JP2004116756A - 作業車の走行制御装置 - Google Patents

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Yoshihiro Ueda
上田  吉弘
Yukifumi Yamanaka
山中  之史
Yuji Kato
加藤 裕治
Shigeki Hayashi
林 繁樹
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Abstract

【課題】旋回走行するときの旋回性能を向上させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供する。
【解決手段】左右一対の走行装置を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置11R、11Lと、それを各別に変速操作自在な変速操作手段30と、走行制御を実行する制御手段31とが備えられ、旋回指令手段にて旋回が指令されたときには、左右一対の無段変速装置11R、11Lの速度比率が指令される旋回半径に対応する速度比率となるように目標回転速度を求め、その目標回転速度が低いほど狭くなる形態で制御不感帯を定めて、旋回中心側の無段変速装置の出力回転速度が、目標回転速度に対する制御不感帯内に収まるように、変速操作手段30を作動させる。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、直進及び旋回を指令自在で且つ旋回するときの旋回半径の大きさを指令自在な旋回指令手段と、直進走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、直進及び旋回を行うべく前記変速操作手段を作動させる走行制御を実行する制御手段とが備えられている作業車の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成の作業車の走行制御装置は、例えばコンバイン等の作業車に適用されるものであり、従来では、次のような構成のものがあった。
つまり、前記一対の無段変速装置として静油圧式の無段変速装置を用いて、変速操作手段として一対の電動モータが設けられ、各電動モータにより一対の無段変速装置の被操作体としてのトラニオンレバーを操作する構成とし、前記制御手段としてのコントローラが、前記走行制御として、旋回が指令されている状態においては、旋回指令手段としてのパワステレバーの旋回用の操作角度が大になり指令される旋回半径が小さくなるほど旋回中心側の無段変速装置を減速させて一対の無段変速装置の回転速度の比率を変化させる形態で、各別に設定される目標回転速度になるように各電動モータにより一対の無段変速装置を作動させ、直進が指令されている状態においては、前記一対の回転センサの検出値夫々と、車速指令手段としての主変速レバーにて指令される車速指令値とが等しくなるように、変速操作手段を作動させるように構成したものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−172871号公報(第3頁―第5頁、図4、図6)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、直進状態や旋回状態における変速操作手段の具体的な制御構成については言及はしていないが、一般的に行われる制御を単純に適用した場合であれば、例えば、直進状態であれば車速指令手段による車速指令値つまり目標回転速度と左右一対の回転センサにて検出される一対の無段変速装置夫々の実際の回転速度との偏差を夫々計算し、それらの偏差が小さくなるように、各無段変速装置の夫々に対して各別にPI制御やPID制御等により作動が制御されることになる。又、旋回状態であれば、旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように各別に設定された目標回転速度と、左右一対の回転センサにて検出される一対の無段変速装置夫々の実際の出力回転速度との偏差を夫々計算し、それらの偏差が小さくなるように、各無段変速装置の夫々に対して各別にPI制御やPID制御等により作動が制御されることになる。
そして、無段変速装置の実際の出力回転速度と目標回転速度との偏差が小さくなるように制御する場合、目標回転速度に対する制御不感帯を定めて回転センサにて検出される無段変速装置の実際の出力回転速度がこの制御不感帯内に収まるように制御されることになるが、従来では、この制御不感帯の幅は予め定めた一定の値にて制御が行われるものであった。
【0005】
上記従来構成においては、上記したように目標回転速度に対する制御不感帯の幅が常に一定にした状態で制御が行われるものであるから、次のような不利な面があった。
例えば、旋回走行している場合、旋回指令手段にて指令される旋回半径が小さくなるほど、旋回中心側の無段変速装置を減速させて一対の無段変速装置の出力回転速度の比率を変化させる形態で目標回転速度が設定されるので、旋回中心側の無段変速装置に対する目標回転速度は旋回半径が小さくなるほど低速の値となるが、目標回転速度に対する制御不感帯の幅が常に一定にした状態で制御が行われると、旋回半径が大きく出力回転速度が高速である場合と、旋回半径が小さく出力回転速度が低速である場合とでは、出力回転速度に対する制御不感帯幅の割合が異なったものとなる。そうすると、旋回半径が小さくなるほど旋回中心側の無段変速装置の出力回転速度に対する制御不感帯幅の割合が相対的に大きくなり、旋回指令手段による指令される旋回半径に対して実際の車体の旋回半径の精度が悪くなるおそれがある。
【0006】
又、旋回走行するときに、旋回中心から離れる側の無段変速装置の出力回転速度を変更させた場合や、エンジンに対するアクセル設定値を変更させた場合には、無段変速装置の回転速度が変化することになり、例えば、旋回指令手段により同じ旋回半径が指令されていても、無段変速装置の回転速度の違いによって回転速度に対する制御不感帯幅の割合が異なったものとなる。そうすると、例えば、制御の安定性を考慮して制御不感帯の幅を広く設定した場合であれば、回転速度が低速になるほど回転速度に対する制御不感帯幅の割合が相対的に大きなものとなって、旋回指令手段による指令される旋回半径に対して実際の車体の旋回半径の精度が悪くなるおそれがある。
