JP2010152460A - 倒立型移動体及びその異常判断方法 - Google Patents

倒立型移動体及びその異常判断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構成を用いて、倒立制御の異常を高精度に判断すること。
【解決手段】倒立型移動体1は、駆動輪31、32の回転速度Vを検出する速度検出部24と、駆動輪31、32の目標回転速度VTを設定する目標速度設定部231と、駆動輪31、32を制御して、倒立型移動体1の倒立制御を行う倒立制御部232と、速度検出部24により検出された回転速度Vと、目標速度設定部231により設定された目標回転速度VTと、の速度偏差ΔVを算出する速度偏差算出部233と、速度偏差算出部233により算出された速度偏差ΔVに基づいて、倒立制御が異常であるか否かを判断する異常判断部235と、を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、倒立状態を維持して移動する倒立型移動体及びその異常判断方法に関し、より詳細には、倒立制御の異常を高精度に判断できる倒立型移動体及びその異常判断方法に関するものである。
従来、全体の重心位置を車輪の接地位置に対して常に鉛直方向に維持するように車輪を駆動制御することで、倒立状態を維持しつつ移動を行う倒立型移動体が知られている。このような倒立型移動体は、その重心位置を前方へ移動させ、車輪の接地位置を前方に移動した重心位置の真下に移動させるように車輪を駆動制御することで、前方へ移動することが可能となる。また、この倒立型移動体においては、例えば、重心位置を変化させることで移動方向および移動速度の制御が可能となり、物体を積載して移動する台車として、若しくは、人間が搭乗して移動する移動手段として利用することができる。
このような倒立型移動体は、移動領域が完全な平面である場合、通常の倒立制御の理論に基づいて、その倒立制御を正常に維持できる。一方で、移動領域内に未知の段差部や障害物が存在する場合、移動領域内の路面摩擦係数μが変化する場合等においては、これらが走行中の外乱となり、倒立制御が正常に維持できなくなる状態が生じる。このような問題対策として、例えば、車輪のタイヤ素材や移動体本体の機械構造などに対して、上記外乱を考慮した設計が行われている。しかしながら、全ての外乱を考慮した設計を行うことは事実上困難となっている。
特願2007−274126
そこで、移動領域内の段差部や障害物、または路面摩擦係数μの変化を検知するための特別なセンサを搭載することが考えられるが、このようなセンサを搭載することによって、倒立制御がより複雑となり得る。さらに、このようなセンサを用いることにより、倒立型移動体の重量増加やコストアップといった新たな問題も生じ得る。この問題を解決すべく、例えば、オブザーバや位相平面上の軌道に基づいて、異常を判断する倒立型移動体が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に示す倒立型移動体において、例えば、瞬間的に倒立制御が異常であると判断された場合でも、その後一定時間経過すると、正常と誤判断される虞がある。また、緩やかに倒立制御の状態が悪化した場合に、その倒立制御が最終的に異常であると判断されるまでに、ある程度の時間を要するため、その間、異常な倒立制御が継続されてしまう虞がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡素な構成を用いて、倒立制御の異常を高精度に判断できる倒立型移動体及びその異常判断方法を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、駆動輪の回転速度を検出する速度検出部と、前記駆動輪の目標回転速度を設定する目標速度設定部と、前記駆動輪を制御して、当該倒立型移動体の倒立制御を行う倒立制御部と、を備える倒立型移動体であって、前記速度検出部により検出された前記回転速度と、前記目標速度設定部により設定された前記目標回転速度と、の速度偏差を算出する速度偏差算出部と、前記速度偏差算出部により算出された前記速度偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断する異常判断部と、を備える、ことを特徴とする倒立型移動体である。この一態様によれば、簡素な構成を用いて、倒立制御の異常を高精度に判断できる。
また、この一態様において、前記速度偏差算出部により算出された前記速度偏差に基づいて、前記駆動輪の位置偏差を算出する位置偏差算出部を更に備え、前記異常判断部は、前記位置偏差算出部により算出された前記位置偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断してもよい。
さらに、この一態様において、前記速度偏差算出部は、前記算出した速度偏差が所定の不感帯幅以内となるとき、該算出した速度偏差を減少させる不感帯処理を行い、前記位置偏差算出部は、前記不感帯処理された速度偏差に基づいて、前記位置偏差を算出してもよい。
なお、この一態様において、前記速度偏差算出部は、当該倒立型移動体の走行状態に応じて、前記所定の不感帯幅を変更してもよい。
またさらに、この一態様において、前記速度偏差算出部は、当該倒立型移動体の速度又は加速度に応じて、前記所定の不感帯幅を変更してもよい。
またさらに、この一態様において、前記速度偏差算出部は、当該倒立型移動体の加速時又は減速時に、前記所定の不感帯幅を増加させてもよい。
この一態様において、前記異常判断部は、前記位置偏差算出部により算出された前記位置偏差と、所定閾値とを比較することで、前記倒立制御が異常であるか否かを判断してもよい。
