JP2020160701A - 温度制御装置、温度制御方法、及びプログラム - Google Patents

温度制御装置、温度制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】加熱を停止させることなく、自動的に加熱を継続することができる温度制御装置を提供する。【解決手段】この発明の温度制御装置1は、正常時に、制御モデルをなす伝達関数の正常時のゲイン(Ki)を算出する第1ゲイン算出部(40)と、加熱対象物の温度制御中に、刻々、制御モデルをなす伝達関数の現在のゲイン(K)を算出する第2ゲイン算出部(40)と、現在のゲイン(K)と上記正常時のゲイン(Ki)との間のゲイン比に基づいて、現在温度の測定値を補正して、補正された現在温度を算出する第1補正部(51)、または、上記ゲイン比に基づいて、正常時の目標温度を補正して、補正された目標温度を算出する第2補正部(51)と、を備え、補正された現在温度または補正された目標温度に基づいて、加熱を継続することを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、温度制御装置及び温度制御方法に関し、より詳しくは、加熱対象物の温度を計測して加熱対象物の温度を制御する温度制御装置及び温度制御方法に関する。また、この発明は、そのような温度制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
従来、この種の温度制御装置としては、例えば特許文献1(特許第4062089号公報)に開示されているように、或る制御モデルに基づいて、加熱対象物の現在温度が目標温度になるように、加熱対象物に対する操作量(加熱量)を制御するものが知られている。同文献では、上記制御モデルにおける正常時(過去)のパラメータと現在のパラメータとを比較して、異常が発生したか否かを判定している。
特許第4062089号公報
しかしながら、特許文献1(特許第4062089号公報)に記載のものでは、異常を検知しているだけであるため、異常が検知されたとき、上記温度制御装置のユーザは、装置を修理(温度センサの位置ずれ調整、温度センサの交換など)するために、しばらくの間、加熱を停止(例えば、工場の生産停止)しなければならない、という問題がある。
そこで、この発明の課題は、正常時のパラメータに対して現在のパラメータが変化したときであっても、加熱を停止させることなく、自動的に加熱を継続することができる温度制御装置及び温度制御方法を提供することにある。また、この発明の課題は、そのような温度制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、この開示の温度制御装置は、
或る制御モデルに基づいて、加熱対象物の現在温度が目標温度になるように、上記加熱対象物に対する加熱量を制御する温度制御装置であって、
この温度制御装置の正常時に、上記制御モデルをなす伝達関数の正常時のゲインを算出する第1ゲイン算出部と、
上記加熱対象物の温度制御中に、刻々、上記制御モデルをなす伝達関数の現在のゲインを算出する第2ゲイン算出部と、
上記現在のゲインと上記正常時のゲインとの間のゲイン比に基づいて、上記現在温度の測定値を補正して、補正された現在温度を算出する第1補正部、または、上記ゲイン比に基づいて、正常時の目標温度を補正して、補正された目標温度を算出する第2補正部と、を備え、
上記補正された現在温度または上記補正された目標温度に基づいて、加熱を継続することを特徴とする。
この開示の温度制御装置では、第1ゲイン算出部は、この温度制御装置の正常時に、上記制御モデルをなす伝達関数の正常時のゲインを算出する。第2ゲイン算出部は、上記加熱対象物の温度制御中に、刻々、上記制御モデルをなす伝達関数のゲインを算出する。第1補正部は、上記現在のゲインと正常時のゲインとの間のゲイン比に基づいて、上記現在温度の測定値を補正して、補正された現在温度を算出する。または、第2補正部は、上記ゲイン比に基づいて、正常時の目標温度を補正して、補正された目標温度を算出する。このように、上記補正された現在温度または上記補正された目標温度に基づいて、加熱を継続する。したがって、正常時のパラメータ(ゲイン)に対して現在のパラメータ(ゲイン)が変化したときであっても、加熱を停止させることなく、自動的に加熱を継続することができる。
一実施形態の温度制御装置では、上記現在のゲインに対して、異常判定のための閾値が設けられており、上記現在のゲインと上記閾値との比較に基づいて、異常が発生したか否か判定する判定部を備えることを特徴とする。
