JP2010144440A - 取付具の固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屋根材3の上に取付けられる設備部材Pを取付固定するための取付具1の固定構造であって、前記屋根材は、垂木5に野地板4を取付けた上に設けられ、前記取付具を前記屋根材の上に取付固定する固定ねじ2を該固定ねじの先側が天井裏側4aから突き出るように螺入し、突き出た前記固定ねじのねじ部2aに、前記天井裏側から補強部材6を取付ける構造にするとともに、前記前記補強部材の高さは前記垂木の高さと略同一とし、前記補強部材の両側に位置する前記垂木の下面には、該下面に跨るように補強板7が設けられ、該補強板で前記補強部材の下面を下方より支持する構造としていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
下記特許文献1には取付具を固定する支持ボルトを屋根材及び野地板に貫通させ、支持ボルトの先端側螺子部を固定ナットで締め付け固定する構造が記載されている。
これによれば、固定ナットで固定されている限り、支持ボルトが屋外側へ抜けてしまうことを防止でき、太陽電池パネルが屋根から脱落することが防止できるとされている。
しかしながら、この場合は支持ボルトの固定保持力を強めることはできても、例えば積雪などにより屋根に荷重がかかった場合に垂木間の野地板が撓んでしまうため、設備部材を取付具によって屋根材に取付けられないという問題があった。
図中、100は太陽電池パネルなど設備部材(不図示)を取付固定するための取付具、100aはねじ挿通孔、200は固定ねじ、300は屋根材、400は野地板、500は垂木、600は取付孔である。
図5(a)に示す取付具100の固定構造は、屋根材300の所定位置に電動穴あけ工具などで取付孔600を形成しておき、その後、取付具100を配置して固定ねじ200をねじ挿通孔100aを通じて屋根材300及び野地板400にねじ込んで固定した構造としたものである。
図5(a)に示すように屋根材300に荷重がかからない場合は、このような固定構造で十分であるが、冬場は雪が積もる地域においては、屋根材300の上に雪が積もると図5(b)に示すように矢印D方向に荷重がかかり、垂木500間の野地板400が撓んでしまう影響を受け、取付具100から設備部材(不図示)が外れたり、設備部材が破損するおそれが生じる。
取付具100を屋根材300に強固に取付ける方法としては、垂木500の配設位置に固定ねじ200がねじ込まれるように取付具100を設ける方法が考えられる。
しかしながら、垂木500は屋根材300側からはどこに配設されているかわかりにくいため、取付具100の取付作業がし辛い。またこの方法では取付具100の取付位置が制約されるため、設備部材の取付位置もおのずと制約される点も問題となる。特に取付具100が太陽光を用いて発電を行う太陽電池パネルを取付けるものとして用いられる場合は、垂木500の配設位置に捉われず日当たりのよい場所に取付けたいという要望に応えることができない。
更に上述の方法は、垂木500のない屋根構造には採用できない点も問題となる。
これによれば、柱形状の補強部材には貫通孔が形成されているので、固定ねじの先側が貫通孔に誘導され、スムーズに補強部材を螺入していくことができる。また補強部材には固定ねじの径より小さい貫通孔が形成されているので、補強部材と螺入される固定ねじの先側との間に強い締結力が生じ、取付強度を確保することができる。
これによれば太陽電池パネルを取付固定するための取付具を強固に屋根材に取付けることができる。よって積雪などにより荷重を受けても野地板が撓むことなく、冬場であっても太陽電池パネルを設置しておくことができる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る取付具の固定構造を説明するための斜視図、図2(a)、(b)は同取付具の固定構造における補強部材の取付要領を示した要部断面図、図3(a)(b)は同取付具の固定構造における補強板の取付要領を示した要部断面図、図4は本発明の第2の実施形態に係る取付具の固定構造における補強板の取付要領を示した要部断面図である。ここでは設備部材を太陽の光を電気エネルギーに変換し発電を行う太陽電池パネルPとした場合について説明する。
図1〜図3を参照しながら本発明の第1の実施形態に係る取付具の固定構造について説明する。
