JP2010144682A - クロスフローファン - Google Patents

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Abstract

【課題】AS系樹脂または耐熱PS系樹脂、GFを用いた合成樹脂製のクロスフローファンにおいて、空気調和機等の使用時に耐熱クリープ性を向上させるとともに、特に耐熱PS系樹脂においては、ファン成形時の成形性を向上させ生産性の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】AS系樹脂または耐熱PS系樹脂に3〜10μmの細径GFを20〜40重量%混入させたことを特徴とする合成樹脂材を用いてファンを形成し、80〜100℃の温度範囲でアニール処理を施すことによって、耐熱クリープ性、成形性が優れ、生産性のよいクロスフローファンを提供することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は長期使用時の耐熱クリープ性及び生産性の優れた空気調和機用の送風に用いるクロスフローファンに関するものである。
従来、この種のクロスフローファンは翼部と端板が一体構造とされていて、その構造体の合成樹脂材には、ファン全体にアクリロニトリル・スチレン系樹脂(以下、AS系樹脂と略す)や耐熱ポリスチレン系樹脂(以下、耐熱PS系樹脂と略す)にガラスファイバー(以下、GFと略す)を約30〜40重量%程度混入し、強度の向上を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。特に繊維径や繊維長までは特定していないが、一般的には、AS系樹脂に短繊維強化ペレットを用い、繊維径11〜13μm、GF長さが平均で0.3〜0.5mm程度のGFを用いている。長繊維のGFの場合、短繊維よりも成形性が劣り特にピンゲートを使用していると詰まり易い傾向がある。特に6mm以上のものは曲げ強度などの剛性や耐熱クリープ性は向上するが、流動性が低下して成形時にショートショットを起こし易いため、特にクロスフローファンに長繊維のGFを使用しているものは見られない。
また、クロスフローファンの構成材料は、AS系樹脂にGFを約30〜40重量%程度混入したものが公知になっていて現在使用されているが、それ以上の成形性や耐熱クリープ性の優れた耐熱PS系樹脂の開発は容易にできなく耐熱PS系樹脂は使用されていない。
また、合成樹脂製の端板や翼部等は超音波溶着によって一体接合され、その後温風循環炉等で80〜100℃程度の温風循環によりアニール処理(歪み取りのための焼鈍処理)を施して成形歪及び超音波溶着による歪を除去し、使用時におけるクロスフローファンとしての耐熱クリープ性を良くするようにしている。
特開平11−247789号公報
しかしながら、前記従来の構成では、合成樹脂材としてAS樹脂に一般GF強化ペレットを用いGF長さが0.3〜0.5mm程度の短繊維GFを約20〜40重量%程度混入して強度を図ったものをファンの全体に使用している。短繊維GFは長繊維GFと比較すると成形性は比較的よいが、長繊維GFよりも耐熱性や曲げ弾性率が低く耐熱クリープ性が少し低くなり、GF量を40%にしても耐熱クリープ性が向上しにくい。
一方長繊維GFは、一般的に6mm以上のものが市販されており流動性の低下やピンゲート詰まりなどの問題が出易いためにクロスフローファンには使用されていない。また軽量化については、発泡剤を用いて軽量化することも可能であるが、成形時間が長くなり、成形後に二次発泡して部分的に膨張する可能性がある。また、発泡状態によって1ケ1ケの重量が変わり易く重量管理が難しい。
このような構成では、特に、外形Φ90mm以上、ファン長が600mm以上のファン径が大きく、また長尺ファンでは重量が重なり、熱変形しやすくなるため、さらに耐熱クリープ性の優れた構成が要求されている。また、溶着後の残留歪みを取る為に長時間のアニール処理を必要とし、生産性、加工性の向上の面からも短時間で的確にアニールできる材料構成が要求されている。
