JP2010150631A - 耐食性に優れる船舶用形鋼およびその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れる船舶用形鋼およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】船舶のバラストタンク等の厳しい使用環境下においても、鋼材の表面状態に左右されることなく優れた耐食性を示すYPが390MPa以上の船舶用形鋼を提供する。
【解決手段】C:0.03〜0.25%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.025%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜0.10%、W:0.01〜1.0%、Cr:0.01%以上0.20%未満、N:0.001〜0.008%を含有する鋼素材を1000〜1350℃に加熱後、圧延中の厚肉部と薄肉部の温度差を50℃以内に抑えて、Ar温度以下での累積圧下率が10〜80%、仕上圧延温度がAr温度−30℃〜Ar温度−80℃の熱間圧延を行い、その後、Ar温度−30℃〜Ar温度−100℃から700〜500℃までを加速冷却する。
【選択図】なし

Description

本発明は、石炭船や鉱石船、鉱炭兼用船、原油タンカー、LPG船、LNG船、ケミカルタンカー、コンテナ船、ばら積み船、木材専用船、チップ専用船、冷凍運搬船、自動車専用船、重量物船、RORO船、石灰石専用船、セメント専用船等に船舶に用いられる船舶用形鋼に関し、特に、海水による厳しい腐食環境下にあるバラストタンクの縦通材(ロンジ材)等に用いられる耐食性に優れる船舶用形鋼とその製造方法に関するものである。ここで、縦通材(ロンジ材)等に用いられる船舶用形鋼とは、具体的には、熱間圧延によって成形された等辺山形鋼、不等辺山形鋼、不等辺不等厚山形鋼、溝形鋼、球平形鋼、T形鋼などをいう。
船舶のバラストタンクは、積荷がない時に、海水を注入して船舶の安定航行を可能とする役目を担うものであり、非常に厳しい腐食環境下におかれている。そのため、バラストタンクに用いられる鋼材の防食には、通常、エポキシ系樹脂塗料による防食塗膜の形成と電気防食とが併用されている。
しかし、それらの防食対策を講じても、バラストタンクの腐食環境は依然として厳しい状態にある。すなわち、バラストタンクに海水を注入している場合には、海水に完全に浸されている部分は、電気防食が機能するため、腐食を抑えることができる。しかし、バラストタンクの最上部付近、特に上甲板の裏側は、海水に漬かることがなく、海水の飛沫のみを浴びる状態におかれている。そのため、このような部位では、電気防食が機能しない。さらに、この部位は、太陽光によって鋼板温度が上昇するため、より厳しい腐食環境となる。一方、バラストタンクに海水が注入されていない場合には、電気防食が全く働かないため、残留付着塩分によって、激しい腐食を受ける。
そのため、上記のような激しい腐食環境にあるバラストタンクの防食塗膜の寿命は、一般に約10年と言われており、船舶の寿命(約20年)の半分程度である。従って、残りの約10年間は、補修塗装等の処理を施すことよって、耐食性を維持している。しかし、バラストタンクの腐食環境は非常に厳しいものがあるため、補修塗装を行ってもその効果を長時間持続させるのは難しい。また、補修塗装は、狭い空間での作業となるため、作業環境としては好ましいものではない。そこで、補修塗装までの期間をできる限り延長すると共に、作業負荷を軽減できる耐食性に優れた鋼材の開発が望まれている。
そこで、バラストタンク等の厳しい腐食環境下で用いられる鋼材自体の耐食性を向上する技術が幾つか提案されている。たとえば、特許文献1には、C:0.20mass%以下の鋼に、耐食性改善元素として、Cu:0.05〜0.50mass%、W:0.01〜0.05mass%未満を添加し、さらに、Ge,Sn,Pb,As,Sb,Bi,TeおよびBeのうちの1種または2種以上を0.01〜0.2mass%添加した耐食低合金鋼が開示されている。また、特許文献2には、C:0.20mass%以下の鋼材に、耐食性改善元素として、Cu:0.05〜0.50mass%、W:0.05〜0.5mass%を添加し、さらに、Ge,Sn,Pb,As,Sb,Bi,TeおよびBeのうちの1種もしくは2種以上を0.01〜0.2mass%添加した耐食性低合金鋼が開示されている。また、特許文献3には、C:0.15mass%以下の鋼に、Cu:0.05〜0.15mass%未満、W:0.05〜0.5mass%を添加した耐食性低合金鋼が開示されている。
