JP2010144546A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2010144546A
JP2010144546A JP2008320485A JP2008320485A JP2010144546A JP 2010144546 A JP2010144546 A JP 2010144546A JP 2008320485 A JP2008320485 A JP 2008320485A JP 2008320485 A JP2008320485 A JP 2008320485A JP 2010144546 A JP2010144546 A JP 2010144546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
exhaust port
chamber
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008320485A
Other languages
English (en)
Inventor
Junya Yoshizawa
潤也 吉沢
Reiki Sugiyama
玲樹 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008320485A priority Critical patent/JP2010144546A/ja
Publication of JP2010144546A publication Critical patent/JP2010144546A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Abstract

【課題】 排気圧力を低下させることにより、体積効率の向上が可能な排気装置を提供する。
【解決手段】 燃焼室10に連通する管状の排気ポート12と、排気ポート12と比較して大きい流路断面積を有するとともに排気ポート12の下流端12bに連結されたチャンバ13とを備えた内燃機関1であって、排気ポート12の流路長Lが、排気ポート12の上流端12aにおける径Dの2倍より短いことを特徴とする。チャンバ13は、シリンダヘッド4に形成されていることを特徴とする。チャンバ13の燃焼室10側の側壁13aにシリンダヘッド4をシリンダブロック2に締結するシリンダヘッドボルトが挿入されるボス部23が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は内燃機関の排気装置に関し、特に自動車用内燃機関の排気ポートおよびその下流の排気集合部の構造に関するものである。
複数の気筒を備える内燃機関において、各気筒から排出される排気は、各燃焼室に連通する排気ポートを通過し、排気ポートの下流端に連結された排気マニホールドにおいて集合されるのが一般的である。排気マニホールドには、排気脈動による排気干渉を抑制するのみならず、排気脈動による掃気効果や排気慣性を利用して排気効率を向上させるべく、排気ポート下流に連通する各気筒の数に応じた分岐管と、この分岐管の下流端に結合された排気集合部とを備え、分岐管を介して排気集合部を燃焼室から所定の距離を離して設けたものがある。
一方、排気ポートの直下に複数の排気ポートからの排気を集合する拡張室を設け、この拡張室における排気の拡張作用により排気圧力を低下させるとともに排気の脈動を減衰し、排気干渉を低減したものがある(例えば、特許文献1)。
特開平4−358718号公報
排気ポート及びその下流に排気マニホールドの排気集合部を設けてなる内燃機関においては、排気ポートの流路長と、その下流に設けられる排気集合部の構成および位置との影響を受けて排気ポート内の排気圧力が変化し、排気効率および体積効率が大きく変化することが本願出願人の研究により見出された。
本発明は、排気圧力を低下させることによって体積効率を向上させることができる排気装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の発明は、燃焼室(10)に連通する管状の排気ポート(12)と、前記排気ポートと比較して大きい流路断面積を有するとともに前記排気ポートの下流端(12b)に連結されたチャンバ(13)とを備えた内燃機関(1)であって、前記排気ポートの流路長(L)が、前記排気ポートの上流端12aにおける径(D)の2倍より短いことを特徴とする。
この構成によれば、短い排気ポートの下流にチャンバが設けられたことにより、気筒より排出された排気は瞬時に排気ポートを通過し、チャンバ内で膨張して圧力が低下する。そのため、排気ポートの上流端付近の排気圧力が低下され、気筒からの排気の排出が促進される。すなわち、排気効率が向上される。また、チャンバでの排気圧力の低下により、排気脈動および排気干渉の発生が抑制されて、排気効率および体積効率が向上される。
第2の発明は第1の発明において、前記チャンバは、シリンダヘッド(4)に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、排気マニホールドを設ける必要がなくなるため、内燃機関のコンパクト化、部品点数および製造費用の削減、組付け工程の削減が図れる。
