構造(図1のC−C線断面矢視図)である。 カバープレートをセットしたケースの基板収容凹所に液状樹脂材料を充填した状態を示す図であって、(a)はケースのカバー突部収容凹所を避けた位置における断面構造、(b)はケースのカバー突部収容凹所が存在する箇所における断面構造を示す。 排水路開口部の別態様を示す図(部分拡大平面図)である。 突部載置部の別態様を示す図(部分拡大平面図)である。 電子部品付き基板を収容したケースにカバープレートを接着剤で固定してケースの開口部を塞いだ後に、ケースの側壁部に形成しておいた樹脂注入孔からケース内に液状樹脂材料を注入して電子部品付き基板を埋め込む電子回路装置の製造方法を説明する図である。
符号の説明
10…電子回路装置、11…排水路、12、13…排水路開口部、14…溝部(排水溝)、14a…(溝部の)底面、15…隙間、16…クリアランス、
20…ケース、21…基板収容凹所、22…開口部、23…凹所底板部、24…囲繞壁、241…導入壁部、242、243…側壁部、244…奥壁部、245…ケーブル導入口、246…切り欠き部、247…側壁部、25…基板収容部、26…張出壁部、261…ボルト挿通部、262…当接面、27…フィン、28…カバー突部収容溝、28a、28b…突部載置部、
30…カバープレート、31…プレート本体、311、312…側縁部、313…導入側端部、314…奥側端部、315、316…切り欠き部、32…固定用突部、321…基端部、322…凹部、323…凹部(貫通孔)
40…回路ユニット、41…回路基板、41A…電子部品付き回路基板、42…バスバー、421…基板部、422…接続用突片、43…接続線、44…電子部品、
51…樹脂部、51a…這い上がり接触部、
61…ケーブル、61a…芯線、61b…被覆材、62…グロメット、621…ケーブル挿通孔、
R…液状樹脂材料、R1…液面、R2…這い上がり部。

Claims (16)

  1. 回路基板を収容するための基板収容凹所が形成されたケースと、このケースの前記基板収容凹所に収容された回路基板と、前記基板収容凹所に充填され前記回路基板を埋め込む樹脂部と、前記基板収容凹所の開口部を塞ぐように取り付けられたカバープレートとを具備し、前記カバープレートに突設された固定用突部の少なくとも先端部が前記樹脂部に埋め込まれて固定されていることを特徴とする電子回路装置。
  2. 前記固定用突部の外周に、前記樹脂部との係合用の凹部又は/及び突部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子回路装置。
  3. 前記ケースの前記基板収容凹所は前記ケースに形成された4つの壁部からなる囲繞壁の内側に平面視矩形状に形成され、前記囲繞壁は、前記回路基板の電子回路に電気的に接続されるケーブルを導入するためのケーブル導入口が形成された導入壁部と、この導入壁部に直交する方向である縦方向に沿って延在する一対の側壁部と、前記基板収容凹所を介して前記導入壁部と対向する奥壁部とからなり、前記ケーブル導入口は前記導入壁部の突端から窪む凹所状に形成され、
    前記カバープレートは、前記基板収容凹所の開口部内に配置されて前記開口部を塞ぐ矩形板状のプレート本体と、このプレート本体において前記ケースの一対の側壁部に沿うように延在された部分である一対の側縁部の延在方向両端にそれぞれ突設された前記固定用突部とを具備することを特徴とする請求項1又は2記載の電子回路装置。
  4. 前記プレート本体と前記樹脂部との間には、前記基板収容凹所の前記一対の側壁部の間隔方向である幅方向の両端部から中央部に向かって窪む溝状の排水路が前記基板収容凹所の縦方向の全長にわたって確保され、前記樹脂部は前記基板収容凹所の幅方向の両端部にて前記プレート本体と接触され、前記ケースの前記奥壁部と前記プレート本体との間には前記排水路に連通する排水路開口部が確保されていることを特徴とする請求項3記載の電子回路装置。
  5. 前記カバープレートのプレート本体の前記ケースの前記奥壁部に沿って延在する端部の延在方向両端に、前記排水路開口部を確保するための切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の電子回路装置。
  6. 前記ケースの前記一対の側壁部と前記プレート本体との間に排水用の溝部が確保されていることを特徴とする請求項4又は5記載の電子回路装置。
  7. 前記カバープレートの前記固定用突部が、前記囲繞壁の前記側壁部に前記基板収容凹所の深さ方向に延在するように形成されたカバー突部収容溝に収容されており、しかも、前記カバー突部収容溝の内周面と該内周面から離隔させて配置された前記固定用突部との間が前記樹脂部を形成する樹脂によって埋め込まれていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の電子回路装置。
  8. 前記回路基板の電子回路に対して電気的に接続された前記ケーブルが前記ケーブル導入口に嵌め込まれたグロメットに通され、前記ケーブル導入口から前記ケースの外側に延出されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の電子回路装置。
  9. 回路基板を収容するためのケースに形成された基板収容凹所に回路基板を収容した後、前記基板収容凹所に液状樹脂材料を流し込んで該液状樹脂材料中に前記回路基板を埋め込むとともに、前記基板収容凹所の開口部を塞ぐようにカバープレートを設置し該カバープレートに突設されている固定用突部の少なくとも先端部を前記基板収容凹所内の前記液状樹脂材料に挿入する樹脂充填・カバーセット工程を行い、次いで、前記液状樹脂材料の硬化によって樹脂部を形成することで前記カバープレートの前記固定用突部を前記樹脂部に固定することを特徴する電子回路装置の製造方法。