図1に示す屋根構造は、垂木5に野地板4を敷設した上に屋根材3が上下多段に葺き重ねられた構造としており、屋根材3としては、スレート瓦を用いた例を示している。屋根材3はスレート瓦に限定されずセメント、粘土、樹脂、陶器などからなる瓦としてもよい。また図1では防水シートを図示していないが、屋根材3と野地板4の間に防水シートが設けられたものとしてもよく、屋根材3は野地板4の上に釘(不図示)で固定されている。
取付具1は金属材或いは硬質の樹脂材などからなる長方形の厚みのあるプレート体であり、取付具本体10と取付具本体10の長手方向の両端部には取付片11とを備えている。取付片11には取付具1を屋根材3に固着するための固定ねじ2が挿通されるねじ挿通孔1aが形成されている。ここではねじ挿通孔1aが2箇所形成され、ひとつの取付具1に対して2つの固定ねじ2で固着される例を示しているが、これに限定されるものではない。取付具1を屋根材3に固定する固定ねじ2は、屋根材3に螺入された際に固定ねじ2の先側に形成されたねじ部2aが天井裏面4aから突き出る長さを備えている。
太陽電池パネルPは屋根材3の上に取付けられた取付具1によって固着一体とされており、その固着方法は特に限定されるものではないが、例えば取付具1に形成された凹部(不図示)内にナット付きの連結ボルトを嵌め込み、太陽電池パネルPをその連結ボルトで連結することにより固着一体するものとしてもよい。
またここでは図示していないが、取付具1と屋根材3の間にカバー板金を設けられば、取付具1を取付ける際の屋根材3の割れを防いだり、水の浸入などを防ぐようにすることもできる。
取付具1は固定ねじ2によって屋根材3に取付けられ、この固定ねじ2を屋根材3及び野地板4に貫通させ、固定ねじ2の先側が天井裏側4aから突き出るように螺入する。天井裏側4aから突き出た固定ねじ2のねじ部2aには天井裏側4a(屋内側)から補強部材6が取付けられる。
補強部材6は固定ねじ2の径より小さい貫通孔6aが形成された六角柱形状をなし、その材質は木材、集積木材、樹脂材からなるものとすることができる。補強部材6の高さ(厚み)は垂木5の高さと略同一に形成される(図3(a)の一点鎖線L参照)。
なお、補強部材6の形状は六角柱形状のような角柱の他、円柱形状としてもよいが、後記するように六角柱形状とすればスパナなどを使って固定ねじ2の先側に対して補強部材6を強固に取付けることができる。また補強部材6の下面に六角レンチと嵌合可能な凹所を形成し、取付ける構造としてもよい。
次に取付具1の取付手順について説明する。
まず屋根材3の上に設置される太陽電池パネルPの大きさなどに合わせて取付具1の取付位置を決める。電動穴あけ工具などを用いて固定ねじ2がねじ込まれる位置にねじ孔を形成しておく。取付具1のねじ挿通孔1aと屋根材3に形成されたねじ孔とが通じるように取付具1の位置合わせを行い、電動ドライバーなどを用いて固定ねじ2をねじ挿通孔1aを通じて屋根材3にねじ込んでいく。このとき固定ねじ2のねじ頭が取付片11の上面に当接するまでしっかりと螺入すれば、固定ねじ2は屋根材3とその下に敷設されている野地板4を貫ぬき、固定ねじ2の先側に形成されたねじ部2aが天井裏面4aから突き出た状態となる(図2(a)参照)。
このように屋根材3及び野地板4が固定ねじ2のねじ頭と補強部材6とで強固に挟まれた状態となるので、補強部材6が外れない限り固定ねじ2が屋外側へ抜けて脱落してしまうことがない。
また補強部材6には固定ねじ2の径より小さい貫通孔6aが形成されているので、固定ねじ2の先側のねじ部2aに補強部材6を螺入していくと強い締付力が生じ、強い取付強度を確保できる。更にこのように垂木5を狙って固定ねじ2をねじ込まなくても強固に取付具1を取付けることができる。
こうして取付具1を屋根材3に取付けることができる。
これによれば、屋根材3に積雪など荷重がかかっても、野地板4が撓むことがなく、耐荷重性に乏しい野地板4が構成された屋根構造であっても、屋根材3の上に取付られる太陽電池パネルPの取付状態を良好に維持することができる。
続いて図4を参照しながら本発明の第2の実施形態に係る取付具の固定構造について説明する。
上述した第1の実施形態と共通する部分には共通の符号を付し、その説明は省略する。
図4に示す第2の実施形態は第1の実施形態とは屋根構造において垂木5を備えていない点で異なり、このため補強板7に取付足9が設けられている点で異なる例である。