第3の発明は第2の発明において、前記チャンバの前記燃焼室側の側部(側壁13a)に前記シリンダヘッドをシリンダブロックに締結するシリンダヘッドボルトが挿入されるボス部(23)が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ボス部の一部をチャンバの側部と一体化させることができるため、ボス部を独立して設けた場合に比較して、重量の削減が可能となる。
以上の構成によって、排気ポートの上流端における排気圧力の低下と、排気脈動および排気干渉の抑制とが可能になり、排気効率の向上が図れる。排気効率の向上により、体積効率および出力が向上する。
以下、図面を参照して、本発明を自動車用内燃機関に適用した一実施形態を詳細に説明する。図1は実施形態に係る内燃機関1を一部破断して示す断面図であり、図2はシリンダヘッドを示す縦断面図であり、図3はシリンダヘッド4を示す横断面図である。以下の説明では、「上流」および「下流」の語は、内燃機関1を通過する気体の流れに対して用いる。また、内燃機関1のクランクシャフト9が延在する方向を長手方向とし、長手方向に直行する方向を幅方向として説明する。
内燃機関1は、直列3気筒の4サイクルガソリンエンジンであって、図1に示すように、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の下部に接合されたオイルパン3と、シリンダブロック2の上部に接合されたシリンダヘッド4と、シリンダヘッド4の上部に接合されたヘッドカバー5とを備えている。
シリンダブロック2には、3つのシリンダボア6が列設されており、各シリンダボア6にはピストン7が摺動自在に収容されている。各ピストン7は、シリンダブロック2の下部のクランクケース2aに軸支されたクランクシャフト9に、コネクティングロッド8を介して連結されている。
シリンダヘッド4には、各シリンダボア6に対応する3つの燃焼室10と、各燃焼室10に連通する2つの吸気ポート11および2つの排気ポート12と、各排気ポート12の下流端12bに連通するチャンバ13とが形成されている。チャンバ13の体積は各排気ポート12の体積に比較して十分に大きく、かつチャンバ13の流路断面積は排気ポート12の流路面積と比較して大きい。燃焼室10内には、吸気弁14のバルブヘッド14aおよび排気弁15のバルブヘッド15aが配置されている。燃焼室10と吸気ポート11との境界部分には、吸気弁14のバルブヘッド14aが着座する環状のバルブシート16が設けられている。同様に、燃焼室10と排気ポート12との境界部分には、排気弁15のバルブヘッド15aが着座する環状のバルブシート17が設けられている。
吸気弁14および排気弁15は、図示しないバルブスプリングによって、バルブヘッド14a,15aがバルブシート16,17に着座する方向に付勢されて、吸気ポート11および排気ポート12を閉じ、クランクシャフト9の回転に伴って回転するカムシャフト(図示しない)により駆動されて、吸気ポート11または排気ポート12を開く。
吸気ポート11の上流側は気筒毎に集合されて3つの通路を形成し、その上流端11aはシリンダヘッド4の側面へとそれぞれ開口している。各吸気ポート11の上流端11aは、シリンダヘッド4の側面に接合された吸気マニホールド21の分岐した下流端と連通している。吸気マニホールド21の上流側には、いずれも図示しないエアクリーナおよびエアインレット等が設けられている。また、吸気マニホールド21には燃料噴射装置22が設けられている。吸気ポート11の下流端11bは燃焼室10の上壁に開口している。吸気ポート11の上部には孔11cが穿設されており、孔11cには円筒状のバルブガイド18が嵌入されている。バルブガイド18には、吸気弁14のバルブステム14bが挿入される。
図2に示すように、排気ポート12は、燃焼室10の上壁に開口する上流端12aから、シリンダヘッド4の幅方向であって燃焼室10から遠ざかる方向に少し傾斜しつつ上方へと延びた後、湾曲して下流端12bは概ね水平方向を向いている。排気ポート12の下流端12bは、チャンバ13の燃焼室側の側壁13aに開口している。チャンバ13はシリンダヘッド内に設けれ排気ポート12の上部には孔12cが穿設されており、孔12cには円筒形状のバルブガイド19が嵌入されている。バルブガイド19には、排気弁15のバルブステム15bが挿入される。
排気ポート12の上流端12aは円形に形成されている。排気ポート12の流路長Lは、上流端12aにおける径(直径)Dの2倍より短くなるように形成されている。ここでの流路長Lは、上流端12aにおける管路の中心から、排気ポート12の各横断面における中心を通過して下流端12bにおける管路の中心に到る長さをいう。排気ポート12の上流端12aとは燃焼室10との境界部分、換言するとバルブシート17の燃焼室10側の端部をいうものとする。排気ポート12の下流端12bとは、チャンバ13との境界部分をいう。上流端12aにおける径Dは、バルブシート17を取り付けるために拡径された部分の径ではなく、バルブシート17の下流端に接合する部分の径をいうものとする(図2参照)。なお、他の実施形態においては、上流端12aの形状を例えば楕円のような他の形状にしてもよい。楕円のような他の形状を適用した場合には、径Dは最も小さい部分、例えば楕円においては短径を径Dとする。