この一態様において、当該倒立型移動体の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得部を更に備え、前記異常判断部は、前記周辺環境情報取得部により取得された前記周辺環境情報に応じて、前記所定閾値を変更してもよい。
この一態様において、搭乗者に関する搭乗者情報を取得する搭乗者情報取得部を更に備え、前記異常判断部は、前記搭乗者情報取得部により取得された前記搭乗者情報に応じて、前記所定閾値を変更してもよい。
この一態様において、前記倒立制御部は、前記異常判断部による前記判断結果に基づいて、前記倒立制御を行ってもよい。
この一態様において、当該倒立型移動体の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部を更に備え、前記倒立制御部は、前記傾斜角度検出部により検出された前記傾斜角度に、所定のゲイン値を乗じて得られるトルクを前記駆動輪に発生させており、前記異常判断部により、前記倒立制御が異常であると判断されたとき、前記倒立制御部は、前記所定のゲイン値を増減させることで、前記倒立制御の異常を抑制してもよい。
この一態様において、路面に対して接触又は非接触となる補助輪を更に備え、前記異常判断部により、前記倒立制御が異常であると判断されたとき、前記倒立制御部は、前記補助輪を路面に対して接触させてもよい。
この一態様において、前記所定閾値は、段階的に増加する複数の閾値により構成されており、前記異常判断部は、前記位置偏差算出部により算出された前記位置偏差と、前記複数の閾値と、を段階的に比較することで、前記異常の度合を判断してもよい。
他方、上記目的を達成するための本発明の一態様は、駆動輪の回転速度を検出する速度検出工程と、前記駆動輪の目標回転速度を設定する目標速度設定工程と、前記駆動輪を制御して、当該倒立型移動体の倒立制御を行う倒立制御工程と、を含む倒立型移動体の異常判断方法のであって、前記速度検出工程で検出された前記回転速度と、前記目標速度設定工程で設定された前記目標回転速度と、の速度偏差を算出する速度偏差算出工程と、前記速度偏差算出工程で算出された前記速度偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断する異常判断工程と、を含む、ことを特徴とする倒立型移動体の異常判断方法であってもよい。
また、この一態様において、前記速度偏差算出工程で算出された前記速度偏差に基づいて、前記駆動輪の位置偏差を算出する位置偏差算出工程を更に含み、前記異常判断工程において、前記位置偏差算出工程で算出された前記位置偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断してもよい。
さらに、この一態様において、前記速度偏差算出工程は、前記算出した速度偏差が所定の不感帯幅以下となるとき、該算出した速度偏差を減少させる不感帯処理工程を含み、前記位置偏差算出工程において、前記不感帯処理工程後の前記速度偏差に基づいて、前記位置偏差を算出してもよい。
なお、この一態様において、前記倒立制御工程において、前記異常判断工程での前記判断結果に基づいて、前記倒立制御を行ってもよい。
本発明によれば、簡素な構成を用いて、倒立制御の異常を高精度に判断することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施形態を挙げて説明する。
(第1実施形態)
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態に係る倒立型移動体を概略的に示す概念図である。また、図2は、図1に示す倒立型移動体を側方から見た側面図であり、倒立状態の倒立型移動体を示す図である。図3は、図1に示す倒立型移動体を側方から見た側面図であり、補助輪を接地させた状態の倒立型移動体を示す図である。本実施形態に係る倒立型移動体1は、移動領域である路面P上を、搭乗者を載置した状態で、その搭乗者による運転操作に応じて、任意の方向へ移動することができる。このような倒立型移動体1は、例えば、4輪型移動体に比べてホイールベースが短いため、方向転換に要するスペースを小さくできるメリットを有している。
倒立型移動体1は、搭乗者を載置する移動本体10と、移動本体10に回転可能に設けられ、対向する左右一対の第1駆動輪31および第2駆動輪32と、移動本体10に設けられ、第1駆動輪31および第2駆動輪32の回転駆動を制御する制御ユニット20と、を備えている。
移動本体10は、複数のフレーム等で構成され、搭乗者を載置する搭乗台11と、搭乗台11と制御ユニット20とを接続する接続部材18と、を有している。また、搭乗台11は、搭乗者が着座する座席部12と、搭乗者の背面を支持する背当て部13と、脚支持部14と、足置部15と、を有している。
座席部12は、略平面板状に形成されており、搭乗者の着座する上面には弾性のシート部材が敷設されている。背当て部13は、座席部12に対して上方に向けて略垂直に立設されている。背当て部13は、着座した搭乗者が後方に向かって重心をかけた際に背中全体と接触し、搭乗者の体重を最適に支持することができる。脚支持部14は略鉛直方向へ延在しており、その一端が座席部12に接続され、その他端に足置部15が接続されている。これにより、脚支持部14は、着座した搭乗者の脚部に適切に接触し、その重量を部分的に支持することができる。足置部15は、着座した搭乗者の脚部の膝部分が略垂直に曲がった状態で、搭乗者の足平底面が足置部15に対して面接触するように、構成されている。このように、搭乗者を、複数の部材12、13、14、15で分散して保持することで、搭乗者に掛かる負担を効果的に低減することができる。