  10. 前記カバープレートとして、前記固定用突部の外周に、前記樹脂部との係合用の凹部又は/及び突部が形成されているものを用いることを特徴とする請求項9記載の電子回路装置の製造方法。
  11. 前記ケースとして、該ケースに形成された4つの壁部からなる囲繞壁の内側に平面視矩形状に形成された前記基板収容凹所を有し、前記囲繞壁は、前記回路基板の電子回路に電気的に接続されるケーブルを導入するためのケーブル導入口が形成された導入壁部と、この導入壁部に直交する方向である縦方向に沿って延在する一対の側壁部と、前記基板収容凹所を介して前記導入壁部と対向する奥壁部とからなり、前記ケーブル導入口は前記導入壁部の突端から窪む凹所状に形成されたものを採用し、
    前記カバープレートとして、前記基板収容凹所の開口部と略同等のサイズの矩形板状に形成され前記基板収容凹所の開口部内に該開口部を塞ぐように配置されるプレート本体と、このプレート本体において前記ケースの一対の側壁部に沿うように延在される部分である一対の側縁部の延在方向両端にそれぞれ突設された前記固定用突部とを具備するものを採用し、
    前記樹脂充填・カバーセット工程にて前記カバープレートの前記プレート本体を前記基板収容凹所の開口部内に該開口部を塞ぐように配置し、この状態を維持して前記液状樹脂材料の硬化によって樹脂部を形成することを特徴とする請求項9又は10記載の電子回路装置の製造方法。
  12. 前記基板収容凹所内の深さ方向における前記カバープレートのプレート本体の位置及び前記基板収容凹所に充填する前記液状樹脂材料の充填量を、前記カバープレートの固定用突部と前記ケースの側壁部との間に入り込んだ前記液状樹脂材料がその表面張力によって前記固定用突部を伝うようにして這い上がりかつ前記プレート本体の一対の側縁部と接触可能なように設定して前記樹脂充填・カバーセット工程を行うことで、前記基板収容凹所の幅方向両端部に前記液状樹脂材料が前記プレート本体の側縁部と接触してなる這い上がり部を形成するとともに前記基板収容凹所の幅方向両端部の前記這い上がり部の間に前記プレート本体から下方に離隔した位置に前記液状樹脂材料の液面を確保し、
    前記カバープレート又は/及びケースとしては、前記ケースの前記奥壁部と前記プレート本体との間に前記液状樹脂材料がその表面張力によって埋め込むことを阻止して開口状態を維持できるサイズの開口部を確保するための切り欠き部を有するものを採用し、
    前記樹脂充填・カバーセット工程の完了後、前記液状樹脂材料の硬化に伴うひけによって、前記プレート本体と前記樹脂部との間に、前記基板収容凹所の前記一対の側壁部の間隔方向である幅方向の両端部から中央部に向かって窪む溝状の排水路を前記基板収容凹所の縦方向の全長にわたって確保するとともに、前記ケースの前記奥壁部と前記プレート本体との間に、前記プレート本体及び/又は前記奥壁部に形成された前記切り欠き部によって前記排水路に連通する排水路開口部を確保することを特徴とする請求項11記載の電子回路装置の製造方法。
  13. 前記カバープレートとして、前記プレート本体の前記ケースの前記奥壁部に沿って延在する端部の延在方向両端に、前記排水路開口部を確保するための前記切り欠き部が形成されているものを用いることを特徴とする請求項12記載の電子回路装置の製造方法。
  14. 前記カバープレートとして、そのプレート本体と前記ケースの前記一対の側壁部との間に前記固定用突部を伝うようにして這い上がった前記液状樹脂材料がその表面張力によって流入する離隔距離を確保できるように前記プレート本体が寸法設定されているものを採用し、
    前記樹脂充填・カバーセット工程にて、前記ケースの前記一対の側壁部と前記プレート本体との間に前記固定用突部を伝うようにして這い上がる前記液状樹脂材料を流入させて埋め込み、前記液状樹脂材料の硬化時のひけによって前記ケースの前記一対の側壁部と前記プレート本体との間に排水用の溝部を確保することを特徴とする請求項12又は13記載の電子回路装置の製造方法。
  15. 前記ケースとして、前記囲繞壁の前記側壁部に前記カバープレートの前記固定用突部を収容するためのカバー突部収容溝が、前記基板収容凹所の深さ方向に延在するように形成されているものを採用し、前記カバー突部収容溝はその内周面に前記液状樹脂材料のその表面張力による這い上がりを実現するべく前記固定用突部から離隔された部位が確保できる断面寸法に形成され、
    前記樹脂充填・カバーセット工程にて前記カバープレートの前記固定用突部をカバー突部収容溝に収容し、しかも、前記カバー突部収容溝の内周面と該内周面から離隔させて配置された前記固定用突部との間にて前記液状樹脂材料の這い上がりを生じさせることで、前記液状樹脂材料に前記這い上がり部を形成することを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の電子回路装置の製造方法。
  16. 前記回路基板の電子回路に対して電気的に接続された前記ケーブルが前記ケーブル導入口に嵌め込んだグロメットに通され、前記ケーブルが前記ケーブル導入口から前記ケースの外側に延出された状態にて前記樹脂充填・カバーセット工程を行うことを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の電子回路装置。
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