図3に示すように、チャンバ13は、シリンダヘッド4の長手方向に延設され、燃焼室側と相反する側の側壁13bがシリンダヘッド4の幅方向外方へと膨出している。チャンバ13の燃焼室側の側壁13aには各排気ポート12の下流端12bが開口しており、燃焼室側と相反する側の側壁13bの長手方向における中央部には排気口13cが形成されている。図1に示すように、チャンバ13の燃焼室側と相反する側の側壁13bには、触媒コンバータ20の上流端に形成されたフランジ部20aがボルトによって締結され、排気口13cと触媒コンバータ20とが連通されている。触媒コンバータ20の下流には、図示しないマフラーが連結され排気が大気中に排出されるようになっている。
チャンバ13の燃焼室側の側壁13aは、各燃焼室10間に対応する部分が平面視においてチャンバ13の内方へと窪んで形成され、この窪んだ部分に内燃機関1の上下方向に延設されたボス部23が形成されている。ボス部23には、シリンダヘッド4をシリンダブロック2に締結するためのシリンダヘッドボルト(図示しない)が挿通される。チャンバ13の排気ポート12の下流端12bと連結する部分は、ボス部23によって各燃料室10に対応するように区画され、排気ポート連結部13bを構成する。排気ポート連結部13bは排気ポート12に比較して流路断面積が大きく設定されており、排気ポート12から排気ポート連結部13bに進入した排気は膨張する。そのため、排気ポート連結部13bはチャンバ13の一部として機能する。排気ポート連結部13bの長さおよび形状は、ボス部23の位置および大きさに応じて定まる。排気ポート連結部13bは、下流に進むにつれて、その流路断面積が大きくなるように形成してもよい。本実施形態では、ボス部23はその大部分がチャンバ13内に配置されており、排気ポート連結部13bの長さは約45mmとなっている。なお、他の実施形態においては、ボス部23の位置によって、排気ポート連結部13bを短縮、または省略してもよい。
次に、本実施形態に係る内燃機関1の作用効果について説明する。本実施形態に係る内燃機関1の作用を、排気ポートの下流にチャンバを備えない比較対象としての内燃機関(以下、比較対象という)と比較して説明する。本実施形態に係る内燃機関1は排気ポート12の流路長Lが40.0mmであり、かつ排気ポート12の下流にチャンバ13を備えている。一方、比較対象は、排気ポートの流路長が100.0mmであり、排気ポートの下流にチャンバを備えておらず、各排気ポートが互いに集合されて1つの管路をなす構造となっている。本実施形態に係る内燃機関1と比較対象とは、ともに各気筒の排気量が220ccであり、3つの排気ポート連結部13bの体積を含むチャンバ13の体積が0.2Lであり、排気ポートの上流端の直径が20.5mmであり、排気ポート連結部13bの流路長L2、すなわち排気ポート12の下流端12bからボス部23の燃焼室10と相反する側までの、平面視においてクランク軸に垂直となる方向の長さが45mmである。なお、他の条件は、実施形態に係る内燃機関1と比較対象との間で同様ある。
図4は、実施形態に係る内燃機関1の排気ポート12内の排気圧力に対する作用を示す図であって、本実施形態に係る内燃機関1と、比較対象との排気ポート12内における排気圧力の差を示している。測定は、内燃機関の回転数が3750rpmのときの、排気ポートの上流端から5.0mmの位置における圧力を、0°〜720°の範囲のクランク角に対して行った。実施形態に係る内燃機関1および比較対象は、4サイクルエンジンであり、クランク角が0°付近のときに燃焼が開始され、爆発行程(約0°〜180°)、排気行程(約180°〜360°)、吸気行程(約360°〜540°)、圧縮行程(約540°〜720°)を行う。図4に示す、曲線103は排気弁15のリフトを表し、曲線104は吸気弁14のリフトを表している。
図4に示すように、実施形態に係る内燃機関1の排気圧力(曲線101)は、比較対象の排気圧力(曲線102)と比較して、クランク角の全範囲において100〜200kPa程度低下していることが確認される。この理由は、実施形態に係る内燃機関1の排気ポート12が比較対象に比べて短く、かつ排気ポート12の下流端12bがチャンバ13に連通しているためである。実施形態に係る内燃機関1では、気筒より排出された排気はチャンバ13において即座に膨張するため、排気圧力が低下する。
ここで、実施形態に係る内燃機関1において、排気ポート12の上流端12aの径Dに対する流路長Lの長さが、排気ポート12内の排気圧力に与える影響について説明する。図5は、排気ポート12の長さに対する排気ポート12内の排気圧力の変化を示す図である。測定は、本実施形態に係る内燃機関1において、流路長Lを50.0mm(曲線105)、40.0mm(曲線106)、30.0mm(曲線107)、20.0mm(曲線108)、10.0mm(曲線109)として実施した。測定時の内燃機関の回転数は3750rpmであり、測定位置は排気ポート12の上流端12aから5.0mmの位置である。他の条件は、上述した実施形態に係る内燃機関1と同一である。図5に示す、曲線110は排気弁15のリフトを表し、曲線111は吸気弁14のリフトを表している。
