JP2010149546A - 膝保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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Yuichi Adachi
裕一 足立
Kazuaki Bito
和彰 尾藤
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Abstract

【課題】コラムカバーの良好な組付性と円滑なエアバッグの突出とを確保しつつ、コラムカバーの意匠性を良好にできる膝保護用エアバッグ装置の提供。
【解決手段】膝保護用エアバッグ装置AMでは、コラム本体5の周囲を覆うコラムカバー10の下部側からエアバッグ60を下方側へ突出させる。コラムカバーは、相互に対応して設けられた結合部位を結合させて筒状に形成可能なアッパカバー11とロアカバー17とを備えて構成される。ロアカバーは、アッパカバーより軟質の合成樹脂から形成されて、膨張時のエアバッグに押された際に周囲の破断予定部25を破断させて開く扉部23を有する。アッパカバーの下端11aとロアカバーの上端17aとの結合部位と別位置の相互の接続部位48には、相互に嵌合可能な凹部51と凸部57とが形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、運転者の膝を保護するために、ステアリングコラムに搭載する膝保護用のエアバッグ装置に関する。
従来、ステアリングコラムに搭載するステアリングコラム付けの膝保護用エアバッグ装置では、作動時、コラム本体の周囲を覆う筒状のコラムカバーの下部側から、コラムカバー内に折り畳んで収納していた膝保護用のエアバッグを、下方側へ突出させる構成としていた(例えば、特許文献1参照)。このコラムカバーでは、エアバッグの突出時にエアバッグに押されて、周囲の薄肉の破断予定部を破断させて開く扉部を有して、構成されていた。
また、通常、コラムカバーは、合成樹脂製として、上部側におけるコラム本体の軸直交方向の断面を逆U字状としたアッパカバーと、下部側におけるコラム本体の軸直交方向の断面をU字状としたロアカバーと、を備えて構成され、アッパカバーの下端とロアカバーの上端とに相互に対応して設けられて上下方向に沿う分離を規制可能な結合部位を結合させて、筒状に形成されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−110705号公報 特開2008−037137号公報
従来のステアリングコラム付けの膝保護用エアバッグ装置において、コラム本体側への組付性を考慮すれば、コラムカバーを二分割のアッパカバーとロアカバーとから構成することが望ましく、その場合には、ロアカバー側に、エアバッグの突出時にエアバッグに押されて、周囲の薄肉の破断予定部を破断させて開く扉部を設けることとなる。そして、このような扉部の円滑な開きを考慮すれば、ロアカバー側は、アッパカバー側に比べて軟質の合成樹脂樹脂から形成することが望ましい。勿論、アッパカバー側は、運転者の手等が触れ易いことから、形状保持性能を考慮して、ロアカバー側に比べて硬質の合成樹脂から形成することが望ましい。
しかし、ロアカバー側を軟質合成樹脂製として、アッパカバー側を硬質合成樹脂製とする場合には、両者の結合部位付近の見切りは良好となるものの、その結合部位から離れた部位では、ロアカバー側が軟質合成樹脂であり、コラムカバーの内側に落ち込んだり、あるいは、コラムカバーの外側に突出して、コラムカバーの意匠性を低下させてしまう。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、コラムカバーの良好な組付性と円滑なエアバッグの突出とを確保しつつ、コラムカバーの意匠性を良好にできる膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、コラム本体の周囲を覆う筒状のコラムカバーの下部側から、コラムカバー内に折り畳んで収納していた膝保護用のエアバッグを、下方側へ突出させる構成として、
コラムカバーが、上部側におけるコラム本体の軸直交方向の断面を逆U字状としたアッパカバーと、下部側におけるコラム本体の軸直交方向の断面をU字状としたロアカバーと、を備えて構成されるとともに、アッパカバーの下端とロアカバーの上端とに相互に対応して設けられて上下方向に沿う分離を規制可能な結合部位を結合させて、筒状に形成される構成の膝保護用エアバッグ装置であって、
アッパカバーが、硬質合成樹脂から形成され、
ロアカバーが、アッパカバーより軟質の軟質合成樹脂から形成されるとともに、エアバッグの突出時に、エアバッグに押され、周囲の薄肉の破断予定部を破断させて開く扉部を有して、構成され、
コラムカバーの筒状の周壁を構成する部位における結合部位と別位置のアッパカバーの下端とロアカバーの上端との相互の接続部位に、コラム本体の軸直交方向の断面形状として、アッパカバーの下端とロアカバーの上端との一方に、凸部が設けられ、アッパカバーの下端とロアカバーの上端との他方に、凸部を嵌合させる凹部が設けられるとともに、