また、特許文献4には、C:0.15mass%以下の鋼に、耐食性改善元素として、P:0.03〜0.10mass%、Cu:0.1〜1.0mass%、Ni:0.2〜1.0mass%を添加した低合金耐食鋼材に、タールエポキシ塗料、ピュアエポキシ塗料、無溶剤型エポキシ塗料、ウレタン塗料等の防食塗料を塗布し、樹脂被覆したバラストタンクが開示されている。この技術は、鋼材自身の耐食性向上により防食塗装の寿命を延長し、船舶の使用期間である20〜30年に亘ってメンテナンスフリー化を実現しようとするものである。
また、特許文献5には、C:0.15mass%以下の鋼に、耐食性改善元素として、Cr:0.2〜5mass%を添加して耐食性を向上し、船舶のメンテナンスフリー化を実現しようとする提案がなされている。さらに、特許文献6には、C:0.15mass%以下の鋼に、耐食性改善元素として、Cr:0.2〜5mass%を添加した鋼材を構成材料として使用すると共に、バラストタンク内部の酸素ガス濃度を大気中の値に対して0.5以下の比率とすることを特徴とするバラストタンクの防食方法が提案されている。
また、特許文献7には、C:0.1mass%以下の鋼に、Cr:0.5〜3.5mass%を添加することで耐食性を向上し、船舶のメンテナンスフリー化を実現しようとする提案がなされている。さらに、特許文献8には、C:0.001〜0.025mass%の鋼に、Ni:0.1〜4.0mass%を添加することで、耐塗膜損傷性を向上し、補修塗装などの保守費用を軽減する船舶用鋼材が開示されている。
また、特許文献9には、C:0.01〜0.25mass%の鋼に、Cu:0.01〜2.00mass%、Mg:0.0002〜0.0150mass%を添加することで、船舶外板、バラストタンク、カーゴオイルタンク、鉱炭石カーゴホールド等の使用環境において耐食性を有する船舶用鋼が開示されている。さらに、特許文献10には、C:0.001〜0.2mass%の鋼において、Mo,WとCuとを複合添加し、不純物であるP,Sの添加量を限定することにより、原油油槽で生じる全面腐食、局部腐食を抑制した鋼が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3には、バラストタンク等を構成する鋼材に通常塗布されているジンクエポキシ樹脂塗料等の塗膜存在下での耐食性については十分な検討がなされておらず、従って、上記のような塗膜存在下での耐食性については、さらなる検討の必要がある。
また、特許文献4の鋼材は、下地金属の耐食性を向上させるために、Pを0.03〜0.10mass%と比較的多量に添加しており、溶接性および溶接部靭性の面からは問題がある。また、特許文献5および特許文献6の鋼材は、Crを0.2〜5mass%含有し、また、特許文献7の鋼材は、Crを0.5〜3.5mass%と比較的多く含有しているため、いずれも溶接性および溶接部靭性に問題がある他、製造コストが高くなるという問題がある。また、特許文献8の鋼材は、C含有量が低く、Ni含有量が高いため、製造コストが高くなるという問題がある。
さらに、特許文献9の鋼材は、Mgの添加を必須としているため、製鋼歩留りが安定せず、鋼材の機械的特性も安定しないという問題がある。さらに、特許文献10の鋼材は、原油油槽内というHSが存在する環境下で使用される耐食鋼であり、HSが存在しないバラストタンクでの耐食性は不明である。さらに、バラストタンク用鋼材に一般的に使用されているジンクプライマーが塗布された状態での耐食性については検討がなされていない。したがって、バラストタンクに用いるには、さらなる耐食性の検討が必要である。
特開昭48−050921号公報 特開昭48−050922号公報 特開昭48−050924号公報 特開平07−034197号公報 特開平07−034196号公報 特開平07−034270号公報 特開平07−310141号公報 特開2002−266052号公報 特開2000−017381号公報 特開2004−204344号公報
一般に、船舶は、厚鋼板や薄鋼板、形鋼、棒鋼等の鋼材を溶接して建造されており、その鋼材の表面には防食塗装が施されている。上記防食塗装は、一次防錆として、ジンクプライマーを塗付し、小組み後あるいは大組み後に、二次塗装(本塗装)として、エポキシ樹脂塗装が施されるのが普通である。したがって、船舶の鋼材表面の大部分は、ジンクプライマーとエポキシ樹脂塗装の2層構造の防食塗装が施されている。また、溶接部は、溶接時の熱によってジンクプライマーが焼失するため、溶接後から本塗装までの間の防錆対策として、ジンクプライマーによる補修塗装(タッチアップ)が施される。しかし、本塗装までの期間が短い場合には、補修塗装を行わないこともある。また、建造後、長年使用した船舶では、上記塗膜が劣化して防錆塗膜としての機能を十分に果たしていない部分や、塗膜が剥離して鋼板が裸状態になっている部分が存在する。
