JP2010150168A - アミン誘導体及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機EL素子に対して高い特性を発現する新規化合物及び該化合物を用いた有機EL素子を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表されるアミン誘導体を発光層、正孔輸送層または正孔注入層のいずれかに用いる。
【化1】

Figure 2010150168

(式中、R〜Rはそれぞれ同一または異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換若しくは無置換のアリール基、または炭素数5〜40の置換若しくは無置換のヘテロアリール基を表す。尚、RとRは互いに結合して環を形成しても良い。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、カルバゾール基並びにベンゾフルオレン基が置換した新規なアミン誘導体、並びにその誘導体を利用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関するものである。本発明における新規なベンゾフルオレン誘導体は、感光材料、有機光導電材料として使用でき、具体的には、平面光源や表示に使用される有機EL素子若しくは電子写真感光体等の正孔輸送材料、正孔注入材料及び発光材料として有用である。
有機EL素子は、次世代の薄型平面ディスプレイとして現在盛んに研究されており、一部では携帯電話のサブディスプレイ等への実用化も始まっている。一般に有機EL素子は、陽極と陰極との間に、正孔輸送材料、発光材料及び電子輸送材料を積層させた構造であるが、現在では上述した低消費電力化、さらには長寿命化を達成させるため、正孔注入材料を陽極と正孔輸送材料との間に、電子注入材料を陰極と電子輸送材料との間に挿入した構造が主流となっている。
正孔輸送材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N,N’,N’−テトラ((1,1’−ビフェニル)−4−イル)ベンジジン(TBDB)等のジアミン構造を有するトリアリールアミン誘導体が報告されているが、近年では、さらに有機EL素子の高効率化と長寿命化のための新しい材料開発が求められている。
例えば、高効率化と長寿命化を達成する目的で、正孔輸送材料として、カルバゾール基のモノ置換誘導体(例えば、特許文献1〜4参照)、カルバゾール基のジ置換誘導体(例えば、特許文献5〜6参照)、フルオレニル基が置換したカルバゾール基のモノ置換誘導体(例えば、特許文献7参照)がそれぞれ報告されている。
特開2007−148660公報 特開2008−120769公報 特開2007−126439公報 国際公開2008/062636号パンフレット 特開平8−3547号公報 特開2004−217557公報 特開2007−318101公報 一般に、カルバゾール類はガラス転移温度が比較的高く、耐熱性を有しているものの、高い平面構造を有するため、真空蒸着法やスピンコーティング法等で薄膜を形成した際に、膜の安定性が低く、容易に結晶化してしまい、素子の寿命が極端に短いという問題点を有しており、特にカルバゾールのジ置換誘導体は、素子寿命が短いという欠点を有していた。一方、モノ置換誘導体については、特許文献4に記載されているように発光効率の向上が見られるものの、未だ耐久性を含めた有機EL素子としての性能は十分満足できるものではない。
また、特許文献7には、以下に示す化合物(60)のような化合物が例示されているが、正孔輸送材料としての具体的な例示はなく、また、明細書中には、本発明のベンゾフルオレニル基を有するカルバゾール誘導体を示す記載はない。
Figure 2010150168
本発明の目的は、従来材料以上に高い効率と高い耐久性を有するカルバゾール系正孔輸送材料を提供することにある。さらに詳しくは、有機EL素子等の正孔注入材料、正孔輸送材料及び発光材料に適したカルバゾール基が置換した新規アミン誘導体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、一般式(1)で表される特定のアミン誘導体が、効率及び長寿命化の面で、従来報告されているカルバゾール誘導体よりも非常に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、一般式(1)で表されるカルバゾール基が置換したアミン誘導体及びその用途に関するものである。
Figure 2010150168
(式中、R〜Rはそれぞれ同一または異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換若しくは無置換のアリール基、または炭素数5〜40の置換若しくは無置換のヘテロアリール基を表す。尚、RとRは互いに結合して環を形成しても良い。)
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表されるベンゾフルオレン基を有するアミン誘導体は新規化合物であり、一般式(1)において、R〜Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、または置換若しくは無置換のフェニル基を表す。尚、RとRは互いに結合して環を形成しても良い。
炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基等を挙げることができる。
炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができる。