凸部と凹部とが、コラムカバーの軸方向に沿って、断続的若しくは連続的に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、コラムカバーをコラム本体に組み付ける際、コラム本体を囲むように、アッパカバーとロアカバーとを配置させて、対応する相互の結合部位を結合させて組み付けることとなる。その際、コラムカバーの筒状の周壁を構成する部位におけるアッパカバーの下端とロアカバーの上端との相互の接続部位では、アッパカバーの下端とロアカバーの上端との一方の凸部と他方の凹部とを、相互に嵌合させることとなる。この凸部と凹部とは、コラム本体の軸直交方向の断面形状を、相互に嵌合する形状としており、そのため、ロアカバー側が軟質合成樹脂製としていても、凸部と凹部との嵌合により、コラムカバーの筒状の周壁を構成するロアカバー側の上端は、コラムカバーの内側に落ち込んだり外側に突出することを、形状保持性能の高い硬質合成樹脂製のアッパカバーの下端によって、規制される。さらに、このような凸部と凹部とは、相互の結合部位からずれた別位置のアッパカバーの下端とロアカバーの上端とに、コラムカバーの軸方向に沿って、断続的若しくは連続的に設けられており、コラムカバーの筒状の周壁の全体の意匠性を良好に維持できることとなる。
そして勿論、本発明のコラムカバーでは、コラム本体を上下で包むように、アッパカバーとロアカバーとを組み付けることから、コラム本体への良好な組付性を確保できる。また、本発明のコラムカバーにおけるロアカバーは、軟質合成樹脂から形成されており、エアバッグ装置の作動時、エアバッグに押されたロアカバーは、周囲の破断予定部を破断させて、扉部を円滑に撓ませつつ開かせて、エアバッグを突出させることができる。
したがって、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、コラムカバーの良好な組付性と円滑なエアバッグの突出とを確保しつつ、コラムカバーの意匠性を良好にすることができる。
そして、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、凸部を、ロアカバーの上端側に設け、凹部を、アッパカバーの下端側に設ければ、形状保持性能の高い硬質合成樹脂からなるアッパカバー側の凹部が、軟質合成樹脂製のロアカバー側の凸部を、コラムカバーの内側方向と外側方向との両側で挟持するように、位置規制できることから、ロアカバーの上端側の内側への落ち込みや外側への突出を、一層、安定して防止することができる。
さらに、アッパカバーにおけるコラムカバーの内周面に位置した凸部若しくは凹部の縁の一方には、ロアカバーの凸部若しくは凹部の縁の他方の部位におけるコラムカバーの内側の面を、嵌合時に案内可能に、コラムカバーの内側に拡開させて形成される案内面を、配設することが望ましい。
このような構成では、凸部と凹部との嵌合時に、案内面に摺動される凸部若しくは凹部が、形状保持性能の高い硬質合成樹脂製のアッパカバー側の案内面に摺動されて案内されることとなり、円滑に、凸部と凹部との嵌合を行うことができる。さらに、案内面に摺動される凸部若しくは凹部は、コラムカバーの内側方向に落ち込もうとしても、案内面を形成する部位によって規制されることとなって、安定して、コラムカバーの内側方向への落ち込みが防止される。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の膝保護用エアバッグ装置(以下、エアバッグ装置とする)AMは、図1〜4に示すように、ステアリングコラムSCのコラム本体5を覆うコラムカバー10と、エアバッグモジュール59と、を備えて構成されている。
なお、ステアリングコラムSCには、図1〜3に示すように、ステアリングホイールSWに連結されるコラム本体5と、エアバッグ装置AMと、筒状のコラムカバー10内の後端に配置されるコンビネーションスイッチユニット(以下、スイッチユニットとする)75と、が配設されている。
また、実施形態における前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両に搭載されたステアリングコラムSCにおけるコラム本体5の軸方向ADに沿った方向を前後方向とし、コラム本体5の軸直交方向VDでかつ車両の上下を上下方向VDVとし、コラム本体5の軸直交方向VDでかつ車両の左右を左右方向VDHとして、前後・上下・左右の方向を示すものである。なお、コラムカバー10の軸方向ADは、コラム本体5の軸方向ADと一致し、コラムカバー10の軸直交方向VDの上下方向VDVや左右方向VDHも、コラム本体5の軸直交方向VDの上下方向VDVや左右方向VDHと一致している。
コラム本体5は、図3に示すように、ステアリングホイールSWに連結される丸棒状のメインシャフト6と、メインシャフト6の外周側に配置される略円筒状のコラムチューブ7と、から構成されている。メインシャフト6は、ステアリングホイールSWの回転動作時に共に回転してステアリングホイールSWの回転を図示しないステアリングギヤに伝達させるものであり、コラムチューブ7は、ステアリングホイールSWの回転時にも回転しない構成とされている。
エアバッグモジュール59は、図3,4に示すように、エアバッグ60と、エアバッグ60に膨張用ガスを供給するインフレーター61と、折り畳まれたエアバッグ60とインフレーター61とを収納するとともに少なくとも下方側を開口させたケース64と、を備える構成とされている。
エアバッグ60は、図1〜4の二点鎖線に示すように、膨張完了時の形状を、運転者Dの左右両膝KL,KRを保護可能な横長の長方形板状の袋状として、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等の織布から形成されている。エアバッグ60は、ケース64内に折り畳まれて収納され、内部に収納したインフレーター61から吐出される膨張用ガスにより膨張して、コラムカバー10(ロアカバー17)に設けられた扉部23と補助扉部27とを押し開いて突出し、コラムカバー10の下面10d側と、インストルメントパネル(以下、インパネとする)1におけるコラムカバー10の下方と左右両側との後面1a側と、を覆うように、展開膨張することとなる。