【0007】
このような不利は直進走行している場合においても同様に生じるものである。つまり、車速指令手段にて指令される車速指令値が変更された場合には、車速指令値として高速が指令された場合と低速が指令された場合とでは、回転速度に対する制御不感帯幅の割合が異なったものとなり、その結果、例えば、制御の安定性を考慮して不感帯を広く設定した場合であれば、車速指令値が低速になると、左右の無段変速装置夫々の出力回転速度に対する速度調整に対する精度が低下して、直進走行する場合における直進性についての精度が悪くなるおそれがある。
【0008】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、旋回走行するときの旋回性能を向上させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供する点にある。
【0009】
本発明の別の目的は、直進走行するときの直進性の向上を図ることが可能となる作業車の走行制御装置を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の作業車の走行制御装置は、左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、直進及び旋回を指令自在で且つ旋回するときの旋回半径の大きさを指令自在な旋回指令手段と、直進走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、直進及び旋回を行うべく前記変速操作手段を作動させる走行制御を実行する制御手段とが備えられているものであって、
前記一対の無段変速装置の出力回転速度を各別に検出する一対の変速出力検出手段が備えられ、
前記制御手段が、前記走行制御として、
前記旋回指令手段にて旋回が指令されたときには、前記変速出力検出手段にて検出される旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置の出力回転速度を基準として、左右一対の無段変速装置の出力回転速度の速度比率が前記旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように前記旋回中心側に位置する無段変速装置の目標回転速度を求める目標回転速度設定処理、及び、
その目標回転速度が低いほど狭くなる形態で前記目標回転速度に対する制御不感帯を定めて、前記旋回中心側に位置する無段変速装置の出力回転速度が、前記目標回転速度に対する前記制御不感帯内に収まるように、前記変速出力検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる速度調整処理を夫々実行するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
すなわち、制御手段が、旋回指令手段にて旋回が指令されたときには、旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置の出力回転速度を基準として、左右一対の無段変速装置の出力回転速度の速度比率が旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように旋回中心側に位置する無段変速装置の目標回転速度を求めて、旋回中心側に位置する無段変速装置の出力回転速度がこの目標回転速度になるように制御することになるが、そのとき、目標回転速度が低いほど狭くなる形態で目標回転速度に対する制御不感帯を定めて、旋回中心側に位置する無段変速装置の出力回転速度が、目標回転速度に対する制御不感帯内に収まるように、変速操作手段を作動させるのである。
【0012】
従って、旋回指令手段にて指令される旋回半径が大きく目標回転速度が高速側であれば制御不感帯が広く、旋回指令手段にて指令される旋回半径が小さく目標回転速度が低速になるほど制御不感帯が狭くなるので、目標回転速度が変化しても目標回転速度に対する制御不感帯の割合が変化せず、小さい旋回半径が指令された場合であっても、旋回指令手段による指令される旋回半径に対して実際の車体の旋回半径の精度が低下することがなく、旋回走行するときの旋回性能を向上させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供できるに至った。
【0013】
請求項2に記載の作業車の走行制御装置は、請求項1において、前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段と、直進状態における目標車速を指令する車速指令手段とが備えられ、
前記制御手段が、前記走行制御として、
前記旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置における前記被操作体の変速位置が前記目標車速に対応する目標変速位置になるように、前記変速位置検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる変速位置調整処理を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
つまり、左右一対の無段変速装置のうち、出力回転速度の速度比率に対する基準となる旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置は、被操作体の変速位置が目標変速位置になるように制御されるので、例えば、走行負荷の変動等によって出力回転速度が変化しても被操作体の変速位置に対する目標変速位置は変化しない。そして、反対側の無段変速装置の出力回転速度は、基準側の無段変速装置の出力回転速度を基準として、旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率になるように速度調整される。つまり、走行負荷の変動等によりエンジン回転速度が変動するような場合においては、左右一対の無段変速装置は出力回転速度が変化するものの、左右一対の無段変速装置は、ほぼ同じような速度比率を維持して追従しながら変化することになり、誤差の少ない状態で旋回指令手段にて指令された旋回半径にて適正に旋回走行することが可能となる。
