JP2010150290A - ヒドロキシアルキルアクリルアミドに基づく歯科材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】強酸性化合物の存在下においてさえ加水分解安定であり、そして低い毒性を有する、歯科材料を提供すること。
【解決手段】本発明は、式(I):
の少なくとも1種のヒドロキシアルキルアクリルアミドを含有することを特徴とする、重合可能組成物を提供し、ここで、Xは、C1〜C12のアルキレン基またはC7〜C15のアルキレンフェニレン基を表し、R1は、C1〜C10アルキル基、フェニルまたは水素を表し、m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そしてR2は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そしてn=2については2つのR1基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、式(I):
の少なくとも1種のヒドロキシアルキルアクリルアミドを含有することを特徴とする、重合可能組成物を提供し、ここで、Xは、C1〜C12のアルキレン基またはC7〜C15のアルキレンフェニレン基を表し、R1は、C1〜C10アルキル基、フェニルまたは水素を表し、m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そしてR2は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そしてn=2については2つのR1基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヒドロキシアルキルアクリルアミドに基づく組成物に関し、この組成物は、高い加水分解安定性によって特徴付けられ、そして特に、歯科材料として適している。
歯科学において、現在、コンポジットと歯の硬質物質(エナメル質および象牙質)との間にしっかりした永久的な結合を作り出すために、接着システムが主に使用されている。コンポジットとは、重合可能な有機結合剤および充填剤を含む歯科材料を意味する。エナメル質接着を改善するために、歯のエナメル質表面は、通常、20〜40%のリン酸でエッチングされ、その結果として、重合した接着剤モノマーの微細な機械的固着が、達成され得る。
個々の象牙質接着剤システムは、腔調製の結果として形成されるスメア層がリンスされていないが、完全にもしくは部分的に溶解されているか、またはスメア層が全体的なエッチング技術に従って完全に除去されているかに従って、分類される[非特許文献1を参照のこと]。
この分類とは独立して、多くの象牙質接着剤は、ヒドロキシアルキルメタクリレートおよび特に2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含む。なぜなら、この親水性モノマー自体が、優れた浸透能力を有し、そして同時に、他のモノマーの浸透を促進するからである(非特許文献2を参照のこと)。
さらに、強酸性のモノマー、特に重合可能なリン酸エステル(例えば、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)およびジペンタ−エリスリトール−ペンタメタクリロイルオキシホスフェート(PENTA))は、大部分、自己エッチング象牙質接着剤において接着促進剤として使用される。
HEMAおよび酸性モノマーに加えて、多くの接着剤がまた、湿潤能力を改善するために水を含む。これによって、HEMAは、エチレングリコールおよびメタクリル酸に分けられ、結果として、これらの混合物は、加水分解安定性でも保存安定性でもない。対応する接着剤の接着特性を損なうことに加えて、これは、毒物学的問題を導く。
十分なエナメル質接着が、歯のエナメル質をエッチングすることによって達成され得るが、象牙質への接着は、達成することがより困難である。
特許文献1に従って、象牙質および歯のエナメル質に対する高い程度の接着は、アリールボレートおよび重合触媒としての遷移金属化合物の混合物を含む酸性モノマーに基づく歯科プライマーの使用によって達成されることが言われている。特に、トリメチロールプロパントリアクリレートは、光重合可能モノマーとして列挙される。
歯科材料の象牙質接着を改善するために、特許文献2は、ホルミルピペラジン基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリルアミドの使用を提案する。これらのアルデヒド基の結果として、これらの化合物は、コラーゲンの第1級アミノ基と反応し得、アゾメチンの発生を伴い、従って、象牙質接着を改善する。アルデヒド基の高い反応性(これは、化合物の安定性を損ない、そして歯科材料の他の成分との2次反応を促進する)は、不利である。アルデヒドはまた、変異原性作用を有する。
特許文献3は、例えば、エタノールアミンと(メタ)アクリル酸クロライドとの反応による、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドのような、(メタ)アクリル酸クロライドを用いるα,ω−ヒドロキシ−アルキルアミンのアミド化によるN−(ヒドロキシアルキル)−置換(メタ)アクリルアミドの調製を開示する。これらの中間体は、ヒドロキシル基とさらなる(メタ)アクリル酸クロライドとの反応により、多官能性架橋剤(これは、ゲル電気泳動のためのキャリアゲルの調製に適することが言われている)に変換される(非特許文献3を参照のこと)。
特許文献4は、触媒量の水酸化アルカリまたはアルカリアルコキシドの存在下での、不飽和2−アルキルエステルとβ−アミノアルカノールの反応による不飽和N−(2−ヒドロキシアルキル)−2−アルキルアミドの調製を開示する。このアミドは、ビニルオキサゾリンの調製のための抽出物として役立つ。