つまり、結果として、就航している船舶の鋼材表面には、ジンクプライマーとエポキシ樹脂塗装の2層の塗装が施されている状態と、エポキシ樹脂塗装のみの状態と、裸状態の3つの状態が存在することになる。したがって、船舶の耐食性を向上させるという目的を達成するためには、それらのいずれの状態においても優れた耐食性を示す船舶用鋼材であることが必要とされる。
ところで、船舶のロンジ材等に適用される形鋼、例えば、不等辺不等厚形鋼(NAB)やバブルプレートは、同じ熱間圧延して製造される厚鋼板と比較して、断面形状・寸法が複雑であるため、強度と靭性等の材質造り込みのために、厚鋼板と同様のTMCプロセスを採用することは困難である。特に、圧延途中で発生する曲がりや反りに配慮しながら、材質の造り込みを行う必要があるため、YP390MPa以上の高強度の形鋼を製造するには、特別な製造方法を検討する必要がある。
そこで、本発明の目的は、船舶のバラストタンク等の厳しい腐食環境下においても、鋼材の表面状態に左右されることなく優れた耐食性を発揮して、補修塗装までの期間の延長が可能となり、ひいては補修塗装の作業軽減を図ることができるYPが390MPa以上の耐食性に優れる船舶用形鋼を安価に提供することにある。
発明者らは、海水による厳しい腐食環境下でも、鋼材表面状態に左右されることなく優れた耐食性を示す高強度形鋼の開発に向けて鋭意研究を重ねた。その結果、WとCrを必須元素として添加し、これにさらに、Sb,Sn等の耐食性向上元素を適正範囲で添加すると共に、ミクロ組織を加工フェライトを含むフェライトとベイナイトからなる組織とすることにより、ジンクプライマーとエポキシ樹脂塗装の2層塗膜状態、エポキシ樹脂塗膜状態および裸状態のいずれの状態においても優れた耐食性を示し、YP390MPa以上の強度を有する船舶用形鋼が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、C:0.03〜0.25mass%、Si:0.05〜0.50mass%、Mn:0.1〜2.0mass%、P:0.025mass%以下、S:0.01mass%以下、Al:0.005〜0.10mass%、W:0.01〜1.0mass%、Cr:0.01mass%以上0.20mass%未満、N:0.001〜0.008mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、加工フェライトを含むフェライトとベイナイト組織からなるミクロ組織を有するYPが390MPa以上の船舶用形鋼である。
本発明の上記船舶用形鋼は、上記成分組成に加えてさらに、下記A〜E群のうちの少なくとも1群の成分を含有することを特徴とする。
A群;Sb:0.001〜0.3%およびSn:0.001〜0.3%のうちから選ばれる1種または2種
B群;Cu:0.005〜0.5%、Ni:0.005〜0.25%、Mo:0.01〜0.5%およびCo:0.01〜1.0%のうちから選ばれる1種または2種以上
C群;Nb:001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%およびV:0.002〜0.2%のうちから選ばれる1種または2種以上
D群;B:0.0002〜0.003%
E群;Ca:0.0002〜0.01%、REM:0.0002〜0.015%およびY:0.0001〜0.1%のうちから選ばれる1種または2種以上
また、本発明は、上記のいずれかに記載の成分組成を有する鋼素材を熱間圧延して造船用形鋼を製造する方法において、上記鋼素材を1000〜1350℃に加熱後、圧延中の厚肉部と薄肉部の温度差を50℃以内に抑えて、Ar温度以下での累積圧下率が10〜80%、仕上圧延温度がAr温度−30℃〜Ar温度−80℃の熱間圧延を行い、その後、Ar温度−30℃〜Ar温度−100℃から700〜500℃までを加速冷却することを特徴とするYPが390MPa以上の船舶用形鋼の製造方法を提案する。
本発明によれば、高強度でかつ海水による厳しい腐食環境下でも優れた耐食性を有する船舶用形鋼を安価に提供することができる。また、本発明の形鋼は、耐食性に優れるので、船舶の補修塗装までの期間の延長および補修塗装の作業負荷軽減に大きく寄与することができる。
発明者らは、就航している船舶の形鋼に存在する3つ状態、即ち、ジンクプライマーとエポキシ樹脂塗膜の2層塗膜を有する状態と、エポキシ樹脂塗膜のみの状態、および、裸状態のいずれにおいても、優れた耐食性を有する船舶用形鋼を開発するため、以下の実験を行った。
種々の合金元素を添加した鋼を実験室的に溶製し、熱間圧延して板厚が5mmの熱延板とし、それらの熱延板から5mmt×100mmW×200mmLおよび5mmt×50mmW×150mmLの2種類の試験片を採取し、その試験片の表面にショットブラストして表面のスケールや油分を除去したのち、下記の3種類の表面処理を施した暴露試験用試験片を作製した。
・条件I:試験片表面に、ジンクプライマー(膜厚約15μm)とタールエポキシ樹脂塗料(膜厚約100μm)の2層被膜を形成