足置部15の底部及び座席部12の底部には、夫々、下方に延在するバー16a、16bが設けられている。また、各バー16a、16bの先端には、夫々、補助輪17a、17bが回転可能に設けられている。
接続部材18の一端は、制御ユニット20に、前後方向(倒立型移動体1の進行方向)へ回動可能に連結され、その他端は、搭乗台11に連結されている。また、制御ユニット20には、接続部材18を回動させるモータ27等の駆動部が設けられている。制御ユニット20は、このモータ27を制御して、接続部材18を回動させる際の、そのタイミングや回動量を制御することができる。
例えば、制御ユニット20は、モータ27を制御して、図2に示すように、接続部材18を前後方向へ回動させ鉛直状態にする。これにより、補助輪17a、17bが路面Pから離れた状態になり、倒立型移動体1は、例えば、後述する倒立制御を行うことができる。一方、制御ユニット20は、モータ27を制御して、図3に示すように、接続部材18を前後方向に回動させ傾斜状態にする。これにより、補助輪17a、17bが路面Pに接地した状態になり、倒立型移動体1は倒立制御を行うことなく、安定状態となる。
接続部材18には、鉛直方向(図2の直線Lの方向)に対する移動本体10及び接続部材18の傾斜角度θおよび傾斜角速度を計測するためのジャイロセンサ18a等の姿勢センサ(傾斜角度検出部)が設けられている。ジャイロセンサ18aは、検出した傾斜角度θ及び傾斜角速度に応じた傾斜角度信号及び傾斜角速度信号を、フィルター(不図示)を介してノイズ等を除去した後、制御ユニット20の制御部23に対して出力する。
なお、制御ユニット20の制御部23は、ジャイロセンサ18aによって微小時間毎に検出される、移動本体10及び接続部材18の傾斜角度θを微分することで、移動本体10の傾斜角速度を算出してもよい。また、ジャイロセンサ18aを用いて、鉛直方向に対する移動本体10の傾斜角度θおよび傾斜角速度を検出しているが、これに限らず、例えば加速度センサを用いて傾斜角度θ及び傾斜角速度を検出してもよい。
加速度センサを用いた場合は、移動本体10に加わる加速度に基づいて、移動本体10の鉛直方向に対する傾斜角度θ及び傾斜角速度を求めることができる。さらに、ジャイロセンサ18a及び加速度センサを組み合わせて、より高精度に傾斜角度θ及び傾斜角速度を検出してもよい。またさらに、ジャイロセンサ18aは接続部材18に設けられているが、これに限らず、例えば、移動本体10に設けられていてもよい。
搭乗台11には、制御ユニット20の制御部23に対して、操作信号を送信するためのジョイスティック等の操作レバーを有する操作部41が設けられている。操作部41は、搭乗者による操作レバーの操作(操作方向、操作量等)に応じた操作信号を、制御ユニット20の制御部23に対して出力する。搭乗台11に搭乗する搭乗者は、この操作部41を操作することで、例えば、倒立型移動体1の移動方向や移動速度を操作することができる。
制御ユニット20は、図4に示すように、駆動部としてのモータ21、22と、モータ21、22の回転駆動を、駆動回路42を介して制御する制御部23と、第1及び第2駆動輪31、32の回転速度を検出するための回転センサ24、24と、モータ21、22に対して電力を供給するバッテリー25と、移動する路面Pの形状や障害物等を光学的に認識するための検出センサ26、26と、を備えている。また、第1及び第2駆動輪31、32は、車軸C1、C2を介して、モータ21、22に夫々連結されている。
モータ21、22は、第1及び第2駆動輪31、32を夫々独立して駆動することができる。また、モータ21、22は、制御部23からの制御信号に応じて、第1及び第2駆動輪31、32に対して付加する回転トルクを、夫々変化させる。これにより、倒立型移動体1の移動(加速、減速、停止、前進、後進、右旋回、左旋回等)を任意に変化させることができる。なお、モータ21、22には、モータ21、22の過熱状態を検出するための温度センサ(不図示)が設けられていてもよい。この温度センサは、例えば、モータ21、22の過熱状態を検出すると、制御部23に対して検出信号を出力する。そして、制御部23は、温度センサからの検出信号を受信すると、モータ21、22の駆動を抑制する。
各回転センサ(速度検出部)24は、車軸C1、C2に夫々取付けられ、第1及び第2駆動輪31、32の回転速度(又は回転角速度)Vを夫々検出することができる。各回転センサ24は、検出した第1及び第2駆動輪31、32の回転速度Vを、回転速度信号として、制御部23に対して出力する。なお、制御部23は、例えば、回転センサ24からの回転速度Vに基づいて、第1及び第2駆動輪31、32の回転角度および回転加速度を算出することができる。
バッテリー25は、制御ユニット20の表面から突出して設けられた被充電用端子(不図示)に対して電気的に接続されている。そして、バッテリー25の被充電用端子と、充電ステーションに設けられた充電用端子と、を接触させることで、バッテリー25に対して電力を供給し、バッテリー25を充電することができる。
検出センサ26、26は、制御ユニット20の下方前面に左右対称に配置されている。各検出センサ26の光源は、例えば、赤外線レーザ等を路面Pに対して、揺動させて照射しつつ、その反射光を受光することで、制御ユニット20の下方前面近傍の路面形状等を検出することができる。制御部23は、検出センサ26により検出された路面形状に関する情報によって、路面P上に存在する段差部や障害物等の存在を検知し、これらの障害物等を回避するための経路探索の作成等を行うことができる。なお、検出センサ26は、光学的に障害物等を検出しているが、これに限らず、例えば、磁気的、電気的に検出してもよい。