非特許文献4は、N−メチロールアクリルアミドおよびN−メチロールメタクリルアミドに基づく象牙質プライマーを記載する。しかし、N−メチロール化合物は、安定ではなく、ホルムアルデヒドを分離する傾向がある。N−メチロールアクリルアミドはまた、発癌性であり、結果として、この化合物は、歯科材料の調製についてほとんど利点がない。
U.Blunck、B.Haller、「Quintessenz」1999年、第50巻、p.1021−1033
N.NakabayashiおよびD.H Pashley、「Hybridization of dental hard tissues」、Quintessence Publishing Co.Tokyo etc.、1998年、p.11−13
G.Y.N.Chan、M.G.Looney、D.H.Solomon、S.Veluayitham、「Austr.J.Chem.」1998年、第51巻、p.31−35
T.Fukushima、T.Itoh、Y.Inoue、M.Kawaguchi、K.Miyazaki、「Journal of Dentistry」、1999年、第27巻、p.391−397
本発明の課題は、強酸性化合物の存在下においてさえ、加水分解安定であり、そして低い毒性を有する、歯科材料を提供することである。この材料はまた、象牙質および歯のエナメル質に対する良好な接着性を示すことが意図される。
本発明は、式(I):
Xは、C1〜C12のアルキレン基またはC7〜C15のアルキレンフェニレン基を表し、
R1は、C1〜C10アルキル基、フェニルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そして
R2は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そして
n=2については2つのR1基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る。
1つの実施形態は、以下:
Xが、C1〜C10のアルキレン基を表し、
R1が、C1〜C6アルキル基または水素を表し、そして
R2が、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、C1〜C6のアルキレン基であることを特徴とする。
Xが、C1〜C10のアルキレン基を表し、
R1が、C1〜C6アルキル基または水素を表し、そして
R2が、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、C1〜C6のアルキレン基であることを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、上記ヒドロキシアルキルアクリルアミドに加えて、少なくとも1種のさらなる重合可能モノマーおよび/またはラジカル重合のための開始剤を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、少なくとも1種のラジカル重合可能モノマーを含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、2以上の重合可能基を有する少なくとも1種のモノマー、および/または1つ以上の酸性基を有する少なくとも1種のモノマーを含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、少なくとも1種のカチオン重合可能モノマーを含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、光重合のための開始剤を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、充填剤を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、以下:
0.5〜70重量%のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
0.01〜5重量%の重合開始剤、
0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、および
0〜95重量%の溶媒、
を含有することを特徴とする。
0.5〜70重量%のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
0.01〜5重量%の重合開始剤、
0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、および
0〜95重量%の溶媒、
を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、以下:
a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%のラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)0〜40重量%の溶媒、
e)0〜60重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする。
a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%のラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)0〜40重量%の溶媒、
e)0〜60重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、SiO2、ZrO2、Al2O3、AlO(OH)またはこれらの混合酸化物に基づく、単分散ナノ粒子充填剤を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、上記充填剤が、5〜200nmの粒子サイズを有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、以下:
a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)1〜75重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする。
a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)1〜75重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、石英、セラミック、ガラスセラミックまたはガラス粉末に基づく微細充填剤を含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記充填剤が、0.01〜5μmの平均粒子サイズを有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、さらなる重合可能モノマーとして、1〜50重量%の、1つ以上の酸性基を有するモノマーを含有することを特徴とする。
1つの実施形態は、上記組成物が、さらなる重合可能モノマーとして、1〜45重量%の、2つ以上の重合可能基を有するモノマーを含有することを特徴とする。
別の局面において、本発明は、上記組成物を含有する歯科材料を提供する。
1つの実施形態において、上記歯科材料は、接着剤またはセメントである。
別の局面において、本発明は、歯科材料を製造するための、式(I):
Xは、C1〜C12のアルキレン基またはC7〜C15のアルキレンフェニレン基を表し、
R1は、C1〜C10アルキル基、フェニルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そして
R2は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そして
n=2については2つのR1基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る。
1つの実施形態において、上記歯科材料は、接着剤またはセメントである。
本発明によれば、強酸性化合物の存在下においてさえ、加水分解安定であり、そして低い毒性を有する、歯科材料が提供される。この材料はまた、象牙質および歯のエナメル質に対する良好な接着性を示す。
本発明に従って、一般式(I)の少なくとも1つのヒドロキシアルキルアクリルアミドを含む、重合可能な組成物によって、上記課題が達成される:
Xは、C1〜C12アルキレンラジカルまたはC7〜C15アルキレンフェニレンラジカルを表し、好ましくは、C1〜C10アルキレンラジカルを表し、そして非常に特に好ましくは、C1〜C8アルキレンラジカルを表し、
R1は、C1〜C10アルキルラジカル、フェニルまたは水素を表し、好ましくは、C1〜C6アルキルラジカルまたは水素を表し、特に好ましくは、C1〜C3アルキルラジカルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1、または2であり、ここで、m+nは、2に等しく、そして
R2は、mが1以上である場合、水素、メチルもしくはX’−OHを表すか、またはmが0に等しい場合、X’−OHを表し、ここで、X’は、Xについて与えられた意味のうちの1つを有し、そして好ましくは、C1〜C6アルキレン、特に好ましくは、C1〜C3アルキレンであり、そして
ここで、n=2についての2つのラジカルR1およびm=2についての2つのラジカル−X−は、同じであっても異なっていても良い。式(I)に従うこのヒドロキシアルキルアクリルアミドは、アルデヒド基を含まず、そしてこの組成物もまた、好ましくは、アルデヒド基を有する他の化合物を含まない。
挙げられたアルキルラジカルおよびアルキレンラジカルは、好ましくは、直鎖基である。mおよびnがそれぞれ1に等しい化合物が特に好ましい。1分子当たり1、2または3個のヒドロキシル基を有する化合物もまた好ましい。
WO89/08099と同様に、式(I)に従うヒドロキシアルキルアクリルアミドが入手可能である。例えば、N−(ヒドロキシアルキル)メタクリルアミド(mが1以上であり、R2=CH3)は、N−(ヒドロキシアルキル)アミンを用いるメタクリル酸エステルのアミド化によって得られ得る:
一般:
一般:
一般:
式(I)の本発明に従う(ヒドロキシアルキル)アクリルアミドの好ましい例は、以下である:
ラジカル重合可能なモノマーは、1個以上のラジカル重合可能な基を有し得、2個以上、好ましくは2〜5個のラジカル重合可能な基を有する少なくとも1種のモノマーを含む組成物が好ましい。2つ以上の重合可能な基を有するモノマーは、架橋剤として作用し、従って、硬化された組成物の機械的安定性を増大させる。
好ましい架橋モノマーは、ビス−GMA、グリセロールジメタクリレートであり、特に、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸およびジイソシアネートのウレタン(例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネート)、または市販のビス(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)−プロパン、2,6−ジメチレン−4−オキサヘプタン−1,7−ジカルボン酸−ビス(プロピルアミド)、1,6−ビス−(アクリルアミド)−2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサンおよびN,N’−ジメチル−1,6−ビス−(アクリルアミド)ヘキサン)、ならびに市販のビス(メタ)アクリルアミド(例えば、1,4−ビスアクリロイルピペラジン、メチレンビスアクリルアミドおよびエチレンビスアクリルアミドである。
式(I)に従うヒドロキシアルキルアクリルアミドに加えて、1〜45重量%、好ましくは5〜30重量%、非常に特に好ましくは、5〜20重量%の架橋モノマー(特にビス(メタ)アクリルアミド)を含む組成物は、本発明に従って特に好ましい。この割合および他に記載しない限り、全ての他の割合が、組成物の全質量を参照する。