【0015】
請求項3記載の作業車の走行制御装置は、左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、直進及び旋回を指令自在で且つ旋回するときの旋回半径の大きさを指令自在な旋回指令手段と、直進走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、直進及び旋回を行うべく前記変速操作手段を作動させる走行制御を実行する制御手段とが備えられている作業車の走行制御装置であって、前記一対の無段変速装置の出力回転速度を各別に検出する一対の変速出力検出手段が備えられ、
前記制御手段が、前記走行制御として、
前記旋回指令手段にて直進が指令されたときには、前記一対の無段変速装置のうち基準用の条件を満たすいずれか一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置とし他方を追従側の無段変速装置として、基準側の無段変速装置の出力回転速度を同期用目標速度として求める同期速度設定処理、及び、
その同期用目標速度が低いほど狭くなる形態で前記同期用目標速度に対する制御不感帯を定めて、前記追従側の無段変速装置の出力回転速度が前記同期用目標速度に対する制御不感帯内に収まるように、前記変速出力検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる速度同期処理を夫々実行するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、制御手段が、旋回指令手段にて直進が指令されたときには、一対の無段変速装置のうち基準用の条件を満たすいずれか一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置とし他方を追従側の無段変速装置として、基準側の無段変速装置の出力回転速度を同期用目標速度として求めて、追従側の無段変速装置の出力回転速度が前記同期用目標速度になるように制御するのであるが、そのとき、同期用目標速度が低いほど狭くなる形態で同期用目標速度に対する制御不感帯を定めて、追従側の無段変速装置の出力回転速度が同期用目標速度に対する制御不感帯内に収まるように、変速操作手段を作動させるのである。
【0017】
従って、追従側の無段変速装置の出力回転速度が高速側であれば制御不感帯が広く、追従側の無段変速装置の出力回転速度が低速になるほど制御不感帯が狭くなるので、例えば、車速指令手段による車速指令値が変化して同期用目標速度が変化しても、同期用目標速度に対する制御不感帯の割合が変化せず、車速指令値として低速が指令された場合であっても、基準側の無段変速装置の出力回転速度に対する追従側の無段変速装置の出力回転速度に対する速度調整に対する精度が低下して、直進走行する場合における直進性についての精度が低下することがなく、直進走行するときの直進性の向上を図ることが可能となる作業車の走行制御装置を提供できるに至った。
【0018】
請求項4記載の作業車の走行制御装置は、請求項3において、前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段と、直進状態における目標車速を指令する車速指令手段とが備えられ、
前記制御手段が、前記走行制御として、
前記基準側の無段変速装置における前記被操作体の変速位置が前記目標車速に対応する目標変速位置になるように、前記変速位置検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる変速位置調整処理を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
このように、基準側の無段変速装置は被操作体の変速位置が目標変速位置になるように制御されるので、例えば、走行負荷の変動等によって出力回転速度が変化しても被操作体の変速位置に対する目標変速位置は変化しない。そして、追従側の無段変速装置は、基準側の無段変速装置の出力回転速度と同じか又はほぼ同じになるように速度調整される。つまり、走行負荷の変動等によりエンジン回転速度が変動するような場合には、左右一対の無段変速装置は出力回転速度が変化するものの、左右一対の無段変速装置はほぼ同じような速度で追従しながら変化することになり、左右の走行装置は走行速度が大きく変動することがなく、適正に直進走行することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る作業車の走行制御装置の実施形態を作業車の一例としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
【0021】
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、走行装置の一例である左右一対のクローラ式走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀処理並びに選別処理を実行する脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成することによって構成されている。
【0022】