この一実施形態の温度制御装置では、異常が発生したことを判定することができる。この結果、ユーザは、たとえ自動的に加熱が継続されていたとしても、異常が発生したことを認識することができる。
一実施形態の温度制御装置では、上記現在温度の測定値を、上記補正された現在温度に補正して上記加熱を継続するか、または、上記加熱を継続せず、上記補正された現在温度を通知するかについて設定する第1設定部を備えることを特徴とする。
この一実施形態の温度制御装置では、ユーザの設定により、自動で補正して上記加熱を継続するか、または、上記加熱を継続せず、上記通知のみにするかを選択することが可能となる。
一実施形態の温度制御装置では、上記正常時の目標温度を、上記補正された目標温度に補正して上記加熱を継続するか、または、上記加熱を継続せず、上記補正された目標温度を通知するかについて設定する第2設定部を備えることを特徴とする。
この一実施形態の温度制御装置では、ユーザの設定により、自動で補正して上記加熱を継続するか、または、上記加熱を継続せず、上記通知のみにするか選択することが可能となる。
別の局面では、この開示の温度制御方法は、
或る制御モデルに基づいて、加熱対象物の現在温度が目標温度になるように、上記加熱対象物に対する加熱量を制御する温度制御方法であって、
この温度制御方法の正常時に、上記制御モデルをなす伝達関数の正常時のゲインを算出し、
上記加熱対象物の温度制御中に、刻々、上記制御モデルをなす伝達関数の現在のゲインを算出し、
上記現在のゲインと上記正常時のゲインとの間のゲイン比に基づいて、上記現在温度の測定値を補正して、補正された現在温度を算出し、または、上記ゲイン比に基づいて、正常時の目標温度を補正して、補正された目標温度を算出し、
上記補正された現在温度または上記補正された目標温度に基づいて、加熱を継続することを特徴とする。
この一実施形態の温度制御方法では、加熱を停止させることなく、自動的に温度を補正して加熱を継続することができる。
さらに別の局面では、この開示のプログラムは、上記温度制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この開示のプログラムをコンピュータに実行させることによって、上記温度制御方法を実施することができる。
以上より明らかなように、この開示の温度制御装置及び温度制御方法は、加熱を停止させることなく、自動的に温度を補正して加熱を継続することができる。また、この開示のプログラムをコンピュータに実行させることによって、上記温度制御方法を実施することができる。
この発明の一実施形態の温度制御装置の構成を模式的に示す図である。 上記温度制御装置のハードウェア構成を示す図である。 上記温度制御処理(温度制御方法)のメインフローを示す図である。 図4(A)は、従来における、温度センサが劣化する場合の時間の経過に伴うゲインと温度差の変化を示す図である。図4(B)は、上記温度制御装置における、温度センサが劣化する場合の時間の経過に伴うゲインと温度差の変化を示す図である。 図5(A)は、従来における、段取り替えでの時間の経過に伴うゲインと温度差の変化を示す図である。図5(B)は、上記温度制御装置における、段取り替えでの時間の経過に伴うゲインと温度差の変化を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態)
図1は、この発明の一実施形態の温度制御装置(全体を符号1で示す。)の構成を模式的に示している。この温度制御装置1は、加熱対象物90に搭載されたヒータ21及び温度センサ20と、温度コントローラ100とを備えている。温度コントローラ100は、この例では、フィードバック制御の一つであるPID(Proportional-Integral-Differential)制御の制御モデルに基づいて、温度センサ20の出力(現在温度PV)が目標温度(SP)になるように、加熱対象物90に対する加熱量を制御する。
温度センサ20は、加熱対象物90の現在温度PVを測定する。この例では、温度センサ20として熱電対が用いられる。現在温度PVは、後述する温度コントローラ100に入力される。
ヒータ21は、操作量MVに応じて通電されて発熱する。この例では、ヒータ21として汎用の電熱体が用いられる。
温度コントローラ100は、図2に示すように、ハードウェアとして、この例では、演算部11と、表示器12と、操作部13と、記憶部14と、入力部15と、出力部16と、通信部17と、警報器18とを備えている。
演算部11は、ソフトウェア(コンピュータプログラム)によって動作するCPU(中央演算処理ユニット)を含み、後述の温度制御方法に従う処理や、その他の各種処理を実行する。