図5は、制御ユニットの制御部のシステム構成の一例を示すブロック図である。制御部23は、目標速度設定部231と、倒立制御部232と、速度偏差算出部233と、位置偏差算出部234と、異常判断部235と、を有している。
なお、制御部23は、例えば、制御処理、演算処理等と行うCPU(Central Processing Unit)23a、CPU23aによって実行される制御プログラム、演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)23b、処理データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)23c等からなるマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。また、目標速度設定部231と、倒立制御部232と、速度偏差算出部233と、位置偏差算出部234と、異常判断部235とは、例えば、ROM23bに記憶され、CPU23aによって実行されるプログラムによって実現されている。
目標速度設定部231は、第1及び第2駆動輪31、32における目標の回転速度(以下、目標回転速度と称す)VTを夫々設定する。目標速度設定部231は、例えば、後述する、倒立制御部232により算出された回転トルクに基づいて、第1及び第2駆動輪31、32の目標回転速度VTを夫々設定する。より具体的には、目標速度設定部231は、後述する、倒立制御部232により算出された回転トルクが、第1及び第2駆動輪31、32に生じるような目標回転速度VTを、第1及び第2駆動輪31、32に対して夫々設定する。目標速度設定部231は、設定した目標回転速度VTを速度偏差算出部233に対して出力する。
倒立制御部232は、倒立型移動体1の倒立状態を維持するための倒立制御を行う。倒立制御部232は、例えば、倒立型移動体1の第1及び第2駆動輪31、32が路面Pに対して接地する接地点から鉛直方向に伸び、車軸C1、C2を通る直線Lと、倒立型移動体1の重心位置と車軸C1、C2とを結ぶ直線と、が成す傾斜角度θ1が、目標傾斜角度θ0(例えばθ0=0度)となるように、第1及び第2駆動輪31、32の回転駆動を制御する。
より具体的には、倒立制御部232は、まず、ジャイロセンサ18aにより検出された移動本体10の傾斜角度θに、所定のゲイン値Gを乗算して、回転トルクT(T=θ×G)を算出する。そして、倒立制御部232は、算出した回転トルクTが第1及び第2駆動輪31、32に生じるように、モータ21、22を、駆動回路42を介して夫々制御する。これにより、倒立制御部232は、移動本体10が傾斜している方向へ、第1及び第2駆動輪31、32を回動させ、倒立型移動体1の重心位置を、第1及び第2駆動輪31、32の車軸C1、C2を通る直線L上へ戻すような倒立制御を行うことができる。
また、倒立制御部232は、第1及び第2駆動輪31、32に対して適切な回転トルクを夫々付加することで、直線Lに対して成す傾斜角度θ1がある一定値を超えないような倒立状態を維持しつつ、さらに、操作部41からの操作信号に応じて、前進、後進、停止、減速、加速、右折、左折、左旋回、右旋回等の倒立型移動体1の移動制御を行うことができる。なお、倒立制御部232は、上記第1及び第2駆動輪31、32に対する回転トルク制御を、例えば、状態フィードバック制御、ロバスト制御等の周知の制御方法を用いて行ってもよい。
速度偏差算出部233は、回転センサ24からの第1及び第2駆動輪31、32の回転速度Vから、目標速度設定部231により設定された目標回転速度VTを減算することで、速度偏差ΔV(ΔV=V−VT)を算出する。そして、速度偏差算出部233は、算出した速度偏差ΔVを位置偏差算出部234に対して出力する。なお、速度偏差算出部233は、倒立型移動体1の前後方向及び旋回方向(左右方向)の夫々に関して、速度偏差ΔVを算出する。
位置偏差算出部234は、速度偏差算出部233からの速度偏差ΔVに対して時間積分処理を行うことで、第1及び第2駆動輪31、32の位置偏差ΔP(ΔP=∫(ΔV)dt)を算出する。位置偏差算出部234は、算出した位置偏差ΔPを、異常判断部235に対して出力する。なお、位置偏差算出部234は、上記同様に、倒立型移動体1の前後方向及び旋回方向の夫々に関して、位置偏差ΔPを算出する。
異常判断部235は、位置偏差算出部234により算出された位置偏差ΔPに基づいて、倒立制御部232による倒立制御が異常であるか否かを判断する。異常判断部235は、例えば、位置偏差算出部234からの位置偏差ΔPと、予め設定された所定閾値Nと、を比較し、位置偏差ΔPが所定閾値N以上(ΔP≧N)であると判断したとき、倒立制御が異常であると判断する。
なお、所定閾値Nは、例えば、倒立制御の異常を適切に抑制できる最適値が予め求められ、RAM23cに記憶されている。また、上記倒立制御の異常として、例えば、倒立型移動体1が未知の段差を乗り越えた場合、路面摩擦係数μが大きく変動した場合、等に生じる、第1及び第2駆動輪31、32の高速空転、倒立型移動体1の姿勢の大きな揺れ、あるいは、倒立型移動体1が一方向に走行し続ける等、といった異常制御が考えられる。
上述のように、本実施形態に係る倒立型移動体1において、第1及び第2駆動輪31、32の駆動情報である位置偏差ΔPのみを用いて、上記倒立制御の異常を判断するため、例えば、倒立型移動体1が一方向へ走行し続けるといった、上記異常制御をより確実に防止できる。また、第1及び第2駆動輪31、32の駆動情報である位置偏差ΔPを監視することで、第1及び第2駆動輪31、32の駆動制御の傾向を高精度に把握できる。このため、例えば、一定期間を考慮して倒立制御の異常を判断でき、また、緩やかに倒立制御の状態が悪化した場合でも、その傾向により迅速に倒立制御の異常を判断できる。さらに、上記倒立制御の異常を検知するための特別のセンサを用いることなく、既存のセンサのみで、上記倒立制御の異常を判断できる。したがって、当該倒立型移動体1の構成を簡素化でき、コスト低減及び軽量化に繋がる。