さらに、室温で液体であり、そして希釈モノマーとして適切であるモノマーは、ラジカル重合可能なモノマーとして挙げられ得る。室温で0.01〜10Pa・sの粘度を有するモノマーが好ましい。モノ(メタ)アクリレート、およびそれらの加水分解安定性に起因して、特にメシチルメタクリレートおよび2−(アルコキシメチルアクリル酸(例えば、2−(エトキシ−メチル)アクリル酸、およびアリルエーテルが、特に好ましい。他の好ましい加水分化安定性モノマーは、N−ビニルピロリドンおよびN,N−ジアルキル−置換アクリルアミド(例えば、市販の高液体N,N−ジメチルアクリルアミド)である。アルキルとは、好ましくは、1〜6個、特に、1〜3個の炭素原子を有するラジカルを意味する。
式(I)に従うヒドロキシアルキルアクリルアミドに加えて、本発明に従う組成物は、好ましくは、0〜50重量%、好ましくは、10〜40重量%、非常に特に好ましくは、10〜30重量%の希釈モノマーを含む。
さらに好ましい形態に従って、この組成物は、少なくとも1つのラジカル重合可能な酸性モノマー(すなわち、1つ以上の酸性基(例えば、無水カルボン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ジハイドロジェンホスフェート基、ホスホン酸基およびスルホン酸基)を有するモノマー)を含む。好ましい酸性基は、リン酸基およびホスホン酸基である。特に好ましい酸性モノマーは、無水4−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリメリト酸、10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸、N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルプロピル)−N−フェニルグリシン、4−ビニル安息香酸、2−メタクリロイルオキシエチル−フェニル−ハイドロジェン−ホスフェート、PENTA、MDP、ビニルスルホン酸および4−ビニルベンゼンスルホン酸である。それらの加水分解安定性に起因して、4−ビニルベンジルホスホン酸および2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]−アクリル酸(DHPOBAE)ならびにこれらのアミドおよび加水分解安定性エステル(例えば、メシチルエステル(=2,4,6−トリフェニルエステル))が特に好ましい。
式(I)に従うヒドロキシアルキルアクリルアミドに加えて、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、非常に特に好ましくは、10〜30重量%の酸性モノマー(特に、ジハイドロジェンホスフェート基、ホスホン酸基および/またはスルホン酸基を有する酸性モノマー)を含む組成物が、本発明に従って特に好ましい。
市販のビニルエーテルおよびオキセタンは、カチオン重合可能モノマーとして特に適切である。
挙げられたモノマーは、それぞれ、単独でまたは混合物として使用され得る。本発明に従って、高い加水分解安定性を有するモノマーが特に好ましい。本発明と関連して、強酸(例えば、20〜30%のリン酸)の存在下の水中または水および水混和性の溶媒の混合物中で、少なくとも4週間、37℃で安定である化合物は、加水分解安定であるとして記述される。特に、重合可能なカルボン酸アミドおよびメシチルエステル(このエステルの加水分解は、立体的に妨害される)は、この加水分解安定性を示す。
重合を開始するために、本発明に従う組成物は、好ましくは、ラジカル重合のための開始剤、特に好ましくは、光重合のための開始剤を含む。特に、ベンゾフェノン、ベンゾインならびにそれらの誘導体またはα−ジケトンまたはそれらの誘導体(例えば、9,10−フェナントレンキノン、ジアセチルまたは4,4−ジクロロベンジル)がこれに適する。特に好ましくは、カンファーキノンおよび2,2−メトキシ−2−フェニル−アセトフェノン、非常に特に好ましくは、α−ジケトンが、還元剤としてのアミンと組み合わせて使用される。好ましいアミンは、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エステル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチル−sym−キシリジンおよびトリエタノールアミンである。さらに、アシルホスフィンオキシド(例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドまたはビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド)が適切である。
ジアリールヨードニウム塩またはトリアリールスルホニウム塩(例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート)が、カチオン重合可能なモノマーを含む組成物を硬化するために特に適切である。ラジカルをまた生成する開始剤(例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、特に、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート(これらは、ヒドロキシアルキルアクリルアミドの硬化のために必要である))が好ましい。
さらに、本発明に従って使用される組成物は、機械的特性を改善するために、充填剤を含有し得る。有機粒子および無機粒子、ならびに有機繊維および無機繊維が、充填剤として適切である。好ましい無機粒子充填剤は、金属酸化物(例えば、ZrO2およびTiO2、またはSiO2、ZrO2および/もしくはTiO2の混合酸化物)に基づく非晶質球状材料;ナノ粒子または微細充填剤(例えば、発熱性シリカまたは沈澱シリカ);SiO2、ZrO2、Al2O3、AlO(OH)またはこれらの混合酸化物に基づく、単分散ナノ粒子充填剤(好ましくは、5〜200nm、特に好ましくは、10〜100nm、非常に特に好ましくは、10〜50nmの平均粒子サイズを有する);ならびに石英、セラミック、ガラスセラミックまたはガラス粉末のような、微細充填剤(0.01〜5μm、好ましくは0.3〜5μm、特に好ましくは0.4〜3μm、そして非常に特に好ましくは0.4〜1μmの平均粒子サイズを有する);ならびに三フッ化イッテルビウムのようなX線不透過性充填剤である。