炭素数6〜40の置換若しくは無置換のアリール基としては、具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フルオレニル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ピセニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、2−ネオペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−(2’−エチルブチル)フェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、4−エチル−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、4,6−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、5−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル基、9−メチル−2−フルオレニル基、9−エチル−2−フルオレニル基、9−n−ヘキシル−2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、9,9−ジエチル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−プロピル−2−フルオレニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−イソペンチルオキシフェニル基、4−ネオペンチルオキシフェニル基、2−ネオペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、2−(2’−エチルブチル)オキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、4−n−ブトキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基、6−n−ブトキシ−2−ナフチル基、6−n−ヘキシルオキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、7−n−ブトキシ−2−ナフチル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−5−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、3−エチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、3,5−ジ−n−ブトキシフェニル基、2−メトキシ−4−エトキシフェニル基、2−メトキシ−6−エトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、2−ビフェニリル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(3’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ブトキシフェニル)フェニル基、2−(2’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−クロロフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、10−フェニルアントリル基、10−(3,5−ジフェニルフェニル)−9−アントリル基、9−フェニル−2−フルオレニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−クロロ−1−ナフチル基、4−クロロ−2−ナフチル基、6−ブロモ−2−ナフチル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4−ジクロロ−1−ナフチル基、1,6−ジクロロ−2−ナフチル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロ−5−メチルフェニル基、3−フルオロ−2−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−フルオロフェニル基、2−メチル−5−フルオロフェニル基、3−メチル−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、2−メチル−3−クロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、3−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル基、2−メトキシ−4−フルオロフェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−エトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、2−メトキシ−5−クロロフェニル基、3−メトキシ−6−クロロフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、炭素数5〜40の置換若しくは無置換のヘテロアリール基としては、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子を含有する芳香環基であり、例えば、4−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、3−フリル基、2−フリル基、3−チエニル基、2−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基等の複素環基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、これらアリール基若しくはヘテロアリール基については、芳香環基が結合して縮合環を形成しても良い。
以下に好ましい化合物を例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2010150168
本発明の一般式(1)で表されるアミン誘導体は、例えば、公知の方法によって合成することができる(例えば、非特許文献1参照)。
Tetrahedron Letters(テトラヘドロンレターズ),1998年,第39巻,2367頁(アミノ化反応) より詳細な合成方法としては、例えば、下式に示すような公知の方法で合成することができる。すなわち、カルバゾール誘導体をベンゾフルオレン誘導体とアミノ化反応させる方法が例示される。合成したアミン誘導体は、クロマトグラフィー、再結晶及び昇華精製等の精製操作を行うことによって、純度99.9%以上で得ることができる。
Figure 2010150168
(式中、R〜Rは前記と同一の置換基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