異常判断部235は、倒立制御が異常であると判断すると、異常信号を倒立制御部232に対して出力する。倒立制御部232は、異常判断部235からの異常信号に応じて、例えば、上記所定のゲイン値Gに係数αを乗じて所定のゲイン値Gを増減させる。これにより、倒立型移動体1の動作を抑制することができ、例えば、倒立型移動体1が一方向へ走行し続けるといった、上記異常制御を確実に抑制できる。
なお、倒立制御部232は、RAM23cに記憶した移動領域のマップ情報などに基づいて、その移動経路を作成することができる。このマップ情報は、例えば、移動する路面Pの全体形状に、略一定間隔に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで得られるグリッドマップから構成されている。倒立制御部232は、このグリッド線で囲まれたグリッド単位を用いて、倒立型移動体1の自己位置、目標地点である移動終了点、および、移動終了点における倒立型移動体1の移動方向を特定することができる。また、グリッドマップにおける格子点間隔は、倒立型移動体1の移動可能な曲率や絶対位置を認識する精度などの条件に応じて、適宜変更可能である。倒立制御部232は、このグリッドマップ上において特定された移動始点から目的地である移動終点までの移動経路を作成する。また、倒立制御部232は、各回転センサ24からの第1及び第2駆動輪31、32の回転速度V等に基づいて、移動速度や移動距離を算出することができる。そして、倒立制御部232は、これら移動速度や移動距離に基づいて、リアルタイムに自己位置を算出し、倒立型移動体1を作成された移動経路に沿って自律的に移動させる制御を行う。
次に、第1実施形態に係る倒立型移動体1の処理フローについて、詳細に説明する。図6は、本発明の第1実施形態に係る倒立型移動体の処理フローの一例を示すフローチャートである。
まず、回転センサ24は、第1及び第2駆動輪31、32の回転速度Vを検出し(速度検出工程)(ステップS101)、速度偏差算出部233に対して出力する。また、目標速度設定部231は、第1及び第2駆動輪31、32における目標回転速度VTを夫々設定し(目標速度設定工程)(ステップS102)、設定した目標回転速度VTを速度偏差算出部233に対して出力する。
次に、速度偏差算出部233は、回転センサ24からの第1及び第2駆動輪31、32の回転速度Vから、目標速度設定部231により設定された目標回転速度VTを減算することで、速度偏差ΔVを算出し(速度偏差算出工程)(ステップS103)、算出した速度偏差ΔVを位置偏差算出部234に対して出力する。
その後、位置偏差算出部234は、速度偏差算出部233からの速度偏差ΔVに対して時間積分処理を行うことで、第1及び第2駆動輪31、32の位置偏差ΔPを算出し(位置偏差算出工程)(ステップS104)、算出した位置偏差ΔPを異常判断部235に対して出力する。
さらに、異常判断部235は、位置偏差算出部234からの位置偏差ΔPが所定閾値N以上であり、倒立制御が異常であるか否かを判断する(異常判断工程)(ステップS105)。
異常判断部235は、位置偏差算出部234からの位置偏差ΔPが所定閾値N以上であり、倒立制御が異常であると判断したとき(ステップS105のYES)、異常信号を倒立制御部232に対して出力する。倒立制御部232は、異常判断部235からの異常信号に基づいて、所定のゲイン値Gを、例えば、減少させる(倒立制御工程)(ステップS106)。
これにより、倒立型移動体1の動作を抑制することができ、例えば、倒立型移動体1が一方向へ走行し続けるといった、上記異常制御を確実に抑制できる。なお、倒立制御部232は、位置偏差算出部234により算出された位置偏差ΔP(アナログ値)に応じて、所定のゲイン値Gを連続的に変化させてもよい。これにより、倒立型移動体1における上記異常制御をよりスムーズに抑制できる。一方、異常判断部235は、倒立制御が異常でなく、正常であると判断したとき(ステップS105のNO)、本処理を終了する。
以上、第1実施形態に係る倒立型移動体1において、異常判断部235は、位置偏差算出部234からの位置偏差ΔPと所定閾値Nとを比較して、倒立型移動体1の倒立制御が異常であるか否かを判断する。このように、異常判断部235は、第1及び第2駆動輪31、32の駆動情報である位置偏差ΔPのみを用いて、上記倒立制御の異常を判断することで、例えば、倒立型移動体1が一方向へ走行し続けるといった、上記異常制御をより確実に防止できる。また、第1及び第2駆動輪31、32の駆動情報である位置偏差ΔPを監視することで、第1及び第2駆動輪31、32の駆動制御の傾向を高精度に把握できる。このため、例えば、一定期間を考慮して倒立制御の異常を判断でき、また、緩やかに倒立制御の状態が悪化した場合でも、その傾向により迅速に倒立制御の異常を判断できる。さらに、上記倒立制御の異常を検知するための特別のセンサを用いることなく、既存のセンサのみで、上記倒立制御の異常を判断できる。すなわち、簡素な構成を用いて、倒立制御の異常を高精度に判断することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る倒立型移動体2において、速度偏差算出部333は、算出した速度偏差ΔVが所定の不感帯幅W以内となるとき、算出した速度偏差ΔVを減少させる不感帯処理を行う。そして、位置偏差算出部234は、不感帯処理された速度偏差ΔV1に対して時間積分処理を行い、位置偏差ΔP1を算出する。ここで、上記速度偏差ΔVを減少させるとは、例えば、|速度偏差ΔV|(ΔVの絶対値)を減少させることを指すものとする。