・条件II:試験片表面に、タールエポキシ樹脂塗料(膜厚約100μm)の単層被膜を形成
・条件III:試験片表面にショットブラストしたままの裸状態(防食被膜なし)
その後、それらの試験片を、実船のバラストタンクの上甲板裏に相当する腐食環境を模擬した、(35℃、5%NaCl溶液噴霧×2hr)→(60℃、RH25%×4hr)→(50℃、RH95%×2hr)を基本サイクルとし、これを132サイクル行う塩水噴霧乾湿繰返し腐食試験に供した。腐食試験後、塗膜を有する条件IおよびIIの試験片は、試験前に、塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与しておき、試験後に、スクラッチ疵の周囲に発生した塗脚膨れ面積を測定することで耐食性を評価した。また、塗膜を有しない条件IIIの試験片は、試験後、脱錆し、その脱錆後の試験片重量と腐食試験前の試験片重量の差(減少量)から平均板厚減少量を算出することで耐食性を評価した。
上記腐食試験の結果を総合し、各合金元素の耐食性に及ぼす効果を纏めたのが表1である。この結果を簡単に述べると、以下のとおりである。
1)条件I(ジンクプライマー+タールエポキシ樹脂塗装の2層塗膜)の場合、耐食性の向上に最も有効な元素はCrであり、次いでW、次いでSbである。
2)条件II(タールエポキシ樹脂塗膜の1層のみ)の場合、耐食性の向上に最も有効な元素はWであり、次いでSb,Snである。
3)条件III(裸状態)の場合、耐食性の向上に最も有効な元素はWであり、次いでSb,Snである。
4)WとCrを複合添加すると、条件Iでの耐食性が単独含有の場合より向上し、Sb,Snを追加添加すると、条件Iだけでなく、条件II,IIIでも顕著な改善効果を奏する。
5)Moの添加は、条件I〜IIIとも、耐食性をやや向上し、Cu,Ni,Coは、条件I,IIIで、耐食性をやや向上する。
Figure 2010150631
上記試験の結果を基にして、本発明では、耐食性を向上する基本元素としてWとCrを複合添加する成分系を採用し、さらに耐食性が要求される場合には、Sb,Snから選ばれる1種または2種を追加して添加する成分設計を採用することとした。そして、より優れた耐食性を要求される場合には、Cu,Ni,Mo,Coから選ばれる1種または2種以上を添加することとした。
次に、本発明の耐食性に優れる船舶用形鋼の成分組成について説明する。
C:0.03〜0.25mass%
Cは、鋼材の強度を高めるのに有効な元素であり、本発明では所望の強度を得るために0.03mass%以上添加する。一方、0.25mass%を超える添加は、溶接熱影響部(HAZ)の靭性を低下させる。よって、Cは0.03〜0.25mass%の範囲とする。なお、後述する加工フェライトによって強度と靭性を両立させる観点からは、Cは、0.05〜0.20mass%の範囲が好ましい。
Si:0.05〜0.50mass%
Siは、脱酸剤として、また、鋼材の強度を高めるために添加される元素であり、本発明では、0.05mass%以上添加する。しかし、0.50mass%を超える添加は、鋼の靭性を低下させるので、Siの上限は0.50mass%とする。
Mn:0.1〜2.0mass%
Mnは、熱間脆性を防止し、鋼材の強度を高める効果がある元素であり、0.1mass%以上添加する。しかし、2.0mass%を超えるMnの添加は、鋼の靭性および溶接性を低下させるため、上限は2.0mass%とする。好ましくは、0.5〜1.6mass%の範囲である。
P:0.025mass%以下
Pは、鋼材の母材靭性や溶接性さらには溶接部靭性を低下させる有害な元素であり、できるかぎり低減するのが好ましい。特に、Pの含有量が0.025mass%を超えると、母材靭性および溶接部靭性の低下が大きくなる。よって、Pは0.025mass%以下とする。好ましくは、0.014mass%以下である。
S:0.01mass%以下
Sは、鋼材の靭性および溶接性を低下させる有害な元素であるので、できるかぎり低減することが好ましく、本発明では、0.01mass%以下とする。
Al:0.005〜0.10mass%
Alは、脱酸剤として添加される元素であり、0.005mass%以上添加する必要がある。しかし、0.10mass%を超えて添加すると、地鉄の腐食により溶出したAl3+により、地鉄表面のpHが低下し、耐食性が低下するので、Al含有量の上限は0.10mass%とする。
W:0.01〜1.0mass%
