JP2010144674A - 制御装置 - Google Patents

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隆弘 飯田
Naohide Murakami
直英 村上
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Hiroshi Enomoto
弘 榎本
Akio Matsunaga
彰生 松永
Toshiro Itatsu
俊郎 板津
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Abstract

【課題】内燃機関に付帯するEGR装置のスライディングモード制御において、ノミナルポイントから離れたポイントにおける制御性能の向上を図る。
【解決手段】制御出力Yとその目標値Rとの偏差をフィードバックし、かつフィードバックする偏差に補正ゲイン52を乗じるようにした。この補正ゲイン52は、ノミナルポイントにおけるゲインとプラントの現況におけるゲインとの比である。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関またはそれに付帯する装置を制御する制御装置に関する。
下記特許文献1に開示されている排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)システムは、過給機を備えた内燃機関のEGR率(または、EGR量)を制御するものである。過給圧とEGR率との間には相互干渉が存在し、1入力1出力のコントローラで過給圧、EGR率の両方を同時に制御することは難しい。しかも、内燃機関の運転領域によって応答性が異なる上、過給機にはターボラグ(むだ時間)がある。このような事情から、特許文献1に記載のシステムでは、非線形制御対象に対して有効な制御手法であるスライディングモード制御を採用し、相互作用を考慮した他入力多出力のコントローラを設計してEGR制御をしている。
特開2007−032462号公報
スライディングモード制御では、制御対象プラントの現況、具体的には内燃機関の運転領域等がノミナルポイントから離れている場合に、制御性能が多少ながら劣化する。スライディングモードコントローラを設計する際には、ノミナルモデルと呼称する特定の状態空間モデルから一つの切換超平面を導き、この超平面に状態を留めることを考える。故に、オフラインで設計した単一のコントローラを全運転領域に適用することになる。しかしながら、ノミナルポイントでは最適な切換超平面であっても、それ以外のポイントでは必ずしも最適なものであるとは言えない。よって、例えば、ノミナルポイントよりも高回転数かつ高負荷の運転領域では、制御出力たるEGR率のハンチングが起こりやすくなる。逆に、ノミナルポイントよりも低回転数かつ低負荷の運転領域では、EGR率の目標値追従性に遅延が発生する。
以上に鑑みてなされた本発明は、内燃機関またはそれに付帯する装置のスライディングモード制御において、ノミナルポイントから離れたポイントにおける制御性能の向上を図ることを所期の目的としている。
本発明では、内燃機関またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、制御出力とその目標値との偏差をフィードバックし、かつフィードバックする偏差に、ノミナルポイントにおけるゲインとプラントの現況におけるゲインとの比を乗じることを特徴とする制御装置を構成した。
即ち、プラントの現況とノミナルポイントとの乖離に応じてゲインを変更し、スライディングモード制御といえども先回りして手を打つようにしたのである。これにより、制御性能の一層の向上を実現することができる。
ノミナルポイント及びプラントの現況のそれぞれにおける、制御入力と制御出力との関係を定めたマップを予め記憶しており、現在の制御出力及び目標値をキーとして前記マップを検索することで、ノミナルポイントにおけるゲイン、プラントの現況におけるゲインをそれぞれ知得するものとすれば、電子制御装置(Electronic Control Unit)の演算負荷の軽減に奏効する。
本発明は、過給機を備えた内燃機関に付帯する排気ガス再循環装置のEGR率若しくはEGR量を制御するシステムであり、制御出力変数に、EGR率若しくはEGR量と、吸気管内圧力とを含み、制御入力変数に、スロットルバルブ開度と、EGRバルブ開度と、可変ノズルターボのノズル開度とを含むものに特に好適である。