ところで、倒立型移動体が倒立状態を維持しつつ、一定速度で走行する場合に、一般に、定常的な速度偏差が生じ得る。そこで、速度偏差算出部333は、上述の如く、算出された速度偏差ΔVに対して、不感帯処理を行う。これにより、ノイズとなる上記定常的な速度偏差を排除することができ、倒立制御の異常をより高精度に判断することができる。なお、所定の不感帯幅Wは、上記定常的な速度偏差に基づいて設定され、制御部23のRAM23cに記憶されている。また、所定の不感帯幅Wは、上記同様に、倒立型移動体1の前後方向及び旋回方向の夫々に関して、設定されている。
第2実施形態に係る倒立型移動体2において、他の構成は第1実施形態に係る倒立型移動体1と略同一である。したがって、同一部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る倒立型移動体の処理フローの一例を示すフローチャートである。
まず、回転センサ24は、第1及び第2駆動輪31、32の回転速度Vを検出し(ステップS201)、速度偏差算出部333に対して出力する。また、目標速度設定部231は、第1及び第2駆動輪31、32における目標回転速度VTを夫々設定し(ステップS202)、設定した目標回転速度VTを速度偏差算出部333に対して出力する。
次に、速度偏差算出部333は、回転センサ24からの第1及び第2駆動輪31、32の回転速度Vから、目標速度設定部231により設定された目標回転速度VTを減算することで、速度偏差ΔVを算出する(図8(a))(ステップS203)。
さらに、速度偏差算出部333は、算出した速度偏差ΔVに対して不感帯処理を行う。この不感帯処理において、速度偏差算出部333は、算出した速度偏差ΔVが所定の不感帯幅W以内であるか否かを判断する(ステップS204)。速度偏差算出部333は、算出した速度偏差ΔVが所定の不感帯幅W以内であると判断したとき(ステップS204のYES)、速度偏差ΔVを、例えば、0に減少させる(不感帯処理工程)(ステップS205)。そして、速度偏差算出部333は、不感帯処理後の速度偏差ΔV1(図8(b))を位置偏差算出部234に対して出力する。
位置偏差算出部234は、速度偏差算出部233からの速度偏差ΔV1に対して時間積分を行うことで、第1及び第2駆動輪31、32の位置偏差ΔP1を算出し(図8(c))(ステップS206)、算出した位置偏差ΔP1を異常判断部235に対して出力する。
異常判断部235は、位置偏差算出部234からの位置偏差ΔP1が所定閾値N以上であり、倒立制御が異常であるか否かを判断する(ステップS207)。
異常判断部235は、位置偏差算出部234からの位置偏差ΔP1が所定閾値N以上であり、倒立制御が異常であると判断したとき(ステップS207のYES)、異常信号を倒立制御部232に対して出力する。倒立制御部232は、異常判断部235からの異常信号に基づいて、所定のゲイン値Gを、例えば、減少させる(ステップS208)。これにより、倒立型移動体1の動作を適切に抑制することができる。一方、異常判断部235は、倒立制御が異常でなく、正常であると判断したとき(ステップS207のNO)、本処理を終了する。
以上、第2実施形態に係る倒立型移動体2において、速度偏差算出部333は、算出した速度偏差ΔVが所定の不感帯幅W以内となるとき、算出した速度偏差ΔVを減少させる不感帯処理を行う。そして、位置偏差算出部234は、不感帯処理された速度偏差ΔV1に対して時間積分処理を行い、位置偏差ΔP1を算出する。これにより、ノイズとなる上記定常的な速度偏差を排除することができ、倒立制御の異常をより高精度に判断することができる。
次に、第2実施形態に係る倒立型移動体2の変形例について詳細に説明する。
上記第2実施形態において、速度偏差算出部333は、算出した速度偏差ΔVが所定の不感帯幅W以内であると判断したとき、速度偏差ΔVを0に減少させているが、これに限らず、例えば、速度偏差ΔVから不感帯幅Wを減算(ΔV1=ΔV−W)してもよく、任意の減少方法が適用可能である。
上記第2実施形態において、速度偏差算出部333は、倒立型移動体2の走行状態(例えば、停止状態、加速状態、減速状態、定速状態、高速状態、低速状態等)に応じて、所定の不感帯幅Wを変更してもよい。ここで、図9(a)に示す如く、倒立状態を維持する倒立型移動体2において、ある程度の時間遅れが生じて、実際の速度(実線(1))は設定された目標速度(点線(2))に追従する。このため、いわゆるオーバーシュートやアンダーシュートが発生し易く、さらに、加速時や減速時に速度偏差は増大する傾向にある。そこで、速度偏差算出部333は、倒立型移動体2の速度若しくは加速度に応じて、所定の不感帯幅Wを変更させてもよい。さらに、速度偏差算出部333は、例えば、倒立型移動体2の加速時若しくは減速時に、所定の不感帯幅Wを増加させてもよい(図9(b))。
なお、本発明を実施するための最良の形態について上記実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした上記実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記第1及び第2実施形態において、異常判断部235により、倒立制御が異常であると判断されたとき、倒立制御部232は、所定のゲイン値Gを増減させているが、これに限らず、例えば、モータ27を制御して接続部材18を傾斜状態にし、補助輪17a、17bを路面Pに接地させてもよい(図3)。さらに、倒立制御部232は、所定のゲイン値Gの増減と、補助輪17a、17bの接地と、を任意に組み合わせて倒立制御の異常を抑制してもよい。すなわち、倒立制御の異常を抑制できれば、任意の手法が適用可能である。