Wは、前述したように、ジンクプライマーとエポキシ樹脂塗膜の存在下での鋼材の耐食性を向上する元素であるが、エポキシ樹脂塗膜存在下および裸の状態での耐食性をも顕著に向上する効果がある。したがって、本発明の鋼材においては、耐食性向上元素として最も重要な元素の1つである。上記効果は、W:0.01mass%以上の添加で発現する。しかし、添加量が1.0mass%超えると、上記効果は飽和してしまう。よって、Wの含有量は0.01〜1.0mass%の範囲とする。好ましくは0.02〜0.3mass%の範囲である。さらに好ましくは、0.02〜0.2mass%の範囲である。
Wが、上記耐食性向上効果を有する理由は、鋼板の腐食に伴って生成する錆の中にWO 2−が生成され、このWO 2−の存在によって、塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制され、さらに、鋼板表面のアノード部などのpHが低下した部位で、難溶性のFeWOが生成され、このFeWOの存在によっても、塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制される結果、鋼の腐食が効果的に抑制されるからと考えられる。また、WO 2−のインヒビター作用によっても、鋼の腐食が抑制される。
Cr:0.01mass%以上0.20mass%未満
Crは、ジンクプライマーとエポキシ樹脂塗膜の存在下で、優れた耐食性を発揮する元素であり、本発明の船舶用形鋼においては、耐食性向上に重要な元素の1つである。上記Crの耐食性向上効果は、ジンクプライマーが存在する場合には、ジンクプライマー中のZnが溶出して、ZnOやZnCl・4Zn(OH)等のZn系腐食生成物が生成されるが、CrはこのZn系腐食生成物に作用して、Zn系腐食生成物による地鉄防食性をより向上させる働きがあるためであると推定される。このような、ジンクプライマー存在下でのCrの耐食性向上効果は、0.01mass%以上の添加で発現する。しかし、0.20mass%以上添加すると、溶接部靭性が低下する。よって、Cr含有量は、0.01mass%以上0.20mass%未満の範囲とする。
N:0.001〜0.008mass%
Nは、鋼材の靭性に対して有害な成分である。したがって、靭性の向上を図るためには、Nは、できるだけ低減することが望ましく、本発明ではNの上限を0.008mass%とする。しかし、工業的にNを0.001mass%未満に低減するのは難しい。よって、本発明では、N含有量は0.001〜0.008mass%の範囲とする。
本発明の船舶用形鋼は、耐食性のさらなる向上を目的として、上記成分に加えてさらに、下記の成分を添加することができる。
Sb:0.001〜0.3mass%およびSn:0.001〜0.3mass%のうちから選ばれる1種または2種
Sbは、ジンクプライマーとエポキシ樹脂塗膜存在下、エポキシ樹脂塗膜存在下および裸状態での耐食性を向上させる効果がある。また、Snは、エポキシ樹脂塗膜存在下および裸状態のいずれにおいても耐食性を向上させる効果がある。Sb,Snの上記効果は、鋼板表面のアノード部などのpHが低下した部位の腐食を抑制するためと考えられる。これらの効果は、Sn,Sbとも0.001mass%以上の添加により発現する。しかし、0.3mass%を超えて添加すると、母材靭性およびHAZ部靭性が低下する。よって、SbおよびSnは、それぞれ0.001〜0.3mass%の範囲で添加するのが好ましい。なお、SbおよびSnは、複合して添加することがさらに好ましい。
Cu:0.005〜0.5mass%、Ni:0.005〜0.25mass%、Mo:0.01〜0.5mass%およびCo:0.01〜1.0mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
Cu,Ni,MoおよびCoは、ジンクプライマーとエポキシ塗膜の存在下および裸の状態における鋼材の耐食性を向上し、さらに、Moは、エポキシ塗膜存在下でも耐食性を向上する効果がある。したがって、これらの元素は、耐食性をより向上させたい場合に、補助的に添加することができる。Cu,Ni,Mo,Coの上記効果は、錆粒子の微細化作用と、さらに、Moの上記効果は、錆中にMoO 2−が生成することにより塩化物イオンが鋼板表面に侵入するのを抑制するためと考えられる。これらの効果は、Cu,Niでは0.005mass%以上、Moでは0.01mass%以上、Coでは0.01mass%以上添加することで発現する。しかし、Cu:0.5mass%超え、Ni:0.25mass%超え、Mo:0.5mass%超え、Co:1.0mass%超え添加しても、その効果は飽和し、経済的にも不利となる。よって、Cu,Ni,MoおよびCoは、それぞれ上記範囲で添加するのが好ましい。
さらに本発明の形鋼は、鋼の強度を高めたり、靭性を向上させたりするため、上記成分に加えてさらに、下記の成分を含有することができる。
Nb:0.001〜0.1mass%、Ti:0.001〜0.1mass%、Zr:0.001〜0.1mass%およびV:0.002〜0.2mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
