JP2004116660A - 作業車の走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】増減速走行中及び変速操作の終了時のいずれの場合であっても良好に車体を直進走行させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供する。
【解決手段】左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置11R、11Lと、その一対の無段変速装置11R、11Lを各別に変速操作自在な変速操作手段30と、走行用の車速指令値を指令する車速指令手段24と、車速指令手段24にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく変速操作手段30を作動させる直進制御処理を実行する制御手段31とが備えられ、制御手段31が、増減変速中及び変速終了時の夫々において、一対の無段変速装置11R、11L夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で前記直進制御処理を実行するように構成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置11R、11Lと、その一対の無段変速装置11R、11Lを各別に変速操作自在な変速操作手段30と、走行用の車速指令値を指令する車速指令手段24と、車速指令手段24にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく変速操作手段30を作動させる直進制御処理を実行する制御手段31とが備えられ、制御手段31が、増減変速中及び変速終了時の夫々において、一対の無段変速装置11R、11L夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で前記直進制御処理を実行するように構成されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく前記変速操作手段を作動させる直進制御処理を実行する制御手段とが備えられている作業車の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成の作業車の走行制御装置は、例えばコンバイン等の作業車に適用されるものであり、従来では、次のような構成のものがあった。
つまり、前記一対の無段変速装置として静油圧式の無段変速装置を用いて、変速操作手段として一対の電動モータが設けられ、各電動モータにより一対の無段変速装置の被操作体としてのトラニオンレバーを操作する構成とし、前記制御手段としてのコントローラが、前記直進制御処理として、一対の回転センサにて各別に検出される一対の無段変速装置夫々の出力速度が、車速指令手段としての主変速レバーにて指令される車速指令値になるように、変速操作手段としての一対の電動モータを各別に制御することで直進走行を行うように構成したものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−172871号公報(第3頁―第4頁、図2、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、車速指令手段による車速指令値に基づく変速操作手段の具体的な制御構成については言及はしていないが、一般的に行われる制御を単純に適用した場合であれば、車速指令手段による車速指令値つまり目標回転速度と左右一対の回転センサにて検出される一対の無段変速装置夫々の実際の回転速度との偏差を夫々計算し、それらの偏差が小さくなるように、各無段変速装置の夫々に対して各別にPI制御やPID制御等により制御が行われることになる。
【0005】
ところで、上記従来構成においては、一対の無段変速装置夫々の出力速度が前記車速指令値になるように変速操作が行われるので、その変速操作が終了して、車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行している状態であれば、車体は良好に直進走行を行うことができるが、左右一対の無段変速装置の夫々が車速指令値に向けて増減速操作されているような場合においては、次のような不利な面があった。
【0006】
すなわち、上記従来構成においては、車速指令手段にて指令される車速指令値が変化して車体の走行速度を増速させたりあるいは減速させる増減速操作中においても、一対の無段変速装置に対する変速操作手段による変速操作は、各無段変速装置の夫々に対して各別にPI制御やPID制御等により行われるが、その増減速中並びに変速操作終了時において、左右一対の無段変速装置に対する変速操作手段による変速操作の応答性に差異が生じて、変速操作手段による一対の無段変速装置の変速状態に差が生じることがある。このように応答性に差がでるのは、例えば、無段変速装置自身の部品の個体差や組み付け誤差等が要因となる場合があり、それ以外に変速操作手段におけるアクチュエータの個体差等も要因として挙げられる。
【0007】
説明を加えると、例えば、図10(イ)のラインL1にて車速指令値の変化が示され、ラインL2及びラインL3にて左右一対の無段変速装置のトラニオン軸の変速位置の実変化状態を示している。この図に示すように車速指令手段にて指令される車速指令値が急激に大きな値に変化して、一対の無段変速装置の出力速度が車速指令値と等しくなるように変速操作する場合に、変更された車速指令値に向けて出力速度が変化する過程において、上記したような要因によって変速状態に差が生じて、ラインL2及びラインL3に示すように、単位時間当りの出力変化が左右の無段変速装置にて互いに異なると、直進走行を指令しているにもかかわらず、左右一対の走行装置の走行速度が少しだけ異なった状態となって車体が直進状態ではなく僅かに旋回しながら走行する状態になるという不都合が発生する。
【0008】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、増減速走行中及び変速操作の終了時において良好に車体を直進走行させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の作業車の走行制御装置は、左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく前記変速操作手段を作動させる直進制御処理を実行する制御手段とが備えられているものであって、前記制御手段が、増減変速中及び変速終了時の夫々において、前記一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で前記直進制御処理を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
すなわち、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で、車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく変速操作手段を作動させるので、増減変速中、つまり、車速指令手段にて指令される車速指令値が変化して車体の走行速度を増速させたりあるいは減速させているような場合、及び、このような増減変速が終了した時においても、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差が設定量以下に維持されるから、左右一対の走行装置の走行速度が異なって車体が斜め方向に走行するといった不都合を回避することができる。
【0011】
尚、無段変速装置の実変速状態としては、無段変速装置の実際の変速状態を示すものであればよく、例えば、無段変速装置において移動操作される被操作体の操作位置の情報や、無段変速装置の出力回転速度の情報等各種の情報を用いることができる。
【0012】
従って、変速操作が終了して車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行しているような場合だけでなく、増減速走行中及び変速終了時においても車体が斜め方向に走行するといった不都合を回避して良好に車体を直進走行させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供できるに至った。
【0013】
請求項2に記載の作業車の走行制御装置は、請求項1において、前記制御手段が、前記直進制御処理として、前記一対の無段変速装置を変速する制御目標変速状態を、前記一対の無段変速装置の実変速状態と前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する最終目標変速状態とに基づいて、単位時間あたりの変化量を設定量以下に規制する状態で繰り返し求めて、その求めた制御目標変速状態になるように前記一対の無段変速装置を変速することを行うように構成されていることを特徴とする。
【0014】
すなわち、一対の無段変速装置を変速する制御目標変速状態が単位時間あたりの変化量を設定量以下に規制する状態で求められて、その制御目標変速状態になるように一対の無段変速装置を変速することによって、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することになる。つまり、制御目標変速状態の単位時間あたりの変化量が設定量以下に規制されることにより、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の単位時間あたりの変化量が共に小さい値に抑制されることになるので、夫々の実変速状態の差が小さくほぼ同じである状態を維持しながら変速操作が行われていくことになり、一対の無段変速装置の変速状態の差を設定量以下に維持することができるのである。
【0015】
従って、車速指令手段にて指令される車速指令値が急激に異なる値に変化するような場合であっても、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持して良好に車体を直進走行させることが可能となる。
【0016】
請求項3記載の作業車の走行制御装置は、請求項2において、前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段が備えられ、前記制御手段が、前記直進制御処理として、前記一対の無段変速装置を変速する前記制御目標変速状態としての前記一対の被操作体の目標変速位置を、単位時間当りの変化量を設定量以下に規制する状態で求めて、前記一対の変速位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対の被操作体の変速位置夫々が前記目標変速位置になるように前記変速操作手段を作動させることを行うように構成されていることを特徴とする。