また、上記第1及び第2実施形態において、異常判断部235は、倒立型移動体1が走行する周辺環境情報や搭乗者に関する搭乗者情報に応じて、所定閾値Nを変更してもよい。ここで、周辺環境情報とは、例えば、カメラ、超音波センサ、レーザセンサ等の環境認識センサ(周辺環境情報取得部)により取得される路面Pの状況(凹凸状態等)、環境条件(滑り易い路面状態、人、物等の障害物の状態)等を含む。また、搭乗者情報として、例えば、入力装置(搭乗者情報取得部)を介して制御部23に入力された、搭乗者の操作技量(操作経験の年数等)、性別、年齢、体型、身体能力、身体的不具合等を含む。
例えば、異常判断部235は、環境認識センサにより取得された周辺環境情報に基づいて、路面Pが滑り易い状態(路面摩擦係数μが低い状態)である、又は人等の障害物が接近した状態であると判断すると、所定閾値Nを減少させてもよい。これにより、通常よりも早いタイミングで倒立制御の異常を判断できるため、異常制御が生じ易い状況を予め検知し、倒立型移動体1、2における上記異常制御を迅速かつ確実に抑制できる。
また、例えば、異常判断部235は、入力装置により取得された搭乗者情報に基づいて、搭乗者の操作技量が低い、又は搭乗者に身体的不具合がある、と判断すると、所定閾値Nを減少させてもよい。これにより、通常よりも早いタイミングで倒立制御の異常を判断できるため、搭乗者の操作不慣れな状況等を予め検知し、倒立型移動体1、2における上記異常制御を迅速かつ確実に抑制できる。
上記第1及び第2実施形態において、位置偏差ΔP、ΔP1の所定閾値Nは、段階的に増加する複数の閾値N(1)〜N(k)(N(1)<N(2)<・・・・<N(k))により構成されていてもよい。この場合、異常判断部235は、位置偏差算出部234からの位置偏差ΔP、ΔP1と、複数の閾値N(1)〜N(k)と、を夫々比較することで、例えば、位置偏差ΔP、ΔP1がどの閾値N(1)〜N(k)を超えたレベルにあるかを判断することができる。したがって、倒立制御の異常の度合い(レベル)を段階的に判断することが可能となる。さらに、倒立制御部232は、異常判断部235により判断された上記異常の度合いに応じて、所定のゲイン値Gを増減させてもよい。例えば、異常の度合いが高いほど、所定のゲイン値Gをより大きく減少させてもよい。これにより、より効果的に倒立制御の異常を抑制することができる。
上記第1及び第2実施形態において、異常判断部235は、速度偏差算出部233、333により算出された速度偏差ΔV、ΔV1が所定閾値以上となるとき、倒立制御が異常であると判断してもよい。
本発明の第1実施形態に係る倒立型移動体を概略的に示す概念図である。 図1に示す倒立型移動体を側方から見た側面図であり、倒立状態の倒立型移動体を示す図である。 図1に示す倒立型移動体を側方から見た側面図であり、補助輪を接地させた状態の倒立型移動体を示す図である。 第1実施形態に係る倒立型移動体の制御ユニットにおける概略の構成を示す図であり、制御ユニットを上方から見た図である。 第1実施形態に係る倒立型移動体の制御ユニットの制御部におけるシステム構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る倒立型移動体の処理フローの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る倒立型移動体の処理フローの一例を示すフローチャートである。 (a)不感帯幅と不感帯処理前の速度偏差ΔVと時間との関係の一例を示す図である。(b)不感帯処理後の速度偏差ΔV1と時間との関係の一例を示す図である。(c)所定閾値と位置偏差ΔP1と時間との関係の一例を示す図である。 (a)倒立型移動体における実際の速度と目標速度との関係の一例を示す図である。(b)倒立型移動体の加速時および減速時に、所定の不感帯幅を増加させた状態の一例を示す図である。
符号の説明
1、2 倒立型移動体
17a、17b 補助輪
18a ジャイロセンサ
20 制御ユニット
23 制御部
24 回転センサ
31 第1駆動輪
32 第2駆動輪
231 目標速度設定部
232 倒立制御部
233 速度偏差算出部
234 位置偏差算出部
235 異常判断部

Claims (17)

  1. 駆動輪の回転速度を検出する速度検出部と、
    前記駆動輪の目標回転速度を設定する目標速度設定部と、
    前記駆動輪を制御して、当該倒立型移動体の倒立制御を行う倒立制御部と、を備える倒立型移動体であって、
    前記速度検出部により検出された前記回転速度と、前記目標速度設定部により設定された前記目標回転速度と、の速度偏差を算出する速度偏差算出部と、
    前記速度偏差算出部により算出された前記速度偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断する異常判断部と、を備える、ことを特徴とする倒立型移動体。
  2. 請求項1記載の倒立型移動体であって、
    前記速度偏差算出部により算出された前記速度偏差に基づいて、前記駆動輪の位置偏差を算出する位置偏差算出部を更に備え、
    前記異常判断部は、前記位置偏差算出部により算出された前記位置偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  3. 請求項2記載の倒立型移動体であって、
    前記速度偏差算出部は、前記算出した速度偏差が所定の不感帯幅以内となるとき、該算出した速度偏差を減少させる不感帯処理を行い、