さらに、本発明による組成物は、さらなる添加剤を含有し得、とりわけ、水、酢酸エチルおよびエタノールのような溶媒、または溶媒混合物、安定剤、芳香剤、殺菌活性成分、フッ化物イオン放出添加剤、光学光沢剤、可塑剤および/もしくはUV吸収剤を含有し得る。
本発明による組成物は、歯科材料として、特に、接着剤およびセメント(例えば、固定セメント)として、特に適切である。このような接着剤は、歯の硬質物質(すなわち、エナメル質および象牙質)に対する非常に良好な接着によって特徴付けられ、そして水またはアルコールの存在下で、加水分解およびアルコール分解に対して安定である。
本発明によれば、以下の成分を含有する歯科材料が好ましい:
a)0.5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、そして特に好ましくは20〜50重量%の、式(I)のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜0.2重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%、そして特に好ましくは0〜50重量%の、さらなる重合可能モノマー、
d)0〜95重量%、好ましくは0〜80重量%、そして特に好ましくは0〜40重量%の、溶媒(好ましくは、水)、
e)0〜75重量%の充填剤。
a)0.5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、そして特に好ましくは20〜50重量%の、式(I)のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜0.2重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%、そして特に好ましくは0〜50重量%の、さらなる重合可能モノマー、
d)0〜95重量%、好ましくは0〜80重量%、そして特に好ましくは0〜40重量%の、溶媒(好ましくは、水)、
e)0〜75重量%の充填剤。
本発明による組成物は、特に歯科材料として、非常に特に歯科接着剤またはセメントとして、適切である。この材料の好ましい組成は、所望の使用目的に基づく。
好ましい接着剤は、以下の成分を含有する:
a)0.5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、そして特に好ましくは20〜50重量%の、式(I)のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜0.2重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%、そして特に好ましくは0〜50重量%の、さらなる重合可能モノマー、
d)0〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、そして特に好ましくは10〜25重量%の、溶媒(好ましくは、水)、
e)0〜60重量%、好ましくは0〜50重量%、そして特に好ましくは0〜30重量%の、充填剤(好ましくは、上記で規定された粒子サイズを好ましくは有する、SiO2、ZrO2、Al2O3、AlO(OH)またはこれらの混合酸化物に基づく単分散ナノ粒子充填剤)。
a)0.5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、そして特に好ましくは20〜50重量%の、式(I)のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜0.2重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%、そして特に好ましくは0〜50重量%の、さらなる重合可能モノマー、
d)0〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、そして特に好ましくは10〜25重量%の、溶媒(好ましくは、水)、
e)0〜60重量%、好ましくは0〜50重量%、そして特に好ましくは0〜30重量%の、充填剤(好ましくは、上記で規定された粒子サイズを好ましくは有する、SiO2、ZrO2、Al2O3、AlO(OH)またはこれらの混合酸化物に基づく単分散ナノ粒子充填剤)。
好ましいセメントは、以下の成分を含有する:
a)0.5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、そして特に好ましくは20〜50重量%の、式(I)のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜0.2重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%、そして特に好ましくは0〜50重量%の、さらなる重合可能モノマー、
d)1〜75重量%、好ましくは5〜75重量%、そして特に好ましくは40〜65重量%の、充填剤(好ましくは、上記で規定された粒子サイズを有する、石英、セラミック、ガラスセラミックまたはガラス粉末に基づく微細充填剤)。
a)0.5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、そして特に好ましくは20〜50重量%の、式(I)のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜0.2重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%、そして特に好ましくは0〜50重量%の、さらなる重合可能モノマー、