インフレーター61は、図3,5に示すように、軸方向を前後方向に沿わせるように配置されたシリンダタイプとして、後端側に膨張用ガスを吐出させるガス吐出口61aを備えて構成されて、左右方向に延びた四角筒形状のリテーナ62(図4参照)に後端側を挿入させている。
リテーナ62は、板金製として、図4,5に示すように、左右両側に膨張用ガスを流出する流出口62aを備えるとともに、上方に突出する二本のボルト62bを備えて構成されている。そして、リテーナ62は、エアバッグ60内に、インフレーター61の後端側を挿入させた状態で、エアバッグ60内に収納され、ボルト62bを、エアバッグ60内から上方へ突出させ、さらに、ケース64の天井壁65に貫通させて、各ボルト62bにナット63を締結させることにより、ケース64の天井壁65にエアバッグ60とインフレーター61とを取り付けている。
なお、エアバッグ60には、インフレーター61の後端側を挿入させる挿入孔(図符号省略)と各ボルト62bを貫通させる貫通孔(図符号省略)とが形成されている。また、インフレーター61は、詳しくは、ケース64の天井壁65から前方に延びて前後方向に沿う断面をL字状とした取付座66と、リテーナ62と、により前後両端を位置規制され、そして、リテーナ62のボルト62bのナット63止めにより、ケース64に取り付けられている。
ケース64は、図3,4に示すように、左右両側と下方側とを開口させるように、前後方向に沿う断面を逆U字形状とした板金製としており、天井壁65と、天井壁65の前後の縁から下方に延びる側壁67,68と、を備えて構成されている。各側壁67,68の下端側には、コラムカバー10(ロアカバー17)の各取付壁部30,31に形成される係止孔30a,31aに周縁を係止させる係止片67a,68aが、外方に突出するように形成されている(図5参照)。また、天井壁65には、リテーナ62のボルト62bを挿通させる挿通孔(図符号省略)と、断面逆L字状としてインフレーター61の前側側を、前方移動を規制して支持する取付座66と、が形成されている。
さらに、天井壁65には、コラムチューブ7のブラケット7a,7bにボルト止めされる取付ブラケット70,71が上方へ突設されている。そして、エアバッグモジュール59は、これらの取付ブラケット70,71を、ナットを固着されたブラケット7a,7bにボルト止めすることにより、コラム本体5のコラムチューブ7に取り付けられることとなる。
コラムカバー10は、コラム本体5の外周を覆うような略四角筒形状の合成樹脂製とされるもので、図1〜4に示すように、インパネ1の収納用開口1bに収納されて、インパネ1の後面1aより後方側へ突出するように、着座した運転者Dの前方に、配設されている。なお、インパネ1は、上部側のアッパパネル2と下部側のロアパネル3とから構成されている。
コラムカバー10は、合成樹脂製として、コラム本体5の軸方向ADでかつ左右方向VDHに沿った面を分割面とするように、コラム本体5の軸直交方向VDの上下方向VDVに沿う上下で二分割された硬質合成樹脂からなるアッパカバー11と、アッパカバー11より軟質の合成樹脂からなるロアカバー17と、から構成されている。なお、実施形態の場合、アッパカバー11は、強度と形状保持性能を高めるようにフィラー入りとしたポリプロピレンから形成され、ロアカバー17は、円滑に撓んで開く扉部23の動作を確保できるように、オレフィン系熱可塑性エラストマーから形成されている。
そして、アッパカバー11は、コラム本体5の軸直交方向VDの上下方向VDVに沿う断面を逆U字形状とされるとともに、コラム本体5を突出させる凹部15aを除いて、後端側を閉塞され、コラム本体5、コラム本体5側に固定されたスイッチユニット75、及び、エアバッグモジュール59の後部側の上半分を覆うような構成としている(図1〜4,6参照)。アッパカバー11は、上壁部12と、上壁部12の左右両縁から下方に延びる左壁部13,右壁部14と、スイッチユニット75の後方を覆う後壁部15と、を備えて構成されている。左壁部13及び右壁部14の下縁側には、スイッチユニット75から延びる方向指示器やシフト操作用の操作レバー76,77を突出させるための上方側へ凹んだ凹部13a,14aが形成されている(図6参照)。さらに、上壁部12には、コラムチューブ7のブラケット7cに係止される係止脚12a,12aが形成されている。
また、ロアカバー17は、コラム本体5の軸直交方向VDの上下方向VDVに沿う断面を逆U字形状とされるとともに、コラム本体5を突出させる凹部21aを除いて、後端側を閉塞され、コラム本体5、スイッチユニット75、及び、エアバッグモジュール59の下半分を覆うような構成としている。このロアカバー17は、底壁部18と、底壁部18の左右両縁から上方に延びる左壁部19,右壁部20と、スイッチユニット75の後方を覆う後壁部21と、を備えて構成されている。左壁部19及び右壁部20の上縁側には、スイッチユニット75から延びる操作レバー76,77を突出させるための下方側へ凹んだ凹部19a,20aが形成されている(図6参照)。さらに、右壁部20には、キーシリンダ8を露出させるための挿通孔20bが開口されている。
また、アッパカバー11とロアカバー17との後壁部15,21には、メインシャフト6やスイッチユニット75の後端を挿通させる凹部15a,21aが形成されている。