本発明によれば、内燃機関またはそれに付帯する装置のスライディングモード制御において、ノミナルポイントから離れたポイントにおける制御性能の向上を図り得る。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すものは、本発明の適用対象の一であるEGRシステムである。内燃機関2に付帯するこのEGRシステムは、吸排気系3、4における複数の流体圧または流量に関する値を検出するための計測器(または、センサ)11、12と、それらの値に目標値を設定し、各値を目標値に追従させるべく複数の操作部45、42、33を操作する制御装置たるECU5とを具備してなる。
内燃機関2は、例えば過給機を備えたディーゼルエンジンである。内燃機関2の吸気系3には、可変ターボのコンプレッサ31を配設するとともに、その下流に吸気冷却用のインタークーラ32、及び吸入空気(新気)量を調節するDスロットルバルブ33を設ける。また、吸入空気量を計測する流量計11、吸気管内圧力を計測する圧力計12をそれぞれ設置する。
内燃機関2の排気系4には、コンプレッサ31を駆動するタービン41を配設し、タービン41の入口には過給機のA/R比を増減させるためのノズルベーン42を設ける。そして、内燃機関2の燃焼室より排出される排気ガスの一部を吸気系3に還流させるEGR通路43を形成する。EGR通路43は、吸気系3におけるスロットルバルブ33よりも下流に接続する。EGR通路43には、排気冷却用のEGRクーラ44と、通過する排気ガス(EGRガス)量を調節する外部EGRバルブ45とを設ける。
本実施形態では、EGR率(または、EGR量)と、吸気管内圧力とについて各々目標値を設定し、双方の制御量を一括に目標値に向かわせるべく複数の操作部、即ちEGRバルブ45、可変ターボのノズル42及びスロットルバルブ33を操作する制御を実施する。
EGRバルブ45、ノズルベーン42、スロットルバルブ33は、ECU5により統御されてその開度をリニアに変化させる。各操作部45、42、33は、駆動信号のデューティ比を増減させることで開度を変える電気式のバルブや、あるいはバキュームコントロールバルブ等と組み合わされ弁体のリフト量を制御して開度を変える機械式のバルブ等を用いてなる。
ECU5は、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリ、A/D変換回路、D/A変換回路等を包有するマイクロコンピュータである。ECU5は、EGR率及び吸気管内圧力を検出するための計測器11、12の他、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温、気圧等を検出する各種計測器(図示せず)と電気的に接続し、これら計測器から出力される信号を受け取って各値を知得することができる。
因みに、本実施形態では、EGR率を直接計測していない。内燃機関2のシリンダに入る空気量は、可変ターボのノズル開度を基に予測することが可能である。その空気量の予測値をgcylとおき、流量計11で計測される吸入空気量をgaとおくと、推定EGR率eegrについて、eegr=1−ga/gcylなる関係が成立する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、可変ターボのノズル開度とシリンダに入る空気量との関係を定めたマップデータが記憶されている。ECU5は、可変ターボのノズル開度をキーとしてマップを検索し、シリンダに入る空気量の予測値を得、これと吸入空気量とを上記式に代入してEGR率を算出する。
並びに、ECU5は、EGRバルブ45、可変ターボのノズル42、スロットルバルブ33や、燃料噴射を司るインジェクタ及び燃料ポンプ等(図示せず)と電気的に接続しており、これらを駆動するための信号を入力することができる。
ECU5で実行するべきプログラムはROMまたはフラッシュメモリに予め記憶されており、その実行の際にRAMへ読み込まれ、プロセッサによって解読される。ECU5は、プログラムに従い内燃機関2を制御する。例えば、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温等の諸条件に基づき要求される燃料噴射量(いわば、エンジン負荷)を決定し、その要求噴射量に対応する駆動信号をインジェクタ等に入力して燃料噴射を制御する。その上で、ECU5は、プログラムに従い、図2及び図3に示すスライディングモードコントローラ51及び補正ゲイン決定部52としての機能を発揮する。