d)1〜75重量%、好ましくは5〜75重量%、そして特に好ましくは40〜65重量%の、充填剤(好ましくは、上記で規定された粒子サイズを有する、石英、セラミック、ガラスセラミックまたはガラス粉末に基づく微細充填剤)。
全ての百分率は、その組成物の全質量に関連する。上記で定義されたモノマーの1種以上が、好ましくは、さらなる重合可能モノマーとして、特に好ましくは、各場合においてそこに定義された量で、さらなるモノマーの全量が上記で定義された範囲を超えないように、個々のモノマーの量が選択されて、使用される。少なくとも1種の酸性モノマーまたは少なくとも1種の架橋モノマー(特に、少なくとも1種の酸性モノマーおよび少なくとも1種の架橋モノマー)を含有する組成物は、非常に特に好ましい。
本発明による好ましい組成物は、水でほとんどまたは全く膨潤しない、強く架橋したポリマー網目構造の形成を伴って、硬化する。
本発明を、実施例を参照して以下で詳細に説明する。
(実施例1:N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアクリルアミド(HEMAM)の加水分解安定性の試験)
N−メチルエタノールアミンとアクリル酸クロリドとの反応によって得られたHEMAMの、20%溶液(200ppmの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールで安定化させた)を、D2O/EtOH−d6/H3PO4(2:2:1)で調製し、37℃で貯蔵し、そして1H−NMR分光法で試験した。3ヶ月間の放置時間の後、1H−NMRスペクトルの変化は検出され得なかった。
N−メチルエタノールアミンとアクリル酸クロリドとの反応によって得られたHEMAMの、20%溶液(200ppmの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールで安定化させた)を、D2O/EtOH−d6/H3PO4(2:2:1)で調製し、37℃で貯蔵し、そして1H−NMR分光法で試験した。3ヶ月間の放置時間の後、1H−NMRスペクトルの変化は検出され得なかった。
(実施例2:HEMAMに基づく接着剤の調製)
ウシの歯の象牙質に対する象牙質接着を試験するために、HEMAMまたはHEMA(比較例)のいずれかを含有する2種類の接着剤を、以下の組成で調製した。数字は重量%で表される:
HEMAMまたはHEMA: 20.0%
グリセロールジメタクリレート: 10.0%
DHPOBAE1): 11.1%
エタノール: 25.0%
Bis−GMA2): 33.1%
光開始剤3): 0.8%
1) DHPOBAE = 2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]アクリル酸エチルエステル
2) Bis−GMA = メタクリル酸およびビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルの付加生成物
3) カンファーキノン(0.2重量%)、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチルエステル(0.3重量%)およびアシルホスフィンオキシドLucerin TPO(0.3重量%、BASF)の混合物。
ウシの歯の象牙質に対する象牙質接着を試験するために、HEMAMまたはHEMA(比較例)のいずれかを含有する2種類の接着剤を、以下の組成で調製した。数字は重量%で表される:
HEMAMまたはHEMA: 20.0%
グリセロールジメタクリレート: 10.0%
DHPOBAE1): 11.1%
エタノール: 25.0%
Bis−GMA2): 33.1%
光開始剤3): 0.8%
1) DHPOBAE = 2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]アクリル酸エチルエステル
2) Bis−GMA = メタクリル酸およびビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルの付加生成物
3) カンファーキノン(0.2重量%)、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチルエステル(0.3重量%)およびアシルホスフィンオキシドLucerin TPO(0.3重量%、BASF)の混合物。
象牙質およびプラスチックが同じ面上に位置するように、ウシの歯を、プラスチックの円柱に埋没させた。37%リン酸での15秒間のエッチングの後に、水での徹底的な洗浄を行った。酸エッチングの結果として、象牙質管が開いた。次いで、上記組成の接着剤の層を小さなブラシで塗布し、空気シリンジで短時間空気を吹き付けて溶媒を除去し、そしてハロゲンランプ(Astralis(登録商標)7、Vivadent)に40秒間曝露した。市販のコンポジット材料から作製された円柱(Tetric(登録商標)Ceram、Vivadent)を、接着剤層の上に、それぞれ1〜2mmの2層で重合させた。
次いで、試験片を水中37℃で24時間貯蔵し、そしてせん断接着強度を、ISO Guideline「ISO 1994−ISO TR 11405:Dental Materials Guidance on Testing of Adhesion to Tooth Structure」に従って決定した。HEMAMを含む接着剤については、16.95MPaのせん断接着強度が得られ、そしてHEMAを含む接着剤については、20.02MPaのせん断接着強度が得られた。この結果は、明らかに改善された加水分解安定性を伴って(実施例1を参照のこと)、本発明に従って使用されたヒドロキシアルキルアクリルアミドが、HEMAに匹敵するせん断接着強度を生じることを示す。
式(I):
Xは、C1〜C12のアルキレン基またはC7〜C15のアルキレンフェニレン基を表し、