Nb,Ti,ZrおよびVは、いずれも鋼材の強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて選択して添加することができる。このような効果を得るためには、Nb,Ti,Zrは、それぞれ0.001mass%以上、Vは0.002mass%以上添加することが好ましい。しかし、Nb,Ti,Zrは0.1mass%、Vは0.2mass%を超えて添加すると、却って靭性が低下するため、Nb,Ti,Zr,Vは、上記値を上限として添加するのが好ましい。
B:0.0002〜0.003mass%
Bは、鋼材の強度を高める元素であり、必要に応じて添加することができる。上記効果を得るためには、0.0002mass%以上添加するのが好ましい。しかし、0.003mass%を超えて添加すると、却って靭性が低下する。よって、Bは0.0002〜0.003mass%の範囲で添加するのが好ましい。
Ca:0.0002〜0.01mass%,REM:0.0002〜0.015mass%およびY:0.0001〜0.1mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
Ca,REMおよびYは、いずれも溶接熱影響部の靭性向上に効果のある元素であり、必要に応じて添加することができる。この効果は、Ca:0.0002mass%以上、REM:0.0002mass%以上、Y:0.0001mass%以上の添加で得られる。しかし、Ca:0.01mass%、REM:0.015mass%、Y:0.1mass%を超えて添加すると、却って靭性の低下を招くので、Ca,REM,Yは、それぞれ上記値を上限として添加するのが好ましい。
本発明の船舶用形鋼においては、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を害しない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではないことは勿論である。
次に、本発明に係る高強度でかつ耐食性に優れる船舶用形鋼のミクロ組織について説明する。
YP390MPa以上の高強度を達成するためには、フェライトとベイナイトからなるミクロ組織とするとともに、上記フェライト中には、加工フェライトが含まれていることが必要である。フェライト・パーライト組織では、YP390MPa以上を達成することは困難であり、また、ベイナイト単相組織では、延性が低下してしまう。さらに、加工フェライトの導入は、転位密度を上げてYPを上昇させる方法であるので、過度のCや他の合金元素の添加を最小限に抑制し、溶接性を維持したままで強度を高めることができる。したがって、YP390MPa以上で延性に優れる鋼材を得るためには、加工フェライトを含むフェライトとベイナイトからなるミクロ組織とすることが有効である。
次に、上記加工フェライトを含むフェライトとベイナイトからなるミクロ組織を得るための製造方法について説明する。
前述した本発明の成分組成を満たす鋼を転炉、電気炉等の通常公知の方法で溶製し、連続鋳造法、造塊法等、通常公知の方法でスラブやビレット等の鋼素材とするのが好ましい。なお、溶鋼に取鍋精錬や真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
次いで、上記鋼素材を、加熱炉に装入して1000〜1350℃に再加熱する。この加熱温度が1000℃未満では、熱間圧延時の変形抵抗が大きくなり、圧延することが困難となる。一方、1350℃を超えての再加熱は、表面庇の発生を誘発したり、スケールロスや燃料原単位も増加したりするため好ましくない。好ましい加熱温度は1100〜1300℃の範囲である。
続く熱間圧延は、Ar温度以下での累積圧下率を10〜80%とする必要がある。Ar温度以下での累積圧下率が10%未満では、加工フェライトの生成量が少ないために強靭化効果が小さい。逆に、80%を超える累積圧下率は、圧延荷重が増大したり、圧延パス数が増えたりするので、生産性の低下を招く。好ましくは、10〜60%の範囲である。Ar温度以下での圧延は、少なくとも1パス以上行えばよく、複数パスの圧延となっても構わない。ここで、Ar温度以下での累積圧下率とは、Ar温度における圧延材の断面積(A)に対する圧延終了後の圧延材の断面積(B)の断面減面率のことを指し、以下の式で表される。
(Ar温度以下での累積圧下率〔%〕)=100×(A−B)/A
ここで、上記熱間圧延で生成される加工フェライトの分率は、面積率にして鋼組織全体の10〜70%の範囲であるのが好ましい。加工フェライトの分率が10%未満では、本発明が所期した390MPa以上のYPを得るのが難しく、一方、70%を超えると、延性および靭性が低下するからである。好ましい加工フェライトの分率は、20〜60%の範囲である。