スライディングモードコントローラ51は、EGR率及び吸気管内圧力のスライディングモード制御を担う。フィードバック制御時、ECU5は、各種計測器(図示せず)が出力する信号を受け取ってエンジン回転数、アクセル踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温及び気圧等を知得し、要求噴射量を決定する。続いて、少なくともエンジン回転数及び要求噴射量に基づき、目標EGR率及び目標吸気管内圧力を設定する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、エンジン回転数及び要求噴射量に応じて設定するべき各目標値を示すマップデータが記憶されている。ECU5は、エンジン回転数及び要求噴射量をキーとしてマップを検索し、EGR率及び吸気管内圧力の目標値を得る。さらに、マップを参照して得た目標値を基本値とし、これを冷却水温、吸気温、外部の気温や気圧等に応じて補正して最終的な目標値とする。
そして、ECU5は、計測器11、12が出力する信号を受け取ってEGR率及び吸気管内圧力の現在値を知得し、各制御量の現在値と目標値との偏差からEGRバルブ45の開度、可変ターボのノズル42の開度及びスロットルバルブ33の開度を演算して、各々の操作量に対応する駆動信号をそれら操作部45、42、33に入力、開度を操作する。
EGR率の適応スライディングモード制御に関して補記する。状態方程式及び出力方程式は、下式(数1)の通りである。
Figure 2010144674
本実施形態では、状態量ベクトルXを出力ベクトルYから直接知得できる構造とする、換言すれば計測器11、12を介して検出可能な値を直接の制御対象とすることにより、状態推定オブザーバを排して推定誤差に伴う制御性能の低下を予防している。出力行列Cは既知、本実施形態では単位行列とする。
プラントのモデル化、即ち状態方程式(数1)における係数行列A及び入力行列Bの同定にあたっては、各操作部45、42、33に様々な周波数からなるM系列信号を入力して開度を操作し、EGR率及び吸気管内圧力の値を観測して、その入出力データから行列A、Bを同定する。各操作部45、42、33に入力するM系列信号は、互いに無相関なものとする。これにより、各値の相互干渉を考慮したモデルを作成することができる。
スライディングモードコントローラ51の設計手順には、切換超平面の設計と、状態量を切換超平面に拘束するための非線形切換入力の設計とが含まれる。1形のサーボ系を構成するべく、当初の状態量ベクトルXに、目標値ベクトルRと出力ベクトルYとの偏差の積分値ベクトルZを付加した新たな状態量ベクトルXeを定義すると、下式(数2)に示す拡大系の状態方程式を得る。
Figure 2010144674
安定余裕を考慮し、切換超平面の設計にはシステムの零点を用いた設計手法を用いる。即ち、上式(数2)の拡大系がスライディングモードを生じているときの等価制御系が安定となるように超平面を設計する。切換関数σを式(数3)で定義すると、状態が超平面に拘束されている場合にσ=0かつ式(数4)が成立する。
Figure 2010144674
Figure 2010144674
故に、スライディングモードが生じているときの線形入力(等価制御入力)は、下式(数5)となる。
Figure 2010144674
上式(数5)の線形入力を拡大系の状態方程式(数2)に代入すると、下式(数6)の等価制御系となる。
Figure 2010144674
この等価制御系が安定になるように超平面を設計することと、目標値Rを無視した系に対して設計することとは等価であるので、下式(数7)が成立する。
Figure 2010144674
上式(数7)の系に対して安定度εを考慮し、最適制御理論を用いてフィードバックゲインを求め、それを超平面とすると、下式(数8)となる。
Figure 2010144674
行列Psは、リカッチ方程式(数9)の正定解である。
Figure 2010144674
リカッチ方程式(数9)におけるQsは制御目的の重み行列で、非負定な対称行列である。q1、q2は偏差の積分Zに対する重みであり、制御系の周波数応答の速さの違いにより決定する。q3、q4は出力Yに対する重みであり、ゲインの大きさの違いにより決定する。また、リカッチ方程式(数9)におけるRsは制御入力の重み行列で、正定対称行列である。εは安定余裕係数で、ε≧0となるように指定する。