R1は、C1〜C10アルキル基、フェニルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そして
R2は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そして
n=2については2つのR1基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る、組成物、
であり、この組成物は、歯科材料として特に適切である。
本発明によれば、強酸性化合物の存在下においてさえ、加水分解安定であり、そして低い毒性を有する、歯科材料が提供される。この材料はまた、象牙質および歯のエナメル質に対する良好な接着性を示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下の組成物などが提供される。
(項1) 式(I):
の少なくとも1種のヒドロキシアルキルアクリルアミドを含有することを特徴とする、重合可能組成物であって、ここで、
Xは、C 1 〜C 12 のアルキレン基またはC 7 〜C 15 のアルキレンフェニレン基を表し、
R 1 は、C 1 〜C 10 アルキル基、フェニルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そして
R 2 は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そして
n=2については2つのR 1 基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る、組成物。
(項2) Xが、C 1 〜C 10 のアルキレン基を表し、
R 1 が、C 1 〜C 6 アルキル基または水素を表し、そして
R 2 が、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、C 1 〜C 6 のアルキレン基であることを特徴とする、上記項1に記載の組成物。
(項3) 前記ヒドロキシアルキルアクリルアミドに加えて、少なくとも1種のさらなる重合可能モノマーおよび/またはラジカル重合のための開始剤を含有することを特徴とする、上記項1に記載の組成物。
(項4) 少なくとも1種のラジカル重合可能モノマーを含有することを特徴とする、上記項3に記載の組成物。
(項5) 2以上の重合可能基を有する少なくとも1種のモノマー、および/または1つ以上の酸性基を有する少なくとも1種のモノマーを含有することを特徴とする、上記項4に記載の組成物。
(項6) 少なくとも1種のカチオン重合可能モノマーを含有することを特徴とする、上記項3〜5のいずれか1項に記載の組成物。
(項7) 光重合のための開始剤を含有することを特徴とする、上記項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
(項8) 充填剤を含有することを特徴とする、上記項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
(項9) 0.5〜70重量%のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
0.01〜5重量%の重合開始剤、
0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、および
0〜95重量%の溶媒、
を含有することを特徴とする、上記項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
(項10) a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%のラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)0〜40重量%の溶媒、
e)0〜60重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする、上記項9に記載の組成物。
(項11) SiO 2 、ZrO 2 、Al 2 O 3 、AlO(OH)またはこれらの混合酸化物に基づく、単分散ナノ粒子充填剤を含有することを特徴とする、上記項10に記載の組成物。
(項12) 前記充填剤が、5〜200nmの粒子サイズを有することを特徴とする、上記項10または11に記載の組成物。
(項13) a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)1〜75重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする、上記項9に記載の組成物。
(項14) 石英、セラミック、ガラスセラミックまたはガラス粉末に基づく微細充填剤を含有することを特徴とする、上記項13に記載の組成物。
(項15) 前記充填剤が、0.01〜5μmの平均粒子サイズを有することを特徴とする、上記項13または14に記載の組成物。
(項16) さらなる重合可能モノマーとして、1〜50重量%の、1つ以上の酸性基を有するモノマーを含有することを特徴とする、上記項9〜15のいずれか1項に記載の組成物。
(項17) さらなる重合可能モノマーとして、1〜45重量%の、2つ以上の重合可能基を有するモノマーを含有することを特徴とする、上記項9〜16のいずれか1項に記載の組成物。
(項18) 上記項1〜17のいずれか1項に記載の組成物を含有する、歯科材料。
(項19) 接着剤またはセメントである、上記項18に記載の歯科材料。
(項20) 歯科材料を製造するための、式(I):
の1種以上のヒドロキシアルキルアクリルアミドの使用であって、ここで、
Xは、C 1 〜C 12 のアルキレン基またはC 7 〜C 15 のアルキレンフェニレン基を表し、
R 1 は、C 1 〜C 10 アルキル基、フェニルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そして