操作部13は、この例では、キー入力スイッチ及び設定スイッチからなり、ユーザ(操作者)からの指示及びデータなどを入力または設定するために用いられる。この例では、操作部13の設定スイッチには、加熱対象物90を加熱すべき目標温度SP=200℃が設定されているものとする。
表示器12は、この例では、LED(発光ダイオード)アレイからなり、演算部11からの制御信号に従って、数値等の表示を行う。この例では、表示器12は、設定された目標温度SP、加熱対象物90の現在温度PV、補正された現在温度PV、補正された目標温度SPを表示するために用いられる。
記憶部14は、この例では、非一時的にデータを記憶し得るEEPROM(電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ)、及び、一時的にデータを記憶し得るRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を含んでいる。この記憶部14には、演算部11を制御するためのソフトウェア(コンピュータプログラム)が格納されている。また、この例では、記憶部14には、正常時(初期状態)での制御モデルのゲインがゲインKiとして、また加熱対象物90の制御中に、加熱対象物90が示す温度が現在温度PVとして、PID制御部22から出力される操作量が操作量MVとして、温度制御中での制御モデルのゲインが現在のゲインKとして記憶される。これらの記憶内容については、後に詳述する。
入力部15は、この例では、AD(アナログ・ツー・デジタル)変換器を含んでいる。入力部15は、温度センサ20からの現在温度PVを表す信号を受けて、AD変換を行って、演算部11に入力する。
出力部16は、演算部11からの制御信号に従って、ヒータ21を制御する操作量MVを出力する。
通信部17は、演算部11によって制御されて所定の情報を外部の装置に送信したり、また、外部の装置からの情報を受信して演算部11に受け渡したりする。この例では、通信部17は、外部の装置へ状態情報(警報信号AS)を送信する。また、外部の装置からの指示(コマンド信号CM)を受信する。
警報器18は、演算部11からの警報信号に従って、聴覚的または視覚的な警報ALを発する。この例では、ブザーまたはLED(発光ダイオード)アレイからなり、警報音または文字数値等の表示を発する。
図1中に示すように、この例では、温度コントローラ100は、記憶部14によって構成されるデータ蓄積部30を備えている。また、温度コントローラ100は、プログラムされた演算部11によって構成される、PID制御部22と、第1ゲイン算出部及び第2ゲイン算出部としてのゲイン同定部40と、判定部としての異常判定部41と、第1補正部及び第2補正部としてのPVorSP補正量算出部51と、第1設定部及び第2設定部としての自動補正要否入力部53及び自動補正要否判断部52と、PVorSP補正部54と、表示器12の表示を制御するPVorSP補正量表示部55および判定結果表示部42とを備えている。これらの各部の動作については、次に述べる図3の温度制御処理のフローの中で説明する。
図3は、加熱を継続するために、温度制御装置1が実行する温度制御方法の処理フローを示している。この例では、演算部11は、予め図2中に示すPID制御部22として働いて、PID制御の制御モデルに基づいて、加熱対象物90の現在温度PVが目標温度SPになるように、温度制御を行っているものとする。これにより、加熱対象物90の温度が定常状態になっている(正常である)ものとする。また、温度センサ20から入力部15を介して入力された現在温度PVと、PID制御部22が作成した現在の操作量MVとは、刻々、データ蓄積部30に蓄積されるものとする。
この例では、PVorSP補正部54で実行される現在温度PVまたは目標温度SPの補正について、ユーザによって、操作部13を介して、自動補正するか、手動補正するか予め補正要否が設定されるものとする。この例では、演算部11は自動補正要否入力部53として働いて、ユーザが選択した設定に従って、予め自動補正が設定されている。
まず、図3のステップS1に示すように、ユーザの操作部13を通した指示または通信部17を介したコマンド信号に応じて、演算部11は、データ蓄積部30から、この温度制御装置の正常時(初期状態)での現在温度PVおよび操作量MVを取得する。
次に、図3のステップS2に示すように、演算部11はゲイン同定部40として働いて、正常時の現在温度PVおよび操作量MVに基づいて、制御モデルをなす伝達関数の正常時のゲインKiを算出する。この正常時のゲインKiは後述するステップS5で用いられるためにデータ蓄積部30に記憶される。この例では、目標温度SP=200℃、操作量MV=17.5%、現在温度PV=200℃、周囲温度T=25℃を条件として算出すると、正常時のゲインKi=10℃/%であった。ここで、関係式を次式に示す。