図5に示すように、排気ポート12の流路長Lを50.0mmから40.0mmに短くすると、排気圧力が低下することが確認される。しかし、流路長Lを40.0mmから30.0mm、20.0mm、10.0mmへと更に短くしても、図5からわかるように概ね同一の値を示し、排気圧力の低下は確認されない。これは、流路長Lが40.0mmの場合には、気筒より排出された排気は即座にチャンバ13において膨張されるようになり、排気ポート12での排気圧力とチャンバ13内の排気圧力とが同程度になることに起因する。そのため、排気ポート12内での排気圧力はチャンバ13の大きさや形状等によって制限されるようになり、排気ポート12の流路長Lを変化させても排気ポート12内での排気圧力は変化しなくなる。これに対し、流路長Lが50.0mmの場合には、流路長Lが比較的長いため排気は即座にチャンバ13に到達することができず、排気ポート12の影響を受けて膨張が制限されるため、排気圧力が高くなる。
図5より、排気圧力が排気ポート12によって制限されるか、チャンバ13によって制限されるかの臨界は、排気ポート12の上流端12aの径Dが20.5mmの場合において、排気ポート12の流路長Lが40.0mmと50.0mmとの間にあることがわかる。排気が即座にチャンバ13に到達できるか否かは排気ポート12での排気の流れやすさに影響され、排気ポート12の径Dが大きく、流路長Lが短いほど排気は流れやすくなる。そのため、上流端12aの径Dが20.5mmで、流路長Lが40.0mmの排気ポート12よりも排気が流れやすい形状とすると、排気ポート12における排気圧力を最小とすることができる。よって、排気ポート12の流路長Lを、上流端12aの径Dの2倍より小さくすることによって、排気ポート12内の排気圧力を最小にすることができる。
図6は、実施形態に係る内燃機関1の吸気および排気の質量流量に対する作用を示す図である。測定時の内燃機関の回転数は3750rpmである。図6に示す質量流量は、値が正に大きいほど気筒への空気(吸気)の流入量が多いことを表し、値が負に大きいほど気筒からの空気(排気)の排出量が多いことを表している。図6の曲線112は実施形態に係る内燃機関1の質量流量、曲線113は比較対象の質量流量を表している。曲線114は排気弁15のリフトを表し、曲線115は吸気弁14のリフトを表している。
図6に示すように、実施形態に係る内燃機関1は比較対象と比較して、排気行程では排気の排出量が増加し、吸気行程では吸気の吸入量が増加していることが確認される。比較対象ではクランク角が約200°のときに質量流量が正の値となり、排気の逆流が確認されるが、実施形態に係る内燃機関1では排気行程の全域にわたって質量流量は負の値を維持し、逆流が発生していないことが確認される。また、比較対象ではクランク角が約360°のときに質量流量が負の値となり、吸気の逆流(吹き返し)が確認されるが、実施形態に係る内燃機関1では質量流量は正の値となっており、逆流が発生していないことが確認される。
上述したように実施形態に係る内燃機関1は比較対象と比較して、排気ポート12内における排気圧力が低下されるため、気筒からの排気の排出が促進され、排出量が増加する。また、排気圧力が十分に低いことから排気脈動の発生が抑制され、排気の気筒への逆流が防止されている。吸気行程においては、排気行程において気筒からの排気が比較対象よりも十分になされるため、筒内圧が低下して吸気の吸入が促進される。これに伴い、吸気の逆流も抑制されている。
ここで、排気ポート12の上流端12aの径Dに対する流路長Lの大きさが、実施形態に係る内燃機関1の気筒の質量流量に与える影響について説明する。図7は、排気ポート12の長さに対する質量流量の変化を示す図である。測定は、本実施形態に係る内燃機関1において、流路長Lを50.0mm(曲線116)、40.0mm(曲線117)、30.0mm(曲線118)、20.0mm(曲線119)、10.0mm(曲線120)として実施した。測定時の内燃機関の回転数は3750rpmである。他の条件は、上述した実施形態に係る内燃機関1と同一である。図7に示す、曲線121は排気弁15のリフトを表し、曲線122は吸気弁14のリフトを表している。
排気ポート12内の排気圧力と同様に、排気ポート12の流路長Lを50.0mmから40.0mmに短くすると、排気行程および吸気行程において、排気量および吸気量が低増加することが確認されるが、流路長Lを40.0mmから30.0mm、20.0mm、10.0mmへと更に短くしても、図7からわかるように概ね同一の値を示し、排気量および吸気量の増加は確認されない。この理由は、上述した流路長Lと排気ポート12の排気圧力との関係における理由と同様である。