【0017】
すなわち、一対の変速位置検出手段の検出情報に基づいて、一対の被操作体の変速位置夫々が目標変速位置になるように変速操作手段を作動させることにより車体を直進走行させるのであるが、このとき、目標変速位置を単位時間当りの変化量を設定量以下に規制する状態で求めるので、一対の被操作体の単位時間当りの変化量が共に設定量以下の小さい値に抑制されることになり、一対の被操作体の変速位置の差が少なくほぼ同じである状態を維持しながら変速操作が行われることになる。
【0018】
このように変速操作手段にて操作される対象である被操作体の目標変速位置の単位時間当りの変化量を規制することにより、例えば、左右一対の無段変速装置の出力速度を検出して、それらの各出力速度の単位時間当りの変化量を設定量以下に規制するように制御するような構成とした場合には、無段変速装置の被操作体を操作して変速させた後、その結果として得られる出力速度の検出情報との間には少し時間遅れがあり制御応答の遅れ等のおそれがあるが、変速操作手段が操作する対象である被操作体の目標変速位置を上記したように規制することで、制御応答の遅れなどの少ない状態で適切に制御することが可能であり、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することを適正に行い易いものにできる。
【0019】
請求項4記載の作業車の走行制御装置は、請求項3において、前記一対の無段変速装置の出力速度を各別に検出する一対の変速出力検出手段が備えられ、前記制御手段が、前記直進制御処理として、前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一方の無段変速装置における被操作体の変速位置が前記目標変速位置との関連で定めた制御状態切換用位置になると、前記一対の変速出力検出手段の検出情報に基づいて、前記一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるように前記変速操作手段を作動させることを行うように構成されていることを特徴とする。
【0020】
すなわち、前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一方の無段変速装置における被操作体の変速位置が前記目標変速位置との関連で定めた制御状態切換用位置になり、変速操作が終了して車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行を行うような状態になると、前記一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるように前記変速操作手段を作動させることによって、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することになる。
【0021】
つまり、変速操作が終了して車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行しているような場合においては、増減速操作中のように高い応答性が要求されることはないので、無段変速装置の出力速度の検出結果に基づいて変速操作手段を作動させるようにしても制御応答の遅れなどの不都合はなく、しかも、一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるように前記変速操作手段を作動させるので、確実に一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することが可能となり、良好な直進走行状態を維持できるものとなる。
【0022】
請求項5記載の作業車の走行制御装置は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記車速指令手段が、走行停止用の車速指令値を指令する停止用指令位置を含む所定操作範囲内で移動自在で、且つ、停止指令位置からの移動操作量が大きくなるほど高速となる走行用の車速指令値を指令するレバー操作式の人為操作具にて構成されていることを特徴とする。
【0023】
すなわち、レバー操作式の人為操作具を停止用指令位置を含む所定操作範囲内で移動させて、停止指令位置からの移動操作量が大きくなるほど高速となる走行用の車速指令値を指令することができ、任意の車速を簡単な操作で指令することができ、車速指令操作が行い易いものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る作業車の走行制御装置の実施形態を作業車の一例としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、走行装置の一例である左右一対のクローラ式走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀処理並びに選別処理を実行する脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成することによって構成されている。
【0026】
図2〜4に示すように、このコンバインは、エンジン7からの動力を、ベルトテンション式の主クラッチ8を介してミッションケース9の入力軸10に伝達し、この入力軸10から走行用の一対の無段変速装置11R、11Lに分配伝達し、走行用の一方の無段変速装置11Lによる変速後の動力を左側のギヤ式の副変速装置13Lを介して左側のクローラ式走行装置1Lに伝達し、走行用の他方の無段変速装置11Rによる変速後の動力を、右側のギヤ式の副変速装置13Rを介して右側のクローラ式走行装置1Rに伝達するようにして走行駆動用の伝動機構を構成している。一方、エンジン7からの動力が作業用の無段変速装置12にも供給され、その作業用の無段変速装置12による変速後の動力を、ベルトテンション式の刈取クラッチ14を介して刈取搬送装置3に伝達するようにして刈取作業用の伝動機構を構成している。左右のギヤ式の副変速装置13R、13Lは、前記各無段変速装置11R、11Lの変速後の動力を高低2段に切り換え自在に構成されている。又、搭乗運転部6には、前後方向に揺動操作可能な単一の副変速レバー25が設けられ、この副変速レバー25は、図示しない連係機構を介してギヤ式の副変速機構13R、13Lに連係されており、副変速レバー25の操作によって、走行用の各無段変速装置11R、11Lによる変速後の動力を高低2段に変速できるようになっている。
【0027】
走行用の各無段変速装置11R、11Lは、アキシャルプランジャ形式で可変容量型のピストンポンプ19とピストンモータ20とを夫々備えて静油圧式無段変速装置として構成され、作業用の無段変速装置12も同様に、アキシャルプランジャ形式で可変容量型のピストンポンプ21とピストンモータ22とを備えて静油圧式無段変速装置として構成され、左右のクローラ式走行装置1R、1L夫々の走行方向を前進方向並びに後進方向に切り換え且つ走行速度を無段階に変速することができる構成となっている。
【0028】
そして、図3に示すように、走行用の各無段変速装置11R、11Lを各別に変速操作する変速操作手段としての油圧式の走行用操作機構30と、作業用の無段変速装置12を変速操作する油圧式の作業用操作機構36とが夫々備えられている。前記走行用操作機構30は、走行用の各無段変速装置11R、11Lの夫々におけるトラニオン軸29(被操作体の一例)に連動連結された一対の複動型の油圧シリンダ33R、33Lと、これらの各油圧シリンダ33R、33Lに対する正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の給油用電磁弁34Aと、前記一対の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用電磁弁34Bとを備えて構成されている。前記各油圧シリンダ33R、33Lは、内装されるバネの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
【0029】
前記作業用操作機構36も同様に、作業用の無段変速装置12におけるトラニオン軸37に連動連結されるとともに、内装されるバネの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成の複動型の油圧シリンダ40と、この油圧シリンダ40に対する正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の給油用電磁弁41Aと、前記一対の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用電磁弁41Bとを備えて構成されている。
【0030】
前記各給油用電磁弁34A、41Aは、バネの付勢力によってスプールを給油停止状態に移動付勢する構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油を供給する状態に切り換える構成となっており、又、前記各排油用電磁弁34B、41Bは、バネの付勢力によってスプールを排出状態に移動付勢される構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油の排出を停止する状態に切り換わる構成となっている。
【0031】
上記したような無段変速装置11R、11Lの変速動作の概略について説明を加えると、図4に示すように、トラニオン軸29の変速位置が停止用変速位置としての中立位置にあれば変速出力(走行速度)は零となり、トラニオン軸29の変速位置がその中立位置から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、トラニオン軸29が中立位置から所定方向と反対方向に回動操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
【0032】
搭乗運転部6には、走行停止用の車速指令値を指令する停止用指令位置としての中立位置を含む所定操作範囲内で車体前後方向に沿って移動自在で、且つ、中立位置からの前方側への移動操作量が大きくなるほど高速となる前進走行用の車速指令値を指令し、中立位置からの後方側への移動操作量が大きくなるほど高速となる後進走行用の車速指令値を指令するレバー操作式の人為操作具としての単一の主変速レバー24、及び、左右方向に沿って所定の左右操作範囲にわたり揺動操作可能な旋回指令手段としての単一の旋回レバー26などが装備されている。そして、図3に示すように、主変速レバー24の操作位置を検出する変速レバーセンサ27と、旋回レバー26の操作位置を検出する操作位置検出手段としての旋回レバーセンサ28とが夫々設けられ、それらは共に回転式のポテンショメータにて構成されている。