図2に示すように、このコンバインは、エンジン7からの動力を、ベルトテンション式の主クラッチ8を介してミッションケース9の入力軸10に伝達し、この入力軸10から走行用の一対の無段変速装置11R、11Lに分配伝達し、走行用の一方の無段変速装置11Lによる変速後の動力を左側のギヤ式の副変速装置13Lを介して左側のクローラ式走行装置1Lに伝達し、走行用の他方の無段変速装置11Rによる変速後の動力を、右側のギヤ式の副変速装置13Rを介して右側のクローラ式走行装置1Rに伝達するようにして走行駆動用の伝動機構を構成している。一方、エンジン7からの動力が作業用の無段変速装置12にも供給され、その作業用の無段変速装置12による変速後の動力を、ベルトテンション式の刈取クラッチ14を介して刈取搬送装置3に伝達するようにして刈取作業用の伝動機構を構成している。左右のギヤ式の副変速装置13R、13Lは、前記各無段変速装置11R、11Lの変速後の動力を高低2段に切り換え自在に構成されている。又、搭乗運転部6には、前後方向に揺動操作可能な単一の副変速レバー25が設けられ、この副変速レバー25は、図示しない連係機構を介してギヤ式の副変速機構13R、13Lに連係されており、副変速レバー25の操作によって、走行用の各無段変速装置11R、11Lによる変速後の動力を高低2段に変速できるようになっている。
【0023】
走行用の各無段変速装置11R、11Lは、アキシャルプランジャ形式で可変容量型のピストンポンプ19とピストンモータ20とを夫々備えて静油圧式の無段変速装置として構成され、作業用の無段変速装置12も同様に、アキシャルプランジャ形式で可変容量型のピストンポンプ21とピストンモータ22とを備えて静油圧式無段変速装置として構成され、左右のクローラ式走行装置1R、1L夫々の走行方向を前進方向並びに後進方向に切り換え且つ走行速度を無段階に変速することができる構成となっている。
【0024】
そして、図3に示すように、走行用の各無段変速装置11R、11Lを各別に変速操作する変速操作手段としての油圧式の走行用操作機構30と、作業用の無段変速装置12を変速操作する油圧式の作業用操作機構36とが夫々備えられている。前記走行用操作機構30は、走行用の各無段変速装置11R、11Lの夫々におけるトラニオン軸29(被操作体の一例)に連動連結された一対の複動型の油圧シリンダ33R、33Lと、これらの各油圧シリンダ33R、33Lに対する正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の給油用電磁弁34Aと、前記一対の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用電磁弁34Bとを備えて構成されている。前記各油圧シリンダ33R、33Lは、内装されるバネの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
【0025】
前記作業用操作機構36も同様に、作業用の無段変速装置12におけるトラニオン軸37に連動連結されるとともに、内装されるバネの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成の複動型の油圧シリンダ40と、この油圧シリンダ40に対する正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の給油用電磁弁41Aと、前記一対の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用電磁弁41Bとを備えて構成されている。
【0026】
前記各給油用電磁弁34A、41Aは、バネの付勢力によってスプールを給油停止状態に移動付勢する構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油を供給する状態に切り換える構成となっており、又、前記各排油用電磁弁34B、41Bは、バネの付勢力によってスプールを排出状態に移動付勢される構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油の排出を停止する状態に切り換わる構成となっている。
【0027】
上記したような無段変速装置11R、11Lの変速動作の概略について説明を加えると、図4に示すように、トラニオン軸29の変速位置が中立域にあれば変速出力(走行速度)は零となり、トラニオン軸29の変速位置がその中立域から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、トラニオン軸29が中立域から所定方向と反対方向に回動操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
【0028】
搭乗運転部6には、走行停止を指令する停止用指令位置としての中立位置を含む所定操作範囲内で車体前後方向に沿って移動自在で、且つ、中立位置からの前方側への移動操作量が大きくなるほど高速となる直進走行用の車速指令値としての目標車速を指令し、中立位置からの後方側への移動操作量が大きくなるほど高速となる目標車速を指令する単一の主変速レバー24、及び、左右方向に沿って所定の左右操作範囲にわたり揺動操作可能な単一の旋回レバー26などが装備されている。そして、図3に示すように、主変速レバー24の操作位置を検出する変速レバーセンサ27と、旋回レバー26の操作位置を検出する操作位置検出手段としての旋回レバーセンサ28とが夫々設けられ、それらは共に回転式のポテンショメータにて構成されている。
前記主変速レバー24と変速レバーセンサ27により車速指令手段が構成され、旋回レバー26と旋回レバーセンサ28により旋回指令手段が構成される。
【0029】
又、走行用の一対の無段変速装置11R、11Lには、それらの出力回転速度を各別に検出する変速出力検出手段としての回転速度センサ44、45と、夫々の無段変速装置11R、11Lの変速位置、すなわち、一対の油圧シリンダ33R、33Lによる夫々のトラニオン軸29の操作角度を検出する変速位置検出手段としての回転式のポテンショメータにて構成される変速位置センサ46、47とが夫々備えられている。尚、作業用の無段変速装置12にも同様に回転速度センサ51が設けられる。
【0030】