排気ポート12の流路長Lと質量流量との関係においても、変化の臨界は、排気ポート12の上流端12aの径Dが20.5mmの場合において、排気ポート12の流路長Lが40mmと50mmとの間にあることが確認される。よって、排気ポート12の流路長Lを排気ポート12の上流端12aの径Dの2倍の値より小さくすることによって、内燃機関1の気筒の質量流量を最適化することができる。
図8は、実施形態に係る内燃機関1の体積効率(η)に対する作用を示す図である。図8の曲線123は実施形態に係る内燃機関1の体積効率、曲線124は比較対象の体積効率を表している。曲線125は排気弁15のリフトを表し、曲線126は吸気弁14のリフトを表している。
図8に示すように、実施形態に係る内燃機関1は、比較対象と比べて内燃機関の回転数の全範囲において、体積効率が向上していることがわかる。特に、回転数が約3000回転以上の領域においては、体積効率は10%程度向上していることが確認される。
図9は、実施形態に係る内燃機関1の筒内圧力に対する作用を示す図である。測定時の内燃機関の回転数は3750rpmである。図9の曲線127は実施形態に係る内燃機関1の筒内圧力、曲線128は比較対象の筒内圧力を表している。曲線129は排気弁15のリフトを表し、曲線130は吸気弁14のリフトを表している。
図9に示されているように、排気行程において、実施形態に係る内燃機関1の筒内圧力は比較対象の筒内圧力と比較して低下している。これは、上述したように、排気ポート12内の排気圧力が低減され、気筒内からの排気の排出が促進されたことに起因する。
図10は、実施形態に係る内燃機関1の筒内圧力に対する作用を示す図である。測定時の内燃機関の回転数は3750rpmである。図10の曲線131は実施形態に係る内燃機関1の筒内温度、曲線132は比較対象の筒内温度を表している。曲線133は排気弁15のリフトを表し、曲線134は吸気弁14のリフトを表している。
図10に示されているように、排気行程、吸気行程および圧縮行程において、実施形態に係る内燃機関1の筒内温度は比較対象の筒内温度と比較して低下している。これは、排気行程において高温である排気の排出が促進されたことに起因する。筒内温度が低下すると、ノッキングの発生が抑制され、圧縮比を大きくすることが可能となる。
以上のように、実施形態に係る内燃機関1は、排気ポート12内の排気圧力を低下させることによって、排気効率および体積効率を向上させ、出力を向上させることができる。また、実施形態に係る内燃機関1は、各燃焼室に連通する排気ポート12を短縮化することができるとともに、排気マニホールドを省略することができるため、内燃機関のコンパクト化が図れる。
実施形態に係る内燃機関1は、ボス部23が、チャンバ13の内方へと突出しているが、隣り合うボス部23間の距離が十分に確保され、かつチャンバ13の高さが十分に確保されているため、すなわち排気ポート連結部13bが、排気ポート12に比較して流路断面が十分大きいため、排気ポート連結部13bはチャンバ13の一部とみなすことができる。排気は排気ポート連結部13bにおいて膨張し、排気ポート12内の排気圧力が低下される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、気筒数や、排気ポートの形状、チャンバの形状等は適宜変更可能である。本実施形態では、チャンバをシリンダヘッドに一体的に形成したが、チャンバをシリンダヘッドと別体に形成してもよい。その他、内燃機関の構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態に係る内燃機関の要部を一部破断して示す断面図である。 シリンダヘッドを示す縦断面図である。 シリンダヘッドを示す横断面図である。 実施形態に係る内燃機関の排気ポート内の排気圧力に対する作用を示す図である。 排気ポートの長さに対する排気ポート内の排気圧力の変化を示す図である。 実施形態に係る内燃機関の吸気および排気の質量流量に対する作用を示す図である。 排気ポートの長さに対する吸気および排気の質量流量の変化を示す図である。 実施形態に係る内燃機関の体積効率に対する作用を示す図である。 実施形態に係る内燃機関の筒内圧力に対する作用を示す図である。 実施形態に係る内燃機関の筒内ガス温度に対する作用を示す図である。
符号の説明
1:内燃機関、2:シリンダブロック、4:シリンダヘッド、6:シリンダ、10:燃焼室、11:吸気ポート、12:排気ポート、12a:排気ポートの上流端、13:チャンバ、13a:チャンバの側壁、23:ボス部、D:排気ポートの上流端の径、L:排気ポートの流路長

Claims (3)

  1. 燃焼室に連通する管状の排気ポートと、前記排気ポートと比較して大きい流路断面積を有するとともに前記排気ポートの下流端に連結されるチャンバとを備えた内燃機関であって、