【0033】
前記主変速レバー24が中立位置になく車体が走行している状態で前記旋回レバー26が左右操作範囲の略中間に位置する直進指令位置に操作されると、左右のクローラ走行装置1R、1Lが同速度で駆動される直進走行状態となり、この直進指令位置から左右いずれかの方向に位置する旋回指令範囲に揺動操作すると、前記旋回指令範囲のうちの前記直進指令位置から離れる側に操作されるほど旋回半径が小さくなる旋回状態を指令する構成となっている。
【0034】
又、走行用の一対の無段変速装置11R、11Lには、それらの出力回転速度を各別に検出する変速出力検出手段としての回転速度センサ44、45と、夫々の無段変速装置11R、11Lの変速位置、すなわち、一対の油圧シリンダ33R、33Lによる夫々のトラニオン軸29の操作角度を検出する変速位置検出手段としての変速位置センサ46、47とが夫々備えられている。尚、作業用の無段変速装置12にも同様に回転速度センサ51が設けられる。
【0035】
前記各回転速度センサ44、45により前記出力回転速度を検出するための構成について説明を加えると、各回転速度センサ44、45は、夫々、一対の無段変速装置11R、11Lの出力軸に一体回転自在に設けられたギアgrの回転状況に基づいて回転速度を検出する構成となっている。つまり、図6(イ)に示すように、ギアgrの外周部に近接する状態で配置され、図6(ロ)に示すようにギア外周部の凹凸に対応するパルス信号を発生する電磁ピックアップ式のセンサとして構成される。このようにして得られたパルス信号に基づいて後述するような制御装置31が回転速度を演算して求めるのであるが、このとき、1分間当りの回転数が1000(rpm)以上の高速回転の状態であれば、ギアgrの加工誤差や組み付け誤差による検出誤差を少なくするため、パルス信号におけるパルス周期のギア1周分(t1,t2……tn)の平均値を用いて回転速度を演算するように構成されている。但し、1分間当りの回転数が1000(rpm)未満であれば、ギア1周分の平均値を用いると処理に時間がかかり、制御の遅れ要素となって後述するような制御が適正に行えないおそれがあるので、この場合は1個のパルス周期の情報に基づいて回転速度を演算するように構成されている。
【0036】
そして、前記走行用操作機構30の動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置31が備えられ、この制御装置31は、主変速レバー24にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく走行用操作機構30を作動させる直進制御処理を実行するとともに、旋回レバー26にて指令された旋回を行うべく走行用操作機構30を作動させる旋回制御処理を夫々実行する構成となっている。
【0037】
詳述すると、旋回レバー26が直進指令位置に操作されて直進が指令されている状態で、主変速レバー24が操作可能範囲のほぼ中間に位置する中立位置に操作されると走行停止状態となり、中立位置から前進側へ揺動操作されるとそれに伴って前進側への走行速度が無段階で高速となる車速指令値が指令され、中立位置から後進側へ操作されるとそれに伴って後進側への走行速度が無段階で高速となる車速指令値が指令され、左右一対の無段変速装置11R、11Lの出力回転速度が共にその指令された走行方向に沿う車速指令値になるように走行用操作機構30を作動させるのである。具体的には、走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して一対の油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御する構成となっており、主変速レバー24が所定位置で固定されると、その位置にて指令される車速指令値で車体が直進走行するように、一対の油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御することになる。
【0038】
又、制御装置31は、主変速レバー24が操作されて所定速度で走行しているときに、旋回レバー26が直進指令位置から左右いずれかの旋回指令範囲に揺動操作されると、前記直進指令位置から離れる側に操作されるほど旋回半径が小さくなる旋回状態となるように、走行用の各油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御するように構成されている。
【0039】
次に、制御装置31による直進走行する場合における制御動作について説明する。
制御装置31は、増減変速中及び変速終了時の夫々において、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で直進制御処理を実行するように構成されている。そして、一対の無段変速装置11R、11Lを変速する制御目標変速状態として一対のトラニオン軸29の目標変速位置を、一対の無段変速装置11R、11Lの実変速状態と主変速レバー24にて指令される車速指令値に対応する最終目標変速状態としての最終目標変速位置とに基づいて、単位時間あたりの変化量を設定量以下に規制する状態で繰り返し求めて、一対の変速位置センサ46、47の検出情報に基づいて、一対のトラニオン軸29の変速位置夫々が、その求めた目標変速位置になるように、走行用操作機構30を作動させるよう構成されている。
【0040】
更に、前記一対の無段変速装置11R、11Lの少なくともいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置が最終目標変速位置との関連で定めた制御状態切換用位置になると、前記一対の回転速度センサ44、45の検出情報に基づいて、一対の無段変速装置11R、11Lの出力速度が同期用目標速度になるように走行用操作機構30を作動させることを行うように構成されている。具体的には、一対の無段変速装置11R、11Lのいずれか一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置として定めて、その基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置をその位置に保持させるとともに、前記基準側の無段変速装置における出力速度を前記同期用目標速度として他方の無段変速装置の出力速度がその同期用目標速度になるように、走行用操作機構30を作動させるよう構成されている。尚、この実施形態では、前記制御状態切換用位置が前記最終目標変速位置に定められる構成となっている。
【0041】
以下、フローチャートに基づいて具体的に説明する。
図7に、制御装置31による直進制御におけるメインルーチンが示されている。つまり、左右一対の無段変速装置11R、11L夫々におけるトラニオン軸29の変速位置が共に主変速レバー24にて指令される最終目標変速位置に到達していなければ変速位置制御を実行する(ステップ1、2)。そして、少なくともいずれか一方の無段変速装置夫々におけるトラニオン軸29の変速位置が最終目標変速位置に到達すると回転速度追従制御を実行する(ステップ3)。
【0042】
前記変速位置制御は、図8に示すように、30msec経過する毎に次のような処理を実行するようになっている(ステップ4)。先ず、以下のような手順に基づいて目標変速位置を繰り返し求める。つまり、変速レバーセンサ27にて検出される検出値であり最終目標変速位置に対応する主変速レバー値を主変速レバー変数に代入する(ステップ5)。尚、主変速レバー24の操作位置に対する主変速レバー値との相関関係は図5に示すように予め設定されて記憶されている。つまり、主変速レバー24が中立位置から前進側に操作されると、その中立位置からの操作量が大きくなるほど前進側に高速となり、主変速レバー24が中立位置から後進側に操作されると、その中立位置からの操作量が大きくなるほど後進側に高速となるように設定されている。従って、主変速レバー24の操作に基づく制御装置31の制御作動で、前後進の切り換えと無段階の変速操作とを行うことができ、もって、所望の速度での前方直進状態や後方直進状態を容易に現出できるようになっている。
【0043】
そして、主変速レバー変数が、無段変速装置の実変速状態としての現在の積算変数と規制値とを加算した値よりも大きければ、言い換えると、主変速レバー値の増加側への変化量が規制値よりも大であれば、現在の積算変数に規制値を加算した値を積算値として求め、主変速レバー変数にこの積算値を代入する(ステップ6、7、8)。又、主変速レバー変数が現在の積算変数から規制値を減算した値よりも小さければ、言い換えると、主変速レバー値の減少側への変化量が規制値よりも大であれば、現在の積算変数から規制値を減算した値を積算値として求め、主変速レバー変数にこの積算値を代入する(ステップ9、10、11)。主変速レバー変数が、現在の積算変数と規制値とを加算した値よりも大きくなく、且つ、現在の積算変数から規制値を減算した値よりも小さくなければ、主変速レバー値を新たな積算変数として代入する(ステップ12)。このときは主変速レバー値が主変速レバー変数に代入された状態となる。
【0044】
上述したようにして得られた主変速レバー変数から目標変速位置を計算にて求める(ステップ13)。その結果、例えば、主変速レバーが急激に大きく操作され、図10(ロ)のラインL1に示すように主変速レバー値が急激に大きな値に変化しても、図10(ロ)のラインL4に示すように、単位時間あたりの変化量が規制値以下に規制される状態で目標変速位置が求められることになる。尚、図10のラインL1、ラインL2は規制しない場合における左右一対の無段変速装置11R、11Lのトラニオン軸29の変速位置の実変化状態を示している。この図10(ハ)に示すように、単位時間あたりの変化量が規制値以下に規制されることで、左右一対の無段変速装置11R、11Lのトラニオン軸29の目標変速位置の変化がほぼ同じ値を維持しながら変化していくことになり、最終的には、主変速レバー24にて指令される最終目標変速位置に収束していくことになる。
このようにして、増減速中においては一対の無段変速装置11R、11L夫々の実変速状態としてのトラニオン軸29の変速位置の間の差が設定量(規制量)以下に維持されることになる。
【0045】