なお、上記式(数8)、(数9)に替えて、以下に示す離散系の超平面構築式(数10)及び代数リカッチ方程式(数11)を用いてもよい。
Figure 2010144674
Figure 2010144674
超平面に拘束するための入力の設計には、最終スライディングモード法を用いる。ここでは、制御入力Uを、線形入力Ueqと新たな入力即ち非線形入力(非線形制御入力)Unlとの和として、下式(数12)で表す。
Figure 2010144674
切換関数σを安定させたいので、σについてのリアプノフ関数を下式(数13)のように選び、これを微分すると式(数14)となる。
Figure 2010144674
Figure 2010144674
式(数12)を式(数14)に代入すると、下式(数15)となる。
Figure 2010144674
非線形入力Unlを下式(数16)とすると、リアプノフ関数の微分は式(数17)となる。
Figure 2010144674
Figure 2010144674
従って、切換ゲインkを正とすれば、リアプノフ関数の微分値を負とすることができ、スライディングモードが保証される。このときの制御入力Uは、下式(数18)である。
Figure 2010144674
ηはチャタリング低減のために導入した平滑化係数であって、η>0である。
スライディングモード制御では、状態量を超平面に拘束するために非線形ゲインを大きくする必要がある。だが、非線形ゲインを大きくすると、制御入力にチャタリングが発生する。そこで、モデルの不確かさを、構造が既知でパラメータが未知な確定部分と、構造が未知だがその上界値が既知な不確定部分とに分ける。状態方程式(数1)に不確かさ(f+Δf)を加え、下式(数19)で表す。
Figure 2010144674
不確かさの確定部分fは、未知パラメータθを同定することで補償される。さすれば、切換ゲインは不確かさの不確定部分Δfのみにかかることとなり、切換ゲインが不確実成分全体(f+Δf)にかかる場合と比べて制御入力のチャタリングを大幅に低減できる。
制御入力Uは、式(数18)に適応項Uadを追加した下式(数20)となる。
Figure 2010144674
制御入力(数20)におけるΓ1は、適応ゲイン行列である。関数hは、一般には状態量x及び/または未知パラメータθの関数とするが、本実施形態ではhをx及びθに無関係な単純式、定数とすることにより、xを速やかに収束させ、θの適応速度を高めるようにしている。特に、h=1とした場合、推定パラメータを下式(数21)に則って同定することができる。
Figure 2010144674
本実施形態では、EGR率y1及び吸気管内圧力y2を制御出力変数とし、EGRバルブ45の開度u1、可変ターボのノズル42の開度u2及びスロットルバルブ33の開度u3を制御入力変数とした3入力2出力のフィードバック制御を行う。状態変数の個数(システムの次数)は、当初の系(数1)では出力変数の個数と同じく2、拡大系(数2)では4となる。制御出力及び状態量をこのように特定することで、排気ガスに直接触れる箇所に流量計等の計測器を設置する必要がなくなる。
尤も、本実施形態のような3入力2出力のシステムでは、det(SBe)=0が成立し、行列(SBe)は正則とはならない。そこで、逆行列(SBe-1を、一般化逆行列として算定する。一般化逆行列には、例えばムーア・ペンローズ型の逆行列(SBeを用いる。
しかして、補正ゲイン決定部52は、制御出力とその目標値との偏差に乗じるべき補正ゲインを決定する。図3に、適応スライディングモード制御系のブロック線図を示している。本実施形態の制御系では、制御出力Yとその目標値Rとの偏差をフィードバックするが、この偏差に、プラントの現況とノミナルポイントとの乖離に応じた補正ゲイン(β/α)を乗じることで、ノミナルポイントから離れたポイントにおける制御性能の改善を図っている。補正ゲインは、ノミナルポイントにおけるゲインとプラントの現況におけるゲインとの比である。プラントの現況がノミナルポイントに合致するとき、補正ゲインは1となる。
ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、ノミナルポイント及びプラントの現況のそれぞれにおける、制御入力と制御出力との関係を定めたマップが記憶されている。マップの概要を、図4及び図5に例示する。マップは、EGR率、吸気管内圧力の各々に対して個別に与えられる。