さらにまた、ロアカバー17には、図3,5に示すように、コラムカバー10の下面10d側から左側面10bと右側面10cとにわたるエリアに、エアバッグ60の突出時における一つの突出用開口10fを形成可能に、エアバッグ60に押されて開く扉部23が配設されるとともに、大きな面積の突出用開口10fを得られるように、補助扉部27が配設されている。扉部23は、インパネ1の後面1aより後方側に配置されて、コラムカバー10の下面10d側に配置される底側部23aと、コラムカバー10の左側面10b側に配置される左側部23bと、コラムカバー10の右側面10c側に配置される右側部23cと、から構成され、周囲には、膨張するエアバッグ60に押されて破断可能な破断予定部25が形成されている。破断予定部25は、コラムカバー10の肉厚を薄くするように、コラムカバー10の内周面10e側に連続する線状の凹溝を設けて構成されている。そして、扉部23は、底側部23aの左右両側に左側部23bと右側部23cとを連ならせて、開き時、周囲の破断予定部25を破断させて、底側部23aの後縁のヒンジ部24を回転中心として、後側へ開くこととなる。そして、底側部23aが、ヒンジ部24を回転中心として、コラムカバー10の下面10dに接触するように、全開で開きを完了させた際には、底側部23aの左右両側に連なった左側部23bと右側部23cとは、それぞれ、開き前の下縁側をヒンジ部として撓ませつつ、底側部23aに連なった状態で、コラムカバー10の左側面10bと右側面10cとに接触するように、開きを完了させることとなる。
補助扉部27は、扉部23の前方側に、エアバッグ60の突出用開口10fの面積を大きくできるように、設けられて、コラムカバー10の下面10d側に配置される底側部27aと、コラムカバー10の左側面10b側に配置される左側部27bと、コラムカバー10の右側面10cに配置される右側部27cと、から構成されている。底側部27a、左側部27b、及び、右側部27cは、それぞれ、前縁側にヒンジ部を配置させて、後縁を前方側に回転させて開くように、配設されている。なお、底側部27a、左側部27b、及び、右側部27cの周囲には、コ字形に囲むように、破断予定部25と同様な薄肉の破断予定部28が形成されている。
また、ロアカバー17内には、図3,5に示すように、突出用開口10fを形成するエリアの前後の縁に、それぞれ、左右両縁を左壁部19と右壁部20とに連結させて底壁部18から上方に延びる取付壁部30,31が形成されている。これらの取付壁部30,31には、ケース64の側壁67,68に設けられた各係止片67a,68aを挿入させて、周縁を係止片67a,68aに係止させる複数の係止孔30a,31aが形成されている。なお、第1結合部35の挿入環部37は、前方側の取付壁部30に設けられている。
さらに、実施形態の場合、ロアカバー17の底壁部18の取付壁部31の後方側には、図3,5に示すように、係止孔31aやその周縁の後方側を覆うように、底壁部18から上方に延びるカバー壁部32が形成されている。このカバー壁部32は、取付壁部31に係止されたケース64の係止片68aがスイッチユニット75の図示しないスパイラルケーブル等のケーブル類と干渉しないように、配設されている。なお、このカバー壁部32は、取付壁部31と底壁部18とに断続的に連結されるとともに、係止片68aの左右を覆う複数の補強リブ32aを備えて構成されている。そして、これらの補強リブ32aは、カバー壁部32と取付壁部31との間への図示しないスパイラルケーブル等のケーブル類の下方への落ち込みを、防止できて、一層、係止片68aとケーブル類との干渉を、防止できることとなる。
そして、実施形態のコラムカバー10では、図6〜12に示すように、アッパカバー11の下端11aとロアカバー17の上端17aとに相互に対応して設けられた第1結合部35、第2結合部39、及び、第3結合部43の三種類の結合部位34を結合させて、上下方向の分離を規制されて筒状に形成されている。
第1結合部35は、図6,7,10に示すように、左壁部13,19の前端側相互と右壁部14,20の前端側相互とに配設される差込片36と挿入環部37とから構成されている。差込片36は、アッパカバー11の下端11aにおける前端11cの左壁部13と右壁部14とのコラムカバー10の内周面10e側にオフセットされた位置に配置されて、下方へ延びる縦杆部36aと縦杆部36aの下端から前方に延びる横杆部36bとを備えたL字形状としている。挿入環部37は、ロアカバー17の上端17aにおける前端17cの左壁部19と右壁部20とのコラムカバー10の内周面10e側にオフセットされた位置に配設されて、前後方向に貫通して、後方側から前方側へ挿入させるように、差込片36の横杆部36bを嵌挿させる嵌挿孔37aを備えて構成されている。
第2結合部39は、図6,7,11に示すように、左壁部13,19の前後方向の中間部位の一箇所に配設され、右壁部14,20の前後方向の中間部位で前後に分かれた二箇所に配設されて、それぞれ、係止片部40と係止板部41とから構成されている。各係止片部40は、アッパカバー11の下端11aの左壁部13と右壁部14とのコラムカバー10の内周面10e側にオフセットされた位置に配設されて、それぞれ、下方へ延びる脚部40aと、脚部40aの下端から前方に延びる鉤部40bと、を備えて構成されている。鉤部40bの下面40cは、後方側から前方側にかけて下方に下がるように傾斜して形成されている。各係止板部41は、ロアカバー17の上端17aの左壁部19と右壁部20とのコラムカバー10の内周面10e側にオフセットされた位置に配設されて、それぞれ、コラムカバー10の内側方向IDに上下方向VDVに沿って突出するように配設されている。これらの第2結合部39は、図13のA,Bや図14のAに示すように、アッパカバー11の後端11b側をロアカバー17の後端17b側から上方に離して、第1結合部35の差込片36の横杆部36bを、挿入環部37の嵌挿孔37aに挿入させて、アッパカバー11の後端11b側を、ロアカバー17の後端17bの上に載せるように、下方に回転させる際、図11のA〜Cに示すように、係止片部40の鉤部40bが、脚部40aを後方へ撓ませつつ、係止板部41の上面41a側の後縁41bを摺動した後に乗り越えて、係止板部41の後縁41bの下面41cを係止できるように、設定されている。