SP=PV=K*MV+T …(Eq.1)
この例では、図4(B)上段に示すように、初期状態では、温度制御装置1は正常であるが、時間の経過に伴って、温度センサ20やヒータ21が次第に劣化して、ゲインK(現在のゲインをKとする。)が次第に低下してゆくものとする。
次に、図3のステップS3〜S6に示すように、演算部11はゲイン同定部40として働いて、加熱対象物90の温度制御中に、刻々、制御モデルをなす伝達関数のゲインを現在のゲインKとして算出する。詳しくは、この例では、ステップS3でPID制御部22及び温度センサ20からデータ蓄積部30を介して、現在の操作量MVと、現在温度PVを入力し、次に、ステップS4で、今回のターンでのゲイン(現在のゲイン)Kを、K=(PV−T)/MVとして算出する。次に、ステップS5〜S6で、演算部11は異常判定部41として働いて、データ蓄積部30に記憶されている予め定められた閾値TH(これを図4(B)中に示す閾値Th1とする。)と今回のターンでのゲインKとを比較して、異常であるか否かを判定する。この例では、閾値Th1=8℃/%であるものとする。
ここで、予め定められた閾値Th1に対して今回のターンでのゲインKが大きければ(ステップS6でNO)、演算部11は、ステップS3に戻って、ステップS3〜S6の処理を繰り返す。この間、PID制御部22による加熱対象物90の温度制御は継続される。
この例では、図4(B)上段に示すように、期間P1の初期直後では、現在のゲインK(≒10℃/%)が閾値Th1(=8℃/%)よりも大きいことから、演算部11は、ステップS3〜S6の処理を繰り返す。この間、PID制御部22による加熱対象物90の温度制御は継続される。
期間P1では、時間の経過に伴って、正常時のゲインKiからゲインKは次第に低下してゆく。これに伴って、図4(B)下段に示すように、現在温度PV’と正常時の温度PVとの温度差(PV’−PV)が次第に増加してゆくものとする。
期間P1の終了時には、現在のゲインKが閾値Th1(=8℃/%)まで低下することから、演算部11は異常が発生したと判定する(ステップS6でYES)。そして、図3のステップS7に進む。
次に、図3のステップS7では、演算部11は判定結果表示部42として働いて、警報信号を生成して警報器18から異常が発生したことを通知する。具体的には、警報器18はブザー音を発し、異常である旨の表示とともに現在温度PVを警報ALとして発する。この例では、これと並行して、演算部11は通信部17を介して、図示しない外部の装置へ警報信号ASを出力する。したがって、ユーザは、たとえ自動的に加熱が継続されていたとしても(後述)、異常が発生したことを認識することができる。
次に、図3のステップS8に示すように、演算部11はPVorSP補正量算出部51として働いて、現在温度PVまたは目標温度SPの補正量を算出する。詳しくは、この例では、異常時のゲインK’=8℃/%、ゲイン比K/K’=10/8、周囲温度T=25℃を条件として、補正量として、次の数式(Eq.2)により補正された現在温度PV、または、数式(Eq.3)により補正された目標温度SPが算出される。
PV=K/K’*(PV−T)+T=1.25PV−6.25
…(Eq.2)、
SP=K/K’*(SP−T)+T=1.25SP−6.25
…(Eq.3)
上記補正された現在温度PV、上記補正された目標温度SPのうちいずれかが、ユーザが、予め選択した設定に従って選択される。
次に、図3のステップS9に示すように、演算部11は自動補正要否判断部52として働いて、自動補正が設定されているか否かを判断する。この例では、ユーザが選択した設定に従って、予め自動補正が設定されていることから、ステップS10に進む。
次に、図3のステップS10では、演算部11はPVorSP補正部54として働いて、現在温度PVを補正された現在温度PVに補正するか、または、目標温度SPを補正された目標温度SPに補正して、加熱を継続する。この例では、補正された現在温度PVを適用した後、ステップS3〜S6の処理を継続する。または、補正された目標温度SPを適用した後、ステップS3〜S6の処理を継続する。
これにより、例えば、図4(B)下段に示すように、期間P1の終了時に、見かけ上の温度差(PV’−PV)が一旦ゼロになって、次の期間P2に入る。この間、PID制御部22による加熱対象物90の温度制御は継続される。したがって、加熱を停止させることなく、自動的に温度を補正して加熱を継続することができる。