また、熱間圧延での圧延仕上温度は、Ar温度−30℃〜Ar温度−80℃とする必要がある。Ar温度以上で圧延を行うと、加工フェライトを含まないミクロ組織となり、必要な強度が得られない。さらに、圧延仕上温度がAr温度−30℃超えでは、2相域圧延による強度向上効果が十分に得られない。一方、圧延仕上温度がAr温度−80℃未満では、変形抵抗の増大に伴い、圧延荷重が増加するので、熱間圧延することが困難となる。また、第二相中にCが濃化して鋼が硬質化するため、延性も低下する。
なお、上記熱間圧延において特に注意すべきことは、熱間圧延中においては、特に、不等辺不等厚形鋼のように長辺側と短辺側の肉厚が異なる形鋼においては、厚肉部と薄肉部の温度差を50℃以内に制御して圧延する必要があることである。温度差が50℃を超えると、厚肉部と薄肉部の強度や靭性の差やばらつきが大きくなるばかりでなく、圧延後の冷却工程での曲がりが大きくなり、矯正に多大な負荷を要するため、生産性を大きく低下させるからである。温度差を50℃以内とするためには、圧延途中の圧延機の前後に配置された水冷装置を用いて、圧延機の前面および/または後面で、温度の高い肉厚部を冷却してやる方法が有効である。その場合の水量密度は、1m/m・minとすることが好ましい。
上記熱間圧延後の形鋼は、その後、Ar温度−30℃〜Ar温度−100℃の温度から700〜500℃の温度までを加速冷却する必要がある。冷却開始温度がAr温度−30℃超えでは、ベイナイトの体積率が多くなり、延性や靭性が低下する。一方、Ar温度−100℃未満から加速冷却を開始した場合には、第二相がパーライト変態し、十分な強度が得られない。また、冷却停止温度が700℃超えでは、加速冷却の効果が得らないため強度が低く、また、500℃未満では、延性が低下してしまうからである。また、上記加速冷却における冷却速度は1℃/sec以上であることが好ましい。1℃/sec未満では、十分な加速冷却効果が得られず、強度が低下するためである。なお、その後の冷却は、空冷(放冷)で構わない。
表2に示した成分組成を有するA〜Oの鋼を真空溶解炉または転炉で溶製してブルームとし、このブルームを加熱炉に装入して表3に示した条件で加熱後、熱間圧延し、同じく表3に示した断面寸法の不等辺不等厚山形鋼(NAB)および圧延T形鋼を製造した。なお、表3において、T形鋼については、ウェブを長辺側、フランジを短辺側として示している。上記のようにして得た不等辺不等厚山形鋼の短辺側から、T形鋼についてはフランジから、JIS1A号引張試験片を採取し、引張特性(降伏応力YP,引張強さTS,伸びEl)を測定した。また、同じく不等辺不等厚山形鋼については短辺側から、T形鋼についてはフランジから、シャルピー衝撃試験片(2mmVノッチ試験片)を採取し、−20℃でのシャルピー衝撃試験における吸収エネルギーを測定した。また、不等辺不等厚山形鋼については短辺側から、T形鋼についてはフランジから、組織観察用の試料を採取し、板厚1/4部の組織を、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で観察し、2相域圧延で生成した扁平化した加工フェライトをトレースし、ミクロ組織中に占める面積を画像解析により定量化し、加工フェライトの分率を求めた。
Figure 2010150631
Figure 2010150631
次に、それぞれの不等辺不等厚山形鋼の短辺側から、5mmt×100mmW×200mmLおよび5mmt×50mmW×150mmLの2種類の試験片を採取し、試験片表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去したのち、以下の条件I〜IIIの表面処理を施した耐食性試験片を作製した。
<表面処理条件>
・条件I:試験片表面に、ジンクプライマー(膜厚約15μm)とタールエポキシ樹脂塗料(膜厚約200μm)の2層被膜を形成
・条件II:試験片表面に、タールエポキシ樹脂塗料(膜厚約200μm)の単層被膜を形成
・条件III:試験片表面に、ショットブラストしたままの裸状態(防食被膜なし)
なお、塗膜を形成した上記条件IおよびIIの試験片には、塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する長さ80mmのスクラッチ疵を一文字状に付与した。
上記のようにして作製した試験片は、その後、実船のバラストタンク上甲板の裏側に2年間装着し、暴露試験に供した。この暴露試験の腐食環境は、平均して、バラストタンク内に海水が入っている期間が約20日、海水が入っていない期間が約20日を基本サイクルとし、これを繰り返すものであった。暴露試験における耐食性の評価は、塗膜を有する条件IおよびIIの試験片については、スクラッチ疵の周囲に発生した塗膜膨れ面積を測定し、また、塗膜を有しない条件IIIの試験片については、試験後、脱錆し、その脱錆後の試験片質量と試験前の試験片質量の差(減少量)から平均板厚減少量を算出し、これらの結果を、本発明の耐食性向上元素(W,Cr)を含まない鋼記号Lの鋼の値をベース(100)として、それに対する各試験片の値を%比で算出し、評価した。