そして、このようにして求められる目標変速位置とトラニオン軸29の現在変速位置との偏差を計算にて求めて、その変速位置の偏差を小さくするように走行用操作機構30を比例制御する(ステップ14、15)。具体的には、走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して一対の油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御することになる。
【0046】
次に、前記回転速度追従制御について説明する。
図9に示すように、前記一対の無段変速装置11R、11Lのうち前記一対の無段変速装置11R、11Lのいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置が前記最終目標変速位置になると、一対の無段変速装置のうちトラニオン軸29の変速位置が中立位置から遠い側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定め、反対側の中立位置に近い側に位置する無段変速装置を追従制御する無段変速装置として定めて設定する(ステップ16、17、18)。そして、基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置は、上述したような変速位置制御を継続して実行することで、主変速レバー24の操作位置が変化しなければその位置に保持させ、且つ、その基準側の無段変速装置における出力速度を回転速度センサにて検出して前記同期用目標速度として設定する(ステップ19)。そして、前記追従制御する無段変速装置に対しては、回転速度センサにて検出される実回転速度と前記同期用目標速度との偏差が小さくなるように走行用操作機構30をPI制御する(ステップ20)。具体的には、走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して対応する油圧シリンダの作動を制御するのである。このようにして一対の無段変速装置11R、11Lの出力速度が同期用目標速度になるように走行用操作機構30を作動させることになり、一対の無段変速装置11R、11L夫々の実変速状態としての出力速度の間の差が設定量以下に維持されることになる。
【0047】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
【0048】
(1)上記実施形態では、一対の無段変速装置を変速する制御目標変速状態としての一対のトラニオン軸の目標変速位置を、単位時間当りの変化量を設定量として一定の規制量以下に規制する状態で求めて、一対のトラニオン軸の変速位置夫々が目標変速位置になるように変速操作手段を作動させる構成としたが、このような構成に代えて次のように構成してもよい。
例えば、前記規制量を一定にするものに代えて、この規制値を大小変更自在な手動操作式の規制量変更手段としてポテンショメータ式の操作具を備えて、作業状況や操縦者の熟練度等に応じて前記規制量を変更調整可能な構成としてもよい。
又、一対のトラニオン軸の目標変速位置の単位時間当りの変化量を設定量以下に規制するのではなく、このような規制を行わない状態で車速指令手段にて指令された車速指令値より求めた目標変速位置になるように一対のトラニオン軸を制御するとともに、一対のトラニオン軸の変速位置の検出値を設定時間毎に求め、それらの差が設定量以上であれば、目標変速位置側に向けて先行して変速操作されている側のトラニオン軸の変速操作を一時停止し、前記差が設定量以下になると、再度、そのトラニオン軸の変速操作を開始するようにして、このような処理を設定時間毎に繰り返し行うことによって、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持するようにしてもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、前記回転速度追従制御において、前記一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域から遠い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定めるよう構成するものを例示したが、このような構成に代えて次の(イ)〜(ハ)に記載するような各種の構成で実施してもよい。
【0050】
(イ)前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が最終目標変速位置になったときに、一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が設定位置よりも低速側に位置しているときは、一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域から遠い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定め、一対の無段変速装置夫々のトラニオン軸の変速位置が共に設定位置よりも高速側に位置しているときは、前記一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域に近い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定める構成としてもよい。
【0051】
(ロ)前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が最終目標変速位置になると、その前記制御状態切換用位置に至った無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定める構成としてもよい。
【0052】
(ハ)前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が目標変速位置になると、記一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域に近い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定める構成としてもよい。
【0053】
(3)上記実施形態では、前記制御状態切換用位置として、前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が前記目標変速位置になったことを判別するようにしたが、このような構成に代えて、前記目標変速位置に対して設定量だけ移動方向作手前側の位置になったことを判別してもよく、一対の無段変速装置が共に目標変速位置になったことを判別してもよい。
【0054】
(4)上記実施形態では、前記回転速度追従制御において、基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置をその位置に保持させるように、その無段変速装置に対応する油圧シリンダを作動させ、且つ、その基準側の無段変速装置における出力速度を同期用目標速度として設定して、他方の無段変速装置の出力速度が前記同期用目標速度になるように、回転速度センサの検出情報に基づいて他方の無段変速装置に対応する油圧シリンダを作動させる構成としたが、この構成に代えて、次のような各種の形態で実施してもよい。
【0055】
主変速レバーの指令位置が変更するまで、基準側の無段変速装置として設定した無段変速装置における出力速度を回転速度センサにて検出して、その検出値を目標回転速度として設定した後に、一対の回転速度センサの検出値が共に目標速度になるように、一対の油圧シリンダを作動させるように制御する構成としてもよい。
【0056】
前記一対の無段変速装置のうち基準側の無段変速装置を定める場合、そのときの状況に応じて設定するのではなく予め固定状態で設定しておくようにしてもよい。又、この実施形態において、左右の無段変速装置のうち基準側の無段変速装置として設定した無段変速装置は、刈取作業を開始してから作業が終了するまで常に一定にさせる構成としてもよいが、作業状況に応じて適宜変更させるようにしてもよい。
【0057】
(5)上記実施形態では、前記回転速度追従制御において、前記同期用目標速度として基準側の無段変速装置の出力速度を設定するようにしたが、このような構成に代えて、反対側の無段変速装置の出力速度を用いたり、一対の無段変速装置の出力速度の平均値を用いてもよく、又、そのときのエンジン回転速度と主変速レバーの操作位置の情報等に基づいて演算にて求めた目標速度を用いる等、各種の形態で実施することができる。
【0058】
(6)上記各実施形態では、前記車速指令手段として、レバー操作式の人為操作具にて構成するものを例示したが、このような構成に限らず、例えば、足踏みペダルで構成してもよく、又、指令する車速指令値が互いに異なる複数のスイッチで構成したり、スイッチを押し操作する時間で車速指令値を異ならせるように指令する構成等、各種の形態で実施してもよい。
【0059】
(7)上記各実施形態では、無段変速装置のトラニオン軸を操作するアクチュエータとして、油圧シリンダを例示したが、アクチュエータとしては油圧モータや電動モータ等他のアクチュエータを用いてもよい。
【0060】
(8)上記各実施形態では、一対の無段変速装置として、静油圧式無段変速装置を用いたが、このような構成に代えて、例えば、ベルト式無段変速装置やテーパコーン型の無段変速装置と走行方向を前後で切り換えるための前後進切換機構とを組み合わせる構成としてもよい。又、このような構成と合わせて、前記車速指令手段として、所定操作範囲の一端側が走行停止を指令する停止指令位置になり、所定操作範囲の他端側が高速側の上限値になるように構成するものでもよい。
【0061】
(9)上記各実施形態では、作業車としてコンバインを例示したが、本発明はコンバインに限らず、人参収穫機や大根収穫機など他の農作業車でもよく、又、農作業車に限らず建設機械等の作業車でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略構成図
【図3】制御ブロック図
【図4】変速位置と変速出力との関係を示す図
【図5】主変速レバー操作位置と変速レバー値との関係を示す図
【図6】回転速度センサの検出状態を示す図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】目標変速位置の変化を示す図
【符号の説明】
1R、1L 走行装置
11R、11L 無段変速装置
24 車速指令手段
29 被操作体
30 変速操作手段
31 制御手段
44、45 変速出力検出手段
46、47 変速位置検出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく前記変速操作手段を作動させる直進制御処理を実行する制御手段とが備えられている作業車の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成の作業車の走行制御装置は、例えばコンバイン等の作業車に適用されるものであり、従来では、次のような構成のものがあった。