図4(B)上段に示すように、期間P2では、異常判定のための閾値THは、閾値Th1(=8℃/%)よりも小さい閾値Th2=6℃/%であるものとする。期間P2でも、時間の経過に伴って、ゲインKは次第に低下してゆく。期間P2の終了時には、現在のゲインKが閾値Th2(=6℃/%)まで低下することから、演算部11は異常が発生したと判定する(ステップS6でYES)。そして、演算部11は、上述の期間P1での処理と同様に、期間P2において、図3のステップS7〜S10の処理を実行する。
すなわち、演算部11は、図3のステップS7で、警報器18から異常を通知する。次に、図3のステップS8に示すように、演算部11はPVorSP補正量算出部51として働いて、現在温度PVまたは目標温度SPの補正量を算出する。次に、図3のステップS9に示すように、演算部11は自動補正要否判断部52として働いて、自動補正が設定されていると判断する(ステップS9でYES)。次に、図3のステップS10に示すように、演算部11はPVorSP補正部54として働いて、現在温度PVを補正された現在温度PVに補正するか、または、目標温度SPを補正された目標温度SPに補正して、加熱を継続する。この例では、補正された現在温度PVを適用した後、ステップS3〜S6の処理を継続する。または、補正された目標温度SPを適用した後、ステップS3〜S6の処理を継続する。
これにより、例えば、図4(B)下段に示すように、期間P2の終了時に、見かけ上の温度差(PV’−PV)が一旦ゼロになって、次の期間P3に入る。この間、PID制御部22による加熱対象物90の温度制御は継続される。したがって、加熱を停止させることなく、自動的に温度を補正して加熱を継続することができる。
図4(B)上段に示すように、期間P3では、異常判定のための閾値THは、閾値Th2(=6℃/%)よりもさらに小さい閾値Th3=4℃/%であるものとする。期間P3でも、時間の経過に伴って、ゲインKは次第に低下してゆく。期間P3の終了時には、現在のゲインKが閾値Th3(=4℃/%)まで低下することから、演算部11は異常が発生したと判定する(ステップS6でYES)。そして、演算部11は、上述の期間P1,P2での処理と同様に、期間P3において、図3のステップS7〜S10の処理を実行する。
これにより、例えば、図4(B)下段に示すように、期間P3の終了時に、見かけ上の温度差(PV’−PV)が一旦ゼロになって、次の期間に入る。この間、PID制御部22による加熱対象物90の温度制御は継続される。
このように、閾値Th1,Th2,Th3,…を順次小さく設定しながら、加熱を停止させることなく、自動的に温度を補正して加熱を継続することができる。
一方、ユーザによって、予め手動設定が設定されていたとき、演算部11は自動補正要否判断部52として働いて、ステップS9で手動補正が必要と判断する(ステップS9でNO)。次に、図3のステップS11に示すように、演算部11はPVorSP補正量表示部55として働いて、表示器12を介して、加熱を継続せず、補正された現在温度PV、または、補正された目標温度SPを通知する。この例では、補正後の現在温度PVを通知した後、ステップS3〜S6の処理を継続する。または、補正後の目標温度SPを通知した後、ステップS3〜S6の処理を継続する。
図4(A)は、従来における、温度センサが劣化する場合の時間の経過に伴うゲインKと温度差(PV’−PV)の変化を示す。図4(B)は、この発明の実施形態における、温度センサが劣化する場合の時間の経過に伴うゲインKと温度差(PV’−PV)の変化を示す。
図4(A)によって分かるように、従来では、ゲインKが閾値Thに達すると、修理(生産停止)を行う。これに対して、図4(B)では、上述したように、ゲインKが閾値(Th1,Th2,Th3)に達する毎に、温度を補正する。したがって、本発明は従来と比較して、加熱を停止させることなく、自動的に温度を補正して加熱を継続することができる。
図5(A)は、従来における、段取り替え(生産工程を替える場合)での時間の経過に伴うゲインKiと温度差(PV’−PV)の変化を示す。図5(B)は、この発明の実施形態における、段取り替えでの時間の経過に伴うゲインKと温度差(PV’−PV)の変化を示す。この例では、段取り替えの際に、温度センサを誤接続した場合を示している。
図5(A)によって分かるように、従来では、ゲインKが閾値Thに達すると、修理(生産停止)を行う。これに対して、図5(B)によって分かるように、本発明では、ゲインKが閾値Thに達すると、温度を補正する。したがって、本発明は従来と比較して、段取り替えの期間P4,P6を除いて、期間P5では、加熱を停止させることなく、自動的に温度を補正して加熱を継続することができる。