また、上記合成樹脂材は流動性が低く、成形時にショートショットが発生しやすく歩留まりや生産性の面で劣る点があり、流動性が高い樹脂で成形性に優れ、耐衝撃性,耐熱クリープ性のよい材料が要求されていた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、合成樹脂材に繊維径3〜10μmのGFを20〜40重量%混入したことを特徴とするもので、これによって通常と同時間と同温度のアニール処理でも、より耐熱クリープ性の優れたファンを提供するものである。また、成形性,高剛性,耐衝撃性,耐熱クリープ性に優れた、生産性の良い空気調和機用のクロスフローファンを提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機のクロスフローファンは、AS系樹脂に、繊維径3〜10μmのGFを20〜40重量%混入させた合成樹脂材を用いてクロスフロ−ファンを形成したものである。
本発明のクロスフローファンは、材料の曲げ強度が上がることによって、ファンの剛性が上がり、長期使用の空気調和機においてファンの熱変形を防止することができる。また、特に耐熱クリープ性が要求される、全長700mm以上の長尺のファンにおいて、変形が少なくなり効果が出やすい。特に3〜10μmの細径GFを用いることによって、同じ量のGFを混入したときに曲げ弾性率が従来品より高くなり、従来の一般GFよりも少ない混入量でファンの耐熱クリープ性を向上させることが可能となり、特に長期保管の静止時や回転時の耐熱クリープ性が優れ、長期の空気調和機の使用においてクロスフローファンの熱変形を防止することができる。
第1の発明はAS系樹脂に、繊維径3〜10μmのGFを20〜40重量%混入させた合成樹脂材を用いてクロスフロ−ファンを形成したことにより、材料の曲げ強度が上がることによって、ファンの剛性が上がり、長期使用の空気調和機においてファンの熱変形を防止することができる。また、特に耐熱クリープ性が要求される、全長700mm以上の長尺のファンにおいて、変形が少なくなり効果が出やすい。特に3〜10μmの細径GFを用いることによって、同じ量のGFを混入したときに曲げ弾性率が従来品より高くなり、従来の一般GFよりも少ない混入量でファンの耐熱クリープ性を向上させることが可能となり、特に長期保管の静止時や回転時の耐熱クリープ性が優れ、長期の空気調和機の使用においてクロスフローファンの熱変形を防止することができる。
第2の発明は、耐熱PS系樹脂に、繊維径3〜10μmのGFを20〜40重量%混入させた合成樹脂材を用いてクロスフロ−ファンを形成したことにより、ファンの剛性が上がる。また特に耐熱PS系樹脂(PS+SPS)を用いているため、樹脂の荷重たわみ温度を8〜12℃位上げることができ、特に長期保管の静止時や回転時の耐熱クリープ性が優れ、長期使用の空気調和機においてクロスフローファンの熱変形を防止することができる。また、AS系樹脂と同様に特に耐熱クリープ性が要求される、全長700mm以上の長尺のファンにおいて熱変形が少なり、長期の空気調和機の使用でクロスフローファンの熱変形を防止することができる。さらに耐熱PS系樹脂は、従来品よりも成形時の流動性がよくなるとともに、耐熱性、剛性、耐衝撃性にも優れたものとなり、成形時にファン部材すなわち端板、仕切り板、翼部にショートショットが発生しにくく、成形時に2ケから4ケ取りなど多数個取りが容易になり、より生産性の向上を図ることができる。またAS系樹脂よりも溶着性が良く溶着時間が短縮し生産性が向上する。また軽量化することによって材料費が低減し合理化が図れる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明のクロスフローファンに80〜100℃の温度範囲の温風によるアニール処理を施したことにより、更にファンの剛性が上がる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるクロスフローファンの外観斜視図、図2は、同クロスフローファンの全体の断面図、図3は、同クロスフローファンの縦断面図、図4は、同クロスフローファンのブレード部の断面図、図6は、同クロスフローファンに用いた細径GF強化ペレットの外観斜視図を示す。尚、図5は、従来のクロスフローファンのブレード部の断面図、図7は、従来のクロスフローファンに用いた一般GF強化ペレットの外観斜視図である。
図1、図2、図3において、クロスフローファン1は(以下、ファンと略す)、GFの強化材を所定重量%混入したAS系樹脂または耐熱PS系樹脂からなる合成樹脂製のファンであり、ファン部材、すなわち端板2、複数の仕切り板3及び端板2と仕切り板3の間に設けられる複数の翼部4から構成され、端板2と翼部4及び仕切り板3と翼部4等は超音波溶着によって接合されている。また、ファンモータ6とはボス組立部1aのボス部5と接続固定している。ブレード部10は仕切り板3と翼部4が一体成形したもので形成されている。全体としては、軸部のついた端板2とブレード部10とボス組立部1aの主に3種類の成形部材でクロスフローファン1を構成している。