第3結合部43は、図3,6,7,12に示すように、後壁部15,21の左右両側相互に形成されて、それぞれ、締結片44,45から構成されている。締結片44は、アッパカバー11の下端11aの後端11bにおける後壁部15の左右両側から下方に延びる略長方形の板状として形成され、前後方向に貫通する貫通孔44aと貫通孔44aに連なる位置決め凹部44bとが形成されている。締結片45は、ロアカバー17の上端17aの後端17bにおける後壁部21の左右両側から連なって前方側に凹むような略長方形の板状として形成されて、アッパカバー11の締結片44の前面側に重なるように、構成されている。なお、締結片44,45相互の重なりは、図13のA,Bや図14のA,Bに示すように、アッパカバー11の後端11b側をロアカバー17の後端17b側から上方に離して、第1結合部35の差込片36の横杆部36bを、挿入環部37の嵌挿孔37aに挿入させて、アッパカバー11の後端11b側を、ロアカバー17の後端17bの上に載せるように、下方に回転させて、各第2結合部39の係止片部40の鉤部40bが、係止板部41の後縁41bの下面41cを係止する際に、図12のA〜Cに示すように、各締結片45の後面側に、締結片44が重なるように設定されている。そして、締結片44,45相互が前後で重なった際、締結片45には、位置決め凹部44bに嵌合される位置決め突起45bが後方側へ突出するように形成されるとともに、貫通孔44aに一致する取付孔45aが形成されている。取付孔45aには、貫通孔44aを経てねじ46(図3参照)がねじ込まれて、締結片44,45相互が締結され、第1結合部35や第2結合部39とともに、第3結合部43の部位相互が連結されることとなって、上方に分離しないようにロアカバー17にアッパカバー11が結合され、コラムカバー10が筒状に形成されることとなる。なお、取付孔45aと貫通孔44aとを挿通するねじ46は、スイッチユニット75のねじ孔75aに螺合されている。また、締結片44,45相互が前後で重なる際に、締結片44や締結片45が円滑に撓んで重なるように、締結片44の下端と位置決め突起45bの上面との相互の摺動面には、傾斜面若しくは弧面として、締結片44や締結片45を徐々に撓ませるように案内する案内面44c,45cが、形成されている(図12のA〜C参照)。
そして、実施形態のコラムカバー10では、コラムカバー10の筒状の周壁10aを構成する部位におけるアッパカバー11の下端11aとロアカバー17の上端17aとの相互の接続部位、すなわち、アッパカバー11とロアカバー17との左壁部13,19相互と右壁部14,20相互の接続部位48、には、相互に嵌合可能な凹部51と凸部57とが、形成されている(図4参照)。
凹部51と凸部57とは、コラム本体5の軸直交方向VDの上下方向VDVに沿った断面形状として、凹凸の形状としているものであって、実施形態の場合、凹部51が、アッパカバー11の下端11aにおける左壁部13と右壁部14とに設けられ、凸部57が、ロアカバー17の上端17aにおける左壁部19と右壁部20とに設けられている。
そして、凹部51は、図7〜9に示すように、アッパカバー11の左壁部13と右壁部14との下端における上下方向VDVに沿った断面を逆U字状とした接続用縁部49に設けられている。接続用縁部49は、左壁部13と右壁部14とに、それぞれ、結合部位34としての第1結合部35や第2結合部39からずれて、コラム本体5の軸方向ADに沿って断続的に配設されている。各接続用縁部49は、それぞれ、コラムカバー10の略四角筒形状の周壁10aの左側面10bと右側面10cとに露出する外側壁部50と、上方へ凹む凹部51を間にして、コラムカバー10の内周面10e側に位置する突片52と、を備えて構成されている。突片52は、左壁部13と右壁部14とからコラム本体5の軸直交方向VDの左右方向VDHに沿ってコラムカバー10の内側方向IDへ板状に突設され、凹部51の底面52aを形成する部位と、凸部57を外側壁部50の内側面(挟持面)50aとによって挟持可能に、挟持面50aと対向するように、底面52aから上下方向に延びる挟持面52bと、挟持面52bから下方に向かってコラムカバー10の内側方向IDへ拡開するテーパ状の案内面52cと、を備えて構成されている。突片52の内の所定数の突片52(52X)には、案内面52cから挟持面52bを経て底面52aにわたる凹部51の内周縁に、凸部57の摺動面を広く確保するとともに、凹部51を補強するように、リブ53が設けられている。各リブ53は、コラムカバー10の軸方向ADに沿う方向の幅寸法Bを一定として、凹部51の内周縁に沿って帯状に形成されている。なお、リブ53を備えているリブ付き突片52Xは、左壁部13側では、配設されるすべて(5個)としており、右壁部14側では、後端、後方から2番目、及び、前側の一つつが、リブ付き突片52Xとし、残りの二個の突片52が、リブ53を備えていない(図7参照)。