つまり、前記一対の無段変速装置として静油圧式の無段変速装置を用いて、変速操作手段として一対の電動モータが設けられ、各電動モータにより一対の無段変速装置の被操作体としてのトラニオンレバーを操作する構成とし、前記制御手段としてのコントローラが、前記直進制御処理として、一対の回転センサにて各別に検出される一対の無段変速装置夫々の出力速度が、車速指令手段としての主変速レバーにて指令される車速指令値になるように、変速操作手段としての一対の電動モータを各別に制御することで直進走行を行うように構成したものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−172871号公報(第3頁―第4頁、図2、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、車速指令手段による車速指令値に基づく変速操作手段の具体的な制御構成については言及はしていないが、一般的に行われる制御を単純に適用した場合であれば、車速指令手段による車速指令値つまり目標回転速度と左右一対の回転センサにて検出される一対の無段変速装置夫々の実際の回転速度との偏差を夫々計算し、それらの偏差が小さくなるように、各無段変速装置の夫々に対して各別にPI制御やPID制御等により制御が行われることになる。
【0005】
ところで、上記従来構成においては、一対の無段変速装置夫々の出力速度が前記車速指令値になるように変速操作が行われるので、その変速操作が終了して、車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行している状態であれば、車体は良好に直進走行を行うことができるが、左右一対の無段変速装置の夫々が車速指令値に向けて増減速操作されているような場合においては、次のような不利な面があった。
【0006】
すなわち、上記従来構成においては、車速指令手段にて指令される車速指令値が変化して車体の走行速度を増速させたりあるいは減速させる増減速操作中においても、一対の無段変速装置に対する変速操作手段による変速操作は、各無段変速装置の夫々に対して各別にPI制御やPID制御等により行われるが、その増減速中並びに変速操作終了時において、左右一対の無段変速装置に対する変速操作手段による変速操作の応答性に差異が生じて、変速操作手段による一対の無段変速装置の変速状態に差が生じることがある。このように応答性に差がでるのは、例えば、無段変速装置自身の部品の個体差や組み付け誤差等が要因となる場合があり、それ以外に変速操作手段におけるアクチュエータの個体差等も要因として挙げられる。
【0007】
説明を加えると、例えば、図10(イ)のラインL1にて車速指令値の変化が示され、ラインL2及びラインL3にて左右一対の無段変速装置のトラニオン軸の変速位置の実変化状態を示している。この図に示すように車速指令手段にて指令される車速指令値が急激に大きな値に変化して、一対の無段変速装置の出力速度が車速指令値と等しくなるように変速操作する場合に、変更された車速指令値に向けて出力速度が変化する過程において、上記したような要因によって変速状態に差が生じて、ラインL2及びラインL3に示すように、単位時間当りの出力変化が左右の無段変速装置にて互いに異なると、直進走行を指令しているにもかかわらず、左右一対の走行装置の走行速度が少しだけ異なった状態となって車体が直進状態ではなく僅かに旋回しながら走行する状態になるという不都合が発生する。
【0008】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、増減速走行中及び変速操作の終了時において良好に車体を直進走行させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の作業車の走行制御装置は、左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく前記変速操作手段を作動させる直進制御処理を実行する制御手段とが備えられているものであって、前記制御手段が、増減変速中及び変速終了時の夫々において、前記一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で前記直進制御処理を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
すなわち、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で、車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく変速操作手段を作動させるので、増減変速中、つまり、車速指令手段にて指令される車速指令値が変化して車体の走行速度を増速させたりあるいは減速させているような場合、及び、このような増減変速が終了した時においても、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差が設定量以下に維持されるから、左右一対の走行装置の走行速度が異なって車体が斜め方向に走行するといった不都合を回避することができる。
【0011】
尚、無段変速装置の実変速状態としては、無段変速装置の実際の変速状態を示すものであればよく、例えば、無段変速装置において移動操作される被操作体の操作位置の情報や、無段変速装置の出力回転速度の情報等各種の情報を用いることができる。
【0012】
従って、変速操作が終了して車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行しているような場合だけでなく、増減速走行中及び変速終了時においても車体が斜め方向に走行するといった不都合を回避して良好に車体を直進走行させることが可能となる作業車の走行制御装置を提供できるに至った。
【0013】
請求項2に記載の作業車の走行制御装置は、請求項1において、前記制御手段が、前記直進制御処理として、前記一対の無段変速装置を変速する制御目標変速状態を、前記一対の無段変速装置の実変速状態と前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する最終目標変速状態とに基づいて、単位時間あたりの変化量を設定量以下に規制する状態で繰り返し求めて、その求めた制御目標変速状態になるように前記一対の無段変速装置を変速することを行うように構成されていることを特徴とする。
【0014】
すなわち、一対の無段変速装置を変速する制御目標変速状態が単位時間あたりの変化量を設定量以下に規制する状態で求められて、その制御目標変速状態になるように一対の無段変速装置を変速することによって、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することになる。つまり、制御目標変速状態の単位時間あたりの変化量が設定量以下に規制されることにより、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の単位時間あたりの変化量が共に小さい値に抑制されることになるので、夫々の実変速状態の差が小さくほぼ同じである状態を維持しながら変速操作が行われていくことになり、一対の無段変速装置の変速状態の差を設定量以下に維持することができるのである。
【0015】
従って、車速指令手段にて指令される車速指令値が急激に異なる値に変化するような場合であっても、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持して良好に車体を直進走行させることが可能となる。
【0016】
請求項3記載の作業車の走行制御装置は、請求項2において、前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段が備えられ、前記制御手段が、前記直進制御処理として、前記一対の無段変速装置を変速する前記制御目標変速状態としての前記一対の被操作体の目標変速位置を、単位時間当りの変化量を設定量以下に規制する状態で求めて、前記一対の変速位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対の被操作体の変速位置夫々が前記目標変速位置になるように前記変速操作手段を作動させることを行うように構成されていることを特徴とする。
【0017】
すなわち、一対の変速位置検出手段の検出情報に基づいて、一対の被操作体の変速位置夫々が目標変速位置になるように変速操作手段を作動させることにより車体を直進走行させるのであるが、このとき、目標変速位置を単位時間当りの変化量を設定量以下に規制する状態で求めるので、一対の被操作体の単位時間当りの変化量が共に設定量以下の小さい値に抑制されることになり、一対の被操作体の変速位置の差が少なくほぼ同じである状態を維持しながら変速操作が行われることになる。
【0018】
このように変速操作手段にて操作される対象である被操作体の目標変速位置の単位時間当りの変化量を規制することにより、例えば、左右一対の無段変速装置の出力速度を検出して、それらの各出力速度の単位時間当りの変化量を設定量以下に規制するように制御するような構成とした場合には、無段変速装置の被操作体を操作して変速させた後、その結果として得られる出力速度の検出情報との間には少し時間遅れがあり制御応答の遅れ等のおそれがあるが、変速操作手段が操作する対象である被操作体の目標変速位置を上記したように規制することで、制御応答の遅れなどの少ない状態で適切に制御することが可能であり、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することを適正に行い易いものにできる。
【0019】
請求項4記載の作業車の走行制御装置は、請求項3において、前記一対の無段変速装置の出力速度を各別に検出する一対の変速出力検出手段が備えられ、前記制御手段が、前記直進制御処理として、前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一方の無段変速装置における被操作体の変速位置が前記目標変速位置との関連で定めた制御状態切換用位置になると、前記一対の変速出力検出手段の検出情報に基づいて、前記一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるように前記変速操作手段を作動させることを行うように構成されていることを特徴とする。
【0020】