耐熱PS系樹脂とは、スチレンと耐熱性を付与したモノマー、すなわちマレイン系のモノマーやNフェニルマレイミド系のモノマーやメタクリル系モノマーとの共重合体やシンジオタクチック・ポリスチレン(以下、SPS)樹脂である。尚、本実施例4〜6はSPS樹脂を用いた構成樹脂としている。SPS樹脂とは、シンジオタクチックポリスチレンの略でベンゼン環が交互になった結晶性のPS樹脂である。公知であるが、引張り強さや曲げ強度などの機械的強度や耐熱性などが一般のポリスチレンよりも優れ、特に耐酸性、耐アルカリ性、耐油性などの耐薬品性に優れた樹脂である。
また、本実施の形態に用いている細径GFは、図6に示すように繊維径3〜10μmのGFを用いた細径GF強化ペレット8を使用し、従来品の一般GFは図7に示すように繊維径が11〜13μmのGFを用いた一般GF強化ペレット9を使用したものである。それぞれの繊維状態は、細径GFは701と一般GFはGF702に示す。GFの長さとしては、成形品において0.1〜1.0mm程度の長さで平均0.5mm程度の繊維長である。
細径GF強化ペレット8と、一般GF強化ペレット9は、樹脂材料製造時にGFを成形機のサイドフィードより一定量を均一分散して混入させている。GFの製造方法は、一般的にEガラスを用いて溶融したもので、3〜6mm程度のチョップドストランドを用い、線径を3〜10μmのGFを細径GF強化ペレット8とし、従来から使用されている線径の11〜13μmのGFを一般GF強化ペレット9とした。線径のコントロールは、ダイから溶融したGFを引抜く時に引抜く孔径と速度でコントロールされる。
図4は実施例の繊維径3〜10μmのGFの細径GF強化ペレット8を用いた場合の翼部の縦断面図、図5は従来例の繊維径11〜13μmのGFの一般GF強化ペレット9を用いた場合の翼部の縦断面図を示す。
図4と図5を比較すると分かるように繊維径3〜10μmのGFを用いたものの方が翼部などの構成樹脂中のGFが均一に多く分散して、その分剛性の高いファンが形成される。また、成形品の溶着部やウェルド部の接合強度が一般GFより細径GFの方が高く、ファン全体の剛性も高くなる。細径GFを用いた合成樹脂の接合強度が高くなるのは、一般GFよりも微分散された細径GFの方が、樹脂と繊維の接着面積が多く(二倍以上)強固に絡み合うためで、特に溶着部の強度アップに繋がる。
ファンは、溶着加工した後に成形歪と溶着歪を除去するためアニール処理を実施している。アニール処理方法は、90℃の温風循環炉にクロスフローファン1を縦置き放置で置いて約8時間処理したものである。
尚、アニール温度は80〜100℃の範囲が望ましい。80℃以下では長時間のアニール時間がかかり100℃以上にすると、熱変形やファンの全長寸法が(100℃で0.3mm程)短くなる傾向がある。従って80〜100℃の温度範囲でアニール処理をすることが望ましく、85〜95℃が安定したアニール処理が出来て一番望ましい。
表1は、AS系樹脂で表2は耐熱PS系樹脂で成形したクロスフローファン1の成形品のGFの繊維径、ファンの耐熱静止たわみとテストピースでの曲げ弾性率と流動性と荷重たわみ温度を示す。
尚、表1と2の繊維径に関しては細径GF強化ペレット8や一般GF強化ペレット9に用いたGFの繊維径を表示したものである。尚、本発明の表1と表2の実施例と従来例は、外径Φ90mm、長さが665mmのクロスフローファンを用いたものである。
耐熱静止たわみは、試験前後のファンのバランス変化量を測定しファンの耐熱クリープ性を評価するものである。この数値は、出来るだけ小さい方が優れていている。特に長期保管や高温雰囲気に暴露された場合に、この変化量が少ないものほど変化が少なく優れている。耐熱静止たわみの試験法は次に示す通りである。
試験は、70℃の恒温層にファン1の両端2点を支え、水平に168h放置した前後のアンバランス変化量を、ファン専用のバランスマシーン測定機で計測したものであり、数値が大きくなるとバランス不良で、熱変形が大きくなり長期に空気調和機に用いて使用していると振動が大きく、異常音等による不具合を生じることがある。単位はg・cmで表示する。ボス側と軸側の数値で変化量を測定するが、ボス側の方が大きい傾向があり表はボス側の数値を表している。