そして、直進及び旋回を行うべく前記走行用操作機構30を作動させる走行制御を実行する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置31が備えられ、この制御装置31は、走行制御として、主変速レバー24にて指令される目標車速で車体を直進走行させるべく走行用操作機構30を作動させる直進制御を実行するとともに、旋回レバー26にて指令された旋回を行うべく走行用操作機構30を作動させる旋回制御を夫々実行する構成となっている。
【0031】
前記直進制御について簡単に説明すると、図5に示すように、旋回レバー26が直進指令位置に操作されて直進が指令されている状態で、主変速レバー24が操作可能範囲のほぼ中間に位置する中立位置に操作されると走行停止状態となり、中立位置から前進側へ揺動操作されるとそれに伴って前進側への走行速度が無段階で高速となる目標車速が指令され、中立位置から後進側へ操作されるとそれに伴って後進側への走行速度が無段階で高速となる目標車速が指令される。
そして、左右一対の無段変速装置11R、11L夫々のトラニオン軸29が目標車速に対応する目標変速位置から離れているときは、左右一対の無段変速装置11R、11L夫々のトラニオン軸29の変速位置が共に目標車速に対応する目標変速位置になるように走行用操作機構30を作動させる変速操作処理を実行する。そして、いずれかの無段変速装置のトラニオン軸29が目標変速位置に至ると、前記一対の無段変速装置のうち基準用の条件を満たすいずれか一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置とし他方の無段変速装置を追従側の無段変速装置として基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置が目標車速に対応する目標変速位置になるように走行用操作機構30を作動させる変速位置調整処理と、基準側の無段変速装置の出力回転速度を同期用目標速度として求める同期速度設定処理、及び、その同期用目標速度が低いほど狭くなる形態で前記同期用目標速度に対する制御不感帯を定めて、前記追従側の無段変速装置の出力回転速度が前記同期用目標速度に対する制御不感帯内に収まるように、変速出力検出手段の検出情報に基づいて走行用操作機構30を作動させる速度追従処理の夫々を実行するように構成されている。
【0032】
次に、旋回制御について説明すると、制御装置31は、主変速レバー24が操作されて所定速度で走行しているときに、旋回レバー26が直進指令位置から左右いずれかの旋回指令範囲に揺動操作されると、前記直進指令位置から離れる側に操作されるほど旋回半径が小さくなる旋回状態となるように走行用操作機構30を作動させるように構成されている。
【0033】
説明を加えると、制御装置31は、一対の無段変速装置11R、11Lのうちの旋回中心から離れる側の無段変速装置を基準側の無段変速装置としてその基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置が目標車速に対応する目標変速位置になるように走行用操作機構30を作動させる変速位置調整処理と、前記基準側の無段変速装置の出力回転速度と反対側の無段変速装置の出力回転速度との速度比率が、旋回レバー26にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように反対側の無段変速装置の目標回転速度を求める目標回転速度設定処理と、その目標回転速度が低いほど狭くなる形態で前記目標回転速度に対する制御不感帯を定めて、前記旋回中心側に位置する無段変速装置の出力回転速度が、前記目標回転速度に対する前記制御不感帯内に収まるように、走行用操作機構30を作動させる回転速度調整処理とを夫々実行するように構成されている。
【0034】
以下、フローチャートに基づいて制御装置31の走行制御の処理動作について具体的に説明する。
図7に示すように、旋回レバー26が直進指令位置から左右いずれかの旋回指令範囲に揺動操作されて旋回が指令されると旋回制御を実行し、旋回レバーが直進指令位置にあり旋回が指令されていなければ直進制御を実行する(ステップ1、2、3)。
【0035】
次に、前記直進制御について説明する。
図8に示すように、左右一対の無段変速装置11R、11L夫々におけるトラニオン軸29の変速位置が共に主変速レバー24にて指令される目標車速に対応する目標変速位置に到達していなければ、変速位置センサ46,47にて検出される左右一対の無段変速装置11R、11L夫々のトラニオン軸29の変速位置が共に目標変速位置になるように走行用操作機構30を作動させる変速操作処理を実行する(ステップ4、5)。
【0036】
そして、少なくともいずれか一方の無段変速装置夫々におけるトラニオン軸29の変速位置が目標変速位置に到達すると、一対の無段変速装置のうち左側の無段変速装置のトラニオン軸29の変速位置が、右側の無段変速装置11Rのトラニオン軸29の変速位置よりも中立域から遠い側に位置する場合には、前記基準用の条件が満たされているものとして、左側の無段変速装置11Lを基準側の無段変速装置とし、反対側の中立域に近い側に位置する右側の無段変速装置11Rを追従制御する無段変速装置として、変速位置センサ47にて検出される左側の無段変速装置11Lにおけるトラニオン軸29の変速位置が目標変速位置になるように走行用操作機構30を作動させる(ステップ6,7)。次に、その左側の無段変速装置11Lにおける出力速度を回転速度センサ45にて検出して同期用目標速度として設定する同期速度設定処理を実行し(ステップ8)、その同期用目標速度が低いほど狭くなる形態で同期用目標速度に対する制御不感帯を定めて、右側の無段変速装置11Rの出力回転速度が前記同期用目標速度に対する制御不感帯内に収まるように、回転速度センサ44の検出情報に基づいて走行用操作機構30を作動させる速度追従処理を実行する(ステップ9)。
【0037】