すなわち、前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一方の無段変速装置における被操作体の変速位置が前記目標変速位置との関連で定めた制御状態切換用位置になり、変速操作が終了して車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行を行うような状態になると、前記一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるように前記変速操作手段を作動させることによって、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することになる。
【0021】
つまり、変速操作が終了して車速指令値に対応する走行速度で車体が直進走行しているような場合においては、増減速操作中のように高い応答性が要求されることはないので、無段変速装置の出力速度の検出結果に基づいて変速操作手段を作動させるようにしても制御応答の遅れなどの不都合はなく、しかも、一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるように前記変速操作手段を作動させるので、確実に一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持することが可能となり、良好な直進走行状態を維持できるものとなる。
【0022】
請求項5記載の作業車の走行制御装置は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記車速指令手段が、走行停止用の車速指令値を指令する停止用指令位置を含む所定操作範囲内で移動自在で、且つ、停止指令位置からの移動操作量が大きくなるほど高速となる走行用の車速指令値を指令するレバー操作式の人為操作具にて構成されていることを特徴とする。
【0023】
すなわち、レバー操作式の人為操作具を停止用指令位置を含む所定操作範囲内で移動させて、停止指令位置からの移動操作量が大きくなるほど高速となる走行用の車速指令値を指令することができ、任意の車速を簡単な操作で指令することができ、車速指令操作が行い易いものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る作業車の走行制御装置の実施形態を作業車の一例としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、走行装置の一例である左右一対のクローラ式走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀処理並びに選別処理を実行する脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成することによって構成されている。
【0026】
図2〜4に示すように、このコンバインは、エンジン7からの動力を、ベルトテンション式の主クラッチ8を介してミッションケース9の入力軸10に伝達し、この入力軸10から走行用の一対の無段変速装置11R、11Lに分配伝達し、走行用の一方の無段変速装置11Lによる変速後の動力を左側のギヤ式の副変速装置13Lを介して左側のクローラ式走行装置1Lに伝達し、走行用の他方の無段変速装置11Rによる変速後の動力を、右側のギヤ式の副変速装置13Rを介して右側のクローラ式走行装置1Rに伝達するようにして走行駆動用の伝動機構を構成している。一方、エンジン7からの動力が作業用の無段変速装置12にも供給され、その作業用の無段変速装置12による変速後の動力を、ベルトテンション式の刈取クラッチ14を介して刈取搬送装置3に伝達するようにして刈取作業用の伝動機構を構成している。左右のギヤ式の副変速装置13R、13Lは、前記各無段変速装置11R、11Lの変速後の動力を高低2段に切り換え自在に構成されている。又、搭乗運転部6には、前後方向に揺動操作可能な単一の副変速レバー25が設けられ、この副変速レバー25は、図示しない連係機構を介してギヤ式の副変速機構13R、13Lに連係されており、副変速レバー25の操作によって、走行用の各無段変速装置11R、11Lによる変速後の動力を高低2段に変速できるようになっている。
【0027】
走行用の各無段変速装置11R、11Lは、アキシャルプランジャ形式で可変容量型のピストンポンプ19とピストンモータ20とを夫々備えて静油圧式無段変速装置として構成され、作業用の無段変速装置12も同様に、アキシャルプランジャ形式で可変容量型のピストンポンプ21とピストンモータ22とを備えて静油圧式無段変速装置として構成され、左右のクローラ式走行装置1R、1L夫々の走行方向を前進方向並びに後進方向に切り換え且つ走行速度を無段階に変速することができる構成となっている。
【0028】
そして、図3に示すように、走行用の各無段変速装置11R、11Lを各別に変速操作する変速操作手段としての油圧式の走行用操作機構30と、作業用の無段変速装置12を変速操作する油圧式の作業用操作機構36とが夫々備えられている。前記走行用操作機構30は、走行用の各無段変速装置11R、11Lの夫々におけるトラニオン軸29(被操作体の一例)に連動連結された一対の複動型の油圧シリンダ33R、33Lと、これらの各油圧シリンダ33R、33Lに対する正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の給油用電磁弁34Aと、前記一対の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用電磁弁34Bとを備えて構成されている。前記各油圧シリンダ33R、33Lは、内装されるバネの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
【0029】
前記作業用操作機構36も同様に、作業用の無段変速装置12におけるトラニオン軸37に連動連結されるとともに、内装されるバネの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成の複動型の油圧シリンダ40と、この油圧シリンダ40に対する正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の給油用電磁弁41Aと、前記一対の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用電磁弁41Bとを備えて構成されている。
【0030】
前記各給油用電磁弁34A、41Aは、バネの付勢力によってスプールを給油停止状態に移動付勢する構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油を供給する状態に切り換える構成となっており、又、前記各排油用電磁弁34B、41Bは、バネの付勢力によってスプールを排出状態に移動付勢される構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油の排出を停止する状態に切り換わる構成となっている。
【0031】
上記したような無段変速装置11R、11Lの変速動作の概略について説明を加えると、図4に示すように、トラニオン軸29の変速位置が停止用変速位置としての中立位置にあれば変速出力(走行速度)は零となり、トラニオン軸29の変速位置がその中立位置から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、トラニオン軸29が中立位置から所定方向と反対方向に回動操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
【0032】
搭乗運転部6には、走行停止用の車速指令値を指令する停止用指令位置としての中立位置を含む所定操作範囲内で車体前後方向に沿って移動自在で、且つ、中立位置からの前方側への移動操作量が大きくなるほど高速となる前進走行用の車速指令値を指令し、中立位置からの後方側への移動操作量が大きくなるほど高速となる後進走行用の車速指令値を指令するレバー操作式の人為操作具としての単一の主変速レバー24、及び、左右方向に沿って所定の左右操作範囲にわたり揺動操作可能な旋回指令手段としての単一の旋回レバー26などが装備されている。そして、図3に示すように、主変速レバー24の操作位置を検出する変速レバーセンサ27と、旋回レバー26の操作位置を検出する操作位置検出手段としての旋回レバーセンサ28とが夫々設けられ、それらは共に回転式のポテンショメータにて構成されている。
【0033】
前記主変速レバー24が中立位置になく車体が走行している状態で前記旋回レバー26が左右操作範囲の略中間に位置する直進指令位置に操作されると、左右のクローラ走行装置1R、1Lが同速度で駆動される直進走行状態となり、この直進指令位置から左右いずれかの方向に位置する旋回指令範囲に揺動操作すると、前記旋回指令範囲のうちの前記直進指令位置から離れる側に操作されるほど旋回半径が小さくなる旋回状態を指令する構成となっている。
【0034】
又、走行用の一対の無段変速装置11R、11Lには、それらの出力回転速度を各別に検出する変速出力検出手段としての回転速度センサ44、45と、夫々の無段変速装置11R、11Lの変速位置、すなわち、一対の油圧シリンダ33R、33Lによる夫々のトラニオン軸29の操作角度を検出する変速位置検出手段としての変速位置センサ46、47とが夫々備えられている。尚、作業用の無段変速装置12にも同様に回転速度センサ51が設けられる。
【0035】
前記各回転速度センサ44、45により前記出力回転速度を検出するための構成について説明を加えると、各回転速度センサ44、45は、夫々、一対の無段変速装置11R、11Lの出力軸に一体回転自在に設けられたギアgrの回転状況に基づいて回転速度を検出する構成となっている。つまり、図6(イ)に示すように、ギアgrの外周部に近接する状態で配置され、図6(ロ)に示すようにギア外周部の凹凸に対応するパルス信号を発生する電磁ピックアップ式のセンサとして構成される。このようにして得られたパルス信号に基づいて後述するような制御装置31が回転速度を演算して求めるのであるが、このとき、1分間当りの回転数が1000(rpm)以上の高速回転の状態であれば、ギアgrの加工誤差や組み付け誤差による検出誤差を少なくするため、パルス信号におけるパルス周期のギア1周分(t1,t2……tn)の平均値を用いて回転速度を演算するように構成されている。但し、1分間当りの回転数が1000(rpm)未満であれば、ギア1周分の平均値を用いると処理に時間がかかり、制御の遅れ要素となって後述するような制御が適正に行えないおそれがあるので、この場合は1個のパルス周期の情報に基づいて回転速度を演算するように構成されている。