曲げ弾性率や流動性や密度の試験は、公知のものである。曲げ弾性率は、1/4インチ試験片を用いJIS−K−7203に準拠した。流動性は、220℃・荷重条件9.81NでJIS−K−7210に準拠した。また、密度は、比重計を用いて水中置換法により測定したものである。
実施例1は、AS系樹脂に繊維径3μmの細径GF強化ペレットを用い細径GFを20%混入した構成樹脂を用いものである。実施例2は、繊維径6μmの細径GF強化ペレットを用い細径GFを30%混入した構成樹脂したものである。実施例3は、繊維径10μmの細径GF強化ペレットを用いGFを40%混入した構成樹脂を用いたものである。
実施例1は、従来例よりも剛性が少し低いが(曲げ弾性率:実施例1=7600MPa<従来例=8430MPa)、密度が1.22で低くファン回転時の振れ量(アンバランス変化量)が少なくなる。その分トータル面で剛性と密度のバランスの取れたファン材料が構成され、ファンの耐熱静止たわみにおいて、従来品の30%と比較して細径GF20%品であるが良好な結果(実施例1=1.80<従来例:1.90)が得られる。
実施例2は実施例1より剛性が高く(曲げ弾性率:実施例1=7600MPa<実施例2=9000MPa)、ファンの耐熱静止たわみにおいてさらに良好な結果(実施例1=1.80>実施例2:1.50)が得られる。
実施例3は、さらに実施例2よりも剛性が高く,ファンの耐熱静止たわみは優れた結果(実施例2=1.50>実施例3:1.43)が得られる。尚、細径GFのGF混入量が20%未満では、耐熱静止たわみが従来例(AS+GF30%)品より数値が大きくなり好ましくない。また、細径GFのGF混入量が40%以上では成形時にショートショットが発生しやすくなり好ましくない。従って細径GFのGF混入量は20〜40%が望ましい。
本発明に用いた、GF長さは、成形後で0.1〜1.0mm程度で平均0.5mm程度であるが、強化ペレット製造時に3〜6mmのペレット長さの長繊維タイプを用いることも可能である。成形時には、内径φ1.0mm程度のピンゲートから射出成形するため、実際の成形品でのGF長さは長繊維ペレットを使用しても0.2〜1.8mm程度で平均長さとしては0.9mm程度となる。本発明に使用した細径GFは、短繊維タイプであり、ペレットの中に均一分散しているものであり、成形前のペレット時の繊維長は、Max2mm程度である。
尚、6mm以上のペレット長さの長繊維タイプは、成形時にショートショットやゲート詰まりが発生しやすく成形性が悪くなる。
また、細径GFを用いることによって成形品のウェルド部や溶着部の強度が向上し、ファンの剛性が上がる。ウェルド部や溶着部の強度の代用としてファンの物性で曲げ強度を測定すると、従来例が約2.5Nに対して、実施例1は約2.7N、実施例2は約2.8N、実施例3は約3.0Nとなる。実施例4は約2.8N、実施例5は約3.0N、実施例6は3.2Nと同様にファンの曲げ強度が従来例よりも高くなる。
曲げ強度の測定は、両端を支持して中央部を押し込む一般的な両端指示一線荷重方式で実施した。ファンの径に応じて中央部の荷重をかける箇所には、均等に曲げがかかるようにファン外周に合わした治具を用いている。尚、両端はVブロック上に載せて固定している。
次に、実施例4から6について説明する。表2に、実施例4〜6と従来例の構成樹脂とファンの耐熱静止たわみなどの結果を示す。
実施例4は、耐熱PS系樹脂に繊維径3μmの細径GF強化ペレットを用い細径GFを20%混入した構成樹脂を用いたものである。実施例5は、繊維径6μmの細径GF強化ペレットを用い細径GFを30%混入した構成樹脂を用いものである。
実施例6は、繊維径10μmの細径GF強化ペレットを用い細径GFを40%混入した構成樹脂を用いたものである。
実施例4は、従来例よりも剛性が少し低いが(曲げ弾性率:実施例4=7400MPa<従来例=8430MPa)、密度が1.20で低くファン回転時の振れ量(アンバランス変化量)が少なくなる。
その分トータル面で剛性と密度のバランスの取れたファン材料が構成され、ファンの耐熱静止たわみにおいて、従来品の30%と比較してGF20%品であるが良好な結果(実施例4=1.80<従来例:1.90)が得られる。また流動性は、MFR(メルトフローレート、220℃10kgf)で(実施例4=10>従来例:4)の良くなり成形時間
も短縮し、ショートショットも少なくなり歩留まりが良くなる。