凸部57は、図7〜9に示すように、ロアカバー17の上端17aにおける左壁部19と右壁部20とに配置されて、接続用縁部55に設けられている。接続用縁部55は、左壁部19と右壁部20との上端17aにおいて、コラムカバー10の内側方向IDへ凹む凹溝56を設けられ、凹溝56を配設されていない部位を凸部57として構成されている。なお、実施形態の場合、接続部位48におけるコラムカバー10の左側面10bと右側面10cとの外表面側が面一となるように、凹溝56の内側方向IDへ凹む深さ寸法dは、外側壁部50の厚さ寸法tと一致するように、構成されている。
実施形態のエアバッグ装置AMの車両への搭載について述べると、メインシャフト6の外周側にコラムチューブ7を予め配設させておくと同時に、コラムチューブ7に、予め、ブラケット7a,7b,7cを固定させておく。また、スイッチユニット75は、図示しないクリップを利用して、メインシャフト6に固定させておく。なお、実施形態の場合、コラムチューブ7の周囲には、既に、インパネ1が搭載されている。
また、予め、エアバッグモジュール59を組み立てる。エアバッグモジュール59の組み立ては、まず、エアバッグ60を袋状に形成する前に、リテーナ62を収納するとともに、ボルト62bをエアバッグ60外へ突出させておく。そして、エアバッグ60を袋状に形成するとともに、エアバッグ60を所定形状に折り畳み、折り崩れ防止用のラッピング材で覆う。ついで、インフレーター61のガス吐出口61aを設けた先端側を、エアバッグ60を経て、リテーナ62内に挿入させ、その後、インフレーター61の元部側をケース64の取付座66に配設させるとともに、リテーナ62の各ボルト62bを下方から天井壁65に貫通させて、各ボルト62bにナット63を締結すれば、エアバッグ60とインフレーター61とをケース64に取付固定して、エアバッグモジュール59を形成することができる。
このように形成したエアバッグモジュール59には、取付壁部30,31の各係止孔30a,31aに,ケース64の前後の側壁67,68の係止片67a,68aを挿入させて、ロアカバー17を組み付けておく。そして、ケース64から延びる取付ブラケット70,71をブラケット7a,7bにボルト止めして、ロアカバー17を組み付けたエアバッグモジュール59を、コラム本体5のコラムチューブ7に取付固定する(図13のA参照)。
そして、図13のA,Bに示すように、アッパカバー11の後端11b側をロアカバー17の後端17b側から上方に離して、第1結合部35の差込片36の横杆部36bを、後方側から前方側に移動させつつ挿入環部37の嵌挿孔37aに挿入させて(図10のA,B参照)、図14のA,Bに示すように、アッパカバー11の各係止脚12aをブラケット7cの係止孔7dに係止させつつ、アッパカバー11の後端11b側を、ロアカバー17の後端17bの上に載せるように、下方に回転させる。その際、第1結合部35では、図10のA〜Cに示すように、差込片36の横杆部36bが挿入環部37の嵌挿孔37aに挿入されて、差込片36の上方移動が挿入環部37によって規制される。またこの時、各第2結合部39では、図11のA〜Cに示すように、係止片部40の脚部40aが後方側に撓みつつ、鉤部40bの下面40cが、係止板部41の上面41aの後縁41bを摺動して、鉤部40bが係止板部41の下面41cを係止し、係止片部40の係止板部41からの上方移動が規制されることとなる。
と同時に、この時、第3結合部43では、図12のA〜Cに示すように、位置決め凹部44bに位置決め突起45bが嵌合されて、各締結片44,45相互が前後で重なり、貫通孔44aと取付孔45aとが一致する。そして、貫通孔44aと取付孔45aとを経て、ねじ46をスイッチユニット75のねじ孔75aに螺合させれば(図3参照)、第1結合部35、第2結合部39、及び、第3結合部43の部位相互が連結されることとなって、上方へ分離不能にロアカバー17に対してアッパカバー11が結合され、コラムカバー10が筒状に形成されることとなる。
そしてさらに、このロアカバー17にアッパカバー11を上方から重ねる際、実施形態では、図8,9に示すように、アッパカバー11に設けられた凹部51にロアカバー17に設けられた凸部57が下方から侵入して、凹部51と凸部57とが嵌合することとなる。
なお、スイッチユニット75やインフレーター61から延びるケーブル類やリード線は、アッパカバー11をロアカバー17に結合する前に、所定の回路に接続させておく。
車両への搭載後にエアバッグ装置AMが作動されて、インフレーター61のガス吐出口61aから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ60が、膨張し、周囲の破断予定部25,28を破断させて、コラムカバー10のロアカバー17における扉部23や補助扉部27を押し開いて、突出用開口10fから突出しつつさらに展開膨張し、運転者Dの左右の膝KL,KRの前方側に配設されることとなる(図1〜4の二点鎖線参照)。
そして、実施形態のエアバッグ装置AMでは、コラムカバー10をコラム本体5に組み付ける際、コラムチューブ7に、エアバッグモジュール59を利用して、ロアカバー17を取り付け(図13のA参照)、ついで、対応する相互の結合部位34(第1結合部35、第2結合部39、及び、第3結合部43)を結合させて、ロアカバー17にアッパカバー11を結合させており、コラム本体5を囲むように、アッパカバー11とロアカバー17とを配置させて、コラムカバー10をコラム本体5に組み付けている。その際、実施形態では、コラムカバー10の筒状の周壁10aを構成する部位(左壁部13,19と右壁部14,20)におけるアッパカバー11の下端11aとロアカバー17の上端17aとの相互の接続部位48では、ロアカバー17の凸部57とアッパカバー11の凹部51とを、相互に嵌合させている。