【0036】
そして、前記走行用操作機構30の動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置31が備えられ、この制御装置31は、主変速レバー24にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく走行用操作機構30を作動させる直進制御処理を実行するとともに、旋回レバー26にて指令された旋回を行うべく走行用操作機構30を作動させる旋回制御処理を夫々実行する構成となっている。
【0037】
詳述すると、旋回レバー26が直進指令位置に操作されて直進が指令されている状態で、主変速レバー24が操作可能範囲のほぼ中間に位置する中立位置に操作されると走行停止状態となり、中立位置から前進側へ揺動操作されるとそれに伴って前進側への走行速度が無段階で高速となる車速指令値が指令され、中立位置から後進側へ操作されるとそれに伴って後進側への走行速度が無段階で高速となる車速指令値が指令され、左右一対の無段変速装置11R、11Lの出力回転速度が共にその指令された走行方向に沿う車速指令値になるように走行用操作機構30を作動させるのである。具体的には、走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して一対の油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御する構成となっており、主変速レバー24が所定位置で固定されると、その位置にて指令される車速指令値で車体が直進走行するように、一対の油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御することになる。
【0038】
又、制御装置31は、主変速レバー24が操作されて所定速度で走行しているときに、旋回レバー26が直進指令位置から左右いずれかの旋回指令範囲に揺動操作されると、前記直進指令位置から離れる側に操作されるほど旋回半径が小さくなる旋回状態となるように、走行用の各油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御するように構成されている。
【0039】
次に、制御装置31による直進走行する場合における制御動作について説明する。
制御装置31は、増減変速中及び変速終了時の夫々において、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で直進制御処理を実行するように構成されている。そして、一対の無段変速装置11R、11Lを変速する制御目標変速状態として一対のトラニオン軸29の目標変速位置を、一対の無段変速装置11R、11Lの実変速状態と主変速レバー24にて指令される車速指令値に対応する最終目標変速状態としての最終目標変速位置とに基づいて、単位時間あたりの変化量を設定量以下に規制する状態で繰り返し求めて、一対の変速位置センサ46、47の検出情報に基づいて、一対のトラニオン軸29の変速位置夫々が、その求めた目標変速位置になるように、走行用操作機構30を作動させるよう構成されている。
【0040】
更に、前記一対の無段変速装置11R、11Lの少なくともいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置が最終目標変速位置との関連で定めた制御状態切換用位置になると、前記一対の回転速度センサ44、45の検出情報に基づいて、一対の無段変速装置11R、11Lの出力速度が同期用目標速度になるように走行用操作機構30を作動させることを行うように構成されている。具体的には、一対の無段変速装置11R、11Lのいずれか一方の無段変速装置を基準側の無段変速装置として定めて、その基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置をその位置に保持させるとともに、前記基準側の無段変速装置における出力速度を前記同期用目標速度として他方の無段変速装置の出力速度がその同期用目標速度になるように、走行用操作機構30を作動させるよう構成されている。尚、この実施形態では、前記制御状態切換用位置が前記最終目標変速位置に定められる構成となっている。
【0041】
以下、フローチャートに基づいて具体的に説明する。
図7に、制御装置31による直進制御におけるメインルーチンが示されている。つまり、左右一対の無段変速装置11R、11L夫々におけるトラニオン軸29の変速位置が共に主変速レバー24にて指令される最終目標変速位置に到達していなければ変速位置制御を実行する(ステップ1、2)。そして、少なくともいずれか一方の無段変速装置夫々におけるトラニオン軸29の変速位置が最終目標変速位置に到達すると回転速度追従制御を実行する(ステップ3)。
【0042】
前記変速位置制御は、図8に示すように、30msec経過する毎に次のような処理を実行するようになっている(ステップ4)。先ず、以下のような手順に基づいて目標変速位置を繰り返し求める。つまり、変速レバーセンサ27にて検出される検出値であり最終目標変速位置に対応する主変速レバー値を主変速レバー変数に代入する(ステップ5)。尚、主変速レバー24の操作位置に対する主変速レバー値との相関関係は図5に示すように予め設定されて記憶されている。つまり、主変速レバー24が中立位置から前進側に操作されると、その中立位置からの操作量が大きくなるほど前進側に高速となり、主変速レバー24が中立位置から後進側に操作されると、その中立位置からの操作量が大きくなるほど後進側に高速となるように設定されている。従って、主変速レバー24の操作に基づく制御装置31の制御作動で、前後進の切り換えと無段階の変速操作とを行うことができ、もって、所望の速度での前方直進状態や後方直進状態を容易に現出できるようになっている。
【0043】
そして、主変速レバー変数が、無段変速装置の実変速状態としての現在の積算変数と規制値とを加算した値よりも大きければ、言い換えると、主変速レバー値の増加側への変化量が規制値よりも大であれば、現在の積算変数に規制値を加算した値を積算値として求め、主変速レバー変数にこの積算値を代入する(ステップ6、7、8)。又、主変速レバー変数が現在の積算変数から規制値を減算した値よりも小さければ、言い換えると、主変速レバー値の減少側への変化量が規制値よりも大であれば、現在の積算変数から規制値を減算した値を積算値として求め、主変速レバー変数にこの積算値を代入する(ステップ9、10、11)。主変速レバー変数が、現在の積算変数と規制値とを加算した値よりも大きくなく、且つ、現在の積算変数から規制値を減算した値よりも小さくなければ、主変速レバー値を新たな積算変数として代入する(ステップ12)。このときは主変速レバー値が主変速レバー変数に代入された状態となる。
【0044】
上述したようにして得られた主変速レバー変数から目標変速位置を計算にて求める(ステップ13)。その結果、例えば、主変速レバーが急激に大きく操作され、図10(ロ)のラインL1に示すように主変速レバー値が急激に大きな値に変化しても、図10(ロ)のラインL4に示すように、単位時間あたりの変化量が規制値以下に規制される状態で目標変速位置が求められることになる。尚、図10のラインL1、ラインL2は規制しない場合における左右一対の無段変速装置11R、11Lのトラニオン軸29の変速位置の実変化状態を示している。この図10(ハ)に示すように、単位時間あたりの変化量が規制値以下に規制されることで、左右一対の無段変速装置11R、11Lのトラニオン軸29の目標変速位置の変化がほぼ同じ値を維持しながら変化していくことになり、最終的には、主変速レバー24にて指令される最終目標変速位置に収束していくことになる。
このようにして、増減速中においては一対の無段変速装置11R、11L夫々の実変速状態としてのトラニオン軸29の変速位置の間の差が設定量(規制量)以下に維持されることになる。
【0045】
そして、このようにして求められる目標変速位置とトラニオン軸29の現在変速位置との偏差を計算にて求めて、その変速位置の偏差を小さくするように走行用操作機構30を比例制御する(ステップ14、15)。具体的には、走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して一対の油圧シリンダ33R、33Lの作動を制御することになる。
【0046】
次に、前記回転速度追従制御について説明する。
図9に示すように、前記一対の無段変速装置11R、11Lのうち前記一対の無段変速装置11R、11Lのいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置が前記最終目標変速位置になると、一対の無段変速装置のうちトラニオン軸29の変速位置が中立位置から遠い側に位置する無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定め、反対側の中立位置に近い側に位置する無段変速装置を追従制御する無段変速装置として定めて設定する(ステップ16、17、18)。そして、基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸29の変速位置は、上述したような変速位置制御を継続して実行することで、主変速レバー24の操作位置が変化しなければその位置に保持させ、且つ、その基準側の無段変速装置における出力速度を回転速度センサにて検出して前記同期用目標速度として設定する(ステップ19)。そして、前記追従制御する無段変速装置に対しては、回転速度センサにて検出される実回転速度と前記同期用目標速度との偏差が小さくなるように走行用操作機構30をPI制御する(ステップ20)。具体的には、走行用操作機構30における給油用電磁弁34A及び各排油用電磁弁34Bを切り換え制御して対応する油圧シリンダの作動を制御するのである。このようにして一対の無段変速装置11R、11Lの出力速度が同期用目標速度になるように走行用操作機構30を作動させることになり、一対の無段変速装置11R、11L夫々の実変速状態としての出力速度の間の差が設定量以下に維持されることになる。
【0047】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
【0048】
(1)上記実施形態では、一対の無段変速装置を変速する制御目標変速状態としての一対のトラニオン軸の目標変速位置を、単位時間当りの変化量を設定量として一定の規制量以下に規制する状態で求めて、一対のトラニオン軸の変速位置夫々が目標変速位置になるように変速操作手段を作動させる構成としたが、このような構成に代えて次のように構成してもよい。