    前記位置偏差算出部は、前記不感帯処理された速度偏差に基づいて、前記位置偏差を算出する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  4. 請求項3記載の倒立型移動体であって、
    前記速度偏差算出部は、当該倒立型移動体の走行状態に応じて、前記所定の不感帯幅を変更する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  5. 請求項4記載の倒立型移動体であって、
    前記速度偏差算出部は、当該倒立型移動体の速度又は加速度に応じて、前記所定の不感帯幅を変更する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  6. 請求項5記載の倒立型移動体であって、
    前記速度偏差算出部は、当該倒立型移動体の加速時又は減速時に、前記所定の不感帯幅を増加させる、ことを特徴とする倒立型移動体。
  7. 請求項2乃至6のうちいずれか1項記載の倒立型移動体であって、
    前記異常判断部は、前記位置偏差算出部により算出された前記位置偏差と、所定閾値とを比較することで、前記倒立制御が異常であるか否かを判断する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  8. 請求項7記載の倒立型移動体であって、
    当該倒立型移動体の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得部を更に備え、
    前記異常判断部は、前記周辺環境情報取得部により取得された前記周辺環境情報に応じて、前記所定閾値を変更する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  9. 請求項7又は8記載の倒立型移動体であって、
    搭乗者に関する搭乗者情報を取得する搭乗者情報取得部を更に備え、
    前記異常判断部は、前記搭乗者情報取得部により取得された前記搭乗者情報に応じて、前記所定閾値を変更する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項記載の倒立型移動体であって、
    前記倒立制御部は、前記異常判断部による前記判断結果に基づいて、前記倒立制御を行う、ことを特徴とする倒立型移動体。
  11. 請求項1乃至10のうちいずれか1項記載の倒立型移動体であって、
    当該倒立型移動体の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部を更に備え、
    前記倒立制御部は、前記傾斜角度検出部により検出された前記傾斜角度に、所定のゲイン値を乗じて得られるトルクを前記駆動輪に発生させており、
    前記異常判断部により、前記倒立制御が異常であると判断されたとき、前記倒立制御部は、前記所定のゲイン値を増減させることで、前記倒立制御の異常を抑制する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  12. 請求項1乃至11のうちいずれか1項記載の倒立型移動体であって、
    路面に対して接触又は非接触となる補助輪を更に備え、
    前記異常判断部により、前記倒立制御が異常であると判断されたとき、前記倒立制御部は、前記補助輪を路面に対して接触させる、ことを特徴とする倒立型移動体。
  13. 請求項7乃至12のうちいずれか1項記載の倒立型移動体であって、
    前記所定閾値は、段階的に増加する複数の閾値により構成されており、
    前記異常判断部は、前記位置偏差算出部により算出された前記位置偏差と、前記複数の閾値と、を段階的に比較することで、前記異常の度合を判断する、ことを特徴とする倒立型移動体。
  14. 駆動輪の回転速度を検出する速度検出工程と、
    前記駆動輪の目標回転速度を設定する目標速度設定工程と、
    前記駆動輪を制御して、当該倒立型移動体の倒立制御を行う倒立制御工程と、を含む倒立型移動体の異常判断方法のであって、
    前記速度検出工程で検出された前記回転速度と、前記目標速度設定工程で設定された前記目標回転速度と、の速度偏差を算出する速度偏差算出工程と、
    前記速度偏差算出工程で算出された前記速度偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断する異常判断工程と、を含む、ことを特徴とする倒立型移動体の異常判断方法。
  15. 請求項14記載の倒立型移動体の異常判断方法であって、
    前記速度偏差算出工程で算出された前記速度偏差に基づいて、前記駆動輪の位置偏差を算出する位置偏差算出工程を更に含み、
    前記異常判断工程において、前記位置偏差算出工程で算出された前記位置偏差に基づいて、前記倒立制御が異常であるか否かを判断する、ことを特徴とする倒立型移動体の異常判断方法。
  16. 請求項15記載の倒立型移動体の異常判断方法であって、
    前記速度偏差算出工程は、前記算出した速度偏差が所定の不感帯幅以下となるとき、該算出した速度偏差を減少させる不感帯処理工程を含み、
    前記位置偏差算出工程において、前記不感帯処理工程後の前記速度偏差に基づいて、前記位置偏差を算出する、ことを特徴とする倒立型移動体の異常判断方法。
  17. 請求項14乃至16のうちいずれか1項記載の倒立型移動体であって、
    前記倒立制御工程において、前記異常判断工程での前記判断結果に基づいて、前記倒立制御を行う、ことを特徴とする倒立型移動体の異常判断方法。
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