図4は、EGRバルブ45の開度とEGR率との関係を表したマップである。ハイゲインモデルは、エンジン回転数及び要求噴射量がともにノミナルポイントよりも高い、高回転数かつ高負荷の運転領域におけるゲインを示す。他方、ローゲインモデルは、エンジン回転数及び要求噴射量がともにノミナルポイントよりも低い、低回転数かつ低負荷の運転領域におけるゲインを示す。
図5は、可変ターボのノズル42の開度と吸気管内圧力との関係を表したマップである。図4と同様、ハイゲインモデルはエンジン回転数及び要求噴射量がノミナルポイントよりも低い運転領域におけるゲインを示し、ローゲインモデルはエンジン回転数及び要求噴射量がノミナルポイントよりも低い運転領域におけるゲインを示す。
補正ゲイン決定部52は、上記のマップデータを参照して、EGR率とその目標値との偏差に乗じる補正ゲイン、及び吸気管内圧力とその目標値との偏差に乗じる補正ゲインを決定する。具体的には、制御出力の目標値をキーとしてマップを検索し、ノミナルモデルのゲイン、プラントの現況に合致したモデルのゲインをそれぞれ知得して、両者の比を算出する。
まず、現時点におけるEGR率の目標値egrtarg(n)及び吸気管内圧力の目標値pimtarg(n)と、過去の時点における目標値egrtarg(n−1)及びpimtarg(n−1)とをキーとしてノミナルモデルのマップを検索し、両時点の目標値の変化量に対応したEGRバルブ45の開度の変化量α1、ノズルベーン42の開度の変化量α2を得る。α1、α2は間接的に、ノミナルポイントにおけるゲインを示唆する。
次に、プラントの現況に相当するモデルのマップを検索し、目標値の変化量に対応したEGRバルブ45の開度の変化量β1、ノズルベーン42の開度の変化量β2を得る。即ち、エンジン回転数及び要求噴射量がともに高ければハイゲインモデルを、エンジン回転数及び運転領域がともに低ければローゲインモデルを適用して、変化量β1及びβ2を得る。図4及び図5では、ローゲインモデルを適用している。β1、β2は間接的に、プラントの現況におけるゲインを示唆する。
最後に、ゲインの比(β1/α1)、(β2/α2)をそれぞれ算出する。(β1/α1)はEGR率とその目標値との偏差に乗じる補正ゲインとなり、(β2/α2)は吸気管内圧力とその目標値との偏差に乗じる補正ゲインとなる。
本実施形態によれば、内燃機関2またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、制御出力とその目標値との偏差をフィードバックし、かつフィードバックする偏差に、ノミナルポイントにおけるゲインとプラントの現況におけるゲインとの比を乗じることを特徴とする制御装置5を構成したため、高回転数かつ高負荷の運転領域や、低回転数かつ低負荷の運転領域におけるEGR制御性能の一層の向上を見込める。
ノミナルポイント及びプラントの現況のそれぞれにおける、制御入力と制御出力との関係を定めたマップを予め記憶しており、現在の制御出力及び目標値をキーとして前記マップを検索することで、ノミナルポイントにおけるゲイン、プラントの現況におけるゲインをそれぞれ知得するものとしたため、ECU5の演算負荷の軽減に奏効する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、EGRバルブの開度とEGR率との関係を規定するマップを基に補正ゲイン(β1/α1)を決定していたが、スロットルバルブの開度とEGR率との関係を規定するマップを基に、またはノズルベーンの開度とEGR率との関係を規定するマップを基に、補正ゲイン(β1/α1)を決定することもできる。各マップを基に補正ゲイン(β1/α1)を個別に決定し、それらの重み付け和を算出して、その重み付け和をEGR率と目標値との偏差に乗じる補正ゲインとして用いてもよい。
並びに、上記実施形態では、ノズルベーンの開度と吸気管内圧力との関係を規定するマップを基に補正ゲイン(β2/α2)を決定していたが、スロットルバルブの開度と吸気管内圧力との関係を規定するマップを基に、またはEGRバルブの開度と吸気管内圧力との関係を規定するマップを基に、補正ゲイン(β2/α2)を決定することもできる。各マップを基に補正ゲイン(β2/α2)を個別に決定し、それらの重み付け和を算出して、その重み付け和を吸気管内圧力と目標値との偏差に乗じる補正ゲインとして用いてもよい。