例えば、前記規制量を一定にするものに代えて、この規制値を大小変更自在な手動操作式の規制量変更手段としてポテンショメータ式の操作具を備えて、作業状況や操縦者の熟練度等に応じて前記規制量を変更調整可能な構成としてもよい。
又、一対のトラニオン軸の目標変速位置の単位時間当りの変化量を設定量以下に規制するのではなく、このような規制を行わない状態で車速指令手段にて指令された車速指令値より求めた目標変速位置になるように一対のトラニオン軸を制御するとともに、一対のトラニオン軸の変速位置の検出値を設定時間毎に求め、それらの差が設定量以上であれば、目標変速位置側に向けて先行して変速操作されている側のトラニオン軸の変速操作を一時停止し、前記差が設定量以下になると、再度、そのトラニオン軸の変速操作を開始するようにして、このような処理を設定時間毎に繰り返し行うことによって、一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持するようにしてもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、前記回転速度追従制御において、前記一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域から遠い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定めるよう構成するものを例示したが、このような構成に代えて次の(イ)〜(ハ)に記載するような各種の構成で実施してもよい。
【0050】
(イ)前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が最終目標変速位置になったときに、一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が設定位置よりも低速側に位置しているときは、一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域から遠い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定め、一対の無段変速装置夫々のトラニオン軸の変速位置が共に設定位置よりも高速側に位置しているときは、前記一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域に近い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定める構成としてもよい。
【0051】
(ロ)前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が最終目標変速位置になると、その前記制御状態切換用位置に至った無段変速装置を前記基準側の無段変速装置として定める構成としてもよい。
【0052】
(ハ)前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が目標変速位置になると、記一対の無段変速装置のうちトラニオン軸の変速位置が中立域に近い側に位置する無段変速装置を基準側の無段変速装置として定める構成としてもよい。
【0053】
(3)上記実施形態では、前記制御状態切換用位置として、前記一対の無段変速装置のいずれか一方の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置が前記目標変速位置になったことを判別するようにしたが、このような構成に代えて、前記目標変速位置に対して設定量だけ移動方向作手前側の位置になったことを判別してもよく、一対の無段変速装置が共に目標変速位置になったことを判別してもよい。
【0054】
(4)上記実施形態では、前記回転速度追従制御において、基準側の無段変速装置におけるトラニオン軸の変速位置をその位置に保持させるように、その無段変速装置に対応する油圧シリンダを作動させ、且つ、その基準側の無段変速装置における出力速度を同期用目標速度として設定して、他方の無段変速装置の出力速度が前記同期用目標速度になるように、回転速度センサの検出情報に基づいて他方の無段変速装置に対応する油圧シリンダを作動させる構成としたが、この構成に代えて、次のような各種の形態で実施してもよい。
【0055】
主変速レバーの指令位置が変更するまで、基準側の無段変速装置として設定した無段変速装置における出力速度を回転速度センサにて検出して、その検出値を目標回転速度として設定した後に、一対の回転速度センサの検出値が共に目標速度になるように、一対の油圧シリンダを作動させるように制御する構成としてもよい。
【0056】
前記一対の無段変速装置のうち基準側の無段変速装置を定める場合、そのときの状況に応じて設定するのではなく予め固定状態で設定しておくようにしてもよい。又、この実施形態において、左右の無段変速装置のうち基準側の無段変速装置として設定した無段変速装置は、刈取作業を開始してから作業が終了するまで常に一定にさせる構成としてもよいが、作業状況に応じて適宜変更させるようにしてもよい。
【0057】
(5)上記実施形態では、前記回転速度追従制御において、前記同期用目標速度として基準側の無段変速装置の出力速度を設定するようにしたが、このような構成に代えて、反対側の無段変速装置の出力速度を用いたり、一対の無段変速装置の出力速度の平均値を用いてもよく、又、そのときのエンジン回転速度と主変速レバーの操作位置の情報等に基づいて演算にて求めた目標速度を用いる等、各種の形態で実施することができる。
【0058】
(6)上記各実施形態では、前記車速指令手段として、レバー操作式の人為操作具にて構成するものを例示したが、このような構成に限らず、例えば、足踏みペダルで構成してもよく、又、指令する車速指令値が互いに異なる複数のスイッチで構成したり、スイッチを押し操作する時間で車速指令値を異ならせるように指令する構成等、各種の形態で実施してもよい。
【0059】
(7)上記各実施形態では、無段変速装置のトラニオン軸を操作するアクチュエータとして、油圧シリンダを例示したが、アクチュエータとしては油圧モータや電動モータ等他のアクチュエータを用いてもよい。
【0060】
(8)上記各実施形態では、一対の無段変速装置として、静油圧式無段変速装置を用いたが、このような構成に代えて、例えば、ベルト式無段変速装置やテーパコーン型の無段変速装置と走行方向を前後で切り換えるための前後進切換機構とを組み合わせる構成としてもよい。又、このような構成と合わせて、前記車速指令手段として、所定操作範囲の一端側が走行停止を指令する停止指令位置になり、所定操作範囲の他端側が高速側の上限値になるように構成するものでもよい。
【0061】
(9)上記各実施形態では、作業車としてコンバインを例示したが、本発明はコンバインに限らず、人参収穫機や大根収穫機など他の農作業車でもよく、又、農作業車に限らず建設機械等の作業車でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略構成図
【図3】制御ブロック図
【図4】変速位置と変速出力との関係を示す図
【図5】主変速レバー操作位置と変速レバー値との関係を示す図
【図6】回転速度センサの検出状態を示す図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】目標変速位置の変化を示す図
【符号の説明】
1R、1L 走行装置
11R、11L 無段変速装置
24 車速指令手段
29 被操作体
30 変速操作手段
31 制御手段
44、45 変速出力検出手段
46、47 変速位置検出手段
Claims (5)
- 左右一対の走行装置の走行速度を各別に無段階に変速する一対の無段変速装置と、その一対の無段変速装置を各別に変速操作自在な変速操作手段と、走行用の車速指令値を指令する車速指令手段と、前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する走行速度で車体を直進走行させるべく前記変速操作手段を作動させる直進制御処理を実行する制御手段とが備えられている作業車の走行制御装置であって、
前記制御手段が、増減変速中及び変速終了時の夫々において、前記一対の無段変速装置夫々の実変速状態の間の差を設定量以下に維持する形態で前記直進制御処理を実行するように構成されている作業車の走行制御装置。 - 前記制御手段が、前記直進制御処理として、
前記一対の無段変速装置を変速する制御目標変速状態を、前記一対の無段変速装置の実変速状態と前記車速指令手段にて指令される車速指令値に対応する最終目標変速状態とに基づいて、単位時間あたりの変化量を設定量以下に規制する状態で繰り返し求めて、その求めた制御目標変速状態になるように前記一対の無段変速装置を変速することを行うように構成されている請求項1記載の作業車の走行制御装置。 - 前記一対の無段変速装置の夫々における変速用の被操作体の変速位置を各別に検出する一対の変速位置検出手段が備えられ、
前記制御手段が、前記直進制御処理として、
前記一対の無段変速装置を変速する前記制御目標変速状態としての前記一対の被操作体の目標変速位置を、単位時間当りの変化量を設定量以下に規制する状態で求めて、前記一対の変速位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対の被操作体の変速位置夫々が前記目標変速位置になるように前記変速操作手段を作動させることを行うように構成されている請求項2記載の作業車の走行制御装置。 - 前記一対の無段変速装置の出力速度を各別に検出する一対の変速出力検出手段が備えられ、
前記制御手段が、前記直進制御処理として、
前記一対の無段変速装置の少なくともいずれか一方の無段変速装置における被操作体の変速位置が前記目標変速位置との関連で定めた制御状態切換用位置になると、前記一対の変速出力検出手段の検出情報に基づいて、前記一対の無段変速装置の出力速度が同期用目標速度になるように前記変速操作手段を作動させることを行うように構成されている請求項3記載の作業車の走行制御装置。 - 前記車速指令手段が、
走行停止用の車速指令値を指令する停止用指令位置を含む所定操作範囲内で移動自在で、且つ、停止指令位置からの移動操作量が大きくなるほど高速となる走行用の車速指令値を指令するレバー操作式の人為操作具にて構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の作業車の走行制御装置。
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