この速度追従処理について説明を加えると、図9に示すように、前記同期用目標速度Ns1に対して予め実験等に基づいて適正が精度が得られるものとして求めた比率係数α(例えば、0.24%)を掛け合わせて制御不感帯に対応する速度偏差閾値Th1を求め(ステップ13)、回転速度センサにて検出される追従側の無段変速装置の出力回転速度と前記同期用目標速度との速度偏差ΔN1がこの速度偏差閾値Th1よりも大であれば、偏差を小さくするように、その偏差に対してPI制御にて走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して対応する油圧シリンダの作動を制御するのである(ステップ14、15)。尚、出力回転速度が同期用目標速度よりも高速である場合と低速である場合とがあり、速度偏差ΔN1は正負両側の値があるがステップ14では絶対値の大きさで判断することになる。又、正負両側の値を考慮した場合の制御不感帯の幅としては速度偏差閾値Th1の2倍の大きさになる。
【0038】
このように同期用目標速度に対して制御不感帯が一定の比率を掛けて求められるので、同期用目標速度が低速になるほど制御不感帯の幅は狭いものとなる。尚、前記比率係数αの具体例「0.24%」は、本出願人の実験により、左右の走行装置の間隔が約1200mmである場合に、車体が約10m走行直進したときに左右方向に約10cmずれる程度の精度に対応するものである。
【0039】
ステップ6において一対の無段変速装置のうち右側の無段変速装置11Rのトラニオン軸29の変速位置が左側の無段変速装置11Lのトラニオン軸29の変速位置よりも中立域から遠い側に位置する場合には、右側の無段変速装置11Rを基準側の無段変速装置とし、反対側の中立域に近い側に位置する左側の無段変速装置11Lを追従制御する無段変速装置として,上記ステップ7、8、9と同様な処理を実行する(ステップ10、11、12)。
【0040】
次に前記旋回制御について説明する。
図10に示すように、例えば右方向に旋回が指令されている場合には(ステップ16)、旋回中心に対して離れる側に位置する無段変速装置である左側の無段変速装置11Lを基準側の無段変速装置として、その左側の無段変速装置11Lにおけるトラニオン軸29の変速位置が目標変速位置になるように変速操作を行うべく走行用操作機構30を作動させる(ステップ17)。具体的には、変速位置センサ47にて検出されるトラニオン軸29の変速位置と目標変速位置との偏差を求めて、その偏差が小さくなるように比例制御に基づいて走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して油圧シリンダ33Rの作動を制御するのである。
【0041】
次に、左側の無段変速装置11Lの出力回転速度を回転速度センサ45にて検出して、左側の無段変速装置11Lの出力回転速度と右側の無段変速装置11Rの出力回転速度との速度比率が、旋回レバー26にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように右側の無段変速装置11Rの目標回転速度を求める目標回転速度設定処理を実行する(ステップ18)。
【0042】
図6に示すように、旋回レバー26の操作位置に対する左右の無段変速装置11R、11Lの速度比率の関係が予め設定されて記憶されており、この関係と、旋回レバー26の操作位置による指令情報とに基づいて、右側の無段変速装置11Rの目標回転速度を求めるのである。図6に示す関係について説明を加えると、この図は、旋回レバー26の操作位置の変化に対して、基準側すなわち旋回中心に対して離れる側に位置する無段変速装置の出力回転速度Vを基準として、旋回中心側に位置する無段変速装置の速度比率の変化を示している。ステップ4では、右側の無段変速装置11Rが旋回中心側に位置する無段変速装置であるから、この速度比率から右側の無段変速装置11Rの目標回転速度を求めることになる。
【0043】
この図から明らかなように、旋回レバー26の操作位置に対する速度比率が、旋回レバー26による中立位置からの移動量が大になるほど、旋回レバー26の操作位置の単位量当たりの変化に対して漸次大側に変化する形態で、且つ、中立位置から離れる方向への移動量が大になるほど、旋回レバーの操作位置の単位量あたりの変化に対する旋回半径の変化量を大側に変化させる二次関数として設定されている。しかも、旋回レバー26の移動量が最も大きい最大操作位置に操作されたときの速度比率が互いに異なる形態の複数(図6に示す例では4種類)の旋回モードが選択可能に構成されている。そして、旋回モードを切り換えるためのモード切換スイッチ42が設けられており、このモード切換スイッチ42による切換指令が制御装置31に与えられて、制御装置31は、その切換指令に基づいていずれの曲線を利用して目標回転速度を求めるかを決定するようになっている。
【0044】
図9に示す4種類の旋回モードについて説明すると、旋回レバー26が最大操作位置にまで操作されたときに、旋回中心側の無段変速装置の出力回転速度が反対側の無段変速装置の出力回転速度Vの約1/3の速度にまで減速されるモード(L1)、旋回中心側の無段変速装置の出力回転速度が零となるまで減速されるモード(L2)、旋回中心側の無段変速装置の出力回転速度が反対側の無段変速装置の駆動回転方向とは逆回転方向で反対側の無段変速装置の出力回転速度Vの約1/3の速度になるモード(L3)、旋回中心側の無段変速装置の出力回転速度が反対側の無段変速装置の駆動回転方向とは逆回転方向で反対側の無段変速装置の出力回転速度Vと同程度の速度になるモード(L4)が夫々設定されている。
【0045】
そして、前記目標回転速度が低いほど狭くなる形態で前記目標回転速度に対する制御不感帯を定めて、前記旋回中心側に位置する無段変速装置の出力回転速度が、前記目標回転速度に対する前記制御不感帯内に収まるように、走行用操作機構30を作動させる(ステップ19)。具体的には、図11に示すように、前記目標回転標速度Ns2に対して前記比率係数εを掛け合わせて制御不感帯に対応する速度偏差閾値Th2を求め(ステップ23)、追従側の無段変速装置の出力回転速度と前記目標回転速度との速度偏差ΔN2がこの速度偏差閾値Th2よりも大であれば、その偏差に対してPI制御にて走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して対応する油圧シリンダの作動を制御するのである(ステップ24、25)。尚、出力回転速度が目標回転速度よりも高速である場合と低速である場合とがあり、速度偏差ΔN2は正負両側の値があるがステップ14では絶対値の大きさで判断することになる。又、正負両側の値を考慮した場合の制御不感帯の幅としては速度偏差閾値Th1の2倍の大きさになる。