よって取付具1を固定する固定ねじ2の取付手順や構成、そして固定ねじ2のねじ部2aに取付けられる補強部材6の取付手順や構成は第1の実施形態と同様である(図4(a)参照)。
補強板7は取付足9を貫通して野地板4に至る補強板固定ねじ8で取付けられるため、補強板固定ねじ8が螺入される位置にはねじ挿通孔(不図示)が形成されている。補強板7は第1の実施形態と同様に金属材或いは硬質の樹脂材などからなるものとすることができ、取付足9は硬質の樹脂材或いは補強部材6と同じく木材、集積木材、樹脂材からなるものとすることができる。補強板7と取付足9とが同じ樹脂材からなるものとすれば一体成型することができる。またそれぞれが別体に形成される場合は接着剤などで固着一体とすれば、取付施工性のよいものとすることができる。
なお、ここでは補強板7と取付足9とが一体となっている例について説明するが、補強板7と取付足9とは必ずしも一体に構成される必要はなく、取付足9を野地板4にねじなどで固着した後、補強板7を補強板固定ねじ8で固着するようにしてもよく、補強板7で強固に補強部材6の下面を下方から支持することができる構成となればよい。
次に取付具1の取付手順について説明する。
上述したように固定ねじ2及び補強部材6の取付手順は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
固定ねじ2のねじ部2aに補強部材6を取付けた後、補強部材6の下面に、下面に跨るように取付足9を備えた補強板7を配設する(図3(a)参照)。このとき、野地板4の天井裏側4aの補強板固定ねじ8がねじ込まれる位置や取付足に予め電動穴あけ工具などを用いて仮穴を形成しておいてもよい。
補強板7を下方から補強部材6の下面に跨るように設けられるよう位置合わせを行い、電動ドライバーなどを用いて補強板固定ねじ8を取付足9を貫通して野地板4に至るようねじ込んでいき、補強板7で補強部材6の下面を下方より支持するように取付ける(図4(b)参照)。
こうして取付具1を屋根材3に取付けることができる。
これによれば、垂木5がない屋根材3に積雪など荷重がかかっても、取付足9を備えた補強板7によって補強部材9の下面を下方から支持することができるので、第1の実施形態と同様に野地板4が荷重で撓むことがなく、耐荷重性に乏しい野地板4が構成された屋根構造であっても、屋根材3の上に取付られる太陽電池パネルPの取付状態を良好に維持することができる。
1 取付具
2 固定ねじ
2a ねじ部
3 屋根材
4 野地板
4a 天井裏側
5 垂木
6 補強部材
7 補強板
9 取付足
Claims (4)
- 屋根材の上に取付けられる設備部材を取付固定するための取付具の固定構造であって、
前記屋根材は、垂木に野地板を取付けた上に設けられ、前記取付具を前記屋根材の上に取付固定する固定ねじを該固定ねじの先側が天井裏側から突き出るように螺入し、突き出た前記固定ねじのねじ部に、前記天井裏側から補強部材を取付けるとともに、
前記前記補強部材の高さは前記垂木の高さと略同一とし、
前記補強部材の両側に位置する前記垂木の下面には、該下面に跨るように補強板が設けられ、該補強板で前記補強部材の下面を下方より支持する構造としていることを特徴とする取付具の固定構造。 - 屋根材の上に取付けられる設備部材を取付固定するための取付具の固定構造であって、
前記屋根材は野地板を取付けた上に設けられ、前記取付具を前記屋根材の上に取付固定する固定ねじを該固定ねじの先側が天井裏側から突き出るように螺入し、突き出た前記固定ねじのねじ部に、前記天井裏側から補強部材を取付けるとともに、
前記補強部材の下面には、前記補強部材の高さと略同一の高さで且つ前記野地板の裏面に当接する取付足を備えた補強板が設けられ、該補強板で前記補強部材の下面を下方より支持する構造としていることを特徴とする取付具の固定構造。 - 請求項1又は請求項2において、
前記補強部材は前記固定ねじの径より小さい貫通孔が形成された柱形状からなることを特徴とする取付具の固定構造。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
前記設備部材を太陽電池パネルとすることを特徴とする取付具の固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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