表4に上記引張試験、衝撃試験およびミクロ組織調査の結果を、また、表5に耐食性試験の結果を示した。表5の腐食試験の結果から、本発明の成分組成を満たす発明例のA〜Kの鋼は、条件I〜IIIのいずれでも、ベース鋼(L)に対する塗膜膨れ面積および板厚減少量が50%以下であり、良好な耐食性を有している。これに対して、本発明の成分組成を満たさないM,Nの鋼は、条件I〜IIIのいずれかの条件で、ベース鋼に対する比率が50%を超えている。また、ミクロ組織が、加工フェライトを含むフェライト+パーライト組織では、本発明で所期した十分な強度が得られており、曲がりや反りなどの形状変化も軽微で、生産性も極めて良好であった。
なお、鋼記号Cの鋼を熱間圧延した圧延No.16の形鋼は、圧延仕上温度が高すぎて、加工フェライトが得られず、高強度が得られなかった例を、No.17の形鋼は、空冷したため圧延中の温度差が50℃を超えて、曲がりが大きくなった例を、No.18の形鋼は、圧延仕上温度が低すぎたため、圧延ができなかった例を、また、No.19の形鋼は、冷却開始温度が低すぎたため、390MPa以上のYPが得られなかった例を示したものである。
Figure 2010150631
Figure 2010150631
本発明の船舶用形鋼は、海水による腐食環境下で優れた耐食性を示すので、ロンジ材等の耐食性向上や船舶の補修期間の延長を通じて、船舶自体の寿命延長に大きく寄与することができる。また、本発明の技術は、類似の腐食環境で使用される他の形鋼にも適用することができる。

Claims (7)

  1. C:0.03〜0.25mass%、Si:0.05〜0.50mass%、Mn:0.1〜2.0mass%、P:0.025mass%以下、S:0.01mass%以下、Al:0.005〜0.10mass%、W:0.01〜1.0mass%、Cr:0.01mass%以上0.20mass%未満、N:0.001〜0.008mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、加工フェライトを含むフェライトとベイナイト組織からなるミクロ組織を有するYPが390MPa以上の船舶用形鋼。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、Sb:0.001〜0.3mass%およびSn:0.001〜0.3mass%のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の船舶用形鋼。
  3. 上記成分組成に加えてさらに、Cu:0.005〜0.5mass%、Ni:0.005〜0.25mass%、Mo:0.01〜0.5mass%およびCo:0.01〜1.0mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の船舶用形鋼。
  4. 上記成分組成に加えてさらに、Nb:001〜0.1mass%、Ti:0.001〜0.1mass%、Zr:0.001〜0.1mass%およびV:0.002〜0.2mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の船舶用形鋼。
  5. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0002〜0.003mass%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の船舶用形鋼。
  6. 上記成分組成に加えてさらに、Ca:0.0002〜0.01mass%、REM:0.0002〜0.015mass%およびY:0.0001〜0.1mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の船舶用形鋼。
  7. 上記請求項1〜6のいずれかに記載の成分組成を有する鋼素材を熱間圧延して造船用形鋼を製造する方法において、上記鋼素材を1000〜1350℃に加熱後、圧延中の厚肉部と薄肉部の温度差を50℃以内に抑えて、Ar温度以下での累積圧下率が10〜80%、仕上圧延温度がAr温度−30℃〜Ar温度−80℃の熱間圧延を行い、その後、Ar温度−30℃〜Ar温度−100℃から700〜500℃までを加速冷却することを特徴とするYPが390MPa以上の船舶用形鋼の製造方法。
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