【0046】
このように同期用目標速度に対して制御不感帯が一定の比率を掛けて求められるので、同期用目標速度が低速になるほど制御不感帯の幅は狭いものとなる。従って、旋回半径が小さくなるほど制御不感帯も狭くなるから旋回半径に対する精度が向上するものとなる。尚、前記比率係数としては直進走行の場合と同じでもよいが、実験結果に基づいて旋回走行に適した値に適宜変更して実行するようにしてもよい。
【0047】
前記ステップ16にて旋回方向として左方向が指令されていると判断された場合には、右側の無段変速装置11Rを基準側の無段変速装置として制御される対象が左右反対になるが、ステップ17〜19と同様な処理を実行する(ステップ20〜22)。
【0048】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0049】
(1)上記実施形態では、旋回指令手段にて旋回が指令されたときに、旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が前記目標車速に対応する目標変速位置になるように、変速位置センサの検出情報に基づいて変速操作手段を作動させる変速位置調整処理を実行するように構成したが、このような構成に代えて、旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置に対しても、回転速度センサにて検出される出力回転速度が前記目標車速になるように変速操作手段を作動させる構成としてもよい。
【0050】
(2)上記実施形態では、旋回指令手段にて直進が指令されたときに、前記基準側の無段変速装置における前記トラニオン軸の変速位置が前記目標車速に対応する目標変速位置になるように、前記変速位置センサの検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる変速位置調整処理を実行する構成としたが、このような構成に代えて、基準側の無段変速装置に対しても回転速度センサにて検出される出力回転速度が前記目標車速になるように変速操作手段を作動させる構成としてもよい。
【0051】
(3)上記実施形態では、前記旋回指令手段にて旋回が指令されたときだけでなく、旋回指令手段にて直進が指令されたときにも、目標速度が低いほど狭くなる形態で目標速度に対する制御不感帯を定めて、無段変速装置の出力回転速度が目標速度に対する制御不感帯内に収まるように変速操作手段を作動させる構成としたが、直進状態においてはこのような制御を実行せず、常に一定の不感帯で制御を実行する構成としてもよい。
【0052】
(4)上記実施形態では、前記旋回指令手段にて直進が指令されたときだけでなく、旋回指令手段にて旋回が指令されたときにも、目標速度が低いほど狭くなる形態で目標速度に対する制御不感帯を定めて、無段変速装置の出力回転速度が目標速度に対する制御不感帯内に収まるように変速操作手段を作動させる構成としたが、旋回状態においてはこのような制御を実行せず、常に一定の不感帯で制御を実行する構成としてもよい。
【0053】
(5)上記実施形態では、直進状態において、前記一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域から遠い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定めるよう構成するものを例示したが、このような構成に代えて、前記一対の無段変速装置のうち前記被操作体の変速位置が前記停止用変速位置から近い側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定める構成としたり、前記制御目標位置に至った無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定める構成とする等、各種の形態で実施してもよい。
【0054】
(6)上記実施形態では、前記旋回状態において、旋回中心に対して離れる側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置としたが、このような構成に限らず、旋回中心側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として変速位置調整処理を実行するようにしてもよい。
【0055】
(7)上記実施形態では、前記旋回レバーにて旋回が指令されているときにおいて、前記主変速レバーにて指令されている目標車速に対応するトラニオン軸の変速位置を前記目標変速位置として設定するように構成したが、このような構成に限らず、目標車速に対して例えば0.8〜1.2程度の所定の比率を掛けた車速に対応するトラニオン軸の変速位置を前記目標変速位置として設定するようにしてもよい。
【0056】
(8)上記実施形態では、無段変速装置のトラニオン軸を操作するアクチュエータとして、油圧シリンダを例示したが、油圧モータや電動モータ等他のアクチュエータを用いてもよい。
【0057】
(9)上記実施形態では、一対の無段変速装置として、静油圧式無段変速装置を用いたが、このような構成に代えて、例えば、ベルト式無段変速装置やテーパコーン型の無段変速装置と走行方向を前後で切り換えるための前後進切換機構とを組み合わせる構成としてもよい。又、このような構成と合わせて、前記車速指令手段として、所定操作範囲の一端側が走行停止を指令する停止指令位置になり、所定操作範囲の他端側が高速側の上限値になるように構成するものでもよい。
【0058】