本発明のアミン誘導体は、有機EL素子の正孔注入材料、正孔輸送材料または発光層のホスト材料として利用可能であるが、特に正孔輸送材料として使用した際に、従来の材料以上に駆動電圧の改善と高い電力効率が期待できる。さらに、本発明のアミン誘導体は、量産化技術が先行している蛍光発光素子のみならず、将来技術として注目されている燐光発光素子に対しても有用となることが期待される。また、本発明のアミン誘導体は、カルバゾール基を部分構造に持ちながらも、ベンゾフルオレニル基の11位に結合した置換基により、材料自身の結晶化が抑制されることから、有機EL素子の耐久性向上も期待できる。
従って、有機EL素子若しくは電子写真感光体等の正孔注入材料、正孔輸送材料または発光材料としてのみならず、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー等の有機光導電材料への分野にも応用可能である。
本発明による一般式(1)で表されるアミン誘導体は、従来の材料以上に低電圧駆動と高い電力効率を示し、さらに高いガラス転移温度を有するため、有機EL素子の耐久性向上、寿命の改善が期待できる。そのため、有機EL素子若しくは電子写真感光体等の正孔注入材料、正孔輸送材料または発光材料として利用できる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[元素分析]
元素分析計:パーキンエルマー全自動元素分析装置 2400II
酸素フラスコ燃焼−IC測定法:東ソー製 イオンクロマトグラフ IC−2001
[質量分析]
質量分析装置:日立製作所製 M−80B
測定方法:FD−MS分析
[ガラス転移温度測定]
測定装置:マックサイエンス製 DSC−3100
測定方法:標準試料=Al 5.0mg、昇温速度=10℃/分(窒素雰囲気)
[HPLC分析]
測定装置:東ソー製 マルチステーションLC−8020
測定方法:カラム Inertsil ODS−3V(4.6mmΦ×250mm)
検出器 UV検出(波長 254nm)
溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン=9/1(v/v比)
[有機EL素子の駆動電圧及び発光輝度測定]
測定装置:TOPCON製 輝度計LUMINANCE METER(BM−9)
実施例1 化合物A1の合成
Figure 2010150168
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた200mLフラスコ中に、カルバゾール[関東化学品] 3.3g(20.0mmol)、9−クロロ−11,11−ジメチル−11H−ベンゾ[a]フルオレン[国際公開2007/119800号パンフレットの方法に従って合成] 5.6g(20.0mmol)、炭酸カリウム[和光純薬品] 4.2g(30.0mmol)、酢酸パラジウム[キシダ化学品] 45mg(0.2mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン[アルドリッチ品] 160mg(0.8mmol)、o−キシレン[キシダ化学品] 70.0gを加え、130℃で15時間攪拌した。反応終了後、蒸留水 15mLを添加し、室温にて0.5時間攪拌して静置した後、水層を分離した。さらに、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄分液した後、減圧濃縮に付してo−キシレン溶媒を留去した。さらに、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマログラフィーに付し、白色固体5.6gを得た(収率 68%、純度 99.9%)。質量分析及び元素分析の結果より、得られた白色固体は目的の化合物A1であることを確認した。
質量分析(FDMS):409(M+)
元素分析(計算値):C=90.9, H=5.7, N=3.4
元素分析(実測値):C=90.9, H=5.8, N=3.3
ガラス転移温度:132℃
実施例2 有機EL素子の作製
厚さ130nmのITO透明電極を有するガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、次いでイソプロピルアルコールで煮沸洗浄した後、乾燥した。さらに、本基板をUV/オゾン処理したものを透明導電性支持基板として使用した。本ITO透明電極上に、銅フタロシアニンを真空蒸着法により25nmの膜厚で成膜し、正孔注入層を形成した。次に、実施例1で合成した化合物A1を真空蒸着法により45nmの膜厚で成膜し、正孔輸送層を形成した。次に、アルミニウムトリスキノリノール錯体を真空蒸着法により60nmの膜厚で成膜し、発光層兼電子輸送層を形成した。次に、陰極としてLiFを0.5nm、Alを100nm成膜して金属電極を形成した。さらに、窒素雰囲気下、保護用ガラス基板を重ね、UV硬化樹脂で封止した。このようにして得られた素子に、ITO電極を正極、LiF−Al電極を負極にして、20mA/cmの定電流密度条件下で駆動させた際の輝度、駆動電圧、電流効率及び電力効率を測定した。結果を表1に示す。
比較例1〜3 有機EL素子の作製
正孔輸送層として、実施例1で合成した化合物A1の代わりに、以下に示した比較化合物1〜3(それぞれ、特許文献5に記載の化合物(7)、特許文献1に記載の化合物A6及びA39)を用いた以外は、実施例2に準じて同様に有機EL素子を作製した。20mA/cmの定電流密度条件下で駆動させた際の輝度、駆動電圧、電流効率及び電力効率を測定した結果を、併せて表1に示す。
Figure 2010150168
Figure 2010150168

Claims (2)

  1. 一般式(1)で表されるアミン誘導体。
    Figure 2010150168
    (式中、R〜Rはそれぞれ同一または異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40の置換若しくは無置換のアリール基、または炭素数5〜40の置換若しくは無置換のヘテロアリール基を表す。尚、RとRは互いに結合して環を形成しても良い。)
  2. 請求項1に記載のアミン誘導体を、発光層、正孔輸送層または正孔注入層のいずれかに用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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