EGR制御における制御入力変数は、EGRバルブ開度、可変ノズルターボ開度及びスロットルバルブ開度には限定されない。制御出力変数も、EGR率(または、EGR量)及び吸気管内圧力には限定されない。新たな入力変数、出力変数を付加して、4入力3出力の3次システムを構築するようなことも可能である。例えば、吸気系に過給機(のコンプレッサ)をバイパスする通路が存在している場合、その通路上に設けられたバルブをも操作することがある。このとき、当該バイパス通路内の圧力または流量等を制御出力変数に含め、当該バイパス通路上のバルブの開度を制御入力変数に含めることができる。
加えて、本発明の制御装置の制御対象はディーゼルエンジンのEGRシステムに限定されない。列挙すると、
(i)ガソリンエンジンの回転数及び内部EGR量の制御
エンジン回転数、内部EGR率(または、EGR量)を制御出力変数とし、吸気弁の開閉タイミング(または、開度)、排気弁の開閉タイミング、アイドルスピードコントロールバルブの開度を制御入力変数とする
(ii)ディーゼルエンジンの最大燃焼圧力及び燃焼騒音の制御
シリンダ内の最大圧力、燃焼騒音の大きさを制御出力変数とし、燃料噴射圧(コモンレール内圧力)、パイロット噴射の燃料噴射量(コモンレール圧力とインジェクタ開弁時間とを基に算定)、パイロット噴射からメイン噴射までのインターバル時間を制御入力変数とする
(iii)ディーゼルエンジンの回転数及びシリンダ内温度の制御
エンジン回転数、シリンダ内温度を制御出力変数とし、燃料噴射圧、燃料噴射時期、燃料噴射量を制御入力変数とする
(iv)ガソリンエンジンのアイドル回転数及び空燃比の制御
エンジン回転数、空燃比を制御出力変数とし、アイドルスピードコントロールバルブの開度、点火時期、燃料噴射量を制御入力変数とする
(v)過給圧制御として、回転数及び吸気管内圧力の制御
エンジン回転数、吸気管内圧力を制御出力変数とし、可変ターボのノズルベーン(または、ウェイストゲートバルブ)の開度、吸気弁または排気弁の開閉タイミング、スロットルバイワイヤのアクセル開度を制御入力変数とする
(vi)VVT制御(最適燃費制御)として、空気量及びEGR率の制御
吸入空気量、EGR率を制御出力変数とし、吸気弁の開閉タイミング、排気弁の開閉タイミング、スロットルバイワイヤのアクセル開度を制御入力変数とする
等の利用例が想定される。何れの場合も、変数値を検出するために必要な計測器を適宜設置する。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態におけるEGRシステムのハードウェア資源構成図。 同実施形態の制御装置の構成説明図。 適応スライディングモードコントローラのブロック線図。 制御入力たるEGRバルブ開度と制御出力たるEGR率との関係を定めたマップを例示する図。 制御入力たるノズルベーン開度と制御出力たる吸気管内圧力との関係を定めたマップを例示する図。
符号の説明
5…ECU(制御装置)
51…適応スライディングモードコントローラ
52…補正ゲイン決定部

Claims (3)

  1. 内燃機関またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、
    制御出力とその目標値との偏差をフィードバックし、かつこの偏差に、ノミナルポイントにおけるゲインとプラントの現況におけるゲインとの比を乗じることを特徴とする制御装置。
  2. ノミナルポイント及びプラントの現況のそれぞれにおける、制御入力と制御出力との関係を定めたマップを予め記憶しており、
    目標値をキーとして前記マップを検索することで、ノミナルポイントにおけるゲイン、プラントの現況におけるゲインをそれぞれ知得する請求項1記載の制御装置。
  3. 過給機を備えた内燃機関に付帯する排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置のEGR率若しくはEGR量を制御するものであり、
    制御出力変数に、EGR率若しくはEGR量と、吸気管内圧力とを含み、
    制御入力変数に、スロットルバルブ開度と、EGRバルブ開度と、可変ノズルターボのノズル開度とを含む請求項1または2記載の制御装置。
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