R 2 は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そして
n=2については2つのR 1 基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る、使用。
(項21) 前記歯科材料が接着剤またはセメントである、上記項20に記載の使用。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下の組成物などが提供される。
(項1) 式(I):
Xは、C 1 〜C 12 のアルキレン基またはC 7 〜C 15 のアルキレンフェニレン基を表し、
R 1 は、C 1 〜C 10 アルキル基、フェニルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そして
R 2 は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そして
n=2については2つのR 1 基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る、組成物。
(項2) Xが、C 1 〜C 10 のアルキレン基を表し、
R 1 が、C 1 〜C 6 アルキル基または水素を表し、そして
R 2 が、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、C 1 〜C 6 のアルキレン基であることを特徴とする、上記項1に記載の組成物。
(項3) 前記ヒドロキシアルキルアクリルアミドに加えて、少なくとも1種のさらなる重合可能モノマーおよび/またはラジカル重合のための開始剤を含有することを特徴とする、上記項1に記載の組成物。
(項4) 少なくとも1種のラジカル重合可能モノマーを含有することを特徴とする、上記項3に記載の組成物。
(項5) 2以上の重合可能基を有する少なくとも1種のモノマー、および/または1つ以上の酸性基を有する少なくとも1種のモノマーを含有することを特徴とする、上記項4に記載の組成物。
(項6) 少なくとも1種のカチオン重合可能モノマーを含有することを特徴とする、上記項3〜5のいずれか1項に記載の組成物。
(項7) 光重合のための開始剤を含有することを特徴とする、上記項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
(項8) 充填剤を含有することを特徴とする、上記項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
(項9) 0.5〜70重量%のヒドロキシアルキルアクリルアミド、
0.01〜5重量%の重合開始剤、
0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、および
0〜95重量%の溶媒、
を含有することを特徴とする、上記項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
(項10) a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%のラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)0〜40重量%の溶媒、
e)0〜60重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする、上記項9に記載の組成物。
(項11) SiO 2 、ZrO 2 、Al 2 O 3 、AlO(OH)またはこれらの混合酸化物に基づく、単分散ナノ粒子充填剤を含有することを特徴とする、上記項10に記載の組成物。
(項12) 前記充填剤が、5〜200nmの粒子サイズを有することを特徴とする、上記項10または11に記載の組成物。
(項13) a)0.5〜70重量%の、式(I)によるヒドロキシアルキルアクリルアミド、
b)0.01〜5重量%の、ラジカル重合のための開始剤、
c)0〜80重量%のさらなる重合可能モノマー、
d)1〜75重量%の充填剤、
を含有することを特徴とする、上記項9に記載の組成物。
(項14) 石英、セラミック、ガラスセラミックまたはガラス粉末に基づく微細充填剤を含有することを特徴とする、上記項13に記載の組成物。
(項15) 前記充填剤が、0.01〜5μmの平均粒子サイズを有することを特徴とする、上記項13または14に記載の組成物。
(項16) さらなる重合可能モノマーとして、1〜50重量%の、1つ以上の酸性基を有するモノマーを含有することを特徴とする、上記項9〜15のいずれか1項に記載の組成物。
(項17) さらなる重合可能モノマーとして、1〜45重量%の、2つ以上の重合可能基を有するモノマーを含有することを特徴とする、上記項9〜16のいずれか1項に記載の組成物。
(項18) 上記項1〜17のいずれか1項に記載の組成物を含有する、歯科材料。
(項19) 接着剤またはセメントである、上記項18に記載の歯科材料。
(項20) 歯科材料を製造するための、式(I):
Xは、C 1 〜C 12 のアルキレン基またはC 7 〜C 15 のアルキレンフェニレン基を表し、
R 1 は、C 1 〜C 10 アルキル基、フェニルまたは水素を表し、
m、nは、互いに独立して、0、1または2であり、ここで、m+nは2であり、そして
R 2 は、m≧1の場合は水素、メチルまたはX’−OHを表し、またはm=0の場合はX’−OHを表し、ここで、X’は、Xに関して与えられた意味の1つを有し、そして
n=2については2つのR 1 基、そしてm=2については2つの−X−基は、同じであるかまたは異なり得る、使用。
(項21) 前記歯科材料が接着剤またはセメントである、上記項20に記載の使用。
Claims (1)
- 本願明細書に記載の発明。
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