そして、この凸部57と凹部51とは、コラム本体5の軸直交方向VDにおける上下方向VDVの断面形状を、相互に嵌合する形状としており、そのため、ロアカバー17側が軟質合成樹脂製としていても、凸部57と凹部51との嵌合により、コラムカバー10の筒状の周壁10aを構成するロアカバー17の左壁部19と右壁部20との上端側(接続用縁部55の凸部)57では、コラムカバー10の内側方向IDに落ち込んだり外側方向ODに突出することを、形状保持性能の高い硬質合成樹脂製のアッパカバー11の下端(接続用縁部49の凹部)51の突片52や外側壁部50によって、規制される(図8のC、図9のC参照)。さらに、このような凸部57と凹部51とは、相互の結合部位(第1結合部35や第2結合部39)34からずれた別位置のアッパカバー11の下端11aの接続用縁部49とロアカバー17の上端17aの接続用縁部55とに、コラムカバー10の軸方向ADに沿って、断続的若しくは連続的に設けられており、コラムカバー10の筒状の周壁10aの全体の意匠性を良好に維持できることとなる。
そして勿論、実施形態のコラムカバー10では、コラム本体5を上下で包むように、アッパカバー11とロアカバー17とを組み付けることから、コラム本体5への良好な組付性を確保できる。また、実施形態のコラムカバー10におけるロアカバー17は、軟質合成樹脂から形成されており、エアバッグ装置AMの作動時、膨張するエアバッグ60に押されたロアカバー17は、周囲の破断予定部25,28を破断させて、扉部23や補助扉部27を円滑に撓ませつつ開かせて、エアバッグ60を突出させることができる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置AMでは、コラムカバー10の良好な組付性と円滑なエアバッグ60の突出とを確保しつつ、コラムカバー10の意匠性を良好にすることができる。
そして、実施形態のエアバッグ装置AMでは、凸部57を、ロアカバー17の上端17a側の接続用縁部55に設け、凹部51を、アッパカバー11の下端11a側の接続用縁部49に設けている。そのため、実施形態では、形状保持性能の高い硬質合成樹脂からなるアッパカバー11側の凹部51が、軟質合成樹脂製のロアカバー17側の凸部57を、凹部51の内周面を構成する外側壁部50の挟持面50aと突片52の挟持面52bとにより、コラムカバー10の内側方向IDと外側方向ODとの両側で挟持するように、位置規制できる。その結果、コラムカバー10のアッパカバー11では、ロアカバー17の上端17a側の接続用縁部55の内側方向IDへの落ち込みや外側方向ODへの突出を、一層、安定して防止することができる(図8のC、図9のC参照)。
なお、この点を考慮しなければ、図15に示すように、硬質合成樹脂からなるアッパカバー11A側に凸部57Aを設け、軟質合成樹脂からなるロアカバー17A側に凹部51Aを設けてもよい。
さらに、実施形態の場合、アッパカバー11におけるコラムカバー10の内周面10eに位置した凹部51の縁には、ロアカバー17の凸部57におけるコラムカバー10の内側となる内側面(17d)57aを、嵌合時に案内可能に、コラムカバー10の内側方向IDに拡開させて形成されるテーパ状の案内面52cが形成されている。そのため、実施形態では、凸部57と凹部51との嵌合時に、案内面52cに摺動される凸部57が、形状保持性の高い硬質合成樹脂製のアッパカバー11側の案内面52cに摺動されて案内されることとなり、円滑に、凸部57と凹部51との嵌合を行うことができる。さらに、案内面52cに摺動される凸部57は、コラムカバー10の内側方向IDに落ち込もうとしても、案内面52cを形成する突片52の部位によって規制されることとなって、安定して、コラムカバー10の内側方向IDへの落ち込みが防止される。
なお、実施形態の場合、凸部57は、先端(上端)における上下方向VDVに沿う断面を円弧状としており、案内面52cに対する摺動性を良好にでき、凸部57の案内面52cによる案内によって、一層円滑に、凸部57と凹部51との嵌合を行うことができる。
また、実施形態では、アッパカバー11側に凹部51の縁に案内面52cを設けたが、図15に示すアッパカバー11Aやロアカバー17Aのように、アッパカバー11A側の凸部57Aの縁に、突片58を設けるとともに、突片58の外側となる外側面に、コラムカバー10Aの内側方向IDに拡開するテーパ状の案内面58aを設けて、ロアカバー17A側の凹部51Aの周縁を構成した突片52Aにおけるコラムカバー10の内側となる内側面(17d)52dを、凸部57Aと凹部51Aとの嵌合時に、硬質合成樹脂製のアッパカバー11A側の案内面58aに摺動させて案内させるように、構成してもよい。
また、実施形態では、アッパカバー11とロアカバー17との上下方向の分離を規制する結合部位34の一つの第1結合部35として、挿入環部37の前後方向に貫通した嵌挿孔37aに閂状の差込片36の横杆部36bを挿入させて、アッパカバー11とロアカバー17との上下方向の分離を規制する構成としている。このような構成では、エアバッグ60の膨張時、軟質のロアカバー17側の左壁部19や右壁部20が、コラムカバー10の外側方向ODに膨らもうとしても、差込片36の側面(内側面)36cに嵌挿孔37aの内周面37bが位置規制されて、第1結合部35の結合が解除される虞れは生じない。
さらに、実施形態では、第1結合部35の差込片36の横杆部36bを、挿入環部37の嵌挿孔37aに挿入させて、アッパカバー11の後端11b側を、ロアカバー17の後端17bの上に載せるように、下方に回転させる際、図11のA〜Cに示すように、係止片部40の鉤部40bが、脚部40aを後方へ撓ませつつ、係止板部41の上面41a側の後縁41bを摺動した後に乗り越えて、係止板部41の後縁41bの下面41cを係止する。この係止状態により、アッパカバー11が、ロアカバー17に対して仮固定される状態となって、ロアカバー17から上方へ外れ難くなり、さらに、凹部51と凸部57との嵌合による左右方向へのアッパカバー11のずれも抑制されることから、実施形態では、その後の第3結合部43でのねじ46締め作業を、容易に行うことができる。