    前記排気ポートの流路長が、前記排気ポートの上流端における径の2倍より短いことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記チャンバは、シリンダヘッドに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記チャンバの前記燃焼室側の側部に前記シリンダヘッドをシリンダブロックに締結するシリンダヘッドボルトが挿入されるボス部が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関。
JP2008320485A 2008-12-17 2008-12-17 内燃機関 Pending JP2010144546A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008320485A JP2010144546A (ja) 2008-12-17 2008-12-17 内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008320485A JP2010144546A (ja) 2008-12-17 2008-12-17 内燃機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010144546A true JP2010144546A (ja) 2010-07-01

Family

ID=42565238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008320485A Pending JP2010144546A (ja) 2008-12-17 2008-12-17 内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010144546A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51154607U (ja) * 1975-06-05 1976-12-09
JPH01182560A (ja) * 1988-01-11 1989-07-20 Yamaha Motor Co Ltd 過給機付エンジンのシリンダヘッド構造

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51154607U (ja) * 1975-06-05 1976-12-09
JPH01182560A (ja) * 1988-01-11 1989-07-20 Yamaha Motor Co Ltd 過給機付エンジンのシリンダヘッド構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5925878B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP5910034B2 (ja) 多気筒エンジンの排気装置
US8191676B2 (en) Resonator for a dual-flow exhaust system
JP2007285168A (ja) 内燃機関のシリンダヘッド構造
WO2011136088A1 (ja) 排気マニホールド
JP2016148280A (ja) ターボチャージャ付き内燃機関
US20130104817A1 (en) Engine assembly including crankcase ventilation system
US7980232B2 (en) Four stroke internal combustion engine
JP2010144546A (ja) 内燃機関
JP5893926B2 (ja) 触媒内蔵マフラ
JP6468443B2 (ja) 多気筒エンジンの排気構造
CN110388274B (zh) 内燃机的汽缸盖
JP2009144653A (ja) 排気ガス再循環装置
JP4860451B2 (ja) 内燃機関
US7526915B2 (en) Single cylinder engine with ternary catalyst in exhaust passage and vehicle provided with same
JP4158578B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP4297044B2 (ja) 内燃機関
JP6241988B2 (ja) 内燃機関
JP7288303B2 (ja) エンジンのシリンダヘッド構造
JP6997966B2 (ja) エンジンの排気構造
EP2394035B1 (en) Egr device for an engine
JPS6332327Y2 (ja)
JP3913523B2 (ja) 2サイクルエンジンの排気管路
JP6512478B2 (ja) 内燃機関
JP4288032B2 (ja) 2サイクルエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101125

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120501

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120904