実施例5は実施例4より剛性が高く(曲げ弾性率:実施例4=7400MPa<実施例5=8800MPa)、ファンの耐熱静止たわみにおいてさらに良好な結果(実施例4=1.80>実施例5:1.52が得られる。実施例6は、さらに実施例5よりも剛性が向上して、ファンの耐熱静止たわみは優れた結果(実施例6:1.45)が得られる。
尚、AS系樹脂と同様に細径GFのGF混入量が20%未満では、耐熱静止たわみが従来品程度以下となり好ましくない。また、GF混入量が40%以上では成形時にショートショットが発生しやすくなり好ましくない。従ってGF混入量は20〜40%が望ましい。
また、射出成形後の成形品の繊維長を長くするとファンとしての剛性が上がるので、成形前にAS樹脂とGFを直接均一混合して成形する方法がある。この方法であると、樹脂の溶融が一度となりGFが破断も少なくなり繊維長が、長くなり剛性の高いファンが形成しやすくなる。
本実施例4〜6はSPS樹脂を用いたたものを構成樹脂としていて、SPSの耐熱温度としては、荷重たわみ温度として実施例4が113℃、実施例5が115℃、実施例6が117℃で従来例105℃と比較して、8℃〜12℃高い。荷重たわみ温度を高くすることにより、ファンの耐熱クリープ性も向上させることができる。本実施例に用いた耐熱PS系樹脂は、ポリスチレン(PS)とSPSとのアロイ(重合体)であり流動性を考慮して荷重たわみ温度で113〜117℃としている。PSとSPS比率を変えることによって荷重たわみ温度を変えることができる。
表1や表2の本実施例で説明したファンは長さ665であるが、特に800以上の長尺タイプのファンでは、従来品より耐熱静止たわみの変化量が少なくなる。
表3に長尺タイプ、φ90で全長810mmで使用したGFや繊維径と耐熱静止たわみなどを示す。
実施例7は、AS樹脂に繊維径6μmの細径GF強化ペレットを用い細径GFを30%混入したものである。耐熱静止たわみは、実施例7は2.7で従来例2は、5.4と大きく実施例7は従来の1/2程度でアンバランス変化量で良好である。
細径GFの繊維径は、2μm以下ではGF生産時に切れやすく生産性が劣る。
また、繊維径が11μm以上では一般GFと近くなり、耐熱静止たわみが従来例と同程度となり、効果がでない。従って、繊維径として3〜10μmが好ましい。
また、本発明に使用したGFの収束剤はシランカップリング剤を使用していてGFとAS樹脂や耐熱PS系樹脂と強固に一体化したものである。
尚、本発明はクロスフローファンを空気調和機用としたが温風暖房等を行う温風機器または暖房機器用であってもよい。
以上のように、本発明にかかるクロスフローファンは、材料の曲げ強度が上がることによって、ファンの剛性が上がり、長期使用の空気調和機においてファンの熱変形を防止することが可能となるので、除湿機、送風機、冷却機等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるクロスフローファンの外観斜視図 本発明の実施の形態1におけるクロスフローファンの全体の断面図 本発明の実施の形態1におけるクロスフローファンの縦断面図 本発明の実施の形態1におけるクロスフローファンのブレード部の断面図 従来のクロスフローファンのブレード部の断面図 本発明の実施の形態1におけるクロスフローファンに用いた細径GF強化ペレットの外観斜視図 従来のクロスフローファンに用いた一般GF強化ペレットの外観斜視図
符号の説明
1 クロスフローファン(ファン)
1a ボス組立部
2 端板(ファン部材)
3 仕切り板(ファン部材)
4 翼部(ファン部材)
5 ボス部
6 ファンモータ
701 細径GF
702 一般GF
8 細径GF強化ペレット
9 一般GF強化ペレット
10 ブレード部(ファン部材)

Claims (3)

  1. アクリロニトリルとスチレンを含む共重合樹脂(以下、アクリロニトリル・スチレン系樹脂という)に、繊維径3〜10μmのガラスファイバーを20〜40重量%混入させた合成樹脂材を用いて形成したことを特徴とするクロスフローファン。
  2. スチレンと耐熱性を付与したモノマーとから生成される共重合樹脂(以下、耐熱ポリスチレン系樹脂という)に、繊維径3〜10μmのガラスファイバーを20〜40重量%混入させた合成樹脂材を用いて形成したことを特徴とするクロスフローファン。
  3. 80〜100℃の温度範囲の温風によるアニール処理を施したことを特徴とする請求項1または2に記載のクロスフローファン。
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