また、実施形態では、図3,5に示すように、ケース64の後方側の係止片68aをカバーするカバー壁部32を、取付壁部31の上端側に隙間Hを設けて、カバー壁部32と取付壁部31との対向面相互を形成するスライドコアを離型時に上方へ抜く構成としたが、図16に示すカバー壁部32Bのように、カバー壁部32Bの上端32bと取付壁部31とを塞ぐ天井壁部32cを設けるとともに、カバー壁部32Bと取付壁部31との下端側に、隙間Hを設け、カバー壁部32Bと取付壁部31との対向面相互を形成するスライドコアを離型時に下方へ抜く構成としもよい。このような構成のカバー壁部32Bでは、係止片68a側をコラムカバー10内と完全に区画できることから、図3,5に示すカバー壁部32と比べて、図示しないスパイラルケーブル等のケーブル類が係止片68aと干渉する虞れを無くすことができる。
本発明の一実施形態であるエアバッグ装置を搭載したステアリングコラムの概略側面図である。 実施形態のステアリングコラムの車両搭載状態を示す車両後方側から見た概略正面図である。 実施形態のステアリングコラムの車両前後方向の概略拡大縦断面図である。 図3のIV−IV部位の概略拡大縦断面図である。 図3のV−V部位の概略横断面図である。 実施形態のステアリングコラムにおけるコラム本体、エアバッグ装置、及び、スイッチユニットを示す概略分解斜視図である。 実施形態のコラムカバーの概略平面図である。 実施形態の凹部と凸部との縦断面図であり、嵌合前と嵌合後の状態を示し、図7のVIII−VIII部位に対応する。 実施形態の凹部と凸部との縦断面図であり、嵌合前と嵌合後の状態を示し、図7のIX−IX部位に対応する。 実施形態のコラムカバーにおけるアッパカバーとロアカバーとの結合部位の結合状態を説明する図である。 実施形態のコラムカバーにおけるアッパカバーとロアカバーとの他の結合部位の結合状態を説明する図である。 実施形態のコラムカバーにおけるアッパカバーとロアカバーとのさらに他の結合部位の結合状態を説明する図である。 実施形態のコラムカバーにおけるアッパカバーとロアカバーとの結合状態を順に説明する図である。 実施形態のコラムカバーにおけるアッパカバーとロアカバーとの結合状態を順に説明する図であり、図13の後を示す。 実施形態の変形例の凹部と凸部との嵌合状態を示す縦断面図である。 実施形態の変形例のロアカバーの縦断面図である。
符号の説明
5…コラム本体、
10,10A…コラムカバー、
10a…周壁、
11,11A…アッパカバー、
11a…(アッパカバーの)下端、
17,17A…ロアカバー、
17a…(ロアカバーの)上端、
23…扉部、
25…破断予定部、
34…結合部位、
48…接続部位、
51…凹部、
52c,58a…案内面、
57…凸部、
60…エアバッグ、
AM…(膝保護用)エアバッグ装置。

Claims (3)

  1. コラム本体の周囲を覆う筒状のコラムカバーの下部側から、前記コラムカバー内に折り畳んで収納していた膝保護用のエアバッグを、下方側へ突出させる構成として、
    前記コラムカバーが、上部側における前記コラム本体の軸直交方向の断面を逆U字状としたアッパカバーと、下部側における前記コラム本体の軸直交方向の断面をU字状としたロアカバーと、を備えて構成されるとともに、前記アッパカバーの下端と前記ロアカバーの上端とに相互に対応して設けられて上下方向に沿う分離を規制可能な結合部位を結合させて、筒状に形成される構成の膝保護用エアバッグ装置であって、
    前記アッパカバーが、硬質合成樹脂から形成され、
    前記ロアカバーが、前記アッパカバーより軟質の軟質合成樹脂から形成されるとともに、前記エアバッグの突出時に、前記エアバッグに押され、周囲の薄肉の破断予定部を破断させて開く扉部を有して、構成され、
    前記コラムカバーの筒状の周壁を構成する部位における前記結合部位と別位置の前記アッパカバーの下端と前記ロアカバーの上端との相互の接続部位に、前記コラム本体の軸直交方向の断面形状として、前記アッパカバーの下端と前記ロアカバーの上端との一方に、凸部が設けられ、前記アッパカバーの下端と前記ロアカバーの上端との他方に、前記凸部を嵌合させる凹部が設けられるとともに、
    前記凸部と前記凹部とが、前記コラムカバーの軸方向に沿って、断続的若しくは連続的に設けられていることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置。
  2. 前記凸部が、前記ロアカバーの上端側に設けられ、前記凹部が、前記アッパカバーの下端側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  3. 前記アッパカバーにおける前記コラムカバーの内周面に位置した前記凸部若しくは前記凹部の縁の一方に、前記ロアカバーの前記凸部若しくは前記凹部の縁の他方の部位における前記コラムカバーの内側の面を、嵌合時に案内可能に、前記コラムカバーの内側に拡開させて形成される案内面が、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の膝保護用エアバッグ装置。
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