(10)上記実施形態では、作業車としてコンバインを例示したが、本発明はコンバインに限らず、人参収穫機や大根収穫機など他の農作業車でもよく、又、農作業車に限らず建設機械等の作業車でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略縦断背面図
【図3】操作構造の構成を示す概略図
【図4】変速位置と変速出力との関係を示す図
【図5】主変速レバー操作位置と目標車速との関係を示す図
【図6】旋回レバーの位置と速度比率との関係を示す図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】制御動作のフローチャート
【符号の説明】
1R、1L    走行装置
11R、11L  無段変速装置
24       車速指令手段
26       旋回指令手段
29       被操作体
30       変速操作手段
31       制御手段
44、45    変速出力検出手段
46、47    変速位置検出手段

Claims (4)

  1. 左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、直進及び旋回を指令自在で且つ旋回するときの旋回半径の大きさを指令自在な旋回指令手段と、直進走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、直進及び旋回を行うべく前記変速操作手段を作動させる走行制御を実行する制御手段とが備えられている作業車の走行制御装置であって、
    前記一対の無段変速装置の出力回転速度を各別に検出する一対の変速出力検出手段が備えられ、
    前記制御手段が、前記走行制御として、
    前記旋回指令手段にて旋回が指令されたときには、前記変速出力検出手段にて検出される旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置の出力回転速度を基準として、左右一対の無段変速装置の出力回転速度の速度比率が前記旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように前記旋回中心側に位置する無段変速装置の目標回転速度を求める目標回転速度設定処理、及び、
    その目標回転速度が低いほど狭くなる形態で前記目標回転速度に対する制御不感帯を定めて、前記旋回中心側に位置する無段変速装置の出力回転速度が、前記目標回転速度に対する前記制御不感帯内に収まるように、前記変速出力検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる速度調整処理を夫々実行するように構成されている作業車の走行制御装置。
  2. 前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段と、直進状態における目標車速を指令する車速指令手段とが備えられ、
    前記制御手段が、前記走行制御として、
    前記旋回中心から離れる側に位置する無段変速装置における前記被操作体の変速位置が前記目標車速に対応する目標変速位置になるように、前記変速位置検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる変速位置調整処理を実行するように構成されている請求項1記載の作業車の走行制御装置。
  3. 左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、直進及び旋回を指令自在で且つ旋回するときの旋回半径の大きさを指令自在な旋回指令手段と、直進走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、直進及び旋回を行うべく前記変速操作手段を作動させる走行制御を実行する制御手段とが備えられている作業車の走行制御装置であって、
    前記一対の無段変速装置の出力回転速度を各別に検出する一対の変速出力検出手段が備えられ、
    前記制御手段が、前記走行制御として、
    前記旋回指令手段にて直進が指令されたときには、前記一対の無段変速装置のうち基準用の条件を満たすいずれか一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置とし他方を追従側の無段変速装置として、基準側の無段変速装置の出力回転速度を同期用目標速度として求める同期速度設定処理、及び、
    その同期用目標速度が低いほど狭くなる形態で前記同期用目標速度に対する制御不感帯を定めて、前記追従側の無段変速装置の出力回転速度が前記同期用目標速度に対する制御不感帯内に収まるように、前記変速出力検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる速度同期処理を夫々実行するように構成されている作業車の走行制御装置。
  4. 前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段と、直進状態における目標車速を指令する車速指令手段とが備えられ、
    前記制御手段が、前記走行制御として、
    前記基準側の無段変速装置における前記被操作体の変速位置が前記目標車速に対応する目標変速位置になるように、前記変速位置検出手段の検出情報に基づいて前記変速操作手段を作動させる変速位置調整処理を実行するように構成されている請求項3記載の作業車の走行制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006057696A (ja) * 2004-08-18 2006-03-02 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd 作業車両におけるhst変速装置の調節機構
JP2010152460A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Toyota Motor Corp 倒立型移動体及びその異常判断方法

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