なお、上の例では、異常の判定は、予め定められた閾値THと現在のゲインKとを比較して判定したが、これに限られない。現在のゲインKと正常時のゲインKiとの差(K−Ki)を、予め定められた閾値THと比較して異常であるか否かを判定してもよい。
また、上述の温度制御方法を、ソフトウェア(コンピュータプログラム)として、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル万能ディスク)、フラッシュメモリなどの非一時的(non-transitory)にデータを記憶可能な記録媒体に記録してもよい。このような記録媒体に記録されたソフトウェアを、パーソナルコンピュータ、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)、スマートフォン、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの実質的なコンピュータ装置にインストールすることによって、それらのコンピュータ装置に、上述の温度制御方法を実行させることができる。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
1 温度制御装置
11 演算部
14 記憶部
18 警報器
20 温度センサ
30 データ蓄積部
40 ゲイン同定部
200温度コントローラ

Claims (6)

  1. 或る制御モデルに基づいて、加熱対象物の現在温度が目標温度になるように、上記加熱対象物に対する加熱量を制御する温度制御装置であって、
    この温度制御装置の正常時に、上記制御モデルをなす伝達関数の正常時のゲインを算出する第1ゲイン算出部と、
    上記加熱対象物の温度制御中に、刻々、上記制御モデルをなす伝達関数の現在のゲインを算出する第2ゲイン算出部と、
    上記現在のゲインと上記正常時のゲインとの間のゲイン比に基づいて、上記現在温度の測定値を補正して、補正された現在温度を算出する第1補正部、または、上記ゲイン比に基づいて、正常時の目標温度を補正して、補正された目標温度を算出する第2補正部と、を備え、
    上記補正された現在温度または上記補正された目標温度に基づいて、加熱を継続することを特徴とする温度制御装置。
  2. 請求項1の温度制御装置において、
    上記現在のゲインに対して、異常判定のための閾値が設けられており、
    上記現在のゲインと上記閾値との比較に基づいて、異常が発生したか否か判定する判定部を備えることを特徴とする温度制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の温度制御装置において、
    上記現在温度の測定値を、上記補正された現在温度に補正して上記加熱を継続するか、または、上記加熱を継続せず、上記補正された現在温度を通知するかについて設定する第1の設定部を備えることを特徴とする温度制御装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一つに記載の温度制御装置において、
    上記正常時の目標温度を、上記補正された目標温度に補正して上記加熱を継続するか、または、上記加熱を継続せず、上記補正された目標温度を通知するかについて設定する第2の設定部を備えることを特徴とする温度制御装置。
  5. 或る制御モデルに基づいて、加熱対象物の現在温度が目標温度になるように、上記加熱対象物に対する加熱量を制御する温度制御方法であって、
    この温度制御方法の正常時に、上記制御モデルをなす伝達関数の正常時のゲインを算出し、
    上記加熱対象物の温度制御中に、刻々、上記制御モデルをなす伝達関数の現在のゲインを算出し、
    上記現在のゲインと上記正常時のゲインとの間のゲイン比に基づいて、上記現在温度の測定値を補正して、補正された現在温度を算出し、または、上記ゲイン比に基づいて、正常時の目標温度を補正して、補正された目標温度を算出し、
    上記補正された現在温度または上記補正された目標温度に基づいて、加熱を継続することを特徴とする温度制御方法。
  6. 請求項5に記載の温度制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2019058378A 2019-03-26 2019-03-26 温度制御装置、温度制御方法、及びプログラム Active JP7127591B2 (ja)

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